一眼レフの王道・ニコン「 D850」再評価レビュー! 「高画質」と「高速連写」どっちも欲しい贅沢派にぜひ

昨秋発売のニコンのフルサイズ高画素機「D850」は画素数が従来モデルのD810の3635万画素から4575万画素にアップ。連写性能も大幅に増え、AFシステムや画像処理エンジンはフラッグシップ機のD5同等となっている。

 

D810まで採用されていた内蔵フラッシュは廃止されたが、ペンタ部を中心にシャープで精悍なデザインとなり、可動式背面モニターが採用されたことで従来機以上の機動力を獲得。ここでは、こうした数多くの改良により人気となっている同機種を従来モデルと比較しながら、その特徴について紹介する。

↑高画素モデルながら連写に強く、ボディ単体で約7コマ/秒を実現。さらに、ボディ底面に取り付けるマルチパワーバッテリーパックMB-D18を併用すると約9コマ/秒で撮影できる。参考価格/ 39万9600円(ボディ)
↑高画素モデルながら連写に強く、ボディ単体で約7コマ/秒を実現。さらに、ボディ底面に取り付けるマルチパワーバッテリーパック「MB-D18」を併用すると約9コマ/秒で撮影できる。実売価格/ 39万9600円(ボディ)

 

【基本スペック】

画素数を上げながらも連写性能が格段に向上

有効画素数4575万画素で、最高約7コマ/秒(MB-D18使用時は9コマ/秒)の高速連写という“画質と高速性能の高次元バランス”が、D850の魅力の神髄。画素数での優位性はより高まり、連写性能はフラッグシップ機D5に近づいた。可動式モニター採用で機動性はD750並み。高級機ではあるが、多くのユーザーにとって非常に魅力的なフルサイズ機になるだろう。

20180128_kohno_b

画素数を増やしながらも常用ISO感度上限値は1段アップ。4K動画撮影にも対応した。質量はわずかに増したが、機能や仕様からすれば納得いく数値だ。ISO感度ボタンの位置などは変更されたが、基本的なボタンレイアウトは前機種を踏襲。モニターのタッチ操作に対応し、操作性も向上している。

↑正面
↑正面

 

↑背面
↑背面

 

↑上面
↑上面

 

↑可動式(チルト式)の液晶モニターを搭載しているが、D810ボディ(左)と比べても特に厚みは感じない。内蔵フラッシュを廃止したことで、前方へのせり出しも抑えられている
↑可動式(チルト式)の液晶モニターを搭載しているが、D810ボディ(左)と比べても特に厚みは感じない。内蔵フラッシュを廃止したことで、前方へのせり出しも抑えられている

 

↑背面モニターはタッチ操作対応。直感的にAF 測距点を選択可能で、タッチシャッターを切ることもできる
↑背面モニターはタッチ操作対応。直感的にAF 測距点を選択可能で、タッチシャッターを切ることもできる

 

↑高速で信頼性の高いXQDカードと、UHS-Ⅱ規格対応のSDカードのダブルスロット仕様。高速連写後の書き込みも速い
↑高速で信頼性の高いXQDカードと、UHS-Ⅱ規格対応のSDカードのダブルスロット仕様。高速連写後の書き込みも速い

【特徴①画質】

ニコンデジタル一眼レフ初の「裏面照射型CMOSセンサー」採用

有効4575万画素の撮像素子は、ニコンデジタル一眼レフ初の裏面照射型CMOSセンサーとなっている。このタイプは、フォトダイオード上に配線層が重ならないため、入射光を素子に効率的に導ける。これにより、優れた高感度性能や感度全域で広いダイナミックレンジが得られる。さらに、高い解像感が得られる光学ローパスレス仕様な点も画質向上に寄与している。

↑開放F2.8の高性能な大口径望遠ズームを使用し、ユニークな構造のビルを撮影。極めて解像感が高く、立体感のある描写が得られた。雲などの階調も豊かで、高画素でもダイナミックレンジが広いことを感じさせる写りだ。120ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/250秒) WB:晴天 ISO64
↑開放F2.8の高性能な大口径望遠ズームを使用し、ユニークな構造のビルを撮影。極めて解像感が高く、立体感のある描写が得られた。雲などの階調も豊かで、高画素でもダイナミックレンジが広いことを感じさせる写りだ/120mm相当 絞り優先オート(F8 1/250秒) WB:晴天 ISO64

 

