在宅ワーク後は何してる? 3人のクリエーターに聞く「あなたの宅飲み見せてください!」

コロナ禍で外飲みの機会が減り、在宅ワーク後の宅飲みが増えたという人は多いでしょう。そんな状況のなか、ほかの人はどんな宅飲みをしているのか、気になったことはありませんか? なかでも、一芸に秀でたクリエーターは、宅飲みにも特別なこだわりを持っているのでは? これは気になる…‥ということで、今回は3名のお酒好きクリエーターにインタビュー。ふだんの宅飲みで使っているお気に入りアイテムや、飲み方のこだわりを教えてもらいました。インタビューのお供は、「糖質ゼロ・甘味料ゼロ・プリン体ゼロ」で人気のタカラ「焼酎ハイボール」です!

 

また、記事末には特別コラムも用意。モノに強いGetNaviの編集部員が、オンライン飲みや家飲みに役立つイチオシのアイテム5選を紹介します!

【インタビュー その1】

サニーデイ・サービス 田中 貴さんの場合

レコードや落語を楽しんだり、古い本を読んだりして過ごす

トップバッターは、ロックバンド「サニーデイ・サービス」のベーシストを務める田中 貴(たなか・たかし)さん。GetNavi webや雑誌GetNaviでラーメン連載を持つラーメンフリークで、ラーメン店での飲み「ラ飲み」を愛するお酒好きとしても知られています。まずは、コロナ禍によって仕事にはどんな変化があったのかうかがってみました。

↑サニーデイ・サービスのベーシスト、田中 貴さん。今春、約2年ぶりとなるフルアルバム「いいね!」をリリース。11月21日には神奈川 ぴあアリーナMMで「BAYCAMP 2020」に出演予定

 

「いや~、ご存じの通り音楽業界は大変ですよ。僕らは新譜の発売とリリースツアーが完全にぶつかりましたから。本来ならライブで全国を回るはずだったんですが、延期して振替公演にしたり、客席にゆとりがある会場に変更すれば開催出来るかなど、新たな方法を模索したりしているところです。ラーメンの仕事も、取材に行けない時期はお取り寄せでレビューしたり、リモートで番組出演したりして、何とか在宅ワークでやっていましたね」(田中さん)

 

在宅ワーク後の宅飲みでは、レコードを聴くほか、落語を楽しんだり、好きな本を読んだりして過ごすことが多いとか。

 

「地元の愛媛にいたころから、古本屋や中古レコード店を巡って発掘するのが好きで、いまでもたまに昔買った本を読み返すことがあります。例えば、昭和の食にまつわる本を読んでいると、当時の流行りの食べもの、街の風景や人々の暮らしぶりが見えてきたり、いまも営業されている店が載っていたりして面白いんです。最近は、ジョルジェット・ジウジアーロの工業デザインの写真集などを手に入れたので、これを読むこともありますね」(田中さん)

↑田中さんにとってはラーメンの師匠でもある、林家木久蔵(現・木久扇)師匠の著書や、コメディアンでエッセイストの古川緑波の著書をはじめ、味わい深い古書が勢ぞろい

 

↑田中さんが大ファンだという落語界のレジェンド・古今亭志ん朝(三代目)のLP

 

田中さんが自宅で音楽を聴くときは、主に2つのパターンがあると言います。ひとつは、書斎にある本格的なサウンドシステムでレコードをじっくり視聴するパターン。もうひとつが、ダイニングでリラックスしながら、Bluetoothスピーカーを通して聴くデジタルな楽しみ方です。

 

「飲みながら、ネット動画でいろんなミュージシャンのライブを観ることもありますね。クルマが大好きなので、動画では旧車メンテナンスのノウハウや昔のクルマの番組を観ることも。あと、自粛期間中は、海外のレアものをネットで発掘する方法を発見して楽しんでいました。英語圏以外の言語で検索することで、思わぬお宝を入手できることがあるんですよ。たとえば今回持ってきた『KEREN ANN』(ケレン・アン)のアルバムは、フランス語で検索してアナログ盤が存在することを知りました。クルマのパーツなどをオーストリアのマニアから個人売買したこともあります」(田中さん)

↑左上はクルマで使うことも多いというBluetoothスピーカーの「JBL Xtreme 2」(3万2780円)で、最長15時間再生可能なバッテリーを内蔵。右下のヘッドホン「MASTER & DYNAMIC MH40」(生産終了)は、「音もフィット感も上質で、レコーディングでも使ってます」(田中さん)

 

↑パリとニューヨークを拠点に活動する、イスラエル出身のシンガーソングライター・KEREN ANNの「Not Going Anywhere」(2003年)。レコード盤はかなり枚数が少ないそう

 

ちなみに、宅飲みの際は、鶏ささみなどでヘルシーなおつまみを作ってお酒と合わせていたそう。

 

「自粛期間中は身体を動かさないから太っちゃって。家で筋トレを始めてみたんですが、なかなか思うようには痩せられない。かといって飲んだあとは近所にシメのラーメンを食べに行っちゃうから、どうしてもつまみは軽くしたいんです」(田中さん)

 

同じ理由で、お酒の糖質にも気を付けているという田中さん。もともと焼酎などの蒸留酒ベースのドリンクが好きでしたが、タカラ「焼酎ハイボール」は今の自分に最適だと実感しているそうです。

「家で手軽に飲むなら、やっぱり缶チューハイ。僕は甘ったるいのが苦手で、その点でいうとタカラ『焼酎ハイボール』はすごくイイですね。焼酎自体にコクがあって、アルコール度数が7%と飲みごたえも十分。甘くないからつまみの味も邪魔しないし、何といっても糖質、プリン体、甘味料がゼロというのがうれしい。量を飲む酒好きにはぴったりだと思います」(田中さん)

↑宅飲みしながらだと、ベースよりもギターを弾くことが多いそう。愛器はベーシストになる前から使っているヴィンテージのGRETSCH NASHVILLE

 

 

【インタビュー その2】

インテリアスタイリスト 窪川勝哉さんの場合

複数の灯りで室内を演出し、プロジェクターで動画鑑賞

続いては、雰囲気づくりの達人・インテリアスタイリストの窪川勝哉(くぼかわ・かつや)さんにインタビュー。最近はコロナ禍の影響でインテリア関連を見直すニーズが増え、多忙を極めていたとか。

↑窪川勝哉さん。インテリアのみならず車や家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深いです。ワインの聖地・勝沼のある山梨県甲州市出身で、お酒も大好物

 

「特にアドバイスを求められたのは、テレワークのための気持ちの良い空間づくりですね。また、オンライン会議に映る背景はどうしたらよいか? といった相談も多かったです。僕からアドバイスするなら、カーテンやラグ、ベッドカバーといった面積の広いファブリックを変えてみるのがオススメ。家具を買い替えるよりも、ずっと安上がりでカンタンです。少し上質なものに変えたり、色に統一感を持たせたりすると、ガラリと印象が変わりますよ。あとは、効果的にグリーンを取り入れて、リラックスを促す要素を加えるといい。オンライン会議の背景として活用するなら、フックなどに引っ掛けるハンギングプランターがイチオシです」(窪川さん)

↑この日は、日本のモダニズム建築をリードした前川國男氏が設計したという窪川さんのアトリエで取材。室内には随所に観葉植物が配置され、大きな窓に映る緑の景色も目にしみます。部屋の中央には名作として知られるイームズのエリプティカルテーブル(通称サーフボードテーブル)が

 

部屋の印象を良くしたいなら、「空間を支配する3要素」もしっかりケアするべきだと窪川さんは語ります。

 

「『空間を支配する3要素』とは『空間を漂うもの』。つまり、『光・香り・音』の3つです。これが合わないと、決定的に居心地が悪くなりますから。なかでもインテリアの最終的な仕上げとなるのが『光』。光は色や当て方も大切で、ひとつのシーリングライトで部屋全体を照らすだけでは、なかなかサマになりません。数種のランプを使い分けるなどして、明暗にメリハリをつけるとオシャレになりますよ」(窪川さん)

↑シェードのあるライトなどを使い、あえて光の方向を限定して陰影を作ると空間に奥行きが出てオススメだそう

 

そんな窪川さんが愛用しているのが、キャンドルのように揺らぐ暖色の灯りから、温白色の灯りまで再現できる充電式LEDランタン「BALMUDA The Lantern」。夜はこれで手元だけを照らし、お酒とおつまみを楽しんでいるとのこと。

↑バルミューダの「BALMUDA The Lantern」(1万5180円)。上から下へ光を照射する構造で、まぶしくないのも特徴。窪川さんは色違いを含めて4つも持っているそうです

 

ステイホーム期間中は、知人からオンライン飲みによく誘われていたそう。アトリエで飲む際は、プロジェクターで白壁に動画を映して楽しむこともあるといいます。

「飲むときは、じっくり観るというよりも、アート感覚で映像を楽しんでいます。だから、ミュージックビデオを見ることが多いですね。サウンドはオフにして、別の機器から好みの音楽を流すことも。DJをやっていたぐらい音楽好きで、90年代によく聴いていたアシッドジャズやハウスなどをよくかけます。夜が遅くなってきたら、ムーディなピアノ系のジャズを聴くのも好きですね」(窪川さん)

↑投影してくれたのは、知人の編集者が企画しているオンライン配信イベント「クリエイティブ酒場」。この日の取材後、窪川さんも同イベントに出演したそう

 

↑愛用のプロジェクターは、エプソンの「EF-100B」(10万1580円)。そのうちDIYをして、天井付近に取り付けることを計画中とか

 

親が料理人ということで、食べることも大好きだという窪川さん。取材の前日も、旅先で手に入れたエゾジカとタカラ「焼酎ハイボール」を合わせてみて、その汎用性の高さに驚いたとか。

 

