スズキのクーペSUVから、トヨタの新型クラウンまで!プロがヒットを確信する4台

2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。今回取り上げるのはクルマ部門。2025年ヒット確実の4台を紹介する。

スタイリッシュなデザインに4WDの走破性も好評!

スズキ
フロンクス
254万1000円〜282万7000円

 

グローバル展開するモデルが日本向け仕様になって上陸!

SUVらしい力強さとクーペの流麗なフォルムを融合した「クーペスタイルSUV」。世界70か国で販売されているグローバルモデルだが、日本仕様には悪路や雪道の走行を想定した4WDも用意される。10月末には受注台数が1万台を突破した。

 

SPEC【2WD】●全長×全幅×全高:3995×1765×1550mm ●車両重量:1070kg ●パワーユニット:1460cc直列4気筒DOHC ●最高出力:101PS/6000rpm ●最大トルク:135Nm/4400rpm ●WLTCモード燃費:19.0km/L

 

 

↑流麗なクーペスタイルに存在感のあるフロントマスクや独特のボディラインによる力強さを演出した足回りが印象的。最小回転半径は4.8mと市街地でも扱いやすいサイズだ。

 

↑コンパクトなボディながら、レイアウトの工夫やホイールベースを長くすることで後席も足元が広く、快適に過ごせる。

 

↑ブラック×ボルドーの配色となる内装は日本仕様専用。安全運転支援装備も充実しており、ヘッドアップディスプレイも備えている。

 

↑5名乗車時でも最大210Lの容量を確保するラゲッジルーム。取り外し可能なラゲッジボードを活用してアレンジもできる。

 

↑K15C型エンジンとマイルドハイブリッド、6速オートマチックを組み合わせる。力強くスムーズ、スポーティな走りを実現する。

 

【ヒット確定の根拠】コンパクトでも存在感は大! 4WDも選べる

「印象的な顔とクーペのようなフォルムによりコンパクトでも存在感が十分。装備が非常に充実していて走りもしっかりしています。それでいてお買い得な価格を実現しているのはさすがスズキです。海外にはない4WDが日本では選べます」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

<コレも注目!>待望のスイスポが間もなくデビュー?

※写真は通常のスイフト

 

スズキ
スイフトスポーツ
価格未定

 

スイフトのコンパクトで軽い車体に強力なエンジンを積んで足まわりを強化した高性能版は、歴代モデルも低価格で楽しいクルマとしてもてはやされてきた。ベース車の登場から約1年、まもなく新型が登場する見込みだ。

↑機能的にまとめられたスイフトスポーツ(現行モデル)のインパネまわり。マニュアルトランスミッションが登場するかも注目だ。

 

クラウン4タイプの“最後の砦”はついに2025年発売!?

トヨタ
クラウン(エステート)
価格未定(2025年発売予定)

 

度々の発売延期を経てワゴン(エステート)スタイルが登場!

2022年に新しいクラウンシリーズが発表されてから2年経った現在、4タイプの最後の砦として発売が待たれるエステート。後席の背もたれを倒せばフルフラットなデッキが現れ、機能的なSUVとして使えるのがウリとなっている。

 

SPEC(開発目標値) ●全長×全幅×全高:4930×1880×1620mm

 

↑後席を倒した際に若干の傾斜は生じるが、凹凸のないフルフラットな空間が出現。後席の足元空間を埋める拡張ボードも設置することが可能だ。

 

【ヒット確定の根拠】高級な内外装と使い勝手に優れるトランクが武器

「現行クラウンシリーズの第4弾は、車体後部のトランク(荷室)がポイント。使い勝手に優れる広々としたトランクは並のSUVとは一線を画します。高級感のある内外装もクラウンならでは。完成度の高いPHEVもラインアップされます」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

日本での登場が待たれる正統派AWD

※写真は北米仕様


SUBARU

フォレスター
価格未定

 

高い燃費効率を誇る「ストロングハイブリッド」採用!?

2023年のロサンゼルスモーターショーで世界初公開となり、北米で販売中の新型フォレスター。現行型よりもシャープなデザインとなり、同社のクロストレックで採用した「ストロングハイブリッド」も搭載される見込みだ。

 

SPEC【Tuoring(米国仕様】●全長×全幅×全高:4656×1828×1730mm ●車両重量:1662kg ●パワーユニット:2.5L水平対向4気筒DOHC ●最高出力:180PS/5800rpm ●最大トルク:178lb-ft/3700rpm ●WLTCモード燃費:非公表

 

↑「ストロングハイブリッド」は状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分ける新世代のハイブリッド方式だ。

 

【ヒット確定の根拠】スバルならではのこだわりに満ちた定番モデルの新型

「スバルならではの水平対向エンジン×シンメトリカルAWDや、このスクエアなフォルムがいいという大勢のファンが新型の登場を待っています。秋に発表された待望のストロングハイブリッドもラインナップに加わる見込みです」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

輸入車販売台数No.1モデルはEVも加わり盤石!


BMW

MINI COOPER E(3ドア)
463万円〜531万円

 

約10年ぶりの全面改良でBEV(電気自動車)も追加

2023年の国内輸入車販売台数No.1に輝くMINI COOPERが約10年ぶりにモデルチェンジして4代目に進化。ガソリンモデルのほかBEV(電気自動車)も登場し、より幅広いラインナップから選べる。5ドアモデルも登場した。

 

SPEC【クーパー SE(3ドア)】●全長×全幅×全高:3855×1755×1460mm ●車両重量:1640kg ●パワーユニット:モーター×1 ●最高出力:218PS/7000rpm ●最大トルク:33.7kg-m/1000〜4500rpm ●一充電走行距離:446km

 

↑SUVタイプの「MINI Countryman」も同時にモデルチェンジ。ガソリンモデルのほかクリーンディーゼル、そしてBEVも選べる。

 

【ヒット確定の根拠】10年ぶりのモデルチェンジ!よりシンプルかつモダンに

「もともと日本でも大人気のMINIですが、新型はMINIらしさを継承しながらもガラリと雰囲気が変わり、とことんシンプルになりました。しかも中身は最新の装備が満載されていて、100%BEV版がついに設定されたのもポイントです」(モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん)

 

モータージャーナリスト:岡本幸一郎さん
26台の愛車を乗り継ぎ、軽から高級車まで幅広く網羅。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。

見た目はセダンとSUVのイイとこ取り! 軽快な走りが魅力な「プジョー 408」をチェック

今回はプジョーのクロスオーバーモデルとなる408を紹介。独自性にあふれた内外装に注目してみた。

※こちらは「GetNavi」 2023年10.5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

PEUGEOT 408

SPEC【GT】●全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:1199cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:130PS/5500rpm●最大トルク:23.5kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:16.7km/L

 

ベーシックな1.2L版でも動力性能の高さは特筆モノ!

これまで中国や南米をメインの市場としてきた408が3代目でガラリと変わり、日本にも上陸を果たした。ご覧の通り、その外観はリアにハッチゲートが備わるファストバックボディにSUV要素をプラス。事実上、308のセダン版だった従来型はもちろん、かつて日本でも発売されていた407とも車名的なつながりを意識させる要素はない。

 

基本的な構成要素は308と多くを共有化しているが、ボディサイズはずっと大きく全長は4.7mと308より20cm以上長い。リアピラーを大きく傾斜させ、グラスエリアをタイトに仕上げた外観は輸入車で近年流行りの4ドアクーペ風。一方、最低地上高は170mmもありハイトが高い19インチのタイヤを組み合わせるなどして、ボディ下半分はSUVらしさをアピールする。佇まいはSUV的セダン/クーペといったところで、イメージはトヨタのクラウン・クロスオーバーが一番近い。

 

そんな、一見スタイリング重視な外観ながら、実用性への配慮に怠りがないのはプジョーらしいところ。前後席の空間は、セダンとして申し分ない広さを確保。荷室に至っては後席使用時でも536L(ガソリンモデル)の容量を誇り、最大では1611L(同)と本格派のワゴンに匹敵する広さを実現している。その意味では、セダン/クーペ風の見た目でもSUVに要求される使い勝手はしっかりとクリアされているわけだ。

 

搭載するパワーユニットは、1.2Lガソリンターボと1.6Lガソリンターボに電気モーターと総電力量12・4kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたプラグインHVの2タイプ。今回の試乗車は前者だったが、その動力性能は排気量から想像される以上の高さが自慢だ。低回転域から十分なトルクを発揮するエンジンと高効率な8速AT、そして1.5tを切る比較的軽量なボディの効果もあるのか、日常域ではサイズ以上の軽快感すら味わえる。

 

それを受け止めるシャーシも完成度は高い。“ネコ足”と評された往年のプジョーとは趣が異なるが、日常域ではフラットで快適な乗り心地、積極的に操る場面では素直な操縦性を披露する。その意味では、近年ますます選択肢が少なくなっているセダンの代替としても自信を持ってオススメしたい。

 

室内の広さはサイズ相応インパネには眺める楽しみも!

