【西田宗千佳連載】三者三様で生き残りをかけるゲームプラットフォーマー

Vol.142-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は大幅に値上げとなったPlayStation 5 の話題。過去数回価格が上昇したが、今回の価格改定にはどんな背景があるのかを探る。

 

今月の注目アイテム

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PlayStation 5

7万9980円~

↑PlayStation 5のテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5(Ultra-HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)。Ultra HD Blu-rayディスクドライブは着脱可能で、本体内蔵のSSDストレージは1TBになる。

 

その昔、日本で「ゲームをする」といえば、家庭用ゲーム機で遊ぶことを指していた。ゲームファンから見れば“いや色々あって”と言いたくなるところだろうが、そこはちょっと我慢してほしい。1980年代にファミコンなどの家庭用ゲーム機が定着して以降、ずっとゲーム市場=ゲーム機の市場だと思われてきた。

 

それが少し変わってきたのが2000年代。携帯電話向けのゲームが増え、市場としては今もスマートフォン向けが最大のパイを持つ。とはいうものの、モバイルゲームとコアなゲームは別の市場であり、しかも共存可能だった。だからPlayStation 4は歴史的なヒットを記録し、Nintendo Switchも幅広い世代に使われるゲーム機に成長した。

 

ただ同時に、スマホ・PCでのゲーム市場も成長した。ネットワークゲームはスマホとPCを主軸に拡大し、家庭用ゲーム機の側がそこに同居しているような部分もある。

 

「ゲーム」という言葉が指すものは多様化・拡大し、いろいろな遊び方が許容されるようになっている。その昔「スマホゲームにゲーム機が食われる」と思われたのとはまた違う形で、“ゲーム機がスマホやPCに市場をとられる”時代がやってきた、とも言えるだろう。

 

では、ゲーム機は無くなってしまうのだろうか?

 

少なくとも当面それはあり得ない。前回のウェブ版でも解説したが、専用機のコストパフォーマンスはまだ高い。ゲームとPCを分けておきたい人もいるし、ゲーミングPCの抱える宿命的な“複雑さ”を避けたい人もいるだろう。よくまとまったパッケージとしての“ゲーム機”の価値は当面失われそうにない。

 

ゲームを開発する側としても、ゲーム機は有難い存在だ。ゲームはPCで開発しているといっても、ゲーミングPCの“スペックの多様さ”は動作検証を困難にする要因の1つ。ゲーム機はスペックが固定されているので、そこに向けて開発することは大きな工期とコストの削減になる。だから、“PCでゲーム機を想定して開発し、その後に多様なゲーミングPCに合わせてチューニング”する作り方は続くだろう。

 

とはいえ、ゲーム開発のコストが上がっている現在、できるだけ多くのパイへとゲームを提供する必然性も出てくる。だから“複数のゲーム機とゲーミングPCにゲームを供給する”のは必然でもある。熱心なファンほどゲーミングPCへの投資が視野に入ってくる中でゲーム機を売るには、いかにその“ゲーム機を持っていることが重要か”という意識を持ってもらうかが重要な話になる。

 

本記事を書いている9月中旬現在、任天堂は「Switch後継機」の詳細を発表していない。任天堂は低コストで“自社ゲーム機にしかない要素”で戦うと想定されるので、発表されていない要素がPCとの差別化要因になるだろう。

 

SIEは“PCよりもコスパよく、安定してゲームを楽しめる環境”を推す。PlayStation 5 Proはそういう製品になっている。まだ見ぬ「PlayStation 6」までは時間があるので、また別の戦略を考えるかもしれない。

 

Xboxも基本的なありかたはPlayStationに近い。しかしマイクロソフトの場合、「PCでも同じゲームができる」ことを売りの要素にできる。「Xbox GamePass」という有料サービスで、XboxとPCの両方をカバーするからだ。仮にゲーミングPCを使っている人でも、Xbox GamePassに加入してくれれば同社の顧客になる。そもそも、Windowsを使っている時点でマイクロソフトには収益が入ってきてもいる。

 

三社が三様の戦略で生き残れると想定できるが、その中で“想定通りの大きな収益”を維持できるかは予測できない。そこは結局、どんなゲームがヒットするかに依存する部分が多く、水物であることに変わりはない。

 

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【西田宗千佳連載】PS5と同じ価格で「同じことができるゲーミングPC」は作れるか

Vol.142-3

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は大幅に値上げとなったPlayStation 5 の話題。過去数回価格が上昇したが、今回の価格改定にはどんな背景があるのかを探る。

 

今月の注目アイテム

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PlayStation 5

7万9980円~

↑PlayStation 5のテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5(Ultra-HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)。Ultra HD Blu-rayディスクドライブは着脱可能で、本体内蔵のSSDストレージは1TBになる。

 

PlayStation 5(PS5)が8万円弱に値上げされると、「高い」という反応を多く耳にした。中には“それならゲーミングPCを買う方がいいのでは”という声もあった。

 

たしかに、ゲーム機の価格が10万円近くなると「高い」と感じる人がいるのはわかる。10万円あればPCも購入できる価格ではあるし、“ゲームはもうPCにしようか”と考える人が出てくるのもわかる。

 

事実、家庭用ゲーム機にとってゲーミングPCは強力なライバルだ。現在のゲーム開発はPCで行われるので、家庭用ゲーム機向けとPC向けを同時に開発する例も増えている。特に構造がPCに近いPS5とXbox Series X/Sは、ゲーミングPCと比較されやすい宿命も背負っている。

 

では現実問題として、8万円でPS5と同じ体験ができるPCを入手できるだろうか? 正直なところ、これはかなり難しい。

 

自作PCでパーツの価格を積み上げるといけそうな気になってくるが、PCは汎用機でありゲーム機は「専用機」だ。ゲームにおけるフレームレートや画質を安定させる処理は、専用機である方が有利になる。画質をフルHDで妥協する、読み込み速度がPS5やXboxと同じにならなくても我慢する、ファンの音はそこまで小さくなくてもいい……といった妥協をすれば近い価格のPCでもゲームはできるが、“ゲームをする上でのコスパ”でいうと、基本的にはPCよりゲーム専用機の方が良好なのは間違いない。

 

11月にSIEは高性能版である「PlayStation 5 Pro」を販売する。こちらは約12万円で、スタンダードモデルより高い。それこそゲーミングPCでカバーしたいと思う人も出てきそうだが、12万円かけたとしても、PS5 Proと同等以上のパフォーマンスを得るのはやはり難しいだろう。

 

一方で、“画質などで妥協しても、1台のハードウエアで済ませたい”という人もいるはずだ。その場合、多少コストを積み増してPCにしたとしても、それはそれで満足感を得られるだろう。ゲーム機とPCの両方を買うなら片方のコストで……と考えると、選択肢も増えてくる。

 

逆に、現在得られる最高の画質でゲームをしたい、予算には糸目をつけない、ということであるならば、そこはゲーミングPCが有利な世界になってくる。40万円近いコストを投下し、定期的にパーツを入れ替えていくことで“常に最高に近い状況”を維持できるのはゲーミングPCの特徴だ。ゲームを趣味とするなら、そういうお金の使い方をしてもいい。

 

一方で、誰もが“PCとゲーム機を1つにしたい”わけではないだろう。仕事用にノートPCを……という人は、それでゲームをすることを求めていない場合も多い。だとすると、PCはノート型でゲームはゲーム機で……という判断をする人も当然いるはずだ。

 

市場は多様であり、“ゲームをしたい”人のニーズもやはり多様である。家庭用ゲーム機だけでなくPCでもニーズを満たせるようになったのは大きなことだが、かといって、すべてがPCだけで満たせるほどシンプルな話でもない、ということになる。

 

では、家庭用ゲーム機というビジネスは今後どうなると考えられるのだろうか? その点は次回のウェブ版で考察する。

 

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【西田宗千佳連載】ゲーム機の価格は「待っても下がらない」時代になった

Vol.142-2

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は大幅に値上げとなったPlayStation 5 の話題。過去数回価格が上昇したが、今回の価格改定にはどんな背景があるのかを探る。

 

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PlayStation 5

7万9980円~

↑PlayStation 5のテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5(Ultra-HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)。Ultra HD Blu-rayディスクドライブは着脱可能で、本体内蔵のSSDストレージは1TBになる。

 

10年前まで、ゲーム機は“最初の発売から時間が経てば価格が下がるもの”だった。

 

しかし現在はそうではない。その傾向は2013年に発売された「PlayStation 4(PS4)」や「Xbox One」世代から見え始めた。

 

その前の世代のハードウェアであるPlayStation 3は発売当初6万2790円からだったが、2014年には2万5980円まで値下げされた。しかしPS4は発売当初4万1979円で、最終的な価格は3万4980円。1万円も下がってはいない。

 

PS4やXboxの後に出た「Nintendo Switch」も同様だ。標準モデルの価格は2万9980円のまま。その後発売されたコントローラー脱着機構のない「Lite」は1万9980円で、実質的な値下げという側面もあるものの、ハードウエアの価格は基本変更していない。

 

同時にこの世代では、「PlayStation 4 Pro」「Xbox One X」といった、性能アップした上位機種が出るようにもなっている。これは通常モデルとハイエンドモデルとを天秤にかけるユーザーを引き込む施策であると同時に、値下げはせずに性能アップでバリューを上げる施策でもある。

 

ゲーム機の値下げが難しくなったのは、半導体製造コストが上がり、技術進化による“同一性能部品のドラスティックな値下げ”も難しくなってきたためだ。

 

一般に信じられているのとは異なり、ゲームプラットフォーマーは“ゲーム機を赤字で売ってソフトで儲けている”わけではない。販売初期、マーケティング費のかかる時期に“トータルコストでは収益が出ない”状態で売ることはあるが、そこから台数を早期に積み増し、“利幅は薄いがきちんとハードからも儲ける”のが鉄則だ。ハード販売の後期に安くなっているのは“それでも利益が得られるので、価格の魅力でユーザーを惹きつけたいから”に他ならない。

 

だが現在はもうハードを安価に作れないので、価格も収益も維持してビジネスを進めるのが一般的になっている。どのメーカーもこの10年同じ戦略を採っており、今後も“ゲーム機は待っても値段が下がらない“と考えて良い。例外があるとすれば、ここから大幅な円高がやってきて1ドル数十円単位で価格変動する可能性が出たときだろう。

 

その中で、各社のゲームハードは価格が違う。

 

任天堂は為替想定もあえて円高設定のまま据え置き、日本国内販売への価格影響を小さなものにする。同社は他社以上に日本市場の比率が大きく、低年齢層への普及も目指すので他社より安価な値付けをする。そのために為替リスクを飲み込んでいるわけだ。

 

マイクロソフトは今世代(Xbox Series X/S)にて、為替の影響による価格改定をしている。値付けは異なるが、考え方としてはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)に近い。

 

特にSIEの場合には、販売の海外比率が非常に高いこと、為替と連動しない内外価格差を大きくすると“海外への転売”が増えて品不足への影響も出やすくなることなどから、国内ビジネスで不利になったとしても“為替に合わせて価格を改定する”ことにしたのだろうと推測できる。

 

ではその中で、ゲーム機ビジネスはどうなっていくのか。その点は次回のウェブ版で解説する。

 

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【西田宗千佳連載】ゲーム機の価格は「待っても下がらない」時代になった

Vol.142-2

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ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PlayStation 5

7万9980円~

↑PlayStation 5のテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5(Ultra-HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)。Ultra HD Blu-rayディスクドライブは着脱可能で、本体内蔵のSSDストレージは1TBになる。

 

10年前まで、ゲーム機は“最初の発売から時間が経てば価格が下がるもの”だった。

 

しかし現在はそうではない。その傾向は2013年に発売された「PlayStation 4(PS4)」や「Xbox One」世代から見え始めた。

 

その前の世代のハードウェアであるPlayStation 3は発売当初6万2790円からだったが、2014年には2万5980円まで値下げされた。しかしPS4は発売当初4万1979円で、最終的な価格は3万4980円。1万円も下がってはいない。

 

PS4やXboxの後に出た「Nintendo Switch」も同様だ。標準モデルの価格は2万9980円のまま。その後発売されたコントローラー脱着機構のない「Lite」は1万9980円で、実質的な値下げという側面もあるものの、ハードウエアの価格は基本変更していない。

 

同時にこの世代では、「PlayStation 4 Pro」「Xbox One X」といった、性能アップした上位機種が出るようにもなっている。これは通常モデルとハイエンドモデルとを天秤にかけるユーザーを引き込む施策であると同時に、値下げはせずに性能アップでバリューを上げる施策でもある。

 

ゲーム機の値下げが難しくなったのは、半導体製造コストが上がり、技術進化による“同一性能部品のドラスティックな値下げ”も難しくなってきたためだ。

 

一般に信じられているのとは異なり、ゲームプラットフォーマーは“ゲーム機を赤字で売ってソフトで儲けている”わけではない。販売初期、マーケティング費のかかる時期に“トータルコストでは収益が出ない”状態で売ることはあるが、そこから台数を早期に積み増し、“利幅は薄いがきちんとハードからも儲ける”のが鉄則だ。ハード販売の後期に安くなっているのは“それでも利益が得られるので、価格の魅力でユーザーを惹きつけたいから”に他ならない。

 

だが現在はもうハードを安価に作れないので、価格も収益も維持してビジネスを進めるのが一般的になっている。どのメーカーもこの10年同じ戦略を採っており、今後も“ゲーム機は待っても値段が下がらない“と考えて良い。例外があるとすれば、ここから大幅な円高がやってきて1ドル数十円単位で価格変動する可能性が出たときだろう。

 

その中で、各社のゲームハードは価格が違う。

 

任天堂は為替想定もあえて円高設定のまま据え置き、日本国内販売への価格影響を小さなものにする。同社は他社以上に日本市場の比率が大きく、低年齢層への普及も目指すので他社より安価な値付けをする。そのために為替リスクを飲み込んでいるわけだ。

 

マイクロソフトは今世代(Xbox Series X/S)にて、為替の影響による価格改定をしている。値付けは異なるが、考え方としてはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)に近い。

 

特にSIEの場合には、販売の海外比率が非常に高いこと、為替と連動しない内外価格差を大きくすると“海外への転売”が増えて品不足への影響も出やすくなることなどから、国内ビジネスで不利になったとしても“為替に合わせて価格を改定する”ことにしたのだろうと推測できる。

 

ではその中で、ゲーム機ビジネスはどうなっていくのか。その点は次回のウェブ版で解説する。

 

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【西田宗千佳連載】なぜPS5は「約8万円」に値上げされたのか

Vol.142-1

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回は大幅に値上げとなったPlayStation 5 の話題。過去数回価格が上昇したが、今回の価格改定にはどんな背景があるのかを探る。

 

今月の注目アイテム

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

PlayStation 5

7万9980円~

↑PlayStation 5のテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5(Ultra-HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)。Ultra HD Blu-rayディスクドライブは着脱可能で、本体内蔵のSSDストレージは1TBになる。

 

“待てば価格が下がる”は過去の話になった

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、9月2日より、同社のゲーム専用機「PlayStation 5(PS5)」とその周辺機器を値上げした。PS5のディスクドライブ付き本体は7万9980円(税込)になり、1万3000円程度高くなった。

 

PS5はこれまでにも複数回の“値上げ”をしている。2020年11月の発売当初は5万4978円(税込)だったが、8万円近くにまでなった。その間にストレージ容量やサイズが変化しており、まったく同じハードウェア同士の比較とはならないが、「PlayStationというゲーム機を買うためのハードルが上がってしまった」ことは事実だろう。

 

過去、ゲーム機は“待てば価格が下がるもの”だった。しかし現在はそうではない。別にいまに始まった話ではなく、2010年代半ば以降、PlayStation 4(PS4)やNintendo Switchは、ずっと“値段がさほど変わらないゲーム機”になっていた。

 

理由は、半導体技術の進化の仕方にある。半導体技術の進化が遅くなったことに加え、進化してもコストへの影響力が小さくなり、値下げするには至らないレベルになったためだ。

 

2000年代まで半導体は、製造技術が進化すると、“同じ面積に搭載できるトランジスタの量が劇的に上がる”特徴があった。例えば初代PlayStationは、1994年12月の発売当初は3万9800円だったものが、2001年9月には9800円にまでなった。半導体の製造コストが下がっていった結果だが、最終的には9800円でも十分な収益が出るほどのコストダウンが行えていたという。

 

収益重視と為替の影響で値上げに踏み切った

一方、PS4は3万9980円でスタートしたものが2016年に2万9980円まで下がり、そこで値下げが止まった。現行のPS5は、米ドルではずっと「499ドル」で、価格が変わっていない。

 

国内に限って言えば、為替の影響も大きい。

 

2020年、1ドルは100円から105円の間だったが、2024年6月には一時160円まで上がっている。今回の価格改定まで、SIEは実際の為替レートよりも低く見積もって日本向け製品を値付けしてきたが、今回より為替事情に合わせた価格へと改定した……というのが正しい。前出のように、米ドルでのPS5の価格は499ドルで変化なく、今回の値上げも日本だけで行われたものだ。

 

為替の影響による値上がり傾向は、スマホやPCも事情は同じと言える。SIEは普及のために価格を安く抑えてきたが、収益性を重視して“日本を特別扱いしない”方針に切り替えたのだろう。これほど円安が定着すると想定していなかったところもありそうだが。

 

実のところ、こうした事情は任天堂やマイクロソフトにも影響している。彼らは今後どのような戦略を採るのだろうか?

