何が書いてある? それっていったいどんな意味?「御朱印」の真実

お寺や神社で参拝したときにいただく「御朱印」。墨書の内容も印のデザインも、それぞれの社寺オリジナルなので、集めるのも楽しいものです。

 

では、そもそも御朱印にはどんな意味があり、なんのためにいただくのでしょうか? “御朱印ブーム”のなか、まるでスタンプラリーのような感覚で集印することで見逃されがちな、本来の意味や、そこになにが書かれているのかなど、御朱印の基本をチェックしてみましょう!

 

Q1.「御朱印」ってどんなもの?

寺院や神社で、参拝の証としていただける印状のこと。B6判くらいの和紙などに、社寺やそこの本尊の名前が墨書され、朱色の印が押されます。

 

Q2. 歴史的にはいつから存在する?

その歴史は意外に浅く、江戸時代以降とされています。元々は、四国八十八箇所や西国三十三箇所といった巡礼の際に、“信者が奉納した写経と引き換えにもらうもの”でした。その名残で「納経印」とも呼ばれています。この元をたどると、鎌倉時代にさかのぼるともいわれています。

旅が一般化するにしたがって“現地にたしかに行った”証として、一般の人々に浸透していったと考えられます。神社には、明治時代に広まったようです。

 

Q3. 御朱印にはなにが書かれている?

お寺か神社か、さらに宗派によっても書かれる内容が異なります。一例を挙げてみましょう。

 

・寺院の御朱印

お寺の御朱印では、中心になるのは御本尊やお堂、宗祖の名。下のように、お寺が大事にする経文が書かれることもあります。

↑京都・宝厳院の御朱印

 

1:謹んで拝みます、を意味する「奉拝」
2:御本尊の名など ここでは「念彼観音力」(ねんぴかんのんりき)という法華経の経文
3:参拝日
4:寺院名 寺が置かれた山の名“山号”が添えられることも
5:この寺院を表すモチーフの印 ここでは「嵐山羅漢」の印。寺院内や周辺に並ぶという奉納された石仏のこと
6:御宝印・三宝印
7:寺院印

 

また、日蓮宗では「妙法」と書いたものを「御朱印」、題目「南無妙法蓮華経」を書いたものを「御首題」と呼んで区別しています。お寺によっては、すでにほかの御朱印が書かれた帳面には御首題は書かず、御朱印に限る場合もあるようです。

 

・神社の御朱印

神社の御朱印は、比較的シンプル。神社名や神社印が中心となります。

↑京都・貴船神社の御朱印

 

1:御祭神名
2:神社名
3:参拝日
4:神社印
5、6:神社にゆかりのある印やモチーフ

 

Q4. お札とはどう違う?

社寺で授与されるものといえば、「お札」があります。これはお祓いや祈祷がされ、その社寺の神仏のいわば“分身”としていただくもの。対して御朱印は、あくまで参拝した証明書ですから、正確にはご利益を求めるものではありません。

ただし、神職や僧侶の直筆によって、本尊のお名前などを墨書したものですし、御朱印を受ける=社寺に参拝して功徳を積むことでもあるため、謹んで受け保管すべきです。

 

Q5. いただくときのお参りはどうすればいい?

通常、お寺や神社に参るときと同様です。正しい手順については、こちらを参照してください。

 

Q6. 御朱印はどうやって保管すればいい?

「御朱印帳」を持参して書いていただく、あるいは社寺が用意した紙に書いて授与される、のいずれかです。御朱印帳は、オリジナルを売店で販売している社寺があるほか、文房具店や雑貨店でもさまざまなデザインのものが販売されています。

また持ち帰った御朱印や御朱印帳は、仏壇や神棚があれば上げるといいでしょう。ただ、社寺でいただいたという謹んだ気持ちで粗末に扱わなければ、本棚などに保管して問題ありません。

↑一般的な御朱印帳。中ページは屏風のような蛇腹折りになっている。榛原「御朱印帳」1836円

 

Q7. 社寺に行かなくても授与される?

御朱印とは参拝した証明書。本来は険しい旅を経て霊場を巡ることでご利益を得ようとした巡礼の証ですから、その場に行っていただくのが基本です。ただし一部の社寺では、健康上の理由で現地に行かれない人のために郵送に対応しているところもあるようです。

社寺に行くのはあくまで参拝が目的ですから、御朱印集めが目的にすり替わってしまったり義務感とならないようにご注意を!

 

さて、上で例に挙げた御朱印はすべて京都の社寺のもの。どういったところでいただけるのでしょうか?

さて、そんな御朱印を集めるのにもってこいのチャンスがあります。京都の由緒ある社寺10社をめぐる、新緑のシーズン限定の御朱印拝受ツアーです。

 

古都の社寺を巡り御朱印をいただく

京都といえば、春の桜か秋の紅葉。そんなイメージが強いのですが、実は合間のシーズンにも京都の美しさを充分に堪能できることは、まだあまり知られていません。

京都の1年を通して大きな寒暖差が奏功して、秋は赤々と色づく紅葉が、春に新しい葉をつけ徐々に葉の緑が色濃くつやを増していく、これもまた美しい季節なのです。緑の色合いを変化させながらも春から夏まで長く楽しめるので、前々から予約し予定を合わせて出かけたのに時機を外してしまった……そんなハズレがないのも、またオフシーズンなので人も少なめで交通機関にもホテルにも比較的余裕があるのもうれしいところです。

 

近年は、この“青もみじ”に合わせて特別拝観や庭園のライトアップを行う社寺も増えています。そういったチャンスを生かして、社寺をめぐって歴史や美しさにふれながら御朱印をいただきましょう。それこそ御朱印をいただく本懐というものですね。

 

・貴船神社

全国に500社ある「貴船神社」の本社。鴨川の源流に位置して、水、降雨・止雨を司る龍神、高龗神(たかおかみのかみ)を祀っており、1300年前には建て替えが行われたと伝わるほど、起源は古くまでさかのぼります。

 

所在地=京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
電話番号=075-741-2016
受付時間(御朱印の授与)=9:00〜17:00 ※ライトアップ期間中は時間延長
http://kifunejinja.jp/index.html

↑本宮につながる石段の灯篭と青もみじのコントラストが美しい

 

↑特別御朱印では、左下に青もみじと、同社が水神を祀っていることにちなんだ波紋をかたどった印が押される

 

↑上写真の参道など、神社の各所を照らし出す「新緑のライトアップ」も期間限定で実施(2018年5月26日・27日、夕暮れ〜20時)
↑絵馬発祥の地とされる同社。このシーズン限定で、青もみじの絵馬が登場する

 

↑京都市内の料亭の料理人たちも汲みにくるという御神水

 

・宝厳院

臨済宗天龍寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつ。素朴な茅葺の山門と、室町時代に嵐山を借景として作られた回遊式庭園が有名です。この庭園「獅子吼(ししく)の庭」へは、春と秋の特別拝観時のみ入場できます。

 

所在地=京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36
電話番号=075-861-0091
春の特別拝観=3月17日〜6月30日
営業時間=9:00〜17:00
http://www.hogonin.jp/

↑庭の中央部にある、獅子がうずくまっているような形の巨石「獅子岩」。ちなみに「獅子吼の庭」の“獅子吼”とは、仏が説法するという意味だとか。庭を散策しながら、人生の心理や道を肌で感じ、心を癒すという

 

↑特別御朱印では、「獅子吼の庭」をプリントした厚めの紙を使用している

 

↑苔むして禅宗らしい素朴さが感じられる茅葺門。御朱印は門を入って左の売店で受けられる

 

・常寂光寺

百人一首にも詠まれた“小倉山”は、当時京都中心部から牛車などで日帰りできる観光地として貴族に愛された場所。ここ日蓮宗・常寂光寺の土地には、平安時代に藤原定家の山荘「時雨亭」があったとされています。

 

所在地=京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
電話番号=075-861-0435
拝観時間=9:00〜17:00
http://www.jojakko-ji.or.jp/

↑ふもとにある仁王門。仁王像は、運慶作とされている

 

↑特別御朱印は黄色の紙に書かれている。これは、かつて経文など寺の重要な書物に、虫除けのために使っていたウコン紙をモチーフにしたものだとか

 

↑庭園が小倉山の傾斜地に広がっており、てっぺんの展望台まで登ると、京都市内を見渡す抜群の眺望を拝める

 

↑嵯峨野名物の竹林と、青もみじの競演が見事

 

【旅情報】

「古都京都の青もみじ&御朱印めぐり」

新幹線の往復チケットと特別御朱印授与券、その御朱印めぐりに便利な1dayチケットがセットになったプラン。上記3社寺をはじめ京都市内の10社寺(上のほか、下鴨神社、河合神社、神護寺、東福寺、曼殊院門跡、東寺、北野天満宮)とコラボレーションしており、各所で特別御朱印が受けられます。

↑京阪電車・叡山電車1dayチケット(特別版)、京都地下鉄・嵐電1dayチケット。さらに特別御朱印授与券2枚が付き、10社寺から2ヶ所でこのツアーだけの特別御朱印を受けられる。3ヶ所目以降でも、台紙を提示すれば代金を払って拝受が可能

 

また6月中旬までの限定開催日のみ、通常非公開の瑠璃光院が庭のもみじをライトアップしており、このツアーのオプションとして、予約で参加が可能。この機会に訪れてみては?

 

・瑠璃光院

岐阜の浄土真宗無量寿山光明寺を本坊とする支院。水を引き入れた庭園が美しく、特に2階の書院にあるテーブルに写り込んだ「瑠璃の庭」は、SNSでも話題。通常非公開ですが、春と秋のみ特別拝観を行っています。

 

所在地=京都府京都市左京区上高野東山55
電話番号=075-781-4001
春の特別拝観=4月15日〜6月15日
拝観時間=10:00〜17:00
ライトアップ実施日=2018年5月26日・27日、6月2日・3日・9日・10日
ライトアップ時間=19:00〜20:30
※ライトアップは別途予約が必要です
http://rurikoin.komyoji.com/
http://souda-kyoto.jp/travelplan/rurikoin_yase_sp/

↑今回初めて、自慢の庭園がLEDでライトアップされる。日中は冴え冴えと美しい青もみじが幽玄な雰囲気に一変。ライトアップ各日人数限定

 

↑瑠璃光院の徒歩圏内にある「八瀬もみじの小径」も同時にライトアップ。こちらは公道なので、予約不要

 

撮影・取材・文=@Living編集部

 

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今夏のリフレッシュ旅行にいかが? 南国リゾート「石垣島」まったり弾丸旅

ビーチや星空など、自然豊かなリゾート地として知られ、少し足を延ばせば、竹富島などの離島にも気軽に訪れることができちゃう石垣島。ということで、今回は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年6-8月号」の記事より、7月1日より同エアラインが新たに就航する南国リゾート・石垣島の魅力をご紹介!

↑熱帯魚たちが歓迎してくれる石垣島の美しい海/PIXTA

 

【魅力①ダイビング】マンタのすむ海に優しく包まれる

石垣島の周辺の海域は平均水温が20度以上で安定していて、1年中ダイビングを楽しめる人気のエリア。特に8月は29度近くまで水温が上昇するメインシーズンだ。おすすめのダイビングスポットは川平湾で、マンタの遭遇率がとても高い。6~9月は小魚、キンメモドキやスカシテンジクダイの大きな群れが見られる。遭遇したら今までに見たことのない別世界を満喫できるはず!

↑川平湾周辺では、高い確率でマンタに会える!/PIXTA

 

↑美しいサンゴ礁と熱帯魚。神秘的な世界を楽しめる

 

【魅力②星空】きらびやかな星たちが降り注ぐ

↑今、人気急上昇中の石垣の星空。島のいたるところで絶景が見られる

 

比較的大気が安定し、空気が澄んでいるため、観測できる星の数が多いことで知られる石垣島。2018年4月には国際ダークスカイ協会が、日本で初めて西表石垣国立公園内を星空保護区に認定したほど。観測スポットはさまざまで、バンナ公園、川平湾、そしてクルーズ船に乗ってもいい。さらに石垣島天文台に行けば、より詳しく星の形を観測できる。7~10月中旬までは天の川がくっきりと見られる人気のシーズン。晴れた日にはぜひロマンチックなひとときを ♡

↑石垣島天文台では土日祝日の夜に1晩に2回、天体観望会を開催!

 

【魅力③川平湾】透き通った海が心を洗う

石垣島最大の観光スポットが、川平湾。透明度の高い美しい海を展望台から眺めるだけで心が癒される。ここではグラスボードに乗っての水中観賞が定番。きれいなサンゴ礁や熱帯魚を間近で見ることができる。またもっと楽しみたい人には、川平湾内にある無人島へ上陸して探検できるツアーがオススメ。さらにカヤックに乗って無人島に上陸し、シュノーケリングを楽しめるツアーもある。自分の好みで選んでみては!

↑透明度の高い海が魅力の川平湾。世界的にも認められた極上スポット/PIXTA

 

旅行の長時間移動でも脚が軽~い!! 座ってできる「こっそり簡単むくみとり」3選

日ごろの疲れを癒すべく旅行に出かけたのに、長時間の移動でへとへとになってしまった……という経験はないでしょうか? 移動中に少しでも身体を動かせればいいのですが、飛行機などではそれも難しいですよね。そこで今回は、航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年6-8月号」より、「座ってできる簡単むくみとり」をご紹介! 解説してくれるのは、旅好きライター・山本美和さんです。

 

旅好きにとって、飛行機の機内でどれだけ快適に過ごせるかはとても重要だ。まるで自分の部屋にいるように気持ちよく過ごせれば、目的地に着いたらすぐ観光に出かけることができて、短い旅行でも有意義に時間を使うことができる。

 

だから、飛行機に搭乗するときは万全の対策で臨む。まず、旅行先で風邪を引かないように、飛行機の機内ではマスクをしてきちんと乾燥対策。そして、気圧と冷えのせいなのかいつもおなかが張ってしまうので、夏のフライトでもおなかに簡易カイロを貼ることを忘れない。このおかげで、機内食もおいしく食べられるし、現地で便秘や下痢などのおなかのトラブルに悩まされることもない。

 

でも座りっぱなしの機内で1番ツライのは、パンパンに張ってしまう脚のむくみ。フライト時間が長くなればなるほど、脚が重くなる。エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)対策にもなるからと、トイレに立ったときにはその場で足踏みをして脚を動かしたり、スペースがあればアキレス腱を伸ばすストレッチをしたりする。ただし、何度も席を立てればいいが、窓側や真ん中の席に座ると、通路側の人に遠慮してなかなか頻繁に立つことは難しい。

 

そんなときにまず行うのが、片足正座。片ひざを曲げて、むくみのひどいふくらはぎの上にお尻をのせて、その重みでふくらはぎを圧迫する。10秒ほどキープしたら、ひざを伸ばして脚を下ろし、逆のひざを曲げて、反対の脚もお尻の重みでふくらはぎを押す。脚をもとに戻した途端に、血液が一気に流れてふくらはぎが軽くなる。


片脚正座

 

もう1つむくみが気になったら行うのが、ひざにブランケットをかけて足を隠しながらの足指グーパー。足の指と指の間を思いきり“パー”と大きく広げたら、指をギュッと縮めて“グー”の形を作る。この足指グーパーを10回ほどくり返すと、冷えた指先がポカポカして、脚に血液が巡るのがわかる。


足指グーパー

 

また、足元に紙ナプキンなどが落ちたときは、むくみをとるチャンス! すぐに手を使って拾わずに、まずは足の指で紙ナプキンをつかんでから、手を伸ばしてキャッチ。こうやって足の指をよく動かすと、機内を歩き回らずとも、ツライむくみを簡単にケアすることができるのだ。


紙ナプキンキャッチ

 

このように、機内でよく足指を動かすので、いつも飛行機に乗るときは5本指ソックスをはいていく。指が開く解放感にハマって普段から5本指ソックスをはくことが多いのだが、以前より足の指が大きく開くようになったり、足の冷えもかなりラクになった。1度はいたらその気持ちよさがクセになるので、ぜひ試してみてほしい。

 

ちなみに、この5本指ソックスは海外のお土産としてもとても喜ばれる一品。靴文化の欧米諸国では、ほとんどこの5本指ソックスをみかけたことがない。だから日本で購入した5本指ソックスをプレゼントしたときには、まずそのはき方を教えることになる。そして、着用したまま足指グーパーを一緒に練習すると、私の指の開き具合にみんなが「なんでそんなに足の指が開くんだ!」と感嘆の声をあげてくれる。誰でも練習すればすぐ足の指は開くようになる。機内で5本指ソックスをはいてむくみ防止に足指グーパーをしておけば、旅行先でちょっとした足指開き自慢ができるかもしれない。

 

【著者プロフィール】

山本美和 Miwa YAMAMOTO

旅好きライター。ダイエット、ヘルスケアの記事を数多く執筆(協力:フィッテ編集部)

【間違い探し】台湾の人気観光地、高雄にある「龍虎塔」を舞台に間違い探し!!

台湾の人気観光地、高雄にある龍虎塔。今回はその印象的な風景を間違い探しにしてみました。上下のイラストを見比べて、間違っている場所を探してみましょう! 全部で10か所ありますよ。

※航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年6-8月号」より

答え

 

Illustrated by 松本奈緒美 Naomi MATSUMOTO

出版物・広告のイラストを手掛ける。雑誌ではパズルを連載中。

 

協力:学研プラス パズル編集部

「陰陽師・安倍晴明」生誕の地は大阪!? 厳かでまるでミステリースポットのよう

安倍晴明。誰しもその名を一度は聞いたことがあるであろう、日本を代表する陰陽師です。晴明というと京都のイメージがありますが、実は大阪にもその縁の地があります。今回は、航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年6-8月号」より、こんな記事をご紹介!