「お酒も食事に合わせて選ぶことが多いんですけど、タカラ『焼酎ハイボール』はどんな料理にも合うと思います。むしろ、合わない料理がないんじゃないか? っていうくらい。飲み口がすっきりしていて甘くないから、料理の味を邪魔することがありません。アルコールが7%というのも僕にはちょうどいい。ストロング系だとじっくり飲めないし、軽いお酒だと物足りない。その点、タカラ『焼酎ハイボール』はほどよい飲みごたえで、これなら毎日飲みたくなるなと思いました」(窪川さん)

 

 

【インタビュー その3】

ホフディラン 小宮山雄飛さんの場合

ヘルシーなおつまみとともにお酒を楽しみ、カレーをシメにすることも

トリを務めるのは、2ピースPOPグループ、ホフディランの小宮山雄飛(こみやま・ゆうひ)さん。小宮山さんは音楽活動のかたわらグルメに関する著作も上梓するほか、2018年には、日本初のレモンライス専門店「レモンライス東京」を東京・渋谷でオープンするなど、音楽界きっての食通として知られています。

↑ホフディランのヴォーカル&キーボード、小宮山雄飛さん。カレー好き、居酒屋通としても知られ、著書に「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」「今日もひとり酒場」などがあります

 

小宮山さんもコロナ禍で音楽活動が困難になったそう。ツアーやライブができなくなり、アーティスト活動が制限されるなかで生まれた試みが、ファンとの交流。ホフディランの公式ファンクラブ「TAMAGAWA F.C.」を新たに立ち上げ、「小宮山雄飛のオンラインファンミーティング」をライブ配信するなど、様々な取り組みを模索しています。

 

「何かリアルタイムでファンとつながれるきっかけを作りたくて。オンライン会議やリモート出演の機会も増えたので、マイクや巷で話題のリングライトなど、機材もいろいろとそろえてみたんですよ」(小宮山さん)

↑マイクはルックスが特徴的で、通称“ガイコツマイク”と呼ばれるSHUREの「SUPER 55」(2万7500円)を新調(左)。オンライン会議などで表情を明るく撮影できるLEDリングライトも購入(右)

 

このほか、音楽以外のTVやラジオにはリモートで出演。雑誌などの連載執筆は、訪問取材をせずに書くスタイルを続けていたそう。こうした在宅ワークのあとは、飲んで疲れを癒すのがお決まりの流れだったとか。

「もともとお酒はすごく好きで、家でもよく飲んでいました。オンライン飲みも、ステイホームの初期はバンドメンバーやスタッフたちとやっていましたね。家飲みでは、80~90年代のミュージックビデオやライブを見ながら飲むのが好き。モバイルプロジェクターを持ち出して、気分転換にベランダで飲むこともありました」(小宮山さん)

↑壁面などに気軽に映写できるAnkerのモバイルプロジェクター「Nebula Capsule II」(5万9800円)。動画であれば約2.5時間(Wi-Fi利用時)、音楽であれば約10時間の連続再生が可能。自動でピント調節してくれる機能も魅力です

 

家飲みの際は、特にヘルシーなおつまみにこだわっているとのこと。

 

「お店でもそうなのですが、『最初に食べるのはまず野菜から』と決めています。胃をいたわる意味と、太るのがイヤなので、カロリーと糖質をなるべく抑えたいですから。アチャール(インドの漬物)をおつまみにすることもありますよ。野菜以外だと、こんにゃくやのりもヘルシーなのでよくおつまみとして食べています。お茶漬けの素をお湯でといて、その汁自体をつまみ代わりにすることもありますね(笑)」(小宮山さん)

↑玉ねぎのアチャール(左)と大根のピクルス(右)。「レモンライス東京」のトッピングにもなっています

 

ちなみに、古典居酒屋に関する著書も多い小宮山さんは、下町の大衆酒場の味にインスパイアされているタカラ「焼酎ハイボール」が大のお気に入り。今回は、シメで食べることも多いというレモンライス(カレー)と合わせて、その印象を語ってもらいました。

「タカラ『焼酎ハイボール』は、国産の焼酎ベースなのがイイんですよ。どこか味に温かみがあるし、安心できるんですよね。糖質、プリン体、甘味料がゼロというのも本当にうれしい。 辛口で爽やかな酸味があって、焼酎のコクもあるから、カレーなどのスパイシーな料理にもよく合います。特にタカラ『焼酎ハイボール』<レモン>は、レモンライスとドンピシャ!」(小宮山さん)

↑レモンライスは、スパイスと炒めたごはんにレモンで風味付けをした南インドの郷土食。小宮山さんがプロデュースする「レモンライス東京」では、チキンベースのカレーソース(右上)や「エキゾチックチリソース」というスパイスペーストが付きます

 

――外出や出会いが制限されるこの時期。在宅ワークの推進で働き方も激変し、目に見えないストレスをためている方も多いでしょう。そんなときだからこそ、日ごろの晩酌のひとときが大きな癒しになるはず。ぜひ本稿の出演者たちの流儀を参考に、理想の宅飲みを実現してみてください。そのお供はもちろん、「糖質ゼロ・甘味料ゼロ・プリン体ゼロ」のタカラ「焼酎ハイボール」をどうぞ!

撮影/我妻慶一

 

 

【特別コラム】

編集部オススメ! オンライン飲み・宅飲みアイテム5選

その1【推薦者・家電担当 小林史於】

オンライン飲みで話題になる卓上焼き鳥器

サンコー 

自動で回る卓上無煙焼き鳥器「自家製焼き鳥メーカー2」

6280円

「熱源の周囲に串に刺した肉を立てておけば、串が自動で回転し、ムラなく焼き上げる調理家電。超ジューシーな焼きたての焼鳥が卓上で楽しめます。煙が少ないのもうれしいところ。見た目のインパクトがあるので、オンライン飲みで話題になるのは間違いなし!」(小林)

 

その2【推薦者・AV担当 一條 徹】

価格も魅力のマイク内蔵片耳専用イヤホン

 

ドン・キホーテ

情熱価格 完全ワイヤレス片耳イヤホン

2178円

「マイクを内蔵した片耳専用イヤホンなので、オンラインで会話していても、もう片方の耳がフリーに。家族に声をかけられたり、インターホンが鳴っても気づくことができます。ドンキならではの低価格も魅力!」(一條)

 

その3【推薦者・デジタル担当 玉造優也】

高度・角度を調整できるスタンドでベストなアングルを探そう

MSOVA

スマホスタンド

1399円

「4~13インチのデバイスに対応し、オンライン飲み、動画視聴の両方で役立つアイテム。別付けでウェブカメラを買うのもいいですが、コスパを考えるとスマホのカメラでも十分にオンライン飲みに対応できると思います。その際は、高度・角度を調整できるスタンドで良いアングルを探しましょう。なかでも本品は価格が手ごろ、かつ折りたためるのでデスクの邪魔になりづらく、デザインもそつがないのでオススメ」(玉造)

 

その4【推薦者・文房具/雑貨/家電担当 和田史子】

飲んだ翌日に使えば、足のむくみが取れるかも!?

ドウシシャ

MOMiLUX 両ひざマッサージャー ひざもみW DKM-2001

1万7380

「これを使えば、お酒の影響による足のむくみが気にならなくなるかも!? 基本的に座ったまま使えるので、ビデオ通話中や動画視聴中でもムリのない姿勢で使えます。スマホを置くレールスタンド付きなのもうれしい!」(和田)

 

その5【推薦者・フードライター 中山秀明】

冷めにくくぬるくなりづらいスタイリッシュなグラス

bodum

PAVINA ダブルウォールグラス(2個セット・0.25l・8 oz)

3645円

「冷めにくく、ぬるくなりづらいことに加え、アイスで飲んだ際に結露しないので、コースター要らず。タカラ『焼酎ハイボール』にもぴったりです。ステンレス製の二重構造のグラスもイイのですが、自分は中身を見たい派なのでこれ。デンマーク生まれの、スタイリッシュでかわいらしいデザインもナイス」(中山)

 

お酒大好きモデルが幸せ実感! マニアが教える「べランピング飲み」と「ソロキャン飲み」の魅力

コロナ禍によって外で飲む機会が減り、在宅勤務が増えてストレスもたまりがち。ならば、宅飲みで上手に気分転換! という方には、「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」「甘味料ゼロ」のタカラ「焼酎ハイボール」がオススメです。

一方で、いつもの宅飲みは飽きたんだよな……という方も多いはず。そこで、本稿では「三密」を避けつつ開放感も味わえる手軽な「アウトドア(風)飲み」を提案。アウトドアマニアをガイドに招き、平日の夜にベランダやデッキで行う「べランピング飲み」と、週末に行う「ソロキャン飲み」の魅力をレクチャーします!

 

アウトドア愛好家がモデル・村田倫子さんに手軽なアウトドア飲みをレクチャー

ガイド役は元GetNaviの統括編集長で、月に1回はソロキャンプを楽しむ正田省二(しょうだ・せいじ)。教えてもらうのは、大のお酒好きでアウトドアにも興味深々のモデル・村田倫子(むらた・りんこ)さん。今回は、ビルの屋上に正田がアイテムを持ち込み、「ベランピング」と「ソロキャン」のセットを再現。焼酎ハイボールをお供に、ちょっとした料理を作りながら、プチアウトドア体験を楽しんでもらいます!

↑村田倫子さん(左)。merなどのファッション誌をはじめ、ファッションショー・テレビ・ラジオ・広告への出演など幅広く活動。趣味はカレーの食べ歩きで、お酒も大好き。正田省二(右)。GetNaviの元統括編集長。毎週末、ソロキャンプに勤しむ筋金入りのキャンパー。元mer編集長で、村田さんとは仲良し

 

べランピングは何から手を付けたらいいか、わからなかった

正田 倫ちゃん、今日はよろしくね!

 

村田 よろしくお願いします!

 

正田 コロナの自粛期間もあったけど、どうしてた?

