TCL、日本市場初のドラム式洗濯機!節水性に優れ、スリムボディ「CWD60AW」

TCL JAPAN ELECTRONICSは、日本市場初となるドラム式洗濯機「CWD60AW」の先行予約を、クラウドファンディングサイトGREEN FUNDINGで3月13日に開始しました。予約期間は4月15日までです。

記事のポイント

独自の水流制御と効率的な洗浄システムで、節水しながらも衣類をしっかり洗い上げて汚れを落とすという一台。エコでお財布にも優しく、省スペースです。なお乾燥機能はついていないので、ご注意を。

 
「CWD60AW」の最大の特徴は、奥行き約48cmというスリムなボディ。一般的な洗面台とほぼ同じサイズで、限られたスペースにも設置可能です。高さも約87cmとコンパクトで、空間を有効活用できます。

 

節水性に優れているのもポイント。縦型洗濯機6kgクラスに比べて使用水量を約半分に抑え、環境にもお財布にも優しい設計です。

 

洗濯コースは8種類あります。デリケートな衣類向けの優しい洗いから、頑固な汚れを落とすコースまで、衣類やライフスタイルにあわせて選べます。

 

約40℃のお湯で洗う「お湯洗いコース」は、皮脂汚れやニオイ対策に有効です。また、約60℃のスチームでシワを伸ばす「しわケア・消臭コース」は、アイロンがけの手間を減らしたいときに便利です(※洗濯機能ではありません)。

 

TCL
ドラム式洗濯機「CWD60AW」
想定価格(税込):5万9800円
標準洗濯容量:6.0kg
外形寸法:幅600×奥行480×高さ865mm
標準使用水量:50L
製品質量:51kg
運転音:洗い時32dB/脱水時45dB

TCLがオリンピックのデジタル体験を変えるか?中国・北京で目撃した戦略的提携の背景

トヨタ、ブリヂストンなど、2024年末ですべての日本メーカーがIOCの“最高位スポンサー”としての契約を終了したのは記憶に新しいところ。なかでも話題になったのは、松下電器産業(当時)が1987年に締結(パラリンピックは2014年から契約)して以来、37年間継続してきたパナソニックが、この“枠”から撤退したことだろう。パナソニックはAV機器や生活家電を提供してきたが、この枠に次はどこがおさまるのか? その答えが出たようだ。

 

現地の様子

2月20日、青空が広がる北京。日陰では体感気温1〜2度と厳しい寒さの中、北京国家水泳センターには総勢450名の関係者・報道陣が集まった。その目的は、TCLグループ(以下、TCL)がIOCと新たなスポンサー契約を締結するという、同社にとって歴史的な瞬間に立ち会うことである。

2008年の北京オリンピックでは競泳会場として、2022年の北京冬季オリンピックではカーリング会場として使用された施設であり、現在もスポーツイベントの舞台として活用されている。

 

2008年の北京オリンピック時に建設された通称「鳥の巣」の向かいに建つ。

 

TCLとは?

まずはTCLについておさらいしておこう。TCLは1981年に設立され、現在は世界46カ所の研究開発(R&D)センターと38の製造拠点を有し、160以上の国・地域で事業を展開するグローバルブランドである。主要事業は「家電」「ディスプレイ技術」「クリーンエネルギー」の3分野で、2024年のテレビ出荷台数は前年同期比14.8%増の2,900万台。2年連続で世界シェア第2位の座をキープした。なかでも、強みとするMini LEDテレビの世界出荷台数は前年比194.5%増という急成長を遂げている。

 

イベントの模様

イベントは少数民族の少年少女による合唱団のパフォーマンスで幕を開けた。その後、TCLの創業者であり会長を務める李東生(リ・トウセイ)氏が登壇し、続いてIOC会長のトーマス・バッハ氏がスピーチを行った。また、オリンピアン・パラリンピアンによる座談会が開かれたのち、契約締結式と記念品交換が行われた。(写真はTCL提供)

 

↑バッハ会長もオリンピアンだ。現役時代はフェンシングのフルーレ競技で活躍し、1976年のモントリオールオリンピックでは西ドイツ代表として金メダルを獲得した。任期は2025年6月までで、本イベントが最後の公式登壇となる見込み。(写真はTCL提供)

 

↑李東生氏は、フランス・トムソン社のテレビ事業やアルカテル社の携帯電話事業を買収するなど、同社のグローバル展開を牽引してきた。第10回から第13回全国人民代表大会の代表を務めるなど、中国の政治・経済界における重鎮である。(写真はTCL提供)

 

TCLがオリンピック最高位スポンサーになるとどうなる?