 

安倍晴明は、日本の陰陽師を代表する人物だ。「陰陽師」とはそもそも中国から伝わった暦・方位を司る学問「陰陽道」の学者を指す。しかし日本では伝来後すぐ、学者というよりも悪霊や化け物と闘う超能力者として扱われるようになり、そのイメージは現代まで続いている。

 

近年では漫画や映画の主人公として活躍する晴明は、日本史上もっとも有名で人気のある超能力者とも言えるのだ。その知名度はアジア諸国でも高く、彼を祀る京都の晴明神社は、いつも多くの観光客でごった返している。しかし、晴明に関する神社は日本各地にまだ存在するのをご存知だろうか。

 

京都ほど有名ではないが、大阪の安倍晴明神社もぜひ訪れるべきスポット。ここは晴明が生まれ育ったという場所につくられた神社で、境内には彼の銅像と、空中を跳ねる狐の像が立っている。前者は晴明の「千年後、またこの世によみがえる」との遺言を元に、その死から千年たった2005年に建立されたもの。狐像は、晴明の母親とされる白狐「葛の葉」が、信田の森から飛来してきた様子を表現しているという。いずれも最強の陰陽師にふさわしい神秘的なエピソードだ。

↑安倍晴明神社。このあたり一帯は複雑な地形でまるでミステリースポットのよう(大阪市阿倍野区阿倍野元町5-16)

 

↑安倍晴明は悪霊や化け物と闘う超能力者として知られる

 

↑境内にある晴明の母親とされる白狐「葛の葉」

 

安倍晴明はまた、占いが得意だったとも伝えられる。そのためか神社の社務所では占いを受けることもでき、これが昔からよく当たると評判なのだ。平日の午後限定だが、日替わりで様々なタイプの占いを催しているとのこと。時間があるなら立ち寄ってみるのもいいだろう。晴明の象徴でもある五芒星を模したペンダントやお守りも購入できる。

 

京都の晴明神社は、安倍晴明がかつて居住していた場所に建てたとされている。そのため立地も京都中心部に近く、沢山の人々で賑わっているのが特徴だ。ただこちらの神社は大阪中心部から少し離れた、静かな住宅街に位置しており、人通りもそれほど多くない。

 

そんな閑静な立地をより楽しむため、参拝後にはぜひ西の方角へと坂を登って散策してみてほしい。安倍晴明神社からまた次の聖地を目指して、「阿倍野神社」の方向に向かうもよし、「天神の森」や「聖天山」に向かうもよし。その途中には、複雑に曲がりくねった坂道に小さな森や雑木林、昔ながらの造りの家々が点在する風景が楽しめるだろう。

 

上町台地のアップダウン激しい地形が作り出した迷路のような空間。やはり安倍晴明の生地だからなのか、この辺り一帯がミステリースポットの雰囲気を発している。大阪といえば賑々しいイメージばかりが先行するが、安倍晴明神社から登る阿倍野の坂道一帯は、静けさに満ち、どこか厳かですらある。

 

ちなみに、名古屋にも名古屋晴明神社というものがある。こちらも住宅街に位置する小ぢんまりとした静かな神社なので、もし近くを通りがかったら立ち寄ってみてもらいたい。

 

【著者プロフィール】

吉田悠軌 Yuki YOSHIDA

怪談サークル「とうもろこしの会」会長。「怪処」編集長。月刊「ムー」にて連載中。

「住む」がビジネスに!? ノマドワーカーがついに辿り着いた家とは?

世界中を旅しながら、好きな文章を書いて暮らす。物書きや旅行が好きなら誰もが一度は夢見てしまう、そんな生き方を約2年間にわたって実践している女性がいます。「これからの暮らしを考えるウェブメディア」として2015年に生まれた「灯台もと暮らし」の創刊編集長であり、エッセイスト、トラベルライター、フォトグラファーとしても活動する伊佐知美さん。彼女は2016年4月から現在にいたるまで、文章を書きながら世界約40カ国100都市を旅し、“家をもたない暮らし”を続けてきました。

 

インタビューの前編では、伊佐さんが世界一周の旅に出た理由、そして約2年間の旅の道程で、“東京に家(拠点)がほしい”という本音に気付くまでの過程を追いました。後編となる今回は、そんな彼女が東京・三軒茶屋でついに見つけた家をご紹介します。

 

“旅と家(たびといえ)”を逆さから読んで、“えいとびたー”と名付けられたこの家は、伊佐さんとほか4人の旅人がともに暮らすシェアハウス。どんな経緯からこの暮らしが始まり、ここから一体どんなことが始まろうとしているのか……? 伊佐さんの気になる胸の内をたっぷりと伺いました。

 

家が欲しくてたまらないのに家を持つことが怖かった

「これってたぶん誰にも理解してもらえないと思うんですけれどね。私、つい最近まで家を持つことが本当に怖かったんです。理由はいろいろあるのですが、大きくいうと精神的な面と経済的な面で。例えばお金のことでいえば、ずっと旅暮らしを続けていると、すべての物価を航空券に換算するクセがついてくるんです。具体的にいうと、ベッドが4万円するとなったとき、同じ値段でタイへの往復航空券が買えるなって考えてしまったり。引っ越し費用に50万円払うなら、南米にでも行って1ヶ月くらい暮らせば語学学校まで通えちゃうなとか。今までは家賃がなかったから、その分がそのまま旅の費用に充てられていたけれど、もし家を持ったら固定費が発生するし、そこに帰る義務みたいなものが発生するなぁって思えちゃって(笑)。あと、その暮らしを契約期間の2年間ずっと続けてしまったら、いつかそっちの方が日常になっちゃうんじゃないかなって」

 

2年前に旅立った時点では、まだ結婚もしていた伊佐さん。誰かとともに帰る家があることの温かさや安心感を知っていたからこそ、踏ん切りがつかなかったところもあるようです。

 

「今は独身なので、もちろん最初はひとり暮らしをすることを考えました。でもその時点でも今でも、私の中で大きく決まっているのは、これからも旅と一緒に生きていきたいっていうことだけ。旅の拠点は欲しいけれど365日住むわけでもないですし、このタイミングで東京にひとり暮らしの家を借りるって、本当に自分が今やるべきことなのかなぁって。一般的には当たり前の暮らしなのかもしれないですけれど、それが自分に必要なことなのかどうしても分からなくて、何だか怖くなってしまったんですよね」

 

↑日当たりのいい大きな窓には、まだカーテンが間に合っていない状態。アジアで買った布や、絵本や詩集などを並べて、ディスプレイ棚の役割をもたせつつ、華やかな空間を創り出しています

 

決め切れない気持ちに変化が起こったのは、昨年末のこと。同じ旅人でライターでもある友人・古性のちさんと、下北沢でAirbnb(宿泊施設や民泊のシェアサービス)をシェアしたときでした。

 

「彼女とは、下北沢の前にタイでも数日一緒に過ごしたことがありました。そして下北沢で10日間くらい一緒に暮らしたとき、気付いたんです。“旅人”っていう自分と似たような生活スタイルをもつ人と暮らすのって楽しいし、経済的にも合理的、その上自分の周りの人たちも集まれるから、なんだかわくわくが増える選択なんだなって。そこからまず、私と古性さんとで一緒に暮らしてみようかという話になりました。その後どこで暮らそうかと場所を考えたりしているうちに、もっと人が増えてもいいんじゃないかって思うようになって。それから12月末に、ふたりでシェアハウスを作ってみようという、具体的なイメージが決まったんです」

 

↑世界中の土地々々で、快適なスペースをみつけては“書斎”としてきた伊佐さん。家をもったことで、そのワーキングスペースにも定位置ができました

 

旅人による旅人のためのシェアハウスをつくる

海外を旅するときは、2~3ヶ月間日本を離れることも珍しくありません。ふたりだけでひとつの家をシェアしても、長期間家を空けてしまうリスクは残りました。でも、身の回りにいる親交の深い旅人たちをもっとたくさん集めてみれば、自分たちの思うような、持続可能なシェアハウスができるかもしれない。そこで伊佐さんたちは、一緒に暮らせそうな友人らに声をかけることにしたのです。

 

「私と古性さんを含めて、最初のメンバーは全部で5人です。声をかけたひとり目は、私たちの共通の友人でWebメディア『TABIPPO.NET』編集長のルイス前田くん。彼はこれまでに二度も世界一周をして、昨年はアメリカ横断を仕事でもしちゃうような人で、最近は実家の成田から東京の会社まで通っているのを知っていました。家が欲しいはずだから『一緒に借りない?』と誘ってみたら『いいよ!』って言ってくれて。もうひとりは、anan webで『移動する同棲生活』という連載をしていたライターの前田麻衣さん。彼女は私のライティング講座に通ってくれていた女性で、私がアシスタント募集をかけたところに応募して下さっていたのですが、同じ“旅人属性”だし、もしかしたら一緒に暮らせるのかも?と思いました。なんかこれ、多分常識ハズレの行為なのは分かってるんですけれど、ちょうどアシスタントの最終選考があったので、面接で『アシスタントよりも一緒に暮らすのどう!?』って口説いちゃったんです(笑)。麻衣ちゃんのパートナーで一緒に同棲生活をしてきた『IMAGINAL』代表の脳内アーティスト・稲沼竣くんも一緒に快諾してくれました」

 

↑ベトナムで買った、手作りのバッグやアクセサリーが、真っ白な壁によく映えます

 

家探しはメンバー探しとほぼ同時進行。以前『灯台もと暮らし』の取材で知り合った不動産関係者を頼りに世田谷近辺で2~3軒を回ったそう。年末にスタートして年内に内見というスピード感でしたが、伊佐さんたちのワクワクする気持ちが運を引き寄せたのかもしれません。三軒茶屋から徒歩2分、2階建70平米の一軒家という、ドンピシャな物件を早々に見つけました。

 

「家賃は約20万円だから、光熱費を含めても費用は大体ひとりあたり5万円程度。1Fにも2Fにもキッチン、浴室、トイレがある不思議な二世帯住宅で、全面DIYしてOK、という願ってもいない条件でした。全員フリーランスで旅人っていう人たちなので、契約の締結までは少し時間がかかりましたが(笑)、最終的には契約することができました。初めて5人全員が顔を合わせたのは、実は契約の当日。世の常識で考えたら『大丈夫か!?』って思われると思うし、私もそもそもシェアハウスは初めてなので、不思議な気持ちはあったんだけど」

 

メンバーには出会って間もない人もいれば異性もいます。一般的な感覚でいえば躊躇しそうなところですが、みんながふたつ返事で快諾したのはなぜだったのでしょう。

 

「それはきっと、メンバーに“旅”っていう共通項があったからかな。いろんなライフスタイル、ライフステージ、人生経験を持っている人がいるなかで、私のように30歳を越えて旅の優先順位を高くして生きられる人って、実はとても少ないんです。まずその時点で、みんなが同じ価値観を共有できているという認識はありました。古性さんが言っていたんですけど、それってもう“キレイな熱帯魚とか普通の魚がたくさん泳いでいる広い海で、自分と同じウーパールーパーを見つけたようなキモチ”なんですよ(笑)。それに旅してる人ってね、細かいことを気にしたら生きていけないので、色んなことを許せるようになってくるんです。みんなそういう生活を年単位で経験している人たちだから、最初から仲間意識がありました。

実際楽しいんですよね。『今度の6月にちょっとみんなでベルリン行こうよ』なんて誰かが突然言い出しても、『いいね!じゃあ何日に現地集合にする?』って返事が即返ってきますから。普通だったら仕事どうするの?とか、お金は?とか、絶対なるじゃないですか(笑)」

 

↑大きな姿見が括り付けられ、かつて板間だったと思われるスペースとぶち抜きでリノベーションした約15畳の居間。取材にうかがった日は、本格的に住み始めてまだ2日目! 初めて自分の布団を敷き、寝て起きた記念日だったそう

 

こうしてシェアハウスを作ると決めた当初から、伊佐さんやメンバーたちの頭の中にはさまざまな構想が浮かんでいたといいます。その構想とは……?

 

ここに“住むこと”をビジネスにできないか?

“旅と家”を逆さから読んで“えいとびたー”と名付けられたこの家、この暮らし。実はシェアハウスを作ると決めた当初から、伊佐さんやメンバーたちの頭の中にはさまざまな構想が浮かんでいたといいます。

 

「自分たちが旅をしていたとき、すごく困ったのが、東京の宿やAirbnbはやっぱり高くて、泊まるところがなかなか見つからなかったこと。私たちはここを広い意味での旅人のためのシェアハウス、これからの“旅をしながら暮らす人”のひとつのモデルケースにできたらいいなって思っているんです。たとえば誰かが3ヶ月旅に出るなら、その間、東京に短期間の住まいが必要な別の旅人が住めばいい。もちろん誰でも良いわけではなくて、各メンバーが信頼を置いている知り合いに限り、というのが最初はいいかなとは思っていますが……。

あえて“えいとびたー”と名前をつけてロゴを作って、連続イベントなどを始めてみたのも、この新しい生き方、住まい方、働き方をビジネスに繋げていけたら、もっと持続可能な旅ができるかもしれないという思いがあるからです。せっかく三軒茶屋徒歩2分という好立地でDIYもできる物件なので、もっと楽しいことを仕掛けられたらいいなって」

 

そもそも旅人ばかりが集まったシェアハウスなので、入居当初は伊佐さんが知人からもらった必要最低限の家電製品しかなかったこの家。どの部屋をどのメンバーが使うかも一応は決めてありますが、5人全員が揃う機会は伊佐さんいわく「滅多にない」ので、今後家の中がどんな風に変わっていくのかはまだ誰にも分かりません。

 

「個々が自分の家具を買って自分の部屋を独自に完成させるというよりも、DIYで壁にディスプレイ棚を取り付けたり、開閉式のテーブルを作り付けてコワーキングスペースを作ったり……といったことを考えています。一応自分の部屋はあるけれど、そこでイベントをすることもあれば、代わりに誰かが住んだりってこともあるという。今のところ、光熱費はその月に家にいる・いない関係なく等分ですが、食事やその他の家事についてはあまり細かいルールを決めていません。まだ暮らし始めたばかりだから大きな問題は起こっていないけれど、メンバーの誰かがすごくガマンをしたりするのはイヤだから、言いたいことはちゃんと言えるようにコミュニケーションをとっていきたいかな」

 

↑伊佐さんの部屋は、空いたままの壁面にDIYでディスプレイ棚を取り付けたり、開閉式のテーブルを作り付けて簡易デスクにしたり、コワーキングスペースとしての機能をもたせることも予定しているそう

 

旅先でも日常のなかでも人と関わっていたい

海の見える街でアトリエのある家に住んでみたい。前回のインタビューでそんな夢を語っていた伊佐さんですが、始まったばかりのこの暮らしは、それとは全く違う形をしていました。

 

「もちろんそういう家もいつかは建ててみたいんです。だから“えいとびたー”は終の住処というイメージで作ったわけではありません。でも今のところ私にとって、東京のこの家は自分が戻ってきたい場所。自分でもなんで一人旅ができるんだろう?ってたまに不思議に思うくらいなのですが、実はすごく寂しがりなんですよね。以前東京で普通に暮らしていたころは、寂しくなると終電間際でもどこかに遊びに行けたし、そこで誰かに会えた。でも一方で私はひとりの時間もすごく必要なタイプで、初めての本を書くとなったとき、孤独にならなきゃ書けないかもしれないと思ったんですよね。それが世界一周の旅に出たひとつの理由でもありました。知らない街で四季の移り変わりを見て、知らないごはんを食べて。そうやって本当にひとりになれば、もしかしたら創作意欲が刺激されるんじゃないかって期待した部分もありました。

それはたしかにそうで、これからも必要な時間なのだけれど、これからずっとそれだけを続けるイメージは持てなくて。なんでかっていうと、ひとりで過ごす時間は『ただただ静かな人生』だったから。景観や自分が触れる物がどんなに美しくても、人と関わらないと、私は劣化していくのかなってすごく思ったんですよね」

 

いつか海の見える丘の上にお気に入りの家を建てたとしても、そこにはたくさんの人を呼びたい。そう語る伊佐さんにとって、家とはもしかすると“人”そのものなのかもしれません。

 

「今後どんなことが起こるかは未知数だけれど、“えいとびたー”は今の時点の自分にとって、いちばん理想としていた形になったと思います。この物件はちょっと珍しくて契約期間が5年もあるのですが、それまで同じメンバーが住み続けているかどうかも今は分かりません。今後三軒茶屋の駅の周りに再開発の話も出ているので、10年後にはこの建物そのものもなくなっているかもしれませんしね。ただ今は、この新しい暮らしにすごくワクワクしている状態。私は海外のドミトリーをよく利用してきたのですが、こういうスペースにいろんな人が出入りすることで、新しい何かが始まるっていう場面をたくさん見てきました。私もそもそも頭の固い人間なので全く心配がないわけではないですけれど(笑)、そういう暮らしを自分の家で一度やってみるのもいいかなって」

 

【プロフィール】


編集者/伊佐知美さん

1986年新潟県生まれ。Webサイト「灯台もと暮らし」創刊編集長。エッセイスト、トラベルライター、フォトグラファー、オンラインサロンの主宰、イベント登壇といった活動に取り組む。2017年に「灯台もと暮らし」での移住者への取材をもとにした初の著書『移住女子』(新潮社)を上梓。同年秋には、オンラインコミュニティ「旅と写真と文章のSlackコミュニティ」を新たに立ち上げた。

灯台もと暮らし http://motokurashi.com/

 

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札幌の“夜”はコレ抜きじゃ語れない!! 2大定番「夜景スポット」と「シメパフェ」を現地レポ

夜景の綺麗な街って魅力的ですよね。読者の皆さんはどの街を思い浮かべますでしょうか? 2015年10月、夜景観光における国内唯一の事業団体である(一社)夜景観光コンベンション・ビューローが国内外の夜景観光活性化を目指し、全国約4500人の夜景鑑賞士による投票を実施。その上位3都市を「日本新三大夜景」と認定しました。その3都市が、長崎・神戸、そして札幌です。

 

見事日本新三大夜景都市に選ばれた「札幌」には、藻岩山山頂展望台やテレビ塔などたくさんの夜景スポットがあります。今回は2つのオススメ夜景スポットを紹介しましょう!