 

村田 コロナ前からアパレルブランドの立ち上げに向けて動いていたので、オンライン会議をよくやってました。そのとき在宅ワークで感じたのは、オンとオフのメリハリを付けるのが難しかったな、と。だから、夜はお酒でスイッチを切り替えていました!

 

正田 今日は、そんなお酒好きの倫ちゃんのために、アウトドア飲みの楽しさを伝えたいと思って。

 

村田 ありがとうございます! 興味はあったけど、何から手を付けたらいいかわからなくて。いろいろ聞きたいと思ってたんです!

 

正田 オッケー、任せて! 今日はふたり飲みを想定して準備してみたよ。

 

お手軽べランピングに特別な準備は必要ない

↑正田が用意したベランピング飲み用のアイテム。イスはスノーピークの「ローチェア30」(1万7600円)。テーブルはユニフレームの「焚き火テーブル」(7900円)

 

村田 うわぁ、こんなにたくさん用意して頂いてありがとうございます!

 

正田 いやいや。実は、アウトドア用アイテムはコンパクトで軽いから設置はカンタン。とはいえ、実際にセットすると一気に「非日常感」が出るでしょ。これがいい具合に、在宅ワーク時の「オン」と「オフ」の切り替えになるわけ。

 

村田 確かに! 気分がアガりますね~。

 

正田 ということで、そろそろ乾杯といこうか!

↑今回はタカラ「焼酎ハイボール」の定番フレーバーである<ドライ>(左)と<レモン>(右)を用意

 

村田 待ってました! では、かんぱーい!  …ああ、おいしい! スッキリしていて、飲みやすい!

 

正田 ちなみに、アウトドア用のマグも用意したから、こっちでも飲んでみない? スノーピークの「チタンダブルマグ 450」と「スタッキングマグ雪峰 M300」は二重構造になっていて、温度をキープしつつ、手も冷たくならない便利なアイテムなんだ。

 

村田 あ、ほんとだー! 冷たいまま飲めるからおいしく感じますね。冬は温かい飲み物を飲むときに活躍しそう。

↑正田が手にしているのが「チタンダブルマグ 450」(4928円)

 

↑「スタッキングマグ雪峰 M300」(3168円)を手にする村田さん

 

 

燻製が簡単にできるアイテムでアウトドア気分を満喫

↑正田が用意した燻製おつまみ

 

正田 おつまみも用意したから食べてみて。実はこれ、お手軽に燻製を作れる家電「フードスモーカー」を使って燻製にしたんだ。

 

村田 この「フードスモーカー」、コンパクトですね。これで燻製ができるなんてスゴイ!

↑グリーンハウスの「フードスモーカー GH-SMKB-SV」(6050円)。単三形乾電池2個で駆動します

 

↑本体上部にスモーク用のチップを入れて火をつければ、チューブの先から煙を出す仕組み。食材の入った容器に煙を注入して密閉し、しばらく置くだけで燻製が完成します

 

正田 カレー好きの倫ちゃんのために、タンドリー風味のサラダチキンも燻製にしてみたよ。どう?

 

村田 …あ、思った以上に燻製らしくて、本当においしい! 特にタンドリーチキンはスパイシーで燻製の風味が強いから、本格的なアウトドア感が楽しめますね。このワイルドな味とタカラ「焼酎ハイボール」が合う!

 

正田 タカラ「焼酎ハイボール」は、ベースアルコールに宝焼酎を使っているから、飲みごたえがあって、燻製にはぴったりだよね。一方で、甘くなくて色々な料理に合うから、使い方が幅広い。何というか、哲学的な一本だと思わない?

 

村田 哲学的……面白い表現ですね。

 

正田 料理に合わせて気軽に楽しめるけど、じっくり向かい合える奥深さもあるんだよね。本当の酒好きが行き着く缶チューハイというか。まさに倫ちゃんにぴったりじゃない?

 

村田 確かに! コクはあるけど後味が爽やかだから、飲み疲れしないし、私はすごく好きですね。「糖質ゼロ」という点もありがたいです!

 

 

テーブル、イスは収納性と実用性の高いものを用意

村田 次はほかのアイテムについて教えてください。今使っているテーブルもかわいいですよね!

 

正田 これはユニフレームの「焚き火テーブル」。天板がステンレス製だから頑丈で熱に強くて、熱い鍋とかを置いてもへっちゃらなんだ。

↑ユニフレームの「焚き火テーブル」。脚を天板の下にしまえるのもポイント

 

村田 両端が木になっていて、おしゃれなのもイイ! あと、いま座っているイスも、ひじ掛けの木のニュアンスが好きです。

 

正田 スノーピークの「ローチェア30」ね。これ、寝れるくらい座り心地いいから。まったりくつろぎたいときは、こうした背もたれ・ひじ掛け付きのローチェアを用意するのがオススメだね。

↑スノーピーク「ローチェア30」の座り心地を楽しむ村田さん

 

光と音を演出するアイテムを置いてムードを高めるのもオススメ

↑左がバルミューダの「BALMUDA The Lantern」(1万5180円)。右がBOSEの「SoundLink Revolve Bluetooth speaker」(2万7500円)

 

村田 あれ、このランタンはオイル式じゃなくてライト…なんですか? レトロな形がかわいい!

 

正田 お目が高い! これはバルミューダの「BALMUDA The Lantern」。充電式のLEDライトで、コードレスでも使える。光量を小さく調整すると、炎のようなゆらぎを再現してくれるのも面白い。

村田 ライトがゆらぐってすごい! これはムードが出そう!

 

正田 気分を盛り上げるなら、BluetoothスピーカーのBOSE「SoundLink Revolve Bluetooth speaker」もオススメ。手ごろなサイズだけど、360度の方向に音が出るから音に奥行きと臨場感がある。暗くなったら、ジャズとかムーディな音楽をかけるといいよ。

 

村田 ああ、それは絶対リラックスできますね! 音楽を聴きながらランタンの光を眺めて、おいしいおつまみでタカラ「焼酎ハイボール」を飲む。もう最高じゃないですか!

 

【べランピング飲みで使用したアイテム】

スノーピーク「ローチェア30」(1万7600円)

ユニフレーム「焚き火テーブル」(7900円)

スノーピーク「チタンダブルマグ 450」(4928円)

スノーピーク「スタッキングマグ雪峰 M300」(3168円)

グリーンハウス「フードスモーカー GH-SMKB-SV」(6050円)

バルミューダ「BALMUDA The Lantern」(1万5180円)

BOSE「SoundLink Revolve Bluetooth speaker」(2万7500円)

 

 

「ソロキャンプ飲み」では、自分仕様のスペースを作る達成感がある

正田 さて、ここからは金曜の夜~休日にオススメの「ソロキャンプ飲み」を紹介するよ。ソロキャンプだと、誰かの予定に合わせる必要もないから思い立ったらすぐに出発できるのがいい。たとえば、金曜日が在宅勤務だった場合、仕事が終わったあとすぐに荷物を持って出発! なんてことも可能。大自然に囲まれて、一週間がんばった達成感とともにタカラ「焼酎ハイボール」を傾けるのは格別だよ!

↑正田が用意したソロキャンプ用のアイテム。一人掛けのコンパクトなチェアとテーブルの前に、焚火台を設置しています

 

村田 私、ソロキャンプも未経験なんです。ベランピングよりもハードルが高そうで。

 

正田 ソロキャンは達成感があって楽しいよ。完全に自分仕様のスペースを作る達成感ね。あとは、焚火や調理を終えたあとの一杯が、またたまらなくウマいんだ!

 

村田 あー、それはわかる気がします! いい仕事したあとのお酒って、おいしいですから。ちなみに、見た感じだと、ソロキャンプ用のアイテムはかなりコンパクトですね。

 

正田 そうだね。特に今回は、「バックパック1つに収まるアイテム」をテーマに用意したんだ。たとえばSOTOの「フィールドホッパー ST-630」はA4サイズのテーブルで、さらに半分に折りたたんで収納できる。軽さも抜群で、ソロキャンパーの心をわしづかみにしているアイテムなんだ。

↑SOTOの「フィールドホッパー ST-630」(5280円)

 

村田 ほんとだー。こんなに軽くて小さいのもあるんですね!

 

正田 イスはヘリノックスの「チェアワン ミニ」。500mlペットボトルぐらいの軽さだけど、耐荷重は90kgとめっちゃタフ。骨組みを折りたたんで、座面のファブリックに包んで収納できる名器なの。

↑ヘリノックスの「チェアワン ミニ」(8800円)

 

村田 え! こんなに小さくしまえるなんて…ウソでしょ?

 

正田 お次はUSB充電式のランタン。このゴールゼロの「LIGHTHOUSE micro FLASH」は、手のひらに収まるサイズながらしっかり明るい。ソロならこれで十分だね。夜は焚火台の明かりでまったり楽しめばいいし。

 

村田 へえ、ソロキャンプ用のアイテムもいろいろあるんですねー。特に、コンパクトに収納できるのが大事なのがわかりました。限られた荷物でサバイバルする喜びがあるというか。何だか、目からウロコです!

↑ゴールゼロの「LIGHTHOUSE micro FLASH」(6480円)を点灯してみせる正田

 

↑焚火台はモノラルの「ワイヤフレーム」(1万8480円)に「焚き火メッシュII」(1万175円)を組み合わせたオリジナル仕様

 

普通のごはんでも外で作って食べるだけで特別感が出る

正田 次はお待ちかねのキャンプメシといこうか! 今回は、焼鳥丼を作ってみたよ。

↑正田オリジナルの焼鳥丼

 

村田 うわあ、おいしそう! お米から炊いたんですか?

 

正田 うん。この弁当箱みたいなクッカーは、メスティンの「トランギア」シリーズのアイテムで、ご飯も炊けちゃうんだよ。

↑メスティン「トランギア」シリーズのクッカー(4620円)

 

↑コンロは、バーゴの「チタニウム ヘキサゴンウッドストーブT-415」(6980円)。これに、バーナーを組み合わせて使用

 

正田 具材は、スノーピークの「チタン シェラカップ」をフライパン代わりに使って、焼鳥の缶詰にめんつゆを入れて煮込んだだけ。これをごはんにかけるだけで、十分ウマいんだ。

↑スノーピークの「チタン シェラカップ」(2090円)で焼鳥を煮込みます

 

村田 いただきまーす! ああ、おいしい! ごはんは炊きたてだし、飯ごうを使って外で食べると特別感があります!

