超シンプルなルックスに宿る、アンダーアーマーの本気度/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! 「ランニングシューズ戦線異状なし」

2023「アンダーアーマー」春の陣④「UAフロー ベロシティ ウインド2」の巻(前編)

 

アメリカ・ボルチモアで誕生したアンダーアーマー(以下、UA)。ご存じのようにUAは、コンプレッションウェアという新たなジャンルを“開拓”し、アメリカンフットボールを皮切りに、野球やサッカーなどの競技スポーツに次々と大きな影響力を及ぼし、瞬く間に世界ブランドに成長した。

 

しかし、こと陸上長距離の競技では、UAの存在感は、他競技に比べて、必ずしも強大とは言えなかった。もちろん、そんなポジションに甘んじないのも、UAたるところ。この春UAは、ガチの厚底カーボンシューズ「UAフロー ベロシティ エリート」を発表して話題になったばかりだ。

 

今回は、“ジョギングもするし、レースにも出たことある”という方々のための一足について、話を聞くことに。お答えいただくのは、UAのシューズを担当する松原恵治さんである。

↑今回お話を伺った、アンダーアーマーのシューズを担当する松原恵治さん(ドーム マーチャンダイジング フットウェア プロフェッショナル)

 

「前回ご紹介した『UAホバー マキナ3』はクッション性重視のモデルでした。今回ご紹介する『UAフロー べロシティ ウインド2(以下、ウインド2)』は、初心者や中級者でも、“スピードを出したい”という方向けのシューズです。もちろん、厚底カーボンを履かれるような上級者のトレーニング用にも最適です」(松原さん)

↑2022年3月から登場している「UAフロー ベロシティ ウインド2(FLOW VELOCITI WIND2)」1万8700円(税込)。サイズ展開:メンズ25.0~30.0㎝、ウィメンズ22.5~26.0㎝。 カラー展開:メンズ3色、ウィメンズ2色

 

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超シンプルなルックスに隠された、UAの最新技術

ウインド2は、カーボンプレートやソールに複数の素材を組み込んでいない分、自分自身の脚力を活かせるシューズだと松原さんは語る。たしかに、アッパーも、ソールも、ゴテゴテした部材は一切ない。重量は220gと超~軽く、シンプルそのもの。踵のUAロゴ以外、正直、派手なところが全くない。

 

シューズ内での踵と爪先の高低差であるオフセット(ドロップとも言う)は8㎜。転がるように足が前に出るロッカー構造(揺りかごのようなソール形状)もきつくない。ソール厚も25㎜とマキナ3よりも8㎜ほど薄い(トラックで使用できるシューズの厚みは、2024年11月以降は再び規制が厳しくなり20㎜になるが、現在は25㎜)。

 

スペックだけ並べると、派手さはさらになくなるのだが、実は、ウインド2のアッパーとソールには、UAの最新技術が惜しげもなく投じられているという。

↑エンジニアードメッシュのアッパー、靴裏にはラバーも貼られていないスマートな横顔に、ひと際UAのロゴが目立つ

 

軽量かつ堅牢なアッパー=ワープ

「アッパーには、ワープという素材を用いています。ワープには、伸び止めのステッチの技法が使われています。モノメッシュの織ものに対して、テープを渡してステッチで止めるため、いわば刺繍を施しています。昔の、カンガルー皮の野球やサッカースパイクで用いられていた伸び止めの手法の延長です」(松原さん)

 

機能性を持たせた刺繍なので、薄く、軽量でありながら、しっかり足を包むため、ブレが生じにくいと言う。踵やシューレースのはと目のかがりにも、タタミ縫いと呼ばれる刺繍の技法も用いられおり、日本の畳のように目の詰まったかがりで強度を高めている。

↑俯瞰して見ても、シンプルそのもの。なお、右足の中足部のミッドソールには、チップが埋め込まれ、GPSウォッチがなくても、距離やスピード、歩幅などを計測できるUA独自のアプリ「MAP MY RUN」と連動できる

 

「UAはアパレルを作ってきましたから、こうしたユニークな発想のプロダクツが生まれます。足の甲が当たるタンも、シューズとほぼ一体になった特徴的なガセットタンを採用しているので、ワープとの相乗効果で、よりフィット感が得られます」(松原さん)

 

タンと言うより、スリットがあるブーティー構造と言った方が分かりやすい。などと、アッパーのテクノロジーに目を奪われがちだが、もっと凄いのはモノコックのソールだ。

↑黒のメッシュに、黒のテープを張り巡らせ、黒の糸でステッチしているので分かりにくいが、軽量で堅牢なアッパーであるワープ。ソールは一見2層に見えるが、1層のみだ

 

アウトソールを必要としないフローフォーム

従来のランニングシューズは、ミッドソールに、ゲルや気体やEVAといった衝撃吸収材&高反発な発泡素材、安定した走りを生むためのシャンクなどをてんこ盛りに搭載してきた。さらに靴裏には、耐摩耗性の高いラバーを貼るなど、複数の異素材を組み合わせて、はじめて高機能な一足のシューズとして成立させることができたのだ。

 

ところが、ウインド2には、一枚のソールだけで、靴裏のラバーも存在しない。アウトソールとミッドソール一体の「フロー」という素材が単体のみ。見た目、発泡成形のサンダルのようだが、果たして大丈夫なのだろうか?

↑フローのソール面。どれだけ路面をグリップするか、次回、検証しながら走る

 

「フローは、スナッピーで良く弾けます。クッション性も、反発性も高く、グリップがある上に、耐摩耗性もあるので、アウトソールのラバーを必要としません。使用状況にもよりますが、600~700㎞くらいまでは全く問題ないと考えています」(松原さん)

 

研究段階において、フローは反発性に優れた素材として生まれたという。しかしフローには、高いグリップ性も併せ持つことが判明。であれば、アウトソールの機能を持たせられると、さらにブラッシュアップされたという。

 

従来のランニングシューズ作りを一新する可能性を秘めたフローは、単一素材にも関わらず、極めて高い機能性を有するのだとか。先ほど“サンダルのよう”と書いたが、謝罪せねばなるまい。フローは、とんでもないハイスペック素材なのだ。

↑新装となった「UNDER ARMOUR BRAND HOUSE 新宿」にて(右が筆者)

 

ラインナップを急速拡充、UAランニングの本気度

ウインド2に搭載された、アッパーのワープ素材、ソールのフローフォームは、UAの最上位レース仕様のカーボンシューズにも使用されている。ちなみにウインド2も、マキナ3と同様にスマートシューズの機能性がある。UAは、着実にランニングシューズのバリエーションを増やし、走る人たちのレベル、そしてニーズに応え得るラインナップを急ピッチで充実させている。

 

「こうした流れは、もちろんブランドにとってはプラスです。これからは、専門店や量販店に並ぶUAのシューズの顔触れも、変わってきます。“ランファスト”のためのエリート向けから、よりトレーニングにフォーカスしたウインド2、そして“ランロンガ―”を標榜するマキナ3などのクッション系で、真正面からランナーに向き合います」(松原さん)

 

各社の研究開発のスピードが驚くほど上がり、ますます激しさを増すランニングシューズ戦線。UAランニングの本気度は、やっぱりタフで、ガチだ……。次回は、やわなランナーを代表して、筆者が実際に履いて、走って、(負けじと、テンション高めで)確かめたい。

 

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撮影/中田 悟

 

 

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まるで、戦車!? アンダーアーマー最高峰のクッションモデル/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! 「ランニングシューズ戦線異状なし」

2023「アンダーアーマー」春の陣③「UAホバー マキナ3」の巻(後編)

 

アンダーアーマーが誇る、最新鋭のインテリ“アメ車”。それが、今回試走する「UAホバー マキナ3(以下、マキナ3)」である。ご存じの通りアンダーアーマー(以下、UA)は、アメリカ・ボルチモアにヘッドクオータを持つ、グローバルスポーツカンパニーだ。

 

そのUAが誇る、クッション系の最高峰モデルが、今回のマキナ3。軽量、かつ反発性とクッション性に優れる、“機能てんこ盛り”で開発されたシューズである。機能てんこ盛りの秘密は、ミッドソールの「ホバー」と呼ばれるフォーム材。ホバーは、従来から多くのメーカーが使用してきたEVAとも、昨今の厚底カーボンシューズでも用いられるPEBA系とも違う、UA独自のオレフィン系のエラストマーなのだそう。

↑今回紹介するのは、写真手前の「UAホバー マキナ3(HOVR MACHINA3)」1万7600円(税込)。サイズ展開:メンズ25.0~30.0㎝、ウィメンズ22.5~26.0㎝。カラー展開:メンズ3色、ウィメンズ2色

 

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いよいよ、「UAホバー マキナ3」を試走!