20180128_kohno_010a

↑裏面照射型センサーに加え、画像処理エンジンにD5と同じ「EXPEED5」を採用。高画素センサーから得られる情報を高速・高精度に処理。優れた描写と同時に、約9コマ/秒の高速連写や、4K UHD動画も実現された
↑裏面照射型センサー(上の写真)に加え、画像処理エンジンにD5と同じ「EXPEED5」を採用(下の写真)。高画素センサーから得られる情報を高速・高精度に処理。優れた描写と同時に、約9コマ/秒の高速連写や、4K UHD動画も実現された

 

【特徴②高速連写】

約9コマ/秒の高速連写に対応

「最高約9コマ/秒」の連写が可能なので、従来のD800シリーズ機とは異なる本格的な連写が堪能できる。また、ニコンデジタル一眼レフ初の「シャッターカウンターバランサー」を搭載。これにより、画質に悪影響を及ぼす露光中の機構ブレも徹底的に低減された。

↑ボディ単体の約7コマ/秒連写で捉えた、走るフラミンゴの一瞬。14ビットロスレス圧縮RAWで約51コマの連続撮影が可能なのも魅力だ。200mm相当 マニュアル露出(F3.5 1/3200秒) WB:自然光オート ISO400
↑ボディ単体の約7コマ/秒連写で捉えた、走るフラミンゴの一瞬。14ビットロスレス圧縮RAWで約51コマの連続撮影が可能なのも魅力だ/200mm相当 マニュアル露出(F3.5 1/3200秒) WB:自然光オート ISO400

 

【特徴③高感度】

高画素機だが、高感度でも高画質

サイズが同じセンサーで高画素化が進むと、高感度性能の悪化が懸念される。だが、裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED5」との連携で、D850は常用感度ISO25600を実現。3635万画素のD810と比較しても、その高感度画質の向上が確認できるほど画質がアップしている。

↑ISO12800の高感度で夜景を手持ち撮影。それでも1/25秒の低速シャッターとなったが、カメラブレもぜず、感度を考慮すれば十分に高画質に撮影できた。46ミリ相当 絞り優先オート(F4 1/25秒) -0.7補正 WB:オート ISO12800
↑ISO12800の高感度で夜景を手持ち撮影。それでも1/25秒の低速シャッターとなったが、カメラブレもぜず、感度を考慮すれば十分に高画質に撮影できた。46mm相当 絞り優先オート(F4 1/25秒) -0.7補正 WB:オート ISO12800

 

クラシックで新しい、そんなミラーレス――もはや名機確定「FUJIFILM X-E3」を改めて評価&レビュー!

ミラーレス一眼は光学ファインダーを持たないためデザインの自由度が高く、コンパクトデジカメのようなスクエアでスマートなデザインのカメラも存在する。そうしたカメラの注目株が、昨年発売された富士フイルム「FUJIFILM X-E3」だ。このX-E3は、ファインダー搭載ミラーレスのXシリーズで最小最軽量ボディを実現し、2430万画素センサーと画像処理エンジン「X-Processor Pro」の組み合わせで、画質に関してもハイレベル。タッチパネルの採用により操作性も進化している。ここでは、このX-E3について従来機からの進化点や特徴をチェックし、その魅力を探る。

↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現
↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現。実売価格/ 8万7510円(ボディ)

 

【基本スペック】

画素数が2430万にアップして4K動画撮影などにも対応

独自のカラーフィルター配列を採用するローパスフィルターレス構造の「X-Trans CMOSセンサー」は、高品位画質の重要ポイント。そのセンサーの有効画素数が1630万画素から2430万画素にアップ。画像処理エンジンの進化などで、常用ISO感度も1段アップした。タッチ対応モニターや、4K動画撮影機能も魅力。それでいて、ボディ横幅はかなり抑えられた。

20180129_kohno_a

↑正面
↑正面

 

↑背面
↑背面

 

↑上面
↑上面

 

↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している
↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している

 

【特徴①タッチパネル】

タッチパネル採用により十字キーを省略したシンプルな操作系

操作面では、タッチパネル式背面モニターにより、直感的にピント位置の移動やレリーズ操作が可能。スマホのようなフリックやダブルタップなどの操作に対応し、各種の機能呼び出しや設定を直感的に行える。これにより十字キーを省略して背面がシンプルになり、よりグリップしやすいボディに進化した。

↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える
↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える

 

↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能
↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能