 

また、ゲーム機が高価になったことで「ゲーミングPC」との比較論も出てくる。これは単純に価格だけで比較できる話ではないのだが、どう考えれば良いのだろうか? ゲーム機よりもPCを買う方がオトクな時代はやってくるのだろうか?

 

これらの疑問については次回以降で解説していく。

 

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台数限定で争奪戦必至! 初代PSのカラーをまとった「PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション」

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStation発売の30周年を記念する「PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション」を11月21日に台数限定発売します。予約受付は9月30日AM10:00より、日本国内のPlayStation取り扱い店およびECサイトにて開始。予約数が販売予定台数を上回った場合は、抽選販売となります。

 

記事のポイント

1994年に発売された初代PlayStationのグレーカラーを採用したデザインは、ファンでなくても欲しくなってしまいそうなほど胸がキュンとなる仕上がり。いずれも台数限定なため抽選販売になることはほぼ確実なので、ダメ元で予約申し込みをすることをオススメします。

 

ラインナップは「PlayStation 5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット」、「PlayStation 5 デジタル・エディション 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット」、「PlayStation Portal リモートプレーヤー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)」、「DualSense Edge ワイヤレスコントローラー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)」、「DualSense ワイヤレスコントローラー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)」の5製品で、いずれも初代PlayStationを彷彿とさせるグレーのカラーやロゴがあしらわれているのが特徴です。

PlayStation 30周年アニバーサリー コレクションのラインナップ

 

なかでも注目は、「PlayStation 5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット」。初代PlayStationの発売日にちなみ、全世界で1万2300台限定での販売を予定しており、それぞれの本体には異なるシリアルナンバーが刻印されるとのこと。予約にもソニーアカウントを連携させる必要があり、9月30日AM10:00よりPlayStation.com上にあるフォームから応募する形となります。

「PlayStation 5 Pro 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット」

 

セットの内容は、限定仕様のPS5 Proに加え、同じく限定仕様のDualSense ワイヤレスコントローラー、DualSense Edge ワイヤレスコントローラー、DualSense充電スタンド、ディスクドライブ用本体カバー(ディスクドライブは別売り)を同梱。限定仕様の縦置きスタンドと、以下の特別なコレクターズアイテムも含まれます。

・PlayStation コントローラ コネクターカバー
・PlayStation Shapes(△◯✕▢)結束バンド ×4
・PlayStation ステッカー
・PlayStation 限定ポスター(30種類のデザインからひとつ)
・PlayStation ペーパークリップ

 

PlayStation 5 デジタル・エディション 30周年アニバーサリー リミテッドエディション 特別セット

 

PlayStation Portal リモートプレーヤー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)

 

DualSense Edge ワイヤレスコントローラー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)

 

DualSense ワイヤレスコントローラー 30周年アニバーサリー リミテッドエディション(単品)

 

価格などの詳細はまだ発表されていませんが、争奪戦になること必至のラインナップだけに、いまからカレンダーに予約開始の日程を登録しておいたほうがよさそうです。

 

SIE
「PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション」
2024年11月21日発売/9月30日AM10:00予約開始

 

ユニークな音質! PS5対応の最高級ワイヤレスヘッドホン「PULSE Elite」をレビュー

PlayStationに関わるデバイスとサービスを手がけるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から、独自の無線オーディオ技術である「PlayStation Link」によるロスレス・低遅延伝送を実現したワイヤレスヘッドホン「PULSE Elite」が2月21日に発売を迎えます。本記事では、スマホによるゲームプレイや、音楽再生にも幅広くメリットを実感できるワイヤレスヘッドホン、PULSE Eliteの上手な楽しみ方をレポートします。

↑SIEの新しいワイヤレスヘッドホン「PULSE Elite」をレポートします

 

今回のレビューのため、発売前にSIEからPULSE Eliteの実機を借りることができました。音質や機能は商品版の実機を試していますので、購入検討の材料になれば幸いです。

 

独自のロスレス&低遅延再生技術に対応

PULSE EliteはPlayStation 5(以下:PS5)に対応する周辺機器として発売されます。位置付けはSIEによるワイヤレスヘッドホンのフラグシップ。ソニーストアの販売価格は1万8981円(税込)です。

 

SIEは2020年にワイヤレスヘッドホン「PULSE 3D」を発売しています。こちらはPS5が対応する立体音響技術「Tempest 3Dオーディオ」にサウンドを最適化したヘッドホンです。PS5側のサウンド設定を整えてから、3Dオーディオ対応のPS5タイトルをプレイすると迫力のサウンドに包み込まれます。

 

PULSE EliteもPS5と組み合わせてTempest 3Dオーディオを楽しめるヘッドホンです。加えて、最新モデルであるため、SIE独自のロスレスオーディオと低遅延伝送を実現するPlayStation Linkに初めて対応したワイヤレスヘッドホンであることが大きな特徴です。さらにPULSE 3Dにはなかった、Bluetoothオーディオ再生の機能を追加しました。

↑専用のトランスミッターによるロスレス低遅延伝送、PlayStation Linkを採用しました

 

なお、筆者はPlayStation Linkに初対応した左右独立型のワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」もレポートしています。PlayStation LinkをPS5で楽しむ方法についてはPULSE Eliteも一緒です。合わせて読みながら参考にしてください。

 

ソニー初の平面型ドライバー搭載ヘッドホン

PULSE Eliteは本機のために設計したPlanar Magnetic Driverを搭載しています。日本語にすると「平面磁界駆動型」という方式のドライバーで、簡略化して平面型ドライバーと呼ばれたりもします。先行発売されたPULSE Exploreも平面型ドライバーを搭載するワイヤレスイヤホンです。

 

平面型ドライバーの特徴は歪みがなく滑らかで、自然な音の聞こえ方に近いリスニング感が得られることです。

↑PULSE Eliteのために設計したPlanar Magnetic Driverを搭載しています

 

ドライバーの製造に高い技術力を要することから、一般的なダイナミック型ドライバーほどは広く普及していません。ソニーによる平面型ドライバーを搭載するヘッドホンは本機が初めてです。

 

ふたつの製品が誕生した背景には、2023年の夏にSIEと米AUDEZE(オーデジー)とのパートナーシップが締結され、平面型ヘッドホンのスペシャリストであるオーデジーの技術が新しいPULSEシリーズに注入されたことにあります。

 

ゲームの世界により没入できるリアルなサウンド

では、平面型ドライバーを搭載するヘッドホンはどんな音がするのでしょうか。今回は、PULSE Eliteに付属するPlayStation Link USBアダプターをiPhone 15 Proに接続して、Apple Arcadeのゲーム「FANTASIAN」をプレイしてみました。

 

音を聴いてみると、解像度が高く、音場の見晴らしが優れているのがわかります。戦闘シーンでは細かな効果音がとても鮮やかに聞こえてきます。FANTASIANのように、音楽にも凝ったゲームをプレイする際にはサウンドのディティールを自然に引き出せるPULSE Eliteのようなヘッドホンがあると没入感が深まります。

↑iPhoneでプレイするゲームのサウンドも臨場感満点。PlayStation Linkによりワイヤレス音声が遅延しません

 

また、PULSE Eliteは中高音域がとても伸びやかで開放的です。密閉型のヘッドホンであることを忘れそうになるほど、空間再現も広大。続けてApple Musicで音楽を再生してみました。女性ボーカルは声の潤いと艶っぽさが魅力。まるで耳もとでボーカリストが歌っているような生々しい距離感です。

 

クラシックピアノの演奏は楽器の音色をとても鮮やかに、少し温かみを加えて再現します。余韻の煌めき感が若干強調されているようにも感じましたが、PULSE Eliteの持ち味として楽しめます。

 

一方で低音はやや線が細い印象も受けました。ただ音の芯は力強く安定感があります。たとえばロック・ポップス系の音楽を聴くと、低音がグンと鋭く立ち上がる緊張感が心地よいです。

 

PULSE Eliteはおおらかな鳴りっぷりのよさと、ディティールの繊細な再現力が併存するユニークなヘッドホンです。スケール感の大きなファンタジー系のアクションRPGやFPS/TPSなどのゲームをプレイすると、活き活きとしたサウンドにのめり込めると思います。

 

PS LinkとBluetoothの音質に差は?

冒頭でも触れたとおり、PULSE EliteはPlayStation Linkと、通常のBluetoothオーディオ再生に対応しています。ただ、Bluetooth再生時には特に低遅延モードのような機能がないので、映像とサウンドの同期に万全を図りたいのであればPlayStation Linkの低遅延伝送モードを選ぶべきです。

↑Bluetoothによる接続にも対応。音楽再生にも活用できるワイヤレスヘッドホンです

 

テストとして、iPhoneにGarageBandアプリを入れて鍵盤楽器を演奏してみました。画面をタップして弾いた音に対して、Bluetooth再生の場合はヘッドホンから聞こえてくる音が明らかにもたついてしまいます。対するPlayStation Linkは鍵盤をたたいた瞬間に音が鳴ります。音楽ゲームやシューティングなどのプレイ、またはiPhoneのGarageBandのように簡易な音楽の演奏、制作が楽しめるアプリにもPULSE Eliteの低遅延伝送が活きてきます。

 

なお、Bluetooth接続時とのサウンドを聴き比べると、PlayStation Linkで再生した方が、音が力強く立体的でした。スマホやタブレットの場合はUSBトランスミッターを変換アダプターでつなぐ必要があり、ケーブルがぶらぶらする感覚が煩わしく感じるときもあります。でも、それを補って余りあるほどサウンドの高音質化が図れます。トランスミッターがむやみにスマホのバッテリーを消費することもないので、スマホゲームや音楽を聴く際も基本はPlayStation Linkがベターです。

↑USBトランスミッターをつなぎ替えるだけで、iPhoneからMacに素早くスイッチして使えます

 

さらに、USBトランスミッターをスマホからPCにつなぎ替えるだけで、ヘッドホンの接続先が即座に切り替わります。たとえばPC側はPlayStation Linkでつなぎ、スマホにはBluetoothでペアリングして2台の機器で同時にサウンドを聴く「デュアルデバイス接続」もユニークな機能です。友だちとスマホで通話しながら、PCでプレイ中のゲーム音声を同時に聴くという使い方もできました。

 

仕事のビデオ会議にも使える高いマイク性能

音声通話といえば、PULSE Eliteは本体左側のアームに収納できるブームマイクの音質が良好でした。

 

主にゲーミング用途を想定して搭載するマイクですが、装着しているユーザーがいる場所の周辺ノイズを抑えるAIノイズリジェクション機能が強力。ユーザーの声だけが明瞭に聞こえてきます。イヤーパッドのクッションが柔らかく、また一度のフル充電から約30時間のバッテリー持ちを実現しているので、ビデオ会議用のヘッドセットとしてなど、仕事にもPULSE Eliteが便利に使えそうです。

 

ただ、装着感についてはヘッドバンドの長さがやや短いため、筆者のように頭のサイズが大きいとイヤーパッドに耳が収まりきらない、あるいはイヤーパッドが眼鏡のフレームに接触してしまうことがあるかもしれません。購入を検討する際には、必ず実機を試着するべきです。

↑柔軟に曲がって形を変えるヘッドバンド

 

もうひとつ注意点を挙げるならば、PULSE Eliteにはノイズキャンセリングと外音取り込みの機能がありません。密閉型ヘッドホンなのでパッシブな遮音性能も十分に高いのですが、どちらかと言えば屋外よりも環境騒音の少ない室内で使った方が本領を発揮します。

 

体験してみてほしいヘッドホン

以上、スマホゲームから音楽、楽器演奏に仕事までと、あらゆる用途でレポートしてきましたが、2万円以内で平面型ヘッドホンの自然で滑らかなサウンドと、PlayStation Linkによるロスレス・低遅延再生を満喫できるのは魅力に感じました。PULSE Eliteはぜひ体験してみてほしい、その価値アリなワイヤレスヘッドホンです。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

「PlayStation Portal リモートプレーヤー」レビュー、注意も必要だけどゲームの楽しみ方がより自由になる

11月15日、PlayStation 5のゲームをリモートでプレイできる「PlayStation Portal リモートプレーヤー」が発売された。8インチのディスプレイを備え、コントローラーのDualSenseに採用された機能も搭載。コントローラーにそのまま画面をつけたような携帯ゲーム機だ。これがあれば、Wi-Fiを介して、どこでもPS5のゲームを楽しめるようになる。今回は、本機を発売前にお借りする機会を得たので、そのレビューをお届けしよう。

 

DualSenseの中央に画面をつけたポータブル機

本機の外見は、PS5のコントローラー・DualSenseを二分割し、その間に画面を挟んだようなもの。PSボタンが画面左上の近くに、タッチバッドが画面そのものになっている以外は、いつものコントローラーと同様だ。操作性を極力変えないまま、ポータブル化しようとした意図がうかがえる。

↑PlayStation Portal リモートプレーヤー。販売価格は2万9980円(税込)

 

↑操作部に手をかけたところ

 

↑トリガーなどの配置もDualSenseと一緒。振動機能もしっかりついている

 

↑画面の上辺に、電源ボタンや音量調節ボタン、スピーカーがついている。音はやや乾いているように聞こえたが、ポータブル機としては悪くないように感じた

 

今回のレビューでは『龍が如く7外伝 名を消した男』を本機でプレイしたが、普段のコントローラーとある程度変わらない感覚で操作できた。「ある程度」というのは、DualSenseよりは単純に重いことと、画面が近い割にはそれなりに大きく、さらに左右の手が離れることからくる感覚的な違いがあるからだ。この感覚には個人差もあるうえ、ある程度慣れで解消する部分もあるだろう。しかし、私があまりにDualSenseに慣れすぎているせいもあってか、完全に同等な操作性とまでは断言しにくい。

↑本機とDualSenseを並べた。中央に画面が入っただけで、操作部の大きさや配置はほとんど変わらない

 

本機の重さは520g。Nintendo Switchの398g(有機ELモデルは420g)と比べると重いが、Steam Deckの670gと比較すれば軽い。コントローラーの持ち手部分がしっかりあるせいか、プレイ中に感じる重さは、数字よりは軽めだった。

↑本機とNintendo Switchを並べた。全体的にPlayStation Portal リモートプレーヤーの方が大きいことがわかる。ちなみにこのNintendo Switchの画面は6.2インチ

 

遅延は少なく、プレイは快適。ただし、通信環境に注意

PS5本体と、PlayStation Portal リモートプレーヤーの操作感も比較。『龍が如く7外伝 名を消した男』はアクションゲームなので、遅延が少しでもあるとプレイに支障が出るのではと心配だったが、結果的には杞憂に終わった。PS5と外付けディスプレイを有線接続した状態と、PlayStation Portal リモートプレーヤーの画面を同時比較した場合は、多少の遅延が見られるレベルではあるが、リモートプレイ時にストレスを感じるほどではない。カウンターや回避の入力も問題なくできた。

 

画面の解像度は1920×1080pxで、4Kを映せるPS5と比べるとさすがに控えめだ。とはいえ、画面が8インチとポータブル機サイズなので、十分綺麗である。フレームレートは最大60fps。通信環境に左右されるものの、快適に遊べるだけのスペックは確保されている。

 

ただ、本機を使っていて個人的に気になったポイントが2つある。身体への負担と通信環境の影響だ。身体への負担という点でいうと、まずPS5と比べて酔いやすいような気がした(あくまでPS5との比較だが)。ポータブル機である都合上、画面と目が近くなるからだろうか。また、画面が明るいうえに光沢液晶なせいか、目が疲れやすい印象を受けた。明るさは設定を最低まで下げても、筆者の目ではそこまで暗いとは感じなかった。

 

また本機はWi-Fi回線でPS5と接続するため、通信環境には気を使う必要がある。メーカーは最低15Mbps以上の高速回線を推奨。ただし、人口密集地の集合住宅などで使用する場合は、混線の影響も考えられるだろう。

 

暖かい布団のなかでぬくぬくしながらゲームを楽しめる

PS5としては、初のポータブル機である本機。その魅力はやはり、これ1台で好きな場所で、好きな体勢でPS5のゲームがプレイできるようになることだ。寝っ転がりながらでも、家事の合間にでも、ゲームのフィールドが大きく広がる。家の外からでも高速なインターネット回線さえあれば使用はできるから、PS5の可能性を大きく拡張するデバイスといえるだろう。

 

ゲームのプレイスタイルは人それぞれだ。寝っ転がったままやりたい人、椅子に座りながらでもポータブル機でやりたい人、あるいは大画面でやりたい人……PS5は、これまでならテレビやディスプレイの前でしかプレイできなかったが、PlayStation Portal リモートプレーヤーの登場によってプレイスタイルにより沿った楽しみ方ができる。季節はこれから冬を迎えるが、たとえば暖かい布団のなかでぬくぬくしながら、PS5のタイトルを遊べるようになるのだ。

 

ゲームのグラフィックを楽しみたいのなら、大画面でのプレイに軍配が上がる。それでも、ちょっとしたスキマ時間にも気軽にゲームをプレイしたいなんてときには、本機はうってつけだ。本機はゲームの遊び方を、より自由にしてくれる一台といえよう。

PS VR2体験記!自宅リビング壁一面をPS5環境にした編集長が沼って唸ったポイントは?