と言うお話が、前編まで。後編では、マキナ3を実際に、履いて、走って、レビューする。まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレ。そして、「運動不足解消」が目的で走る、1㎞を約7分(=キロ7分)の、の~んびりペース。

 

続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分(=キロ6分)のゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッと走」だ。いずれも、“たまには、走ってみようかな~”と思った際に目安になるペースである。

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

足入れをして、立ってみると、マキナ3の“安定感”の良さを実感。踵に巻き付くようなライトグリーンのウレタン樹脂(TPUのヒールラップ)は、押せばしなる程よい硬さで、しっかり足を守ってくれている。ヒールのカップ自体も深いので、踵を優しく包み込む。

 

歩けば、ホバーフォームがしっかり着地を受け止める。これまた程よい軟らかさ&硬さで、長時間のウォーキングや立ち仕事でも、疲れさせない感じだ。歩いても、ヒールはしっかりホールドされている。タン(甲に当たる“舌”のような形状の部材)は、ちょっと硬め。あくまで好き嫌いの範囲だが、筆者的にはもう少しソフトな方が好み。しっかりホールドされるのがお好きであれば、マキナ3の全体のバランス的には、むしろこちらが正解だろう。

 

肉厚のシューレース(靴ひも)は、チト長い。10年ほど前は、長いシューレースを付けているもシューズも多かったが、今は適切な長さがデフォルトとなっている。切って短くするほどでもないが、一回蝶結びにした後、レース時のように、もう1度結びたくなる。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

歩きの次は、走り。運動不足の解消が目的なので、本来スピードは不問。でも、の~んびり走ると、だいたい1㎞を約7分程度のペースで走ることになる。歩きと同様、マキナ3は足をしっかりホールドしてくれて、厚底なのに低重心、安定した走りが得られる

 

たまに、「走っている時、何を考えているの?」と聞かれることがある。この問いを発する人は1000%普段走っていない人だが、2つのタイプがいると筆者は考えている。ひとつは、走っている際に、あれこれモノを考えるタイプ。発想の転換を含め、何かアイデアを得たかったり、ポジティブにモノを考えたい時に走る、という人たちだ。

 

もうひとつのタイプは、走ること自体を楽しむ人たち。走っている最中は、走ることしか考えず、走りに没入し日常と切り離した時間を楽しんでいる。レースにハマるのは、こういうマインドが高い人たちだ(ちなみに筆者は、その日の気分で、両方を楽しんでいる。イコール中途半端なので、仕事も、タイムも、そこそこで満足する平凡な人間である)。

 

マキナ3は、前者のように、何かを考えたり、発想の転換にランニングを選ぶ人には最適な1足だ。走ることに没入せずとも、自然にカラダが前に進む。シューズの性能について意識をする必要もなく、自然に脚が運ばれてゆく。その理由は、ミッドソールのフォーム材ホバーだ。着地時は、踵に配された軟めのホバーフォームが衝撃を吸収。蹴り出しの時には、前足部の硬めのホバーフォームが連携して、衝撃を推進力に換えてくれる。今流行りのフワフワではないが、しっかりしたクッション感ときっちりした反発感だ。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

あれこれ走りながらモノを考える人にとって、脳の活性化と、体脂肪の代謝活性のW効果は、大きな魅力だ。甘味でストレスを発散せずとも、ランニングシューズを履いて、一歩前に進むだけで、雑事のストレスと共に、体型のストレスまで霧散させられる。しかも息が切れない程度の負荷で、長時間続けるほど、効率よく脂肪は燃焼し、思考力もアップする。

 

ということにメリットを感じる方にこそ、マキナ3である。この撮影とは別の日に、近所の里山でもマキナ3を試したが、公園内のアップダウンのある不安定な砂利の小径でも、安定した走りが得られる。前回お話を聞いた、UAのシューズ担当の松原恵治さんは「マキナは機械という意味。オートマ車のように自動的に進む」と表現していたが、まさにその通り。

 

速度を換えても、自動で変速されるように、マキナ3の乗り味は変わらない。試しに、手元のGPSウォッチを見ずに、マキナ3で自然に出せるペースで走ったところ、1㎞6分弱。“どこまで走る?”と聞かれたら、“どこまででも!”と答えられる。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

気分転換に走る人にとって、走り出しは“運動不足解消ペース(キロ7分)”、リズムが上がってくると“痩せラン(キロ6分)”になるパターンも多い。レースのためのトレーニングではないのだから、その日の気分で好きに走るのは◎。

 

という方にとって、坂道のテッペンやゴールに向けて、(心の中で叫びながら)ペースを爆上げる“スカッと走(キロ4.5~5分)”もまた楽しからずや。そこで、マキナ3。ペースをキロ4前半に上げても変わらない安定感。正直、今どき、これほど変わらないシューズも珍しい。まさに、マシーンである。けっこうな斜度の下り坂でもカッ飛ばしたが、変わらぬマキナ3の安定感。シューズによっては、速度帯によって履き心地が変化するタイプもあるが、マキナ3は戦車のように進む(乗ったことないけど)。

 

マキナ3は、レースで誰かと競ったり、タイムを向上させるために追い込むシューズではない。走ることで得られる、カラダとココロのケアにフィットする一足と言える。もちろん、その延長線上にある、人生一度は挑戦したい42.195㎞のゴールまで、あなたの脚を守りながら、一緒に走ってくれるシューズでもある。

 

次回からは、マキナ3がオートマ車なら、UAにとってのマニュアル車だともいう「UAフロー ベロシティ ウインド2」のインプレに移る。どんなポテンシャルを秘めているか、期待したい!

 

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撮影/中田 悟

 

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アンダーアーマーが誇る、最新鋭のインテリ“アメ車”登場!/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! 「ランニングシューズ戦線異状なし」

2023「アンダーアーマー」春の陣②「UAホバー マキナ3」の巻(前編)

 

アメリカ・ボルチモアに本拠を置くアンダーアーマー(以下、UA)。コンプレッションウェアというジャンルを新たに“開拓”し、創業30年を経ずして誰もが知るブランドとして怒涛の進撃を続けている。そのUAは、かねてよりアメリカンフットボールや野球、サッカーなどの競技用のスパイクをはじめ、汎用性の高いトレーニングシューズも開発している。

 

この春にUAが発表した、ハイエンド向けの厚底カーボンシューズは、ギョーカイに大きなインパクトを与えた。陸上競技の大本丸のひとつである、マラソンをはじめとする長距離の領域に、UAは本気のシューズを投入したのだ。

 

前回は、最新鋭のエリート向け厚底カーボンソールシューズによる、UAの世界戦略について取材を試みたが、今回からは、私たちに身近なランニングシューズの話へ移る。語っていただくのは、日本のアンダーアーマーでシューズ担当の松原恵治さんだ。

↑今回お話を伺った、アンダーアーマーのシューズを担当する松原恵治さん(ドーム マーチャンダイジング フットウェア プロフェッショナル)。新装となった「UNDER ARMOUR BRAND HOUSE 新宿」内のイベントスペースにて

 

「私たちUAが、今回『GetNavi web』読者の皆さんにお勧めするランニングシューズは2足あります。ひとつは、クッショニング系の最高峰モデルである『UAホバー マキナ3』。もう一足が、スピード系の『UAフロー ベロシティ ウインド2』というモデルです」(松原さん)

 

ご存じのように本連載では、各社の最新の話題とともに、私たち一般人にお薦めのエントリー向けと、普段のジョギングからレースにも使えるモデルの2足を推薦してもらっている。商品担当者に詳しい機能を聞いた上で、筆者が実際に2足を履いて走り、目的に応じて性能をチェックするのだ。

 

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UAクッション系の最高峰モデル

ということで、まずはクッション系の最高峰モデルUAホバー マキナ3(以下、マキナ3)について。そもそもマキナは、UAのフラッグシップとして、軽量で反発性もクッション性もある、“機能てんこ盛り”シューズとして開発された。

↑2022年5月から登場している「UAホバー マキナ3(HOVR MACHINA 3)」1万7600円(税込)。サイズ展開:メンズ25.0~30.0㎝、ウィメンズ22.5~26.0㎝。カラー展開:メンズ3色、ウィメンズ2色

 

「マキナは機械を意味します。足を、機械的に、楽に運んでくれる、クルマで例えると、オートマ車のように快適なシューズです。対するウィンドは、ドライブする感覚を楽しむ、まさにマニュアル車のようなシューズです。

 

マキナ3も、もちろんクッション性の高さが最大の特徴です。前モデルから大きく変えたのは、ミッドソールのホバー素材を2層にした点です。踵から着地した際、着地の衝撃を軟らかめに配合されたホバーフォームが受け止め、前足へ荷重されると、硬めに配合されたホバーフォームがスムーズに足を前に押し出します」(松原さん)

↑分厚い顔だが、オフセット(シューズ内での踵と爪先の高低差、ドロップとも言う)は8㎜と控え目

 

硬軟2層のミッドソールが、着地衝撃を推進力に換える

そもそもシューズ形状も、踵から爪先にかけてのロッカー構造(揺りかごのような形状)になっている。こうしたロッカー構造をサポートするように、マキナ3は硬度の異なる2層のホバーフォームが後押しするのだという(デュアルデンシティUA HOVR クッショニングシステム)。

 

「踵から中足部にかけてのグリーンのホバーには、クモの巣状にウェブを被しています。ホバーフォームは軟らかいため、チカラを横方向に逃さない工夫です。ホバーフォームは、とりわけ衝撃吸収性が高く、ウェブを壁にして力を止めないと、沈み込み続ける特性があります」(松原さん)

↑踵寄りのミッドソールのイエローのホバーには、クモの巣状のウェブが配されている。前足部のブラックのホバーは、踵よりも硬くなるように材料の混合比を変えている

 

なるほど、サスペンションのような構造なのだ。松原さんによると、踵のホバー部材は、一度発泡させたフォームにウェブをかけて、キュッと圧縮させて成型するのだとか。ホバーは、従来から多くのメーカーが使用してきたEVAとも、昨今の厚底カーボンシューズでも用いられるPEVA系とも違う、UA独自のオレフィン系のエラストマーなのだという。