極端な小径ステアリングに代表されるプジョー独自の「iコックピット」は、凝ったグラフィックのメーター回りなどエンタテインメント性も高い。前後席はセダンとして十分な広さを誇る。

パワートレインは2タイプを用意

エンジンは、66㎞のEV走行を可能とするプラグインHV(写真)と1.2Lガソリンターボの2タイプ。組み合わせるトランスミッションは、いずれも8速ATとなる。

 

最新のプジョーらしくエッジの際立つスタイリング

タイヤはグレードを問わず55扁平の19インチを採用。足元はSUV的な力強さを演出する。外観は随所が308と共有化されているが、見た目の印象は完全に別モノ。ボディカラーは、写真のブルーの他に3色が用意される。

 

フランス車らしく荷室の広さもトップ級

実用性を重視するフランス車らしく荷室は広い。写真のプラグインHVは通常時471/454L、最大時は1545/1528Lとガソリン仕様より容量が減少するが、絶対値としてはこちらも十分。

 

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ベストセラーの後継に相応しい完成度! 2代目メルセデス・ベンツ「GLC」をチェック

今回はメルセデス・ベンツの世界的ヒットとなったプレミアムSUV「GLC」の2代目を紹介。

※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです

 

ベストセラーの後継に相応しい完成度!

メルセデス・ベンツ
GLC

SPEC●全長×全幅×全高:4720×1890×1640mm●車両重量:1930㎏●パワーユニット:1992cc直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:197PS/3600rpm●最大トルク:44.9㎏-m/1800〜2800rpm●WLTCモード燃費:18.1km/l

 

その走りは進化と同時に深化を実感させる出来栄え

世界的には、メルセデス・ベンツのSUVでもトップセラーを誇ったGLCが2代目へと進化。いまのところ、日本向けの選択肢はマイルドハイブリッドを組み合わせる2lディーゼルターボ仕様のみだが、その走りはすでに盤石といえる完成度だ。先代と比較して特に印象的なのは、動き出しからの滑らかさと静かさ。この点は先代も秀逸だったが、新型はより着実な進化を実感させる仕上がり。2t近い車重に対する動力性能も申し分ない。日常域では力強く、積極的に操る場面ではディーゼルであることを意識させない吹け上がりを披露する。

 

それを受け止めるシャーシも、いかにもメルセデスのSUVらしい。ステアリングの操舵感、足回りのストローク感は上質そのもので快適性の高さはトップレベル。素直な操縦性も相変わらずで、新型ではそこに正確かつ軽快なレスポンスという「深化」が加わる。また、新たに後輪操舵が追加されたことで、日常域での取り回し性能も向上。街中でも1.9m近い全幅を意識させない。

 

その見た目はヒットした先代の後継ということで、イメージを引き継いだ部分が多い新型。しかし、中身は同クラスのライバルをさらに引き離す出来栄えであることは間違いない。

 

街中での扱いやすさに大きく貢献

新型に採用された後輪操舵は、このように低速域だと後輪が大きく逆相に動く。その効果は絶大で最小回転半径はコンパクトカー並みを誇る。

 

現状パワートレインは一択

日本仕様のエンジンは、ISGと名付けられたマイルドハイブリッドを組み合わせる2ℓディーゼルターボのみ。先代より走りの質感が向上した。

 

座り心地、スペースともに上々

先代比で特別広くなったわけではないが、車内空間は十分な広さ。後席は若干硬めだが前席の座り心地は適度にソフトでサイズもたっぷり。

 

ヘビーユーザーのニーズにも対応

荷室容量は通常時で620l、後席を格納すれば1680lに達する。ミドル級としては余裕の広さで、SUVを使い倒したいというニーズにも対応できる。

 

様変わりの度合いは外観以上の室内

画像化されたメーターは「オフロードコックピット」と名付けられたグラフィックも選択できる。インテリアはメルセデスの最新モードに準じた作り。

 

ボディは先代より若干ながら大型化

全長とホイールベースが伸びる一方、全幅は先代と変わらない新型。本国ではすでにクーペ版も登場しているが、いまのところ日本仕様はSUVボディのみのモノグレード。価格は820万円。

 

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これぞ英国流ラグジュアリーSUVの最新モード!「レンジローバー・スポーツ」レビュー

今回はラグジュアリーSUVの草分け的存在でもあるレンジローバーのスピンオフ、レンジローバー・スポーツを紹介!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

走りは2トン超えの車重を意識させない軽やかさ!

ランドローバー
レンジローバー・スポーツ

SPEC【ダイナミックHSE D300】●全長×全幅×全高:4946×2209×1820㎜●車両重量:2315kg●パワーユニット:2998cc直列6気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:300PS/4000rpm●最大トルク:66.3kg-m/1500〜2500rpm●WLTCモード燃費:11.3km/l

 

名前の通り、“本家”のレンジローバーに対してはスポーティな走りを持ち味としてきたレンジローバー・スポーツ。だが、今回の3代目で際立つのは高級なSUVに相応しい見た目の質の高さだ。シンプルな造形にしてパネル間の隙間をギリギリまで詰めたボディの「塊感」は、もはや本家に匹敵する仕立てで強い存在感を放つ。

 

そんな印象は室内でも変わらず、インパネ回りはむしろあっさりしたデザインながら、吟味した素材や作りの良さで上質感をアピール。先代より室内空間が拡大されたこともあって、実際の居心地も前後席ともに申し分ない。

 

エンジンは3Lターボのディーゼルとガソリン、ガソリン+モーターのプラグインHV、そして4.4L V8ツインターボと多彩。今回はディーゼルに試乗したが、動力性能は2トン超の車重に対しても十分。その大柄なボディを意識させないほど身のこなしも軽やかなだけに、日々の贅沢な伴侶としても自信を持ってオススメできる。

 

ボディサイズ相応の十分な広さを確保

荷室容量は後席を使用する通常時でも647L〜。後席をたためば1491L〜というSUVとして申し分ない広さを実現。

 

アニマルフリーな素材も採用

英国ブランドというと「木と革」のイメージも根強いが、新型ではアニマルフリーのサステナブルな素材も積極的に採用。室内空間が先代比で広くなるなど、実用性も向上した。

 

ボディサイズは先代よりさらに成長

3列シートまで選択できるようになった本家と比較すればコンパクトだが、新型レンジローバー・スポーツも全長は5m近くで先代より大型化した。その外観は、シンプルな造形ながら「塊感」にあふれた強い存在感が印象的。

 

パワーユニットの選択肢は多彩!

エンジンはマイルドハイブリッドを搭載する3ℓターボのディーゼルとガソリンに加えプラグインHV、4.4ℓV8ターボまで用意される。

 

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話題のSUV、スバル「レガシィ アウトバック」をゲットナビとモノマガの両編集長が鴨川まで乗りに行ってわかったこと

2022年で創刊40周年を迎える、押しも押されぬモノ誌の決定版「モノ・マガジン」と、創刊23年目を迎えたピチピチの“新卒世代”「ゲットナビ」とのコラボ企画が始動!

 

月刊誌「ゲットナビ」編集長の川内一史(かわうち・かずふみ)が、編集者としての大先輩である「モノ・マガジン」前田賢紀(まえだ・たかのり)編集長と畏れ多くも一緒に、胸を借りまくりつつ取材させていただき、両メディアで異なる切り口からレポートするのが本連載であります。

↑「モノ・マガジン」前田編集長(左)と「ゲットナビ」編集長の川内が、出版社の垣根を越えて夢のタッグ!

 

まずは僭越ながら川内の自己紹介から。東京都生まれの37歳(2022年2月で38歳)で、妻と、もうすぐ3歳になる息子、そして猫と暮らしています。2012年10月にゲットナビ編集部へ加入し、2020年7月編集長に就任。ちなみにその前は月刊のアニメ専門誌に3年間、さらにその前は週刊のゴルフ誌の編集部に4年間在籍しておりました。図らずも雑誌編集ひと筋というキャリアを歩んできてしまい、このDX時代を生き抜くことができるのか、一抹の不安を感じつつGetNavi webに顔を出してきたアラフォーおじさんです。以後ご贔屓に!

 

二つの目で見ればピントが合う!

ゲットナビ×モノ・マガジンの「ヒット」スコープ
– Target 1.スバル「レガシィ アウトバック」-

さて、コラボ企画の記念すべき第1回は、SUBARUのフラッグシップともいうべきクロスオーバーSUV、レガシィ アウトバックがテーマ。12月24日に発売されたばかりのアウトバックを体験・試乗すべく、千葉県は鴨川市にある「SUBARU里山スタジオ」にお邪魔してまいりました。

※モノ・マガジン前田編集長のレポートは記事の最後にリンクがあります!