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2023年のゲーム業界、いやデジタルデバイス全体でも最も注目度が高いと言える「PlayStation VR2(PS VR2)」が発売された。すでに多くのメディアやレビュアーが記事を公開しているが、本稿では、ライフスタイル&モノ・ガジェット視点で本機の魅力をお伝えしていきたい。

 

体験するのはこれまでもPlayStation 5(PS5)のレビュー記事をお伝えしてきた私、編集長・山田。抽選販売や購入条件があったPS5も通常販売となり、ソニーストアはもちろん家電量販店でも購入しやすくなった。詳細は後述するがPS5+PS VR2のセットは、極めて最先端のデジタルデバイスながら「デジタルデトックス」も叶えてくれるという背反する特性を持つ。ゲームファンのみならず、多くの人に生活の潤いを与えてくれると断言できる逸品だ。

 

私の普段のプレイ環境

本編に入る前に、普段のプレイ環境を紹介したい(PS VR2について早く知りたい方は読み飛ばし可)。PS5は2021年春に購入。2年間遊び続けている。迫力を感じたいタイトルは大画面の「ブラビア(4K・60hz)」、細かい操作が必要な作品はテレビ左側にあるゲーミングモニター「INZONE M3(フルHD・120hz/性能的には240hz)」という使い分けだ。

↑オープンワールドゲームなど壮大な世界を旅するゲームにはテレビがピッタリ。また、PS5で映画やドラマを観たりするときもリビングのテレビを使用している

 

「リビングにゲーミングモニター?」と思うかもしれないが、我が家には書斎がないため、リビングの1面をゲーミング&エンタメスペースにしている。PS5のデザインは違和感なくインテリアに溶け込むのが嬉しい。「非日常的な体験ができるのに日常に溶け込むマシン」なのだ。ここにさらにPS VR2が加わるわけで、日常と異世界の境目がますますなくなる。なお、リビングでの2画面体制は家族と画面の取り合いにならず、円満な家庭生活にもつながっている。

↑シューターゲームやレーシングゲームなどフレーム単位の表示にこだわりたい作品はゲーミングモニターで

 

PS VR2って簡単に言うとどんなデバイス?

↑本体は7万4980円(税込)。同梱物はPS VR2ヘッドセット、PS VR2 Senseコントローラーおよび、USBケーブル(タイプC)とステレオヘッドホン(イヤーピース付き)

 

まず、PS VR2のスペックを簡単に紹介したい。初代PS VRの約4倍の解像度を持つ2つの2000×2040の有機ELディスプレイを搭載。フレームレートは90/120hz。視線はもちろん、瞬きも感知する「視線トラッキング」機能が優秀だ。サウンド面でも「Tempest 3Dオーディオ技術」で立体感ある音を楽しめる。

 

そして注目は「PlayStation VR2 Senseコントローラー」。近未来的なオーブ型のデザインには、リアリティある振動を伝える「ハプティックフィードバック」や、トリガーを押す重さが変わる「アダプティブトリガー」などさまざまなフィードバック機能が搭載され、身体感覚を再現する。

↑使用時のイメージ。装着時にはストラップを通して使う

 

【映像表現】「ほぼ現実」「ほぼ実写」では表しきれない感動的な描写

それでは、もっとも気になるであろう映像表現について、3本のタイトルを例に挙げて紹介していこう。

 

①『Horizon Call of the Mountain

【発売中/7980円/アクション】文明が崩壊し、「機械獣」が闊歩する世界を探索する人気オープンワールド・アクションRPGシリーズから登場したVR専用タイトル。直感的な動きで険しい山を登り、矢を撃って機械獣と戦う

 

ゲームが始まった瞬間から、4K HDR、有機ELディスプレイによるジャングルの大自然が広がる。まず、気付かされるのは、その鮮やかな色彩。美しく透き通る水面、生い茂る樹々にため息が出るばかり。特にすごいのは同作を象徴する機械獣たち。金属の冷たさがありありと伝わってくるのに、そこに動物のようなしなやかな動きが融合自然と人工物が一体となっている世界を一人称の視点で満喫できる。

↑オープニングシーンで出現する機械獣。あまりの巨大さに…(次写真に続く)
ただただ、開いた口がふさがらない

 

映像からは少し離れるが、3Dオーディオユニットによるリアルな自然音も手伝って没入感は格別。鳥のさえずりひとつをとっても遠くで鳴いているのと、近くで鳴いているのが直感的にわかり、音だけで距離感が表現されている

 

その結果、美しいを通り越して、作品全体に生命の躍動感、力強さが宿っている。その機械獣があちこちに潜み、ふと視線を反らすと雄大な滝が流れていたりするから、もうどこを見ても新鮮(笑)。光景の情報量に圧倒される。PS VR2を現時点で最も体感できるショーケース的なタイトルだ。

↑片手を上げて何をしているかというと(次写真に続く)
一生懸命崖を登っています。実際には両手を動かしているだけなのに、息が切れている自分に驚き。それだけの臨場感があるということ
Horizon Call of the Mountain™ ©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. “Horizon Call of the Mountain” is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.

 

②『グランツーリスモ7』VRモード

【発売中/PS5版:8690円/リアルドライビングシミュレーター】2022年3月発売の看板シリーズ最新作。2月に配信された無料アップデートにより、ほぼすべてのモードでVRプレイに対応(画面分割によるオフライン2Pプレイヤー対戦を除く)。VR専用モード「VR ショールーム」では、超高精細なカーモデルを心ゆくまで鑑賞できる

 

アップデートによってPS VR2に対応した『グランツーリスモ7』。このタイトルは、通常の「DualSense ワイヤレスコントローラー」での操作となっている。

↑本作は座ってじっくりプレイしたいので、モニター側のイスでプレイすることが多い。なお、プレイする場所を変更する場合は、プレイエリア(遊ぶ範囲)を都度設定する必要があるが、スキャンはすぐにできるので、手間はかからない

 

簡潔に言うと、「もう、運転している」リアルドライビングシミュレーターではなくて、リアルドライビングしちゃっている感覚だ。都市高速のトンネル内部に貼られたタイルの照り返し、200km/h付近から感じられる景色が流れて世界が溶けていく感覚ーーどこを切り取っても、実際に走っているときに感じられる内容だ。

 

というとありきたりなので別の観点からも説明したい。私はドライビングゲームをするとき、コースマップやスピードメーターなどを見ている時間が長い。私が初心者レベルということもあるが、目の前のコースを見て走るよりは、UIからのインフォメーションで運転しているところがある。

 

ところが、PS VR2でプレイすると、車速が体感できてオーバースピードなのか、攻められるのかが実感としてわかる。UIなどの数字的な情報に加えて、目の前に広がるコースからの情報が一体化してドライビングできている点が実に新鮮だった。

↑リアルすぎて、定番の「身体ごと動いちゃう」も出ちゃいます

 

もうひとつだけ。長くなるので簡潔に。室内の描写も凄まじい。カーボンの模様が浮き上がる感じ(下キャプチャー参照)、革やプラスチックの質感なども再現されている。リアルドライビングシミュレーターを超えて、カーライフシミュレーターそのもの。

 

ゲーム自体にそこまで興味のない、という人でも、『グランツーリスモ7』+PS VR2は絶対に買って損のない内容だ。もう少し強い言葉でいえば、クルマ好きでこの経験を味わないのは人生もったいない気さえする。

Gran Turismo® 7 © 2023 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. “Polyphony Digital logo”, “Gran Turismo” and “GT” are registered trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of real-world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved.

 

③『バイオハザード ヴィレッジ VRモード

好評発売中の『バイオハザード ヴィレッジ』も無料ダウンロードコンテンツでPS VR2に対応。ストーリー全編をVRで楽しめる。PS VR2の鮮明なグラフィックと視線トラッキング、3Dオーディオにより、究極の没入感が味わえる

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』は有機ELディスプレイが得意とする黒の表現がすごい! 本当は何もないのに、暗闇から何かが飛び出してきそうという恐怖を増幅させる表現力がある。感覚が実際の体験と勘違いするほどのリアルさがある。これは自分に疑心暗鬼になるという怖さだ。本当に怖いのは自分という存在なのだ。

↑本編始まってすぐの雪道を進むシーン。ここではクリーチャーなどが出てくる場面でもないのに…(次写真に続く)
早くもへっぴり腰スタイル。実際は小さな岩が転がってきただけなのだが、それぐらいの演出でもこうなる

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』で特筆すべきは、「作品性の高さ」と「現実に戻りたい」が混じり合う点。ゲームなのに(一刻も早く)現実に戻りたいと思わせる点がオンリーワンである。同時に、銃や道具を華麗に使ってストーリーを進めたいから、また『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』に飛び込みたいと感じさせる点も秀逸。実際にプレイすることで、このせめぎ合いを存分に体験できるはずだ。

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【操作性】映像を支えるのは緻密すぎる入力UIがあってのもの

4K HDRディスプレイや110度の広い視野角、快適な装着感など進化したヘッドセットの素晴らしさは言うまでもないが、PS VR2が他のVRデバイスと決定的に異なるのがコントローラーである「PlayStation VR2 Senseコントローラー」。入力部にもこだわり抜いているのがゲームプラットフォームホルダーのソニーらしい。

↑左手に△と□を配置。人差し指部分がL1、中指部分にL2ボタンがある
↑右手に○と×を配置。人差し指部分がR1、中指部分にR2ボタンがある

 

握ったとき、自然と手に馴染む人間工学的デザインが特徴。従来の○×△□ボタンは、○×が右手のコントローラー、△□が左手のコントローラーと大胆に2分割されている。操作性で言うと、PS5のコントローラーの特徴でもある、押し込み感が変化する「アダプティブトリガー」と触覚に訴えかける振動機能「ハプティックフィードバック」が搭載され、さまざまなシチュエーションで重さや触感の実感が伴う。

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』では銃を撃ったときに引き金のずしりとした重さと反動が得られ、ショットガンではさらにコントローラーに発砲時の振動が伝わる。さらなる臨場感と迫力を味わえた。『Horizon Call of the Mountain』では道具によってトリガーの抵抗感が変化。特に弓を引き絞って放つ動作は全身にまで余韻が残った。

↑『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』でハンドガンを撃っている様子。引き金の重さと撃ったときの反動があってわかりやすい(下画像は実際のキャプチャー)
↑銃を取り出す、マガジンを装填する、コッキングするといった動作も現実さながらに行える。“なりきり”プレイも「バイオハザード ヴィレッジ VRモード」ならではのプレイ体験だ

 

↑『Horizon Call of the Mountain』で弓を射つ様子。『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』も『Horizon Call of the Mountain』も腕を大きく動かす場面が多いので、写真ぐらいの広さがあると安心だ
↑観ている映像はこんな感じ

 

VRはフィードバックが少ないと、身体感覚との乖離がどんどん大きくなり没入感が薄まる。視覚だけではなく、体の反応がしっかり得られるというのは優れた点だ。

 

また、プレイヤーが見ている部分を鮮明に映し、それ以外の解像度を落とすフォビエートレンダリング技術も没入感を高める工夫。これによりGPUパフォーマンスも上がり、リフレッシュレート(90/120hz)の向上にもつながっている。人間の目と近い見え方になりつつ、パフォーマンスもアップさせるという一石二鳥な技術でとにかく素晴らしい。

 

そして、1番驚かされたのが視線トラッキング。見ている先をポインティングできるため、操作性という意味でも非常に便利な機能だ。しかも、瞬きも検知する高性能ぶり。「リズムゲームで瞬きの動作を入れる」「アイドルゲームでウインクをする」といった新たな操作も今後入ってきそうだ。

↑目線の動きを検知するセンターは本体内部のレンズの間にある

 

自動車の分野ではすでに、瞬きの回数やまぶたの状態から運転の疲労度を推測してアナウンスしてくれる技術が導入されている。それと似たような形で「一定時間プレイしたらメッセージを表示してくれる」など、安心なプレイ環境をサポートする機能にも応用できるかもしれない。視線はもちろん、瞬きも感知する機能は、一般的にはハイエンドVRデバイスに搭載されるもので、PS VR2の価格帯では驚きの一言。

 

【使い勝手】使ってみて「実際どうなのよ?」に回答

長くなってきたので、ここからはQ&A形式でPS VR2への素朴な疑問に答えていきたい。

 

Q:ヘッドセットの装着性ってどう?

A:すごくいい。軽いというか、重さをまったく感じない。つけている実感はもちろんあるが、首が疲れたり、動きづらかったりはなく、体の一部になっている。

 

Q:映像酔いはする?

A:個人的に映像酔いはなかった。ヘッドセット自体にもモーターが内蔵され、振動により視覚と感覚がシンクロしやすくなっている。視覚と感覚のズレによる酔いは初代PS VRよりも軽減されている印象。

 

Q:ヘッドセットはメガネありでもいける?

A:全然いける。眼鏡越しでも映像は歪まずクリア。PS VR2は頭のサイドをうまく固定するから痛くもないし、こめかみだけを締め付けるということもない。重みがバランスよく分散されている。

 

Q:各種接続は面倒くさくない?

A:PS5とPS VR2をUSB-タイプCのケーブル1本でつなぐだけなので、まったく面倒くさくない。ケーブルの長さも4.5mと余裕たっぷり。

 

Q:どれぐらいのスペースが必要?

A:座ってプレイする分には、手の届く範囲に物がなければ大丈夫。立ってプレイするときはゲームによっても異なるが、一般的には2m×2m以上のプレイエリアが必要とされる。

 

Q:まわりの確認ってできる?

A:本体のファンクションボタンを押すと、ヘッドセットを装着したまま周囲が見れる「シースルービュー」に移る。映像はモノクロだがスマホの文字も読める解像度の高さ。未来を感じる。

↑本体を下部から見た様子。黒のパーツ部に3つボタンがあるが、右がファンクションボタン。中央は電源ボタン

 

Q:映像配信サービスやBDは観れるの?

A:「シネマティックモード」で映像配信サービスやBDを視聴できる。VRではなく仮想空間上に巨大なスクリーンが投影され、自分専用の、映画館さながらの大画面で楽しむことができるシステムだ。画質は1920×1080ピクセル(フルHD)HDR。

 

Q:プレイしながらテレビにも映せる?

A:映せる。これは前モデルのPS VRと同じ。家族や友人がプレイするのを見ながら一緒に盛り上がれる!

 

Q:テレビなしで遊べるの?

A:遊べる。最初の設定時はテレビ(モニター)につなぐ必要があるが、1回設定してしまえばテレビなしでも大丈夫。

 

Q:遊ばない時はどうやって片付けておくのが正解?

A:テレビ台がジャストサイズだと厳しい可能性があるが、左右に余裕があればそこに置ける。オフィシャルの周辺機器でコントローラーの充電台が発売されているので、それを使えばよりキレイに片付けられる。

 

このあたり、細かい仕様や活用方法は公式ブログの解説記事にまとまっているので、そちらを参照してほしい。

【PlayStaion BlogによるPS VR2解説】徹底解説! PlayStation®VR2

 

【まとめ】ライフスタイル視点から見たPS VR2の希少な価値

PS VR2は、コロナ禍まっただ中の「おうち時間」のトレンドに重ならなくてよかったと思う。というのも、もし重なっていたら、PS VR2は単に「おうち時間を充実させるためのツール」と位置付けられてしまった可能性があるからだ。

 

なんでこんな話から始めたかというと、PS VR2はどこか違う世界にいざなってくれるデバイスであり、自分を日常から「切り離してくれる」点に価値がある。おうち時間を過ごすためという領域には留まらないプロダクトだと感じたからだ。

 

「切り離された時間」が提供してくれるものは、「旅行やキャンプに行って、疲れたけど充足感に満ち溢れている」という感覚に近い。もしくは、「料理に集中して得られる満足感」「サウナに入って整った状態」とも言える。没頭することで自分がリセットされるような体験だ。

 

いまやお風呂に入る時もスマホを持ち込む時代だし、ゲーム中もスマホが気になってしまうほど常に人々はオンライン状態。仕事もプライベートもオンオフは曖昧だ。でも、PS VR2をプレイしている時間は、スマホを見ることはない。シースルービューを使えば可能だが、そこまでしてSNSもメールもチェックする気にはならない。現実世界と適度に切り離されているところに面白さがある。PS VR2というデジタルデバイスによって、デジタルデトックスもできるのだ。

 

まとめ/柚木 鮎 撮影/福永仲秋(Anz)

新FFは初の本格アクションRPG! 6月発売予定でPlayStation 5人気再熱か?