 

【特徴②AF】

像面位相差AF採用で高速かつ高精度なAFが可能

AF測距点は91点(最大325点)。高速で高精度な位相差AFエリアは全画面の横50%と縦75%の広い範囲をカバーする。画像認識アルゴリズムの改善で、被写体への追従性も向上。また、フォーカスレバーによるダイレクトな操作で、迅速なAF測距点選択が行える。

↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴③連写】

電子シャッター使用により14コマ/秒連写が可能

小振りでクラシカルな外観だが、本格的な連写機能を搭載。メカシャッター連写の最速値は8コマ/秒で、画質設定がJPEGモードなら連続62枚まで撮影することができる(非圧縮RAWでは23枚)。なお、電子シャッター設定時には、約14コマ/秒という高速連写も可能だ。

↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴④フィルムシミュレーション】

手軽にフィルム感覚での仕上がり設定が可能

80年以上のフィルム製造で培ったノウハウを生かした「フィルムシミュレーション」も、Xシリーズの大きな魅力の1つだ。PROVIA /スタンダード、Velvia /ビビッド、ASTIA /ソフト、ACROS、など、フィルムを交換するような感覚で仕上がりが調整できる。

↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した。305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250
↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した/305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250

 

20180129_kohno_012
↑フィルムシミュレーションは計15モードを搭載

 

↑「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能
↑画像の粒状感が調整できる「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能

 

【特徴⑤Bluetooth】

スマホとの常時接続が可能で画像の自動転送が容易

Bluetooth機能を搭載。これにより、専用アプリを導入したスマホやタブレットと常時接続が可能になり、撮影画像を自動的に転送することが可能になった。また、スマホやタブレットを使ったリモート撮影やカメラ内閲覧も可能だ。

↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる
↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる

 

【体験レポ】予算がなくても大丈夫!! 「レンズレンタル」使ってみたらめちゃ便利だった!

高級レンズを使ってみたいが予算があまりないといった場合や、たまにしか使わない交換レンズなので購入するほどではないといった場合は、レンズをレンタルするという方法があります。本稿では、実際にレンタルショップを利用してわかったメリットや注意点などをご紹介!

↑高価な一眼用交換レンズは、常用するのでなければ購入のほかレンタルするのもコスト面でのメリットは多い
↑特に高価な一眼用交換レンズは、常用するのでなければ必要なときだけレンタルで利用するのもあり!

 

【体験レポート】短時間で手続きでき、低予算でレンズを使える!

交換レンズや撮影機材のレンタルは、システムは理解できていても実際に使ってみないとわからない点が少なくありません。そこで都内の大手レンタルショップで実店舗を持ち、ネット経由での貸し出しも行っている「マップレンタル」を取材。実際に機材を借りてみました。結果、いくつか注意点はあるものの、入会手続きや貸し出し、返却手続きなどは短時間で行うことができ、機材も十分に整備されていて大満足! 1~2日間の使用であれば多くのレンズを1万円以下で借りることができ、低予算で撮影が楽しめると実感できました。

 

今回取材したマップレンタルは、東京は新宿駅南口から徒歩数分の距離。首都圏なら実店舗で借りたほうが、金額的にもお得で便利。今回は店頭で貸し出し、返却を行いました。

↑マップレンタルのビル入り口。JR新宿駅南口から歩いて数分という利便性の高い立地が魅力実店舗での貸し出しのほか、ネット経由で全国配送も行っている大手レンタル店。交換レンズだけでなく、カメラボディやビデオカメラ、アクセサリー関連まで取り扱い品揃えも豊富。(http://www.maprental.com/)
↑マップレンタルのビル入り口。JR新宿駅南口から歩いて数分という利便性の高い立地が魅力です。実店舗での貸し出しのほか、ネット経由で全国配送も行っています。交換レンズだけでなく、カメラボディやビデオカメラ、アクセサリー関連まで取り扱い品揃えも豊富(※写真では3Fとなっていますが、現在は同じビルの2Fに移転しています)

 

↑JR新宿駅南口から甲州街道を初台方向に進み、西新宿1丁目交差点を左折。マクドナルドの手前を右折して直進、左手側にある
↑JR新宿駅南口から甲州街道を初台方向に進み、西新宿1丁目交差点を左折。マクドナルドの手前を右折して直進、左手側にあります

 