 

東京からアクアラインで海を渡り、木更津JCTから館山自動車道へ。鋸南保田ICで下道に降りて1時間ほど走ったところに「SUBARU里山スタジオ」はあります。目印の看板を発見!

↑東京湾アクアラインで千葉へゴー。途中、海ほたるで「幸せの鐘」を鳴らす前田編集長。2021年ももうすぐ終わりますね……

 

↑山中をひた走ったあと、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小さな横道へ。畦道を進むと、スバルのロゴが輝くささやかな案内板が! たしかに里山スタジオの存在を伝えてくれています

 

ここから道はどんどん狭く、険しくなり、不安が襲い掛かりますが、それに耐え切って無事到着。元々キャンプ場だったところに作っただけあって、ハンパないスケール! 「スタジオ」というより「フィールド」といった様相です。

↑山林みが深い! あれ? 前を走るのは……

 

ところで、クルマってかなり大きい買い物ですよね。当然、愛車選びは吟味に吟味を重ねて慎重になると思います。特に私は小さい子どもがいたり、妻も運転する可能性があったり、マンションの立体駐車場に収まるサイズじゃないといけなかったり、そもそも予算の上限がある程度決まっていたりと、たくさんの制限付きです。「見た目がカッコ良い」とか「走りが気持ち良い」といった魅力だけでは購入に踏み切れないのが現実。機能性や取り回しの良さ、そして価格から家族内で検討して絞りつつ、そのなかからデザインや走りが気に入ったクルマに決めるというフローを、皆さん辿っているのではないでしょうか。

 

翻って、私のなかでのSUBARU車のイメージは“男のロマンを体現したクルマ”。イマドキ男女でクルマを語るなんて怒られちゃいそうですが……。学生時代にそこそこやんちゃしていた先輩が、中古でSUBARUのフォレスターを買ってカスタムしまくっていた記憶があるからかもしれません。あとは、スノーボードで雪山へ行くときにはレンタカーでよくレガシィを借りていたものです。そんな若かりしころのおもひでから、SUBARU車は「アクティブでこだわりの強い人が選ぶクルマ」という印象が刷り込まれまくり。どのラインナップもめちゃカッコ良いけれど、自分は子どもが小さいうちは購入することはないのかなー、なんて漠然と思っていました。そう、この日までは……。

 

スバルのフラッグシップSUV、新型「レガシィ アウトバック」とご対面!

↑オフロードを駆け抜ける新型アウトバックは、絵になります!(写真はアクセサリー装備車)

 

新型アウトバックの特徴はまず、いかにもオフロードに強そうなタフさを感じさせる外観。ワイルドさを強調する大型のフロントグリルと、洗練されたしなやかなラインのボディが見事に融合しています。内外装ともにプレミアム感の高い「Limited EX」(消費税込429万円)と、ダークメタリック塗装のホイールなどでスポーティさを強調した「X-BREAK EX」(消費税込414万7000円)の2グレードで展開中です。個人的なデザインの好みは、X-BREAK EX。クルマに乗ること、運転することが特別だった若き日のエモさが蘇ってくるようです。アウトバック、イイなあ……。

↑今回見せていただいたのはX-BREAK EX。スポーティな仕様が物欲を刺激します

 

と感傷に浸りつつも、「子どものいる30~40代男性」をメイン読者とするゲットナビを代表してここに来ていることを忘れてはなりません。使い勝手はどうなのか? この日、群馬県太田市にある開発拠点から、取材のためにお越しいただいた開発チームのお三方に話をうかがいながら、新型アウトバックをじっくりチェックしてみました。

↑左から、商品企画本部のプロジェクトゼネラルマネージャー・村田誠さん、小野寺圭さん、アクセサリー企画部の横居智也さん

 

運転支援システム「アイサイトX」を標準装備!

まずは、インテリア。最初に目に入るのは、インパネの11.6インチセンターディスプレイ。大きいことは良いことで、見やすいし、タッチ操作もしやすい! バック時の車両状態表示やガイドもめちゃわかりやすくて、安心感があります。

 

さらに、新世代アイサイトに「高度運転支援システム」を搭載したSUBARU最先端の安全テクノロジーが「アイサイトX」ですが、これを全車に標準搭載。これなら普段運転慣れしていない妻や、70歳が近づいている父にもハンドルを任せられそうです。

↑まるで大型のタブレットが埋め込まれているよう。視認性&操作性が高いです

 

内装もオフロード対応!

シートは、Limited EXにオプション設定となる本革(ナッパレザー)シートと、X-BREAK EXに標準装備の撥水ポリウレタンシートを用意。高級感があるのは前者ですが、濡れた状態で乗ったり、食べこぼしをしたりといった日常のシーンを想定すると、使い勝手の良い後者も魅力的に感じます。アクセサリーとして「オールウェザーシートカバー」も用意しており、よりアクティブに使う人は要注目ですね。

↑X-BREAK EXの撥水ポリウレタンシートに、アクセサリーのオールウェザーシートカバーを設置した状態。これなら食べこぼしの多い私でも安心です!

 

そして荷室。561Lという広さだけでなく、様々な工夫で収納力を高めているのが印象的でした。大きめのSUVでもゴルフバッグを横置きできないモデルは結構あるんですが、アウトバックなら余裕。キャンプギアなどの汚れモノをラフに積んでも、アクセサリーの「カーゴトレーマット」を装着すれば水や泥がクルマに浸透しにくいなど、随所に配慮が行き届いています。

↑後席を倒せばオジサン2人が寝られる広さ。車中泊しても身体への負担は小さそうです

 

ルーフトップテントも設置可能!

そして、新型アウトバックをよりアクティブなクルマたらしめるパーツが、ルーフレール。Limited EXでは、サーフボードやカヌーなどの長物を積載しやすいクロスバータイプを、X-BREAK EXでは、積載荷重がより大きく、汎用性の高いラダータイプを採用しています。このルーフレールには、カーキャリアのトップブランドであるTHULE(スーリー)のルーフトップテントを設置できるというのが、本車のウラ目玉(?)なのです。

↑アクセサリーの後席ステップガードを取り付ければ、小柄な女性でも荷物の積載が容易に

 

このときはまだナンバープレートが付いておらず公道を走ることはできませんでしたが、施設内で少しだけ動かしてみた感じでは、たしかに悪路に強そうな印象。もちろんオンロードでも、SUBARU車ならではの爽快な走りを楽しめそうです。

↑SUBARU里山スタジオ内の悪路もなんのその。排気量は1.8Lと抑えめですが、直噴ターボ車ならではのパワフルな走りでした

 

ファミリーの選択肢としてもアリ!

ってことで、3時間オーバーの取材を終えての結論。アウトバックは見た目がカッコいいし、安全性も高いし、使い勝手も良いし、アクティブな趣味にも対応するし、本当にイイとこ取りのクルマです。家族を乗せるのがメインだけど、カッコ良さも捨てたくないというゲットナビ世代には絶対ハマるはず。400万円台という価格は決して安くはないけれど、走破性に安全装備、さらにスタイリング的にも長く乗れそうなことを考えたら、ファミリーの選択としてもアリでしょう!

↑アウトバックとともに皆で記念撮影。長時間に及ぶ取材のご対応ありがとうございました!

 

と、充実感に満たされつつ帰宅。クルマ選びにはシビアな妻に、「今日SUBARUの取材に行ってきてね……」と、おそるおそる切り出してみる。取材で聞きかじった私のアウトバック話にはそれほど興味を示さなかった妻だが(私のスキルの問題です。SUBARUの皆様にお詫び申し上げます)、クルマの写真を見てひと言、「カッコ良いね。これ、私の好きなタイプのクルマだ」。買い替え、ワンチャンあるかもよ!

 

前田編集長のレポートはこちら→https://www.monomagazine.com/35426/

 

 

写真/西川節子

最高級アメ車のプライドを備えるSUVの最小モデル! キャデラック「XT4」を徹底分析

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、アメリカのキャデラックブランドがラインナップするSUVの最小モデルに試乗し、キャデラックの現状を暴く?

