雨の中でも良音再生するポータブルスピーカー! プロ厳選「感動のサウンド」を奏でる最新機器

スマホのスピーカーでは物足りないが、コンポまではちょっと……という人にオススメなのが、ポータブルスピーカー。スマホとワイヤレスでつなぐだけで、やっかいな設定もなく手軽に良音が楽しめる。多くが小型・軽量で持ち運びできるので、自宅だけでなく外出先でも使えて便利だ。

 

感動のサウンドを奏でる、ワンランク上の最新ポータブルスピーカーを、テクニカルライターの湯浅顕人さんが紹介する。

 

Beats「Beats Pill」は内部がアップグレードされ、サウンドがパワフルに進化

Beats
Beats Pill
実売価格2万4800円

 

大型化した独自のレーストラックウーファー、再設計されたツイーターなど内部がアップグレードされ、部屋中を満たすパワフルなサウンドを創出。USB-Cケーブルでつなげば、優れた音質のロスレスオーディオを楽しめる。

 

サイズアップした独自のレーストラックウーファーを搭載。動かせる空気が90%増加し、より深みのある低音を実現した。

 

ロスレスオーディオの再生に対応。USB-CケーブルでPCやスマホ、DAPなどとつなげば、ロスレスオーディオの高解像度なサウンドを楽しめる。

IP67等級の防塵・ 耐水性能を持ち、プールやビーチ、雨の中でも安心。最大24時間持続するバッテリーを備え、日帰りキャンプなら余裕で稼働する。

 

湯浅’sCheck!
PCとつないで高音質なロスレスサウンドを堪能

「固定されたツイーターによる、中高音域の美しさが魅力。PCにUSB接続すると、ロスレス音質で出力できる外部スピーカーとして使え、ゲームや動画鑑賞を遅延を気にせず楽しめます」

 

ソニー「ULT FIELD 1」はコンパクトなボディながら、パワフルでクリアなサウンド

ソニー
ULT FIELD 1

実売価格1万7860円

 

アリーナの最前列にいるような臨場感を体感できる一台。ウーファーとツイーターを搭載し、コンパクトボディながらパワフルな低域とクリアな高域を再生する。縦置き、横置きどちらでも使用可能なので、置き場所を問わず楽しめる。

 

IP67等級の防水・防塵性能を備え、バスルームでもリスニングを楽しめる。サビにも強く、ビーチなどのアウトドアでも活躍。

 

ULTボタンを装備。ULT POWER SOUNDをオンにすると、ダイナミックな低音を創出する。ウーファーとツイーター搭載により幅広い音域をカバー。

 

湯浅’sCheck!
音楽を手軽かつ良音で楽しみたい人に!

「重低音の大迫力と、高域の美しさを兼ね備え、正面から向かい合って高音質で楽しみたい人向けです。防水・防塵だけでなく防錆性能も備え、風呂や海岸で高音質を楽しみたい人にも◎」

 

ビクター「ポータブルワイヤレススピーカー」は小型ながら上質なサウンドと豊かな音楽空間を楽しめる

ビクター
ポータブルワイヤレススピーカー SP-WS02BT
実売価格1万9800円

 

デスクトップサイズの小型ボディながらウーファーとツイーター、大型のパッシブラジエーターを搭載。クリアな中高域と重厚な低音のステレオ再生を満喫できる。エンクロージャーに天然木を採用し、インテリアにもなじむ。

 

ボディに天然木を採用。天然素材ならではの温もりのある質感が楽しめる。天面にはビクターを象徴する「ニッパー(犬のマーク)」のプリントも。

 

中央にウーファー、左右にシルクドームツィーター、リアに大型パッシブラジエーターを搭載。クリアな中高域と重厚な低音のステレオ再生が実現する。

 

湯浅’sCheck!
もう1台増設すれば、より広大なステレオ再生

「美しいウッドデザインは、場所を選ばず雰囲気を盛り上げてくれます。左右にツイーターを搭載し、1台でステレオ再生でき、2台つなげてさらに広がりのあるステレオシステムも構築可能」

 

アンカー「Soundcore Motion X500」は空間オーディオを搭載し、豊かな立体音響を再現

アンカー・ジャパン
Soundcore Motion X500
実売価格1万9990円

 

空間オーディオ搭載のHi-Fiモデル。独自の空間オーディオアルゴリズムと3つのドライバーにより、部屋全体を包み込むような立体音響を実現する。LDACコーデックに対応し、ワイヤレスでも原音に近いクリアな音楽を再現。

 

ボタンひと押しで、①空間オーディオ+低音強化、②空間オーディオ強化、③標準の3つのモードの切り替えが可能。シーンに合わせて使える。

 

15Wのフルレンジドライバーを正面に2基、10Wのフルレンジドライバー1基を上部に搭載。最大40Wの迫力サウンドを実現する。

 