正田  シンプルなごはんなんだけど、リッチに感じるでしょ? 外で作る楽しさも醍醐味なんだよね。

 

村田 わかります! また、愛着のあるアイテムで作ると、余計においしく感じますよね。そして、この甘辛い焼鳥丼、ダシの風味がきいていて、お酒が飲みたくなります!

 

正田 だよね~。では、あらためて乾杯っ!

 

村田 乾杯! あー、おいしい! この焼鳥丼って、おつまみというより食事じゃないですか。でもタカラ「焼酎ハイボール」がすごく合いますね。

 

正田 それは俺も思う! 嫌な甘さがないから、料理の味を引き立てるんだよね。

 

村田 私にとって、お酒と料理との相性は大事なポイントなんです。その点、タカラ「焼酎ハイボール」はバッチリ。焼鳥丼がよりおいしく感じられますね!

 

 

べランピングもソロキャンも、実は「身近にある幸せ」だと実感

正田 今日はちょっとしたアウトドア体験をしてもらったわけだけど、振り返ってどうだった?

 

村田 お酒も料理もおいしくて、見える景色も違うし、風も気持ちいい。何だか、いつも以上にリラックスできた気がします!

正田 だよね! 日ごろのストレスが消えてく感じだったでしょ?

 

村田 また仕事頑張るぞ~! って気分になれますね。教えてもらったキャンプグッズもかさばらないから、少しずつ集めたいと思いました!

 

正田 みんなそうやって「ソロキャン沼」にハマッていくんだよ(笑)。まあ、まずは手軽な道具からそろえて、ベランダでひとり飲みから始めるといいんじゃないかな。

 

村田 はい!べランピングもソロキャンも、想像よりずっとカンタンで、実は身近にある幸せなんだ、と実感しました。私も一歩踏み出してみようと思います! 特に、今日の燻製とタカラ「焼酎ハイボール」のペアが忘れられない……家でも試してみたいです!

 

正田 それはよかった! でも、飲みすぎには気を付けて!(笑)

 

――普通の宅飲みとは違った楽しさが味わえる「べランピング飲み」と「ソロキャンプ飲み」。開放的な雰囲気のなかでおいしく飲めば、在宅ワークで疲れた心と身体もリフレッシュできるはず。ぜひ本稿を参考に、アイテムを準備したり、おつまみを作ったりしながら、楽しんでみてください。そして、楽しい飲みのお供には、糖質ゼロ、甘味料ゼロ、プリン体ゼロのタカラ「焼酎ハイボール」をお忘れなく!

撮影/和田清志

 

【ソロキャンプ飲みで使用したアイテム】

SOTO「フィールドホッパー ST-630」(5280円)

ヘリノックス「チェアワン ミニ」(8800円)

ゴールゼロ「LIGHTHOUSE micro FLASH」(6480円)

モノラル「ワイヤフレーム」(1万8480円)

モノラル「焚き火メッシュII」(1万175円)

メスティン「トランギア」シリーズのクッカー(4620円)

バーゴ「チタニウム ヘキサゴンウッドストーブT-415」(6980円)

スノーピーク「チタン シェラカップ」(2090円)

 

【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

東京の大衆酒場の名店を巡る企画の第1回。今回は、立石のもつ焼きの名店「宇ち多゛(うちだ)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

 

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。記念すべき第1回目の舞台は、大衆酒場の聖地・立石を代表するお店「宇ち多゛(うちだ)」です。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

行列の絶えない立石の名店「宇ち多゛」を、常連の「宇ち中」さんとともに訪問

同店は豚のもつ焼きと煮込みが絶品と評価が高く、「東京五大煮込み」の1軒にも数えられ、行列の絶えないお店となっています。また「うめ割り」なる名物ドリンクが「もつに合う」と大評判。さらに「酔っている人は入店NG」など独自ルールがあり、店内には独特の緊張感が漂っているとのウワサも。これはちょっと、いきなり一人で行くのは気が引ける……。というわけで、GetNavi web編集部の小林史於(こばやし・しお)は、同店のマニアとして有名なブロガー「宇ち中(うちちゅう)」さんに同行をお願いし、「宇ち多゛」を訪問。独自のルールや味わうべきメニューを教わりながら、その奥深いカルチャーを堪能していきます。

↑宇ち中さん(左)と小林史於(右)。宇ち中さんの本業はサラリーマン。ブログ「宇ち多゛中毒のページ」の管理人で、「宇ち多゛」を中心に、立石の大衆酒場の飲み歩き日記をつづっています

 

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行列に並ぶときは、周囲のお店や通行の邪魔にならないように

小林 宇ち中さん、今日はありがとうございます! すごく楽しみです!

 

宇ち中 今日はよろしくお願いします!

撮影日:9月12日

 

小林 うわー、すでにめちゃくちゃ並んでいますね。並んでいる間に、いろいろと教えてください! まずは、宇ち中さんがこちらに通い始めたきっかけは何ですか?

 

宇ち中 最初に来たのは2003年。青砥に住んでいる会社の先輩が連れていってくれたんです。もう、最初から衝撃を受けました。「アブラのタレ」と宝焼酎の「うめ割り」をいただいたとき、「このウマさはなんだろう?」と。当時はもつ2本で170円だったんですけど、「こんなにおいしいものがこの値段でいただけるんだ!」と、目からウロコで。翌週には一人で来てました(笑)。以来、週に3回は来ています。

 

小林 さすが師匠! 宇ち多゛中毒、略して「宇ち中」の名はダテではありませんね。さて、立石は大衆酒場の聖地と呼ばれていますが、その立石で「宇ち多゛」さんはどんな位置付けなんですか?

 

宇ち中 「大人のディ〇ニーランド」と呼ばれる立石のなかでも、ここ目当てで立石に来る方が多くて、宇ち多゛が休みだと、お客さんがほかのお店にはしごに来ないっていうくらい。ですから、立石を代表する有名店といって間違いないですね。

 

小林 なるほど、立石は街全体がアミューズメント施設であり、そのランドマーク的な存在が宇ち多゛であると(笑)。ちなみに、いまもすごい行列ですけど、待ち時間が少ないオススメの時間帯ってありますか?

 

宇ち中 口開け(開店)してから、次のお客に入れ替わる「2巡目以降」が狙い目。平日は17時以降が一番すいていると思います。土曜日なら11時ぐらい。土曜日だと、材料がなくなると12時半ごろには閉店してしまうので、注意が必要ですね。

 

小林 土曜日はそんなに早く閉まっちゃうんですか? それなら並ぶのも仕方ないですね。

 

宇ち中 ちなみに、並ぶときは通行の邪魔をしないように、列がふくらまないように気を付けるのが大事。隣や向かいのお店が営業準備しているときには邪魔にならないように並びましょう。状況に応じて、店員さんが「こうやって並んでね」と指示してくれることもあるので、それにならっていればOKです。

 

酔っている人は入店NG。「宇ち入り」ではカバンを前に抱えるべし

小林 おお、そうこうするうちに、入口に近づいてきましたよ。普通の店と違って、何だか緊張しますね。入店するときは、「どうぞ」と言われるまで待っていればいいんですか?

宇ち中 はい、店員さんから声がかかるまでは、勝手に入らない方がいいですね。あとは、カバンをかけている場合は入店の際に前に抱えるようにしてください。後ろにカバンを掛けていると、テーブルのお皿やほかのお客さんにぶつかることもあるので。

 

小林 なるほど、それはもっともなルールですね。そうそう、聞くところによると、「酔っている人は入店NG」というルールもあるとか。

 

宇ち中 そうなんです。つまり、「宇ち多゛」は、必ず「その日の一軒目」になるということですね。名物のうめ割りは「一人3杯まで」というルールもあります。あとは、しゃべってばかりだと「もういいんじゃない」とか、酔っぱらいそうだと、「これで最後にしようね」と店員さんに強めに言われることも。でも、当たりが強い感じはするんですが、実は、お客さんのことをしっかり見てオペレーションされている。その奥深さにハマる方は多いかもしれません。

↑入口ののれんの「お客様へのお願い」には「既にアルコール類を飲まれた方 ご遠慮ください」などの一文が

 

小林 なるほど。あ、いよいよ入店ですね。そういえば、「宇ち多゛」に入店することを「宇ち入り」っていうんですよね!

 

宇ち中 はい、「宇ち入り」の「宇」は「宇ち多゛」の「宇」で(笑)。

 

小林 忠臣蔵みたいでカッコイイ! ついに「宇ち入り」です! こんにちはー。

 

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宝焼酎をシロップで割る「うめ割り」と「ぶどう割り」がある

小林 やっぱり店内は緊張感がありますね……。空気がピンと張りつめている感じがします。

 

宇ち中 ええ。しゃべる声のトーンにも気を付けてくださいね。ほかのお客さんの注文が通らなくなっちゃうので。声が大きすぎると注意されますよ。

↑席に案内され、緊張のあまり表情が硬くなる小林(左)

 

小林 わかりました! まずは飲み物の注文からでいいんですか?

 

宇ち中 飲み物から注文して、飲み物を出してもらっているときに、一皿目のつまみを頼む感じですね。

 

小林 店内に貼られたメニューには「宝焼酎」とありますが、これがウワサに聞く「うめ割り」でしょうか?

 

宇ち中 そうですね。グラスに注いだ宝焼酎に、梅シロップを足してもらうのが「うめ割り」です。

 

小林 それにしても、宝焼酎がソフトドリンクと同じ200円(税込)とは……これは安い!