※こちらは「GetNavi」 2021年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】キャデラック/XT4

SPEC【プラチナム】●全長×全幅×全高:4605×1875×1625mm●車両重量:1780kg●パワーユニット:2.0Lターボエンジン●最高出力:230PS(169kW)/5000rpm●最大トルク:35.6kg-m(350Nm)/1500〜4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

570万(税込)〜670万円(税込)

 

日本の市場ではウケないが、“アメ車らしさ”を貫いたハイスペックな1台

安ド「殿! 今回は久しぶりのアメリカ車です!」

 

永福「さようか」

 

安ド「キャデラックの一番小さいSUV、『XT4』です!」

 

永福「キャデラックとはデラックスだな」

 

安ド「サイズもさすがにデラックスです。これで最小とはさすがアメ車ですね!」

 

永福「いや、実際かなり小さいぞ。トヨタのRAV4と大差ない」

 

安ド「ええっ!? もっとデカいような気がしましたが……」

 

永福「それはアメ車に対する思い込みだ。しかし実は私も車庫入れで苦労した。というのも、左ハンドル車なのでな」

 

安ド「殿はフェラーリなどで、左ハンドル車に慣れているのでは?」

 

安ド「左ハンドル車には慣れているが、SUVの左ハンドル車にはあまり慣れていなかった。最近は輸入車でも、左ハンドル車はフェラーリやランボルギーニくらいになっているのでなぁ」

 

安ド「なるほど! それにしてもキャデラックって、いまでも全モデル左ハンドルなんですね。なぜでしょう?」

 

永福「アメリカの最高級車としての誇りもあるだろうが、なによりもアメリカ以外ではあまり売れないことが大きいのではないか」

 

安ド「つまり、右ハンドルを作るほど売れないってことですね」

 

永福「2020年に日本で売れたキャデラック車は、合計479台。ランボルギーニより少なかった」

 

安ド「そういえばランボルギーニも左ハンドルだけですよね!」

 

永福「いや、ウラカンやウルスには右ハンドルがあるぞ」

 

安ド「エエ〜〜〜〜ッ! ランボルギーニですら右ハンドルがあるのに、キャデラックは左ハンドルだけなんですかぁ!」

 

永福「ランボルギーニは、左側通行の日本やイギリスでの販売比率がかなり大きいのだ」

 

安ド「キャデラックも右ハンドル車を作れば、日本でもっと売れるんじゃないですか?」

 

永福「まぁ多少は増えるかもしれないが、大したことはあるまい」

 

安ド「このクルマ、カッコ良いし走りは快適だし、エンジンも2Lターボで扱いやすくてパワフルだし、デジタル系の機能も最新だし、内装の質感も高いのに、なぜあまり売れないんでしょう?」

 

永福「う〜ん、イメージだろうな。いま日本でキャデラックを欲しがる人がどういう人か、想像がつくか?」

 

安ド「……つきません!」

 

永福「輸入車の新車を買うってことは、高級デパートで服を買うことと同様。大事なのは布地の良し悪しよりもブランドだ。キャデラックというブランドは、昔の高級車というイメージで、洋服のブランドで言うと……何だ?」

 

安ド「わかりません! 僕はユニクロやGUでしか買いませんから」

 

永福「私にもわからん。最近はワークマンやサミットでしか買わないからな」

 

【GOD PARTS 1】ドライブモード

アメリカらしい?「ツーリング」モード

センターコンソールのスイッチを押すことで、ドライブモードが選択できるようになります。「AWD」は4WD固定、「スポーツ」と「オフロード」もありがちですが、「ツーリング」は珍しいです。アメリカらしい表現とも言えます。

 

【GOD PARTS 2】20インチホイール

大径で迫力があり、質感高くスポーティ

上級2グレードでは20インチホイールが採用されていて、デザインも高級感がありながらスポーティです。「コンパクト」を謳うSUVでありながらも、しっかり大径ホイールを採用するのは、見た目重視で良い感じですね。

 

【GOD PARTS 3】エンブレム

グレード名ではない謎の数字の正体は?

ボディ後方には「XT4」と「350T」という2つのバッジ(エンブレム)が付いています。前者は車名ですが、後者は何かと考えてみると最大トルクの数値ですね(350Nm)。トルクに価値を置くあたりは、SUVの本場・アメリカらしいです。

 

【GOD PARTS 4】ワイヤレスチャージャー

スマホを置くだけで充電できる便利装備

近年、日本車でも多く採用されているスマホのワイヤレスチャージャーが、XT4にもこっそりと肘掛けの下に隠されていました。しかもスマホのサイズに合わせてスケールを変更できる仕様がフレンドリーです。

 

【GOD PARTS 5】エアコン

ユーザーフレンドリーな室内空間を実現

グレードにもよりますが、イオン発生除菌機能付きのオートエアコンが採用されているというのは現代的で、まるで日本車のような配慮です。また、このスイッチ類が真横に一直線に並べられた姿は壮観でもあります。

 

【GOD PARTS 6】左ハンドル

あくまでも左を貫きプライドを守る思想

同じGM傘下のシボレー(コルベット)でさえ右ハンドル車があるというのに、キャデラックは左ハンドルのみの設定です。それでも日本でSUVラインナップを取り揃えるあたりは、もはや頑固さを超え、高潔ささえ感じます。

 

【GOD PARTS 7】リアハッチオープナー

ドアに付けられた謎のダイヤルの正体は?

ドアに付いていたこの小さなダイヤル。なんだろうと思っていじってみたら、リアハッチゲートの開閉スイッチでした。わざわざドア内部まで配線を通さなくてはならないため作る側も面倒だと思うのですが……。インパネに付け忘れてしまったのでしょうか。

 

【GOD PARTS 8】エンジン

小型でもアメ車らしい豪快な走り

2.0L直列4気筒のエンジンはツインターボで230馬力を発揮するパワフルなユニットです。アメ車のエンジンといえば大排気量とイメージされがちですが、小さなターボというのもまたヤンチャで楽しく、好ましいです。

 

【GOD PARTS 9】ヘッドライト&リアランプ

シャープな形状はブランドアイデンティティ

フロント、リアともにシャープでアクロバティックな形状のライトが採用されています。このところキャデラック車の顔は、目から涙が溢れているようなイメージで統一されていて、それは兄貴分のXT5やXT6などでも貫かれています。

 

【これぞ感動の細部だ!】シート

面積たっぷりでゆったり乗れる

アメリカ車のシートといえば、大柄でゆったりしていて座るだけで優雅な気分になれます。このXT4のシートもまたしかり、上級グレードではマッサージやヒーター、ベンチレーションなどの機能も付いていて、セレブ感があふれています。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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SUV界のバランスを変えるか!? VWがクロスオーバーSUV「T-Roc」を解説

2020年7月15日、ついにフォルクスワーゲン(VW)のクロスオーバーSUV新型「T-Roc(ティーロック)」が発表となりました。世界的な新型コロナ禍によるロックダウンなどがあり、当初の計画より遅れての発表です。

ステージ上にはVWの新ロゴと4グレードのT-Rocが置かれ、ティル・シェアCEOのプレゼンテーションが始まりました。「T-Rocの登場によって、VWのSUVラインナップが完成となりました。T-RocはクロスオーバーSUVの新機軸となっていくものだと考えています。日本のSUVマーケットの約3/4を占めるのがスモール/コンパクトセグメントであり、VWとしてもそこに焦点をあてました」。

↑シンプルに整理されたVW新ロゴを使用しての新車発表は今回が初となりました

 

「VWのSUV3兄弟の一番大きな『ティグアン』は2017年にデビューし、ラインナップの80%がクリーンディーゼルである「TDI」となっています。それにより、今回のT-Rocでもクリーンディーゼル車とすることに決めました。また、これまでのVWのお客様と新たなお客様の双方に満足してもらえるよう、ダイナミックで多才なSUVとコンパクトで俊敏なハッチバックの長所を組み合わせています。もちろん、そのハッチバックというのは世界のハッチバックのベンチマークとなっている「ゴルフ」に他なりません。そして、T-Rocでは4つのグレードを設け幅広いニーズにお応えします」と、ティル・シェアCEOは語りました。

↑日本のSUVマーケットの状況。約75%がスモール、コンパクトSUVとのこと。T-RocはVWのSUV「T-Cross」と「Tiguan」の間に当てはまるボディサイズです

 

さらに「全長4240mm(TDI R Lineは4250mm)、全幅1825mm、全高1590mm、ホイールベースが2590mmとなり、最小回転半径が5.0mとなっています。まさに日本の道路に『丁度いい』という印象を持ってもらえるでしょう。SUVならではの高い着座位置と広い視界の快適さを味わってみて下さい。きっとその安心感を感じてもらえると思います」と、ティル・シェアCEOは続けました。自信に満ちたCEOのプレゼンテーションのあとは、もう少し近寄ってT-Rocを見てみましょう。

↑左からT-Roc「TDI Sport」、「TDI Style Design Package」、「TDI R-Line」。All My T-Roc! VW新ロゴと共に

 

T-Rocの4つの特徴【その1】エクステリアデザイン&ボディカラー

ヘッドライトと一体となったフロントグリルやヘッドライトの下にLEDのデイタイムライトを装備したフロントデザインは、T-Rocの特徴のひとつ。大型エアインテークとアンダーボディガード、リアディフューザーによりSUVらしい力強さを表現し、クロームのウィンドウトリムはロングルーフの流麗なクーペをイメージ。さらにツートンのボディカラーでは全高を低く見せる視覚的効果を生み、スポーティな印象を与えます。T-Rocは、オンでもオフでもスタイリッシュに乗ることができるデザインが魅力でしょう。