 

「さらに踵には、ウレタン樹脂(TPU)のヒールラップを付け、安定性を高めています。また、ヒールのカップ自体も深いため、欧州車のシートのように踵を優しく包み込みます。踵側のアウトソール(靴裏)には耐摩耗性の高いラバーを貼り、前足部には反応性の高い発泡ラバーを貼っています。スムーズで快適な走行感を感じていただけるはずです」(松原さん)

↑踵のイエローのアウトソールには、耐摩耗性に優れたラバーが使用されている。一方、前足部のピンクのアウトソールは、蹴り出しのエネルギーロスを低減する発泡ラバーだ

 

アッパーは、今や各社がこぞって採用するエンジニアードメッシュを使用(UAではワープニットと呼ぶ)。文字通りニット(編みもの)なので、通気性を持たせる部分は粗く編み。サポートが必要な強度を持たせる部分は編目を密に変えられる特徴がある。軽量化と通気性を兼ね備えられるのだ。

 

「もうひとつ、右足の中足部にはチップが内蔵されています。UAのスマートシューズ機能であるスマホの『MAP MY RUN』アプリと通信させることで、GPSウォッチがなくても、距離やスピード、ストライド(歩幅)などが計測できます」(松原さん)

↑右足の中足部、5㎜厚のソックライナー(インナー)の下のホバーフォームには「MAP MY RUN」対応のチップを内蔵

 

走った距離や速度の記録は、“レース出場なんて×”な方でも、モチベーション向上に役立つ。たくさん運動した時の自分へのご褒美や、昨日の自分に打ち勝った満足感は、続けるための大切な糧。もちろん、月間の走行距離を自分で定め、計画的に走って走力向上を目指すランナーたちにとっては、言わずもがなである。

↑松原さんとは、10年ほど前、当時、東京・中野にあったUAランナーズハウスでのイベントでご一緒して以来の再会! 懐かしさに浸る髭ボブの筆者(左)

 

クッション性が高いマキナ3は、UAの故郷であるアメリカ的な、至れり尽くせりのゴージャスな一足だ。実際、こうしたクッション性の高いシューズは、当然、カラダが大きく(体重も重い)方々のニーズが高い。カラダが重いと感じている方のジョギングや、ダイエットのために走り始める際には、チョイスの候補にしたい一足と言える。

 

ということで後編では、マキナ3を実際に、履いて、歩いて、3段階のスピード(運動不足解消/痩せラン/スカッと走)で走ってレビューをしたい。UAが誇る、最新鋭のインテリ“アメ車”=マキナ3の実力やいかに!

 

撮影/中田 悟

 

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GoPro「HERO11 Black」、特筆箇所が7個ぐらいあって動画生活捗ってます

「中村 優の走って試して優言実行」

突然ですが私、走るタレント中村優、3月に3年4か月ぶりにフルマラソンを走って参りました。久々のフルマラソンでしたので、どうせ走るなら記録に残したい! そしてせっかくなら最新機器で撮影したい! それならば本連載「中村 優の走って試して優言実行」で皆さんにご紹介したい! ということで、GoPro「HERO11 Black」を走って試して優言実行!!

 

HERO8 BlackとHERO11 Blackの違いは断然!

ちなみに私が今まで使っていたのは「HERO8 Black」(2019年10月登場)。Youtubeの撮影中心にランニングの撮影ではもう3年も使っているので、信頼をしております。3世代前のモデルですが、HERO11 Black(2022年9月登場)への買い替えも多いとのことで、私が使っていたHERO8 Blackとの違いをまとめます。

 

3世代前からともなると機能もなかなかの大躍進なのは当然なのですが、わかりやすく変わった点は…。

 

【変わった点1】自撮りがしやすくなった

↑前面に4型のカラーディスプレイを搭載して自撮りがしやすくなった(左からHERO11 Black、HERO8 Black)

 

【変わった点2】タッチ操作がよりスムーズに

↑タッチ操作がよりスムーズにできるようになったデュアルLCDスクリーン搭載。(左からHERO11 Black、HERO8 Black)

 

【変わった点3】バッテリー容量大幅増

↑バッテリー容量が1220mAhから1720mAhに増え、バッテリーの持ちが大幅にアップ。(左からHERO11 Black、HERO8 Black)

 

本体サイズが少し大きくなり、重さも126gから154gと、28g重くなりましたが、その分バッテリーの容量が増えたことの方がありがたいです。

↑本体サイズが幅66.3×高さ48.6×奥行き28.4(mm)→幅71.8×高さ50.8×奥行き33.6(mm)に(左からHERO11 Black、HERO8 Black)

 

今までフルマラソンの撮影(トータル撮影時間1時間以内)をする時はバッテリーを2回交換していたのですが、今回の名古屋ウィメンズマラソンでは1回バッテリーを交換しただけで、それでもまだまだ余力がありました。感覚的な比較ではありますが、とにかくバッテリーの持ちは圧倒的に良くなったのを実感できました。

↑無事完走しました〜

 

名古屋ウィメンズマラソンでは、HERO11 Black片手に、29回目のフルマラソンを完走しました。

 

【変わった点4】低温下のバッテリー性能アップ

低温環境下でのカメラ性能も大きく向上しました。2月に雪山登山でHERO11 Blackを使用した際も、低温でバッテリーの減りが早かったり急に落ちたりすることなく、スムーズに使うことができました。

↑厳冬期の長野県・硫黄岳に登ってきました

 

HERO11 Blackで撮影した「中村の優チューブ!〜厳冬期の硫黄岳登山〜」チェックしてみてください!

 

HERO8 BlackとHERO11 Blackのバッテリーは互換性がなく、HERO9 Black以降のモデルからはHERO11 Blackと互換性があります。3世代も経つと本当にいろいろと進化していて、買い替えが進むのも頷けます! HERO9以前のモデルを持っている人は買い替えをおすすめします!

 

HERO10 Black→HERO11 Blackからの主な進化ポイント

なお、私は所有していませんが、前モデル HERO10 Blackからの進化点が気になる方も多いはず。簡単にまとめてみました。

■8bitカラーから10bitカラーに!

10bitカラーを選択できるようになり、より鮮やかに、よりなめらかに色彩を表現できるようになりました。ちなみに8bitの色数は約1667万。10bitの色数はなんと約10億7374万!桁違いすぎてピンとこないほどに色数が増えるのです。私はデフォルトで10bitにしました。

 

■水平ロック機能搭載

今までの水平ロック機能は45度まででしたが、HERO11 Blackではカメラを360度回転しても映像を水平に維持できるようになりました。つまり、水平ロックした状態でGoProをさかさまに持って撮影しても、録画上は変わりません。すごいです。

 

■最新のHyperView

HERO11専用デジタルレンズは、新型イメージセンサーを駆使してアスペクト比8:7の映像を撮影することができます。これはSNSにアップするときにすごく便利で、SNSの縦長動画でもYoutubeなどの横長動画でも、4K画質で切り出すことができます。1つの動画でどこへでもシェアしやすくなりました。

 

■最大8倍のスローモーション

高画質2.7Kのビデオは最大で8倍までのスローモーションが可能に。より高解像度の4Kでも4倍スローモーションが可能になりました。

 

動画で解説!優が感動した2大ポイント

過去モデルと比較したときのHERO11 Blackの魅力について語ってきましたが、ここから実際に撮影して驚いた点をレポート。大きく3つあって…。

 

【感動ポイント1&2】「8:7」の画角が便利すぎる&手ブレ補正も優秀!

HERO11 Blackは、カメラ内ビデオブレ補正機能HyperSmooth 4.0がよりレベルアップし、HyperSmooth 5.0に進化しています。「オン」「オフ」「ブースト」に加えて、新しく「AutoBoost」が追加されました。自動ブーストをオンにすると、動きやスピードに基づいてブレ補正のレベルを自動で判断し、ランニングはもちろん、サイクリング、スキーなど激しく揺れる状況でも非常に滑らかな映像を撮影できます。

 

実際にHERO11 Blackの新機能を堪能すべく、4k 8:7 60fps  レンズ;W(広角)Hypersmoothオンで撮影を試してみました。アスペクト比8:7の動画が撮れるモードで撮影すると、1回の撮影でSNSの縦長の動画とYoutubeの横長の動画を撮影できます。今回は、撮影した一つの動画を、私のInstagramのリール動画(縦画面)と、YouTube(横画面)両方にアップしてみようと思います!

 

■Instagramリール動画

 

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Nakamura Yu🐶中村優(@nkmr_yu)がシェアした投稿

 

■Youtube動画

 

複数SNSやってる身からすると、各SNS用に撮影しなくて良いのでとても便利ですね。

 

この時は1km6分ペースで走って撮影しましたが、歩きながら撮っているシーンと走りながら撮っているシーンに差がないくらい揺れが抑えられています。Hypersmooth5.0はいわゆる手ブレ軽減機能ですが、「AutoBoost」「ブースト」「オン」「オフ」の4つから選べます。

 

ゆっくり走るくらいの揺れだと、「オン」だけでもスムーズな動画が撮れます。「ブースト」にすると画面が少し小さくなりますが、激しく走っても揺れがほぼ無く、滑らかな映像が撮れます。

 

HERO11 Blackからの新機能「Auto Boost」はブレを自動判断するモードで、「ブースト」ほど画角が狭くならず、かつ強力な手ブレ補正をしてくれます。速いスピードで走るときやトレイルランニングなど激しい動きのスポーツを撮影するときは、基本「Auto Boost」にしておけばよいと思います。

 

【感動ポイント3】ナイトエフェクトモードの新モードが楽しい!