今回の契約締結によりTCLは、今後8年間、つまり2026年冬のイタリア・ミラノ/コルティナ・ダンペッツォ大会、2028年夏のアメリカ・ロサンゼルス、2030年冬のフランス・アルプス地域大会、2032年夏のオーストラリア・ブリスベンの4都市におけるオリンピック・パラリンピックをスポンサードすることになる。

 

同期間中、TCLはスマートディスプレイ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、スマートロック、オーディオシステム、ヘッドホン、プロジェクター、TCL RayNeoスマートグラス(AR&VR)といった多岐にわたる製品をオリンピック・パラリンピックに向け、提供する予定だ。

 

↑会場ではオリンピック、パラリンピックで提供される製品を展示。ディスプレイは、2025年の最高画質モデルである「TCL X11K」、世界最大のQD-Mini LEDテレビ「TCL X955 Max」と、「TCL A300シリーズ」が対象。(写真はTCL提供)

 

↑エアコンやビルトイン冷蔵庫など、生活家電も展示されていた。

 

特に注目すべきはやはり、ディスプレイ技術である。今回TCLが提供するディスプレイに採用される「QD-Mini LED技術」は、量子ドットの優れた色再現性とMini LEDの精密な制御技術を融合したもので、卓越した映像体験を実現するものだ。従来のLCDに比べてローカルディミングゾーン(バックライトの制御エリア)が5184と細かくなるため高精彩な上、最大5000ニットもの高輝度を局所的に出すことでハイライトがより強く、また映像の暗い部分をより深い黒で表現できる。また、青色LED光源を高精度な赤・緑の光に変換する量子ドットにより、従来のMini LEDよりも広色域で表現。さらに低消費電力で、有機ELに比べ焼きつきも少ないという、先端のディスプレイ技術である。

 

↑左が「RayNeo V3」、右が「RayNeo Air 3」。

 

さらに、次世代のAR&XRスマートグラス「RayNeo X3 Pro」も提供するという。発表会場には、左右に備えた2つのカメラでメガネで見たままの写真を撮影しBluetooth接続したスマホへ送れる「RayNeo V3」、第5世代のマイクロ有機ELディスプレイを備え、映画視聴やゲームのプレイなどが楽しめる「RayNeo Air 3」が展示されていた。

 

このようにTCLは、オリンピックの舞台を単なるスポンサーシップの場としてだけでなく、技術革新を世界に示す機会と捉え、最先端のディスプレイ技術やスマートグラスを提供することで、オリンピックの視聴体験そのものを変えようとしている。

 

↑最新製品も同時展示。これは視野角178度を誇る「HVA Pro」を搭載した98インチ4Kテレビ。

 

↑車載用のディスプレイ。メーターなどの表示のほか、映像も同じパネルでシームレスに表示する。木目パネルの表面に薄いディスプレイを貼り付けており、映像の奥に木目が浮かび上がる。

 

↑ノングレアで明るい場所でも見やすいディスプレイ。スマホカメラを通して見ると、チラつきもないことがわかる。

 

TCLとスポーツ支援の歴史

TCLとスポーツの縁は意外と長い。30年以上にわたりスポーツ支援を続けており、サッカーや競馬、eスポーツなど幅広いジャンルでスポンサー活動を行ってきた。最近では、連日の快進撃で日本代表初のオリンピック出場を決めた、FIBAバスケットボール・ワールドカップにも協賛。今後IOCとの協力により、さらに大規模なアスリートサポートと、マーケティング効果を期待している。

 