 

宇ち中 はい。感謝しかありません! 宝焼酎はほかに「ぶどう割り」も選べますよ。梅のシロップのほうがちょっと甘めで、ぶどうのほうはドライな感じです。最近は私はもっぱらうめ割りですね。エキスを多くしてもらいたいときは「甘め」、少なくするときは「辛め」とカスタムできます。

 

小林 宇ち中さんのお好みは?

 

宇ち中 僕は「辛め」。シロップは一滴とか、気休め程度ですね。でも、このシロップが一滴でも入ると、味がガラッと変わるんですよ。あ、内田専務がいらっしゃいましたね。

↑「宇ち多゛」の三代目・内田朋一郎専務

 

内田 飲み物どうする? うめ割りでいいかな?

 

小林 今日はよろしくお願いします! はい、ぜひうめ割りをお願いします……(うわぁ…内田さん、真顔だし目つきが鋭い。ちょっと怖いな……)

 

内田 どうぞ。

小林 ありがとうございます。うわ、グラスにたっぷり注がれるんですね!

 

宇ち中 量は、これで五勺(約90ml)くらい。あふれるのを入れると7勺(約126ml)くらいですね。口から迎えに行くのがよろしいかと。

↑宝焼酎のうめ割り。シロップによって薄く色づいています

 

小林 わかりました! では、いただきます!  ……ああ~ガツンと来るぅ~これはぶっ飛びますね!  焼酎はコクがあってキレも抜群。ふわっと来るシロップの甘酸っぱさがたまりませんね。これはウマイ!

↑うめ割りを迎えに行く小林(左)。ひと口飲んだ宇ち中さん(右)も目を閉じてその味に浸ります

 

もつ焼きのオーダーの基本は、部位+味付け+焼き方

↑壁に貼られたメニュー。おつまみはもつ焼き、煮込み、お新香。ドリンクは宝焼酎のほかにウイスキーやビール、清酒、ウーロン茶なども用意しています

 

小林 では、お酒が入って一息ついたところで、次はおつまみの注文の仕方を教えてください! 壁のメニュー表には「もつ焼き 二本 二○○」としか書いていないので……。

 

宇ち中 もつ焼きの注文の基本は、部位+味付け+焼き方です。もつ焼きの部位は「レバ(肝臓)」「シロ(大腸)」「ガツ(胃)」「アブラ(頬)」「ハツ(心臓)」「カシラ(頭)」「ナンコツ(軟骨)」と多彩です。味付けは「タレ」「塩」「味噌」「素焼き」があって、素焼きだけ「お酢」と言えば酢を入れてもらえます。酢を多くしたいときは「お酢たっぷり」でOK。あとは「よく焼き」とか「若焼き」といった焼き加減の好みがあれば伝えます。何も言わなければ「普通焼き」が出てきますね。若焼きよりレアな、「うんと若焼き」というのもありますよ。

 

小林 なるほど。例を挙げると、「レバ・タレ・よく焼き」「シロ・塩・若焼き」「ガツ・素焼き・うんと若焼き・お酢」といったオーダーですね。

 

宇ち中 ほかに、ボイルしただけの焼かないメニュー「生(なま)」もあります。そちらはもつ焼きにあったカシラがなくて、そのぶん「タン(舌)」「テッポウ(直腸)」「コブクロ(子宮)」があります。味付けは何も言わなければ「醤油」になり、「塩」にも変更できます。お酢はすべてに入れられますよ。オーダーは「タン生お酢」といった具合ですね。基本的にもつ焼きは同じ部位が2本で一皿。ただ、ボイルしただけの焼かないメニューは、「レバとシロで1本ずつ」と注文することもできます。

↑もつ焼きは2本で一皿が基本

 

小林 一度にオーダーするメニュー数はどれくらいがいいんですか?

 

宇ち中 テーブルがそう広くないので、あまり一度に多く注文しないほうがいいですね。焼きたてがおいしいですから、残り2切れぐらいになったときに次のもつ焼きを頼んで、食べ終わるころに次がちょうど出てくるタイミングがベストです。

 

小林 なるほど、勉強になります! ちなみに、宇ち中さんなら必ず頼む部位ってなんですか?

 

宇ち中 カシラがあれば、カシラを素焼きお酢で。あとはナンコツのタレも好きです。ボイルではレバボイルがオススメですよ。

 

「煮込み」は「白いとこ」か「黒いとこ」をオーダーできる

小林 ちなみに、今日はおつまみはお店のおまかせで出していただきます。さっそく看板メニューのひとつ、「煮込み」が来ましたね! 煮込みもオーダーでカスタムできるんですか?

↑人気メニューの煮込み

 

宇ち中 できますよ。「白いとこ」といえば、シロ(大腸)の周りの部位やハツモト(心臓に近い大動脈)など、色が白い部分を中心に出してくれます。「黒いとこ」といえば、フワ(肺)やレバなどの黒い部位が中心。ありがたいことに、僕の場合は「白いとこ」が好きとわかって頂いているので、自然に「白いとこ」を出してもらっています。

 

小林 さすが常連さんですね!

 

宇ち中 品切れが近いときは、カスタムできない場合もありますが。開店直後ならだれでも部位の指定ができますし、開店時に入店すれば「ホネ(アゴ周辺)」という希少部位にありつけることも。このホネを食べるのはかなりハードルが高くて、土曜日は朝8時ぐらい、平日は12時半ぐらいに並んでいないと売り切れてしまうらしいですよ。

 

小林 うわあ、まさに幻のネタですね! ちなみに今日の煮込みは、「白いとこ」と「黒いとこ」のバランスはどうですか?

 

宇ち中 バランスが取れている感じですね。ハツモトもちゃんと入っていて僕好みです。

 

小林 いただきます! ああ、ウマイ……。コリッとしていたり、フワッとしていたり、部位による食感のメリハリが楽しい! もつにはまったく臭みがなくて、豊かな肉の旨みだけを感じます。煮汁も、何だろうこのまろやかさ……すごく奥深いです!

 

宇ち中 野菜やこんにゃくを一切使わず、もつと味噌だけで煮込んでいるからかな。独特なコクがあるんですよ。ここの初代は終戦後の1946(昭和21)年に「宇ち多゛」を始めたらしいんですが、戦争の前には銀座のレストランで働いていて、その調理法がルーツらしいんですよね。

 

小林 なるほど。この雑味のない味わいには、その技術が活きているのかもしれませんね。くぅ~っ、また味付けもちょっと濃いめだから、うめ割りが進む進む!

↑うめ割りを合わせて恍惚の表情を浮かべる小林

 

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もつ焼きはすべてが食感豊かでみずみずしく、臭みがない!

宇ち中 この煮込みが200円ですからね。本当に頭が下がります。あ、もつ焼きも来ましたよ。ガツの塩からどうぞ。

↑ガツ塩

 

小林 おぉ、なんと豊かな食感。身はみずみずしくコリコリとした食感で、噛むほどに旨みが染み出てきます。シャープな塩味がさらに味を引き立てる! こちらも臭みが一切なく、ただただウマいです!

 

内田 お次はタン生が出るよ。お醤油かけるね。お酢は大丈夫? 嫌いじゃない?

↑タン生お酢

 

小林 ぜひお酢はかけちゃってください。うわ、これもまた独特の食感。サクサクとしていて、肉の旨みが広がります! 醤油とお酢のパンチが効いて絶妙! お次はシロのタレですか……香ばしく焼かれていて、グッグッと弾力があって食べ応えがあります。肉自体にも甘味があって、甘めのタレとすごく合いますね。レバのタレは、プルップルで口いっぱいにコクが広がる! これを焼酎で迎え撃つと…うーん、たまらん!!

↑シロタレ

 

↑レバタレ

 

宇ち中 こんな感じで、気が付くとうめ割り3杯ぐらいスゥッといっちゃうんですよ。で、お次は、アブラの塩。

 

小林 これ、とんでもなくウマイですね! 表面はカリッ、サクッとしていて、中はトロッとしています。 噛むごとに脂の甘味がジュワッっと広がって、またこれがうめ割りに合う……幸せ……。

↑アブラ塩

 

↑もつのほかに「お新香」もあります。生姜の有無や増減がカスタム可能。基本の味付けは醤油ですが、醤油なしにしたりお酢を入れたりすることも可能です

 

独自のルールを決めたのは、お客さんに気持ちよく帰ってもらうため

小林 内田専務、全部おいしかったです! どれもこれも身がプリっとして、臭みもまったくなくてビックリしました。どうしてこんなにおいしいんですか?

 

内田 特別なことは何もしていないね。ほかの店は見たことないけど、処理も同じだと思うよ。オレはここの2階で生まれて、ずっとこの味で育ってきたから、ほかはよく知らないんだけど。

 

小林 いやいや、ご謙遜です。同じことをやっていて、この味が出るワケがない。自分もいろんな店でもつを食べるんですけど、全然違いました! …ところで内田専務、この機会におうかがいしたいんですが、なぜお店の独自のルールを作ったんですか?

内田 多くのお客さんに楽しく飲んでもらって、みんなに気持ちよく帰ってもらうにはどうしたらいいかを考えた結果。そのためにルールを決めて、オレもキャラクターを作り込もうと考えた。オレ、ふだんはこんなおっかねえ顔してないから。飲んできた人はダメ、3杯以上はやめてくれというルールも、飲み過ぎて人に迷惑を掛ける人が出ないようにするため。人に迷惑を掛けるのはダメだよ。隣の人に絡んだり、騒いだりするんじゃなくてさ、真摯にもつと焼酎に向かい合う。そういう時間があったっていいんじゃないか、って。

 

小林 なるほど。独自のルールも当たりの強いキャラも、すべてはより多くのお客さんに、気持ちよく過ごしてもらうため。もつと焼酎を純粋に楽しんでもらうためだったんですね!