HERO11 Blackから、新しいナイトエフェクトモードが3つ追加されました。星の光跡を撮影できる「スタートレイル」。光の軌跡で文字やイラストが描ける「ライトペインティング」夜間の車のヘッドライトなどを利用して光跡を撮影する「ライトトレイル」です。

 

今回は、「ライトペインティング」で遊んでみたいと思います。最も手軽にできるスマートフォンのライトを使ってやってみました。暗い場所で「ライトペインティング」モードで録画を開始したら、光の軌道をイメージしながらスマホを動かすだけ。文字を書く場合は反転してしまうので、裏文字で書きます。

 

ライトペインティング初級、といった感じの出来ではありますが、こだわればもっと面白いアート作品ができそうです。楽しいので、ぜひチャレンジしてみてください!

 

表現の幅がより広がって進化し続けるGoPro

HERO11 Blackには、GoPro最大の広角ショットを実現するMaxレンズモジュラー、音声や照明機材としてのメディアモジュラー、ライトモジュラーなど、より動画の質を上げたい人のためのクリエーションツールも充実しています。アクティブなシーンはもちろん、よりアーティスティックな動画やVlogなど日常に寄り添った動画など、HERO11 Blackで表現の幅がどんどん広がりそうでワクワクしますね!

 

私はランニングのほかにも、登山もゴルフもします。もっと日常も撮れたらいいなと思っているので、クリエーションツールを増設しながら、GoProライフ楽しみたいと思います! そしてYouTubeの更新頻度を少しでも上げられるよう頑張ります!

 

 

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大谷翔平、トラウトらがかぶった話題の“ホームラン兜”。米記者、アナリストの評判は?

ロサンゼルス・エンゼルスの新たなホームランセレブレーションが話題だ。

 

昨季は本塁打の際にカウボーイハットをかぶせ、ベンチ内で選手を祝福する儀式が恒例だったエンゼルス。現地3月30日に開幕した今季は、開幕6試合目までNBAゴールデンステート・ウォリアーズの麦わら帽子を“代用”していたが、現地4月7日の本拠地トロント・ブルージェイズ戦から、さらに興味深いアイテムが持ち出されている。

 

この試合、初回無死一塁で先制2ランを放ったマイク・トラウトの頭にかぶせられたのは、なんと日本の兜。鹿児島県薩摩川内市に本社を構える「甲冑工房丸武産業」が製造した逸品だ。

 


トラウトの兜姿は反響を集め、 MLB公式サイトのツイッターが、「新しいサムライホームランヘルメットが似合っている!」と呟けば、同サイトの記者からも反応が続々。兜の写真を投稿したレット・ボリンジャー氏は、「どれだけの重さか知りたい」と呟き、サラ・ラングス氏は、「ホームランセレブレーションの黄金時代だ」と興味津々の様子だった。

 


続く現地8日のブルージェイズ戦でもトラウトの兜パフォーマンスが見られたが、やはり日本ファンが心待ちにしていたのは、大谷翔平のそれだろう。「3番・DH」でスタメン出場した現地9日のブルージェイズ戦では、花巻東高校の先輩である菊池雄星と対決。3回1死一塁の第2打席で3号2ランをマークし、ついに兜姿が初のお披露目となった。


これに対し、米放送局『FOX Sports』のアナリストを務めるベン・バーランダー氏は、「ショウヘイが今日初めてサムライホームランヘルメットをかぶった」とすぐさまツイッター上で反応。日本人スターの注目度は凄まじく、MLB公式サイトのラングス氏も再び、「ベースボール・イズ・ザ・ベスト」とツイートしていた。

 

トラウト、大谷の他にもハンター・レンフロー、ルイス・レンヒーフォ、ローガン・オーハッピーなど、エンゼルスから本塁打が出る度にクローズアップされ、現地で好評を博している日本の兜。このように野球というスポーツを通じ、日本の伝統的な文化が世界に発信されるのは喜ばしい限りだ。

横浜DeNAベイスターズのスポンサーに「ハイセンス」が就任した背景とは?

時が経つのは早いもので、プロ野球の2023年シーズンが始まってから、2週間あまりが経過した。今シーズンの注目の的といえば、北海道日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールドHOKKAIDOだが、ほかの球場でも変化が起きていることをご存知だろうか。この記事では、横浜スタジアム(以下、ハマスタ)の例を紹介しよう。

↑横浜スタジアムの様子

 

ベイスターズの新スポンサーにハイセンスが就任、180台のテレビ設置

横浜DeNAベイスターズの本拠地である”ハマスタ”。オープン戦から使われており、シーズン開幕後すでに読売ジャイアンツとの試合が行われた。実はこの球場の“目に見えるところ”が、2022年から変化しているのだ。

 

それは、コンコースやVIPルームなどに設置されたテレビだ。2023年シーズンからベイスターズのスポンサーに就任したハイセンス製のものに、すべて置き換わっている。その数は180台に及ぶ。またマウンド後方には、「テレビはHisense」の文字が入っているほか、4回裏終了時のイベント「ハマスタバトル」やリプレイ検証中のビジョンには、同社のロゴが表示されるようになった。

↑コンコースにはハイセンス製のテレビが多数設置されている

 

↑中継画面で映るマウンド後ろからの視点。「テレビはHisense」の白文字が見える

 

ハイセンスがベイスターズのスポンサーに就任した背景には、ルールの変更があった。昨シーズンまで、ユニフォームに掲示できるスポンサーロゴが1枠に決まっていたのだが、日本野球機構の定める規程が変わったことで、今季からは2枠に増枠。そのうちの1枠に、ハイセンスが名乗りを上げたのだ。

↑スポンサー就任記者会見の様子。三浦大輔監督も登壇した

 

ともに目指すのは世界/セ界の頂点。練習でも大活躍のハイセンステレビ

ハイセンスは中国の企業ではあるが、日本法人は拠点をベイスターズと同じ神奈川県に置いている。今回、スポンサーとして手を挙げた狙いを、同社のブランドマネージャー・家倉宏太郎さんに伺った。

 

「ハイセンスは、テレビの出荷台数で現在世界2位の地位にいます。これから1位を狙っていく立場なわけですが、ベイスターズも昨年セ・リーグ2位で、両者は世界・セ界の頂点を狙うという点で共通しています。同じ神奈川に拠点を置いているという縁もあり、協賛を開始する運びとなりました」

 

家倉さんはこう続ける。

 

「スポーツへの協賛はハイセンスが以前から力を入れていた取り組みですが、プロ野球球団のスポンサーになったことはありませんでした。野球は日本で最も注目を集めているスポーツのひとつですし、球団スポンサーはずっとやりたかったことでもあります」

↑スポンサー就任により、ユニフォームの左袖にハイセンスのロゴが掲出された

 

そうして、ハイセンスはベイスターズのスポンサーに就任。両者のパートナーシップは早速発揮され、2月に行われた沖縄キャンプでは、ハイセンスがベイスターズに75インチの大型テレビ4台を寄贈。選手食堂や室内練習場、監督室に設置されたほか、データ分析用にも活用された。ベイスターズの球団職員で、ハイセンスとの取り組みを牽引した小山田保裕さんによれば、キャンプ地のテレビはチームから好評だったという。

↑談笑する小山田さん(左)と家倉さん(右)

 

「選手食堂に設置したテレビは、特に選手から好評でした。グラウンドの様子をリアルタイムに放映していたおかげで、『食後の練習に入りやすくなった』という選手もいましたね。これまでも食堂のテレビ自体はあったのですが、大型のものではなく、選手全員で見るには厳しかったので、チームとしてはありがたかったです」(小山田さん)

↑キャンプ地の選手食堂に設置された75インチテレビ・75U7H

 

5月3日には冠試合が開催。「ハマスタバトル」に新競技も

家倉さんと小山田さんは、パートナーシップのさらなる発展を計画中だ。来る5月3日には、ハイセンスの冠試合「ハイセンス大画面デー」の開催が決定。著名人による始球式などのイベントを開催する。

 

また、4回裏終了時に実施しているイニングイベント「ハマスタバトル」は、現状ではベイスターズのオフィシャルパフォーマンスチーム・dianaのメンバーと当日抽選で選ばれたファンクラブ会員による3人リレー競走だが、今後は別の競技も導入する予定だ。ちなみにこのリレー競争は、dianaのメンバーが容赦ないスピードで走ることからファンクラブ会員がなかなか勝てず、ファンの間ではすでに話題になっている。

↑4回裏終了時のハマスタバトル。ビジョンにはハイセンスのロゴが映る

 

↑相川七瀬さんをプロジェクトリーダーとして起用した「大画面大応援プロジェクト」も進行中だ

 

さて家倉さんと小山田さんには、今後両者で取り組んでいきたいことがあるという。それが、地域&野球の振興だ。

 

「同じ神奈川県に本拠を置く者として、やはり地域振興はやりたいことなんです。ハイセンスとしては昨年から特に注力をしていますし、ベイスターズさんも地域への貢献には力を入れてらっしゃいます。両者で一緒にできることがあると思うんです」(家倉さん)

 

「私としては、野球振興をしていきたいですね。現在でのコラボレーションは球場内にとどまっていますが、街に染み出していくような取り組みをできないか、考えています」(小山田さん)

 