 

【その1】

JR札幌駅に直結したJRタワーにあってアクセス抜群! 「JRタワーT38(スリーエイト)展望室」

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JR札幌駅に直結したJRタワーにあり、アクセス抜群なこちらのスポット。6階から専用エレベーターで一気に上がる最上階38階の展望室には地上160mのパノラマが広がり、北は石狩湾新港の向こうに水平線を、西は北海道大学や手稲山を望み、南は碁盤の目に整備された夜景が、豪華な札幌中心部から札幌ドームまで一望できます。

 

札幌の街並を360度見渡せ、オフィスビル群とネオン街との都市ならではの夜景を満喫できるはず。三大夜景都市の全容をご覧いただくのにオススメです。

20180222_bln1_2↑日中、晴れていれば左手に遠く小樽を望むことができる北サイド。正面奥には札樽自動車道や丘珠空港、石狩湾新港が位置する北都・札幌のエントランスエリア。ここで見る眺望の奥行きは深く、開放感のあるスケールを味わえます

 

20180222_bln1_3↑男性の方にぜひお試しいただきたいのが「展望トイレ」。地上160mの眼下に広がる夜景を眺めながら……

 

南回廊にある「T CAFE」ではカフェメニューに加えて、夜はワインやカクテルなど多彩なバーメニューも提供されます。札幌で1番高いフロアでのカフェタイムも楽しんでみてはいかがでしょうか。

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JRタワー展望室T38(タワースリーエイト)

◎場所/札幌市中央区北5条西2丁目5番地  JRタワーイースト6F(受付)

◎TEL/ 011-209-5500

◎営業時間/10:00~23:00(最終入場22:30)

◎料金/大人:720円、中・高校生:500円、小学生・幼児(4歳~):300円

http://www.jr-tower.com/t38

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【その2】

インスタ映えする風景がカップルに大人気!「旭山記念公園」

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1970年に札幌市創建100周年を記念して開園した「旭山記念公園」は、標高137.5mに位置する展望台からは、日中は石狩平野や日本海、札幌市内を一望することができます。夜はライトアップされた噴水と、その向こう側に広がる札幌中心部の灯りが幻想的で、インスタ映えする風景がカップルに大人気! 地下鉄「円山公園」駅から路線バス「旭山公園線」に乗車して約15分、住宅街のなかにある地元の方に人気の夜景スポットです。

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なお、噴水は4月下旬~10月31日まで運転しており、運転時間は

・10:00 ~ 19:00(4月、5月、10月)

・10:00 ~ 20:00(6~9月)

・ライトアップ・・・日没 ~ 運転終了まで

となっていますので、噴水を写真に収めたい方は運転時間にご注意ください。

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旭山記念公園

◎場所/札幌市中央区界川4丁目

地下鉄東西線「円山公園駅」から、JR北海道バス旭山公園線(円13)で約15分、「旭山公園前」下車

駐車場(2か所 合計119台)利用時間:午前6時~午後10時(無料、夜間閉鎖)

※上の第1駐車場は通年利用できますが、下の第2駐車場は冬季閉鎖

http://www.sapporo-park.or.jp/asahiyama/

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そのほかにも、日本新三大夜景都市の名に相応しく、市内にはたくさんの夜景スポットがあります。夜もカラフルな札幌の街並みを、お楽しみください。

■参考:札幌夜景観光ガイド
https://www.sapporo-yakei.jp/

 

【番外編!】

巨大な工場の存在感・造形美が圧倒的! 「室蘭工場夜景」

札幌から特急「スーパー北斗」に乗車して約1時間20分、高速バス「むろらん号」乗車で約2時間半の室蘭市が、いま夜景で注目されています!

20180222_bln1_6↑北海道を代表する重化学工業・港湾都市である「室蘭」は、日本十大工場夜景エリアのひとつです

 

巨大な工場の夜景が観光スポットとして注目されるなか、平成23年2月23日・第1回全国工場夜景サミットが開催され、川崎市・室蘭市・四日市市・北九州市の四エリアにより共同宣言が採択されました。そして第3回サミットより山口県周南市、第5回サミットより兵庫県尼崎市、第6回サミットより静岡県富士市、第7回サミットより千葉県千葉市が加入。そして平成28年に開催された第8回サミットより大阪府高石市と大阪府堺市が加入し、現在では、十大工場夜景都市となっています。

 

光り輝く保安灯の美しさに加え、巨大な工場の存在感・造形美が室蘭工場夜景の魅力! クルーズ船にのって海上からその圧倒的な存在感を眺めることもできます!

 

詳しくは室蘭の観光情報サイト「おっとむろらん」(http://muro-kanko.com/)でご確認ください。

20180222_bln1_7↑海上からの工場夜景

 

北海道・札幌を訪れた際には、室蘭まで足を伸ばして夜景を楽しんでみてはいかがでしょうか? 昼間は地球岬からの絶景を眺めたり、ご当地ラーメン「カレーラーメン」もお楽しみください!

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【室蘭へのアクセス】

バス:高速むろらん号(北海道中央バス http://www.chuo-bus.co.jp/

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◎区間/札幌駅前ターミナル~室蘭観光協会前間

◎運航頻度/約1時間に1本

◎所要時間/約2時間半

◎料金/往復3860円、片道2060円

 

JR:特急スーパー北斗(JR北海道 http://www.jrhokkaido.co.jp/

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◎区間/札幌駅~東室蘭

◎所要時間/約1時間20分

◎運賃/片道 4810円〔特急指定席利用〕

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札幌の“夜”の新定番! 「シメパフェ」の名店3選

夜といえばお酒も外せませんよね。皆さんは、お酒を飲んだあとの「シメ」の一品として、何を召し上がりますか? やっぱりラーメン?そんな常識、札幌では通用しません。お酒を飲んだあとのシメのラーメンならぬシメのパフェ、その名も「シメパフェ」が札幌の夜の新定番となりつつあります。

 

搾りたての牛乳からできたソフトクリームや地元の旬の食材などを使った冷たくて甘いパフェで1日を締めくくる習慣は、季節にかかわらず、ここ数年、札幌市民の間だけでじわじわと広がりをみせてきました。これを受け、そんな札幌の知られざる食文化を1人でも多くの方に知っていただくため、「札幌パフェ推進委員会(http://sapporo-parfait.com/)」が設立されました。

 

現在札幌市中心部だけでも20店舗以上のお店が加盟し、各加盟店が工夫をこらした様々な種類の「シメパフェ」~飲んだあとや食事をしたあとなど1日の最後を締めくくるパフェ~を提供しています。

 

今回は、そんな「シメパフェ」の中から、3店舗をハシゴしてみましたのでご紹介いたします。

 

【その1】

パフェ、珈琲、酒「佐藤」

狸小路1丁目の路地裏に位置しおしゃれな“和”の雰囲気のお店の入り口にはソフトクリームが輝いてます!

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オススメは、お酒・肴・パフェ・珈琲がセットになった「佐藤堪能コース」(2300円、税別)。

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パフェとお酒の組み合わせがコースになっていること自体が観光客からしますと驚きなのですが、今回はお店自慢のパフェのなかから「塩キャラメルとピスタチオ(単品・1100円、税別)」をいただきました。見た目からして大人感のあるこちらのパフェ、甘さ控え目、ピスタチオ・カシスなど素材の味が引き立ち、パフェを食べながらお酒が飲みたくなる気持ちが抑えられません! お店の方にうかがうと、パフェにあわせてスパークリングワインを召し上がる方が多いとのこと。まさしくオトナのシメパフェを満喫いたしました。

 

マスコミにも頻繁に取り上げられる行列店ですが、お店の方にうかがうと21時過ぎが混雑のピークとのお話ですので、その前の入店が狙い目かも。

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パフェ、珈琲、酒「佐藤」

狸小路1丁目の路地裏に位置。パフェと珈琲とお酒、この3つのこだわりがコンセプト。北海道産の食材と自家製にこだわったソフトクリーム・アイスクリーム・ソルベ・焼き菓子などを組み合わせ、味の変化や食感も緻密に計算されたパフェは絶品。ネルドリップで丁寧に抽出された珈琲はパフェと好相性。お酒も日本酒、ワイン、焼酎、ウィスキー、コニャックなど豊富なラインナップです。

◎場所/札幌市中央区南2条西1丁目6番地1 第3広和ビル1F

◎TEL/011-233-3007

◎営業時間/火〜木 18:00〜24:00、金 18:00〜26:00、土 13:00〜26:00、日 13:00〜24:00

◎休業日/不定休

http://pf-sato.com/

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【その2】

Parfaiteria PaL【パフェテリア パル】

豊水すすきの駅からすぐ、バースタイルでパフェとお酒が楽しめる夜パフェ専門店です。

20180223_bln1_5↑ススキノの街を見下ろす開放感のあるカウンター

 

20180223_y-koba2 (2)_R↑メニューは手書きのイラストでとってもおしゃれ!

 

20180223_y-koba2 (1)_R↑旬のフルーツをふんだんに使うため、パフェのメニューは全て期間限定

 

今回頂いたのは季節を問わず、常時召し上がれる「ピスタチオとチョコレートのパフェ」(単品1250円、税別)。

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甘さを抑えたパフェをおつまみに、もう1杯お酒を楽しみたくなる、さっぱりとしたパフェを満喫しました。PALさんは飲んだあとの時間でもさっぱり食べられるよう甘さは比較的抑えたパフェを、1つ1つ手作りで提供しており、来店するお客様のなかには女性だけでなく男性同士の来店も多いとのこと。パフェと一緒に女性の方はスパークリングワインやサングリア、男性の方はウィスキーをあわせて召し上がられる方が多いそうです。バーでゆったりとお酒を楽しみながらのシメパフェを満喫しに訪れてみては!

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Parfaiteria PaL【パフェテリア パル】

「夜に楽しめるパフェ」を提供してくれるオトナのための夜パフェ専門店。メニューはどれも期間限定で、旬の果物がふんだんに盛り付けられており、生クリームが使われていないのでさっぱりと食べることができます。ジャズが流れるゆったりとした空間での「シメパフェ」で、今宵はどうぞ良い夢を。

◎場所/札幌市中央区南4条西2丁目10-1 南4西2ビル6F

◎TEL/011-200-0559

◎営業時間/18:00~翌2:00

◎休業日/12/31〜1/2

http://risotteria-gaku.net/parfait

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【その3】

ななかま堂

すすきの駅から徒歩5分雑居ビルの2階にあるこちらのお店、かわいいナナカマドののれんと、クマゲラの看板が出迎えてくれます。

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お店のなかには座敷席もあり、和の雰囲気が漂っています。

 

季節毎に約5種類のパフェを用意されているなか、今回いただいたのは「洋梨とゴルゴンゾーラのパフェ」(単品1300円、税別)。

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ゴルゴンゾーラが引き立ち、シロップやシャーベットにアルコールを使っているため、お酒にピッタリ合うパフェを満喫しました。

 

お店の方によりますと、若い女性のグループでスパークリングワインと一緒にパフェを楽しまれる方が多いとのお話。

 

また、こちらのお店、22:00以降はパフェのテイクアウトも行っているとのことですので、すすきの周辺にお泊りの方はホテルまでお持ち帰りすることも可能ですね。

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ななかま堂

2017年5月オープン。北海道の食材を沢山とりいれ北海道の牛乳を使用したソフトクリームをパフェのパーツの一部として採用し、甘さの強弱・食材の相性・食べ進めるごとの味の変化を計算しつくされたパフェです。シメパフェにふさわしいパフェをご賞味ください。

◎場所/札幌市中央区南4条西5丁目 第4藤井ビル2F

◎ TEL/011-596-8607

◎営業時間/18:00~24:00(L.O. 11:30)、金土祝前日 18:00~26:00(L.O. 1:30)

◎休業日/不定休

http://risotteria-gaku.net

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今回は3店舗を巡ってみましたが、どちらのお店も“お酒に合う”パフェを追求され、夜小腹が空いた時にもう少し飲みたい&甘いものを食べたいという欲求を見事に叶えてくれる一品で、こういったパフェがあるからこそ、札幌市民の皆様に「シメパフェ」文化が浸透してされているということを強く感じました。

 

札幌の夜は「夜景」、そしてシメは「シメパフェ」で! ぜひ皆様も体験してみてください。

寒さに震える日はこんな間違い探しで人気アイランドリゾート「セブ」に想いを馳せてみては?

まだまだ外は寒く、外出するのがおっくうな今日この頃。家で間違い探しでもして、気持ちを紛らわしてみてはどうでしょう。舞台はアジアのなかでも人気の高いアイランドリゾート、セブ。上下のイラストを見比べて、違っている場所を探してみましょう。全部で10か所ありますよ。

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答え

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【イラストレーター紹介】

松本奈緒美さん…出版物・広告のイラストを手掛ける。雑誌ではパズルを連載中。

協力:パズル編集部

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年3-2018年5月号」に掲載された内容の転載になります

「アニメディア」編集長が語る! 日本の洒脱な文豪たちとマッチする現代ヨコハマの風景【文豪ストレイドッグス】

「アニメディア」編集長の馬渕 悠さんが、人気アニメとその聖地を紹介する本企画。これまでにも「弱虫ペダル」や「けものフレンズ」などの聖地を紹介してくれました。今回は、世界的に有名な文豪をモチーフにしたキャラクターたちで話題となった「文豪ストレイドッグス」と、その舞台である横浜を取りあげます。映画の公開も控えている本作、この機会に聖地巡りをしてみてはいかがでしょうか。

20180223_bln2_2↑ヨコハマの都市を舞台に激闘を繰り広げる中島敦

 

前回は京都・大阪のメジャースポットの魅力を劇場版「名探偵コナン」を通して再確認しようというものでした。過去2回が関西国際空港近辺のスポットでしたので、今回は成田国際空港からすぐに行けるメジャーなアニメスポットを紹介していきたいと思います。

 

2013年からマンガの連載がスタートし、2016年のTVアニメ化を経て若年層のアニメ・マンガファンから絶大な支持を集める人気作となった「文豪ストレイドッグス」。今年3月には初の劇場アニメ「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」が公開されます。中島 敦、太宰 治、国木田独歩、福沢諭吉、芥川龍之介、中原中也、森 鷗外など世界的にも有名な“文豪”と同じ名前や誕生日、特徴を持ったキャラクターたちが、それぞれの著作の名を冠した異能力を駆使して架空の都市・ヨコハマを舞台に激闘を繰り広げる作品です。

 

そう、本作の舞台のモデルとなっているのは神奈川県横浜市。アニメのTVシリーズ本編だけを観ても、実にたくさんの横浜市のメジャースポットが描かれています。横浜中華街、山下公園、元町商店街、コスモワールド、赤レンガ倉庫、日本大通り、はては鶴見川と本当にさまざまなスポットに巡り合うことができます。「カウボーイビバップ 天国の扉」や「鋼の錬金術師」など数々の名作アニメを制作し、世界のアニメファンも注目するアニメスタジオ・ボンズが作り出す本編映像は、もちろん風景美にも力が入っており、劇中に出てくるヨコハマのスポットを眺めているだけでも作品を堪能することができます。

 

横浜は観光スポットとしても非常にオススメの都市です。きれいな都市の街並みという景観がありつつ、海や丘などの自然とも一体化している横浜は、日本だけでなく世界の人々に親しんでいただけるポテンシャルを多分に秘めています。大手旅行口コミサイトなどで、海外から日本にやってくる“旅人”から評価していただいている日本の観光スポットは、和の情緒あふれる寺院のほかに新宿御苑などの自然に満ちたスポットも多いそうです。山下公園、港の見える丘公園、三溪園などがある横浜もきっと好きになってくれるでしょう。

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本作の舞台がヨコハマになったのは、原作の作画担当である春河35さんが横浜出身だったからとのことですが、横浜は今も昔もどこか異国風情を醸し出し、とくに幕末・明治・大正時代、すなわち文豪たちが実際に生きていた時代に誕生し、文化の最先端を歩んでいたオシャレな都市であるわけですから、本作のキャラクターたちとの相性は抜群な感じがします。現に元町商店街や横浜中華街の原型ができたのは幕末ですし、山下公園が造られるきっかけとなったのは大正時代に起きた関東大震災の復興施策でした。(山下公園は埋立地で、そこに埋めたのは震災で大量に発生したがれきであることはあまり知られていません)。