 

内田 でも、ウチで飲めるようになっていたら、みんなどこへ行っても気持ちよく楽しめると思うんですよ。あと、ここで抑圧されて飲んでるとさ、「ごちそうさま」ってのれんをくぐったときに「この解放感がたまらない」という気持ちになる。そこまでを計算して、エンターテイメントとして成立させようとしているんだよ。

小林 そこまで考えてらっしゃったんですね。あと、店員さんの気配りもすごいです。煮込みのオーダーもそうですけど、常連さんのご希望にもかなり対応していらっしゃるみたいで。

 

内田 「今日もおいしかったね、また来よう」と思ってもらうためにはどうしたらいいか、考えるとそうなるよね。もちろん希望に添えないこともあるけど。座席もそう。彼(宇ち中さん)にも好きな席があるから、空いたらそこに移動してもらうから。

 

宇ち中 ええ、私はそこ(小林が座っている席)が好きでして。

 

小林 あ、そうなんですね! すみません、何だか光栄です。では、最後に内田さん、「宇ち多゛」初心者の方にアドバイスというか、メッセージはありますか?

内田 こういう雰囲気も大事だと思うけど、だからって偉そうな感じにはならないように気を付けているし、お客さんには愛を持って接したいと思っている。ただ、まあ初心者にはある程度、店のことを調べてから来てほしいね。そういうところから思い入れが出てくるから。まあ、これだけ並んでたら、何も知らずに並ぼうと思わないだろうけど。

 

宇ち中 でも内田さん、初めてのお客さんにも優しいんですよ。

 

小林 やっぱり、そこには「愛」があるんですね。そうじゃなければ、あれだけおいしいもつを、あの値段で出すわけがないですから。

 

内田 あと、立石にはコロッケ、餃子、漬物、寿司など、おいしくて安い持ち帰りフードの店がたくさんあるから。はしご酒もいいけど、ぜひお土産にどうぞ。

 

小林 わかりました! 内田専務、今日はとてもいい経験ができました。本当にありがとうございました!

↑お会計の際は、「お会計」と声をかけて、席で待っていればOK。お皿の数をカウントして会計するので、お皿は重ねておくのがベター。焼酎を飲んだ杯数は自己申告します。退店の際は、カバンを前に抱えるのを忘れずに

 

「共同体を一緒に回している」という意識でいると、気持ちよく楽しめる

小林 ごちそうさまでしたー!(のれんを出ながら)いやーおいしかった。宇ち中さん、最高でしたね!

 

宇ち中 やっぱり、ここで飲む焼酎が一番おいしいですね(しみじみ)。昔ながらの雰囲気もいいですし、背筋を伸ばして焼酎をいただくのがたまりません。また、焼酎が身体にスーッと入ってくると、仕事の疲れが抜けていくような気がして。

 

小林 いいですね~。焼酎とこの独特な雰囲気で、疲れがリセットされるわけですね。しかし、思えば不思議な空間でした。大衆酒場の特徴といえば「気を遣わないこと」だと思うんですが、「宇ち多゛」さんは、逆に緊張感があるという。

 

宇ち中 お店と客が対等な関係で、持ちつ持たれつというか、一体感がある。自分も「宇ち多゛」という共同体を一緒になって回している、という意識でいたほうが、気持ちよく楽しめると思うんですよ。客は「もてなしてもらって当たり前」ではなく、「この値段でこの味をいただける」という感謝が大事。僕は感謝しかないですね。

 

小林 おっしゃる通りです。驚くほどおいしいのに驚くほど安くて、これほど独特の空気を持つお店はないですよね。私もまたぜひ行きたいと思いますし、周りにも胸を張って「宇ち多゛」さんをオススメしようと思います! 宇ち中さん、本日はありがとうございました!

↑のれんをくぐり、緊張から解き放たれた瞬間もまた格別!

 

<取材協力>

宇ち多゛

住所:東京都葛飾区 立石仲見世商店街内

営業時間:月~金 14:00ごろ~19:30ごろ(L.O)ただし売切れ次第終了、土 10:30ごろ~13:30ごろ(L.O)ただし売切れ次第終了

定休日:日曜、祝日

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・宝焼酎

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

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↑監修はもちろん内田専務です!

 

パッケージはベースカラーに「宇ち多゛」の暖簾をイメージした黒エンジを用い、裏面で店舗をイメージしたイラストと同店の説明を掲載することで、その世界観を表現しています。「宇ち多゛」を訪れた人もそうでない人も、本品で同店の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

タカラ「焼酎ハイボール」<立石 宇ち多゛のうめ割り風>の紹介はこちら▼

https://www.takarashuzo.co.jp/news/2020/TS20-041.htm

 

撮影/我妻慶一

 

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在宅ワーク後に「プチ贅沢な晩酌」はどう? 4つの「お取り寄せグルメ」×タカラ「焼酎ハイボール」が誘う至福の時間

コロナ禍で、在宅勤務が続いている方も多いことでしょう。部屋のなかで一人、黙々と働いているとストレスもたまりますよね。そんなとき、「このあと、晩酌で絶品のおつまみが待っている」と思えば、仕事も頑張れると思いませんか? もちろん、ご近所でおつまみを買うものいいですが、それだと気分が変わらない……。ならば、たまにはお取り寄せで「地方の味覚」を楽しんでみるのもひとつの手。気軽に旅行気分を味わいながら、絶品グルメに舌鼓を打てば、在宅ワークの閉塞感も吹き飛ぶはず。地方の生産者を応援する意味でも、大いにオススメのやり方です。

 

「お取り寄せグルメ」と糖質ゼロの「焼酎ハイボール」でプチ贅沢な晩酌を!

では、お取り寄せグルメに合わせるお酒は何がいいでしょう? もちろん、おいしくて料理を引き立ててくれるお酒がいいですよね。そうそう、「コロナ太り」は避けたいから、健康面も気を付けたいところ。となれば、オススメは糖質、プリン体、甘味料がゼロのタカラ「焼酎ハイボール」。様々なフレーバーが発売されていて、それぞれマッチする料理を探す楽しみがありますよ。というわけで今回は、全国からお取り寄せできる個性豊かな4種類のおつまみと、タカラ「焼酎ハイボール」の至福のマッチングをご提案。ぜひ参考にして頂き、自宅でプチ贅沢な晩酌を楽しんでみてください!

↑全国のお取り寄せグルメに「焼酎ハイボール」の4つのフレーバーをペアリング。左から<レモン><ドライ><シークヮーサー><強烈塩レモンサイダー割り>

 

その1

格之進「缶詰ハンバーグ」×タカラ「焼酎ハイボール」<レモン>

肉の旨みが濃厚ながら後味スッキリ。食べ進む手が止まらない!

トップバッターは、個性的なハンバーグの逸品をチョイスしました。それが、格之進の「缶詰ハンバーグ」です。こちらは、ジューシーに焼き上げたハンバーグを、オイルと一緒に缶の中に閉じこめたもの。

↑格之進の「缶詰ハンバーグ(ハンバーグオイル漬)」。公式オンラインストアでは3缶セット2592円で販売されています ※価格は税込。価格等の情報は取材時のものです。以下同

 

「格之進」は、肉好きなら知らない人はいない有名ブランド。熟成肉の生産・加工・販売を行っており、岩手県の一関で自社牧場や総本店を経営するほか、都内にも複数の肉レストランを展開しています。肉好きの祭典「肉フェス」では4回連続で総合優勝する栄誉に輝き、殿堂入りを果たしたのは有名な話。さらには「熟成肉」や「塊焼き」のムーブメントを巻き起こし、ステーキとシーフードを同じ皿で提供する「サーフアンドターフ」で話題を集めたほか、コロナ禍では「オンライン肉会」を積極的に開催。その取り組みや独創性の面でも業界をけん引する存在となっています。

 

さて、そんな格之進の伝説的ウマさと独創性を堪能できる「缶詰ハンバーグ」は、甘味豊かな岩手産の豚肉と味の濃い国産牛肉を使い、玉ねぎやパン粉などをつなぎにしたふっくら仕上げたタイプ。隠し味には岩手産の塩麹を使うことによって、うまみを倍増させています。食べてみると、肉の味がとにかく濃厚でリッチな旨みが口いっぱいに広がる! 香ばしく余韻も豊かで、ふわっふわでとろけるような食感が印象的です。

↑肉がみっしりと詰まったハンバーグの厚みは約3cm。オイル漬けながら脂っこさはなく、濃厚な旨みとふわふわな食感が堪能できます

 

「缶詰ハンバーグ」に合わせたのは、タカラ「焼酎ハイボール」<レモン>です。本品は、加熱した肉との相性がバツグン。焼酎の豊かなコクがハンバーグの濃厚な味をしっかり受け止めるとともに、肉の香ばしさや脂の余韻には、レモンの優しい酸味が絶妙にマッチ。辛口のキレと強炭酸の刺激が爽快な後味を演出し、気づけばもうひと口、もうひと口、と無我夢中で食べ進んでしまいます。

↑オイル漬けのハンバーグは、旨みも一緒に缶の中に閉じこめられており、ソースがなくても絶品! タカラ「焼酎ハイボール」<レモン>との相性はバツグンです

 

「缶詰めハンバーグ」は、常温で保存できて冷蔵庫のスペースを使わないのもいいところ。缶を開けるだけで、いつもの晩酌が一瞬でリッチに変わります。携帯にも便利なので、アウトドアでも、出張先のホテルでも、タカラ「焼酎ハイボール」<レモン>とともに最高の晩酌が楽しめますね。

 

その2

「鮮馬刺し ユッケ」×タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>

焼酎のコクが馬肉の風味を受け止めて引き立てる!