湯浅’sCheck!
部屋全体に広がる音を存分に楽しめる

「360度に音が放出される空間オーディオで、部屋の中央に置いて全体に音の広がりを楽しめる。大出力なので、広めの部屋でも隅々まで音が行き渡り、食事や家事をしながら聴けます」

 

「Sonos Roam 2」はWi-Fi接続にも対応し、スマートスピーカーとしても活躍

Sonos
Sonos Roam 2
実売価格2万5800円

 

430gの軽量ボディながら、大型スピーカーに迫るクリアで深みのあるきめ細やかなサウンドを実現。1回の充電で最長10時間連続再生、IP67の防水・防塵設計で、アウトドアでも活躍する。Wi-Fi/Bluetooth接続に対応。

 

ツイーターとミッドウーファーを1基ずつ搭載。スピーカーの音響構造に合わせてチューニングされた2基のデジタルアンプも内蔵する。

 

「Sonosアプリ」を用意。ダウンロードしてWi-Fiに接続すると、ストリーミングサービスへアクセスしたり、流行の曲を検索したりできる。

 

湯浅’sCheck!
置き場所や環境を選ばず、どこでも良音を堪能できる

「省スペースな縦置きでも、安定した横置きでも、自動的に最適な音響に調整。水だけでなく砂や泥、暑さにも強い設計とあいまって、不安定な地形の岩場などでも高音質を楽しめます」

 

私が選びました!
テクニカルライター:湯浅顕人さん

AV機器やPC、ガジェットなど幅広くカバーするライター。週末にはキャンプをエンジョイするアウトドア派でもある。

 

※「GetNavi」2024月12号に掲載された記事を再編集したものです

 

Appleのスマートスピーカーって買っていいの?Sonosは?最新スマスピのトレンド

春は新しい生活が始まる季節です。そして今年は年初から注目のスマートスピーカーが次々に発売を迎えています。つまり、音楽などエンターテインメントを楽しむ環境を整えるならばいまが狙い目。

 

今回は「音質」にもこだわり抜いた、Appleの「HomePod」とアメリカの人気スピーカーブランドであるSonos(ソノス)の新製品「Era 300」の特徴を比較しながら、最新スマートスピーカーのトレンドを紹介したいと思います。

 

「音質」にこだわるプレミアム級スマートスピーカーがいまおもしろい

↑Sonos「Era 300」(左側)とApple「HomePod」(右側)。2つの最新プレミアムモデルのスマートスピーカーをレビューします

 

スマートスピーカーといえば、SiriやAlexaなどAIアシスタントを声で呼び出して、スマート家電を遠隔操作できるガジェットとしての印象を強く持っている方も少なくないと思います。

 

最新のスマートスピーカーはその機能をもちろん搭載しながら、いっそうオーディオ製品としての「音質」にこだわっています。今回注目するAppleのHomePodとSonosのEra 300は、代表的なプレミアムクラスの高音質スマートスピーカーで、そろって特徴的な機能をそなえています。

 

トレンドその1 今後増えそうな空間オーディオにいち早く対応

ひとつは、両製品ともに360度全方位から心地よいサウンドに包まれるようなリスニング体験を実現する「空間オーディオ」に対応していること。空間オーディオによる立体音楽体験はヘッドホン・イヤホンによるポータブルリスニング、サウンドバーによるホームシアターにも急速に広がりました。

 

これからは空間オーディオに対応するスマートスピーカーも続々と増えそうです。トレンドを先取りできることからもHomePodとEra 300は要注目です。

↑ストリーミングサービス内の空間オーディオ対応楽曲を再生すると、立体的な音楽リスニングが楽しめます

 

トレンドその2 空間に合わせてサウンドを自動で最適化

HomePodとEra 300は、スピーカーを置いた空間の音響に合わせてサウンドを自動で最適化する機能も搭載しています。初期設定の手間をかけることなく「自動で最高の音質」に調整できるスマートスピーカーも主流になりそうです。ただし、HomePodとEra 300の自動最適化機能は少し使い勝手が違います。後ほど実機による使用感をレポートします。

 

トレンドその3 スマートホームの最新規格「Matter」に注目

AppleのHomePodは「Matter(マター)」というスマートホームの新しい規格に対応しました。従来HomePodシリーズで遠隔操作ができるのはApple独自規格のHomeKitに対応するスマートホーム機器だけでした。今後はGoogleやAmazonもサポートするMatter対応の生活家電や照明器具、ホームセキュリティ機器も広く遠隔操作ができるようになることも覚えておきましょう。

 

なお、SonosのEra 300はAmazon Alexaによるスマートホーム機器のコントロールに対応しています。

 