ペナントレースの展開が気になるプロ野球だが、熱い試合の裏で進む取り組みにも注目だ。

↑家倉さん(左)と小山田さん(右)。実は同い年のコンビだ

 

【キャンペーン開催中! 】スイートルーム観戦チケットが当たる

ハイセンスでは、「大画面大応援プロジェクトキャンペーン」として、ハマスタのスイートルーム観戦チケットや、選手のサイン入りユニフォームが当たるキャンペーンを実施中だ。Twitterでハイセンスのアカウントをフォローし、下記のツイートをリツイートすることで応募できる。応募期限は、4月20日(木)まで。

 

↑ホームベース側最上階にあるスイートルーム。球場を一望できる

「アンダーアーマー事変」勃発! シューズ担当MD、世界戦略を語る/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! 「ランニングシューズ戦線異状なし」

2023「UNDER ARMOUR」春の陣①

 

この春、東京・有明で行われたアンダーアーマー(以下、UA)の新作シューズ発表会は、ギョーカイに強烈なインパクトを与えた。「UAフロー ベロシティ エリート(FLOW VELOCITI ELITE)」の発表は、陸上長距離界にUAが正式に殴り込みをかけた、まさに進撃の号砲だった。

 

ご存じのようにUAは、コンプレッションウェア市場を“開拓”したことで、爆発的な成長を続けてきた。そのUAが展開するランニングシューズは、自らが得意とするトレーニング領域の延長線で展開してきた、と筆者は今まで捉えてきた。野球もサッカーも、アメリカンフットボールも、基礎トレーニングとしてはランニングが欠かせないからだ。

 

しかし、今回のUAフロー ベロシティ エリートは、トレーニングではなく、レースに勝つ“陸上競技領域”のシューズの発表だった。UAランニングは、苛烈を極めるレッドオーシャンとも言えるマラソンなど長距離の競技領域に、その矛先を向けたのだ。

↑今回お話を伺った、アンダーアーマーのシューズを担当する松原恵治さん(ドーム マーチャンダイジング フットウェア プロフェッショナル)。新装となった「UNDER ARMOUR BRAND HOUSE 新宿」内のイベントスペースにて

 

競技領域でも“勝てる”シューズとは?

「いよいよ待望のシューズがデビューします。UAは、今までもランニング領域でシューズを展開していましたが、この新しいコンペティションモデルを皮切りに、日本も、そしてグローバルも、ガチで勝負していきます!」と熱く語るのは、日本でのUAのシューズ商品担当の松原恵治さんである。

↑「UAフロー ベロシティ エリート」。ゴリゴリのレーシングシューズなので、この連載には不向きなハイレベルながら、癖がなく比較的に扱い易いシューズだ。ただし、お値段は2万6400円(税込)と、チト扱いにくい……

 

「UAフロー ベロシティ エリートは、早くもマラソンワールドメジャーズのレースでも結果を残しています。UAは、競技領域でも勝てるシューズを頂点に、幅広いラインアップで、ランナーに向けた最適なシューズを今後も提供していきます」(松原さん)

 

松原さんの鼻息も荒いUAフロー ベロシティ エリートを、実は、筆者も実際に試している。フルレングスのカーボンファイバープレートを搭載し、アウトソール(靴底)のラバーもない超軽量のコンペモデルのため、残念ながら私たち週末アスリートを対象としたこの連載で詳細を紹介することには無理がある。まさに、エリート向けシューズなのだ。

↑ご覧のように、このシューズのアウトソールにはラバーが貼られていない。それでも耐久性が保たれているのは「FLOW(フロー)」という耐摩耗性の高いUA独自素材のため。素材の詳細は後日、本連載「UAフロー ベロシティ ウインド2」の回にて!

 

UAランニング、進化の歩み

UA最新の厚底カーボンシューズは、走るトレーニングをある程度は積んでおかないと、宝の持ち腐れになること請け合いのハイエンドモデルだ。しかしながら、走行時の足の着地場所を問わずに反発性の高いソールとカーボンプレートが加速してくれる、比較的に汎用性の高い一足だった。この春に登場している各社のハイエンド向けカーボンシューズのトレンドの、まさにど真ん中とも言える味付けには、正直、驚かされた。全く良い出来栄えなのだ!

 

「UAは、アパレルからビジネスを開始し、多くのアスリートを支えるパフォーマンスプロダクトを提供してきました。最初は、各競技の競技用スパイク、続いてトレーニングシューズ、そしてランニングシューズをデビューさせています」(松原さん)

 

松原さんと一緒にUAのランニングシューズの進化の歴史を振り返ってみると、2011年に発表された「UAマイクロGスプリット」が、何といってもインパクト大だという。

 

「UAが得意とするアパレルの技術をシューズのアッパーに使い、ミッドソールに『マイクロG』というハイブリッドEVAを使用しました。反発性+衝撃吸収性という異素材の組み合わせが一般的ですが、シンプルにマイクロGというクッション性の高い素材で勝負したモデルです」(松原さん)

↑2011年に発売した「マイクロG」シリーズ。左上が、最上位モデルの「UAマイクロG スプリット」

 

UAがランニングシューズに参戦することも話題になり、薄くてもクッション性が高く、当時としては斬新なデザインだったと筆者も記憶している。UA マイクロGスプリットの次に大きな話題となったのは、2013年発表の「スピードフォーム」だろう。筆者も、発表会が行われたロンドンに赴き、世界選手権で2回優勝したトライアスリートの選手クリス・マコーマック(愛称マッカ)にシューズの印象を取材している。

 

「スピードフォームは、従来の靴作りの概念を覆し、アパレルを得意とするUAならではの画期的なアプローチで、スポーツブラを作っていた企業に、何とシューズの製造ラインを加え、その技術を活かしました」と松原さんも語るように、踵を優しく包み込む装用の心地よさは、白眉だった!

↑2013年に発表されたが、発売は2014年に延期になったスピードフォーム搭載モデル「UAスピードフォーム アポロ」と「UAスピードフォームXC」

 

その次のインパクトは「UAホバー インフィニット」だろう。現在も使われているミッドソールの高反発かつクッション性の高い「HOVR(ホバー)」素材が初めて使用されたモデルだ。

 

「UAホバー インフィニットは、シューズに内蔵されたチップとスマホのアプリを連携する『MAP MY RUN』のシステムも内蔵し、GPSウォッチがなくとも距離やスピード、ストライドなどの情報が得られるスマートシューズとしても話題になりました」(松原さん)

↑2019年に登場した「UAホバー インフィニット」。ミッドソールに「ホバー」素材を用いたモデル。次回は「UAホバー マキナ3」の試走インプレをお届けする予定だ

 

UAにおける、日本の重要性

ランニングシューズ戦線が激烈となる少し前(厚底のカーボンプレート内蔵シューズが世界を席巻する前)まで、UAでは、本国アメリカ、欧州、そしてアジアでは日本が製品開発の拠点として機能していた。UAのみならず、スポーツブランド各社にとって日本は、ランニングシューズや関連商品のトレンドにおいて、世界的に重要なポジションにいたのだ。

 

「たしかに当時は、日本市場のランニングの環境やランナーのニーズに応じて、日本独自の開発をグローバルと展開していました。しかし今は、グローバルスタンダードが世界をリードし、頂点に君臨するように変化しています。なので、“日本向けじゃないから勝てない、合わない”というのは、もはや過去の話なのです」(松原さん)

 

厚底のカーボンプレート内蔵シューズの拡がりにより、現在、公認のレースでは、ソールの厚さ制限のルールが定められている。松原さんによると、こうしたルール変更もあって、UAを含めた各社の開発サイクルは加速されているという。シューズに限らず、トレーニング方法を含め情報を得る手段も大きく変化している。今や、プロトタイプであっても製品化してレースに出す時代なのだ。

 

そして、今。UAはUAフロー ベロシティ エリートを引っ提げ、世界の陸上長距離界に殴り込みをかけている。UAだけでなく、各社がこぞってエリート向けの厚底カーボンシューズを発表する理由は、まさに“時代が求める焦燥感”なのだと言えよう。

 

「現在のUAのフォーメーションは、アメリカのヘッドクォーターがリードする形で、工場と連携して製品開発を担っています。日本からは、市場やアスリートのニーズを吸い上げ、ヘッドクォーターと他社情報などを共有しながら、プロダクツのレベルアップを目指して連携しあっています」(松原さん)

 

次回、UAのランニングシューズを試走インプレ!

UAの今後のシューズ開発の方向は、最新鋭のエリート向けシューズの投入により、また変化してゆくはずだ。というところで、我々が試すことが可能な2つのモデルについて、いよいよ次回からインプレを開始する。

 

まずは、運動不足解消にジョギングを始める方から、フルマラソンで4時間を切るタイムで完走を目指す方に、松原さんおススメの「UAホバー マキナ3(HOVR MACHINA3)」。そして、UAの厚底カーボンシューズにも搭載されているミッドソール素材「フロー」を使った「UAフロー ベロシティ ウインド2(FLOW VELOCITI WIND2)」。

↑手前が、次回紹介するUAホバー マキナ3。奥が、その次に掲載予定のUAフロー ベロシティ ウインド2

 

最後に……。松原さんが筆者に語ったひと言が、心に残った。「アパレルから始まったスポーツブランドが、シューズで大成功した例を私は知りません。アンダーアーマーは、その最初のブランドになるのです」。UAの挑戦の心意気、乞うご期待である!