日本市場におけるTCLの存在感

↑日本で販売されている「TCL 115X955MAX」「TCLX955」。(写真はTCLサイトより)

 

一方、世界的な家電メーカーがひしめく日本でのTCLの存在感はどうか? レグザ、シャープ、ハイセンスで過半を占める日本市場において、現在、TCLの販売シェアは金額ベースで約8%、第6位の位置にある。

 

「日本は技術革新の最前線である、と捉えている。日本市場向けに144Hz Mini LEDテレビや98インチの超大型スクリーンテレビをいち早く導入し、日本市場の高いニーズに対応。これによってグローバル市場での同カテゴリー展開のベースを構築した」とTCLは回答している。

 

また、グローバルブランドイメージ向上の鍵となる市場ととらえているようだ。「日本市場は、高い技術基準と厳格な品質管理が求められるため、TCLが日本市場で成功することは、グローバル市場におけるブランドの信頼性を大きく向上させることにつながると考えている」という。

 

日本市場に対する効果は?

TCLは現在、例えば同じく中国から日本へ進出しているハイセンスよりは知名度で劣る。だが、オリンピックスポンサーになることでブランドの認知度向上は確実。特にブランドの信頼性を重視する高齢者層へのアプローチが可能となるほか、量販店との関係強化にもつながると見られている。

 

 

TCLに限らず、中国メーカーはスポーツマーケティングに積極的である。例えば、上記ハイセンスはFIFAワールドカップやクラブワールドカップの公式スポンサーを務めている。一方、オリンピックスポンサーから撤退した日本メーカーは、今後どのようなグローバル戦略を展開するのか、その動向にも注目が集まる。

 

ディスプレーは”Mini LED+量子ドット”の時代に。ゲーム以外も1台でカバーするTCL「27R73Q」「27R83U」の魅力とは?

Sponsored by 株式会社TCL JAPAN ELECTRONICS

 

PCやゲームの映像を映すために欠かせないものと言えば、液晶ディスプレーです。

 

昨今は「4K」や「HDR」もすっかり市場に定着し、そのぶん高解像度・高機能なモデルの価格がこなれてきたことで、一昔前に比べれば高い品質の製品をずいぶん購入しやすくなってきています。一方で、そうそう頻繁に買い替えるものでもないため、「高解像度なHDRディスプレーが欲しい」と思いつつ先延ばしにしている人も多いのではないでしょうか?

 

12月2日に発売となったTCLの27型WQHDゲーミングディスプレー「27R73Q」および4Kディスプレー「27R83U」は、そういったユーザーにとって魅力的な選択肢と言えるかもしれません。どちらも最新のトレンドである「Mini LED+量子ドット」のリッチな液晶パネルを採用しつつ、ゲーム向けの高リフレッシュレート対応、高コントラスト比と高色域による映像美といった要素を盛り込んだ意欲的なモデルに仕上がっています。

 

本来の用途であるハイスペックなゲーミングディスプレーとしてはもちろん、やや大きめなモデルということもあり、「1台でゲームや映像鑑賞、コンテンツ制作などあらゆる用途に使いたい」という人にもうってつけでしょう。この記事では、そんな27R73Qおよび27R83Uの製品スペックや機能、使用感やそれぞれのモデルの違いなどを紹介していきます。年末年始にディスプレーの買い替えを検討している方の参考になれば幸いです。

 

 

トレンドの”Mini LED+量子ドット”で「明るく色彩豊かな映像美」を実現

↑上位モデルの「27R83U」。近年のトレンドであるMini LED+量子ドットの組み合わせで4K・160Hz駆動を実現した高性能・高機能ぶりが魅力

 

27R73Qと27R83Uは細かな仕様こそ違いますが、どちらも先に述べたように「Mini LED」と「量子ドット」技術を組み合わせた液晶パネルを採用しており、一般的なディスプレーに比べて非常に高いコントラスト比や広い色域を実現しているのが大きな特徴です。

 