HomePodとEra 300の共通点その1 ホームシアター環境にも発展

HomePodとEra 300の特徴を個別に掘り下げる前に、さらにふたつの製品に共通する点をチェックしておきましょう。

 

空間オーディオのほか、サウンドの自動最適化機能と音声によるスマートホーム機器の操作に対応していることは先に触れました。

 

音楽再生については2台同じスピーカーをそろえると、ステレオ再生が楽しめます。またHomePodはApple TV 4Kにペアリングして映画に音楽、ゲームなどコンテンツのサウンド再生を受け持つことができます。大画面テレビに内蔵されているスリムなスピーカーのサウンドを補強する手段としてとても効果的、かつ経済的です。

 

Era 300は同じスピーカーを2台ペアリングしたうえで、Sonosのサウンドバー「Arc」、または第2世代の「Beam」を介してドルビーアトモスに対応する映画を楽しむ本格ホームシアターに拡張ができます。

↑2台のEra 300に、Sonosのサウンドバーを追加すると本格的なサラウンド再生システムに発展できます

 

HomePodは4万4800円(税込)、Era 300は6万9800円(税込)と、単体でも価格がプレミアムなスマートスピーカーです。すぐに2台のスピーカーと、ほかに連携する機器をそろえることは予算的に難しいかもしれませんが、将来の発展性が確保されているので「長く楽しめるスマートスピーカー」であると言うことはできるでしょう。

 

なお、HomePodとEra 300はどちらも無料の専用アプリを使ってサウンドのバランスを整えたり、さまざまな機能を設定できたりします。

 

HomePodとEra 300の共通点その2 自宅内で設置する際の自由度の高さ

Wi-Fiでホームネットワークに接続すれば、AppleのAirPlayを使ってiPhoneやiPad、Macなどで再生したコンテンツのサウンドをよりいい音で楽しむことができます。

↑SonosのEra 300もAirPlayによるワイヤレスリスニングに対応しています

 

ふたつのスピーカーは本体にバッテリーを内蔵していません。電源ケーブルによる給電が必要です。よって、屋外での使用には不向きですが、設定を済ませた後はホームネットワークの通信範囲内で電源が確保できる場所であれば、自由に設置できます。都度、サウンドの自動最適化機能を活用すれば、いつでもベストなサウンドが楽しめるわけです。

↑スピーカーの電源はケーブルによる給電が必要。持ち運びは可能なサイズ感なので、電源が確保できれば室内で場所を自由に移動しながら楽しめます

 

カスタマイズの自由度がとても高いEra 300

ふたつのスピーカーの共通点を確認できたので、続いて各製品の特徴を掘り下げてみたいと思います。まずはSonosのEra 300から。

 

Era 300は音楽ファンだけでなく、オーディオを趣味として楽しむ方々のこだわりにも応えられる、カスタマイゼーションの自由度がとても高いスマートスピーカーです。

 

音質などのカスタマイゼーションは専用アプリ「Sonos」から行ないます。このアプリがiOSとAndroidの両方に対応している点もポイントが高いと思います。なぜならHomePodを楽しむためには、最新バージョンのiOS搭載iPhoneまたはiPadOSを搭載するiPadが必要だからです。

↑専用アプリのSonosはAndroid、iOS両方のプラットフォームに対応。見え方はほぼ同じです

 

Sonosアプリでは、ユーザーが利用しているさまざまな音楽配信サービスをひも付けることもできます。たとえばAmazon Music UnlimitedとApple Musicを連携しておけば、Sonosアプリの検索機能からふたつの音楽サービスが配信する楽曲やアーティストの「横串検索」ができます。

 

筆者はよく海外のラジオを聴きながら仕事をしています。その際、Sonosアプリに内蔵されているインターネットラジオの検索・聴取機能「Sonos Radio」がとても重宝します。

↑Sonosアプリには音楽プレーヤー機能のほか、独自のインターネットラジオのポータル機能「Sonos Radio」や、複数音楽サービスの横串検索が搭載されています

 

先に触れたサウンドの自動最適化は「Trueplayチューニング」という機能を使います。こちらの機能もiOSとAndroidの両方に対応しています。iPhoneの場合は「高度なチューニング」を選ぶと、iPhoneのマイクを使って部屋の隅々まで音響環境を測定しながらより正確なチューニングができます。

↑Era 300が搭載する自動最適化機能のTrueplayチューニング。iOSはiPhoneのマイクを使った高度なチューニングが可能

 

もうひとつEra 300が魅力的なポイントは「多彩な音楽ソースの入力に対応している」こと。Bluetooth接続に加え、専用アクセサリーを介してアナログ音声入力ができるスマートスピーカーなのです。

 

Bluetooth接続については、HomePodは対応していません。もしBluetooth対応のポータブル音楽プレーヤーやWindowsパソコンのサウンドを音のいいスピーカーで楽しみたいのであればEra 300を選ぶべきです。