2023年にヒットが予測されるモノ・コトをその道のプロが解説。“知らんけど”とならないガチのネクストヒットをご覧あれ!

※こちらは「GetNavi」2023年2・3月合併特大号に掲載された記事を再編集したものです。

 

トレンド予報

性能を活かした美麗なビジュアルでFF最新作をきっかけにPS5が再燃する

ゲームコラムニスト

卯月 鮎さん

ゲームコラムニスト・書評家。フリーでゲームコラムや紹介記事を手がける。著書にゲームの進化を探る「はじめてのファミコン」がある。

世界的にもファンが多い「ファイナルファンタジー」の最新作が2023年6月に発売決定。約7年ぶりとなるリリースですが、今作の特徴はシリーズ初の本格アクションRPGであること。「ストーリーとリアルタイムバトルとドラマがジェットコースターのように繋がっていて、いままで体験したことがない興奮が味わえる」とのこと。

 

発売から半年間はPS5での独占販売が決定。2020年の発売から現在も「PS5は入手困難」と言われているなかでの独占販売なので、より需要が高まりそうです。

 

PS5の強みは、高繊細で圧倒的なグラフィック。本作発売後にはPS5の映像美が世界中で話題になり、人気が再燃するでしょう。

 

【Key Itemはコチラ!】

FINAL FANTASY XVI / スクウェア・エニックス

 

アクションゲームが苦手な人も楽しめるシリーズ初の本格アクションRPG

2023年6月22日発売予定

シリーズのナンバリング最新作で、アクションRPG。クリスタルの加護を受けた大地“ヴァリスゼア”を舞台に、主人公のクライヴ・ロズフィールドの復讐の物語を描く。今作では召喚獣同士の激突も大きな要素となる。

↑主人公のクライヴが召喚獣の能力などを駆使しながら敵と戦っていく。バトルは大別すると3種類が用意されている

 

【コレにも注目!】

Nintendo Switch後継機

switch
↑写真は現行モデル

 

大ヒットからの世代交代に任天堂の手腕が問われる

2017年発売のNintendo Switchは、来年で6年目。そろそろ世代交代が叫ばれている。これだけヒットしたハードをどう世代交代させるか、同時発売ソフトに何を持ってくるかが注目だ。

霜降りせいやが粗品にかけたい魔法とは? ハリー・ポッター舞台のRPG『ホグワーツ・レガシー』発売

『ハリー・ポッター』の世界を舞台としたRPG「ホグワーツ・レガシー」の通常版(PlayStation 5 / Xbox Series X|S)が、2月10日にセガより発売。日本版TVCMに出演しているお笑いコンビ・霜降り明星のせいやさんが、CM披露記者会見に出席しました。

 

hogwartslegacy
↑小学生の時には『ハリー・ポッター』ごっこをしていたという、同作の長年のファンであるせいやさん

 

同ゲームは、1800年代の魔法界を舞台としたオープンワールド・アクションRPGです。プレイヤー自身がホグワーツ魔法魔術学校の5年生となり、魔法界の隠された真実を明らかにする旅をしながら、魔法界を危険に晒す邪悪な存在に立ち向かいます。

 

ホグワーツや禁じられた森など自由に散策できるほか、個性豊かな仲間や教師たちとの交流も体験。呪文を覚えたり魔法薬を調合したりと、学校生活で魔法の能力を高めることができます。

Sanctuary_FINAL
↑プレイヤー自身が、世界を自由に散策することができる

 

School_FINAL
↑魔法学校で仲間や教師たちと交流

 

Spells_FINAL
↑画像は「ホグワーツ・レガシー」より

 

かねてより『ハリー・ポッター』シリーズのファンを公言しているせいやさんは、CM出演が決定する前に同ゲームを先行予約していたとのこと。「俺出てええの? って笑っちゃいました。ここまできたか」と今回の出演に大きな喜びを表し、スタッフとともに呪文「アクシオ」の発音にこだわった撮影中のエピソードや、普通の者には理解できないパーセルタング(蛇語)を披露しました。

↑せいやさん「子役は、まさに小学生の時の僕のまま」

 

CMに登場する組み分け帽子に関して、「4つの寮に入るとしたらどの寮か」という質問には、せいやさんは「難しいなぁ……永遠のテーマ」と本気で悩みつつ、「やっぱりグリフィンドールとスリザリン」と回答。

 

好きなシーンには、校長であるダンブルドアに生徒が忠誠を誓うシーンをあげ「吉本でいったらダウンタウンの浜田雅功さん」と妄想。「本当のツッコミは浜田さんだけだ!」と忠誠を誓い、「ほんまの忠誠誓ってくれてありがとうなぁ」「結果発表~! グリフィンドール!」と浜田さんになりきり再現しました。

 

さらに同作に登場する「必要の部屋」にちなみ、せいやさんが「ダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんがひな壇で、僕がMCのバラエティ番組をしたい!」と望むと、せいやさん専用の「必要の部屋」が出現。しかしひな壇に現れたのは、後輩お笑いコンビ「令和ロマン」と「9番街レトロ」でした。

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↑後輩たちから「願いが足りませんでしたね」とツッコミが

 

「相方である粗品さんに魔法をかけるとしたら」という質問には、記憶を消す呪文「オブリビエイト」で「ギャンブルという概念を記憶から消したい。競馬好きすぎるんで」と真剣な顔で回答。

 

せいやさん自身はハリーの友人「ネビル」に似ているとよく言われるとしつつ、「粗品はマルフォイでしょ。あんなスリザリン似合う奴いませんよ。霜降り明星は、めちゃくちゃグリフィンドールとスリザリンです」と自身が好きな2つの寮生でコンビが成り立っているとアピールしていました。

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↑左からMCの小林麗菜さん、9番街レトロの京極風斗さんとなかむら☆しゅんさん、せいやさん、令和ロマンの髙比良くるまさんと松井ケムリさん

 

hogwartslegacy

 

ゲームの対応機種はPlayStation5、Xbox Series X|S、PC、 PlayStation4 、Xbox One、Nintendo Switch。各価格とソフト販売時期は下記となっています。

 

PS5、Xbox Series X|S 通常版:9878円  / 2月10日発売
PS5 デラックス・エディション(パッケージ版):10978円  / 2月7日発売
デラックス・エディション(デジタル版):10978円  / 2月7日発売
PS4、Xbox One 通常版:8778円  / 4月4日発売予定
PS4 デラックス・エディション(パッケージ版):9878円  / 4月4日発売予定
Nintendo Switch 版:価格未定 / 7月25日発売予定

 

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公式サイト:https://www.hogwartslegacy.com/ja-jp

2023年も絶対に目を離せない「IT業界トレンド」を、2022年のトピックから読み解く

2022年のIT業界では、世界中で注目されるさまざまな話題・ニュースが流れました。本記事では、世界中で話題となった2022年のIT業界事情を、「SNS」「ガジェット」「ゲーム」「配信サービス」の4ジャンルに分けて振り返っていきます。どれも2023年、動向が見逃せないトピックなのでチェックしてください。

 

【SNS】元・世界一の大金持ち「イーロン・マスク」は、Twitterの救世主か破壊者か?

 

電気自動車のテスラや宇宙関連企業「SpaceX」などのCEOで知られる、イーロン・マスク氏。これまで遊び場としていたTwitterを買収すると発表したときは冗談かとも思われ、実際にマスク氏も買収計画を撤回しようとしたこともありましたが、結局は440億ドルを支払ってオーナーとなりました。

 

さっそくマスク氏は大量にリストラを始め、それに便乗して従業員を騙るニセモノが大手マスコミの取材を受ける珍事もありました

 

さらに有料プラン「Twitter Blue」を改訂し、8ドルで認証バッジを販売したために、有名人やブランドになりすます偽アカウントが急増したことで、大手広告主が離れていったとの報道もあり。

 

そうして離反した得意先の1つがアップルとの噂もありましたが、同社CEOのティム・クックCEOとマスク氏が直に会談。その直後マスク氏は「アップルからの広告は完全復活した」と言いTwitterのアプリがApp Storeから削除される危険も去ったと述べていました。

 

それでもTwitterの債務(かなりの部分、マスク氏が買収のために調達した借金が占める)が減るわけではなく、会社の備品をオークションに出品したり、ついにマスク氏がトップから退くかも……との話にも発展しています。来年も「マスク劇場」から目が離せなさそうです。

 

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【ガジェット】2022年も最新iPhoneは台風の目に!

 

2022年のスマートフォン業界でも、台風の目となったアップルの最新モデル「iPhone 14」シリーズ。高価なProモデルでは、ここ数年は定着していたノッチ(画面上部の切り欠き)が様変わりし、試合の途中経過やデリバリーの状況などを知らせる「Dynamic Island」に取って代わられました。

 

新型プロセッサー「A16」が搭載され、デザインが一新されたこともあり、Proモデルは需要に生産が追いつかないほどの大人気に。もっとも、世界最大のiPhone工場で労働環境への不満が爆発して、逆に出荷台数が予定より減る事態ともなっていましたが……。

 

かたや標準モデルのiPhone 14/14 Plusは、性能も見かけも去年のiPhone 13とあまり変わらなかったため、今のところ空振り気味の模様。もっとも、衛星経由の緊急SOSや自動車事故の検出など「命綱となる機能」が頼りになることが次々と証明されており、やはり買うなら最新モデルでしょう。

 

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【ゲーム】日本が誇るフロム・ソフトウェアの『エルデンリング』、全世界で大ヒット!

 

日本のフロム・ソフトウェアによるアクションRPG『エルデンリング』は、3月には日本国内累計出荷が100万本を突破、世界累計は1200万本を突破。『ダークソウル』シリーズの流れを汲む激ムズゲームが全世界のゲーマーから支持され、実況動画などがYouTubeで『GTA5』や『RDR2』といった超大作の初動を凌ぐほどの再生回数を記録していました。

 

ストーリー進行的に最初のボス「忌み鬼マルギット」から、初心者殺しにも程がある強さ。でも、オープンワールドのため他の場所に寄り道してレベル上げもでき、また攻略動画も大量にアップされていたおかげでコツもつかみやすかったことも、大ヒットを後押ししたのかもしれません。

 

そんな「死にゲー」さえ生やさしいと思ったのか、さらに難度を上げようと工夫を凝らした猛者達も続出。あらゆるグリッチ(バグ技)を駆使して最速クリアを目指したり、2つのゲームを同時進行&1つはダンスパッドでプレイしたりと、発売から10ヶ月後の今も大道芸プレイが次々と公開される楽しさです。

 

日本のゲーム作品はこれまでも多くのタイトルが注目されてきましたが、『エルデンリング』のような世界的ヒットは2023年以降も期待できそうです。

 

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【ゲーム】ようやく品不足が解消し、2023年は「PlayStation 5」勝負の年に?

↑Shutterstockより

 

2020年末の発売以来、PS5は供給不足に悩まされ「売りたくてもモノがない」歯がゆい状態が続いていました。それも新型コロナ禍が収まるにつれ、サプライチェーンの混乱も鎮まりはじめ、半導体不足も解消してきたことで、次第に改善へと向かいつつあるようです。

 

この2年間、PS5は見かけのデザインは変わらないながらも、実は中身は少しずつ進化。初代(CFI-1000)、改訂版(CFI-1100)、そして最新版(CFI-1200)の3世代があり、基本的な性能は同じですが消費電力や最高温度、騒音レベルは減っていく傾向にあります。

 

それでも、なかなか入手しにくい状況が続くなか、米国以外の諸国でPS5は値上げ。世界的にインフレが進行しているためやむを得ないとはいえ、不満の声が上がっていたようです。

 

そして、ようやく専用VRヘッドセット「PlayStation VR2」の発売日が2023年2月22日に決定。希望小売価格7万4980円(税込)とPS5本体を超える価格が驚かれましたが、それでも熱心なVRファンにとってはマストバイな一品となりそうです。

 

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【配信サービス】不調に苦しむ「NetFlix」、広告付き低価格プランとパスワード共有への課金で巻き返し?

世界最大手の動画ストリーミングであるNetflixは、4月の決算発表会では10年ぶりに会員数が減少したことが明らかに。そのために広告付き低価格プランで新規ユーザーを取り込もうとするとともに、加入済みのユーザーについてはパスワード共有に課金することで収益の強化を打ち出しています。

 

その一方で、無料で提供しているゲームは契約者の1%未満しか遊んでいないとの調査結果もあり。ユーザーを引き留めるための対策が、ほとんど空振りに終わっているようです。

 

それでも、完全新作のPC用大作ゲーム開発を準備しているとの噂話もありました。Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」のように数年で撤退するのではなく、成果が出るまで粘り強く踏み止まることを期待したいところです。

 

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改訂版PlayStation 5、消費電力や発熱が下がった理由は新型チップ採用のためだった!

最近ソニーはPlayStation 5の改訂モデル「CFI-1200」シリーズの出荷を始めています。この改訂モデルでは内部設計も一新され、消費電力と最高温度ともに前モデル(CFI-1100)よりも下がっていることが明らかとなっています

↑Shutterstockより

 

その理由の1つが、心臓部分であるSoC(1つのチップに様々な機能を統合したもの)が新型になっているからだと判明しました。

 

これは半導体業界専門メディアAngstronomicsが、独占記事として公開した情報です。元々のPS5に搭載されていたSoCは、コード名「Oberon」と呼ばれています。これは台湾の半導体大手TSMCの7nm技術(N7)で製造されていましたが、新たなSoC「Oberon Plus」は同社の「N6」、つまり6nm技術で作られているそうです。

 

ここでいう「6nm」「7nm」などの数値は、半導体の回路線幅(プロセスルール)のこと。この数値が小さくなればなるほど、一般的には処理能力が向上し、消費電力は小さくなり、発熱は抑えられる傾向があります。

 

そしてTSMCはN7ノードとN6ノードに、デザインルール上の互換性を持たせているとのこと。これにより製品の基本設計を大きく変えることなく、旧型の7nmチップを6nmチップに置き換えられる、というわけです。

 

N6技術のトランジスタ密度はN7よりも18.8%向上し、消費電力も減り、それに伴い温度も下がります。おかげでヒートシンクも小型化でき、軽量化にも貢献しているようです。

 

新SoCの恩恵は、それだけではありません。そのダイサイズ(半導体の面積)は約260平方mmで、旧Oberon(約300平方mm)よりも約15%小さくなっています。ダイサイズが小さくなれば、1枚のウェハー(シリコン単結晶でできた薄い板)から生産できるチップの数が増えるはず。Angstronomicsによれば、「Oberon Plus」はウェハー1枚あたり、約20%多くのチップが作れるそうです。

左が新型SoCの「Oberon Plus」、右が旧型の「Oberon」。ダイサイズが小さくなっている

 

これは、ソニーがコストを上げずにPS5用のSoCを量産しやすくなることを意味しています。ひいてはPS5本体の増産も加速できる可能性もあり、しだいに品不足が解消していくのかもしれません。

 

Source:Angstronomics
via:Wccftech

オーストラリアで改訂版PS5が出荷。値上げの代わりに軽くなった!

日本でも9月15日からPlayStation 5の値上げが予定され、かといって店頭に在庫が乏しいため「いまのうちに買う」わけにもいかない状況です。

↑Shutterstockより

 

そんななか、オーストラリアでPS5の改良モデルが出荷され、ディスクドライブ版とデジタル版どちらも、かなり軽量化されたと報じられています。

 

現地のゲーム情報サイトPress Startによれば、新型ディスクモデル(CFI-1202A)の重さは3.9kgとなり、2021年の改訂版(4.2kg)から7%、初代(4.5kg )から13%軽くなっているそうです。

 

またディスクドライブなしのデジタル版も軽くなっており、2022年モデルは3.4kgで初代の3.9kgから13%も減っているとのこと。最新のディスク版PS5は、初代デジタル版と同じ重さになっています。

 

もっとも、今のところ両モデルが軽くなった理由はよく分かっていません。2021年の改訂版で300g軽くなったのは、熱冷却のヒートシンクが小型化したためだと分析されていました。

 

この最新PS5は、米国以外での値上げと同時に発表されたものです。日本では5500円の値上げですが、この数字が「5並びでキリが良かったから」とすれば、550円程度に留めることを望んだ人も多そうです。

 

Source:Press Start
via:The Verge

任天堂とマイクロソフト、どちらも「(今のところ)PlayStation 5のように値上げしない」と約束!