どちらも聞いたことがない……という人もまだまだ多いとは思いますが、噛み砕いて表現すると「映像の明るい部分と暗い部分をどちらも際立たせて表現力を上げる」のがMini LED技術、「より鮮やかで細かいニュアンスのカラーを再現できる」のが量子ドット技術です。それぞれの技術は個々に利用されることもありますが、ここ数年はこれら2つの技術をどちらも採用するのが、高級テレビやディスプレーの鉄板となりつつあります。

↑超小型のLEDチップを高密度に直下型バックライトへ敷き詰め、エリア別に駆動させることでコントラスト比を高めているのがMini LED搭載ディスプレーの特徴

 

液晶バックライトに高密度な超小型LEDを使用することで、明暗のコントラストなど明るさの表現を強化しているのがMini LED搭載ディスプレーです。暗い部分はより暗く、明るい部分をより明るく見せることで、映像の表現力は各段に高まると言えます。最新のハイエンド製品は、バックライトの制御を複数のエリアごとに分けてきめ細かくコントロールする「ローカルディミング」のエリアを1000以上に細分化し、さらに鮮やかなコントラストや省電力化を実現しているのも見どころです。

↑量子ドット技術を採用した液晶パネルは色再現性が高く、その鮮やかな表現力には一見の価値アリ

 

一方、バックライトと液晶パネルの間に量子ドット製のシートを挟むことで、高純度の色再現性を実現しているのが量子ドット技術です。一般的なディスプレーよりも鮮やかな赤・緑・青の再現が可能になり、細かなニュアンスのカラーも表示できます。先に説明したMini LEDと組み合わせることで、結果としてコントラスト・色再現性がどちらも高く、表現力の優れたディスプレーが生まれるわけです。

 

さて、実際に27R73Qと27R83Uに共通するスペックを確認してみましょう。

↑2製品とも「VESA DisplayHDR 1400」認証を取得した最高峰の明るさが特徴。当然、HDRコンテンツも高い精度で視聴できる

 

どちらも画面のピーク輝度は1400nitsで、コントラスト比は27R73Qが2500:1、27R83Uが3300:1。また、HDR規格の最高峰である「VESA DisplayHDR 1400」認証を取得済みです。一般的なディスプレーのピーク輝度が300~400nits程度であることを思えば、4倍以上の凄まじい明るさであることが分かります。特に映画やゲームなどの美麗な映像コンテンツを楽しみたい場合、画面のコントラスト比の高さによる鮮烈な印象を楽しめるでしょう。

 

色の再現性の豊かさを表す色域はDCI-P3 95%、s-RGB 99%をカバー。加えてどちらも色差ΔEは2以下と、高いポテンシャルを備えています。基本的にはゲーミングディスプレーなのですが、キャリブレーションを行ってデジタルカメラで撮影したRAW画像を現像する、あるいは動画のカラーグレーディングなど、クリエイティブな用途で活用するのもアリだと思います。

↑ディスプレースタンドは高さ調整や上下左右回転に対応。縦画面でも使える

 

↑ディスプレーのパネル側面には引き出し式のヘッドフォンフックを用意。この辺はゲーミング製品らしい気配りだ

 

ちなみに、スピーカーや接続端子を除いた筐体デザインは27R73Qと27R83Uでほとんど同一です。本体寸法は約524×613×291.5mm(スタンド含む)、重量は約7.25kg(スタンド含む)。多機能スタンドにより高さ・上下左右回転なども可能なので、縦画面での利用など、フレキシブルに使っていけるでしょう。ただしスタンドの足部分はやや大きめなので、設置の際には干渉しないよう注意が必要かもしれません。場合によっては別途モニターアームを用意して運用してもよさそうです。

↑スタンド部分とパネル背面にはLEDが発光する「ライトウィング」を搭載

 

FPSシューターなど、競技性の高いゲームには27R73Qがオススメ

↑WQHD解像度、最大リフレッシュレート240Hzの「27R73Q」

 

ここからは、モデルごとの特徴を見ていきましょう。まずは解像度WQHD(2560×1440ドット)のパネルを採用する27R73Qから。本製品は上位機種に比べ解像度が抑えられているかわりに、最大リフレッシュレートが240Hz(1秒間に240回画面を更新する)と非常に高いのがポイントです。