 

話はずれますが、筆者は千葉県千葉市出身でありながら大学は横浜で、なんと毎日1都2県をまたいで電車通学をしていました。大学の講義が午前中に片付いてしまった日には、横浜中華街に繰り出してリーズナブルな中華粥で腹を満たし(あまりお金は持ってなかったので)、近くの雑貨店を巡って、ちょっと疲れたら山下公園や大桟橋に行ってベンチで本を読んで、夕方には黄金町の古びた映画館へ……みたいな感じで、学生にしかできないプチ文学・映画散歩をしていました。そんな自分にとっては、本作で描かれているヨコハマの街並みは「第2の故郷」まで言ってしまうと大げさかもしれませんが、「芋粥」という著作があり、神奈川を舞台にした作品をいくつも書いている芥川龍之介にどこかシンパシーを抱いてしまいます(史実の芥川は鎌倉、鵠沼、横須賀、湯河原などで生活していました)。

 

映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」でも、中島、太宰、芥川、中原らがヨコハマを舞台に大活躍を繰り広げるそうです。実世界の横浜にもたくさん映画館がございますので(横浜ブルク13、TOHOシネマズ ららぽーと横浜など)、ぜひ映画本編をご覧いただきホットな映像を目に焼き付けつつ、横浜観光をしてみてはいかがでしょうか。

 

そして、本作を通じて日本の文豪に興味を持っていただいたという方は、舞台の横浜だけでなく、各文豪の展示がある文学館や記念館、生家、墓地などを訪ねてみるのもオススメいたします。東京近郊で言うと、田端文士村記念館、神奈川近代文学館、さいたま文学館、太宰 治と森 鴎外の墓地がある禅林寺などが挙げられます。また、関西にはなりますが、大阪府堺市にある与謝野晶子記念館(さかい利晶の杜)では、本作とのコラボキャンペーンを実施中(4月15日まで)。文豪たちにゆかりのあるスポットでは彼らの内面や人生について深く知ることができますので、ある種、本作のもうひとつの“聖地”と言ってもいいかもしれません。彼らの生き方や著作に触れてみると楽しさも倍増することと思います。

 

そして前回の「名探偵コナン」でも願望を書かせてもらいましたが、ぜひ本作のキャラクターもワールドワイドに活躍する姿も見てみたいですね。中華街などのヨコハマの洒脱(しゃだつ)な風景になじんでいた文豪たちならば、21世紀の近未来都市・ホンコンやタイペイなどもヨコハマと同じく非常にマッチしていると思いますし、SNS映えだってしちゃいそう!? もし、海外にお越しになる際は、優雅な客船もいいですが、決して裕福とは言えない文豪のみなさまには、リーズナブルで快適なLCCでのトラベルもオススメしたいところです。

 

映画

『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)』

3月3日より全国劇場で公開

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【著者プロフィール】

馬渕悠さん……見て、読んで、飾って、参加できる、4倍楽しめるアニメ情報誌『アニメディア』編集長

 

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年3-2018年5月号」に掲載された内容の転載になります

 

© 2018 朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグスDA製作委員会

年末年始の海外旅行で活用すべし! 今さら聞けない配車サービス「Uber」と「Lyft」の基本

この年末年始を海外で過ごすみなさんへ。海外へ渡航した際には、街中でのちょっとした移動にタクシーを使いたい、そんなシーンは多いもの。スマホで手軽に使える“配車サービス”を覚えておくと、何かと役に立ちます。登録から実際の利用手順まで、予め確認しておくと安心ですよ。

 

ニューヨークで、サービスの使い勝手を検証してみました。一般的な「Uber(ウーバー)」と「Lyft(リフト)」の2サービスを、iOSアプリで実際に使用し、比較。「●●の方が良い」なんて評判はよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。

 

配車サービスを使う大まかな流れを確認

「Uber」「Lyft」ともに、スマホのアプリで利用できる配車サービスです。まずは、利用の流れをざっと確認しておきましょう。どちらのサービスも大まかな手順は同じです。

 

最初にアプリをインストールします。初回利用時には、電話番号(SMS)を使った承認コードの認証が必要となる点に注意してください。認証が終了したら、支払い用にクレジットカードを登録しましょう。これで準備は完了です。

 

↑乗る場所、降りる場所、車のグレードを選ぶ↑乗る場所、降りる場所、車のグレードを選ぶ

 

使用する際には、地図上にピンを設置するなどして、乗る場所と降りる場所を指定します。また、車のグレードがいくつか用意されているので、好みのものを選択しましょう。すると、近くにいるドライバーへ連絡が届き、乗車できる車が指定したポイントにやってきます。この際、アプリの画面でドライバーの現在地が分かります。

↑車が到着したら、名前を告げて乗る↑車が到着したら、名前を告げて乗る

 

車が到着したら、ドライバーに声をかけ、自身の名前を告げて車内に乗りましょう。この際に目的地を告げる必要がないのが通常のタクシーと異なる点です。気さくなおじさんが来るか、それとも無口なお兄さんに当たるか。こればっかりは運次第!

 

目的地に到着したら、車を降ります。でも、この際に現金の支払い、チップの支払いは必要ありません。下車後、アプリに通知が来るので、ドライバーの評価とチップの支払いを済ませて完了となります。あまり低評価を付けるとドライバーさんがクビになってしまうので、とくに問題がなければ基本的には★5を付けてあげてください。

↑下車後、ドライバーを評価して、チップを支払う↑下車後、ドライバーを評価して、チップを支払う

 

それでは実際のアプリ画面で確認していきましょう。

 

「Lyft」はアメリカで使えるサービスなので英語表示となる

「Lyft」の手順について。まずはアプリをインストールして起動。支払い方法など、初期設定を済ませましょう。画面表示は英語です。

↑アプリを起動し、「Get Started」をタップ↑アプリを起動し、「Get Started」をタップ

 

↑「日本」を選択し、電話番号を入力して「Next」をタップ。090は+8190となる。入力した電話番号宛てにSMSで6桁の認証コードが送信されるので、続けてこれを入力しよう↑「日本」を選択し、電話番号を入力して「Next」をタップ。090は+8190となる。入力した電話番号宛てにSMSで6桁の認証コードが送信されるので、続けてこれを入力しよう

 

↑姓名とメールアドレスを入力。「Terms of Service」を確認し、問題なければチェックを付けて「Next」をタップ↑姓名とメールアドレスを入力。「Terms of Service」を確認し、問題なければチェックを付けて「Next」をタップ

 

↑地図の画面が起動したら、左上の人型アイコンをタップし、メニューを表示↑地図の画面が起動したら、左上の人型アイコンをタップし、メニューを表示

 

↑一覧から「Add Payment」を選択↑一覧から「Add Payment」を選択

 

↑支払いに使うクレジットカード情報を入力して「Save」をタップ。ちなみに「PayPal」を選択することもできる↑支払いに使うクレジットカード情報を入力して「Save」をタップ。ちなみに「PayPal」を選択することもできる

 

支払い情報の登録が完了したら、いよいよ車の手配へ。乗る場所、降りる場所、車の種類を選択します。地図情報は日本語で表示されるので、英語が苦手な人も安心ですね。

 

↑メニュー一覧で「Home」を選択すると地図の画面に戻る。車に乗りたい地点(Pickup location)をマップ上のピンで指定しよう。画面には近くにいるドライバーの位置が、ピンには待ち時間の目安がリアルタイムに表示されています。設定地点に問題なければ「Set pickup」をタップ↑メニュー一覧で「Home」を選択すると地図の画面に戻る。車に乗りたい地点(Pickup location)をマップ上のピンで指定しよう。画面には近くにいるドライバーの位置が、ピンには待ち時間の目安がリアルタイムに表示されています。設定地点に問題なければ「Set pickup」をタップ

 

ちなみに下部の住所欄をタップして、目的地の名前や住所を入力してもOKです。

 

↑同様の感覚で目的地をセット。ピンの位置を調整して「Set destination」をタップ↑同様の感覚で目的地をセット。ピンの位置を調整して「Set destination」をタップ

 

↑続いて車のグレードを選択して、「Request Lyft」をタップすると配車依頼が確定する。この段階で料金を確認しておこう。車の種類は、基本的には「Lyft(4 seats)」を選べばOK。「Line(1-2 seats, shared)」は安いが乗り合いになるため、同乗者をピックアップしに遠回りされることがあるので注意↑続いて車のグレードを選択して、「Request Lyft」をタップすると配車依頼が確定する。この段階で料金を確認しておこう。車の種類は、基本的には「Lyft(4 seats)」を選べばOK。「Line(1-2 seats, shared)」は安いが乗り合いになるため、同乗者をピックアップしに遠回りされることがあるので注意

 

↑ドライバーの現在地、あと何分で到着するか、どの経路でやってくるかが表示されるので、気長に待とう↑ドライバーの現在地、あと何分で到着するか、どの経路でやってくるかが表示されるので、気長に待とう

 

それっぽい車が到着したら、ドライバーに話しかけます。名前を確認されたら答えましょう。そのまま自分でドアを開けて車に乗ります。

 

↑移動中は現在地を確認できる↑移動中は現在地を確認できる

 

↑「どこからきたの?」など、ドライバーさんが世間話をしてくることもあるが、無口な人も多い↑「どこからきたの?」など、ドライバーさんが世間話をしてくることもあるが、無口な人も多い

 

目的地に到着したら下車するだけ。下車後にチップの支払いとドライバーの評価を忘れずに。

↑チップの値段を選択して、「Next」をタップ。10ドル前後の距離なら2ドルくらいのチップを支払っておけば問題ないだろう↑チップの値段を選択して、「Next」をタップ。10ドル前後の距離なら2ドルくらいのチップを支払っておけば問題ないだろう

 

↑最後にドライバーを評価する。星を選択して、「Submit」をタップすれば完了。もちろん、「Good Navigation」などの項目を付けてあげてもいい↑最後にドライバーを評価する。星を選択して、「Submit」をタップすれば完了。もちろん、「Good Navigation」などの項目を付けてあげてもいい

 

Uberは日本語表示で利用できるのがメリットか

続いて、「Uber」の手順について。こちらも利用方法は基本的に同様ですが、アプリ内のテキスト表記も日本語になっています。英語が苦手な人でも安心して使えるでしょう。また、アプリのデザインは全体的にブラックで統一されており、Lyftよりもシックな印象。

↑アプリをインストールし、起動。電話番号を入力する。続いてSMSで送られてくる4桁の認証コードを入力↑アプリをインストールし、起動。電話番号を入力する。続いてSMSで送られてくる4桁の認証コードを入力

 

↑続いて、「メールアドレス」「パスワード」「姓名」を入力↑続いて、「メールアドレス」「パスワード」「姓名」を入力

 

↑「クレジットカードまたはデビットカード」をタップし、支払い情報を入力して「保存する」をタップ↑「クレジットカードまたはデビットカード」をタップし、支払い情報を入力して「保存する」をタップ

 

これで支払い情報の登録が完了。これで車を手配できます。「Lyft」とは設定の順番が異なり、「行き先」→「車のグレード」→「乗車位置」の順となります。

↑「Uber」では先に行き先を問われる。「行き先は?」をタップ↑「Uber」では先に行き先を問われる。「行き先は?」をタップ

 

↑ピンを調整して目的地を設定し、「完了」をタップ。名前や住所を入力してもよい↑ピンを調整して目的地を設定し、「完了」をタップ。名前や住所を入力してもよい

 

↑目的の車種を選択し、下部の「●●を確認」をタップ。車のグレードは基本的には「uberX」を選んでおけばOKだ。この時点で料金が確認できる↑目的の車種を選択し、下部の「●●を確認」をタップ。車のグレードは基本的には「uberX」を選んでおけばOKだ。この時点で料金が確認できる

 

↑最後に乗車位置を設定。「配車を確定」をタップで手配が完了する↑最後に乗車位置を設定。「配車を確定」をタップで手配が完了する

 

↑ドライバーの現在地と待ち時間の目安が表示される↑ドライバーの現在地と待ち時間の目安が表示される

 

↑ドライバーが到着したら名前を告げて乗車しよう↑ドライバーが到着したら名前を告げて乗車しよう

 

↑目的地についたら下車し、その後ドライバーの評価とチップ額を指定して完了↑目的地についたら下車し、その後ドライバーの評価とチップ額を指定して完了

 

諸々の注意点について

どちらのサービスも、初回登録時にはSMSでの認証コードを受け取る必要があります。機内モードに設定して利用する場合(渡航時Wi-Fiルーターのみで通信する想定の人)や、渡航先で購入したプリペイドSIMで通信したい場合などには、注意が必要です。使用予定の端末で、出国前に予めアプリをインストールし、支払い情報まで登録し終えておくといいでしょう。

↑うっかり指定したポイントが進入禁止なんてことも↑うっかり指定したポイントが進入禁止なんてことも

 

また、今回の検証であったトラブルとしては、「Uberでうっかりピックアップポイントに指定した道路が通行止めで車が入れなかった」というケースがありました。この場合、運転手から「どうするのさ?」と電話が入ります。

 

今回は、相手が外国人ということで「面倒な案件」と判断されたのでしょうか、目的地などを聴かれたあと、ガチャっと冷たく電話を切られて、そのまま運転手側からのキャンセル通知が届きました。この場合には、再度手配が必要になります。また、不要な請求がされていないかも確認しておきましょう。強いメンタルも必要かもしれません。

 

結論:日本人にとってはUberの方がわかりやすそうだ!

いろいろと評価が分かれてきたUberとLyftですが、アップデートを繰り返した結果、サービス内容についてはほぼ同様になっている印象を受けました。同距離で価格を比較したところ、Lyftの方が数セント安い程度だったので、どちらを選んでも大差はなさそうです。

 

強いて言えば、日本語表記に対応しているUberの方が初心者にはわかりやすい印象。アメリカだけでなく、東京を含めた世界中の都市で利用できる点も大きなメリットだと言えます。

 

もちろん、マンハッタンなどの都市部ならともかく、地域によっては希望の安い車種がすぐに手配できるとは限りません。両アプリを使用可能にしておくことで、2つのサービスで配車可能な車種を確認できることに繋がります。アメリカ旅行をより快適にするために、両アプリをインストールしておいて損はないでしょう。

 

ちなみに今回は利用しませんでしたが、初回に利用できる招待コードを使えば、無料乗車のクーポンをゲットできるシステムもあります。知人に配車サービスのユーザーがいる場合には、是非活用してみてください。

 

※スマホの画面写真は、2017年8月27日時点でキャプチャしたものです。

アウトレットの行き帰りに寄れば最強! 木更津初の道の駅「うまくたの里」の充実っぷり!!

千葉の房総半島といえば、海水浴やマザー牧場、鴨川シーワールドなどのたくさんのお出かけスポットがあり、勝浦タンタンメンをはじめとするご当地ラーメンに海の幸などの美食も豊富。都心からのアクセスがいいのも魅力で、クルマでのアクセスに欠かせないのが「東京湾アクアライン」です。降り立つ先にはアウトレットモールなどで有名な木更津があるのはご存知のとおりですが、ここに初となる道の駅「うまくたの里」が誕生しました。千葉県の「うまいもの」が約2000点ほど集結したという同施設、とにかく内容が激アツだったので、その見どころを紹介したいと思います!

 

ダイナミックなディスプレイと体験型の設えはまるで食のテーマパーク

場所はアクアラインを超えてそのまま高速道路を十数分進み、木更津東ICを降りてすぐ。都心から首都高にのれば、1時間程度で行けてしまう好立地です。道の駅というと、野菜を中心とした山海の幸と調味料的な地場産業がイメージされると思いますが、ここはそれだけではありません。そして、商品群の見せ方も実に画期的です。

↑名産のピーナッツを使ったお菓子を量り売りスタイルで。ダイナミックな見せ方は、従来の道の駅のイメージを超えています↑名産のピーナッツを使ったお菓子を量り売りスタイルで。ダイナミックな見せ方は、従来の道の駅のイメージを超えています

↑店内にはデモキッチンがあり、試食で体験しながらおいしく買い物ができます↑店内にはデモキッチンがあり、試食で体験しながらおいしく買い物ができます

↑千葉産伊勢海老のディスプレイを絡めてソースや醤油を陳列(一例)。立体的に見て楽しめる工夫が随所に見られます↑千葉産伊勢海老のディスプレイを絡めてソースや醤油を陳列(一例)。立体的に見て楽しめる工夫が随所に見られます

 

そして、千葉の名産といえば醤油や落花生ですが、迷ってしまうほどのラインナップがズラリと並べられているのも特徴。千葉産の品ぞろえという観点でいえば、百貨店や高級スーパーも太刀打ちできないレベルです。

↑蔵仕込みの醤油がズラリ。その隣には、醤油を使った調味料が多種多彩に並べられており、一部は試食も可能です↑蔵仕込みの醤油がズラリ。その隣には、醤油を使った調味料が多種多彩に並べられており、一部は試食も可能です

↑落花生とピーナッツも大きさや味付けなどで分けられ、様々な商品がラインナップ。さすがは日本一の生産量を誇る千葉県ですね ↑落花生とピーナッツも大きさや味付けなどで分けられ、様々な商品がラインナップ。さすがは日本一の生産量を誇る千葉県ですね

 

地元の行列店によるコラボカフェと注目商品を紹介!