先週ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation 5の値上げを発表しました。この動きを受けて海外メディアがマイクロソフト(以下、MS)や任天堂に問い合わせたところ、どちらも(今のところ)値上げの予定はないと回答しています。

↑Nintendo SwitchやXboxの値上げは今後あるのでしょうか?

 

まずXboxについて。海外メディアWindows Centralに対して、MSはXbox Series X|Sの価格を引き上げる予定はないと確認し、米ドル、英ポンド、ユーロなど各種通貨での希望小売価格を据え置くことを表明しています。

 

これら通貨の中に、円が含まれていないのが少し気がかりなところです。もっとも、ソニーは米国価格はそのままの一方で、欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカやカナダなどで一斉に値上げする予定であり、その理由として「好ましくない為替の動向」を挙げていました。

 

つまり遠回しに「米ドル高のせい」と仄めかしていたことから、ドルに対して円だけでなくほかの通貨も安くなっているなか、日本だけ値上げする可能性は低いと思われます。

 

とはいえ、MSは「ファンの皆様に素晴らしいゲームの選択肢を提供するため、常にビジネスを評価しています」とも付け加えています。「しばらくは」値上げしない、程度に受け取っておく方がよさそうです。

 

かたやNintendo Switchについては、海外ゲームメディアEurogamerが任天堂に問い合わせています。これに対しては「6月の第82期定時株主総会で、古川社長が述べたとおりだ」として、今のところ価格は据え置きですとの回答です。

 

ちなみに古川社長の発言は「価格戦略についてお話できることはありませんが、現時点で各国におけるインフレや調達コストの増加を受けて、当社ハードウェアの価格を変更する予定はございません」といったものでした

 

世界的な不況やインフレで人々が経済的に苦しむなかで、ソニーがPS5を値上げすることは広く批判を集めています。しかし、業界アナリストのピアーズ・ハーディング=ロールス氏いわく、この動きがどれほど不評でも、潜在的な(PS5の)需要やソニーの収益が落ち込むことはないとのこと。

 

PS5人気に自信があるからこそ、ソニーも強気に出ているのかもしれません。値上げとなる15日まではまだ2週間以上ありますが、お店にほとんど在庫がない日本では「今のうちに買っておくといいかも」は禁句といえそうです。

Source:Windows Central
via:Tom’s Guide

PlayStation 5が5500円アップへ…買うなら値上げ前の今?

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、「PlayStation 5(以下、PS5)」の価格を改定すると発表しました。残念ながら、日本でも9月15日(木)から値上げとなっています。

↑Rokas Tenys/Shutterstock.com

 

これまで、日本では「PS5(Ultra HD Blu-rayディスクドライブ搭載版)」が5万4978円(以下すべて税込)、「PS5 デジタル・エディション」が4万3978円にて販売されていました。しかし、9月15日からは以下の価格となります。

 

PS5(Ultra HD Blu-rayディスクドライブ搭載版):6万478円

PS5 デジタル・エディション:4万9478円

 

というわけで、どちらも5,500円の値上げとなっています。これについて、ソニーは「世界中で発生している物価の上昇や、好ましくない為替の動向」が原因だと説明しているのです。

 

なお値上げは日本だけでなく、欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカ、カナダでも予定されています。PS5が欲しい方は、9月15日の値上げ前に買ってしまったほうがいいかもしれませんね。

 

Source: PlayStation.Blog

PS5新型コントローラー「DualSense Edge」発表。幅広いカスタマイズ可能、スティックも交換できる!

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは24日、高性能で幅広いカスタマイズができるPS5用の「DualSense Edge ワイヤレスコントローラー」を発表しました。それぞれのプレイスタイルに合わせたカスタムコントロールを作成できることで、ゲームプレイに“Edge(優位)”を持たせるように設計されたと謳われています。

↑Image:Sony

 

この製品がデビューを飾ったのは、ドイツ・ケルンにて開催中の大型ゲームイベント「gamescom 2022」のオープニングナイトライブでした。数か月前から「通常はサードパーティ製の高級コントローラーにしか搭載されないような多くの機能」を搭載し、やはりカスタマイズ性が豊かなXbox Elite ワイヤレスコントローラーに対抗して準備中だと噂されていたものです。

 

DualSense Edge ワイヤレスコントローラーは「完全にパーソナライズされたコントローラー体験」つまりプレイヤー個人の好みに合わせ、ゲームごとにピッタリくるボタン配置の変更などができる、ということです。カスタマイズはソフトウェアのほか、部品を交換するハードウェアにも及んでいます。

次に「どれほどカスタマイズできるか」の説明です。

 

●幅広いカスタマイズが可能なコントロール

特定のボタン入力をリマッピング(再配置)または無効化したり、スティックの感度とデッドゾーン(ゲーム内でアナログスティックが認識されるまでに動かす距離)を調整してエイムを微調節したりといったことが可能とのこと。

 

さらに、トリガーごとに移動距離とデッドゾーンを好みに合わせて調整できるオプションもあり。たとえば対戦型FPSゲームではトリガーを少し押し込むだけで素早く撃てたり、レースゲームではデッドゾーンを短くして細かく挙動を制御したりできるようです。

●複数のコントロールプロファイルが保存可能

理想のカスタマイズができたら、それを複数のプロファイルに保存して、状況に応じて切り替えできるとのことです。つまりドライブゲームと対戦FPS、あるいは同じゲームでも1人プレイとネット対戦では異なるカスタマイズを使い分けられる、ということ。

●コントローラー上のユーザーインターフェース

専用のFnボタンにより、ゲームの操作に集中しながら簡単にセットアップを調整できます。コントローラープロファイルの切り替えや音量の調整、そしてプロファイル設定メニューに入ったり、プレイ中に新たなコントロールの設定ができるそうです。

●変更可能なスティックキャップと背面ボタン

3種類のスティックキャップ(スタンダード、ハイドーム、ロードーム)を交換できます。また背面ボタンも変更でき(ハーフドームとレバー)、ここにすべてのボタン入力を割り振りできるとされています。

●交換可能なスティックモジュール

コントローラーのスティック部品を交換でき、経年劣化してきた場合でもコントローラーを末永く使えます。なお、交換用スティックモジュールは別売り。

●DualSense ワイヤレスコントローラーの機能を内蔵

PS5標準のDualSense ワイヤレスコントローラーの機能はすべて使えます。

 

DualSense Edgeにはスティックキャップと背面ボタンセットに加えて、USB Type-C編組ケーブルが付属し、コネクターハウジング(取付器具)によりコントローラー本体にロックできるため、抜け落ちる可能性が大幅に減っているとのことです。

 

ワイヤレスコントローラーで有線ケーブルを強調するのは矛盾している感もありますが、長時間遊ぶときに残りバッテリーの心配をしなくて済みそうです。

 

発売時期などさらなる情報は、今後発表されるそうです。まだ価格は明かされていませんが、ライバルのXbox Eliteが約2万円(税込)であることから、近いお値段になるのかもしれません。

 

Source:Playstation.com

ソニー、PS5の「拍手」システム廃止を予告。あまり使われていなかったから……

PlayStation 5には発売当初から「拍手」システムがありました。オンラインマルチプレイゲームで一緒にプレイした人に拍手を送って、感謝の気持ちを伝えられるしくみです。

PlayStation 5

 

ソニーはこの「拍手」システムを2022年秋には廃止する予定だと発表しました。その理由は「予想していたほど使われていなかったから」だそうです。

 

もともと「拍手」システムは、オンライン協力プレイでの交流を促すために導入されたもの。拍手には「協力的」や「フレンドリー」、「フェアプレイ」や「リーダー」の4種類があり、それぞれ何個もらえたかがPSNのプロフィールに表示されます。

↑Image:SIE

 

でも公式リリースによれば「予想していた使用率には達しなかった」とのこと。そのため一度リストラして努力の方向を見直し、「コミュニティがお互いにポジティブなメッセージを送り続けることを推奨」すると述べています。つまり、拍手とは別の方法でゲーム仲間を褒め合える方法を探るようです。

 

この機能が削除されると、拍手を送ったり受け取ったりもできなくなり、すでに獲得していた拍手も消えてしまう模様です。それでも、まだピンチを助けてもらったのに感謝を伝えていないプレステ仲間がいるようであれば、今のうちに拍手を送っておくのがいいのかもしれません。

 

残念ながら1つの機能はもうすぐ去りますが、新たな機能がやって来る予定です。先月、ソニーは新たなロイヤリティプログラム「PlayStation Stars」 を発表しています。

 

これはゲームをプレイしたりトーナメントに優勝するなど様々なクリア条件を満たすことで「ロイヤリティポイント」を獲得でき、「コレクティブル(デジタルアイテム)」というご褒美も用意されるというもの。現在は初期テスト中ですが、一般公開を楽しみに待ちたいところです。

 

Source:PlayStation.com
via:The Verge

PS5、新機能のテストをスタート。1440p解像度やゲームリストが追加!

ソニーはPlayStation 5につき、要望の多かった1440p解像度への対応テストを開始しました。日本を含む一部地域の参加者にPS5システムソフトウェアのベータが配布され、一足早く数々の新機能を試してもらうことになります。

↑Image:Sony Interactive Entertainment

 

なお、ベータプログラムはこちらから申込みでき、抽選での参加となります。

 

今回のベータでは1440p解像度(垂直解像度が1440ピクセル)でのHDMI映像出力に対応し、対応しているPCモニターやテレビで新たな解像度を選べるようになりました。1440pに対応しているゲームはネイティブ1440p解像度で楽しむことができ、4Kなどさらに高い解像度に対応しているものは1440pまで落とすことで、アンチエイリアシング(ジャギーを抑える)が改善する場合もあります。

 

ベータ版ソフトをインストールしたPS5では、設定から[スクリーンとビデオ]>[1440p出力をテスト]でHDMI接続している画面が1440p対応かどうかを確認できます。その一方で、VRRは1440pに非対応とも警告されています。

↑Image:Sony Interactive Entertainment

 

また最新ベータ版では、ゲームを整理しやすい「ゲームリスト」が追加されました。まずゲームリストを作成し、追加したいゲームを選び、リストに名前を付け……ということで、Windows PCやiPhoneで言うところのフォルダに近い感覚のようです。

↑Image:Sony Interactive Entertainment

ゲームリストは最大15個まで作成でき、各ゲームリストには100タイトルまでゲーム追加が可能。ディスク版、デジタル版、ストリーミング版を追加することや、同じゲームを複数のゲームリストに追加もできます。

 

さらに、新たなソーシャル機能もあり。パーティメンバーにゲームプレイの画面をシェアするよう頼んだり、フレンドがプレイしているゲームに参加できる通知も追加されます。また、スタンプやボイスメッセージをグループに送ったり、3Dオーディオとステレオの違いを聴き比べて、好みの設定を選ぶこともできます。

 

これらの新機能はベータプログラム参加者を対象としてテストしてから、今後数か月のうちに全てのPS5ユーザー向けに展開される予定です。インディーゲームを山ほど買っている人には、ゲームリストが便利な機能となりそうです。

 

Source:Playstation.Blog

一部のPS5でVRRを使うと、ちらつきや焼き付きが発生したとの報告。とりあえずVRRオフ推奨か

今年4月末、PlayStation 5はアップデートによりVRR(可変リフレッシュレート)に対応しました。しかし、これにより一部のPS5でちらつきやディスプレイの焼き付きが起きていると報告されています。

↑PlayStation 5

 

VRR機能とは、ソニーによれば 「HDMI 2.1に対応しているテレビやPCモニターにおいて、ディスプレイのリフレッシュレートをPS5本体のグラフィック出力に合わせてリアルタイムで同期する機能」とのこと。これにより、リフレッシュレートの不一致から生じる表示のカク付き(スタッタリング)や上下のズレ(ティアリング)が最小化ないし排除され、ゲームの見た目が改善されます。

 

しかし、中国メディアのGizChinaによると、何人かのPS5ユーザーがVRR対応ゲームをプレイすると、一時的なちらつきや焼き付きが発生しているそうです。もっとも、ほとんどのPS5では問題がなく、ごく一部に限られているようです。

 

この問題は、サードパーティー製のディスプレイばかりかソニーのゲーミングモニタ「Inzone M9」でも続いているようで、モニター側の問題ではないようです。ちらつきや焼きつきはVRR対応ゲームのみ発生しており、ゲームを終了したりPS5本体を再起動しても解消されません。VRRをオフにすると、時間が経つにつれて症状が軽くなったそうです。

 

またVRRをオフにした後、映像出力をディスプレイポート経由のWindows PCに切り替えても問題が再現するとのことです。こちらは画面のリフレッシュレートによりちらつきが起こり、焼き付きにつながることもあるようです。

 

なお、元々の情報ソースの1つは日本のブログ「自作とゲームと趣味の日々」 のようです。こちらに公開された動画では、かなり顕著なちらつきや焼き付きが起きている模様です。

 

ソニーはこの問題をまだ公式に認めておらず、正式な声明も出していません(7月12日12時現在)。とりあえずPS5ユーザーはVRR機能をオフにしておき、修正アップデートの配信を待つ方が無難と思われます。

 

Source:Gizchina

入力遅延がひどいPS5の対戦格闘ゲーム、Epic Games関係者がソニーと協力して改善を約束

初代『ストリートファイターII』稼働から30年以上たった今もなお、対戦格闘ゲームの人気は衰えを見せていません。しかし多くの格闘ゲームに採用されている「Unreal Engine」の入力遅延が、特にPS5でひどいことが明らかになり、UEの開発元であるEpic Gamesとソニーが解決すべく協力すると関係者が声明を出しています。

 

対戦格闘ゲームでは、UE採用は半ば当たり前となっており、『ストリートファイターV』や『Guilty Gear-Strive』、『The King of Fighters XV』といったメジャー作にも使われています。

 

そんななか、TS|Sabin氏(様々な対戦格闘ゲームをプレイし、ゲーム配信者としても有名)氏が、「The King of Fighters XV」につき入力遅延の統計データを調べたツイートを紹介。各ゲーム機およびフレームレートごとの遅延が挙げられていますが、飛び抜けてPS5がひどいことが数値化されています。

 

これをきっかけに人気海外ゲームフォーラムResetEraでの議論に発展し、最終的にはEpicで働くスタッフがやってきて発言したしだいです。Simone DiGravio氏は「我々はこの入力遅延の問題を認識しており、現在ソニーと協力して、影響を受ける開発者を私たちの側でサポートするように努めています。皆様の愛すべきゲームが全てのプラットフォームで輝けるよう最善を尽くしますので、ご安心ください」と約束しています。

 

上記の調査が正しければ、PS5の入力遅延はXboxの2倍近くとなります。ミリ秒や1フレーム単位での駆け引きが交わされる対戦格闘ゲームの世界では勝負のゆくえを左右しかねないため、今後のEpicやソニーの健闘を祈りたいところです。

 

Source:ResetEra
via:Wccftech

ソニーもプレステで「基本無料プレイ、ただし広告あり」を検討中のウワサ。ゲーム内に広告看板が出る?