 

専用アクセサリーとしては、SonosがEra 300のために販売する変換アダプター「Sonos Line-In Adapter」があります。外部の再生機器、たとえばアナログレコードプレーヤーも繋げられるので、「ジャケ買い」してしまったアナログ盤を聴く環境を整えてみてはいかがでしょうか。

↑Sonos純正のUSB-Cに対応するアダプターを使ってEra 300とさまざまな音楽ソースプレーヤーをケーブルで接続できます

 

「シンプルにいい音」のコンセプトを極めたHomePod

AppleのHomePodは、手軽にいい音を楽しみたいiPhone/iPadのユーザーにおすすめのスマートスピーカー。毎日の音楽再生やSiriによるスマートホームの音声操作もとにかくシンプルなところが大きな特徴です。

 

基本的には数ステップで完了する初期設定を済ませてしまえば、あとは操作方法などを覚えなくても誰でも簡単に使いこなせます。HomePodは常時自動でサウンドの最適化をしているので、ユーザーがその設定を意識する必要がないのも特徴です。もちろん、iOS/iPadOSの「ホーム」アプリには「低音を減らす」のような、夜間の音楽リスニングに便利な設定メニューなどもそろえています。

↑iOSのホームアプリからHomePodをコントロール。夜間の音楽再生に便利な「低音を減らす」機能もあります

 

音声による楽曲の検索・再生に対応する音楽サービスはApple Musicに限られますが、AirPlayを使えばほかの音楽サービスやYouTubeなど、動画配信サービスの音声をHomePodに飛ばして聴くこともできます。

 

また、HomePodにiPhoneを近づけるだけで、iPhoneで聴いているサウンドを素早くHomePodに引き継げるHandoffという機能もあります。iPhoneと連携する機能の完成度がとにかく高いので、スマートスピーカーの購入を検討しているiPhoneユーザーには、まずHomePodシリーズをおすすめしています。

↑iPhoneで再生中のコンテンツを素早くHomePodに引き継げるHandoffも便利。外出先から帰ってきたときなど、聴いている音楽をスムーズにHomePodで再生できます

 

先にお伝えしたように、スマートホームの新規格であるMatterに対応したこともHomePodの魅力です。先日ソフトバンクグループのSB C&Sが、いち早くMatterに対応するスマートリモコン「SwitchBotハブ2」を発売しました。今後も続くことが予想されるMatter対応スマートホームデバイスの拡大に先回りして、いまHomePodを手に入れる価値は大いにあると思います。

 

クリアな音の広がりのEra 300、一体感に富んだサウンドのHomePod

最後に音の違いを確かめるために、Apple Musicで配信されている空間オーディオ対応の、松任谷由実のベストアルバム「ユーミン万歳!」から『中央フリーウェイ』を選曲して、Era 300とHomePodのサウンドキャラクターを聴き比べてみました。

↑Apple Musicで配信されている空間オーディオ対応の作品で、Era 300とHomePodを聴き比べました

 

Era 300は本体に全6基のスピーカーユニットを内蔵しています。うち1基のドーム型トゥイーターを天面上向きに配置したことで、空間オーディオに対応する楽曲は特に高さ方向に鮮やかな音の広がりをつくり出します。さらに、Sonosアプリから「ハイトオーディオ」を選んで高さ成分の調整もできます。

↑高さ方向の音成分を調整できるハイトオーディオ機能

 

クリアな音の広がり感は、ほかのスマートスピーカーを圧倒するほどにハイレベルです。ボーカルの声の輪郭はディティールの描写力に富んでおり、ボーカリストが歌に込めた感情をリアルに引き出します。また、空間の見晴らしが透明感に富んでいて心地よいです。ベースは力強く瞬発力も豊か。底力を感じさせます。

 

一方のHomePodは、内部下側に5基のビームフォーミングトゥイーターを全方位に向けて配置。加えて1基の大型ウーファーを設けて、スムーズで一体感に富んだサウンドを再現できるスマートスピーカーです。

 

中高音域は明るく開放的。歌声や楽器のメロディラインが煌びやかに感じられます。タイトな低音は重心が低く安定感が抜群。音像の立体感がとても鮮明です。エレクトリックピアノやストリングスの演奏がふわっと包み込むような、空間オーディオ体験も熟成されています。爽快なベースラインの疾走感は、ドライブがテーマのこの楽曲の魅力を存分に引き出します。

 

AppleとSonos、どちらのスピーカーも開発者が明快に意図した音づくりの方向性をしっかりと感じられると思います。価格はプレミアムですが、手に入れたあとは「うちのメインスピーカー」として長く愛着を感じながら活用できる良い買い物になるでしょう。

 

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音質の完成度に注目! Sonos新スマートスピーカー「Era」は大迫力だった