 

撮影/中田 悟

 

 

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On「クラウドモンスター」試走インプレ!フルマラソンでも違和感なく走れる一品/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「On」春の陣⑤「クラウドモンスター」の巻(後編)

 

On(オン)独自のミッドソール機能「クラウドテック」をメガ盛りにした「クラウドモンスター(Cloudmonster)」。本連載の前編では、オン・ジャパンの前原靖子さんに、「クラウドモンスター」のテクノロジーやターゲット、記録的なセールスとなった漆黒モデルの話などを、根掘り葉掘り伺った。

↑On史上最厚のクラウドテックを搭載する「クラウドモンスター」1万8480円(税込)。メンズ、ウィメンズともに5色展開(写真は2023年SSの新色、メンズUndyed-White /Creek)。サイズ展開、メンズ25~32㎝、ウィメンズ22~28㎝

 

後編では、実際に、履いて、走って、そのインプレをお届けする。なお、この連載では、全てのランニングシューズを、次の4つのシーンを想定してインプレを行っている。まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレ。そして、「運動不足解消」が目的で走る、1㎞を約7分(=キロ7分)の、の~んびりペース。

 

続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分(=キロ6分)のゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」だ。いずれも、“たまには、走ってみようかな~”と思った際に目安になるペースだ。

 

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クラウドモンスターの試走インプレ、スタート!

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

“雲の上の走り”とOn自らが表現するように、クラウドモンスターに足を入れて立ち上がると、“ふわっ”である。ここ数年、各社のランニングシューズ開発が“心地よい足入れ感”にフォーカスする理由のひとつは、まさにOnのクラウドテックの“穴”の存在だろう。各社がOnの“ふわっ”をベンチマークする理由は、履けばなるほど納得できる。

 

“ふわっ”のもうひとつの理由が、クラウドモンスターのミッドソール素材。Onが「ヘリオン」と呼ぶ独自フォームだ。ヘリオンは、2019年からOnのパフォーマンスランニング分野で使用されるようになった新素材である。Onは独自素材としか公表していないが、取材で得た情報から考えられるのは、欧米のシューズメーカーがレーシングモデルなどに採用しているエラストマー系素材だろう。

 

エラストマー系素材の特徴は、軽量でクッション性が高く、耐久性や温度変化にも強い点だ。クラウドモンスターのミッドソールも、軽く、クッション性に富む。ヘリオンの原料の混合比は、採用されるシューズごとに異なるらしいが、クラウドモンスターのそれは、筆者好みの“少し硬め”。もちろん、クッション性を損なわない程度の微妙な味付けだ。

 

スタスタと歩ける快適さ。なるほど、タウンユースに履きたい気持がよく分かる。クラウドテックの穴も効いている。ランニングだけでなくシューズのカラーのトレンドは、ここ数年、黒や白といったモノトーン系が大勢を占めており、漆黒のクラウドモンスターが売れない理由などない

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

マラソン大会でのタイム更新を、人生中盤の生きがいにする人も、走り始めの動機の多くは、運動不足の解消や腹回りのぜい肉対策だ。歩くよりも短時間、初期投資はシューズだけ、しかも得られるエビデンス(=運動不足解消)を外さないのが、ランニング。そんな風に合理的に物事を捉える大人が、いつしかランニングという沼にハマる(筆者もその一人)。

 

そこで、クラウドモンスターである。15~30分程度の軽いジョギングなら、極論を言えばシューズを選ばずしても走ることは可能だ。しかし、ランニングというアクティビティの最大の課題は、“継続”という一言に尽きる。走ることそのものが“快”という境地に至るには、しばらく走り続ける必要がある。

 

シューズやウェアを楽しむ理由は、まさに継続のため。人気のシューズを試して、最新化学の恩恵を体感できるなら、クラウドモンスターというチョイスは、賢い選択のひとつだ。ほどよいクッションがありながら、ロッカー構造が勝手にカラダを前に運んでくれる。ミッドソールのクラウドテックのクッション性と反発性は、低速での走行でも活きている。

 

モンスターだけに見た目はイカツイが、ドロップ(踵から爪先にかけてのシューズ内の高低差)は6㎜とマイルド。このドロップであれば、ロッカーによって脛の筋肉を傷めるリスクも抑えることができよう。足の筋肉が“走る”ことを受け入れてない、まだ走り始めの頃は、クラウドモンスターのようなバランスの良いシューズを選びたい。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

“たまには走ってみよう”から、週末の朝や夕方の嗜みとして継続化するなら、さらに大きなモチベーションが必要になる。そこで、走って痩せる=痩せラン。体型という見た目、血液検査の結果、消費カロリー増による食べたいものの選択肢の増大と、俄然モチベーションを、かつ長期で高めることが可能だ。

 

しかもランニングは、脂肪が良く燃える自転車やスイムといった有酸素運動の中でも、時短で、効果を得やすいアクティビティだ。さらに、追い込まない程度のペースで、長時間行うほどに、そのメリットを高められる。必要なのは、長く快適に走れるランニングシューズのみ。だからこそ、長く履きたい一足を厳選したい。

 

クラウドモンスターの着地時のクッション性と反発性は、痩せランのペース(1㎞を6分)になると、性質が変化する。先述の1㎞を7分のペースで走る「運動不足解消ジョグ」よりも、反応性が高まる。“板バネ”であるスピードボードの反発性が出てくるためだ。低速なのに、ここまで性質が変わるのは、ちょっとした驚きである。

 

試しに別日、起伏に富んだコースを走ってみたが、坂道の上りではぐんぐん進む。ソールの幅が広く、踏み面が広いので、下りでも安定する。クルマで例えると、高級SUVに乗っている感じだ。(意地悪だが)砂利道に突入してみたが、クラウドテックの穴に小石が入ることもなかった。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

これまた撮影とは別の日、ハーフマラソン(21㎞強)にクラウドモンスターを実戦投入。名だたる大学の陸上競技の選手たちも走る、東京・立川の自衛隊基地の滑走路がスタートの市民マラソン大会で試してみた。1㎞を5分ほどで走ったが、クラウドモンスターは安定感も良く、難なくレースでもパフォーマンスを発揮してくれる。フルマラソン投入でも、もちろん違和感なく走れるシューズであると改めて実感した。

 

多くのランナーがレースに出る最大の理由は、優勝を目指すのではなく、モチベーションの維持である。自分ひとりで21㎞走ったら、そもそも鈍足ペースか、途中で道草を喰いたくなる。ましてや最後にペースを上げて、スカッとゴールを切るなんて、レースでなければ奮い立たない。

 

クラウドモンスターで感じたのは、脚が守られている感覚だ。レースの中盤から後半に差し掛かっても、脚はまだ残っている。それでいてスピードを上げても追従してくれる。ロッカー構造も、そこまで大きくないので、無理やり走らされる感じもしない。分厚い見た目よりながら、いたってフツーに真面目なシューズなのだ(もちろん良い意味でだ!)。

 

そこで感じたのは、前回紹介した「クラウドサーファー」でOnが実戦投入を決めた新たなミッドソールシステム=クラウドテック フェーズの存在である。クラウドテックフェーズの乗り味とクッション性は、コンセプト的にもクラウドモンスターとの相性抜群。安定性に優れ、汎用性が高いクラウドモンスターに搭載されれば、超低速から、さらなる高速まで、マルチでイケる化け物に進化できる。

 

走りながらの予感だが、クラウドテック フェーズは、早ければ来年2024年SSシーズンのクラウドモンスターに搭載されているような気がしてならないのだ。Onの前原さんからは何のコメントを得られていない、あくまで筆者の勝手な推測なのだが……。

 

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撮影/中田 悟

 

 

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「クラウドモンスター」破竹の理由は、Onの愚直さにあり⁉/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「On」春の陣④「クラウドモンスター」の巻(前編)

 

2022年3月に発売されるや、破竹の勢いで高セールスを記録したランニングシューズがある。一時は店頭から商品が消え、入手困難になったというOn(オン)の「クラウドモンスター(Cloudmonster)」だ。弾力の高いゴムチューブから着想を得た、On独自のミッドソール機能「クラウドテック」をメガ盛りにした圧倒的な存在感。まさにモンスター級のシューズである。

↑On史上最厚のクラウドテックを搭載する「クラウドモンスター」1万8480円(税込)。メンズ、ウィメンズともに5色展開(写真は2023年SSの新色、メンズIron Hay)。サイズ展開、メンズ25~32㎝、ウィメンズ22~28cm

 

「クラウドモンスターのおかげで、ランニングブランドとしてのOnのブランド認知は格段に上がりました。口コミやSNSで高い評価をいただいた結果、“Onを知ってはいたけれど、履いたことがない”、“タウンユースにしているけれど、走ったことがない”などのお客さまから、クラウドモンスターを指名買いしていただけるようになりました」

 

と語るのは、オン・ジャパンでPRリーダーの前原靖子さん。クラウドモンスター大人気の秘密を探るべく、前回「クラウドサーファー」の実走レビューの撮影でもお邪魔した東京・原宿のフラッグシップストア「On Tokyo」に、前原さんを訪ねた。

↑オン・ジャパンPRリーダー前原靖子さん。アジア初となるフラッグシップストア、東京・原宿の「On Tokyo」のエントランスにて

 

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誰もが刮目した、漆黒のモンスター

「2022年3月の発売以来、クラウドモンスターのモデル変更は行っていません。その代わり、カラーはシーズンごとに新色を増やして、この春、男女とも2色が加わりました。今年の秋冬も、具体的にはお話しできませんが、新色を追加する予定です」(前原さん)

