【最新スマホ5機種・プロ評価】キャリア系Androidスマホはハイスペックの個性派が狙い目

基本的な性能は横並びになりつつあるキャリアのハイエンドモデル。しかし、唯一無二の独自機能を備える機種が増えてきて、それがiPhoneとの差別化にもなっています。使う人によっては、ぐ〜んと満足度が高まりそうな “ハイスペック+α” の個性派スマホを紹介します。

※実質価格は、新規契約もしくは機種変更時の端末価格から、月々サポート(NTTドコモ)やアップグレードプログラムEX(au)の割引分を引いたものです

 

【解説する人】

ITライター 井上 晃さん

スマホやスマートウォッチに精通するライター。海外に出向いて最新トレンドを取材することも。

 

【採点項目】

操作性:本体のサイズ感は適正か? ホーム画面は迷わずスムーズに操作できるか? を評価しました。

パフォーマンス:「Antutu Benchmark」というアプリでパフォーマンスをテスト。実際の使用感も加味しました。

カメラ:背面カメラのスペックと画質を評価。使える独自機能がある場合は加点要素としました。

独自機能:その機種ならではの独自機能の役立ち度をチェック。レア度と汎用性を重視して評価しました。

 

個性派の筆頭は「M」と「Note8」

日本ではiPhone Xも好調で、iPhoneはますますユーザーの裾野を広げています。しかし、スマホの使い方は人それぞれ。自分なりの満足度を追求するなら、必要十分なスペックを備えつつ、さらに “一芸” も備えた個性派モデルも検討したいところ。最注目は2画面スマホ・M。

 

「1画面を2分割するマルチウィンドウでは満足できなかった人に最適な1台です」(井上さん)

 

ほかにもペンで操作できるGalaxy Note8は、実はアナログ派も重宝するといいます。

 

「ちょっとしたメモを書くために手帳を手放せない人でも、Note8があれば、手帳を持ち歩く必要はなくなるかも」(井上さん)

 

 

【その1】2つのディスプレイを自在に使い分けられる

NTTドコモ/ZTE

M Z-01K

実質価格 4万2768円

2面ディスプレイを搭載し、2つのアプリを同時に利用したり、画面を連結させて大きな画面でウェブや動画を見たりできることがメリット。「dマガジン」など電子雑誌の閲覧にも最適です。【最大2.2GHzクアッドコア】【4GB RAM/64GB ROM】【5.2インチ/1920×1080 ×2】【リアカメラ2030万画素】

 

操作性:★×5

フツーのスマホとしての使い勝手も上々

折りたたみ時の横幅を約72㎜に抑え、一般的なスマホと同じ感覚で操作できる。2画面ゆえの厚さや重さはありますが、使い勝手は良いです。

 

パフォーマンス:★×4

ハイエンドらしい処理能力を有する

CPUはSnapdragon 821で、RAMは4GB。ベンチマークのスコアは、ライバルより少し劣りましたが、実用上の差はあまりありません。

 

カメラ:★×4

20メガピクセルカメラは自撮りがラク

折りたたみ構造を生かし、約2030万画素カメラを1基搭載。高画質セルフィーを撮れるのは◎。ただし、使いこなすには慣れが必要です。

 

独自機能:★×5

2画面をフレキシブルに使い分け可能

目的・用途に合わせて、2つの画面を使い分けられるのが最大の魅力。「大画面」「2画面」「ミラー」「通常」の4モードを利用可能です。

 

【ここが個性派】タブレットのようにも使える

スマホの画面ではウェブや地図が見づらいという人には、2画面を連結する大画面モードが最適。このほか、2人で向き合って同じ画面を見ることもできます。

↑約6.8インチの大画面で地図やウェブ、動画を見ることができます

 

↑半開きにして立てて、2つの画面で同じ動画を再生することも可能です

 

 

【その2】便利な「Sペン」がさまざまな場面で活躍!