続いてチョイスしたのが、馬肉の生肉を使った「鮮馬刺し ユッケ」。焼肉店などで味わう牛の生肉は希少な存在になって久しいですが、馬肉の場合はお取り寄せでも気軽に楽しめます。

↑「鮮馬刺し ユッケ 50g」。公式オンラインストアでは1パック700円から販売されています

 

馬肉のなかでも断然オススメなのが、国内有数の名産地・熊本が誇る名門・千興(せんこう)ファームの商品。同社が他を圧倒する理由は、日本で唯一の馬肉専用のと畜場と、一貫生産の生食専用工場をもっていること。さらに、そのおいしさと安全性が評価され、生食用食肉では世界で初めて国際規格「SQF」(Safe Quality Food=安全で高品質な食品を意味する)を取得しています。

 

そんな同社のユッケを味わってみると、馬肉の力強い旨みに、九州醤油を思わせる甘味とコク深い濃厚なタレがマッチ。タレにはほんのりとした辛さもあり、これが好アクセントになって、肉の味わいを引き立てます。さらに、卵の黄身をつぶして混ぜ合わせると、まろやかさとねっとりとした舌触りがさらにアップ!

↑卵黄をからめれば、馬肉ユッケのねっとりした食感が際立ちます

 

これだけインパクトある味わいながら、赤身の馬肉だけあって、タレを含めても88kcalと非常にヘルシー。そして、そのメリットを損なわず、味わいを高める飲み物が、糖質、プリン体、甘味料がゼロのタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>です。

↑「鮮馬刺し ユッケ」と タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>との相性はバツグンです

 

甘さや香りを抑えた「焼酎ハイボール」<ドライ>は、馬肉ユッケの風味を邪魔せず、ベースとなる焼酎のコクが生肉の個性を受け止めて、奥行きのある旨みへと変えてくれます。また、シャープな酸味がほど良いエッジを与え、馬肉の味わいを鮮やかに際立たせる効果もあり。贅沢かつカロリー控えめの晩酌を楽しむなら、このペアで間違いありません。

 

ちなみに、千興ファームは、2016年の熊本地震で工場や設備が大ダメージを負い、一時は休業に追い込まれながらも復活した生産者。困難を乗り越え、良質な馬肉を提供し続けるその姿には頭が下がる思いです。おいしい馬肉で晩酌ができることに感謝しつつ、我々も負けずにガンバロウ! と、明日へのパワーをチャージしたいところですね。

 

その3

「北海道産の羊肉串(サフォーク種)」×タカラ「焼酎ハイボール」<強烈塩レモンサイダー割り>

肉の旨みとスパイスの刺激、炭酸の刺激が共鳴する!

3品目のお取り寄せグルメは、羊でいかがでしょう。羊の肉は、脂肪の燃焼を助けるとされている「L-カルニチン」という成分が豊富に含まれていて、ヘルシー食材として注目されているんです。今回は、北海道の東洋肉店の「北海道産の羊肉串(サフォーク種)」をセレクトしました。「羊肉串」は中国でポピュラーな屋台料理で、「ヤンロウチュアン」と読みます。

↑「北海道産の羊肉串(サフォーク種)」。東洋肉店の公式オンラインストアでは、35g×5本入りを2200円で販売しています

 

東洋肉店の代表を務める東澤壮晃さんは、オージー・ラムの伝道師集団「ラムバサダー」の一員。イベントなどを通して全国を回り、羊肉の啓蒙活動をしています。今回の羊肉串は、希少な国産羊のなかでも、さらに貴重な北海道産のサフォーク種の肉を使い、東澤さんが丁寧に処理して急速冷凍したもの。この羊肉串には、「羊肉料理の聖地」とも呼ばれる東京・神田の名店「味坊」が特別に作ったスパイス「羊肉の香辛料」(東洋肉店にて別途1050円)をかけて頂きます。

↑肉質が良く、高級品として知られるサフォーク種の肉を使用。今回は「羊肉の香辛料」をトッピング

 

そんなこだわりが詰まった羊肉串には、羊肉の個性に負けない「焼酎ハイボール」<強烈塩レモンサイダー割り>をペアリング。

↑香ばしく焼いた「北海道産の羊肉串」に、タカラ「焼酎ハイボール」<強烈塩レモンサイダー割り>を合わせます!

 

羊肉串は、ほどよく引き締まったジューシーな肉質。噛めば噛むほどに羊肉の旨みが口の中に広がります。さらに、クミンを軸とした「羊肉の香辛料」のオリエンタルなフレーバーが鼻腔をくすぐり、食欲が倍増! ここに「焼酎ハイボール」<強烈塩レモンサイダー割り>を流し込むと、焼酎のコクが肉の旨みを引き立たせ、スパイスの刺激と強烈な炭酸の刺激が共鳴しあって、思わず「クゥーっ!」と声が出てしまいます。さらに、塩レモンサイダーのみずみずしい香味と酸味が、後味をキュッと引き締めてくれました。なるほど、これは文句のない組み合わせです! 気軽に旅行に行けないご時世だからこそ、羊肉串を売る中国の屋台のにぎわいと、北海道の大地でのびのび育つ羊たちに思いを馳せて、晩酌を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

その4

「氷見寒ぶりハム」×タカラ「焼酎ハイボール」<シークヮーサー>

シークヮーサーの香味が、ぶりの濃厚な脂をやさしく中和

肉が続いたところで、最後は魚の逸品をご紹介。日本海屈指の漁港である富山・氷見で150年以上続く魚問屋・つりやが手掛けた「氷見寒ぶりハム」です。

↑「氷見寒ぶりハム」。公式オンラインストアでは、10切1620円で販売されています

 

氷見が誇る冬の味覚といえば寒ぶり。その魅力は、たっぷりと蓄えられた濃厚な脂です。その季節限定の旬の味覚を、冷凍によって年中味わえるようにしたのがこの商品。寒ぶりに塩をして数日漬けたあとにじっくり寝かせ、オリジナルブレンドのチップでゆっくりスモーク。再度寝かせてようやく完成するという、手間ひまのかかった逸品です。食べてみると、まさに酒を呼ぶ味わいなのがわかるはず。脂のパワフルな甘味、スモーキーなフレーバーに絶妙な塩気、ほどよく水分が抜けて凝縮された旨み……。

↑燻されているので、ほどよく水分が抜け、どことなくスモークサーモンに似た香りが楽しめます

 

そんな「氷見寒ぶりハム」にぜひ合わせたいのが、独特の和柑橘フレーバーが魅力のタカラ「焼酎ハイボール」<シークヮーサー>です。

↑「氷見寒ぶりハム」は、ディルというハーブで彩りを添え、タカラ「焼酎ハイボール」<シークヮーサー>とペアリング

 

しっとりした「氷見寒ぶりハム」が、口の中でやわらかくほぐれていく、その瞬間に「焼酎ハイボール」<シークヮーサー>を流し込むと、それはもう幸せそのもの。焼酎が持つ甘味と青魚特有のコクが調和し、シークヮーサーの清々しい香味と強炭酸が、ぶりの濃厚な脂の余韻をやさしく中和してくれるのです。そのウマさに思わず目を閉じて没入すると、かつて筆者がコロナ前の富山ツアーで寒ぶりを食べた、その感動がありありと蘇ってきました。あの時、あの場所の味が、自宅の晩酌で楽しめるのは本当に貴重だと感じます。

 

在宅ワーク後のご褒美に、糖質を抑えつつ最高のペアリングを楽しんで!

タカラ「焼酎ハイボール」は、果実味を抑えた辛口で、焼酎のコクがしっかり感じられるので、料理を邪魔せず、旨みを受け止めてくれて飲み疲れもなし。本編を見ての通り、幅広い料理にマッチすることもおわかり頂けたはず。同時に、糖質、プリン体、甘味料がゼロなのも大きな魅力。プチ贅沢なグルメには健康面で少々の罪悪感がつきものですが、お酒で気を使うぶんおつまみは楽しんじゃいましょう(笑)。

 

糖質を控えつつおいしく楽しめて、様々な心象風景を呼び起こす「お取り寄せグルメ」×「焼酎ハイボール」のペアリング。在宅ワーク後の自分へのご褒美に、ぜひお試しあれ!

撮影/我妻慶一 スタイリング/高橋千帆

 

「初年度大コケ」から看板商品へ! 「熱烈な社員ファン」が導いたタカラ「焼酎ハイボール」の大逆転

在宅勤務のあとのお楽しみといえば、晩酌タイム。でも、「コロナ太り」が気になるので、お酒は「糖質ゼロ」にこだわりたいですよね。そんな「糖質ゼロ」のお酒で絶大な人気を誇るのは、2021年で誕生15周年を迎えるタカラ「焼酎ハイボール」。缶チューハイのなかでも売上はトップクラスで、2017年には1000万ケースを突破し、2019年は1300万ケースを突破するなど、販売数は右肩上がりとなっています。そのキラキラ輝く印象的なパッケージを、コンビニやスーパーで目にした方も多いのではないでしょうか。

↑凹凸加工を施し、キラキラ輝く缶が印象的なタカラ「焼酎ハイボール」

 

当初は売れなかった商品が、大ヒット商品に育った経緯とは?

ところがこのタカラ「焼酎ハイボール」、開発当時は「こんなニッチなものが売れるのか?」「こんな味で売れるのか?」と社内でも不安視する声が多かったそう。そんな声を押し切って発売されたのが2006年のこと。「でも、ダメだったんですよ、初年度は。売れなかったんです」と、デビュー当時から同商品のマーケティングなどに携わっていた、塩野憲司さんは語ります。デビューでつまずいた商品は、そのまま忘れ去られて販売終了……ということも多いはず。それがなぜ、同社を代表するヒット商品に育ったのでしょうか? 塩野さんのインタビューを通して、波乱万丈のサクセスストーリーを追っていきましょう!