 

ゲーミングPCや一部の高性能ゲーム機は、高いグラフィックス性能によってフレームレート60fps(1秒間に60回の画面描画)を上回るなめらかな描画が可能ですが、これをしっかり表示するためには、ディスプレー側のリフレッシュレートも60Hzを超えている必要があります。簡単に言うと、27R73Qであれば最大240fps前後の超高速描画に耐えられるわけです。

 

一般的には120Hz以上のリフレッシュレートを備えるディスプレーがゲーミング向けとされることを考えれば、本製品は十分すぎるスペックを備えています。また、表示遅延に関わる中間色応答速度は1msと、こちらも非常に高速です。フレームレートとリフレッシュレートのズレによって生まれる画面のチラつきやカクつきを抑えるAdaptive Sync(FreeSync Premium)技術にも対応しており、コアゲーマーでも満足できる機能はひととおり揃っていると言っていいでしょう。

↑応答速度が高く、残像感のない表示は魅力的

 

すでに述べている通り用途を問わないモデルではありますが、特におすすめするのであれば、「Apex Legends」や「フォートナイト」「VALORANT」などのFPSゲームや「リーグ・オブ・レジェンド」のようなMOBA系タイトルなど、ゲームスピードが速く一瞬の判断力が求められる競技性の高いタイトルをプレイするゲーマーです。高いリフレッシュレートや応答速度の恩恵を最大限に受けられるので、「しっかりしたゲーム向けディスプレーが1枚欲しいけど、他の用途にも使いたい」「ディスプレーを使い分けるのは面倒」という人にはよくマッチするでしょう。

 

実際に使用してみた感想としては、とにかく最大ピーク時の明るさ、色の鮮やかさが非常に印象的でした。通常のディスプレーでは考えられないほど明るく、暗い部分の黒もよく締まっているので、リッチな映像コンテンツを視聴した時の迫力は凄まじいです。

 

反面、常にピーク輝度で利用すると目が痛いほどなので、普段インターネットを閲覧する際などはピクチャーモードを変えて少し輝度を落とし、ゲームや映像コンテンツの閲覧の際はそれに合わせて輝度を高めるなど、使い方を工夫するといいかもしれません。いずれにせよ、調整の幅が広いというのは歓迎すべきことだと思います。また、画面サイズがやや大きめの27インチということもあって、目と画面の距離は少し離したほうがよいように感じました。近づきすぎると目が疲れるのが早くなりそうです。

 

PCゲームに関して言えば、リフレッシュレートや応答速度にも不満はありませんでした。残像や逆残像も使用した範囲では感じられなかったこともあり、キビキビ動く鮮やかな映像を存分に楽しめるのはかなり満足感が高いです。ひたすらFPS系ゲームを遊ぶのも良いのですが、それだけに使うにはもったいないほどのスペックなので、景色の美しさが魅力のオープンワールドタイトルなどもじっくり遊んでみるといいかもしれません。

↑27R73Qの背面インターフェース。3系統の映像端子とオーディオ端子1つのシンプルな構成

 

一方、画面クオリティー以外の部分では、接続インターフェースなどに少し注意が必要です。映像入力ポートはHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4の計3系統で、その他オーディオ端子は1つのみ。上位機種の27R83Uと異なりType-Cポートは用意されておらず、そもそもUSBポートがないため、接続したキーボードやマウスを使いまわせるKVM機能にも対応していません。また、スピーカーを内蔵していないのもユーザーの環境によってはマイナスでしょう。逆に言えば、こうした足回りがあまり気にならないようであれば、不満なく使っていけるのではないでしょうか。

 

実売価格は8万9800円前後で、Mini LED+量子ドット採用のディスプレーとしてはなかなかのコスパです。1台でゲームもクリエイティブも任せられるので、「とりあえず本製品を最初の1台として導入する」、あるいは「今所持しているディスプレーにプラスしてゲーム・コンテンツ視聴・クリエイティブ用にする」といった使い方が考えられます。個人的にはどちらのパターンもおすすめです。

 

 