 

NTTドコモ・au/サムスン電子製

Galaxy Note8

実質価格 7万6464円(NTTドコモ)

大画面とペンで操作できることが特徴のハイエンドモデル。録音しながらメモを書いたり、撮った写真に説明を入れたりと、使い方は人それぞれ。デュアルカメラも備えています。【最大2.35GHz オクタコア】【6GB RAM/64GB ROM】【6.3インチ/2960×1440】【リアカメラ1220万画素+1220万画素】

 

操作性:★×5

安定したホールド感で快適に操作可能

大画面ですが、画面比率は18.5:9で縦に長い。横幅は約75㎜で、ホールド感は良好。画面を分割するマルチウィンドウ機能も使いやすいです。

 

パフォーマンス:★×5

アプリの切り替えも圧倒的にスピーディ

今回紹介した5機種のなかで最高スコアを記録。6GBメモリの恩恵で、マルチタスクなど負荷の大きい作業もキビキビとこなせます。

 

カメラ:★×5

広角+望遠のデュアルカメラが◎

デュアルカメラは広角+望遠の組み合わせです。広角カメラはF1.7のレンズで、光を効率よく取り込む「デュアルピクセルセンサー」を採用。

 

独自機能:★×5

Sペンがスマホの用途を広げてくれる

本体から抜き出せるSペンを装備。とっさにメモを書いたり、写真を切り抜いたり、動くメッセージを送ったり、多彩に使用できます。

 

【ここが個性派】Sペンで翻訳することも可能!

Sペンのペン先はわずか0.7㎜で、4096段階もの筆圧を検知。ただ文字を書けるだけでなく、ペン先をかざした部分を拡大したり、翻訳したりもできます。

↑Sペンで大きく書いた文字を、罫線上にきれいに並べて記録できる機能もあります

 

↑外国語のサイトを見ている際、Sペンをかざした部分を素早く翻訳できます

 

【その3】先進的なカメラ機能とデザインが魅力 

NTTドコモ・au・ソフトバンク

 ソニーモバイルコミュニケーションズ製

 Xperia XZ1

 実質価格 3万1104円(NTTドコモ)

シャッターを押した直前の画像も記録される「先読み撮影」など、先進的なカメラ機能を搭載。ディスプレイ画質の美しさや音楽再生機能の充実度にも定評があります。 【最大2.45GHz オクタコア】【4GB RAM/64GB ROM】【5.2インチ/1920×1080】【リアカメラ1920万画素】

 

操作性:★×5

美しいデザインとスマートな操作性を両立

画面の大きさと持ちやすさを両立するちょうどいいサイズ感。側面の電源ボタン兼指紋センサーも使いやすいです。

 

パフォーマンス:★×5

キビキビと動作して快適に操作できる

 Snapdragon 835という高性能CPUを採用しており、ベンチマークテストの結果も最高クラスでした。

 

カメラ:★×5

高画質はもちろん、遊べる機能も搭載

メモリ一体型の「Motion Eye」カメラシステムを搭載。先読み撮影やスーパースローモーション撮影が可能です。

 

独自機能:★×4

人の顔や立体物を3Dで撮影できる

「3Dクリエーター」に対応し、人物の顔をスキャンして3Dデータを作成・活用できます。用途の広がりに期待。

 

【ここが個性派】

作った3D画像はARで遊べる

「3Dクリエーター」で作成した3D画像は、「ARエフェクト」として撮影時に表示したり、オリジナルフィギュアを注文したりできます。

 

↑自分自身の3Dアバターを作成して、AR世界で遊べるのがユニーク

 

【その4】アウトドアで安心して使えるタフネス仕様

 

au/京セラ製

TORQUE G03

実質価格 3万9960円

米国国防総省が定める耐久試験19項目と、京セラ独自の耐海水・耐荷重試験をクリアした頑強モデル。昨夏からロングヒットを続け、3月に新色レッドが追加されました。【2GHzオクタコア】【3GB RAM/32GB ROM】【4.6インチ/1280×720】【リアカメラ1300万画素+200万画素】

 

操作性:★×3

濡れた指先でもタッチ操作が可能

本体サイズのわりに画面が小さく、視認性はやや悪い。濡れた手や、手袋をしていてもタッチ操作できるのは◎。

 

パフォーマンス:★×3

ミドルクラスとして標準的な動作性

スコアは振るいませんが、基本的な操作はサクサクとこなせます。動画編集など、負荷が大きい用途には不向き。

 

独自機能:★×5

ダイレクトボタンの設定が自由自在

左側面にダイレクトボタンを搭載。よく使うアプリをワンタッチで起動したり、簡易ライトを点灯したりできます。

 

カメラ:★×4

“アクションカメラ”としても使える

1300万画素カメラと200万画素の広角カメラを搭載。ランニング等の活動データを画像に重ねて記録できます。

 

【ここが個性派】アウトドアで役立つアプリが◎

 電子コンパスや日の出・日の入り時間がわかるアプリを標準搭載。気圧、潮の満ち引き、スキー場の積雪情報なども素早く調べられます。

 

↑気圧や高度がわかる「Barometer」アプリもプリインストール

 

 