 

新色の登場と言えば、2022年夏の黒のモンスターの登場を抜きには語れまい。漆黒のモンスターが、On大躍進のひとつの原動力となったと言っても過言ではないからだ。ランニングブランドとしてのOnの認知度を大幅に上げたことはもちろん、タウンユースの需要まで急増させたことは、街を歩いて人々の足元を見れば、すぐに実感できるはず。

↑2022年夏に発売され、怒涛の売れ行きを記録した漆黒のクラウドモンスター(現在も発売中)。ちなみに、2023年メンズの新色はIron Hay(TOP画像) とUndyed-White Creek(筆者のインプレにて装用)。ウィメンズはUndyed-White CreekとNimbus Hayだ

 

「発売当初、クラウドモンスターは42.195kmのフルマラソンなどに対応する位置づけではありませんでした。Onのミッドソールのテクノロジーであるクラウドテックを最も厚く配したモデルとして、“雲の上の走り”をマックスで体感しながら、長く走れるシューズであると謳っていました」(前原さん)

 

もちろん、クラウドモンスターは、快適なだけの厚底シューズではない。爪先から踵にかけてのロッカー構造(揺りかごのようなカーブ)は、走行時に着地から蹴り出しへと、転がるようなライドをもたらしている。さらに、靴底には着地衝撃を推進力に換える“板バネ”となるPP樹脂(ポリプロピレン)の「スピードボード」も搭載。高機能のランニングシューズとして備えるべき構造に、先述した着地衝撃をクッションする極厚のミッドソール「クラウドテック」を載せている。

↑クラウドモンスターは、クッション性の要となる「クラウドテック」(穴の開いたオフホワイトのミッドソール部材)をマックスで搭載したモデルだ

 

“あくまでランニングシューズであって、スニーカーではない”

「ロッカー形状とスピードボードのバランスが良く、“スピードを出しやすい”という評価がSNSにたくさん上がりました。そうした皆さまの声が集まって、トレーニングだけではなく、42.195㎞のマラソン大会でも結果が出せる、レースでも使えるシューズという定評が得られました」(前原さん)

 

発売後数か月で、Onのエースとなったクラウドモンスター。ランナーからの支持も高まったが、街でもよく見かけるようになった。いわゆるスニーカーショップの棚にも置かれるが、パフォーマンスの高さを、タウンユースのコンシューマはどこまで理解しているだろう?

↑爪先から踵にかけてのロッカー構造(揺りかごのようなカーブ)によって、走行時には転がるようなライド感が得られる

 

「発売当初から、クラウドモンスターはランニングシューズであって、いわゆるスニーカーではないというメッセージを発信し続けています。ルックス的にスニーカーとして街で履いてくれるお客さまもいますし、街のスニーカーショップでも売られていますが、前提は“パフォーマンスを出せるシューズ”です。快適に走れるクラウドモンスターの機能があるからこそ、街でも選んでいただけていると考えています」(前原さん)

 

日本では、ランニングシーンと街履きのシーンを分ける傾向があるが、Onが生まれたスイスをはじめとする欧米では、ランニングシューズは当たり前にタウンユースとして履かれている。フルマラソンを完走できるほどの機能性がありながら、カジュアルであるなら、ランでもオフでも、あらゆる生活シーンで汎用化されるのは当然だろう。

↑アウトソールの摩耗しやすい部位には、ラバーパッドが貼られている。ラバーパッドには微細な横方向のスリットがあり、地面をグリップし、滑りにくい仕様になっている

 

ファッショナブルであり、かつ高機能というOnの独自性

「Onは、ランニングシューズ開発から始まったブランドです。しかし、ランナーを含めた多くの方たちが、タウンユースでもOnのシューズを履くようになりました。そうした気づきを経て、タウンユース企画のシューズも開発されるようになりました」(前原さん)

 

今でこそタウンユースのラインも持つOnだが、(機能を伴わずとも)ルックスで勝負するスニーカー市場にあっても、Onは変わらず、高機能のランニングシューズを愚直なまでに投入し続けている。こうした堅実なスタンスが幸いし、ファッショナブルであり、高機能でもあるという、誰もが認める独自なブランドに進化したと言えよう。

↑「On Tokyo」の前で前原さんと髭ボブの筆者(右)

 

さらに書き加えたいのは、OnFriendsである。“On好き!”の全国に広がるOnFriendsというコミュニティの存在だ。詳細は、本連載のOn共同代表・駒田博紀さんのインタビュー回で記したが、10年掛けて駒田さんとOnFriendsが築いた自前のコミュニティは、リアルとバーチャルでOnの世界観を共有し、自律した無数の縦横無尽のコミュニティによって、“走る楽しさ”を交歓しあっている。

 

次回はクラウドモンスターの実走インプレをお届けする!

 

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撮影/我妻慶一

 

 

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千賀滉大のお化けグローブに大谷翔平の“アレ”。今季のMLBは「ディテール」に注目すると楽しい!

現地3月30日に開幕し、各地で熱い試合が繰り広げられているメジャーリーグ。ハイレベルなプレーが野球ファンの視線を集めるのはもちろんだが、それ以外に選手たちが使用している「モノのディテール」に注目してみても、新たな視点で試合観戦を楽しめるかもしれない。

 

まず取り上げたいのが、現地4月2日にメジャー初勝利を挙げた千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)のユニークな着用アイテムだ。『お化けフォーク』が代名詞の30歳だが、そのグローブには、フォークを持ったお化けのモチーフ、出身地・愛知県蒲郡市の形がデザインされ、側面にオレンジと黒で「S3NG4」と刺繍が施されている。

 


米メディア『Sporting News』が「センガのお化けフォークグローブがアメージングだ」と呟くなど、反響を集めたこの特別モデルは、野球用品メーカーとして有名なZETT製。今年1月には、本人の公式ツイッターでも「カッコよすぎました」と画像付きで紹介されており、青を基調とした今回のグローブだけでなく、赤、黒、青×オレンジ、赤×黒といったカラーバリエーションが提供されているようだ。

 


また、すでに2試合連続本塁打をマークしている大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)のチーム内では、ホームランセレブレーションでの“意外な小道具”が話題を集めた。昨季は本塁打の際にカウボーイハットをかぶせ、ダグアウトで祝福する儀式が恒例だった同球団だが、今回使用しているのは、なんと麦わら帽子。さらによく見ると、そこにはNBAゴールデンステート・ウォリアーズのロゴが入っていたのだ。

 


こうしたパフォーマンスの背景について、米カリフォルニア州地元局『Bally Sports West』のレポーターを務めるエリカ・ウェストン氏は、現地2日の放送内で説明。ここまで大谷、マイク・トラウト、テイラー・ウォード、ローガン・オーハッピーにかぶせられた麦わら帽子だが、「現時点では、一時的なホームランセレブレーション」だといい、しばらくすれば別のものに変更するとのことだ。

 


さらに、「これからもっといいものが登場すると聞いている」と続けると、「(まだそのアイテムは)まだ到着していない」と情報が付け加えられた。果たして今後はどのようなものが持ち込まれるのだろうか、新しい儀式からも目が離せない。

アニエスベー×アリーナ、フランス発ブランドのコラボ第4弾! スイミングアイテム全36型を展開

デサントジャパンが展開するスイミングをコアとする「アリーナ」ブランドは、デザイナーブランド「agnes b.(アニエスベー)」との新作コラボレーションアイテムを4月19日に発売。現在、アリーナ直営店3店舗、デサント公式通販サイト「DESCENTE STORE オンライン」、アニエスベーショップと公式オンラインブティックなどで、予約を受け付け中です。

 

アニエスベーとアリーナは、同じフランスを発祥とするブランドとして2020年より「スポーツ」と「ファッション」を融合させたコラボレーションアイテムを展開し、今回が第4弾となります。

 

2023年の新作コレクションは、アニエスベー創設者のアニエス・トゥルブレ氏が好きな“スイミングプールの「ブルー」”をアクセントカラーにしたラインナップが登場。両ブランドのロゴをいれたシンプルなデザインを、アニエスベーのアイコンカラーである黒と白のモノトーンをベースに、アクセントにブルーを効かせたカラーで表現しています。

 

アリーナの練習用水着をはじめ、ゴーグルやバッグなどの機能性の高いスイミングアイテムを中心に、UVカット機能(UPF50+)のあるTシャツやパーカーなど、ジュニアアイテムも含め全36型を展開します。

 

コラボレーションアイテムの一例として、川本武史選手が以下の写真で着用しているのは「agnes b. x arena トレーニングスパッツ(ショートボックス)」で、税込価格は9460円。その脇にある「agnes b. x arena バッグ」は、税込価格5720円です。

↑川本武史選手

 

また、今井 月選手が以下の写真で着用しているのは、「agnes b. x arena トレーニングワンピース(オープンバック)」税込価格1万4300円、「agnes b. x arena メッシュキャップ」税込価格1980円、「agnes b. x arena ビーチサンダル」税込価格4290円です。

↑今井 月選手

 

予約販売を含め、税込1万1000円以上購入すると、先着で両ブランドのロゴが入った、今回のコラボレーションのアクセントカラーであるブルーのオリジナルハンドタオル(非売品・数量限定)をプレゼント。

 