映像美と汎用性にこだわるなら4K解像度の27R83Uを選びたい

↑4K解像度、最大リフレッシュレート160Hzの「27R83U」

 

解像度4K(3840×2160ドット)のパネルを採用する27R83Uに関しても、基本的な魅力は27R73Qと似通っていますが、こちらはより高解像度の液晶パネルによるさらに素晴らしい映像美が特徴と言えます。4Kコンテンツの精緻なディティールを、強烈なコントラストとカラーで堪能する体験は圧巻の一言です。4K映像を余すところなくリッチに視聴したい、4Kの鮮やかな画面でゲームを楽しみたい場合は27R83Uを選ぶべきでしょう。

 

最大リフレッシュレートは160Hzと、27R73Qよりやや低めですが、そもそも4K解像度でフレームレート160fpsのパフォーマンスを発揮するには相当なハイスペックPCが必要になるため、問題になる場面は少ないかもしれません。160Hzも十分滑らかな描画ができますし、応答速度は変わらず1ms、色再現性も同等なので、映像面では解像度が上がった以外の印象はそこまで変わらないと言えます。

↑27R83Uのインターフェース。映像端子は27R73Qと同様だが、90WのUSB-CポートとKVM対応のUSB-Aポート2つを用意。汎用性ではこちらが優れている

 

↑デスクトップPCとノートPCで、ディスプレーに繋げたキーボードとマウスを共有できるのがKVM機能。PCを併用している人にとっては嬉しい

 

一方、機能面では3W×2のスピーカーを内蔵しており、本体だけでもサウンドを鳴らすことが可能です。とは言え、さすがに映像のクオリティーの高さに釣り合うほどの高音質かと言うと微妙なところなので、ゲームや映画などをじっくり楽しむなら別途スピーカーやヘッドフォンなどを用意するといいでしょう。

 

また、インターフェースは入力端子こそHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4の計3系統と変わりませんが、90W PD対応のUSB-Cポートを採用しているのが大きなポイントと言えます。ケーブル1本でノートPCの映像出力や充電、データ転送が可能なので、ノートPCを頻繁に接続したいという方にもおすすめです。加えて2つのUSB-Aポートにキーボードやマウスを接続しておけば、KVM機能によりデスクトップPCとノートPCで操作デバイスを簡単に切り替えられます。こちらも最近は搭載機種が増えてきていますが、便利なので積極的に活用していくといいでしょう。

 

総じて、4K対応による映像の美しさに加え、インターフェースの充実による汎用性の高さでさらに用途を選ばず活用しやすい点が、27R83Uの真骨頂と言えます。実売価格は10万8000円前後と2ケタ万円の大台に乗りますが、やはり同クラス製品と比較するとコスパは良好です。

 

 

長く使える高性能・高機能ディスプレー

今回紹介した27R73Qと27R83Uは、どちらも高性能・高機能を実現した良コスパなゲーミングディスプレーです。ここまで見てきたように、ゲーミングディスプレーでありながらその他の用途で使う際も魅力的なスペックを備えており、長く付き合っていける1台と言っていいでしょう。年末年始にディスプレーの新調や買い替えを考えている方、いかがでしょうか。

 

撮影/鈴木謙介

TCLから98インチの超大画面4Kテレビが登場、お値段98万円

TCL JAPAN ELECTRONICSは7月20日から、98インチの4K UHDテレビ「98C955」の予約を開始しています。

 

98C955は、先日開催されたTCLの戦略発表会で展示されたモデルで、登場が待たれていた製品。今回、製品の概要が明らかになるとともに、予約が開始されました。

 

独自のminiLEDバックライトを搭載しているため、光と影の表現が豊かになり、HDRコンテンツも存分に楽しむことができるとしています。また、大画面なので、テレビから約3m離れた場所で視聴すると、映画館の中央列から30mの位置でスクリーンを見ているかのような映像を楽しめるそうです。

 

チューナーはなく、Google TVを搭載。動画のストリーミングサービスなどを視聴できます。また、HDMI接続によるPCゲームも可能で、最大144Hzのリフレッシュレートに対応しています。

 

価格は98万円前後です。