【その5】トレンド機能が全部入りの欲張りモデル

 

au・ソフトバンク/HTC製

HTC U11

実質価格 4万3200円(au)

F1.7のレンズと高感度センサーを搭載したカメラ、ノイズキャンセリング付きイヤホンなど、先進装備が満載のハイエンドスマホ。握って操作する独自機能も魅力です。【最大2.45GHz オクタコア】【4GB RAM/64GB ROM】【5.5インチ/2560×1440】【リアカメラ1200万画素】

 

操作性:★×4

持ちやすさは△でもアプリが秀逸

感圧センサーの採用ゆえか、約5.5型で幅76㎜と、少し大きめです。ただ、独自のホームアプリの使い勝手は◎。

 

 

パフォーマンス:★×4

ゲームや動画視聴も快適に楽しめる

昨年夏発売モデルですが、性能は依然トップクラス。スコアでわずかにトップに劣りましたが、十分優秀です。

 

カメラ:★×5

シンプルな操作性でキレイに撮れる

一般的なスマホのカメラよりも画素が大きい撮像センサーを搭載。画質の良さは海外の評価機関のお墨付きです。

 

独自機能:★×4

よく使うアプリを握るだけで素早く起動

両側面の下部に感圧センサーを搭載。握るだけで様々なアプリを起動できる「エッジ・センス」は便利です。

 

【ここが個性派】楽しく活用できる「エッジセンス」

「エッジセンス」の初期設定では背面カメラが起動します。Googleアシスタントを素早く起動できるように設定するのもオススメ。

↑握るだけでカメラが起動し、もう1度握るとシャッターが切れます

 

 

究極の撮影機能を片手に集約! ソニー「Xperia XZ2/XZ2 Compact」をバルセロナで試してみた

ソニーモバイルコミュニケーションズは2月26日(スペイン現地時間)、バルセロナで開催されているMWC(モバイル・ワールド・コングレス)にて、Xperiaの新モデル「Xperia XZ2」「Xperia XZ2 Compact」を発表。また、スマートプロダクトの新商品として、「Xperia Ear Duo(エクスペリア イヤー デュオ)」も出展しました。

 

Xperia XZ2はデザインを一新

「Xperia  XZ2」は従来のデザインを一新。3Dグラスを使用し、自然のなかの光をイメージした「Ambient Flow(直訳:周囲を取り巻く流れ)」という新コンセプトで設計されています。サイズはW72xH153xD11.1mm。質量は197g。IP65/IP68の防水防塵性能を備えます。

 

↑5.7インチのディスプレイはアスペクト比18:9でHDRをサポート。解像度はフルHD+となる。表面には、対傷性に優れるCorningのGorilla Glass 5を使用↑5.7インチのディスプレイはアスペクト比18:9でHDRをサポート。解像度はフルHD+となる。表面には、対傷性に優れるCorningのGorilla Glass 5を使用

 

外観の大きな変化は3つ。背面が緩やかにラウンドしていること、指紋センサーとカメラが背面中央に配置されたこと、そしてイヤホンジャックが廃止されていることです。

 

↑Xperia XZ2(背面)。カメラと指紋センサーが中央に位置する。カラーバリエーションは「リキッドブラック」「リキッドシルバー」「ディープグリーン」「アッシュピンク」の4種類↑Xperia XZ2(背面)。カメラと指紋センサーが中央に位置する。カラーバリエーションは「リキッドブラック」「リキッドシルバー」「ディープグリーン」「アッシュピンク」の4種類

 

CPUはSnapdragon 845を搭載。RAMは4GB、ROMは64GBで、外部メモリは最大400GBのmicroSDXCをサポートします。

 

XZ2限定の機能はワイヤレス充電と「振動」

さて、上位モデルであるXZ2限定の機能は2つ。まず、Qi規格のワイヤレスチャージに対応しました。また、「ダイナミックバイブレーション」という新機能を搭載。音楽や動画を視聴中に、端末がブルブルと震えます。

 

↑ダイナミックバイブレーションでは、音の波形に合わせてアクチエーターが振動する。設定から機能をオフにすることも可能だ↑ダイナミックバイブレーションでは、音の波形に合わせてアクチエーターが振動する。設定から機能をオフにすることも可能だ

 

ちなみに、フロントステレオスピーカーは、音圧も向上。より臨場感のあるサウンドを楽しめるようになりました。

 

↑対応コンテンツを再生中、音量を調整するスライダの下部に、振動を4段階で調節するバーが表示される↑対応コンテンツを再生中、音量を調整するスライダの下部に、振動を4段階で調節するバーが表示される