また、同施設を盛り上げるべく、地元の2つの行列店がコラボレーション出店しているという魅力も見逃せません。プロデュース元の店名は「のうえんカフェ」と「せんねんの木」で、うまくたの里では「&TREE(アンド ツリー)」というレストランカフェで展開しています。

↑うまくたの里内にある「&TREE」の外観↑うまくたの里内にある「&TREE」の外観

 

ランチは地元の農家さんによる「かずさ野菜」がたっぷりの「かずさ彩り野菜のプレート」がメイン。そして、15時からはカフェタイムとして、地元の新鮮こだわり卵「ぷりんセス・エッグ」を使用した「とろなまバウムクーヘン」を筆頭に、スイーツやほっこりとしたドリンクを楽しめます。

↑かずさ彩り野菜のプレートは、フリードリンク付きで1900円(税抜)。「地元野菜たっぷりの選べる3種のポットパイ」もしくは「自家製ローストビーフ」を選ぶことができます(写真はローストビーフ)↑かずさ彩り野菜のプレートは、フリードリンク付きで1900円(税抜)。「地元野菜たっぷりの選べる3種のポットパイ」もしくは「自家製ローストビーフ」を選ぶことができます(写真はローストビーフ)

↑フレンチ バウム ブルーベリー フリードリンク付き 1400円(税抜)。地元ブランドの「ぷりんセス・エッグ」を使用した温かいフレンチバウムに、冷たいバニラアイスを忍ばせた新食感のスイーツ。このほか、バウムクーヘン×フレンチトースト×クレームブリュレのハイブリッドスイーツなどもあります↑フレンチ バウム ブルーベリー フリードリンク付き 1400円(税抜)。地元ブランドの「ぷりんセス・エッグ」を使用した温かいフレンチバウムに、冷たいバニラアイスを忍ばせた新食感のスイーツ。このほか、バウムクーヘン×フレンチトースト×クレームブリュレのハイブリッドスイーツなどもあります

 

そのほか、筆者が見つけた注目の商品類も紹介していきます。やはり、ピーナッツ系のスナックや調味料に醤油系アイテムは秀逸。また、ブルーベリーを使ったスイーツもお土産にぴったりだと思いました。ご覧ください。

↑チバリバリ 550円(税抜)。クラッシュ落花生を練りこみ、塩バターで味付けしたピーナッツチップ。バリバリした食感とピーナッツの香ばしさがたまりません!↑チバリバリ 550円(税抜)。クラッシュ落花生を練りこみ、塩バターで味付けしたピーナッツチップ。バリバリした食感とピーナッツの香ばしさがたまりません!

↑クレイジーピーナッツ 各380円(税抜)。16種ものフレーバーがあり、外はサクッと中はカリッと。色々な味と落花生の香ばしさが楽しめる、見た目もかわいい一口サイズの落花生菓子です↑クレイジーピーナッツ 各380円(税抜)。16種ものフレーバーがあり、外はサクッと中はカリッと。色々な味と落花生の香ばしさが楽しめる、見た目もかわいい一口サイズの落花生菓子です

↑左から、ナッツインハニー 1200円、千葉焼ねぎ味噌 600円、ピーナッツ激辛みそ 600円、ジンジャーシロップ 600円(すべて税抜)↑左から、ナッツインハニー 1200円、千葉焼ねぎ味噌 600円、ピーナッツ激辛みそ 600円、ジンジャーシロップ 600円(すべて税抜)

↑手前が房州ひじきのり 560円。後ろは左から、房総伊勢海老醤油 750円、Ebi Sauce 600円、燻人(いぶしにん/万能燻製醤油) 1000円、ねこんぶだし 800円(すべて税抜)↑手前が房州ひじきのり 560円。後ろは左から、房総伊勢海老醤油 750円、Ebi Sauce 600円、燻人(いぶしにん/万能燻製醤油) 1000円、ねこんぶだし 800円(すべて税抜)

↑木更津ブルーベリーの濃厚チーズケーキ 1500円(税抜)。木更津のブルーベリーを使用して低温熟成焼きでじっくりと仕上げた濃厚でなめらかな味わいです↑木更津ブルーベリーの濃厚チーズケーキ 1500円(税抜)。木更津のブルーベリーを使用して低温熟成焼きでじっくりと仕上げた濃厚でなめらかな味わいです

 

その注目度は極めて高く、オープンから3日間で3万人もの集客があったそうです! 房総の玄関口である東京湾アクアラインを抜けて、最初に出会うことのできる道の駅。ここがあれば、旅行土産をまとめて買えますし、買い忘れや買い足しもカバーできること間違いなし。今度房総に行く際は、ぜひチェックすることを強くオススメします!

 

【SHOP DATA】

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道の駅 木更津 うまくたの里

住所:千葉県木更津市下郡1369-1

アクセス:圏央道・木更津東IC降りてすぐ

営業時間:9:00~17:00

定休日:不定休

いま家族で旅行するなら高知県・室戸市がイチオシ! 室戸岬“以外”のおすすめ観光スポット5選

2017年は大政奉還から150年となる節目の年。坂本龍馬をはじめ、中岡慎太郎、ジョン万次郎、岩崎彌太郎などの偉人を輩出した土佐藩、すなわち高知県では、「志国高知 幕末維新博」が大々的に行われるなど大いに盛り上がっています。2018年は「明治維新」から150年ということで、この熱気はまだまだ続きそうです。この機会に高知を訪れてみよう、と考えている方も多いと思いますが、せっかくならほかの観光も一緒に満喫したいですよね。そこでゲットナビウェブが注目したのが、高知県の東南端に位置する都市・室戸です!

 

室戸岬だけじゃない! 親子で楽しめる施設&イベントが盛りだくさん

「室戸」と聞いて多くの方がまず思い浮かべるのが、室戸岬ではないでしょうか? 日本八景にも数えられるこの地はあまりに有名ですが、このほかにも室戸には親子で楽しめる観光スポットがたくさんあります。今回はその一部をご紹介しましょう!

 

【おすすめスポット①】

いざ地球の謎探索へ! 「室戸世界ジオパークセンター」

20171127_y-koba2_1

「ジオパーク」とは、地球について学び、体感できる場所のこと。室戸のジオパークは2011年に世界ジオパークにも認定されています。室戸世界ジオパークセンターは、このジオパークを楽しむためのヒントや情報を入手できる拠点です。

20171127_y-koba2_2↑ガイドが案内してくれるツアーも用意されています

 

特に、12月31日まで開催中の企画展「地球×ちきゅう」がおすすめ! これは、昨年行われた、室⼾沖100kmの南海トラフ付近で地球深部探査船「ちきゅう」が海底掘削を⾏い、コアを採取し、⽣物の起源や地震のメカニズムなどを解明するという国際プロジェクトを解説するもの。 地球深部探査船「ちきゅう」の紹介を中⼼に、1⽇先⽣の授業・実験といったワークショップや掘削体験、「ちきゅう」の模型の展示などが行われています。室⼾独特の地形の成り⽴ちへの理解をより深めることができ、まさに、親⼦連れでの学習体験にピッタリ!

20171127_y-koba2_4↑ドリルピットやコアレプリカなど、普段なかなか見る機会のない展示も行われています

■室戸ユネスコ世界ジオパーク
http://www.muroto-geo.jp/

 

【おすすめスポット②】

室戸とクジラの歴史を最新デジタル技術で体験! 「キラメッセ室戸・鯨館」

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室戸市吉良川町の海岸沿いに位置する道の駅「キラメッセ室戸」。その敷地内にあるのが、2017年3月にリニューアルしたばかりの「鯨館」です。ここでは360°パノラマの勢子舟乗船VR体験や、高精細スキャンによってデジタルアート化された迫力ある古式捕鯨絵図など、室戸とクジラの歴史を最新デジタル技術を使って体験することができます。

20171127_y-koba2_6↑展望デッキでは、AR技術を使って絶景の海をバックにクジラと一緒に記念写真を撮ることができます

 

さらに、室戸の山海の幸やオリジナルジェラートが味わえるレストラン「⾷遊鯨の郷」、地元の野菜・果物や鮮魚、加工品などをお手ごろ価格で購入できる直売市場「楽市」も併設。体験して、味わって、お土産まで購入できる道の駅「キラメッセ室⼾」は必⾒ですよ!

■道の駅 キラメッセ室⼾
http://www.kiramesse-muroto.jp/

 

【おすすめスポット③】

独特の景観をいまに残す「吉良川の町並み」

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その昔、豊かな⼭林資源を使い、良質な⽊炭と薪が取れることから「⼟佐備⻑炭」の産出地として⼤いに栄えた吉良川。その従事の繁栄をしのばせる⼟佐漆喰を使った「⽩壁の建造群」や、台⾵などの強い⾬⾵から町屋を守るためにつけられた⽔切り⽡が独特の景観をつくっています。

↑日本の懐かしい町並みをいまに残しています

 

【おすすめスポット④】

室戸海洋深層水を利用してリラックス! 「シレストむろと」

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シレストむろとは、室⼾海洋深層⽔を利⽤した健康増進施設です。体温に近く、負担のかからない不体感温度に設定した温⽔プールをはじめ、露天⾵呂やフィンランドサウナ、外気浴ホットタブ、⾜湯など、本格的な施設を完備。インストラクターの指導のもと、さまざまな⽔中運動プログラムを体験することもできます。

20171127_y-koba2_8↑楕円形の温水プールの各ゾーンでは、アクアマッサージや水中ウォーキング、ストレッチなど、水流や水圧を利用した水中運動が楽しめます

シレストむろと
https://searest.jp/

 

【おすすめスポット⑤】

高級魚・金目鯛を味わい尽くす! 「室戸キンメ丼」

20171127_y-koba2_10

室⼾市は、「⻄⽇本一のキンメダイの⽔揚げ地」です。そんな室⼾のキンメダイを売り出そうと、2012年に市内10店舗で提供を始めたのが「室⼾キンメ丼」。⾼級⿂・⾦⽬鯛の照り焼きとさしみが両⽅楽しめると人気を博し、最近ではこれを味わうためにわざわざ室⼾へ⾜を運ぶ⼈も増えているそうです。

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20171127_y-koba2_12↑照り焼きの味付けなどは参加各店それぞれが趣向を凝らしています

■室戸市観光協会
http://www.muroto-kankou.com/category/eat/

 

歴史と⽂化、豊かな⾃然が⾄る所に残る室戸市。近年ではそれを体験できる施設やイベントも充実しており、親子で楽しめること請け合いです。 遊んで、食べて、学べる室戸は、家族旅行先の有力候補地ですよ!

10年ぶりの新ロマンスカー「GSE」はディテールと新サービスこそ要チェックだ!

2017年12月5日、小田急電鉄の大野総合車両所内で最新ロマンスカー70000形がお披露目された。2018年の3月中旬から走り出す予定の新型ロマンスカー。すでにその概略はいろいろな媒体で紹介されているので、本サイトでは写真を中心に次世代ロマンスカーのこだわりの細部を見ていくことにしよう。

20171207_y-koba8 (2)↑2008年登場の60000形MSE以来ほぼ10年ぶりに、新ロマンスカー70000形GSEが誕生した

 

愛称はGSE! 当日、星野社長からその名が始めて明かされた

小田急ロマンスカーには、これまでLSE、VSE、MSEなどの愛称が付けられてきた。ところが、新車をお披露目する会場で報道陣に配布された資料類にその愛称が書かれていない。さて……。

 

記者発表のため登壇した小田急電鉄の星野晃司社長の口から、初めてその愛称が伝えられた。

 

愛称は「GSE(Graceful Super Expressの略)」。発表されたあとに初めてGSEに関してのニュースリリースが配られた。ちょっとしたことながら、小田急の意気込みが伝わってくるような記者発表の進め方だった。

 

新車70000形GSEのデザインはアーキテクチャーネットワーク代表の岡部憲明氏。50000形VSE、60000形MSEなどの車両をデザインしてきた岡部氏が、新車両では前面展望をいかに迫力あるように見せるか苦心したと言う。

20171207_y-koba8 (7)↑先頭部の支柱にはGSE70000と刻印されたパーツがさりげなく組み込まれている

 

20171207_y-koba8 (4)↑新ロマンスカーの登場とともに、乗務員用の制服、そしてアテンダントの新制服の導入も行われる。デザインはユマコシノ アソシエイツの小篠ゆま氏が担当

 

見るべきポイントが多い車体ディテール

新ロマンスカー70000形GSEは7両編成。これまでの50000形VSEに比べて42席ほど席数を増やした。車体は「ローズバーミリオン」を基調にし、屋根部分は深い赤い色「ルージュボルドー」を配色、帯にロマンスカーの伝統色である「バーミリオンオレンジ」をあしらった。基調となるカラーは、オレンジと赤のちょうど中間色といった印象。鮮やかな色で、沿線ではかなり目立つ存在となりそうだ。

20171207_y-koba8 (3)↑車体色はローズバーミリオン。自然のなかに咲くバラの色を元に選ばれた。車体先頭部に展望席があり、その上に運転席が設けられる

 

台車は電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載。乗り心地を重視した。フルアクティブサスペンションは東北新幹線のE5系にも使われる機能で、在来線用の特急車両7両すべての台車に搭載される。これはかなり贅沢な仕様と言うことができるだろう。

20171207_y-koba8 (5)↑70000形GSEの車体長は20m超と長いため、VSEなどに使われた連接台車は使われていない。すべての台車に電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載

 

20171207_y-koba8 (6)↑眺望を良くするため、50000形VSEの窓に比べて30cmタテ幅を広げ、タテの寸法を1mとした。先頭部はVSEに比べてやや立った形状とされた

 

運転開始後にぜひ使ってみたい車内専用Wi-Fiサービス

新型70000形GSEは次世代ロマンスカーらしいサービスも行われる予定だ。その代表が車内専用Wi-Fiサービス。8言語で使えるというシステムは外国人観光客の利用が多いロマンスカーらしい対応。さらにWi-Fiでは沿線情報、エンターテイメント、車内の案内以外に、鉄道好きにはたまらない展望ライブ映像も見ることができる。

 

先頭車、特に展望席の人気は、運行開始後は倍率も非常に高いと思われるが、車内専用Wi-Fiを使えば、展望席でなくとも車内のどの席でも展望ライブ映像が楽しめるわけだ。 さらにカメラは運転席に設けられている。運転士がいつも見ている映像が楽しめるのだ。これはぜひとも見てみたい。

20171207_y-koba8 (8)↑前照灯の上にカメラが設置された。このカメラが写し出す映像をWi-Fiを使えばリアルタイムで楽しむことができる。展望席よりもさらに迫力の展望ライブ映像が楽しめそうだ

 

席の下が荷物の置き場に利用できる

ロマンスカーは外国人観光客も多く利用する。箱根の温泉宿への宿泊を考えて乗車する利用者も多い。新車両には、大きな荷物を持つそんな観光客向けにありがたい仕組みが取り入れられている。なんと、全座席下に国内線機内持ち込みサイズの荷物が収納できるのだ。逆に荷棚は無く、視界が遮られない工夫が取り入れられている。

 

またトイレはすべて洋式で、温水洗浄機能付きの便座が付く。電動式椅子でも利用できるゆったりサイズのトイレも用意された。

20171207_y-koba8 (9)↑椅子に張られた生地は造形作家の岡崎乾二郎氏がデザイン。明るい印象の2列+2列のシートが並ぶ

 

20171207_y-koba8 (10)↑肘掛け部分に納まる折畳みテーブルを出した状態。その下に電源コンセント(全席に装備)が備えられる

 

20171207_y-koba8 (11)↑席の下に旅行バックの収納が可能(55cm×40cm×25cm以内)。これは旅行者にとって便利な仕掛けだ。ほかにも大型バック用のスペースも別に設けられている

 

最後に先頭車の展望席部分をチェック

70000形GSEの最大の魅力は前後の先頭部に設けられた展望席。計16席(後部の車両を含めると計32席)のみの至福の空間だ。新車では先頭座席を50000形VSEよりも先頭に35cmほど近づけ、より迫力の展望風景が楽しめる構造とした。16席以降の先頭車両の席も、広々した前面と側面の窓から展望を楽しめる構造。中間車両も側面の窓もタテ寸法を広くしたことで、沿線の風景を十分に楽しめることになりそうだ。

20171207_y-koba8 (12)

↑1号車、7号車の先頭部に設けられた展望席スペース。計16席のみの“特等席”となる。従来通り特別料金が必要なわけではなく、先着順での指定席の販売となる

 

20171207_y-koba8 (13)↑最前部の席は車体の形状に合せてやや内側を向いての配置となった。50000形VSEよりも前に座席が配置され、迫力ある展望風景が楽しめそうだ

 

20171207_y-koba8 (14)↑展望席の後ろにあるのは運転席への入口。ここから梯子で運転席へ入る。今回の新車発表会では混乱を避けるため、運転席の公開は行われなかった

 

2018年3月中旬以降の運転予定は?