↑塩野憲司さん。現在は宝酒造の商品第一部の副部長、兼ソフトアルコール課長を務め、缶チューハイや焼酎を担当しています

 

東京の大衆酒場でチューハイが「一杯目」だった事実に衝撃を受ける

タカラ「焼酎ハイボール」の開発が動き出す契機は、約20年前のこと。のちのキーパーソンとなる人物が、塩野さんの上司として宝酒造の拠点の京都に転勤してきたのが始まりでした。

 

「その上司は東京出身で、チューハイのルーツを探るべく、東京下町の大衆酒場巡りをライフワークとしていました。その情熱は筋金入りで、オリジナルのノートに400軒以上の大衆酒場の情報を書き込んでいたほど。この上司のライフワークに部下のメンバーも興味を持ち、東京出張の際、大衆酒場の名店を巡るようになりました」(塩野さん)

 

メンバーが訪れた東京の大衆酒場では、想像以上に興味深い光景が広がっていたそう。特に驚いたのは、ビールサーバーが置かれたお店がほとんどなかったことでした。

 

「お客さんが、誰もビールを飲まないんです。じゃあ皆さんが何を飲むかというと、焼酎ベースのハイボールだったわけです。しかも、『とりあえずビール』ではなく、一杯目から焼酎ハイボールを飲んでいた。いまでこそ珍しくはないですが、当時は衝撃的でした」(塩野さん)

 

テスト的にビン入りの商品の開発をスタート

やがて、「この焼酎ハイボールを商品化しよう」との意見が出るのは自然の流れでした。しかし、社内には、「東京の一部だけで飲まれているニッチなものが、全国的に受け入れられるはずはない」という声も多かったそう。ただ、塩野さんをはじめ、チューハイがビールに取って代わる光景を目の当たりにした部下たちが粘りを見せ、なんとかテスト的にビン入りタイプの焼酎ハイボールを開発したといいます。

 

「そのとき、あるコンビニさんが面白がってくれて、2003年にコンビニで商品の販売が始まりました。王冠仕様の商品であったため、栓抜きがない家庭もあるだろう、ということで1本に1個、栓抜き付きで販売。栓抜きが面白がられたこともあり(笑)、この味わいに一定の手応えを感じることができました」(塩野さん)

↑ビン入りタイプの焼酎ハイボール「宝チューハイ壜詰」。フレーバーは<レモン><クラシック><グレープフルーツ>の3つ

 

缶飲料の味作りでは「謎のエキス」の再現に苦労した

この事例をきっかけに、全国向けの商品として本格的に開発されたのが、現在に続く缶入りのタカラ「焼酎ハイボール」。従来のビン入りの味わいを参考にしながらも、開発の際は、その味作りに苦労したといいます。

 

「そもそも焼酎ハイボールの缶飲料に前例がないですから。フレーバーごとに、大衆酒場の名店の味をインスパイアして作りました。特に大変だったのは『ドライ』。これは、焼酎と炭酸水に加える通称『謎のエキス』と呼ばれる液体がカギなのですが、『謎』というだけあって門外不出かつレシピは不明。お店によっても味はバラバラです。開発メンバーは数多くの店舗をはしごして味の方向性を話し合い、『謎のエキス』を再現すべく、試行錯誤を繰り返しました。ほかのフレーバーも同様です。たとえばレモンは、いわゆるレモンサワーと違い、レモンの風味はうっすら付いているのが特徴。その絶妙なさじ加減が難しかったですね。ただ、最後にたどり着いた味は、やはり『宝焼酎』を使用して焼酎ハイボールを作っているお店の味でした。どのフレーバーも開発には苦労しています」(塩野さん)

↑2006年の発売当時から続く4種類のフレーバー。左からグレープフルーツ、レモン、ドライ、シークヮーサー(缶のデザインは現行のもの)

 

テレビCMを打って大々的に発売されるも、鳴かず飛ばずの結果に

こうして2006年の3月、数々の困難を経て世に出たタカラ「焼酎ハイボール」。同年のメイン商品として売り出され、テレビCMを打ったにもかかわらず、初年度の売上は「鳴かず飛ばず」という状況でした。その理由について塩野さんは、「お酒自体が苦手な人も含め、幅広いチューハイユーザーに向けて広くコミュニケーションしてしまったから」と分析します。

 

「弊社は焼酎の蒸留機の性能も、その操作技術も世界トップクラスと誇れるレベル。弊社の焼酎には、極限までピュアに仕上げたものはもちろん、原料や蒸留方法を変え、さらに樽貯蔵で寝かせて様々にコクを与えたものもあるのが特徴。こうして作った約85種類の樽貯蔵熟成酒を、商品ごとに最適なバランスにチューニングするのが弊社のこだわりです。ここに『焼酎屋』としての誇りがあるわけですが、お酒が好きな方にこそ、その味の違いをわかっていただけるんです」(塩野さん)

↑宝酒造の焼酎を製造する黒壁蔵(宮崎県高鍋町)には、たくさんの樽貯蔵熟成酒が樽で熟成されています

 

味に惚れこんだ社員たちの地道な活動で、少しずつ売れ始める

こうしてタカラ「焼酎ハイボール」は低空飛行のまま1年が経ち、翌年のメイン商品が発売される時期がやってきました。しかし、タカラ「焼酎ハイボール」の販売が打ち切られることはなく、逆に少しずつ売れるようになってきたといいます。

「実は、社内にはタカラ『焼酎ハイボール』の熱烈なファンが多かった。この味に惚れこんだ社員たちが、『汗水たらして、自分たちが足で売ろう!』と独自に動き始めたんです。やがて、この味になじみがある下町を中心に、ポコポコと売れる店が出てきました。さらに、好きな奴らが集まって、『焼酎ハイボール倶楽部』というものを作り、全国から成功事例を共有して営業に活用したところ、異常に売れる店が出てきました。こうして芽が出てきたころ、『もう1回、メイン商品として売り出そう!』となったんです。この事実は、自分たちが『焼酎屋』であることを再確認し、『焼酎の魅力を伝える』という原点に立ち返る意味でも、大きな出来事だったと思います」(塩野さん)

↑「焼酎ハイボール倶楽部」第1回開催時の資料の表紙(当時の塩野さんが作成)

 

タカラ「焼酎ハイボール」は、ヘビーユーザーに愛される味

こうしてタカラ「焼酎ハイボール」は2009年、「大衆酒場で愛される、あのうまさ」をキャッチフレーズに訴求して本格的にブレイク。2010年には300万ケースに迫る人気ブランドとなったのです。

 

「やっぱり、社員が好きな商品だと売れる、という実感があるんですよね。社員は自分が酒飲みだから、その気持ちがわかりますから。なかでもタカラ『焼酎ハイボール』は飲み慣れてくると、ほかでは物足りなくなるんです。実際、タカラ『焼酎ハイボール』は、ヘビーユーザーが支えている商品で、飲用経験率は実はそんなに高くはありません。通常のフルーティなチューハイは100人が1本ずつ買うイメージですが、タカラ『焼酎ハイボール』は大好きな10人が10本ごっそり買っていくイメージ。こうしたヘビーユーザーにご愛顧を頂いているのも、焼酎の味わい自体に力があるからでしょうね」(塩野さん)

 

なお、過去の年のメイン商品として売り出されたものが、再び別の年のメイン商品に返り咲く例は、当時は極めて珍しかったとのこと。現在の大ブレイクは、社員たちの「焼酎ハイボール愛」が呼び起こした奇跡だったのです。

↑「レモン」や「ドライ」などの定番以外にも、多数のフレーバーを用意しています。「『ゆず』や『強烈塩レモンサイダー割り』など、他のチューハイにはあまりないフレーバーから飲んで頂くのもオススメ」と塩野さん

 

もともと持っていた商品価値「糖質ゼロ・プリン体ゼロ・甘味料ゼロ」が追い風に

近年のヒットの背景には、味が受け入れられ始めたことに加え、健康面などで新たなイメージが加わった点もあるといいます。なお、健康面でのメリットは狙ったわけではなく、もともとタカラ「焼酎ハイボール」が持っていた商品価値のひとつとのこと。

 

「焼酎は蒸留酒ですから、ビールなどと違って糖質やプリン体がゼロ。しかも弊社の焼酎は、樽で寝かせてコクを出していますから、甘味料を使わなくても十分なボディ感を表現できます。というわけで、もともとタカラ『焼酎ハイボール』は糖質を抑えたお酒だったのですが、近年はよりわかりやすく『プリン体ゼロ』『糖質ゼロ』『甘味料ゼロ』と表記することにしました。もうひとつ、発売当時はウォッカがベースのチューハイならいいが、焼酎はダメ、という風潮がありましたが、今は逆。ここ3~4年ほどの間に『国産の焼酎が安心だよね』という空気が生まれてきて、その点も追い風になっていると思います」(塩野さん)

↑基本的なデザインは変わっていないものの、「糖質ゼロ」などの「ゼロ表記」が大きく打ち出されるパッケージになっています

 

家飲みの時間が増えたいま、大衆酒場の味をゆっくり楽しんでみては?

新型コロナウイルスによる生活の変化に対応する意味でも、タカラ「焼酎ハイボール」を手に取ってほしいと塩野さんは語ります。

 

「コロナ禍でリモートワークが増え、家にいる時間も長くなっています。運動不足による『コロナ太り』に対処するためにも、ぜひ糖質ゼロのタカラ『焼酎ハイボール』をご活用いただきたいですね。また、かつては時間のない方がストロング系のお酒で素早く酔って寝る、という生活パターンもあったと思いますが、家飲みの時間が増えたいま、ストロング系では強すぎるのかもしれません。そこで、アルコール分7%のタカラ『焼酎ハイボール』で、もう少しゆっくり家飲みを楽しんではいかがでしょう? もちろん、コロナが落ち着いたらお店でも飲みたいところですが、それまではこれを飲んで大衆酒場の雰囲気を味わってほしい、という思いもありますね」(塩野さん)

 

東京下町の大衆酒場の味を伝えるべく始まったタカラ「焼酎ハイボール」。その味に惚れこんだ社員と顧客に支えられて、今があります。そのストーリーに思いを馳せて、あなたも今宵はタカラ「焼酎ハイボール」で乾杯してみませんか? 特に、まだ試していない方はぜひ。まったくハマらないか、とんでもなくハマるかは、あなた次第です!

撮影/我妻慶一