↑都会的に洗練されたT-Rocのスタイリッシュなデザイン。独特の形状のバンパーをもつTDI R LINEのみ、全長が10mm長くなります

  

↑TDI SportのLEDヘッドライト

 

↑LEDデイタイムランニングライト

 

↑流麗な曲線を描くリアビュー。TDI R-Lineグレードでは専用のフロント&リアバンパー、サイドスカート、リアスポイラーを装着しています

 

用意されているグレードはTDI Style、TDI Style Design Package、TDI Sport、TDI R-Lineの4つ。

↑ベーシックなTDI Style

 

↑ホワイト/ブラックのルーフカラーを選べるTDI Style Design Package

 

↑18インチアルミホイールの採用などスポーティグレードのTDI Sport

 

↑19インチアルミホイールに加え、アダプティブシャシーコントロールによる乗り心地調整機能を備えたTDI R-Line

 

ボディカラーは9色の基本バリエーションがあるだけでなく、グレードによってはブラック、ホワイトのルーフカラーを追加料金なしで選択することができます。2トーンボディはVWのSUVでは初めての採用となり、ポップな色合い、シックな色合いが用意されていて、色を選ぶ楽しみも味わうことができます。

↑カラーバリエーションの基本は9色。それに加えグレードによっては、ホワイトかブラックのルーフカラーが選べます

 

T-Rocの4つの特徴【その2】Golf以上のユーティリティ

インテリアは2590mmのロングホイールベースを活かし、乗員5人に対し十分な室内空間を提供。各種メーター類を水平に配置することで、運転中の視線移動を少なく自然に行えるよう設計されています。また、VW純正インフォテインメントシステムの「ディスカバープロ」とデジタルメータークラスター「アクティブインフォディスプレイ」により、インテリアの洗練度がアップ! ハンドル右のスポーク部にあるボタンで、アクティブインフォディスプレイに表示する情報を選択できます。メーター、カーナビ、車両の情報などをあらかじめ設定することで欲しい情報が見やすい場所に表示できるのです。

↑ステアリングホイールの右スポーク部分にファンクション切り替えスイッチがあります

 

↑アクティブインフォディスプレイに車両情報とナビを映したところ

 

↑スピードメーター、タコメーターとカーナビの画面を同時に表示できます

 

TDI Design Packageではエクステリアデザインに合わせ、ブルー、イエローのインテリアカラーを選ぶことが可能です。同色のデコラティブパネル、シートのステッチが与えられます。

↑イエローのデコラティブパネルを装着したTDI Design Package

 

ラゲッジスペースの容量は5人乗車時で445L。後席をすべて折り畳んだ時には最大1290Lと、このクラストップレベルの容量となります。ちなみに、その容量は同社のゴルフ以上。

↑たっぷりの収納力を発揮し、オンタイムもオフタイムも充実させます

 

通常時はラゲッジスペースが少々上げ底になっていますが、リアシートを畳んだ時にフロアがフルフラットになります。さらに、フロアを低く下げるとリアシートを倒さなくてもラゲッジスペースがたっぷりと増えます。デイリーユースはもとより、週末に家族や仲間と共に出かける時にも充分なラゲッジスペースが用意されているのです。

↑リアシートを倒した時は、ラゲッジスペースのフロアを上げ底状にするとフラットな荷室となります

 

↑5人乗車時でもラゲッジルームの床を一段下げればこれだけの収納できます

 

T-Rocの4つの特徴【その3】ドライバビリティ

そして3つめの特徴は、走りです。高効率な4気筒2L、TDIクリーンディーゼルエンジンによる走りは、ロングドライブも快適。エンジンの最高出力は110kW(150PS)/3500-4000rpm、最大トルクが340Nm(34.7kgm)/1750-3000rpmとなります。

 

最高出力、最大トルクの発生回転域が広く、クリーンディーゼルならではの余裕のある走りと高い経済性の両立をはかっています。組み合わされるトランスミッションは7速のDSGです。

↑クリーンディーゼル2.0L TDIエンジンと2.0L TDIエンジンの性能曲線

 

なお、燃料消費率はJCO8モードで19.5km/Lで、WLTCの高速道路モードでは21.0km/Lです。

 

T-Rocの4つの特徴【その4】全グレード標準の上位予防安全装備

最後、4つめの特徴は予防安全装備です。MQBプラットフォームにより、今まで上位機種に採用されている充実した予防安全装備が全グレードに用意されました。全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)や、車線の逸脱防止などをサポートするLane Assist(レーンキープアシストシステム)を標準装備。これによって快適で安全な運転が実現しました。

 

近年では、車内の人の安全だけでなく、車外の人に対する「対人安全性」が重要視されています。VWでは歩行者などの人を検知するシステムにカメラではなくレーダーを用いて、雨や夜の視界の悪い時に人を見つけやすい特徴があります。このような上位機種に使用されていた安全装備がクラスを超えて充実しているのもT-Rocの特徴ですね。

↑ACC作動イメージ。上級車種と同等の予防安全装備が充実しています

 

いかがでしょう、オールマイティに使える丁度良いSUV。VW T-Rocのイメージは掴めたでしょうか? 平日は街での生活を豊かにしてくれるT-Roc。スポーティで都会的なデザイン、そのコンパクトなボディと日本の道でも扱いやすい操作性によって週末には街を出ることが楽しみになります。

 

気になる各グレードの販売価格(すべて税込)はTDI Styleが384万9000円、TDI Style Design Packageが405万9000円、TDI Sportが419万9000円、TDI R-Lineが453万9000円となります。

↑各グレード別の外観イメージ

 

 

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【1分でわかる】三菱自動車「エクリプスクロス」ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今春に発売されたクーペ風SUV三菱自動車「エクリプスクロス」を紹介します。出来映えは上々で、作り手独自のキャラクターも実感できる仕上がりです。

 

三菱が満を持して送り出すクーペ風SUV

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三菱自動車
エクリプス クロス

 

クーペ風の仕上がりながら荷室は実用的な広さを確保

三菱としては久々の新作となるエクリプス クロスは、SUVとクーペの魅力を融合させたクロスオーバーモデル。そのボディは、同門のRVRより若干大きい程度で、日本の道路でも扱いやすいボリュームとなっています。

 

最大の特徴はリアピラーを傾斜させたスタイリッシュな外観にありますが、かつてパジェロで一世を風靡したSUVの老舗の作とあって、実用性の高さも見逃せません。後席は大人でも余裕のあるスペースを確保。クーペ風とはいいつつ、荷室も実用的な広さを実現します。

 

今回はプロトタイプに試乗しましたが、その走りは手堅い仕上がりでした。エンジンは1.5リットルのターボで、動力性能は必要にして十分という水準をキープしながら、実用域では充実したトルクを発揮して扱いやすいです。サスペンションもしなやかさを感じさせる設定とあって、ライド感は快適。個性的なSUVをファーストカーとして探している人なら、ぜひとも注目すべき一台といえそうです。

 

発売時のエンジンは1.5Lターボ

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正式デビュー時の搭載エンジンは、1.5ℓのガソリンターボのみとなる予定。SUVで人気のディーゼルがその後追加される予定があるそうです。

 

インテリアもスポーティ仕立て

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その外観同様、インテリアもスポーティな造形が特徴的。接続したスマホを操作できるタッチパッドコントローラーも装備します。

SUVとしての実用性も高レベル

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後席にスライド機構を採用したことで、荷室をフレキシブルに使えます。9インチのゴルフバッグが4個積載できる広さも魅力です。

 

クーペ風味はコンセプトカーから継承

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2013年と15年に発表されたショーモデル、コンセプトXRを源流とするスタイリングはクーペ的なテイストを醸します。RVR比で全長が40mm、全幅は35mmの拡大となります。

【1分でわかる】プジョー 5008ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今回は実用性の高さが光る7人乗りフランス産SUVの新作をピックアップしました。

 

ミニバンから7人乗りSUVに転身

 

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プジョー
5008

SPEC【GTブルーHDi】 ●全長×全幅×全高:4640×1860×1650mm ●車両重量:1690kg ●パワーユニット:1997cc直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ ●最高出力:180PS/3750rpm ●最大トルク:40.8㎏-m/2000rpm ●カタログ燃費:17.3km/リットル

【LINE-UP】

<アリュール>
エンジン:1.6ℓ+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:404万円

<GTブルーHDi>
エンジン:2.0ℓディーゼル+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:454万円

 

見た目は個性的でも「使える」 プジョーらしい仕上がり

5008は実直なコンパクトミニバンから一転、3列シートを備えたSUVへとクラスチェンジを遂げました。その外観は3008譲りの精悍な顔つきが印象的ですが、プジョーらしさを感じるのは実用性の高さ。2人掛けとなる3列目シートは狭そうに見えるものの、大人でも快適な広さを確保。加えて、荷室の使い勝手はこの種のSUVでは間違いなくトップレベルの水準に仕上げられていて、アクティブに乗りたい人にも自信を持ってオススメできます。

 

日本仕様のエンジンは1.6リットルのガソリンターボと2リットルディーゼルターボの2種ですが、動力性能は前者でも十分に実用的。後者ならより力強い走りを堪能できます。トレンドになりつつある「3列シート SUV」のなかで、デザインにも実用性にもキャラクターを感じられるモデルです。

 

【注目ポイント01】3008のボディ後部を大幅に延長

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フロントドアより前は3008と共通ながら、そこから後ろはオリジナルの形状を採用。全長は3008比で190㎜の延長となります。

 

【注目ポイント02】個性的な仕立てはプジョーならでは

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極端に小径のステアリングは、最新プジョーでは定番。インパネ回りはデザイン性の高さも魅力です。

 

【注目ポイント03】荷室の使い勝手はトップレベル!