スタイリッシュなデザインと、音楽ファンの好奇心を刺激するサウンドチューニングが脚光を浴びるアメリカのスピーカーブランド、Sonos(ソノス)から最新のスマートスピーカー「Sonos Era 300」と「Sonos Era 100」が発売されます。

↑Sonosの新しいスマートスピーカー「Era 300」(左)、「Era 100」(中央)が3月28日に発売されます

 

今回発売される2機種がSonosの新しい「Era(時代)」シリーズのファミリー製品群です。

 

3月28日から日本を含む世界各地で同時発売。価格は上位の空間オーディオ再生に対応するEra 300が6万9800円(税込)、スタンダードモデルのEra 100が3万9800円(税込)です。どちらのモデルもカラーバリエーションはブラックとホワイトから選べます。

 

Sonosの「新時代」をつくる2つのスマートスピーカーが誕生

Era 300はコンパクトな本体に6基のスピーカーユニットを内蔵。ユニットは左右にウーファーとドーム型トゥイーターを計4基、同じドーム型トゥイーターを正面と天面に向けて1基ずつ搭載しました。さらに、トゥイーターの中高音域に広がりを持たせるため、ユニットの先端にホーン構造のウェーブガイドを設けています。

↑6基のスピーカーユニットを内蔵するEra 300

 

空間オーディオ再生は、Amazon Music Unlimitedが配信するドルビーアトモス対応の3Dオーディオコンテンツで楽しめます。また発売後に、Apple Musicの空間オーディオコンテンツの再生にも、ソフトウェアアップデートで対応を予定。

 

一方のEra 100は、日本で2018年夏に発売された「Sonos One」という、Amazon Alexa対応スマートスピーカーの後継機。「シンプルにいい音が楽しめるスピーカー」としてのコンセプトを継承しています。

↑Sonos Oneをブラッシュアップ。ステレオ再生に対応したEra 100

 

Era 300のエンクロージャ(筐体)はHourglass=砂時計をイメージしたという、横向きのオーバルデザインを特徴としています。かたやEra 100は縦長の筒型デザイン。Sonos Oneに比べるとサイズは少しだけ大きくなりました。

 

Era 300とEra 100はともにWi-Fi経由でホームネットワークに接続して、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスを楽しめます。またBluetooth経由でスマホやPCに接続して、ワイヤレスで音楽を聴くことも可能。サポートするコーデックはAACとSBCで、aptXは非対応です。このほかワイヤレス再生でいうと、アップルのデバイスと連携してAirPlay 2にも対応します。

 

外部オーディオ入力は背面のUSB-C端子経由。別売りの純正変換アダプター「Sonos Line-In Adapter」とオーディオケーブルを介してプレーヤーと接続すれば、レコードやCDの音も楽しめます。

↑背面にUSB-C端子を搭載

 

↑USB-C/3.5mmオーディオジャック、USB-C/3.5mmオーディオジャック+イーサーネット端子を搭載するSonos Line-In Adapterも発売されます

 

7.1.4チャンネル相当の立体音響システムに拡張できる

Sonosはグラミー賞を受賞した音楽プロデューサーのManny Marroquin氏や、アカデミー賞を獲得したレコーディングエンジニアのChris Jenkins氏といった、音楽クリエイターたちを「Sonos Soundboard」と呼ばれるチームに招聘。同社オーディオ製品のサウンドチューニングを深めてきました。新しいEraシリーズも同様です。

↑Era 300のブラック。専用スタンドも発売されます

 

そのEra 300は2台をペアリングして、より分離感の高いステレオ再生環境を構築できます。また、Sonosのサウンドバー「Arc」「Beam(Gen 2)」やサブウーファー「Sonos Sub Mini」と組み合わせると、映画やドラマのドルビーアトモス音声をホームシアターでリアルに再現可能です。

 

ホームシアターのように再生システムを拡張する場合、2台のEra 300をペアリングしてからリアスピーカーとして視聴環境の後方にレイアウト。その際、SonosのサウンドバーはHDMI eARC接続でテレビと繋ぐ必要があります。なお、それぞれのスピーカーのセッティングはiOS/Android対応の「Sonos」アプリを使います。

 

単体はステージのような臨場感で、組み合わせるとまさしく「映画館の迫力」

単体でも使用できて拡張性もあるEra 300ですが、実力はどの程度のものなのか。単体、そしてSonosのサウンドバーなどと組み合わせたシアター環境の両方で試聴しました。

 

Era 300は少しドライで歯切れが良く、華やかなサウンドが魅力的なスピーカーです。ボーカルやメロディを演奏する楽器の旋律は明るく、音色も鮮やか。さまざまな音楽を楽しく聴けます。低音はスピーディーで切れ味鋭く、タイトで躍動感が充実。スケールの大きな音場を描きます。Era 300を置いた部屋が、たちまちコンサートホールやライブステージに変わるような臨場感がとても魅力的です。