 

また、動画コンテンツの視聴時には、HDR対応コンテンツでなくても高精細・高コントラストな状態にアップコンバートされます。これは高画質エンジンのX-Realtity for mobileの進化によるものです。

 

↑従来機(左)とZX2(右)のディスプレイ表示を比較。新モデルの方がコントラストが高いのがわかる↑従来機(左)とZX2(右)のディスプレイ表示を比較。新モデルの方がコントラストが高いのがわかる

 

カメラ機能は正当進化

続いてカメラについて。背面カメラは、1920万画素。スマホとして世界初となる4K HDRの動画撮影をサポートしています。これにより、動画撮影中も、背景の白飛びを防げたり、夜景を美しく撮影できたりするとのこと。

 

↑カメラのUI上に、「HDR」をオンにできるスイッチが表示される。機能をオンにすると画面が少し暗くなるような印象を受けた↑カメラのUI上に、「HDR」をオンにできるスイッチが表示される。機能をオンにすると画面が少し暗くなるような印象を受けた

 

また、960fpsのスーパースローモーションを選択する際に、フルHD解像度での撮影が可能となりました。

 

↑スーパースローモーションの撮影時に、フルHD解像度を選択できる↑スーパースローモーションの撮影時に、フルHD解像度を選択できる

 

3Dのイメージをスキャンできる「3Dクリエーター」機能もアップデート。従来は背面カメラでしか利用できませんでしたが、インカメラでもこれをサポート。自撮りで使えるようになりました。

 

↑3Dクリエーターは自分で撮影できるように↑3Dクリエーターは自分で撮影できるように

 

「Xperia  XZ2 Compact」は性能面での差は少ない

Xperia XZ2 Compactは、一回り小さい5.0インチのディスプレイを搭載。サイズはW65xH135xD12.1mmとなり、一般的な男性の手なら片手でしっかりと握れるでしょう。168gという質量は、大きさの割には、若干重みを感じました。

 

↑Xperia XZ2 Compactは片手で扱えるサイズ感。カラーは「ブラック」「ホワイトシルバー」「モスグリーン」「コーラルピンク」の4種類↑Xperia XZ2 Compactは片手で扱えるサイズ感。カラーは「ブラック」「ホワイトシルバー」「モスグリーン」「コーラルピンク」の4種類

 

こちらも背面がラウンド。表面はフロストガラスのような質感で、サラッとしています。

 

↑こちらも指紋センサーが背面にある。XZ2に比べると、カメラはやや上端部に位置↑こちらも指紋センサーが背面にある。XZ2に比べると、カメラはやや上端部に位置

 

そのほか、先述のXZ2独自機能を除けば、ネットワーク対応に微妙な違いがある以外は、特にスペック上の大きな違いはさほどありません。

 

Xperia Duoは首を横に振って操作できる

タッチ操作できるプロジェクター「Xperia Touch」などでお馴染みの「スマートプロダクト」という商品群からは、フルワイヤレスイヤホンの「Xperia Ear Duo」が登場しました。カラーは「ブラック」と「ゴールド」の2種類。

 

↑Xperia Ear Duo。重さはそれぞれ10.6g。連続駆動時間は4時間↑Xperia Ear Duo。重さはそれぞれ10.6g。連続駆動時間は4時間

 

↑充電ケース(直径89mm、厚み25mm、質量76g)にセットすると3回フル充電できる。7分充電すれば、1時間利用可能。なお、ケースそのものはUSB Type-Cで充電↑充電ケース(直径89mm、厚み25mm、質量76g)にセットすると3回フル充電できる。7分充電すれば、1時間利用可能。なお、ケースそのものはUSB Type-Cで充電

 

同機は耳の穴を塞がない「デュアルリスニング」を提案するデザインがユニークです。ヘッドジェスチャー操作では、たとえば首を左右に振って、曲送りが可能。右側のデバイス表面をゆっくりとスワイプすることで、音量の調整も行えます。そのほか、ソニーエージェントテクノロジーによる音声コミュニケーションにも対応。

 

↑耳に装着するとこんな感じに↑耳に装着するとこんな感じに

 

最後になりましたが、Xperia XZ2シリーズの出荷時期は3月とのこと。国内販売についての詳細は不明ですが、久しぶりにデザインを一新したXperiaに注目です。

 

ちなみに、会場では将来的に搭載が見込まれるデュアルカメラについても予告されました。各社デュアルカメラの活用方法には差がありますが、ソニーはどうやら暗所撮影に特化する模様。近い将来の登場に、期待が高まります。