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荷室は3列目を格納した状態で702ℓ。最大では1862ℓに達するという大容量を実現しています。

 

【中年名車図鑑】“海外ブランド”を巧みに活用したSUVの先駆け

1980年代初頭、厳しい排出ガス規制やオイルショックを乗り越えた日本の自動車メーカーは、新しいクルマのカテゴリーを模索していた。そんな状況下、いすゞ自動車はひとつの方針を打ち出す。アメリカ市場で人気を獲得していたスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の設定だ。今回は日本におけるSUVの先駆的なモデルである初代ビッグホーン(1981~1991年)の話で一席。

【Vol.59 初代いすゞビッグホーン】

アメリカで生まれ、発展したレクリエーショナルビークル(RV)の1ジャンルであるスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)――今でこそクルマのカテゴリーとして日本でも浸透しているが、1980年代初頭はまだ一般に認知されていなかった。そこに白羽の矢を立てて、いち早く国産SUVをデビューさせたのがいすゞ自動車だった。

 

いすゞは1979年に4WDピックアップのファスター・ロデオをリリースする。凝ったカラーリングの内外装に乗用車的な装備群、そして駆動方式は4×4。純粋に荷物を運ぶピックアップではなく、遊び心満点のレジャーカーに仕立てていた。日本ではそれほど注目されなかったが、アメリカ市場では提携関係にあったGMのシボレー部門からも販売されて成功を収める。アメリカではこの種のクルマが売れる。それにアメリカ流のクルマの使い方は、やがて日本でも流行するはず――いすゞの首脳陣はそう読み、新たな4WDモデル、具体的には当時のアメリカで人気を高めていたSUVの企画を推し進めることとした。そして、オフロードでも街中でも新鮮な印象を与える内外装を持つ、手ごろなボディサイズとする、道を選ばぬ快適な乗り心地と操作性により長距離ドライブが楽しめるキャビンを創出する、マルチパーパスにふさわしい広いユーティリティスペースを持つカーゴルームを備える、従来の4WDを凌ぐ悪路走破力と高い信頼耐久性を持つ4WD機構を開発し装備する、日本国内はもちろん海外にも通用する国際感覚を持たせる、という商品コンセプトを掲げた。

 

■“大角鹿”の車名を冠して市場デビュー

1981年に登場した「ロデオ・ビッグホーン」。“プアマンズ・ローバー”という不本意なニックネームも

 

開発陣は試行錯誤を繰り返しながら、1981年9月にはついに新ジャンルのSUVのリリースにこぎつける。車名は「ロデオ・ビッグホーン」を名乗った。ビッグホーンはロッキー山脈に生息する大角鹿の名前。ワイルドで力強いルックスと高い走破性にちなんで、このネーミングを採用した。未知の分野のクルマで、しかもピックアップをベースとしたことから、デビュー当初のロデオ・ビッグホーンは車種ラインアップを2ドアのバン(ホイールベース2300mmのショートと同2650mmのロング)およびソフトトップ(同2300mm)の3タイプに絞る。搭載エンジンはC223型2238cc直列4気筒渦流室式ディーゼル(73ps/14.2kg・m)を採用。駆動システムにはFRと4WDの切り替えが可能なパートタイム式を導入した。

ロデオ・ビッグホーンのインテリア。車種は2ドア2タイプとソフトトップの計3タイプ

 

意気揚々と市場に放たれたロデオ・ビッグホーン。しかし、当時の市場での注目度はいまひとつだった。1980年代初頭は各メーカーから高性能スペシャルティカーが続々とデビューし、流麗なスタイリングやハイパワーのスペック、ハイテク機構などがモノをいう時代で、ロデオ・ビッグホーンのキャラクターはやや地味に映ったのだ。また、ピックアップ譲りの走りも非力な印象。ルックスについても、英国のレンジローバーに似ていたために“プアマンズ・ローバー”という不本意なニックネームがついてしまった。悪いことは重なるもので、さらにロデオ・ビッグホーンには強敵が出現する。三菱自動車工業が開発したパジェロ(1982年4月デビュー)だ。ルックスはロデオ・ビッグホーンよりも強面で目立ち、車種ラインアップも豊富。結果的に販売成績は、パジェロの後塵を拝することになった。

 

■“新生ビッグホーン”の登場

1984年に「ロデオ」を省いた“新生ビッグホーン”が誕生。写真は2ドアロングモデル

 

市場でのシェアを拡大しようと、いすゞの開発陣は工夫を凝らしたロデオ・ビッグホーンの改良を画策する。まず車種ラインアップでは、SUVとしての特性を強調するために乗用モデルのワゴンの設定を決断。内外装は既存のバンよりも大幅にグレードアップさせ、とくにシートの座り心地の引き上げや装備類の充実にこだわった。搭載エンジンについては、主力ユニットのC223型ディーゼルにターボチャージャーを装着。加えて過給圧が高まると排気を逃がしてタービンの回転を調整するウエストゲートを採用し、低回転域から高回転域までのフラットなトルク特性を実現した。パワー&トルクの数値は87ps/18.7kg・mにまでアップする。高出力化に合わせて制動性能も見直し、マスターバックの拡大(7インチ→8インチ)やプロポーショニングバルブの採用などを敢行した。一方、シャシーについても徹底したリファインが図られる。前・ダブルウィッシュボーン/後・縦置半楕円リーフのサスペンションはチューニングを見直し、ピッチングを最小限に抑えた設定に変更。スタビライザーバーのサイズアップも実施する。タイヤは既存の6.00-16-6PRLT/H78-15-4PRに代わって215SR15を装備した。

 

1984年1月、ロデオが省かれて単独ネームとなった“新生ビッグホーン”が満を持して市場デビューを果たす。“ザ・リアル・ステーションワゴン”と称する2ドアのワゴンモデルはショートとロングの2タイプがラインアップされ、ともにエンジンはターボチャージャー付きC223型ディーゼル(C223-T型)が積み込まれた。さらに1985年6月になると、燃料タンクの増量(50L→83L)や5速MTの搭載、4ZC1型1994cc直列4気筒OHCガソリンエンジン(105ps/16.6kg・m)仕様の設定などを実施。翌7月にはロングボディの4ドア化を図った。

 

■「イルムシャー」と「ロータス」の登場

イルムシャー社の足回り、レカロ製シートとモモ製ステアリングをおごるビッグホーン・イルムシャー

 

乗用モデルの追加によって、商品力がアップしたビッグホーン。しかし、販売成績は伸び悩み続けた。市場でのSUVの注目度は“ヨンク”と称されて急上昇したものの、その人気はビッグホーンよりも三菱パジェロやトヨタ・ハイラックス・サーフといったドレスアップ映えする後輩たちに集中してしまったのである。

1990年1月にはロータス社が足回りを仕立てたスペシャルエディション・バイ・ロータスをリリース

 

いすゞはテコ入れ策として、海外ブランドの活用を選択する。まず第1弾として、ドイツのチューンアップメーカーであるイルムシャー社と提携。1987年10月にはイルムシャー社が足回りをセットし、レカロ製シートとモモ製ステアリングを装着したビッグホーン・イルムシャーを発売する。また、搭載エンジンに4JB1-T型2771cc直列4気筒OHC直噴ディーゼルターボ(110ps/23.0kg・m。後にインタークーラーが付いて115ps/24.0kg・mにアップ)を設定。さらに、ラグジュアリー仕様のエクスポートをラインアップした。1988年6月になるとオーバーフェンダーを備えたイルムシャーRを追加。

 

1988年11月にはイルムシャーGとSを設定し、Gにはガソリンエンジンの4ZE1型2559cc直列4気筒OHC(120ps/20.0kg・m)を搭載する。1990年1月には、オンロード性能を高めた最上級バージョンとしてロータス社が足回りを仕立てたスペシャルエディション・バイ・ロータスをリリースした。

 

車種設定の積極的な拡充を図り、SUVとしての評価も高まったビッグホーンは、1991年12月になると全面改良が実施され、より高性能で高品質な第2世代に移行する。そして、いすゞならではの堅実なSUV造りと息の長いモデルライフは、2代目にもしっかりと受け継がれることとなったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

次のスーパーカーSUVとなるか、ブガッティ「シロン」のSUVを大予想!