先日マイクロソフトがXboxのゲームに「基本無料プレイ、ただし広告あり」のビジネスモデルを導入するとの噂話がありました。それに続いて、ソニーもPlayStationのゲーム内で広告を活用してF2P(ダウンロードは基本プレイ料金は無料、アイテム等で課金)タイトルが収益を出せるよう支援することを検討しているとの観測が報じられています。

 

米Business Insider(以下「BI」)の有料記事によると、ソニーも上記のXboxと同じ計画を進めており、ゲーム内の看板などに現実の商品広告をはめ込む方法をテストしているそうです。

 

またソニーは、広告を見たプレイヤーに報酬を与えることも考えているとのこと。これは現在、スマートフォン用ゲームで展開されている無料ゲームやアプリのやり方に近いと言えます。つまり広告を見たり、アンケートに答えると、ゲーム内通貨がもらえたり、追加コンテンツがアンロックされるという具合いです。具体的には、一定時間だけ広告を見ればスキン(ゲームキャラクターの見た目)がもらえることも検討しているとも伝えられています。

 

こうしたソニーの広告プログラムは、より多くのF2Pゲームと開発者をPlayStationに呼び込むため、2022年内に開始されるとも述べられています。ソニー自らがこの仕組みからどのような利益を得るのかは、今のところ分かっていません。

 

ちなみにBIは、Xboxのゲーム内広告での利益はゲーム開発者とアドテク企業(ネット広告の配信に関わる会社)で分け合うことにり、マイクロソフトの取り分はないとしていました。

 

スキマ時間に遊ばれやすいスマホ用ゲームと比べて、据え置きの家庭用ゲーム機はプレイヤーが仮想世界に没入する傾向が強く、いきなり「現実にある商品の広告」が割り込んできたなら大きな反発を買いかねません。かつてセガの『バーチャストライカー』内には企業の広告がゲーム内のスタジアムを取り囲んで逆に雰囲気を盛り上げていましたが、そうしたゲームと現実を馴染ませる工夫を期待したいところです。

 

Source:Business Insider
via:Gamesradar

PlayStation VR2専用コントローラーを人気VRゲーム開発者が絶賛、「現世代で最高のものになるかも」

2022年2月に発表された、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation 5向け次世代VRヘッドセット「PlayStation VR2」および新型コントローラー「PlayStation VR2 Senseコントローラー」は、デザインも一般公開されていますが、今回、ゲーム開発者会議GDC 2022で実物に触れた関係者から、感動したとの声が聞こえてきました。

↑ソニー・インタラクティブエンタテインメントのWebサイトから

 

また、VRゲーム開発者がPlayStation VR2 Senseコントローラーを非常に気に入ったと述べるとともに、視線トラッキング技術などを採用したことを称賛しています。

 

これは、VRゲームを中心に開発するスタートアップ「Polyarc」の主席エンジニアであるBrendan Walker氏が、PLAY誌の取材で興奮気味に語ったもの。Polyarcは人気VRゲーム『Moss』の開発元であり、ほかにも『Destiny』や『Halo: Reach』など、数々の大作ゲームに関わったスタッフが在籍しています。

 

Walker氏いわく「新しいPS VR2コントローラーには、とても期待しています。高品質のVRコントローラーがようやく手に入ったのですから。いくつかの理由から、現世代で最高のものになる可能性を秘めていると思います」とのことです。

 

これまでのコントローラーは「DUALSHOCK 4で片手操作、PlayStation Moveでは両手操作でゲーム」を前提にゲームデザインしなければなりませんでしたが、PlayStation VR2 Senseコントローラーは「両手」がフルに使えます。そう前置きしたうえで、Walker氏は「トラッキングリング」(丸いオーブ型)のデザインを高く評価しており、「両手を近づけて操作することが簡単になる」と指摘。それにより「精度の高いインタラクション」ができる、と予想しています。

 

またWalker氏は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPlayStation VR2にフォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度に、そして視野の外側に向かうに従い、低解像度で描画する手法)と視線トラッキングを追加したことは、システムの性能に大きく貢献する(CG処理の負担を軽くする)と称賛しています。

 

その要旨を手短にまとめると、人間の目には中心視野(狭い窓)があり、そこに意識が集中しています。つまり中心視野だけを高解像度に描けば、その視野の外側にあるものは低解像度でも気づかず、PlayStation 5本体にも重い負担を掛けることを避けられる、というわけです。

 

さらにかみ砕けば、「注目しているところ」だけ念入りに描き、それ以外は粗く描けば、ゲーム機側も処理しやすくなります。実際、GDC 2022ではUnityのシニアXRグラフィックス開発者・Fabien Houlmann氏が、フォービエイテッド・レンダリングと視線トラッキングを組み合わせると、同等のCG品質を保ちながら最大3.6倍のフレームレートが改善できると述べていました

 

2020年末に発売された当時、PlayStation 5はモンスター級マシンとされていましたが、今ではゲーミングPCに遅れを取ることになっています。そのうえVRゲームは処理が重くなりがちですが、PlayStation VR2は新技術により軽快に遊べることになりそうです。

Source:Play Magazine
via:Wccftech

自作PCだけでなく、PS5にも使えます! オウルテックのM.2 SSD用ヒートシンクセット「OWL-SSDHS03PS」

自作PC初心者でもとっつきやすい工夫が施されている、オウルテックのPCパーツ。今回紹介するのは、M.2 SSD冷却用ヒートシンク、EXTREME COOL M2「OWL-SSDHS03PS」です。税込価格は580円。

 

同製品は、自作PCやプレイステーション5(以下PS5)でM.2 SSDを利用する際に、低価格かつ簡単に利用できる、M.2 2280 SSD用ヒートシンク、熱伝導シート、固定用シリコンゴムバンドのセット。ヒートシンクは、軽くて冷却性能が高いアルミ素材を採用しています。

 

「ヒートシンクの素材選定時には、アルミ素材、銅素材のサンプルを準備し、それぞれを実際にPS5に取り付け検証した結果、アルミ素材が最適という結果になりました。また、アルミ素材にしたことで低価格、軽量化もできました。また、シリコンゴムに、温度による変質が起こらないかも確認しています」(オウルテック担当者/以下同)

 

M.2 SSDに貼り付けると、熱を効率よく吸収・放熱し、サーマルスロットリング(熱による性能低下)などを抑制。ラベルを傷付けないように、両面粘着タイプの熱伝導シートが付属し、熱伝導シートとシリコンゴムバンドの併用でしっかりと固定できるので、効率良く熱を逃すことができます。

 

PS5にM.2 SSDを増設する場合、プレイステーション公式では冷却用ヒートシンクを取り付けるよう案内しており、ヒートシンクのサイズについてもプレイステーション公式から具体的な指定がありますが、問題なく利用できるように設計されています。

 

 

「この価格帯の製品は、型番とJANコードと一言程度の説明しかない製品が多いです。初心者ユーザーに、店頭で、これはどういう製品なのか、どういう使い方ができるものなのか理解してもらえるように、パッケージの内容を工夫したところ、結果的に販売価格に見合わない内容になってしまいました」

 

パッケージからも自作PC初心者への優しさを感じられる、オウルテックの“想い”が込められた製品といえるでしょう。

丸みを帯びたスタイリッシュな“オーブ型”デザイン! 「PlayStation VR2」デザイン公開

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStation 5(PS5)向け次世代VRシステムPlayStation VR2(PS VR2)と、PlayStation VR2 Senseコントローラーの最終デザインイメージを公開しました。

 

同製品のヘッドセットは、PS VR2 Senseコントローラーとマッチするオーブ型のデザインを採用。丸みを帯びた形は、プレイヤーがバーチャルリアリティの世界に入ったときに感じられる360度の視界を表現しています。

 

デザインは、PS5製品群のプロダクトデザインにもインスピレーションを受けており、PS5のデザイン時から既に次世代VRシステムのヘッドセットデザインも念頭に置いていたため、ビジュアルから感触まで、PS5と共通した特徴が感じられるデザインになったそうです。PS5本体はフラットなデザインである一方、PS VR2ヘッドセットは、常に手に取って触れることを想定し、DualSense ワイヤレスコントローラーや、PULSE 3D ワイヤレスヘッドセットとも一貫性を感じられるデザインになっています。PS5本体やDualSense ワイヤレスコントローラーのデザインにあしらった小さなシェイプス(△〇×☐)も、ヘッドセットのバンドの前後に採用。

 

リビングルームに溶け込むようなスタイリッシュなデザインであることに加えて、使っていることを意識せずにゲームの世界に没入できるものを目指しており、エルゴノミクス(人間工学)に基づいたデザインを重視し、様々な頭の大きさのユーザーが快適に使えるように検証が重ねられたのこと。現行のPlayStation VRで好評だったヘッドセットの重量バランスや、1本のバンドだけで頭部に固定する構造は、PS VR2でも踏襲。既にPS VRを利用中のユーザーでも違和感なく使えるよう、ヘッドセットのスコープ部分と顔の距離を調整するためのスコープ調整ボタンや、ステレオヘッドホン端子の位置も共通して配置しています。

 

また、さらに快適な使い心地を追求するため、両目のレンズ間距離をプレイヤーの目の間隔に合わせることができるレンズ調整ダイヤルを搭載。ヘッドセットの振動用モーターなど、独自の新機能を追加しながらも、よりスマートなデザインに仕上げたことで、若干軽量化されています。

PS5向け次世代VRシステム「PlayStation VR2」正式発表! 専用タイトルに「Horizon」シリーズ新作

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation 5(PS5)向け次世代バーチャルリアリティシステムの正式名称を「PlayStation VR2」、新しいVRコントローラーの正式名称を「PlayStation VR2 Senseコントローラー」に決定し、製品の詳細を公開しました。

 

PlayStation VR2は、ゲームなどの世界に実在しているかのような感覚「センス・オブ・プレゼンス」を向上させており、かつてないほどゲームの世界に深く没入できるVR体験が可能になるそうです。

 

4K HDRディスプレイ、110度の視野角、フォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度になり、視野の外側に行くに従い低解像度で描画する手法)で、高品質な映像体験を楽しめます。有機ELディスプレイを採用し、片目あたり2000×2040の解像度と、90/120Hzの滑らかなフレームレートを実現しています。

 

インサイド・アウト・トラッキングを採用し、VRヘッドセットに搭載したカメラを通じて、プレイヤーとコントローラーをトラッキング。本体以外のカメラを必要とすることなく、プレイヤーの動きや向いている方向がゲーム内に反映されます。

 

プレイヤーがゲーム内のアクションから受ける感覚を増幅させる新たな機能「ヘッドセットフィードバック」は、ヘッドセットに内蔵したひとつのモーターの振動によって触覚要素を加えるもので、例えば、緊迫した場面でのキャラクターの脈拍の上昇や、キャラクターの頭の近くを物体が通過する際の衝撃、キャラクターがスピードを上げて進む際の車両の推進力など、ゲームの世界を一層リアルに感じられます。さらに、PS5に搭載したTempest 3Dオーディオ技術が加わることで、プレイヤー周囲の音を活き活きと再現。また、「視線トラッキング」機能によって、PlayStation VR2がプレイヤーの目の動きを検知し、特定の方向を見ただけで、ゲームキャラクターを操作できます。

 

PlayStation VR2の専用タイトルとして、「Horizon Call of the Mountain」も発表。Guerrilla(ゲリラ)とFirespriteの制作で、「PlayStation.Blog」では、ティザームービーも公開されています。

インテリアに合わせてPS5をイメチェンできる「PS5用カバー」全5色発売決定! コントローラーも新色追加

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、日本国内で、PlayStation 5の外観をカスタマイズできる「PlayStation 5用カバー」「PlayStation 5 デジタル・エディション用カバー」と、DualSense ワイヤレスコントローラーの新カラーバリエーションを発売します。

 

PS5用カバーは、「ミッドナイト ブラック」「コズミック レッド」「ノヴァ ピンク」「ギャラクティック パープル」「スターライト ブルー」の、全5種のカラーバリエーション。ミッドナイト ブラックとコズミック レッドは税込価格6578円で2022年1月27日に発売。ノヴァ ピンク、ギャラクティック パープル、スターライト ブルーは2022年前半に発売予定です。

 

DualSense ワイヤレスコントローラーは、「ノヴァ ピンク」「ギャラクティック パープル」「スターライト ブルー」の3色が2022年1月14日に発売。税込価格は8228円です。

 

PS5用カバーのミッドナイト ブラックとコズミック レッド、DualSense ワイヤレスコントローラーの新色は、12月16日から順次予約を開始します。

 

今回発売されるPS5用カバーとDualSense ワイヤレスコントローラーは、「ギャラクシーコレクション」として鮮やかな星雲の色からインスピレーションを受けた5種類のカラーバリエーションで展開。DualSense ワイヤレスコントローラーで先行発売した「ミッドナイト ブラック」「コズミック レッド」の2色に加えて、爆ぜる星々の圧倒的なパワーを表現した「ノヴァ ピンク」、色鮮やかで洗練された「ギャラクティック パープル」と、宇宙を照らす星々の輝きにインスパイアされた「スターライト ブルー」の3色が登場しました。

 

PlayStation 5用カバーとPlayStation 5 デジタル・エディション用カバーは、PS5カバーを付け替えることができる新製品。PS5本体の上下カバーは簡単に取り外しが可能で、部屋のインテリアや、DualSense ワイヤレスコントローラーと合わせたカラーリングなど、好みに合わせた色のカバーに取り替えて本体のカスタマイズを楽しめます。

 

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PS5/PS4のタイトルが最大80%オフ! 「PS Store」でブラックフライデーセール開催中……最新人気作も対象

PlayStation Storeでは、11月29日まで、期間限定の割引キャンペーン「BLACK FRIDAY」セールを開催しています。同セールでは、PlayStation 5とPlayStation 4の対象タイトルが最大80%オフで購入可能です。

 

 

以下のタイトル(一部)が、セール対象となっています。

 

「Back 4 Blood」(30%オフ)

↑セール割引後価格 :6006円(税込)

 

「Tales of ARISE」(30%オフ)

↑セール割引後価格:6144円(税込)

 

「バイオハザード ヴィレッジ」(50%オフ)

↑セール割引後価格:3995円(税込)

 

「ファークライ6」(30%オフ)

↑セール割引後価格:6468円(税込)

 

また、同セール期間中は、PS Storeでは「PlayStation Plus 12ヶ月利用権」と「PlayStation Now 1ヶ月利用権」を33%オフで購入できます。

 

さらに、「プレイステーション プラスカード」取り扱い店舗(オンラインショップ含む)で販売している「プレイステーション プラスカード:12ヶ月利用権」(税込5143円)を購入し、12桁のコード番号を11月29日までにPS Storeから入力すると、4か月分が自動的に追加され、16か月間継続して利用できます。

ついにPS5に「torne」が! 11月24日配信開始……「nasne」アップデートも

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、バッファローのネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)」と組み合わせることで、PlayStation 5でテレビ番組を録画・視聴できるTVアプリケーション「torne(トルネ)」を、日本国内で11月24日に配信します。

 

今回配信となるtorneは、起動の高速化など、PS5ならではの機能でより快適な視聴が可能。ズームアウトの段階が従来からさらに1段階追加され目的のチャンネルが探しやすくなり、早送り、早戻し時の表示フレーム数も増加し、録画した番組中の目的のシーンを簡単に見つけることもできます。

 

torneの操作はDualSenseワイヤレスコントローラーのほか、PS5専用のメディアリモコンも利用できます。メディアリモコンを使うことで、TVリモコンと同じような感覚で、簡単に片手で操作が行えます。

 

また、nasneも同日にシステムソフトウェアのアップデートを行い、nasneに録画したテレビ番組データを、新しいnasneへダビングする「お引越しダビング」機能が利用可能となります。

 

同機能は、同一ネットワークに接続したnasne同士で、録画番組のダビングが可能となる機能です。nasne本体に録画したテレビ番組はもちろん、外付けハードディスクに録画したテレビ番組もダビングできます。データのダビングはバッファロー製nasneだけでなく、SIEが2019年まで発売したnasneからもダビング可能。同機能によって、故障予測機能「みまもり合図 for nasne」でハードディスクの異常を事前に察知した場合、データが壊れる前に録りためた録画番組を失うことなく、ダビングができるようになります。

超かっこいい! NBA選手×PS5の異色コラボで生まれたナイキシューズが話題

まさかのコラボシューズに、スニーカーマニアだけでなくゲーム好きも興奮しているようだ。今回NIKEから発表されたのは、プレイステーション5(PS5)とNBAロサンゼルス・クリッパーズに所属するポール・ジョージのコラボシューズ。

 

 

この奇跡的なコラボシューズは、PS5の白色とポイントで入ったブルーが印象的な美しいデザインの一足。ゲーマーにはおなじみのコントローラーマーク「△○×□」や、ロゴが描かれるなど、まさにコラボと呼ぶにふさわしい仕上がりになっている。

 

 

 

このコラボ、なぜポール・ジョージがコラボレーターとして参加しているのかというと、彼が熱狂的なゲームファンでPSシリーズを愛してやまないから。確かにジョージは、自身のYouTubeチャンネルにてPS5の開封動画を公開したり、SNSでプレー動画をシェアしたりとかなりの“プレステオタク”のようだ。

 

 

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自宅と思われる部屋にも完璧なゲームモニターを設置するなど、まさにコラボレーターとしてふさわしいジョージ。もしかしたら、このコラボを一番喜んでいるのは彼なのかもしれない。2021年5月14日から、Nike SNKRSや一部店舗で取り扱い予定というこのシューズ。完売必須なので、スニーカ好きは早めにチェックしてみてほしい。

【西田宗千佳連載】半導体リスクは「安全保障」問題に。そこで立ち回るアップルのパワーゲーム

Vol.101-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「世界的な半導体不足」。ソニーがPS5をすぐに大幅増産できない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

世界的な半導体不足。そのなかで、生産ラインの増強もすぐにはできない。

 

このことは、世界的なリスクになっている。それは、単に特定の製品、例えばPlayStation 5の在庫が足りなくて買えない……ということだけに止まらない。世界的な経済・安全保障上のリスクと見られるようになっている。

 