 

サウンドバーのArcとサブウーファーのSonos Sub Mini、そして2本のEra 300によるサウンドも迫力満点でした。Amazon Music Unlimitedのドルビーアトモスによる3Dオーディオの楽曲を聴くと、歌っていたボーカルが高いステージに立ったように、音像の位置がグンと持ち上がり、高さ方向への空間の広がりがとても生々しく伝わってきます。

↑Sonosのホームシアター製品と組み合わせて本格的なドルビーアトモスシアターを構築できます

 

低音もさらに肉付きが良くなります。堂々とした鳴りっぷりが魅力的。加えて2台のEra 300が横方向の音の広がりも鮮やかに再現します。アクション映画の音は息を吞むほど豊かな切れ味。ドルビーアトモス対応の映画館をわが家に再現できる、Eraシリーズのシステムの拡張性にも注目です。

 

自動音場チューニングやAlexaによる音声操作にも対応

チューニング機能もアップデートしており、スピーカーを設置した場所に自動最適化する機能「Trueplayチューニング」はiOSアプリのほか、新しくAndroid対応のSonosアプリからも利用できるようになりました。Androidデバイスの場合、TrueplayはEra 300の内蔵マイクを使います。iOSデバイスの場合はスピーカーの内蔵マイクによるQuick Tuning、またはiPhone/iPadのマイクを使用し、部屋を移動しながらより高精度にチューニングするAdvanced Tuningを選べます。

↑iOS/Androidに対応するSonosアプリで自動音場補正が可能

 

↑Sonosアプリから高音・低音のバランス、ラウドネス調整もできます

 

使い勝手の面では、本体のフロント天面にボリュームスライダーを設けており、指でなぞると直感的に音量調整や楽曲スキップ操作ができます。また音楽再生は独自の「Sonos Voice Control」により音声で操作可能ですが、発売時点では英語・フランス語のみに対応。日本語対応は未定です。ただし、IoTスマートホームの音声操作はビルトインするAmazon Alexaから行なえます。

↑Era 300/Era 100は天面にタッチセンサーリモコンを搭載しました

 

1本でステレオ再生が楽しめるEra 100

Era 300はドルビーアトモスによる空間オーディオ再生に対応していますが、スタンダードモデルのEra 100は単体でステレオ再生が楽しめるスマートスピーカーです。

 

本体には2つの高音域用トゥイーターを正面向きに角度を変えて搭載。さらにSonos Oneよりも本体の背丈を少し高くして、25%サイズを大きくしたウーファーが深みのある中低音域を再現します。

 

本体には最新のオーディオ用プロセッサーと、機械学習処理をこなすCo-Neuralプロセッサーを搭載。音声操作ではSonos Oneよりも47%速い処理速度を実現しました。

 

Sonosアプリからは、iOSに加えてAndroidにも対応するTrueplayチューニングが可能。Era 100もまたSonosのサウンドバーやサブウーファーと組み合わせてシアター環境を作ったり、2台をペアリングしてステレオ再生を楽しんだりできます。Sonos Voice Controlによる本体の操作、およびスマートホーム機器のAmazon Alexaによる操作も可能。

 

BGMとして再生/音楽を聴き込むのどちらもいける1台

Era 100のサウンドを試聴したファーストインプレッションもレポートします。低音域の重心が低く、中高域はクールで華やかな印象。メロディの余韻がふわっと爽やかに広がります。コンパクトなルックスからは想像もできないほど、ジャズのベースラインを重厚に、またドラムスのビートを躍動感いっぱいに再現します。音楽のボリュームを上げても音像が破綻しない安定感も見事。底力が充実しています。1台でステレオ再生できるスピーカーなので、音像の立体感にも優れています。

 

BGM的に音楽を部屋に満たす、あるいは腰を落ち着けて好きな楽曲をじっくりと聴き込むスタイルのどちらにもフィットすると思います。

 

音質を徹底的に磨き抜いたEraシリーズに要注目

環境への配慮も見どころのひとつ。Eraシリーズはそれぞれ、環境に優しい素材を本体に採用しました。エンクロージャなどメインのパーツは再生プラスティックを採用。パーツどうしの接合は接着剤からビス留めに可能な限り変更しています。また消費電力、待機電力を抑える設計にもなっています。

 

今春はアップルのHomePod、アマゾンのAmazon Echo DotシリーズなどITテクノロジーメーカーのスマートスピーカーが出揃っています。その中で、Sonosのスマートスピーカーはオーディオブランドならではと言える音質の完成度が要注目です。音楽・映画をワンランク上のサウンドで楽しみたい方におすすめします。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