最後に70000形GSEの運転予定を見ておこう。小田急線は代々木上原〜梅ヶ丘間の複々線工事の完了に合わせて2018年3月中旬にダイヤ改正を行う。この改正に合せて走り始めるのが70000形GSEだ。

 

まずは新宿駅発、土休日の午前、9時、10時、11時発。平日の10時、11時発のスーパーはこね号に展望車両のある特急ロマンスカーが使用される。これらの列車に70000形GSEが組み込まれる予定。さらに複々線工事の完了で、現行よりも新宿〜小田原間が4分短縮、また新宿〜箱根湯本間が9分短縮され、それぞれの所要時間が短縮される。

 

なお、70000形の運行はその日で変わる。通勤時にも利用される予定。運行時刻はネットで事前に発表されるというから、楽しみに待ちたい。

これはもう手放せない! 唯一無二の“超望遠”高倍率ズーム「タムロン18-400mm」と行く珠玉の撮影旅 in 箱根

一眼レフカメラ用交換レンズは数多くあるが、そのなかでも7倍や10倍といった高いズーム倍率を持ち、1本持っておくとさまざまなシーンに対応できて便利なのが「高倍率ズーム」と呼ばれるカテゴリのレンズだ。こうしたズームレンズは、35mm判換算で28~450mm相当程度の製品が主流となっているが、2017年7月に登場したタムロンの「18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD(Model B028/以下18-400mmと表記)」は、望遠側を大幅に拡張した28~600mm相当(キヤノン用は28.8~640mm相当)を実現。カメラ愛好家の間で瞬く間に大きな話題となった。このようにスペック的には申し分のない同レンズだが、気になるのは実際の描写や使い勝手。そこで今回は、日帰りの旅を想定して神奈川県・箱根町に赴き、その実力をチェックした。

【今回の旅の相棒】

20171129_y-koba5 (5)

タムロン
18-400mm F/3.5-6.3 Di II VC HLD(Model B028)
メーカー希望小売価格/9万円(税抜)

3段繰り出し式鏡筒の採用などで、高倍率ズームレンズとしてはほかに類を見ない超望遠400mmを実現。操作感がスムーズで広角から望遠まで一気にズーミングしても引っ掛かりがなく快適だ。マウント基部に「ルミナスゴールド」と呼ばれるリングをあしらった新デザインの採用で、外観もすっきりとした印象。屋外での撮影に配慮し、簡易防滴構造も施されている。2017年12月現在では、キヤノン用・ニコン用が用意されている。

■詳しい製品紹介はコチラ
http://www.tamron.jp/product/lenses/b028.html

 

※本記事の作例はキヤノン用レンズを用いて撮影しています

 

広角から超望遠まで、この1本で驚異的な画角をカバー

はじめに、本レンズの概要をおさらいしておこう。焦点距離は冒頭にも記したように18~400mmで、APS-Cサイズセンサー採用の一眼レフカメラ用となっているため、画角は28.8~640mm相当(キヤノン用。以下同じ)。1本で本格的な広角撮影から超望遠撮影まで可能となっている。開放絞りはF3.5-6.3で、高倍率ズームレンズとしては標準的な仕様。大口径レンズではないので極端に大きなボケは期待できないものの、円形絞りの採用で自然なボケ描写が得られる。

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持ち歩きの際に気になる質量は、レンズ単体で約710g(キヤノン用)。エントリークラスの一眼レフカメラボディが500~600g程度なので、その場合はボディと合わせても1.5kgを切る軽さとなる。長さは約123.9mm(キヤノン用)と、ダブルズームキットなどの望遠ズームと同程度。実際にボディに装着して手に持ってみると、レンズ鏡筒をしっかりと持ってホールディングすることができ、安定して撮影できる。日帰り旅に持っていくバッグでも十分に収納できる大きさで、当然のことながら、ダブルズームキットを持っていくよりもかなり少ないスペースで済む。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑今回はミドルクラスのボディと組み合わせて使用したが、それでもボディとレンズを合わせて1.5kgを切る軽さで、片手でも無理なく持てる

 

画角変化に驚愕! レンズ交換なしでこれほど違う写真が撮れる

ここからはいよいよ実写編。高倍率ズームでまず注目したいのが画角変化だ。ズーム倍率22.2倍という驚異的な数値をもつ本レンズなら、なおさら気になるところ。そこで早速、広角端と望遠端で芦ノ湖を前景に富士山を撮影してみた。28.8mm相当となる広角端では、芦ノ湖、富士山に加えて青空を広々と写すことができた一方で、640mm相当となる望遠端では富士山の山肌の様子を大きく写すことができ、改めてその画角変化に驚いた。まさに、“超望遠”高倍率ズームレンズと呼ぶにふさわしい。

20171129_y-koba5 (1)↑広角端の18mm(28.8mm相当)で撮影。手前の木々や芦ノ湖、富士山を入れたうえで空を広々と写し込むことができた

 

20171129_y-koba5 (4)↑望遠端の400mm(640mm相当)で撮影。超望遠域らしく、富士山の山頂付近のみを大きく写し、山肌の質感を克明に再現することができた。18mm(28.8mm相当)の写真と見比べると、そのズーム倍率の凄さがわかる

 

一般的な標準ズームに比べると広角端は同等となるが、標準ズームの望遠端は長いものでも70mm(112mm相当)程度までであり、その差は歴然。ダブルズームキットの望遠端に多い300mm(480mm相当)と比べても、1回りほど被写体を大きく撮れる印象だ。

20171129_y-koba5 (2)↑一般的な標準ズームレンズ(キットレンズ)の望遠端は50mmや70mmのものが多い。この写真は70mm(112mm相当)で撮影したものだが、富士山のアップの写真としてはやや物足りない印象だ

 

20171129_y-koba5 (3)↑ダブルズームキットや一般的な望遠ズームの望遠側は200mmから300mm程度のものが多い。この写真は300mm(480mm相当)で撮影したもの。富士山を十分にアップで写せたが、400mm(640mm相当)のほうが1回りほど画角が狭く、迫力のある写真となっている

 

広角~超望遠を生かした多彩な描写が可能

次に芦ノ湖の湖畔に出て遊覧船を撮影。広角・望遠の両方をうまく生かすことで、同じ場所・被写体でありながら異なる印象の写真に仕上げることができた。

20171129_y-koba6 (1)↑まずは18mm(28.8mm相当)で桟橋に停泊する2艘の遊覧船を撮影。適度に遠近感が強調され、船が堂々と見える。また、青空を広く入れたことでさわやかさの感じられる写真になった

 

続いて、出港後かなり遠くまで行った船を400mm(640mm相当)で撮影。どっしり大きく写すことができ、その引き寄せ効果を改めて実感した。

20171129_y-koba6 (2)↑望遠端である400mm(640mm相当)を使って、遊覧船が画面に収まる距離で撮影。肉眼でははっきり確認することはできなかったが、超望遠で引き寄せることで遊覧船の奥を通過しようとしている小型ボートを発見。画面に収まりのいい位置にボートが来るのを待って撮影した

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑撮影位置から見ると、遊覧船までの距離はかなり離れている。このレンズを使えば、これだけ離れていても船を大きく捉えることができる

 

その後、火山活動を続ける大涌谷に移動し、立ち込める白煙の様子を撮影。50mm(80mm相当)付近で白煙全体を、400mm(640mm相当)で白煙の噴出している部分のアップを狙った。こうした中望遠から超望遠での撮影を行う場合、ダブルズームキットではレンズ交換が必要になるケースが多いが、この18-400mmならレンズ交換なく素早く撮影できる。取材時、大涌谷は火山活動の影響でハイキングコースや自然研究路に立ち入ることができず、白煙に近寄って撮ることはできなかった。それでもこのレンズがあれば、その様子を迫力満点に撮ることができるのだ。

20171129_y-koba6 (3)↑中望遠となる50mm(80mm相当)域を使って、白煙が立ち上る様子を撮影。これだけでもその荒々しさが伝わってくる

 

20171129_y-koba5 (8)↑400mm(640mm相当)で白煙が噴出している部分を拡大。中望遠のものに比べると、その勢いが感じられより迫力のある写真になった。こうした画角の違いによる写りの変化を1本で素早く楽しめるのも、本レンズの魅力だ

 

また、大涌谷にはロープウエイが通っており、このロープウェイ越しに山やさらに遠くの街並みを望むことができる。そこで、400mm(640mm相当)を使ってロープウェイのゴンドラと山、遠くの街並みを1枚に収めてみた。200mmや300mmでも同じような構図で撮ることはできるものの、400mmでの圧縮効果は圧倒的で、F11まで絞り込んで撮影することで街並みの様子を大きく写すことができた。

20171129_y-koba5 (9)↑手前のゴンドラから奥の街並みまでは相当な距離があったが、400mm(640mm相当)の圧縮効果を使うことで遠近感が消失し、ゴンドラの眼下に街が広がっているかのような写りとなった。逆に、広角で撮影すれば遠近感を強調した描写が可能

 

マクロレンズ的な使い方やボケを生かした撮影も楽しい

このレンズは、22.2倍というズーム倍率もさることながら、最短撮影距離が45cmと短く、マクロレンズ並みに被写体に近寄って撮れるという点も魅力。加えて、400mmでは約0.34倍の最大撮影倍率で撮れるほか、広角端の18mmでも被写体に近寄って背景を広く入れた写真を撮ることができる。今回の撮影行では、広角で仙石原のススキを背景を生かしながら撮影したり、紅葉の葉1枚を400mmで大きく写したりすることができた。いずれも絞りをできるだけ開けて背景のボケもチェックしてみたが、広角・望遠ともに十分なボケ描写を得ることができた。開放F値が控えめでも、近接撮影ならボケ量が大きくなって被写体を引き立てることができるのだ。

20171129_y-koba5 (10)↑18mm(28.8mm相当)を使用して最短撮影距離付近でススキを撮影。広角域で被写体に近寄ることで、このように手前の被写体を大きく写しつつ、背景を広く写し込むことが可能。絞りを開放付近に設定すれば、適度に背景をぼかすこともできる

 

20171129_y-koba5 (11)↑400mm(640mm相当)を使用し、最短撮影距離付近で紅葉した葉をアップで撮影。背景が大きくぼけ、葉の形を印象的に表現することができた。紅葉を撮るときは、逆光で葉が光に透ける様子を撮ると色鮮やかな印象に撮れる

 

近接撮影という意味では、旅の楽しみの1つである料理や旅先で見つけた小物などを撮る場合にも、このレンズは実力を発揮する。その場合は、焦点距離を30~50mm程度にして被写体に近寄って撮れば適度な距離から被写体を撮ることができ、写りも自然な写真に仕上がる。今回は昼食のハッシュドビーフを写してみたが、50mm(80mm相当)で被写体に近寄って撮ることで、柔らかく煮込まれた牛肉の様子をアップで切り取ることができた。

20171129_y-koba5 (12)↑手持ちでハッシュドビーフを撮影。ズームを標準から中望遠域(35~50mm程度)に設定すると、遠近感による誇張が少なく、見た目に近い印象で撮影できる。また、そうすることで被写体から適度な距離を保っての撮影が可能。ここでは50mm(80mm相当)で撮影した

 

手ブレ補正機構「VC」がブレのない撮影をサポート

夕方には箱根ガラスの森美術館に立ち寄り、屋内に展示されたヴェネチアン・グラスや屋外のライトアップされた(クリスタル)ガラスのオブジェなどを撮影。屋内展示では、フラッシュの使用が禁止のため室内灯での撮影となったが、カメラの高感度を使い、高い評価を得ているタムロンの手ブレ補正機構「VC」を有効にすることによって、アップでもブレなく撮ることができた。

20171129_y-koba5 (13)↑屋内に展示されたヴェネチアン・グラスのフタに施された模様をアップで撮影。準マクロ域でも手ブレ補正が機能し、手持ちでもブレなく撮れた

 

屋外のライトアップされたガラスのオブジェは、主に広角側で撮影。ここでも手ブレ補正機構「VC」を使うことで、三脚を使うことなく撮影を楽しめた。手ブレ補正は日中での望遠撮影で有効なほか、こうした薄暗くなりがちな屋内撮影や夕景・夜景撮影など多くのシーンで有効で、三脚を携行しにくい旅先での撮影の幅を大きく広げてくれる。

20171129_y-koba6 (5)↑広角端の18mmを使って、手前と奥にある木の遠近感を生かしながら幻想的な輝きを撮影。手ブレ補正は搭載されているが、夕景や夜景を撮る場合は、広角側を使うとぶれにくくて安心だ

 

このほかにも、紅葉を撮影して解像感などをチェックしたり、鉄道を撮影して動きモノを追尾する際のAFの作動をチェックしたりしたが、いずれも高倍率ズームレンズとしては良好な結果が得られ、満足できる写真を撮ることができた。画質面では、3枚のLD(異常低分散)レンズやガラスモールド非球面レンズ、複合非球面レンズの採用で収差を抑えつつ十分な解像感を保っており、AFは、タムロン独自の「HLD (High/Low torque-modulated Drive)」が採用され、高倍率ズームレンズとしては高速かつ静かなAFが可能。被写体の追尾もスムーズで、不用意にピンボケになるようなこともなかった。

20171204_y-koba1_01_R↑箱根湯元に向かう特急列車を撮影。AFをコンティニュアスに設定して高速連写モードを使用したが、モーターに独自の「HLD」が採用されたことでAFのレスポンスも良く、快適に撮影できた。精度も高く、今回連写したすべてのカットでピントが合っていた

 

【結論】汎用性が高く、エントリーユーザーからベテランユーザーまでおすすめできる1本

今回はタムロン18-400mmの旅撮影での実力をチェックしたわけだが、実際に1日撮影してみてわかったのは、このレンズの守備範囲が非常に広いということ。広角や超望遠での撮影はもちろん、近接撮影まで楽しめ、室内や夕景・夜景の撮影にも強いのだ。これだけの汎用性があれば、旅撮影に限らず、ほとんどの撮影場面で不自由することはないだろう。

 

ベテランユーザーのなかには、「高倍率ズームはF値が暗い」と敬遠する人もいるかもしれないが、最近のカメラは高感度性能がアップしており、ISO400や800といった少し高めの感度に設定しておけば失敗なく撮影が楽しめるはずだ。超広角やより大きく質の高いボケ描写、あるいは画面の隅々までの高画質を求めるなら、それぞれ専用のレンズが必要になるとは思う。とはいえ、1本でこれほど幅広い被写体に対応でき、手軽かつ必要十分以上の描写力が得られるレンズは、いまのところこのタムロン18-400mm以外に存在しないのではないだろうか。そういった点を踏まえると、エントリーユーザーが最初に買う1本としてはもちろん、機動性を重視したいベテランユーザーまで幅広い人におすすめできる優秀な1本と言える。何かと荷物が増えがちな年末年始の旅行でも、本レンズの守備範囲の広さと機動力が大活躍するはずだ。

 

■詳しい製品紹介はコチラ
http://www.tamron.jp/product/lenses/b028.html

 

【スポット紹介】

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箱根ガラスの森美術館

緑豊かな箱根仙石原にある、日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館。作例に挙げたクリスタル・ガラスのツリーは12月25日まで展示される。

【意外と知らないクリスマス】イルミネーションは恋人のためではなく、エジソンの商業戦略だった!

12月ももう目前。街ではイルミネーションが点灯し始めましたが、ヨーロッパでは、この時期になるとクリスマスマーケットが賑わいを見せます。一度は行ってみたいヨーロッパの美しく幻想的なクリスマスマーケットですが、一体そこでは何を楽しむことができるのでしょうか? 本稿では、欧州各地のクリスマスマーケットに足を運んだ筆者が思い浮かべるものを3つ、その起源や意味とともに紹介したいと思います。

 

1: 夜空に輝くイルミネーション

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クリスマスマーケットといえば、夜に映える色鮮やかなイルミネーションの光景が名物。星や天使をかたどった華やかなイルミネーションはヨーロッパの歴史的建造物や街並みにとてもよく合い、そこにいるだけで心が踊るような気分になります。

 

クリスマスにデコレーションを施す習慣は19世紀頃からあったと言われ、イルミネーションは空に輝く無数の星を連想させるものとして広く定着しました。最初の頃はまだ電気がなかったので、ロウソクを用いて飾りつけをしていましたが、それによって発生する火災も決して少なくはなかったようです。

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そんななか、クリスマスツリーに初めて電気の装飾をつけたのは発明王エジソンでした。1880年に白熱電球を生み出した彼は「どうやってこの素晴らしい発明品を宣伝しようか」と考えました。そこで思い付いたのが、クリスマスツリーでの装飾に用いることでした。

 

2: 賑やかな広場や通りの出店

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クリスマスマーケットでは様々な出店が立ち並び、子どもから大人まで皆が欲しくなるようなギフトがたくさん売られています。クリスマスツリーの飾り付けにもなるお菓子、ハンドメイドのおもちゃ、ホットドリンク、ソーセージは定番といえるでしょう。

 

このように人々がクリスマス間近にマーケットを楽しむといった風習は、クリスマス準備期間である「アドベント(待降節)」の間に見られます。アドベントとはクリスマスの4回前の日曜日からクリスマス・イヴまでの期間のことをいい、このときに開催されるのがクリスマスマーケットです。その起源は15世紀のドイツにさかのぼり、クリスマスに必要とされるものを市民が広場に持ち寄って物々交換したことから始まりました。また、クリスマスツリーをつくるためのモミの木など、大小問わず取引を行っていたそうです。

 

3: クリスマスの意味を思い起こしてくれるクリスマスハウス

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すべての国のクリスマスマーケットにあるとは限りませんが、筆者在住のポーランドでは頻繁に「ショプカ」と呼ばれるクリスマスハウスが広場に登場します。英語ではクリスマス・クリブスと呼び、ヨーロッパではよく見かけるものの日本ではあまり知られていません。

 