半導体やディスプレイパネルの製造は、その8割以上は中国・台湾・韓国に集中している。そして、そこに部材や製造機器を提供しているのは日本、という構図だ。日本から供給する半導体製造に必須の素材も潤沢な状況ではなく、それもまた半導体製造のスピードに影響している。

 

20年前、半導体は「開発したメーカーが生産する」スタイルだった。そのころと違い、今は開発メーカーと生産メーカーが分かれている。生産する企業は東アジアに集中しているため、ここでの需給が世界的な状況を左右しているのだ。つまり、昔と違って成長リスクは分散されたが、その代わりに今回のような「地域的リスク」が生まれたわけである。

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

そのため、アメリカは政府を通じて直接、TSMC(台湾新竹市新竹サイエンスパークに本拠を置く半導体製造ファウンドリ)に対して増産を要求しているし、今後はリスクヘッジのために、アメリカやヨーロッパにも先進半導体を中心とした製造ラインを作ろう……という話が出ている。元はといえばアメリカが中国との対抗上の理由で始めた政策によるリスク上昇なのだが、それはそれとして、だ。

 

かといって、そうした施策が有効に働き始めるには、まだ数年が必要だろう。現在目の前にある半導体不足の解消は難しい。ソニーが「PS5をすぐに大幅増産することができない」というのはそのためだ。

 

一方、そうした話があまり聞こえてこない企業もある。アップルだ。iPhoneやMacBook Airなどでは、TSMCの最新半導体プロセスを使ったアップルオリジナル設計のプロセッサーを多用している。だが、部品不足の話はそこまで聞こえてこない。

 

理由はシンプル。アップルが一定期間の大量調達を最初から持ちかけ、他社より早く、優先的に生産ラインを押さえているからだ。TSMCとしても、アップルは長年のお得意様であり、数量・金額的に非常に大きな存在である。

 

これは、企業戦略としては力技ではあるがストレートなやり方と言える。パーツが欲しいなら、製造ラインをカネの力で押さえてしまうのが一番だ。ゲーム機は大きな需要だが、数量ではアップルの需要に敵わない。自動車用半導体も、スマホなどとの競争になればいまは厳しい。

 

今後、短期的には、いかにTSMCのキャパを増やし、各企業が「自分向けの数量を確保させるか」というパワーゲームが続く。その間に、TSMC以外でも生産できる半導体は、早急に生産企業を増やしてカバーしていくことになるだろう。

 

メーカーと国家、両方のパワーゲームのなかで、半導体は文字どおり戦略物資として扱われることになるのだ。

 

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「半導体不足」は在庫できない半導体と生産ラインの関係で生まれる

Vol.101-3

 

半導体が不足したならば、製造ラインを増やせばいい……と考えがちだ。だが、半導体は投資判断が非常に難しい。理由は、半導体の製造ラインは「フルに動いている」形を維持するのが基本であること、そして、半導体の「作り溜め」が非常に難しいことにある。

 

半導体の需要がずっと続くならば話は簡単だ。製造ラインを増やしてもその需要は埋まるので、投資判断はしやすい。だが、需要は時期によって変わる。半導体生産ラインは、稼働率が常に80%から90%の間であることが望ましい、と言われている。80%を切ると効率が落ちて赤字が出やすくなり、90%を超えると需要を満たせなくなる可能性が高くなる。非常に微妙なコントロールだ。そもそも、半導体製造ラインの追加には数千億円単位の費用がかかるため、勝算のある計画を立てるのが難しいのだ。このあたりは、半導体だけでなくディスプレイパネルも事情が近い。日本企業は過去10年、この投資コントロールに失敗し続けて、「先端パーツ供給」の舞台から退いていった。なんとか競争力を維持できたのはソニーくらいのものだろうか。そのソニーも、常に需給コントロールが経営課題として語られる。

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

ならば、需要が少ない時期には「作り溜め」をして、需要が上がった時にはそれを出荷することで、工場からの出荷需要をコントロールすればいいのでは……。そんな風に思う人もいそうだ。半導体は野菜ではないのだから、腐りもせず作り置きできそうに見える。

 

だが、実際はそうではない。部品によっては長く備蓄できるものもあるのだが、半導体を使うプロセッサーなどのパーツはそうもいかず、数か月に渡るような長期間、在庫しておくのは難しい。

 

理由は、湿度などに弱いからだ。特に「錆」の問題は大きい。海の近くでもなければそんなには……と思われそうだが、電子部品は「組み立てる前」の場合、端子類が錆びやすい。各種耐久性は「正常に組み立てた後」を想定したものになっていて、すぐにはんだ付けなどで隠れてしまう部分の強度は、必ずしも高くない。それでも、輸送や保管の過程で工夫すれば1、2か月は持つが、需要期を待って倉庫に半年寝かせておく……といったことは、トラブルのリスクや検品コストを考えても難しい。

 

というわけで、半導体メーカーとしては「できるだけ在庫を積み上げずに流せて、しかも生産ラインも空きができない」ようにコントロールする必要に迫られる。自動車や家電、スマートフォンなどを作る最終製品メーカーとしても、在庫は最終製品として持ちたい(こちらなら部品で持つよりリスクははるかに小さい)ので、数か月以内の需要に基づいて発注するのが基本だ。

 

こうした事実が積み重なると、安易に「半導体不足だからすぐにラインを作って」とは言えないのが実情である。

 

このことは、世界的な生産におけるリスクになってきている。では、実際には今後どうなっていくのか? また、企業はどう対応しているのか? そのあたりは次回のウェブ版で解説したい。

 

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米中摩擦、そして自動車産業との半導体の取り合いがPS5に影響

Vol.101-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「PS5の品不足」。欲しい人になかなか行き渡らない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

 

PlayStation 5(PS5)やハイエンドGPUは、買いたくても市場にあまりない状態がつづいている。一義的には、こうした製品が人気であることが品不足の理由である。PS5は製品自体の魅力から人気があるし、ハイエンドGPUは、ゲームよりむしろ仮想通貨(暗号資産)のマイニングを目的に買われている。

 

もちろん本来なら、需要に合わせて増産されるのが基本である。だが現状、ハイエンド半導体を生産する台湾・TSMCの生産ラインのキャパシティはいっぱいであり、短期での大規模増産は難しい状況にある。

 

なぜそうなっているのか? ひとことでいえば奇妙な玉突き現象の結果である。遠因となったのは、米中摩擦の激化だ。

 

2018年まで、半導体業界は好調に沸いていた。だが2019年以降、アメリカ政府が対中制裁を強化したことから、変化が生まれた。特に影響が出たのは、2020年9月以降本格化した、中芯国際集成電路製造(SIMC)に対する制裁である。

 

といっても、SIMCが、ハイエンドGPUやPS5に使われるようなハイエンド半導体を作っていたわけではない。SIMCが作っているのは、技術的にはこなれた28nm(ナノメートル)から65nmというプロセスルールによる車載向け半導体が中心である。

 

これにより、現在、自動車向け半導体の分野では、PS5やハイエンドGPUと同様に「半導体不足」が深刻化している。各自動車メーカーが、自動車自体の生産量を減らさねばならないほどの、過去に類を見ない状況になっているのだ。

 

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

だが、前述のように、SIMCはハイエンド半導体を作っていない。それならPS5やハイエンドGPUには関係してこないように思える。なのになぜ、SIMCが作っていないようなハイエンド製品まで影響を受けるのか? それは、SIMCに製造委託できなくなったぶんを、TSMCが作らざるを得なくなったからである。

 

TMSCはあらゆる半導体の製造を請け負っている。ハイエンド製品が差別化の中心であり収益源でもあるが、世の中にあるのはハイエンド半導体でできた製品ばかりではない。むしろ数だけで言えば、こなれたプロセスで作られるもののほうが多い。

 

一方、ハイエンド半導体以外の生産ラインについては、積極的な拡大が図られているわけではない。投資効率で言えば、ハイエンドに投資し、それが次第に古くなって一般的な製品向けになっていくのが好ましいためだ。結果、稼働率が落ちていた古いラインを自動車のために回し、ハイエンド半導体向けのラインは維持、という方向になっている。

 

ただ、TSMCはあらゆる方向から半導体を求められるゆえ、これではまったく需要が追いついていないのである。

 

また、ハイエンド製品であっても、電源関連やメモリまわりなどは、すべてがハイエンド半導体ではない。自動車向けと同じようなプロセスで作られる部品もあり、ここは自動車との取り合いが発生している。CPUだけでなく、すべての部品が足りなければ、結局製造はできない。

 

では、その深刻さはどのくらいなのか? 解決の方法はあるのか?  そのあたりは次回のウェブ版で解説していく。

 

 

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PS5の品不足にも影響、メーカーを苦しめる半導体不足

Vol.101-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「PS5の品不足」。欲しい人になかなか行き渡らない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

PS5供給不足は世界中で発生している

 

昨年11月に発売されたPlayStation 5(PS5)は、いまだに入手困難な状況が続いている。ニュースなどでは、転売に関する問題が取りざたされることが多いが、そもそもの供給量が足りないことがこの問題の主な原因だ。これについて、ソニーは「2020年中に全世界で450万台を出荷した」と発表しており、いまも供給拡大に最大限の努力をしている、とアピール。だが、それでも世界中で品不足が起こっているのが現実だ。特に、日本の品不足は、供給されるPS5の多くが「世界向け」であり、日本への割当量自体が不足しているという側面もあるようだ。

 

だが、やはり本質的な課題は、「PS5の生産数を急激に拡大するのは難しい」という部分にある。ソニー・CFO(最高財務責任者)の十時裕樹さんは、2月に行われた2020年度第3四半期業績説明会にて「調達にはベストを尽くしているが、世界的な半導体不足の影響も大きい」とコメント。短期で生産計画を大きく上積みするのが難しい、という見解を示しており、供給不足解消の具体的な時期について言及するのを避けた。

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

7nmプロセッサーの需給逼迫が品不足の原因

このようにPS5の大幅増産が難しい理由は、PS5に使われる半導体、特にメインプロセッサーの供給不足が大きく響いているからだ。PS5のメインプロセッサーはAMDとソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の共同開発によるもので、生産は台湾の半導体製造専業メーカー・TSMCが担当している。このプロセッサーには、製造プロセス(編注:半導体の製造に用いられる線の幅のこと)「7nm(ナノメートル)」のものが使用されている。重要なのは、同社の7nmの製造ラインは、PS5向けだけでなく、AMDのCPU「Ryzen 4000」「Ryzen 5000」シリーズ、そしてマイクロソフトの「X box Series X」「Series S」などでも使われているということだ。昨今は、テレワーク下での需要拡大により、ただでさえPCのプロセッサー需要が増えていた。そこに2つのゲームハードが同時に新型機を出した関係で、TSMCの7nmの製造ラインはかなり逼迫している状態なのだ。そのため、世界的に見ると、PS5だけでなく新型X boxも販売は好調なのだが、こちらも同様に生産数不足で需要を満たせていない事態に陥っている。

 

では、こうした供給不足はいつくらいに解消されるのか? AMDのリサ・スーCEO(最高経営責任者)は、「2021年上期はまだ供給がタイトだが、下期には供給量を上げられる。年間を通じては需要に見合う供給ができるだろう」と説明している。これはすなわち、今春から今夏くらいまでは、まだまだPS5の品不足は解消しそうにないということでもある。

 

ただ、そこで気になるのは、なぜプロセッサーの生産量を上げるのが難しいのか? という点だ。そもそも、昨年末に2つの新型ゲーム機が出るのは予定されていたことでもある。それでも生産ラインを増やせなかった理由、そしていまも増やしづらい理由には一体何があるのか? これについてはウェブ版で解説していくことにしよう。

 

 

 

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編集長がPlayStation 5を自腹買いして、4K有機ELブラビアまで新調した3つの理由

【3月24日15時動画コンテンツを追加しました】

GetNavi web編集長・ヤマダは、昨年秋、4K有機ELテレビ「ブラビア A8H」の55型を購入。そして、今月満を持してPlayStation 5(以下PS5)を購入した。もともと雑誌版GetNavi時代はゲーム担当で、プライベートでもゲームを日常に採り入れた生活を送っていたが、ニューノーマルの時代にはPS5が必須になると強く思っている。

なぜ、PS5が新しい生活様式の時代に必要になるのか、そして、ブラビアとの連携にはどんな価値があるのか? 本記事ではPS5をモノとライフスタイルという側面から掘り下げる。同時に、今回はPS5のGetNavi web的解説動画を制作。動画では、ロード時間など具体的なスペック面にも触れながら生活がどのように変わったかを紹介していく。

【今回解説する人:GetNavi web編集長 山田佑樹】

カメラ専門誌、クルマ専門誌を経て、雑誌版GetNaviではゲーム担当として記事を制作。近年はFPS/TPSをメインにプレイ。世界的シューターゲーム「Fortnite」は最新シーズンで700戦プレイで勝率約26%。いま一番楽しみなタイトルは「Horizon Forbidden West」。前作「Horizon Zero Dawn」は500時間ぐらいプレイ。

 

【今回紹介する製品】

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)

PlayStation 5

PS5:4万9980円(税抜)

PS5 デジタル・エディション:3万9980円(税抜)

2020年11月に発売され世界出荷台数は450万台、日本でもこの春より供給台数が増える最新ホーム&ゲームエンタテイメントマシン。Ultra HD Blu-rayディスクドライブの搭載の有無で2つのラインナップを用意する。上の写真はBDドライブ搭載の通常版で、幅150cmのテレビボードに55型ブラビアと併せて縦置きするとピタリと設置できるサイズ。インテリアとしても映えるスタイリッシュなデザインが特徴だ。その他注目のディテールは下部のギャラリーで紹介。

 

PS5のディテールを紹介(画像をタップすると詳細紹介が見られます)

 

 

理由1:ニューノーマル時代は美しい映像環境がないと豊かな感受性を育めない

【画面に投影している映像作品】『スパイダーマン:スパイダーバース』デジタル配信中 4K ULTRA HD & ブルーレイセット【通常版】 6800円(税別) 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント © 2018 Sony Pictures Animation Inc. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & ™ 2021 MARVEL.

PS5は4K120Hz、8K60Hzの出力に対応するゲームハードだ(Hzに関しては後述)。だから、ゲームをプレイするにしろ、映画を鑑賞するにしろ、YouTubeやNetflixを観るにしろ、とにかく美麗な映像体験ができる。そして、こうした映像体験は、2020年代前半の生活を充実させるうえで重要な要素となる。

 

というのも、自宅で過ごす時間が長くなり、リッチな体験が枯渇しているから。昨年は「おうち時間の充実」がトレンドワードとなったが、もはや、充実という言葉では物足りなくて、リッチな体験に常に触れられる環境を意識的に構築しないと、人生の経験値が増えない時代に突入している。

 

個人的には、特に、子どものことを考えたときには、より重要。行事やイベントが減って、インスピレーションを得たり、これまでにない経験をしたりする機会が減っている様子を見ていると、新しい刺激を創出する「インフラ」が必要だと思い、我が家では導入した。以下、ヤマダ家でPS5&ブラビアがあることで変わったシーンを3つ紹介していこう。

 

【その1】改めて観た作品を見返すことが増えた&作品への集中度が増した

↑家族で映画鑑賞の図。ソファは妻と娘の定位置

ヤマダ家は家族全員マーベル作品の大ファンである。MCUシリーズはすべて観たし、派生ドラマも幅広く網羅。PS5を導入して変わったのが、過去に観た作品を見返す機会が増えたことだ。

 

これまでヤマダ家は、PS4+フルHDブラビアの構成だったが、PS5と4K有機ELブラビアで鑑賞すると、これまでと段違い。PS5は4K Ultra HDにフォーマットに対応しているので、より一層。マーベル作品は、背景に映り込む小物ひとつとっても、他作品の伏線が巡らされていることがあるので、画面の隅々まで食い入るように鑑賞できることで、妻と娘は大喜び。

 

このとき、「DualSense ワイヤレスコントローラー」やメディアリモコンは無類の強さを発揮する。操作が快適なのだ。前のシーンに戻りたいとき、ちょっと操作するだけで指定箇所まで辿りつける。こうしたUIはPlayStationの強みであり、行ったり来たりして全然ストーリーが進まない団欒を送っている。

↑DualSense ワイヤレスコントローラー。ゲーム時は振動し、内蔵スピーカーから音が出て立体的なゲーム体験をサポート。映像系サービスを活用しているときは使い勝手の良いコントローラーとして活躍

 

なお、先日観たのは「スパイダーマン:スパイダーバース」。この作品は、印刷業界でいう「版ズレ」を採り入れた「色収差」という技術が使われている。色がズレることで、他はない独特の世界観を構築する一助となっているのだが、改めて鑑賞すると、初めて観たときは感じられなかった色の「艶やかさ」まで感じとることができた。

 