音質の完成度に注目! Sonos新スマートスピーカー「Era」は大迫力だった

スタイリッシュなデザインと、音楽ファンの好奇心を刺激するサウンドチューニングが脚光を浴びるアメリカのスピーカーブランド、Sonos(ソノス)から最新のスマートスピーカー「Sonos Era 300」と「Sonos Era 100」が発売されます。

↑Sonosの新しいスマートスピーカー「Era 300」(左)、「Era 100」(中央)が3月28日に発売されます

 

今回発売される2機種がSonosの新しい「Era(時代)」シリーズのファミリー製品群です。

 

3月28日から日本を含む世界各地で同時発売。価格は上位の空間オーディオ再生に対応するEra 300が6万9800円(税込)、スタンダードモデルのEra 100が3万9800円(税込)です。どちらのモデルもカラーバリエーションはブラックとホワイトから選べます。

 

Sonosの「新時代」をつくる2つのスマートスピーカーが誕生

Era 300はコンパクトな本体に6基のスピーカーユニットを内蔵。ユニットは左右にウーファーとドーム型トゥイーターを計4基、同じドーム型トゥイーターを正面と天面に向けて1基ずつ搭載しました。さらに、トゥイーターの中高音域に広がりを持たせるため、ユニットの先端にホーン構造のウェーブガイドを設けています。

↑6基のスピーカーユニットを内蔵するEra 300

 

空間オーディオ再生は、Amazon Music Unlimitedが配信するドルビーアトモス対応の3Dオーディオコンテンツで楽しめます。また発売後に、Apple Musicの空間オーディオコンテンツの再生にも、ソフトウェアアップデートで対応を予定。

 

一方のEra 100は、日本で2018年夏に発売された「Sonos One」という、Amazon Alexa対応スマートスピーカーの後継機。「シンプルにいい音が楽しめるスピーカー」としてのコンセプトを継承しています。

↑Sonos Oneをブラッシュアップ。ステレオ再生に対応したEra 100

 

Era 300のエンクロージャ(筐体)はHourglass=砂時計をイメージしたという、横向きのオーバルデザインを特徴としています。かたやEra 100は縦長の筒型デザイン。Sonos Oneに比べるとサイズは少しだけ大きくなりました。

 

Era 300とEra 100はともにWi-Fi経由でホームネットワークに接続して、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスを楽しめます。またBluetooth経由でスマホやPCに接続して、ワイヤレスで音楽を聴くことも可能。サポートするコーデックはAACとSBCで、aptXは非対応です。このほかワイヤレス再生でいうと、アップルのデバイスと連携してAirPlay 2にも対応します。

 

外部オーディオ入力は背面のUSB-C端子経由。別売りの純正変換アダプター「Sonos Line-In Adapter」とオーディオケーブルを介してプレーヤーと接続すれば、レコードやCDの音も楽しめます。

↑背面にUSB-C端子を搭載

 

↑USB-C/3.5mmオーディオジャック、USB-C/3.5mmオーディオジャック+イーサーネット端子を搭載するSonos Line-In Adapterも発売されます

 

7.1.4チャンネル相当の立体音響システムに拡張できる

Sonosはグラミー賞を受賞した音楽プロデューサーのManny Marroquin氏や、アカデミー賞を獲得したレコーディングエンジニアのChris Jenkins氏といった、音楽クリエイターたちを「Sonos Soundboard」と呼ばれるチームに招聘。同社オーディオ製品のサウンドチューニングを深めてきました。新しいEraシリーズも同様です。

↑Era 300のブラック。専用スタンドも発売されます

 

そのEra 300は2台をペアリングして、より分離感の高いステレオ再生環境を構築できます。また、Sonosのサウンドバー「Arc」「Beam(Gen 2)」やサブウーファー「Sonos Sub Mini」と組み合わせると、映画やドラマのドルビーアトモス音声をホームシアターでリアルに再現可能です。

 

ホームシアターのように再生システムを拡張する場合、2台のEra 300をペアリングしてからリアスピーカーとして視聴環境の後方にレイアウト。その際、SonosのサウンドバーはHDMI eARC接続でテレビと繋ぐ必要があります。なお、それぞれのスピーカーのセッティングはiOS/Android対応の「Sonos」アプリを使います。

 

単体はステージのような臨場感で、組み合わせるとまさしく「映画館の迫力」

単体でも使用できて拡張性もあるEra 300ですが、実力はどの程度のものなのか。単体、そしてSonosのサウンドバーなどと組み合わせたシアター環境の両方で試聴しました。

 

Era 300は少しドライで歯切れが良く、華やかなサウンドが魅力的なスピーカーです。ボーカルやメロディを演奏する楽器の旋律は明るく、音色も鮮やか。さまざまな音楽を楽しく聴けます。低音はスピーディーで切れ味鋭く、タイトで躍動感が充実。スケールの大きな音場を描きます。Era 300を置いた部屋が、たちまちコンサートホールやライブステージに変わるような臨場感がとても魅力的です。