2017年にはランボルギーニが新型SUV「ウルス」を発表したが、同年の終盤にはロータスから開発中のSUVの画像が流出したり、2018年1月のデトロイトショーでは、フェラーリのCEOが同ブランド初のSUVを2019年から2020年に発売……と言及するなど、世界中のプレミアム市場ではスーパーSUV時代の到来が予想されている。

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ポルシェ「カイエン」、マセラティ「レヴァンテ」、アストン・マーティンは「DBX」を2019年にも発売予定で、残るメジャーなスーパーカーメーカーはマクラーレンとブガッティとなってきそうだ。しかしマクラーレンのチーフデザイナーは「将来SUVを発売することは絶対にない」とメディアに語っていることから、注目はブガッティに集まる。

 

そこでロシアの有名CGアーティスト、Aksyonov Nikita氏がブガッティの最新スーパーカー「シロン」をベースに作成したCGを、SNSに公開して話題となっている。

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ブガッティ特有の馬蹄型フロントグリルやL字のデイタイムランニングライトを備えたシロン風ヘッドライト、バンパーにはワイドはエアダクトを備え、リアではLEDストリップライトや大型ディフューザー、ツインエキゾーストパイプが特徴的。

 

パワートレインは、最高出力1200ps、W型16気筒クワッドターボクラスとなるに違いないが、2009年にも4ドア「16Cガリビエール コンセプト」を発表していることからも、ブガッティ初のSUVは実現の可能性が高いと見られている。

ランボルギーニ初のSUV「ウルス」見参!

以前からウワサされていた通り、ランボルギーニのスーパーSUV、「ウルス」が発表となりました。

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ルックスは見ての通り、いかにもランボルギーニ然としたもの。アヴェンタドールやウラカンとも共通といえる意匠があちこちに見つけられるのがオモシロイです。4枚のドアはLM002以来、テールゲートはランボ初、広々としたゴージャスなキャビンは5人乗り。ここまで実用的と思しきモデルはランボルギーニ史上初といっていいでしょう。

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フロントに搭載されるエンジンは、何とランボ初のターボ付きとなる4リットルV8ツインターボ。自然吸気のV12でもV10でもないのは、悪路をも念頭に置いた低回転域でのトルク対策なのだとか。650㎰/6800rpmに850Nm/2250〜4500rpmというスペックを持つこのエンジンは、アウディRS 6アバントのそれをランボ用にチューンナップしたものと見ていいでしょう。8速ATとの組み合わせで、0→100km/h加速は3.6秒、0→200km/h加速は12.8秒、最高速度は305km/h。

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SUVじゃなくていいじゃんという気もしないでもないけど、並みのクルマじゃない「イチバン!」が好きな人には堪らない強烈な魅力であるのは間違いないでしょうね。 駆動はいうまでもなく悪路にもアジャストできる4WDで、アクティブトルクベクタリングとリヤホイールステアリング付き。 道を選ばず最速な、何ともすごいランボルギーニの誕生です。

 

※車両本体価格=25,740,000円(税別)

次期型BMW「X5」はこれだ! シンプルなフロントエンドが特徴的

2018年9月のフルモデルチェンジが噂されている、BMWのミドルクラスSUV「X5」の次期型のレンダリングCGを入手。それによると、現行モデルよりもフロントエンドはかなりシンプルなデザインになる模様だ。

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この次期型「M5」のレンダリングCGはフルヌードに近い開発車両をベースに起こされているようで、ほぼ市販モデルの最終デザインと言ってもいいだろう。「X2」に近いアウトラインに、BMW最新世代のヘキサゴンLED、存在感のある大型キドニーグリルを装備。またルーフエンドには若干の傾斜を持たせているようだ。

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パワートレインは最大出力251ps、最大トルク350Nmを発揮する2.0リッター直4ターボエンジン、最高出力335ps、最大トルク450Nmを発揮する3リッター直6ターボエンジンや、プラグイン・ハイブリッドがラインナップされると見ているが、その頂点には4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載した「X5 M」が君臨し、そのパワーは600ps、800Nm以上を発揮するという。

【1分でわかるマツダCX-8】“3列SUV”の至福を堪能せよ!インテリアの質感までこだわったマツダの最新作

これまでもSUVを出してきたマツダが、年末に新型モデルを投入しました。本モデルは「大人がきちんと座れる」をコンセプトに、インテリアにとことんこだわっています。ここでは、そんなこだわりの数々を紹介します。

 

色や素材の一つひとつに吟味を重ねたこだわりモデル!

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マツダ CX-8

319万6800円~419万400円

国内市場向けのSUVでは最上位となる3列シート・クロスオーバーモデル。3列目まで「大人がきちんと座れる」パッケージングを実現。デザインは風格や質感にこだわり、インテリアの色や素材の一つひとつに吟味を重ねています。

SPEC【XD Lパッケージ4WD】●全長×全幅×全高:4900×1840×1730㎜●車両重量1830㎏●パワーユニット:2188㏄水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ●カタログ燃費:17.6㎞/ℓ

 

20171224_bln05_2↑3列シートで6〜7人乗り。空間の広さに加え、質感の高いインテリアによって快適な乗り心地を実現します

 

20171224_bln05_3↑ボーズの音響システムをオプションで用意。ボーズとマツダのエンジニアが共同で丁寧に音作りを行っています

 

 

SUVのイメージを覆す快適かつ上質な空間を実現

17年2月にミドルサイズのCX-5、6月にはコンパクトなCX-3と、継続的にSUVをリリースしてきたマツダが、年末に“本命”の新型CX-8を投入しました。ファミリー向け3列シートといえばミニバンが定番ですが、取り回しの良い“3列SUV”は最近のトレンド。

 

とはいえ、どうしても“3列目”に割けるスペースが限られてしまうのが課題でした。CX-8では「大人がきちんと座れる」パッケージングを標榜し、快適な空間を実現。CX-5より全長は伸びましたが、取り回しの良さも上々。上質なインテリアも含めて、SUVのイメージを覆す意欲作といえます。

【1分でわかる】ポルシェSUVを改めて取材ーーカイエンとマカンに共通する「ポルシェらしさ」とは?

本記事では、ポルシェのSUVであるカイエンとマカンにおける最大の魅力を簡単にお伝え!

 

同2車種は「SUVである以前にポルシェ」と乗り手に実感させる走りのキャラクターです。もちろんSUVに求められる要素、例えば室内や荷室の使い勝手は同クラスのライバルに見劣りするところはないし、いざとなれば背の高い見た目相応の悪路走破性も披露してくれます。しかし、この両車だからこその強みは、やはりオンロードでのスポーツ資質の高さなのです。

 

特に、前後のタイヤサイズを変えてまで操縦性を磨いているマカンは、積極的に振り回すのが楽しいほど。ハンドリングの切れ味がここまで鋭く、なおかつ正確なSUVはほかにないと断言できます。

 

そんなマカンと比較すれば兄貴分のカイエンは多少大人びているが、こちらもスポーツ性はクラス随一。また、カイエンではプラグインハイブリッド仕様が選べることも魅力のひとつです。EVとしても使えるだけに、自然の中に分け入るようなSUV本来の用途でもクリーンに走れるのです。

 

ポルシェの国内販売はいまや4ドアモデルが6割!

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ポルシェといえば911に代表されるスポーツカーのイメージが強いですが、販売の主力はカイエンやマカン、そしてパナメーラといった4ドアモデルです。2016年度はマカンが国内のトップセラーでした。

 

【カイエン】「進撃のポルシェ」を支える立役者

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ドイツ本国では3代目が発表済みですが、日本では来春まで現行モデルが販売されるカイエンは、ポルシェの好業績を支える立役者となっています。6グレード構成で、価格は894〜2273万円。試乗車はプラグインHVのカイエンSEハイブリッド。EU基準で約18〜38㎞のEV走行が可能です。

 

【マカン】昨年度は“一番売れたポルシェ”に

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当初は注文が殺到し、中古車市場ではプレミアム価格で取り引きされていたマカンだが、発売から3年を経てようやく安定した供給体制になりました。日本向けは5グレード構成で、価格は699~1194万円。写真の試乗車は2ℓターボを搭載したベーシック仕様です。

アルファロメオから新たにSUVが2モデル登場か! フラッグシップSUVには550ps以上モデルも!?