【Step.1 申し込み】

まずは会員登録を行おう

レンタル店では、実店舗、ネット経由とも、基本的に会員登録が必須。その際、ほとんどのケースで運転免許証などの本人確認書類が必要です。マップレンタルでは、2種類の本人確認書類を用いて本人確認を行っています。

↑申し込みの際に用意される書類。申し込み書のほか、個人情報、会員約款、補償制度の案内など。店頭ではそれらの説明も受けられます

 

↑マップレンタルでは、店頭での会員登録のほか、Webでの登録も可能。ただし、Webの場合は数日の時間を要する。本人確認用に顔写真の付いた免許証、パスポートなどに加え、保険証などの2点が必要
↑マップレンタルでは、店頭での会員登録のほか、Webでの登録も可能。ただし、Webの場合は数日の時間を要します。本人確認用に顔写真の付いた免許証、パスポートなどに加え、保険証などの2点が必要

 

【Step.2 リクエストと受け取り】

Webで事前予約を行えばスムーズ&安心

会員番号が決定した段階で機材の貸し出しが可能になりますが、使用したい機材の在庫が必ずあるとは限りません。そのため、事前にWebから予約するのがおすすめ。特に運動会シーズンなどは、望遠レンズが出払ってしまうことも多いそうです。予約自体は会員登録前でも可能。

↑マップレンタルのWebページ。画面の「カートに入れる」をクリックし、予約する。予約は1か月前から可能で、直前でも貸し出しがスムーズに行える。ただし、Webから行えるのはあくまでリクエストのみで、その後メール通知で予約が確定する方式となっている
↑マップレンタルのWebページ。画面の「カートに入れる」をクリックし、予約します。予約は1か月前から可能で、直前でも貸し出しがスムーズに行えます。ただし、Webから行えるのはあくまでリクエストのみで、その後、メール通知で予約が確定する方式となっています

 

↑Web予約は店頭で借りる場合も有効だが、どの機材がいいか迷うこともある。店頭なら現物が見られるうえ、店員に相談も可能。予約がなければ、当日その場で借りられる
↑Web予約は店頭で借りる場合も有効ですが、どの機材がいいか迷うこともあるでしょう。そんなときは、店頭で現物を見ながら店員さんに相談も可能。予約がなければ、当日その場で借りられます

 

【Step.3 受け取り】

配達と店頭受け取りの違いを知ろう!

配達の場合は、基本的に機材の元箱に入った状態で送られてきます。内容の詳細が書かれた貸し出し票が同梱されるので、到着したら機材と合わせて、付属品の有無などを確認しましょう。

 

店頭受け取りには、会員証が必要。店頭貸し出しは、貸し出し書類に記入して、機材が正常に動作するかを確認。貸し出し時は、保護フィルターを付けた状態でカメラバッグやポーチに入れて貸し出してくれます(なしも可)。貸し出しまでの時間は10~20分程度。

20180209_kohno_006
↑店頭貸し出し時は、貸し出し票が付属品の確認票を兼ねています

 

↑店頭貸し出し時は、貸し出し票が付属品の確認票を兼ねる(上)。借りる前に機材の動作を確認できる。店舗所有の機材のほか、自分のカメラで動作確認することも可能だ(下)
↑店頭貸し出しでは借りる前に機材の動作を確認できます。店舗所有の機材のほか、自分のカメラで動作確認することも可能

 

↑マップレンタルでは、店頭貸し出しの場合は1日レンタルが可能で実質2泊3日で借りられてお得。配送では、到着日が1日とカウントされ、2日からの貸し出しとなる点が異なる
↑マップレンタルでは、店頭貸し出しの場合は1日レンタルが可能で実質2泊3日で借りられてお得。配送では、到着日が1日とカウントされ、2日からの貸し出しとなる点が異なります

 

↑今回借りたM.ZUIKO DIGITAL ED 25ミリF1.2 PRO。実売で13万円を超えるレンズだが、1日3300円で借りられた
↑今回借りたM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO。実売価格で13万円を超えるレンズですが、1日3300円で借りることができました

 

↑今回借りたオリンパスの25ミリF1.2レンズを使用して撮影してみた。十分に整備されていて、機材の状態もベスト。1日思う存分撮影を楽しめた
↑今回借りたオリンパスの25mmF1.2レンズを使用して撮影。十分に整備されていて、機材の状態もベスト。1日思う存分撮影を楽しめました

 