このクリスマスハウスはイエス・キリストの生誕場面を再現したもので、イエス以外にも聖母マリアと父ヨセフ、東方の三博士たちを見ることができます。しかし、赤子のイエスが現れるのはイエスの誕生日とされる12月24日の深夜以降。出店でも家庭用サイズのものが売られているので、ヨーロッパのクリスマスマーケットに訪れる際は探してみてください。

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筆者も最初はお祭り気分でクリスマスマーケットを散策していましたが、本来の意味を知ると見方が変わって、より深く楽しめるようになりました。最近では日本でもクリスマスマーケットが増えてきたので、今年はぜひ皆さんも足を運んでみてください。

食べなきゃ後悔する! 日本人にオススメの、冬に食べたい「ポーランド」の絶品スープ5選

日ごとに寒さが増し、温かいものをいただきたくなる季節となりました。著者が住むポーランドの伝統料理には、さっぱりしたものからクリーミーなものまで、冬に飲みたい絶品スープが勢ぞろいしています。今回はそのなかから日本人がつい何回も飲みたくなってしまうスープを5つご紹介します。

 

1: ジュレック

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ジュレックは「ポーランドの味噌汁」とも呼ばれます。ライ麦を発酵させた際にできるザクワスというものを入れたスープで、その独特な酸味と味わい深さが特徴。固ゆでの卵、白ソーセージやスモークベーコンなどが入っており、食べごたえは抜群です。通常はパンといっしょに食べるため、これだけでお腹いっぱいになってしまうかもしれません。

 

2: バルシチ

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見た目はただ真っ赤で、人によっては口にするのも抵抗を感じてしまうようなスープです。しかし、この色は赤ビーツという野菜からでるもので、バルシチは一種のベジタブルスープ。シンプルなだけに味はスパイスに左右されやすく、レストランや家庭によっても異なります。しかし、見た目とは裏腹に日本人にとってはホッとする味わい。非常にあっさりしていて飲みやすいです。

 

3: ロスウ

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ポーランドの家庭では、日曜日にロスウを飲むのがお決まりです。ロスウはいわゆるチキンスープですが、数あるスープの中で最も伝統があるといわれるもの。メインの具としてマカロンと呼ばれる、短くて細いパスタが入っています。ポーランドで日本風ロスウといえばラーメンのことですが、ラーメンほど濃い味ではありません。透き通る色合いからも分かるように、とても優しい味がします。

 

4: ズパ・グジェボヴァ

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ポーランド人が好きな食べものの1つにキノコ(ポーランド語でグジェヴィ)がよく挙げられます。家族できのこ狩りに出掛けるのは秋の恒例行事。ポーランドの森で採れた新鮮なキノコの旨味がたっぷり入った、ほっこりできる味わいのズパ・グジェボヴァはみんなの大好物です。とりわけポルチーニ茸のスープは日本人観光客にも大人気。高級食材として知られるポルチーニ茸ですが、ヨーロッパで流通しているポルチーニ茸の9割がポーランド産なのです。ぜひとも本場のポーランドで味わってみてください。

 

5: ズパ・グラショヴァ

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こちらのスープは、ゴロゴロとした牛肉とニンジンやジャガイモといった野菜が具材となっているため、ビーフシチューのような感覚で食べることができます。実はグヤーシュと言われるハンガリーの伝統料理なのですが、今ではその周辺国や地方での代表的なスープとして知られるようになりました。ポーランドで飲まれる数あるスープの中でも比較的味が濃く、また材料の1つであるパプリカパウダーの香りと甘みは病み付きになります。

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以上、ポーランドの代表的なスープを5つ紹介しました。どれも1年を通して食べられるものですが、冬になるとスープのバリエーションは一気に増えます。ポーランド旅行の際はぜひ、いろんなお店でスープを飲み比べてみてください。

太古の森と海辺のハートが待っている! 奄美大島の大自然を全身で満喫

最近は天候が安定せず、体調を崩しつつある方もいるのではないでしょうか。そんなときは都会の喧騒から離れて、奄美大島の大自然にたっぷりと心と体を浸してみては? ここでは、奄美に行ったらぜひ訪れていただきたい、太古の森を思わせる「金作原原生林」と、干潮時にしか見られないという「海辺のハート」の2か所をご紹介します。

 

【金作原原生林】大自然のなかで心も体もリラックス

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名瀬の中心部から車で40分ほど。曲がりくねった山道の先に「金作原原生林」はあります。ここは最大10メートルにもなるシダ類「ヒカゲヘゴ」が群生し、恐竜が姿を現しそうなうっそうとしたジャングル。また根が板状に張り出す「オキナワウラジロガシ」など珍しい樹木も見られます。さらに運がよければ、幸運を呼ぶといわれる鳥「アカショウビン」や天然記念物の鳥「ルリカケス」に出会えることも。神秘的な森のなかで、心も体もリラックスする癒しのひと時を過ごすことができます。

20171020_BLnak1_2↑根が板状の「オキナワウラジロガシ」。ツアーの見どころのひとつです

 

20171020_BLnak1_3↑巨大なシダ類「ヒカゲヘゴ」。1つの枝が大人の背丈ほどあります

 

↑「リュウキュウルリモントンボ」。指に乗せればしばらく止まっています↑「リュウキュウルリモントンボ」。指に乗せればしばらく止まっています

 

【ツアー紹介】

金作原原生林散策&マングローブカヌー1日ツアー(鶏飯ランチ付)

料金:税込9500円

https://www.veltra.com/jp/japan/amamioshima/a/121488?sid=1125&cid=magazine201711

 

【ハートロック】時間限定! 海辺のハートが幸運を呼ぶ!?

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奄美空港から名瀬方面へ車で15分。県道82号線沿いのビラビーチにあるのが「ハートロック」です。このビーチには車で横づけできないため、2つあるルートのうちどちらかを数分歩くことになりますが、南国の植物が生い茂る小道から行くのがオススメ。

 

昼でも薄暗い天然のトンネルを抜けると、一気に視界が開け、広大な砂浜が広がっています。瞬時に変わるその景色は、夜明けを感じさせるすがすがしさ。海岸沿いにはいくつかの潮だまりがあって、その1つがハート型に削られています。行けば必ず見られるわけではなく、干潮時しか現れない。潮汐表でしっかりチェックして訪れてみましょう。

 

↑南国の植物が生い茂るトンネルを抜けた先がビーチ↑南国の植物が生い茂るトンネルを抜けた先がビーチ

 

↑ビーチに出たところにかわいい道しるべがある↑ビーチに出たところにかわいい道しるべがあります

伝統の島唄が楽しめる郷土料理店!? 知る人ぞ知る「奄美の名店」5選

奄美と聞いて思いつくのは、豊かな自然……ですが、実は奄美の食文化も、自然と負けず劣らず豊かでバラエティに富んでいるんです。ここでは、島唄が楽しめる家庭料理のお店からオムレツが名物の隠れ家的レストランまで、5つのお店を取りあげました。

 

【①奄美郷土家庭料理 かずみ】

伝統の島唄を聞きながら郷土料理を楽しめる

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みんなで唄い踊り、島の文化にどっぷり浸かれる異空間

奄美大島イチの繁華街、名瀬にある「郷土料理かずみ」は、奄美に古くから伝わる島唄を聞ける貴重なお店。おかみさんの西和美さんも有名な唄者(うたしゃ)で、CDをリリースし、武道館にも立ったほどの腕前です。

 

お店は17時にオープンしますが、島唄が始まるのは、ある程度料理を出し終わった19時過ぎから。島唄は、男女の言葉の掛け合いに節をつけていくのが基本的なスタイルで、三味線を弾く男性の唄者に応えるように、和美さんが調理の手を止めて張りのある唄声を聞かせてくれます。

 

ここでは、島唄をじっくり聞くのではなく、一緒になって唄い、踊るのが特徴。店内に響く唄に合わせて手拍子するのはもちろん、太鼓も合わせた島唄「六調」が始まると、全員が立ち上がって唄い、踊り始めます。和美さんも「島唄はあらたまって唄うものではありません。唄が下手でも唄うし、三味線が弾けなくても弾く。誰でも楽しめる。それが島に息づく島唄なんです」と笑顔で語ります。

 

島唄には都会の疲れを癒し、元気を与えてくれる不思議な魅力が詰まっているんです。

20171021_BLnak1_2↑料理はおまかせコース3000円からで、ボリュームも満点。素材は100パーセント奄美で採れたもの

 

20171021_BLnak1_3↑おかみさんの西和美さんは有名な唄者(うたしゃ)。お店は40年の歴史があり、リピーターも多いです

 

【お店情報】

奄美郷土家庭料理 かずみ

奄美市名瀬末広町15-16

TEL:0997-52-5414

営業:17:00~23:00 不定休

※要予約

※島唄を希望の方は、予約時にお伝えください

 

 

【②架空食堂「Kurau」】

ジューシーなソーセージが自慢の奄美創作料理

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奄美産を独自に表現する、知る人ぞ知る名店

奄美大島の繁華街、名瀬にある創作料理「架空食堂kurau(くらう)」。ヨーロッパの家庭料理をテーマに、奄美の食材を使ったオリジナリティーあふれるメニューがそろいます。特に人気のあるのが、奄美でもほとんど市場に出回っていない「あかりんとん」という地元産の豚肉を使った自家製ソーセージ。あぶらに甘みがあるとてもジューシーなソーセージで、来店する方の8割が注文するほどの名物。そのほかにも、あかりんとんの加工肉をベースにした創作料理が並びます。

 

また奄美のフルーツを組み合わせた料理や、魚介を使った料理など旬を生かしたメニューにも人気があります。奄美の地ビール「あまみガーデン」とともに食べる地元の食材は絶品。

 

店主の安田さんは奄美育ち。その後福岡に渡り、さまざまなレストランで修業。そのときに働いたビストロでの経験を生かして、いまから約6年前に奄美でお店を出しました。地元の人たちに愛され、いまでは姉妹店「Au pas camarade(お・ぱっきゃまらど)」もオープン。同じ名瀬にあるブラジル創作料理店で、豚肉料理スペアリブが好評だといいます。

 

知る人ぞ知る名店として、地元の人たちにも知れ渡っている両店。郷土料理とは一風変わった、奄美ならではの料理を楽しみたい方におすすめです。

20171021_BLnak1_5↑お店一番人気の自家製ソーセージ(手前 700円)と、あかりんとんのリエット(奥 450円)

 

20171021_BLnak1_6↑席数はカウンター8席、テーブル12席。お店は基本的に2人で切り盛り

 

【お店情報】

架空食堂「Kurau

奄美市名瀬金久町16-6

TEL:070-5817-0493

営業:18:00~夜更け 不定休

 

 

【③ラフォンテ】

奄美の気候にベストマッチ。農園直営の本格ジェラート店

20171021_BLnak1_7↑(写真左)パッションフルーツ、タンカン、真塩のジェラート、(写真右)黒糖、マンゴー、島ざらめキャラメルのジェラート。トリプル(3種類)で税込520円

 

島ならではの素材で作るジェラードは絶品

奄美空港から名瀬方面に向かう県道82号線沿いにあるジェラード店「ラフォンテ」。直営のいずみ農園で育ったフルーツで作られるジェラートは、どれも素材の味を十分に生かしたフレッシュな味わいです。マンゴー、パッションフルーツ、タンカンなどの南国フルーツはもちろん、チョコレート、イチゴ、ミルクなどの定番、さらには黒糖、真塩、島ざらめなどここでしか味わえないジェラードがそろいます。

 

お店一押しの島ざらめキャラメルは、奄美産のさとうきびを使って作られ、ざらめのコクがジェラードにマッチし、深みのある味わい。また、南国ならではのパッションフルーツのジェラートは、収穫が追いつかないほどの人気ぶりです。

 

お店のオーナー、泉さんは奄美出身の女性。夫とともにUターンで島に戻り、夫が農園を始めたことから、その素材を生かしたジェラード店を立ち上げました。

 

「私も主人も何度かイタリアを訪れたのですが、そのときに食べたジェラートのおいしさが記憶に残っていました」と始めたきっかけを話してくれた泉さん。

 

2011年にスタートしたお店ですが、いまでは観光客や若い女性、ファミリー層に人気があり、客足が途切れることがありません。目の前に広がる広大な農園と山々を眺めながら食べるジェラートは格別。1年中暖かい奄美の気候にもピッタリです。

20171021_BLnak1_10↑県道82号線沿いに立つ、白がまぶしいかわいらしい建物。奄美の澄んだ青空に映えます

 

20171021_BLnak1_9↑「カラフルなジェラートがあくまで主役」と、内装はベージュとホワイトのシンプルな色調

 

20171021_BLnak1_11↑代表の泉さん。2017年で6周年を迎え、島で人気のジェラート店になりました

 

【お店情報】

ラフォンテ

大島郡龍郷町赤尾木1325-3

TEL:0997-62-3935

営業:11:00~17:00(平日)、11:00~18:00(土日祝日) 火曜日定休

http://lafonte.amamin.jp/

 

 

【④元祖 鶏飯みなとや】

奄美の食文化に出会える名店

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スープがなくなったら閉店

奄美の郷土料理といえば、「鶏飯」。白いご飯に、ほぐした鶏肉、錦糸卵、シイタケ、漬け物、ネギ、のり、干したみかんの皮などを乗せ、鶏ガラスープをかけて食べます。味は具だくさんのお茶漬けのような感じで、シンプルな具材にコクのあるスープがしっかりとマッチしています。大人なら2~3杯はいけるでしょう。

 

「元祖 鶏飯みなとや」は、店名にもある通り、ここが鶏飯発祥の地。もともとはいまから400年前に薩摩藩の役人方をもてなすために作られた料理で、当時は炊き込みご飯でした。それを昭和21年に、この店の創業者である岩城キ子(きね)が現代風にアレンジ。鶏スープをかけた現在の鶏飯を作り上げました。

 

みなとやは、島では有名なお店で、客足は途絶えません。人気の秘密は、素材の新鮮さにあります。お客さんに提供するのは、その日の朝から作った新鮮なスープのみ。朝4時ころから仕込みをし、鶏をまるごと3~4時間かけてじっくりと煮込みます。アクと余分な脂を取りながら、とろ火で煮るのがおいしさの秘けつだとか。このスープがなくなったら、その日の営業は終了となるなど、質の落ちるものは出さないというポリシーがあります。

 

いまでは奄美の一般家庭でも広く食べられている鶏飯。島の食文化を知る上でも、訪れておきたい名店です。

20171021_BLnak1_13↑自分で具材を乗せ、スープをかけます。ご飯は軽め、具材はたっぷりがおいしいです

 

20171021_BLnak1_15↑店の前には鶏の石像が。みなとやの創業者が鶏飯を編み出しました

 

20171021_BLnak1_14↑「心を込めて作るとおいしくなる」とおかみさんの池山さん

 

【お店の情報】

元祖 鶏飯みなとや

奄美市笠利町外金久81

TEL:0997-63-0023

営業:11:00~14:30ラストオーダー(売切次第終了) 不定休

http://minatoya.amamin.jp/

 

 

【⑤陶工房カフェ夢紅】

時間を忘れて癒やされる隠れ家レストラン

20171021_BLnak1_16↑手前が名物のカルボナーラオムレツ(1200円)。ペペロンチーノ(右、800円)、アンチョビ(上、1100円)も人気

 

島の雰囲気にどっぷり浸かれる愛ある空間

奄美空港から名瀬に向かう途中にある隠れ家的レストラン「陶工房カフェ夢紅」。地元の人から熱烈に愛される知る人ぞ知る名店です。料理はイタリアン。ペペロンチーノ、アンチョビの定番のほか、カルボナーラオムレツというイタリアのまかない料理も提供しています。

 

お店の売りは、何といってもその立地。お店は木造1軒屋を改造したカフェで、ウッディーな店内は南国の雰囲気が漂います。そしてテラスの目の前には、美しいビーチとキラキラと輝く太平洋が広がっています。ビーチに降りて行けば、そのまま海辺で波と戯れることができます。亜熱帯気候の奄美のそよ風を受けながら飲むトロピカルジュースは格別。都会の喧騒を忘れ、エネルギーを充電するためにはもってこいの場所。

 

お店を経営するのは、陶芸家の中嶋夢元さんと奥さん。夢元さんは、山口県山陽町とここ奄美大島に陶芸の窯を持ち、その工房でロクロを回す。独特の世界観を持つ器には定評があり、定期的に東京などで個展を開いています。レストランでもその器を使って料理が盛られ、訪れた人たちを魅了しています。

 

「心地いい場所を作りたかった」という奥さん。のんびりゆったりと時間を過ごしたい人にとっておすすめのスポットです。

20171021_BLnak1_17↑グァバ(左)、パッションフルーツ(手前)、バナナ(奥)のジュース。ドリンクは600~700円

 

20171021_BLnak1_18↑デイゴの木の向こう側には美しいビーチが。「この景色が素晴らしい」とマスター

 

↑仲のいい夫婦がレストランを切り盛り。料理はもっぱら奥さんが担当↑仲のいい夫婦がレストランを切り盛り。料理はもっぱら奥さんが担当

 

【お店情報】

陶工房カフェ夢紅

奄美市笠利町与湾神ノ子字殿地

TEL:0997-63-2341

営業:昼頃~夕方 火・水定休

http://yumekurenai.com/

リアルジャングルクルーズからクジラのダンスまで! 奄美のおすすめアクティビティ3選

広大なマングローブのなかをカヌーに乗って進んだり、伝統的な技法「泥染」でTシャツなどを染め上げたり、ザトウクジラを間近で観察したり……。これが全部、奄美大島で体験できるんです。実は豊富な、奄美大島のアクティビティの魅力をあますところなく紹介!