【その2】鑑賞後はYouTubeで考察動画を見ながら議論をするのが週末のルーティン

↑家族団欒の図

【その1】のあとは、YouTuberの考察動画を観ながら侃侃諤諤するのが我が家の週末のルーティン。PS4+フルHDブラビアの時代も同じことをしていたが、PS5が来てからはそれが加速。場合によっては、もう1回、作品の該当箇所まで戻ることもある。そんなときもDualSense ワイヤレスコントローラーやメディアリモコンのおかげでサクッと目当ての場所に辿り着けるし、YouTubeと映像サービスとの切り替えもすぐに行える。

↑メディアリモコン(別売/2980円+税)。下部のPSボタンでPS5の電源を入れられるほか、映像サービス専用ボタンを用意。Netflix、YouTubeがヘビロテの我が家にはマストな周辺機器

 

自分のやりたいことができるのは、興味・関心を失わせないために大事だ。操作や読み込みが遅いと「また、今度でいっか」と、おそらく永遠に来ない「今度」に興味・関心が吸い込まれてしまう。家族の会話の総量と幅が増えたのも特徴。自分の気づきを言語化して、考察をロジックを立てて説明する場面が増えたという点で、娘のディスカッション&プレゼン能力が上がっている気がしている(親バカ)。

 

【その3】平日も刺激を与えてくれる「窓」として活躍

↑在宅勤務時の様子

私と妻は、ともに在宅勤務が多く、出社は週1回程度。外出もほとんどしないので、昨年春から変化の極めて少ない日常を送っている。外の景色も変わらないし、家の中の風景も変わらない。変化が少ないから、時間が動いていない感覚に。そこで、PS5が来てからは日中に主に風景映像を流すようにしてみた。

 

家の内外に映るものは変わらないが、PS5から流れてくる映像だけは毎日違って新鮮。新しい世界との接触ポイントになっている。

 

 

理由2:勝つためのスペックが破格で手に入る

【画面に投影しているゲームタイトル「Fortnite」】© 2021, Epic Games, Inc. Epic、Epic Games、Epic Gamesロゴ、Fortnite、Fortniteロゴ、Unreal、Unreal Engine 4およびUE4は、米国およびその他の国々におけるEpic Games, Inc.の商標または登録商標であり、無断で複製、転用、転載、使用することはできません。

理由2では本質であるゲームの側面に触れていこう。ヤマダがゲームジャンルで好きなのは2つ。ひとつが「Horizon Zero Dawn」や「Demon’s Souls」などの圧倒的なスケール感を味わえるジャンル。もうひとつが「Fortnite」などのTPS(Third-person shooter)/FPS(First-person shooter)。友だちとボイスチャットしながら、たわいもない話をしながらプレイするのが楽しい。

 

【画面に投影しているゲームタイトル「Demon’s Souls」】 ©2009-2020 Sony Interactive Entertainment Inc.

 

グラフィック重視のタイトルはとにかく画質の良さがゲーム体験に直結。自然・建造物の雄大さに本当に旅しているような感覚になれる。このあたり、4Kテレビを生かした画質の良さは動画コンテンツで言及しているのでぜひご覧いただきたい(ちなみに、ロード時間の速さも特筆だ)。

シューター系タイトルはとにかくマシンスペックが勝負に直結。PS4は60fps(frames per second/1秒間に表示できるコマ数)だが、PS5は最大120fpsまで対応。コンマ秒の差で勝敗が分かれるシューターゲームは、60fpsと120fpsで非常に大きな差があるため、PS5は勝負に直結するといっていい。

 

スペックだけ追い求めるなら「PCでやれ」という話になるが、パパプレーヤーが20〜30万円のゲーミングPCを組んだら家族から顰蹙を買うだろう(モニター、キーボード、マウス、ヘッドセットまで入れたら30万円を超えてくる)。が、PS5なら本体だけなら、アンダー6万円、純粋ヘッドセットを入れてもアンダー8万円で手に入る。家族みんなにメリットのある4K有機ELブラビアまで買ってもまだアンダー30万円だ(A8H55型の場合)。

↑PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット。デュアルマイクによるノイズキャンセリング機能を搭載し、USB Type-C充電に対応。ワイヤレスアダプターでBluetooth接続が可能なほか、3.5mm端子&ケーブル搭載で他のデジタル機器とも接続可能

 

40手前のおじさんゲーマーの私の場合、マシンスペックは本当に重要。というのも、シューター系ゲームは10代〜20代前半の若いプレイヤーが多くて、身体能力でも動体視力でも勝てない。身体の衰えをPS5のスペックが埋めてくれて、PC・PS5以外のハードでプレイしている若者と対等にプレイできるのだ。この快感よ!

 

逆の視点で言うと、PS5があることで自分が知らずに重ねる老いを感じ取るきっかけにもなった。なんて小難しい話は別として、普通に生きていたら出会うことのなかった人、交わることのなかった世代と一緒にゲームをプレイできるのは楽しい。仕事に追いかけられてゲームから離れてしまった人にこそ、PS5はぜひオススメしたい。

 

【補足1】シューターゲームはFPS(frames per second)が肝なので、画質は4Kがマストでないと個人的には考えている。我が家のブラビア「A8H」はフルHD120Hz対応なので本気プレイではフルHDでぬるぬると遊んでいる。

【補足2】シューターゲームは画面が大き過ぎると視線を動かす範囲も広がり反応速度の遅れにつながるので、24インチ前後の120Hz(※)対応モニターで遊ぶのもオススメ。PS5本体と120Hzモニターなら、併せても10万円前後で購入可能。モニターであれば在宅時の仕事用モニターにもなるから、家族にも理解が得られるはず!

※:1秒間に処理できるフレーム数の単位。120Hzであれば最大120fpsを処理できる

 

 

理由3VRを含めて今後の展開・拡張性が楽しみすぎる

本記事を制作中にうれしいトピックが飛び込んできた。2月23日にSIEから「PS5向け次世代VRシステム」のアナウンスがあったのだ。「2021年に発売する予定ではありません」とあるように、正式発表および発売まではまだ少し時間がかかりそうだが、これは期待大。

 

というのも、近年VRデバイスは様々な企業が参入しており、技術発表レベルを含めると数多の企業が研究を進めている。今後数年でVRはさらなる進化を遂げるとされていて、そんななかでSIEの開発発表があったのはこの流れを一層加速させることになりそうだ。

 

日常レベルでも、おうち時間を楽しむという観点で、身体を使う行為は大切だ。2021年はオンラインパーソナルトレーニングの元年ともいえる年で、自宅がジムになるというトレンドが来ている。が、エクササイズは続けるのは難しい……。PS5向け次世代VRシステムはケーブル1本で接続される仕様となる模様で、激しい動きは制約がありそうだが、単に身体を動かすだけでなくゲーム&エンタメの要素が加わった新時代の「身体を動かすカルチャー」が生まれていくのではないか、なんていう妄想も広がる。

 

【まとめ】まだまだ進化は始まったばかり

拡張性という意味では、PS5は今後できることがもっと増えていく。例えば、本体内にSSDを増設したり、USBメモリーにゲームデータを入れてUSB経由でゲームをロードしたりなど。本体の容量問題はゲームハードにつきものだが、そうした問題も踏まえたアップデートが進められているのだ。

 

さらに、今後対応するアクセサリーやデバイスも増えていくはずだ。ヤマダはPS4で公式ライセンスプロダクトとなった「Nacon」を愛用。DualSense ワイヤレスコントローラーとは違うベクトルの高機能コントローラーの登場も期待している。

 

家族との映像体験が変わり、毎日の刺激となり、勝利に酔いしれることができ、VRを使った未知の体験が期待できる−−PS5の長い旅はまだ始まったばかり。ちなみに、今回はあまり触れられなかったが、UIをはじめとした部分はより使い勝手が増している。PS4からのPS5のセーブデータやトロフィーデータの移動は「あっけないほど簡単」に完了したし、これまでのフレンドとのやりとりもシームレス。シームレスさの話は動画でも語っているのでチェックして欲しい。

 

 

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モンハン、バイオも! PS4の人気タイトルが追加料金なしで遊べるPlayStation Plusコレクションが熱い

9月17日の早朝に配信された、「PLAYSTATION 5 SHOWCASE」。この映像では、FF16やハリーポッターなど開発中のソフトの映像が公開されたほか、ついに発表されたPS5の価格と発売日に注目が集まりました。

 

その映像もうひとつアナウンスされたのが、PS5向けの「PlayStation Plusコレクション」です。

 

PS Plusに加入すると、PS4の人気タイトルが月額850円で遊べる

PS Plusは、月額850円(税込)の定額制サービスで、PlayStation 4ソフトでオンライン対戦を楽しむ場合には加入が必要なサービスです。PS Plusでは、毎月特定の過去作が遊び放題になるというサービスが提供されていますが、今回、PS5の登場にあたって、PS4の人気ソフト多数がダウンロードプレイで遊び放題になるPlayStation Plusコレクションが追加されました。

 

記事執筆(2020年9月17日午前9時)時点でアナウンスされているPlayStation Plusコレクションのタイトルは下記の18タイトルです。

  • FINAL FANTASY 15
  • バットマン:アーカム・ナイト
  • Bloodborne
  • Fallout 4
  • ゴッド・オブ・ウォー
  • モンスターハンター:ワールド
  • ペルソナ5
  • アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝
  • ラチェット&クランク THE GAME
  • Days Gone
  • Until Dawn -惨劇の山荘-
  • Detroit: Become Human
  • Battlefield 1
  • inFAMOUS Second Son
  • 人喰いの大鷲トリコ
  • The Last of Us Remastered
  • バイオハザード7 レジデント イービル
  • Mortal Kombat X

 

●PlayStation Plusコレクション発表時のムービー

 

いわずと知れた国民的人気タイトルであるモンスターハンターやファイナルファンタジー、バイオハザードなどが含まれており、PS Plusに加入する魅力は明らかに増したといえます。筆者も、オンラインプレイのためにPS Plusに常時加入しているのですが、PS5を買ったあとにはこれまで遊んでいなかったタイトルに手を出す機会になりそうです。

 

ちなみに、PS Plusの月額は850円ですが、3か月なら2150円、12か月で契約すると5143円と、長期契約でかなりの割引が適用されます。1年契約だとほぼ半額になるのでお得になります。

 

すでに4500万人以上の会員を集めているPS Plusですが、今回のPlayStation Plusコレクション発表によって、PS5登場後には加入するユーザーがさらに増えそうです。

FF16も発表! 「PlayStation 5」タイトル最新動画公開

SIEは9月17日5時(日本時間)、映像イベント「PLAYSTATION 5 SHOWCASE」を開催。11月12日に発売される「PlayStation 5(以下PS5)」のローンチ期やその先に発売されるタイトルの動画を公開しました。

 

今回動画が発表されたPS5のタイトルは以下の通りです。(※発表順)

 

●Final Fantasy XVI

 

 

●Marvel’s Spider-Man Miles Morales

 

 

●Hogwarts Legacy

 

 

●Call of Duty: Black Ops Cold War

 

 

●Bio Hazard Village

 

 

●Deathloop

 

 

●Devil May Cry 5 Special Edition

 

 

●Oddworld: Soulstorm

 

 

●Five Nights at Freddy’s Security Breach

 

 

●Demon’s Souls

 

 

●Fortnite

 

 

●God of War(新作)

 

 

個人的な注目タイトルは、やっぱり「Final Fantasy XVI」ですね。中世的な世界観で、ひと昔前のFFに戻ってきたような気がします! そしてゲーム画面は全然登場しなかったのですが、「God of War」の新作も、非常に気になりますね!

 

今回発表されたPS5の価格や詳細については、こちらをご覧ください。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーを見る

PlayStation 5 概要まとめ! 想像以上に手ごろな価格で11月12日発売開始

9月17日、早朝に開催されたPlayStation 5ショーケースで、ついに価格と発売日が判明したPlayStation 5。

 

その価格は、通常モデルが5万4978円、ディスクドライブのないデジタル・エディションが4万3978円(ともに税込)と、思っていた以上に手頃だったというゲーマーの方は多いのではないでしょうか。また、今回多数公開された美しいムービーを見て、「やっぱりPS5欲しい!」と思った方もいるでしょう。

 

この記事では、そんな方のために、PS5のスペック等に関する情報を過去に公開されていたものも含めてまとめました。

※本記事での価格はすべて希望小売価格・税込表記です

 

本体デザイン

 

●2020年6月公開のトレーラームービー

 

発売日

  • 11月12日

 

価格

  • 通常モデル:5万4978円
  • デジタル・エディション(ディスクドライブなし):4万3978円

 

本体スペック注目ポイント

CPU、メモリなどの性能アップ

本体の頭脳にあたるCPUは、4コア1.6GHzだったPS4から、8コア最大3.5GHzにパワーアップ。メモリは8GBから16GBと倍になり、グラフィックを司るGPUも順当にグレードアップしました。処理速度の向上やグラフィック性能の向上が見込まれます。

 

高速SSDによる読み込み時間の短縮化

PS5搭載のSSDの読み込み速度は、爆速の5.5GB/s。これにより、アドベンチャーゲームでのファストトラベルなどの、読み込み時間が長くなりがちなシーンも、高速で画面が切り替わります。また、本体の起動も高速化するでしょう。PS4と比較すると、雲泥の差、といえるレベルになりそうです。

 

3Dオーディオ

“Tempest”3Dオーディオ技術を採用したというPS5は、前後上下左右から臨場感ある音を届けるとのこと。アドベンチャーゲームで、敵のいる方向から音声が聞こえるような感覚も味わえるそうです。一般的なヘッドホンや、2チャンネルのスピーカーでもOKとアナウンスされています。

 

●2020年3月の、スペック発表時の映像

 

本体スペック詳細

CPU

  • x86-64-AMD Ryzen “Zen 2”
  • 8コア/16 スレッド
  • 周波数:最大 3.5GHz まで可変

GPU

  • AMD Radeon RDNA 2-based graphics engine
  • レイトレーシング アクセラレーション
  • 周波数:最大 2.23GHz まで可変(10.3 TFLOPS)

システムメモリ

  • GDDR6 16GB
  • バンド幅:448GB/s

SSD

  • 825GB
  • 読み込み速度:5.5GB/s Read Bandwidth(Raw)

光学ドライブ(読み出し専用)

  • Ultra HD Blu-ray (66G/100G)~10xCAV
  • BD-ROM(25G/50G)~8xCAV
  • BD-R/RE(25G/50G)~8xCAV
  • DVD ~3.2xCLV

PS5 ゲームディスク

  • Ultra HD Blu-ray(100GBまで)

映像出力

  • HDMI®OUT端子
  • 4K 120Hz TV、 8K TV、VRR 対応(HDMI2.1規格による)

オーディオ

  • “Tempest” 3Dオーディオ技術

外形寸法(最大突起部、ベース除く)

  • 通常モデル:約390mm×104mm×260mm(W×H×D)
  • デジタル・エディション:約390mm×92mm×260mm(W×H×D)

質量

  • 通常モデル:約4.5kg
  • デジタル・エディション:約3.9kg

最大消費電力

  • 通常モデル:350W
  • デジタル・エディション: 340W

入出力

  • USB Type-A 端子(Hi-Speed USB)
  • USB Type-A 端子 (Super-Speed USB 10Gbps) ×2
  • USB Type-C® 端子(Super-Speed USB 10Gbps)

通信

  • Ethernet(10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T)
  • IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax
  • Bluetooth® 5.1

 

互換性

PS4、PSVRに互換性あり

 

周辺機器

↑左から、DualSense ワイヤレスコントローラー、通常モデル、デジタル・エディション、PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット、メディアリモコン、DualSense充電スタンド、HDカメラ

 

DualSense ワイヤレスコントローラー 7678円

マイク内蔵、L2・R2ボタン搭載、ゲームのアクションによって変わる抵抗力を表現できるコントローラー。充電は、USB-Cコネクタで行います。

 

PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット 1万978円

3Dオーディオに対応し、デュアルノイズキャンセリングマイクを搭載。パーティチャットのクオリティをアップさせます。

 

メディアリモコン 3278円

音声操作用のマイクを内蔵。再生、一時停止、早送り、早戻しのボタンを搭載し、映画やストリーミングサービスの操作にも対応します。対応するテレビの操作も可能です。

 

DualSense 充電スタンド 3278円

ワイヤレスコントローラーを2つ同時に充電できるスタンド。

 

HDカメラ 6578円

プレイ映像と同時に、それをプレイするプレイヤーの様子を配信できる高性能カメラ。1080pのデュアルカメラを内蔵し、プレイヤーの顔の輪郭を切り抜いてゲーム映像に合成できるなど、配信の幅を格段に広げます。

 

意外に発売日も近く、そして何よりお手頃だったPS5。本日同時に発表されたタイトルも別記事でご紹介しますので、そちらと合わせて検討ください!