【Step.4 返却】

返却時は付属品の漏れに注意しよう

返却時は、付属品の漏れがないように注意。紛失した場合は、実費を支払う必要があります。送付の場合は、送付されてきた箱に戻してショップに送ればOK。申し込み時に送料も支払った場合は、同梱の返却用の着払い伝票を使います。

レンズレンタル5つの疑問

レンズや機材を借りる際は、故障や期限など気になることも多いですよね。そこで、今回取材したマップレンタルの清水さんに、機材を借りるときに気になる5つの疑問を聞いてみました。

お話を聞いた人/清水由香子さん

↑「プロの方だけでなく、写真やカメラのファンの皆さまに、広くご利用いただいています。店頭では、貸し出し機材の相談も可能です」(清水さん)
↑「プロの方だけでなく、写真やカメラのファンの皆さまに、広くご利用いただいています。店頭では、貸し出し機材の相談も可能です」(清水さん)

 

Q1. 万が一レンズを壊してしまったら?

機材が壊れたり、水没したりといった場合のために、レンタル代金の10%を必ず支払っていただく補償制度を設けています。ただし、5000円は免責となり、お支払いいただく必要があります。紛失など実機がない場合は補償できなくなりますので、壊れていても機材をお持ちいただくようにお願いいたします。

 

Q2. 海外旅行に持っていってもOK?

海外への持ち出し自体は禁止していませんが、当店の補償制度は国内のみ有効となります。そのため、海外でトラブルがあった場合、すべて実費となりますので、ご自身で別途、保険にご加入いただくことをおすすめします。

 

Q3. 返却期限に間に合わなかったら?

期間終了日時までにご連絡いただければ、ほかのご予約が入っていない場合は、貸し出しの延長が可能です。ご連絡いただけなかった場合は、レンタル料金の150%をご請求させていただきます。また、延長をお断りした機材の場合も、同額をご請求させていただきますのでご注意ください。

 

Q4 貸し出しているレンズのマウントは?

ニコン、キヤノン、ソニーのEマウントとマイクロフォーサーズのレンズをご用意しています。ただ、レンズの種類は、現時点ではニコンとキヤノンが多くなっています。ソニーとマイクロフォーサーズもご要望が多くなってきていますので、今後拡充していけたらと考えております。

 

Q5. 交換レンズを借りやすいタイミングは?

機材はできるだけ数多く用意するようにしておりますが、主に運動会シーズンは望遠レンズを中心に在庫がなくなってしまう場合が多くなっています。5月から9 月にかけては、オンシーズンとなりますので、早めのご予約をおすすめします。また、ご来店いただいて機材を選ぶといった場合は、金曜日や10時、12時、19時といった混雑時を避けていただいたほうが、スムーズにご対応できるかと思います。

 

【まとめ】カメラ専門店はレンズが豊富、かつレンズ以外もお得!

レンタルショップのなかでも、今回取材したマップレンタルのようにカメラ機材専門のショップは、交換レンズの種類や数が豊富。また、店頭で相談できるメリットもあり、多少割高でも安心して借りられます。長期間借りる場合は割引制度がある場合も多いでうが、1日ごとに加算されるので使う日にちを決めて、1~3日程度でのレンタルがおすすめです。

 

レンズのレンタルサービスは、メーカーが行っている場合もあります。現在のところ、オリンパス(オーナーズケアプラス)やパナソニック(LUMIXコンシェルジュサービス)などがレンズレンタルサービスを行っており、多くは有料サービスとなりますが、レンタルショップよりもさらに低価格で提供しているケースも多くあります。ただ、これらは、基本的にレンズを試してもらうためのサービスなので、自分の都合に合わせて機材を借りられるとは限りません。あくまで購入する前に試したいという場合に有効なサービスといえます。

 

今回は対象をレンズに絞りましたが、レンタルショップではカメラ本体やビデオカメラ、周辺機器なども借りることができます。とりあえず会員になっておいて、気になる機材があったら借りて使ってみて、必要な機材は別途購入するといった使い方もよさそう。ただし、マップレンタルも含めて、発売直後のカメラや高級機材は取引実績がないと貸してもらえない場合もあります。そのため、日ごろからレンタルショップと仲良くしておくと、より便利に使えるでしょう。

 

解説/吉森信哉 写真/河野弘道

 

協力/マップレンタル

 