 

【その1】

「マングローブカヌー」でリアルジャングルクルーズを体験!

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静けさに包まれた迷路のようなマングローブ

国内で2番目の広さを誇るマングローブ原生林をカヌーに乗って探検する、奄美大島で一番人気のアクティビティー。カヌーは1人乗りと2人乗りがありますが、3分ほどレクチャーを受ければ、初めてでも簡単に操作することができます。

 

スタート地点からゆるやかな川を下っていくと、迷路のようなマングローブ原生林に到着。トンネル状になった水路は静けさに包まれ、聞こえる音はパドリングの音だけ。都会生活で疲れた体を一気にリフレッシュできます。干潮時と満潮時で巡るコースが違うため、2回体験するのがおすすめです。

20171020_BLnak2_1↑スタート前に丁寧にレクチャー。初心者でも大丈夫

 

20171020_BLnak2_2↑ゆったりと流れる川を下りマングローブ原生林へ

 

20171020_BLnak2_3↑奄美のマングローブは約71ヘクタール。日本で2番目の広さです

 

【ツアー紹介】

金作原原生林散策&マングローブカヌー1日ツアー(鶏飯ランチ付)

料金:税込9500円

https://www.veltra.com/jp/japan/amamioshima/a/121488?sid=1125&cid=magazine201711

 

【その2】

【泥染体験】奄美伝統の技法で、オリジナルを作っちゃおう!

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自分だけのTシャツ、ストール、ハンカチができる

奄美に古くから伝わる染色方法「泥染」は、大島紬の制作工程にも使われる技法。その泥染でTシャツやストール、ハンカチを染め上げるモノづくり体験が今人気を博しています。

 

まずは模様の作り方から。使うのはどこの家庭にもある輪ゴム、洗濯バサミ、グリップ。小さくつまんで輪ゴムや洗濯バサミで止めたり、端を大きく束ねてグリップで挟んだりと、やりかたは自由。

 

それが終ったら、今度は色を染めていきます。やり方は布を石灰水とテーチ木(シャリンバイ)の液体に交互に浸すのですが、この工程を27回繰り返します。うまく染まれば、回数が減るそうなので、手を抜かないでやることがポイント。

 

そうしてしっかりと色づいた布を持って屋外に移動。小さく掘られた泥田に入って、布を優しく入れて優しく絞る。これを数回行えば完成です。

 

ここまでの行程はわずか1時間。この短時間で世界に1つだけのオリジナルを作れるということで、性別、年代を問わず訪れる人が多いです。自分用としてももろちん、特別な人へのプレゼントにしてみるのはいかが?

20171020_BLnak2_6↑模様づくりは輪ゴム、洗濯バサミ、グリップで行います。誰でも簡単にできます

 

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20171020_BLnak2_8↑グリップなどで挟んだ布を液体の中へ。これもすべて手作業

 

【その3】

「ホエールウオッチング」で、海の王様・ザトウクジラを間近で観察!

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冬限定! 迫力満点のクジラのダンス

毎年冬、暖かい海で子孫を残すために、遠くシベリアから奄美大島近海にやってくるザトウクジラ。体長は大人が13~15メートルで、体重が30トンもある海の王様です。奄美クジラ・イルカ協会によれば、2017年シーズンの出現頭数は432頭となり、5年前の10倍以上の数になったといいます。特に出現回数が多いのが、冬の2~3月。

 

そのザトウクジラのダイナミックな泳ぎを船上から間近で観察できるツアーにいま、全国から注目が集まっていて、年々観光客が増加しているといいます。海上に大きくジャンプするブリーチングは迫力満点。雄大なその泳ぎを見れば、パワー充電まちがいなし!

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↑この数年で劇的にクジラの出現数が増えている奄美近海

 

【ツアー紹介】

ホエールウォッチング 1日2回催行 船上からダイナミックな姿を観察!

(1~4月/半日)

料金:税込5400円

https://www.veltra.com/jp/japan/amamioshima/a/136495?sid=1125&cid=magazine201711

【問題】間違っているのはどこ? 東京・雷門で間違い探し10

秋の夜長、せっかくですし間違い探しなどはいかがでしょうか。お題は東京の有名な観光スポット「雷門」。上下のイラストを見比べて、違っている場所を探してみましょう。全部で10か所ありますよ。答えはページ下をチェック!

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答え

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イラスト/松本奈緒美さん…出版物・広告のイラストを手掛ける。雑誌ではパズルを連載中。

協力:パズル編集部

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年11-2018年2月号」に掲載された内容の転載になります

“旅の真実”は、いつもひとつ! 『名探偵コナン』に登場した日本の観光名所たち

これまでバニラプレスで『弱虫ペダル』や『けものフレンズ』など人気アニメの“聖地”を紹介してくれた、アニメディア編集長の馬渕悠さん。今回は20年以上にわたって放送されている、あの超メジャーアニメを通じて日本のさまざまな観光名所をガイドします。外に出るのが苦手なインドア派の方も、旅行のきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

 

幅広い世代に愛される名作には観光スポットも多数登場

これまで紹介してきたアニメの“聖地”は、成田空港付近からアニメ&マンガの聖地・秋葉原への自転車旅、関西国際空港周辺のサーバルキャットが見られる動物園でした。自分の職場の同僚・後輩、そして家族からは「面白いけど、そろそろ万人受けするものを……」と手厳しい意見をもらいました(笑)。

 

自分自身、紹介してきたものが極端だとは思わないですし、現在の日本のアニメーションで誰でも知っている、いわば“メジャー”なものなんて探すほうが難しいと考えていましたが、この偉大な作品を忘れちゃいけません。

 

1996年1月からTVアニメの放送がスタートして、昨年に放送20周年を迎えた『名探偵コナン』。「見た目は子ども、頭脳は大人」の主人公・江戸川コナンくんがさまざまな事件を解決する姿を描く本作は、原作コミックスの全世界累計発行部数が2億冊を超え、TVアニメは海外各国で放送・配信されています。とくに中国では、日本で放送された最新エピソードを数時間後に中国語字幕で視聴できる環境にあり、大きな支持を得ています。

20171020_BLnak3_2↑劇場版最新作『から紅の恋歌』で活躍する江戸川コナン

 

本作の作中での時間経過は約半年たらず……ではあるのですが、日本が舞台であるだけに数多くの観光スポットが描かれてきました。とくに劇場版は、第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』では東京タワーをモデルにした東都タワー、第18作『異次元の狙撃手(スナイパー)』では東京スカイツリーをモデルにしたベルツリータワーと、東京を代表する観光名所が登場しています。Jリーグファンの筆者が個人的に気になるのは、第16作『11人目のストライカー』に登場した東都スタジアム。こちらのモデルとなったのは、改修中の国立競技場……ではなく、愛知県豊田市にある豊田スタジアム(注:スタジアムの一部分は、東京都調布市にある味の素スタジアムもモデルになっている)。なんと“通”なセレクト。

 

そして今年4月に公開され、シリーズ史上最高興行収入記録を更新した第21作『から紅(くれない)の恋歌(ラブレター)』はコナンくん(工藤新一)の最高のライバルであり、最高の相棒でもある服部平次が、劇場版としては第7作『迷宮の十字路(クロスロード)』以来の大活躍をしている作品です。今作は関西地方が舞台になっており、明言はされていませんが、大阪城や近江神宮(滋賀)、渡月橋、嵐山天龍寺をモデルにしたと思われるスポットが描かれています。先述した『迷宮の十字路』には清水寺や京都市街の有名スポットが描かれているので、平次たちの物語も含め2つ同時に観ると楽しさ・感動が倍増します。

 ↑『から紅の恋歌』では関西の名所が登場↑『から紅の恋歌』では関西の名所が登場

 

情緒のある日本古来の建造物も大きな見どころですが、個人的に『から紅の恋歌』のなかでオススメしたい“聖地”があります。それは、とある事件の標的となった「日売(にちうり)テレビ」のモデルである読売テレビ本社ビル。今作でこのテレビ局がどんな目にあったのか、機内誌を読まれているお客さんに詳述するのは控えますが、この日売テレビはシリーズを通しても、いろんなことに巻き込まれています。とにかく、詳しく説明するのがしのばれるほど、「このテレビ局、本当に大丈夫なの?」と言われる出来事がたくさん起こっている、いわば『名探偵コナン』の“事件の聖地”と言えるでしょう。大阪市・京橋にある読売テレビ本社ビルの敷地内には、なんと江戸川コナンくんの銅像も建っています。近くには大阪城公園などの名所もありますので、遠景からでも一度押さえておく価値はあり。撮影する際は、大川を挟んだJR京橋駅側の高いところから撮るとよいでしょう。

 

メインターゲットの子どもだけでなく、いまや親世代、はてはシニア世代に至るまで圧倒的な知名度を誇る『名探偵コナン』。BD&DVDが発売中の劇場版を観ると、じつに幅広い世代の方々から愛されていることがわかります。

 

コナンくんがさまざまな難事件を名推理で解決する“ミステリー”としての面白さのみならず、新一と毛利蘭、そして平次と遠山和葉といった男女が繰り広げる王道の“ラブコメディ”的な展開、警察関係者・FBI関係者・「黒ずくめの組織」などの個性的なキャラクターたち、そして劇場版で魅せるスペクタクルなアクションシーンなど、いろんな側面から物語を楽しむことができる本作は、まさに日本を代表するアニメーション作品のひとつです。

 

そんな本作に登場する日本の観光名所は、もしかしたら、みなさんはすでに訪れたことがあるメジャーなスポットなのかもしれません。しかし、本作でこれらのスポットをアニメで観てから、もう一度そのスポットに訪れてみると、きっと新たな発見があると思います。何より『名探偵コナン』は、コナンくんら主要キャラクターや犯人・被害者などを取り巻く人間ドラマが大きな見どころ。人情味あふれる本作を知っている方々であれば、コナンくんたちが訪れた日本の名所をより身近なものに感じられるのではないかと思います。

 

土曜は1日東京や大阪の“聖地”をまわり、夕方にホテルに帰ってきて『名探偵コナン』の最新話を視聴、さらにBD&DVDや配信サービスで『迷宮の十字路』『から紅の恋歌』を視聴する……なんていう“『名探偵コナン』を骨の髄まで楽しむパッケージツアー”を自分なりに作ってみてはいかがでしょうか。あなたが目撃する“旅の真実”は、いつもひとつ!

 

そして個人的な期待も込めて、ぜひ『名探偵コナン』で香港、台湾などを舞台にしたエピソードも観てみたいです。香港の100万ドルの大パノラマ夜景をバックに、コナンくんがスケボーを駆って犯人を追い詰めるなんて展開を想像するだけで鳥肌が立っちゃいます。もちろん、行き帰りはバニラエア。トラブル(事件)のない機内で素敵な旅を……。

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名探偵コナン から紅の恋歌

Blu-ray&DVD

発売元:小学館  販売元:Being

Blu-ray(初回限定特別盤7400円+税/通常盤6200円+税)

DVD(初回限定特別盤6400円+税/通常盤5200円+税)

 

原作/青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)

©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年11-2018年2月号」に掲載された内容の転載になります

夜に輝く1万本のホワイトローズ――セブ島で話題のロマンチックすぎるカフェ

フィリピン中部にあるセブ島はいまやメジャーな観光地として日本でも定着していますが、今回はセブ島でいま話題になっている、見渡す限りバラだらけのカフェを紹介。1万本ものバラで演出された光景は最高です。

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いま、流行に敏感なセブっ子の話題をさらっているのが、1万本のバラに囲まれてロマンチックなひと時を過ごせる「10,000 ローゼズカフェ&モア」です。

 

このカフェを作り上げたのが、新進気鋭の若きインテリアデザイナー、ミゲル・チョ。男性が女性に告白したくなるような、とびっきりロマンチックな空間を作りたいという情熱にかられた彼は、愛情をストレートに表現できるバラが雰囲気づくりには最適だと考えました。

 

そこで海外の事例を参考に、一般的に花束として使われるバラを、あたり一面に敷き詰めることにしました。といってもバラを植えて栽培するのではなく、カフェの周りに白いLED製のバラを配置。こうすることで、昼間は真っ白なバラ園、夜は光り輝くロマンチックで幻想的な異空間を作り出すことに成功しました。

20171020_BLnak6_2↑昼間は美しいバラ園に。オープン当初からセブ中の話題となりました

 

2017年2月、セブ空港のあるマクタン島の末端に10,000 ローゼズカフェ&モアをオープンさせると、たちまち街の人気スポットに。昼間はやすらぎを求めて家族連れや友達同士、夜は静かに愛を語らうカップルや、意中の女性の心を一気に引き寄せたいと願う男性が数多く訪れています。

 

カフェは2階建てで、テーブルは室内、屋上デッキ、海に面したアウトサイドの3か所。特に屋上デッキとアウトサイドは、心地よい海風を受けながらリラックスできる人気のシート。対岸のセブシティを眺めながら味わうコーヒーは格別。セブに行きたくなる理由がまた1つ増えました。

20171020_BLnak6_3↑海に面したロケーションで、テーブルは室内、アウトサイド、屋上デッキにあります

 

文/MIKA…セブに住み始めて2年。現地スタッフと交流しながら、セブの魅力を発信中です。

協力:Kiminiオンライン英会話

 

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年11-2018年2月号」に掲載された内容の転載になります

白銀の世界で繰り広げられる、熱い、熱い「タンチョウのダンス」って知ってる?

ここ数週間で一気に寒くなり、街中でみかける服装も一変してきました。寒さは辛いですが、この先に待ち受ける美しい冬の光景に思いをはせてみるのもいいのでは? 今回は自然科学系の書籍や雑誌の編集、執筆を主に手掛ける筆者が、北海道を代表する鳥・タンチョウヅルの歴史や北海道での観賞スポットをガッツリ紹介します。

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「鶴は千年」と言われるように、ツルは昔から長寿や吉祥の象徴とされ、また『鶴の恩返し』などの昔話に登場する鳥としても親しまれてきました。日本で見られるツルのなかでも、最も高貴とされてきたのがタンチョウ(丹頂鶴)です。全身が白く、首と翼の一部だけが黒い、はっきりとした色彩。頭の上が丹色(にいろ=赤土のような色のこと)をしていることが、名前の由来。世界でも北東アジアからロシア南東部の一部にしか分布していませんが、日本では北海道東部に周年生息し、「北海道の鳥」にもなっています。

 

実はこのタンチョウ、いまでこそ北海道でしか見られませんが、昔は日本各地で見られたといいます。江戸時代には江戸(東京)にも飛来していて、そのようすは幕末の浮世絵師、歌川広重の「名所江戸百景」の1枚「蓑輪金杉三河しま」にも描かれています。江戸時代のツルは、将軍や一部の大名だけが捕ることを許された「ご禁制の鳥」であり、それに違反した者は罰せられました。捕らえたツルは上流階級での贈答品として扱われ、将軍が鷹狩りで捕らえたツルは、天皇に献上されたそう。もちろん、タンチョウが最上級の品。

 

こうして大切にされてきたタンチョウも、明治時代になると状況が変わります。狩猟を禁止する決まりがなくなり、生息地の湿地が開発されるようになると、やがて日本の野山からタンチョウの姿は消えていきました。そして、1924年(大正13年)に釧路湿原で再発見されるまで、一時は絶滅したとさえ考えられていました。その後、手厚い保護活動が行われ、1967年には国の特別天然記念物に指定されるなどした結果、タンチョウは少しずつ数を増やしていきました。現在では約1500羽が生息すると考えられていますが、依然として環境省版レッドリストの絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類)に指定された、稀少な鳥であることは変わりありません。

 

そんなタンチョウを、真冬の北海道で、しかも間近に見られる場所があります。それが給餌場。ここでは、冬場の餌不足でタンチョウが困らないように、保護活動の一環として給餌を行っています。なかでも有名なのが、釧路市にある阿寒国際ツルセンター「グルス」、そしてお隣の鶴居村にある「鶴見台」と「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」の3か所。給餌は、毎年11月から3月下旬まで行われますが、これらの給餌場では多いときには数百羽ものタンチョウが集まり、日中はその周りで過ごしています。

 

給餌場でタンチョウを見る際に、注目したいポイントがあります。それは、タンチョウの動き。給餌場に集まるタンチョウは、春の繁殖期に向けてつがいの相手を見つけますが、その際にいくつかの特徴的な動作を繰り返し行います。2羽が向かい合って翼を広げ、首を曲げて前屈みになったり、首を伸ばして体を伸び上がらせたりする動作。向かい合った2羽のうちの片方が、首を伸ばして体をやや起こした姿勢で飛び上がる動作。2羽が首を伸ばして上を向きながら鳴き交わす動作……。これら一連の動作はオスとメス(といっても見た目では区別できませんが)の求愛行動で、その動きの優雅さから、「タンチョウの舞」あるいは「タンチョウのダンス」と呼ばれています。釧路市や鶴居村の冬は、日中でも氷点下になることが多いほどの寒さですが、タンチョウたちは日々、熱い、熱い、恋の舞踏会を繰り広げています。

 

文/安延尚文さん…自然科学系の書籍や雑誌の編集、執筆を主に手掛けています。

写真/samsam / PIXTA

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年11-2018年2月号」に掲載された内容の完全版となります