 

サウンドバーのArcとサブウーファーのSonos Sub Mini、そして2本のEra 300によるサウンドも迫力満点でした。Amazon Music Unlimitedのドルビーアトモスによる3Dオーディオの楽曲を聴くと、歌っていたボーカルが高いステージに立ったように、音像の位置がグンと持ち上がり、高さ方向への空間の広がりがとても生々しく伝わってきます。

↑Sonosのホームシアター製品と組み合わせて本格的なドルビーアトモスシアターを構築できます

 

低音もさらに肉付きが良くなります。堂々とした鳴りっぷりが魅力的。加えて2台のEra 300が横方向の音の広がりも鮮やかに再現します。アクション映画の音は息を吞むほど豊かな切れ味。ドルビーアトモス対応の映画館をわが家に再現できる、Eraシリーズのシステムの拡張性にも注目です。

 

自動音場チューニングやAlexaによる音声操作にも対応

チューニング機能もアップデートしており、スピーカーを設置した場所に自動最適化する機能「Trueplayチューニング」はiOSアプリのほか、新しくAndroid対応のSonosアプリからも利用できるようになりました。Androidデバイスの場合、TrueplayはEra 300の内蔵マイクを使います。iOSデバイスの場合はスピーカーの内蔵マイクによるQuick Tuning、またはiPhone/iPadのマイクを使用し、部屋を移動しながらより高精度にチューニングするAdvanced Tuningを選べます。

↑iOS/Androidに対応するSonosアプリで自動音場補正が可能

 

↑Sonosアプリから高音・低音のバランス、ラウドネス調整もできます

 

使い勝手の面では、本体のフロント天面にボリュームスライダーを設けており、指でなぞると直感的に音量調整や楽曲スキップ操作ができます。また音楽再生は独自の「Sonos Voice Control」により音声で操作可能ですが、発売時点では英語・フランス語のみに対応。日本語対応は未定です。ただし、IoTスマートホームの音声操作はビルトインするAmazon Alexaから行なえます。

↑Era 300/Era 100は天面にタッチセンサーリモコンを搭載しました

 

1本でステレオ再生が楽しめるEra 100

Era 300はドルビーアトモスによる空間オーディオ再生に対応していますが、スタンダードモデルのEra 100は単体でステレオ再生が楽しめるスマートスピーカーです。

 

本体には2つの高音域用トゥイーターを正面向きに角度を変えて搭載。さらにSonos Oneよりも本体の背丈を少し高くして、25%サイズを大きくしたウーファーが深みのある中低音域を再現します。

 

本体には最新のオーディオ用プロセッサーと、機械学習処理をこなすCo-Neuralプロセッサーを搭載。音声操作ではSonos Oneよりも47%速い処理速度を実現しました。

 

Sonosアプリからは、iOSに加えてAndroidにも対応するTrueplayチューニングが可能。Era 100もまたSonosのサウンドバーやサブウーファーと組み合わせてシアター環境を作ったり、2台をペアリングしてステレオ再生を楽しんだりできます。Sonos Voice Controlによる本体の操作、およびスマートホーム機器のAmazon Alexaによる操作も可能。

 

BGMとして再生/音楽を聴き込むのどちらもいける1台

Era 100のサウンドを試聴したファーストインプレッションもレポートします。低音域の重心が低く、中高域はクールで華やかな印象。メロディの余韻がふわっと爽やかに広がります。コンパクトなルックスからは想像もできないほど、ジャズのベースラインを重厚に、またドラムスのビートを躍動感いっぱいに再現します。音楽のボリュームを上げても音像が破綻しない安定感も見事。底力が充実しています。1台でステレオ再生できるスピーカーなので、音像の立体感にも優れています。

 

BGM的に音楽を部屋に満たす、あるいは腰を落ち着けて好きな楽曲をじっくりと聴き込むスタイルのどちらにもフィットすると思います。

 

音質を徹底的に磨き抜いたEraシリーズに要注目

環境への配慮も見どころのひとつ。Eraシリーズはそれぞれ、環境に優しい素材を本体に採用しました。エンクロージャなどメインのパーツは再生プラスティックを採用。パーツどうしの接合は接着剤からビス留めに可能な限り変更しています。また消費電力、待機電力を抑える設計にもなっています。

 

今春はアップルのHomePod、アマゾンのAmazon Echo DotシリーズなどITテクノロジーメーカーのスマートスピーカーが出揃っています。その中で、Sonosのスマートスピーカーはオーディオブランドならではと言える音質の完成度が要注目です。音楽・映画をワンランク上のサウンドで楽しみたい方におすすめします。

 

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