日本と海外のカメラはこれからどうなる? ソニーブースに訪れたアジアの写真家たちに聞いてみた

スマートフォンで写真を撮る人が世界中で増えましたが、日本が誇るデジタルカメラはどうなっていくのでしょうか――。3月1日、GetNavi webは世界最大級のカメラの祭典「CP+」でソニーブースに訪れた外国人写真家たちを取材。私たちは彼らにインタビューを行い、日本のカメラをどう見ているのかを調査しました。取材からはミラーレス機の発展に高い期待が寄せられていることがわかってきました。

 

ベトナム

Tuan Ngnyen (ウェディングフォトグラファー)
20180305_kubo03
CP+に来たのは今回が初めて。Tuanさんは「日本のカメラは世界一」と興奮気味に話してくれました。「毎年、新しい機能や性能を見るたびに、日本のカメラはスゴいと思っています」

 

なぜソニーのカメラを気に入っているのでしょうか。「ソニーはお客様の話をきちんと聞いてくれる」とTuanさんは言います。「ソニーはユーザーのニーズをきちんと把握し、いつも期待に応えてくれます。これは私にとって最高ですよ」

 

日本のカメラには今後もテクノロジーを進化させてほしいと話すTuanさん。カメラのテクノロジーが増えることは、写真家にとっても良いことだと考えています。

 

インドネシア

Fajar Kristiono (ウェディングフォトグラファー)、Benny Lim (ウェディングフォトグラファー)、Daniel Tjongari (風景フォトグラファー)、Glenn Prasetya (ファッションフォトグラファー)

20180305_kubo05
↑ (右から)Benny Lim氏、Glenn Prasetya氏、Daniel Tjongari 氏

 

CP+は、外国人の写真家にとっても刺激的な場所。インタビューした4人のインドネシアの写真家たちは、口を揃えてカメラの最先端テクノロジーを見に来たと話していました。オートフォーカスやセンサーなど「日本のカメラはテクノロジーという点で1歩先を行っている」とDanielさんは言います。

 

彼らは「α」の性能に大満足しているようですが、特にウェディング写真やファインアートを撮影するプロにとってこのシリーズは良いと話していました。「画像は細部に至るまで美しい」という意見が出ると、全員が同意。

20180305_kubo04
↑ 一番左がFajar Kristiono氏

 

カメラの今後のトレンドについて尋ねると、4人は「ミラーレスカメラにシフトしている」と話していました。インドネシアではプロの写真家の間でもミラーレスの話題で持ちきりだとか。また、日本でも見られるように、インスタグラムなどソーシャルメディアが普及するにつれて、良い写真を撮りたいと思う人が増えてきているようです。Bennyさんは「みんながミラーレスカメラを欲しがっている」と言います。カメラで撮った写真をスマホに簡単に送れることもその一因のようですね。

 

マレーシア

KL Yeam(デジタルカメラや写真のメディアを持つ出版社「Digital Imaging Publication」のエグゼクティブ・ディレクター)
20180305_kubo07
KL YeamさんにとってCP+は今回で2回目。「ほぼすべてのカメラ・写真ブランドが集結し、業界を盛り上げようとしている所が素晴らしい」と、このイベントを高く評価しています。イベントの規模も「ちょうど良い」と考えており、ドイツのカメラ見本市のフォトキナと比べて、出展者の質が良いことも注目に値すると話していました。

 

他の写真家と同じように、KL Yeamさんは「未来はミラーレスだ」と言い切ります。最近ではソニーのα9をスポーツイベントの取材で使ったそうですが、その画質や性能――特にサイレント撮影――は「とても良かった」と話していました。さらに、ミラーレスカメラは年々より小さくなっており、バッグのなかでかさばらず、とても持ち運びやすいとも述べていました。これが、マレーシアでミラーレスカメラが人気を伸ばしている理由の1つです。

 

そして、そのなかで一番の人気を誇るのがソニーです。他のカメラメーカーはαシリーズに追いつこうと努力していますが、「マレーシアではソニーのカメラがナンバー1」とKL Yeamさんは断言。「ソニーは他のどのメーカーよりも革新的で創造的です」

 

カメラ業界のゲームチェンジャー

スマホに脅かされている日本のデジタルカメラは、「インスタグラム効果」によってミラーレス機に活路を見出しました。ある調査によると、タイではミラーレスカメラがステータスシンボルを示す「高級品」になりつつあるようです。しかし、このようにカメラ業界の状況を劇的に変えているのは、インスタとソニーなのかもしれません。

 

撮影/我妻慶一