アルファロメオ初のSUVとなった2016年登場の「ステルビオ」が2018年にも日本導入されるが、ここに来てさらなるSUVが2モデルも開発されているという。「ステルビオ」よりコンパクトなエントリーモデルとなる「カマル(仮称)」と、最上位に位置する「カステロ(仮称)」だ。

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「カマル」も「カステロ」もステルビオから流用されるジョウジオプラットフォームを採用するというが、「カステロ」は3列7人乗りレイアウトのフルサイズSUVになるという。

 

パワートレインは直列4気筒エンジン、及び、V型6気筒エンジンを搭載し、ベースモデルの最高出力は330ps程度となるが、ハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」は最高出力550ps以上が予想される。

 

ワールドプレミアは「カマル」が2019年、「カステロ」は2020年と見られている。

 

 

 

トヨタがSUVの新コンセプト、FT-ACをLAショーに出展

トヨタは現在開催中(12月10日まで)のロサンゼルス・オートショーにて、小型SUVのコンセプトカー「FT-AC(Future Toyota Adventure Concept)」を公開した。

FT-ACは、山岳地帯でのキャンプや川下り、マウンテンバイク走行など、本格アウトドア活動を楽しむユーザーをターゲットに、アクティブな休日の過ごし方を提案するデザインコンセプトとして企画。具体的には、「ランドクルーザー」などトヨタSUVの伝統を踏襲した力強く大胆なデザインとSUVならではの悪路走破性に加えて、取り外し可能なフォグランプやサイドミラー付属のカメラのほか、撮影映像をクラウドにアップロードする車載Wi-Fiなどを装備することで、アウトドアをいっそう楽しくするようなクルマを目指したという。

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エクステリアデザインでは、拡幅したフロントグリルと側面まで回り込んだLEDヘッドライトが特長となるフロントスタイルのほか、ロングホイールベースとワイドフェンダーに20インチホイールを装着し、SUVらしい力強く大胆なスタイリングを強調しているのが特色となっている。

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また、最低地上高の高さに加えフロントとリアにアンダーガードを装備することで、多彩な「冒険」を可能にする悪路走破性を表現。ボディカラーには、鮮やかなグリーンとグレーの2色のコントラストを出すことで、アウトドアにおけるアクティブさが表現されている。

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アウトドアに必要なアイテムを搭載するルーフラックには、モバイル端末で調光可能なLEDライトを装着。ライトは夜間や悪天候時の走行をサポートするだけではなく、サイドミラー付属の赤外線カメラのフラッシュとしても使用可能。また、マウンテンバイク搭載用に、格納可能なラックをリアに装備。フォグランプは取り外し可能とし、懐中電灯やマウンテンバイク用ライトとしても活用できるようになっている。

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サイドミラーには取り外し可能な小型カメラを装着し、悪路走行の記録などに活用可能。撮影データは、車載Wi-Fiからクラウド上のストレージに自動でアップロードし、スマートフォンなどのモバイル端末からリアルタイムでの写真・動画の編集やSNSへの投稿を可能としている。また、車両の位置情報を発信することで、FT-ACをベースキャンプとした周辺探索が安心して楽しめるようになっている。

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コンセプトモデルとしては、パワートレインにガソリンエンジンを想定。ドライブトレインには、左右後輪に駆動トルクを適切に配分するトルクベクトル式4WDシステムを設定し、最適なトラクションコントロールにより路面に応じたセッティング切替機能やディファレンシャルロック機能を可能とする。これにより四輪の最適なグリップ制御を行ない、優れた操縦安定性とダイナミックな走行性能を実現。さらに、低燃費と4WDシステムの走破性を両立した次世代ハイブリッドパワートレインの搭載も想定しているとのことだ。

ランボルギーニ・ウルスが正式デビュー!

アウトモビリ・ランボルギーニは12月4日、同社第3のモデルとなる新型SUV「ランボルギーニ・ウルス」を本国で発表した。日本市場における税込車両価格は2779万9200円で、デリバリーは2018年春からを予定している。

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発表に際して、アウトモビリ・ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリは次のようなコメントを発表した。

 

「ウルスは、ランボルギーニのDNAを最も汎用性ある車両、SUVに吹き込むという明確なビジョンを持ったアプローチを行ない、これまで不可能だったスーパーSUVというレベルに到達しました。デザイン、パフォーマンス、ドライビング、エモーションの点で真のランボルギーニであると同時に、さまざまな環境に適したクルマです。ウルスはハイパフォーマンスカーとして、ランボルギーニ・ファミリーにフィットします。新しいタイプのファイティングブルを生み出すための研究開発の集大成であり、お客様と当社にとって、新たな可能性の扉を開く スーパーSUVです。」

 

 

ボディサイズは全長5112×全幅2016×全高1638mmで、ホイールベースは3003mm。搭載されるパワーユニットは、650ps/850Nmを引き出す4リッターV8ツインターボ。8速ATを組み合わせ、4ホイールステアリングを装備した4輪で駆動する。そのパフォーマンスは乾燥重量2200kg以下のボディを停止から3.6秒で100km/hに到達させる高水準のもの。最高速は305km/hと発表された。

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走行モードは、「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」のオンロードモードに加えて、「ネーヴェ(雪上)」を設定、さらにオプションで「テッラ(オフロード)」と「サビア(砂漠)」の2モードが追加設定可能だ。

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エクステリアデザインは、LM002やランボルギーニの伝統の基本となるスーパースポーツカーからヒントを得たもの。全体の2/3がボディ、残りの1/3がウインドーという、ランボルギーニ・スーパースポーツカーの比率を採用。ダイナミックなクーペスタイルが特徴的だ。

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キャビンは最大5人が乗車できるスペースを確保。短いオーバハングが、強さやたくましさ、 ダイナミックで自信に溢れたキャラクター、そして路面を遠くまで見渡せるポジションを感じさせるものとなっている。インテリアのデザインはラグジャリーSUVでありながらスーパースポーツカーのダイナミズムを備えたもので、ランボルギーニらしさを実感させる。

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そのほか、最新のインフォテイメントシステムや先進運転支援システムが惜しみなく採用されているのが新世代モデルらしい。

 

 

 

SUVのレジェンド、ジープ・ラングラーの新型が間もなくデビュー!

FCAグループは10月31日、ジープの本格クロスカントリーSUVである「ジープ・ラングラー」をフルモデルチェンジし、11月29日に開幕するロサンゼルス・ショーで初公開すると発表。ワールドプレミアに先駆けて、3枚の写真とティザー動画を公開した。

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公開された写真は4ドアの「アンリミテッド」と2ドア仕様の高性能版「ルビコン」。ジープブランドのアイコンである7スロットグリルや円形ヘッドライトといったディテール、そしてラングラーならではの無骨なフォルムは継承されながらも、洗練性を感じさせる最新世代モデルにふさわしいアピアランスを備えている。

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ジープ・ラングラーは1987年に初代(YJ)が誕生。1996年に2代目(TJ)、そして2007年に現行の3代目(JK)と生まれ変わってきた。まもなくデビューする新型は、10年ぶりの全面改良となる4代目ということになる。

 

 

 

【東京モータショー2017】EVとSUVという強みを活かした「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」

1917年に日本初となる量産乗用車の「三菱A型」を製作した三菱重工業時代を含めてではあるが、今年で100周年を迎えた三菱自動車。益子修CEOは、先に発表された2019年度までの中期計画「DRIVE FOR GROWTH」について触れ、ルノー・日産アライアンスのスケールメリットを最大限活かし、EVや自動運転などに積極投資すると改めて表明。中期計画の第1歩となるのが今年度中に日本での発売がアナウンスされている新型SUVのエクリプスクロスで、今回は初めて右ハンドルの日本仕様が出展されている。

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次の100年に向けて「三菱自動車をリニューアルする」と表現したのは、引き続き登壇した山下光彦副社長。SUVやEV、PHEVといった同社の強みに磨きを掛けるとしている。市販間近のエクリプスクロスとともに披露されたコンセプトEVの「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」は、フロントに1、リアに2つのモーターを配置し、得意とする4WD制御により、EVでも三菱らしい旋回性の高さを実現するという。新たな時代の「EVエボ」には、AIも搭載され、今後のクルマ作りが提示されている。

 

MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT

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フロントマスクの特徴である「ダイナミックシールド」をよりスポーティに仕立て、高めの地上高やロア部を内側に絞り込むことによりSUVらしさを強調。内装は宙に浮いたようなフローティング式のインパネと小型のメータークラスターが特徴。ディスプレイには、ボンネットに隠れて見えない地面や前輪の動きまで表示される。フロントに1つ、リアに2モーターの新開発「デュアルモーターAYC」を採用し、高い旋回性能を実現。

 

エクリプスクロス

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エクリプスクロスの日本仕様は今回が初公開。サイズは全長4405×全幅1805×全高1685㎜で、RVRとアウトランダーの中間をカバーする。パワートレーンは新開発の1.5リットル直噴ガソリンターボと8ATの組み合わせで、2.4リットルのNAエンジン並のトルクと高い燃費性能を両立するという。プラットフォームはアウトランダーと共通なので将来のPHEVの設定も期待される。操作系では新たにタッチパネルコントローラーが採用される。