※agnesのeは、グレイヴアクセント付きが正式な表記です

エスコンフィールド×パナソニックが目指す、「球場×企業」の新たな形

ついにオープンした、北海道日本ハムの新球場・エスコンフィールドHOKKAIDO(以下、エスコンフィールド)。4月1日には、清宮幸太郎のサヨナラタイムリーで、北海道日本ハムファイターズが新球場初勝利を飾ったのも記憶に新しい。

 

この新球場には、多くの企業がスポンサーとして参画している。そのうちのひとつがパナソニックだ。同社はパートナーシップ契約という形でエスコンフィールドをサポートしている。球場内の照明やサイネージを提供しているほか、3塁側ダグアウトクラブの命名権も取得。球場と企業の、単なるコラボレーションにとどまらない、新基軸の取り組みを取材した。

↑球場内部の全景

 

【エスコンフィールドの「照明」の見どころをギャラリーで紹介】

かつてない球場のために設計した照明配置&映像システム

新球場の照明環境は独特だ。全面ガラス張りで開閉式の屋根を備えたエスコンフィールドには照明塔を設置することはできないし、ガラスウォールにも照明の取り付けは不可能だ。また、照明の設置は大型ビジョンの付近を避けることも求められる。

 

結果として、投光器の設置可能箇所は天井の一部に限られ、台数も少なくなった。球場のフィールド照明としては、500〜700台の投光器を設置するのが一般的というが、エスコンフィールドではより少ない数で、十分な明るさを実現しなければならなかった。

↑全面ガラス張りの球場には、照明塔を設置することは当然できない

 

そこで同社は、出力の異なる2kWと1kWのLED投光器を混合して設置。強い光を放つ2kWの投光器によって必要な明るさを確保しつつ、1台1台の照射角度を微妙に変えることで、選手がまぶしく感じないように工夫を凝らしている。

 

ちなみにフィールド向けの投光器は全部で354台設置されており、その内訳は、1kWが226台、2kWが128台。外野側から内野を照らす照明はすべて2kW・162台で構成しているが、内野側から外野に向けた照明は2kW・64台と1kW・128台を混合している。

↑内野側から外野を照らす照明。明るさの異なる照明が併置されていることがわかる

 

↑投光器(実物)。手前が2kW、奥が1kW

 

↑バナソニックの馬杉道裕さん。エスコンフィールドへの照明納入を担当した

 

パナソニックが提供しているのはフィールド照明だけではない。球場内に設置されている照明約9000台、外構照明約450台、サイネージ約600台、映像制作用のカメラ10台、映像制作システムも同社製のものだ。

 

なかでも映像制作システムのKAIROSは、球場内で撮影した素材などから、大型ビジョン・サイネージに映す映像を効率的に作り出す。ケーブルテレビでも使用される技術を導入したことで、600台のサイネージに映し出される映像の遅延は、0.5秒以下だという。

 

またKAIROSは、画面の縦横比に左右されることなく、複雑で高度な映像制作・出力ができる。エスコンフィールドに設置された横長の大型ビジョンは、多彩な映像演出によって試合を盛り上げるが、それを支えているのがKAIROSなのだ。

↑球場のいたるところに取り付けられているサイネージ

 

↑球場のビジョン。この大型ビジョンが2基設置されている

観戦・食事・体験の3要素を備えたプレミアムラウンジ

パナソニックは、エスコンフィールドの3塁側ダグアウトクラブの命名権を取得している。「Panasonic CLUB LOUNGE」と名付けられたこのエリアには、観戦・食事・体験の3要素で構成される。

↑ラウンジの入り口からも高級感が漂う

 

このラウンジは、3塁側ダグアウトクラブシートのチケットを購入した人のみが利用できる。ダグアウトクラブシートはラウンジと直結していて、選手目線での観戦が楽しめるプレミアムシートだ。エスコンフィールドのファウルグラウンドにはレンガを砕いて作られた砂が使用されているのだが、選手たちのプレイの拍子に、シートに砂がかかってくるという。この座席はそれほどに、選手たちに近い場所なのだ。

↑3塁側ダグアウトクラブシート。全面にクッションがついており、高級感のある座り心地だ

 

シートは全89席。チケットは年間契約のものが大半だが、一部は通常購入が可能で、その価格は1万3000〜2万7000円。価格は試合日によって異なるという。

↑シート最前列からの眺め

 

ダグアウトクラブシートのチケットを持っていれば、ラウンジ内で無料の飲食が楽しめる。なお、ここで提供される食材には北海道産のものを使っているそうだ。

↑ラウンジ内の飲食カウンター

 

さて、ラウンジ内では、パナソニックの最新製品が多く並べられている。そのラインナップは多種多様で、エアマッサージャー・レッグリフレ、フェイススチーマー・ナノケア、高級マッサージチェア・リアルプロといった美容健康製品をはじめ、空間除菌脱臭機・ジアイーノ、温水洗浄便座・アラウーノなどを触って体験できる。

↑空間除菌脱臭機ジアイーノ。次亜塩素酸の力で“空気を洗い”、除菌・脱臭・集じん・加湿をこの1台で行う

 

↑通路に設置された照明は、木漏れ日をイメージしたもの。ダウンライト型プロジェクター・バイオシャドーで、葉が揺れ動く様子を表現している

 

この空間について、ファイターズスポーツ&エンターテイメントの河原井建吾さんは「露出機会の枠を超えた、商品・サービスのショーケーシング」と語っている。このラウンジはただ製品を並べただけでなく、観戦や食事を楽しみながら“自然に”パナソニック製品を体感できる空間なのだ。

↑ファイターズスポーツ&エンターテイメント 河原井建吾さん

 

まだオープンしたばかりで話題が尽きないエスコンフィールド。その裏には、新球場を力強く支えるパートナーの存在と、オリジナリティあふれる取り組みがあるのだ。

アサヒ炭酸ラボが調査、「eスポーツ選手になることに賛成している」親は約4割に留まる

アサヒ炭酸ラボは、炭酸水の飲用でeスポーツ競技をより楽しめるという実証結果を発表。合わせて、注目を集めるeスポーツについて、親世代がどのように考えているかを調査する「アサヒ炭酸ラボ 親世代に聞く、いまどきのeスポーツ意識調査」を実施しました。

 

アサヒ炭酸ラボの研究によると、eスポーツ中に炭酸水を飲むと、「eスポーツのおもしろさの高まり」「判断力の維持」「フェアプレーの促進」「空腹感の高まり抑制」という4つの効果があることがわかったとのこと。

 

また、アサヒ炭酸ラボでは、炭酸水の効果が、盛り上がりを見せるeスポーツの健全な普及に寄与する可能性を探るべく、親世代が子どもに人気のeスポーツについてどのように考えているかを調査しました。

 

本調査の結果から、親世代のeスポーツの認知は100%である一方で、「内容までよく知っている」と答えた親は2割弱に留まることがわかりました。また、eスポーツをゲームと考えている親が8割以上いることからも、eスポーツは認知率が高いものの、内容の理解はまだあまりされておらず、親世代の理解を醸成する過渡期であることが浮き彫りになっています。子どもがeスポーツをやることに反対という親も半数おり、その理由に健康面での懸念をあげています。

 

 

また、子どもがeスポーツ選手になることに賛成している親は約4割に留まるということがわかりました。反対する親の半数以上が「収入が安定している仕事に就いてほしいから」を理由にあげ、子どもに就いてほしい職業も「会社員」や「公務員」が上位になりました。一方で、「どんな職業でも一生懸命やることが大事だと思う」、「子どもの意見は尊重したいと思う」、「特技を活かせることが良いことだと思う」など、子どもが決めたことや特技を活かすことに賛成という意見も30%近くありました。

 

最後に、今回のアサヒ炭酸ラボの研究結果であるeスポーツにおける炭酸水の4つの効果を聞くと、約7割の親が子どもに炭酸水を飲ませたいと考えることがわかったとのこと。

【4月14日~16日】ゴルフ大好き芸人のファッションショーも!? ゴルフの祭典「PING Gフェス!2023.」6年ぶりに開催

ピンゴルフジャパンは、4月14日から4月16日までの期間、東京都世田谷区の二子玉川ライズにて「PING Gフェス!2023.」を開催します。

 

同イベントは2017年以来となる、6年ぶりの開催。ステージ・展示・体験の3構成で、4月14日のステージブースでは、ゴルフ大好き芸人の蛍原 徹さんが登場し、最新クラブの試打や、最新のPINGアパレルを身にまとって、ファッションショーに挑戦。4月15日にはファッションモデルの三枝こころさん夫妻トークショー、4月16日にはPING契約プロの亀代順哉さんとゴルフYouTuberのなみきさんによる、100切りゴルフワンポイントレッスンも実施します。

↑蛍原 徹さん

 

そのほか、PINGアパレル公式YouTubeチャンネルで活躍する「GOLF120(ゴルフ ワン ツー オー)」メンバーとPING契約ティーチングプロ(カーステンスタッフ)によるトークショーなども行われます。

↑三枝こころさん

 

展示ブースでは、2022年11月に販売開始した「G430シリーズ」や「PLD MILLED PUTTER」、を展示。「PINGアパレル」コーナーでは最新のデジタルサイネージを使ったバーチャルフィッティング(試着)体験を楽しめます。PINGの最新クラブの試打やフィッティングが体験できるほか、豪華賞品付き「激飛!ドラコンチャレンジ」、「ピン♪ワンパットチャレンジ」、子どもを対象にした「ゴルフで遊ぼうスナッグゴルフ」など、様々なアトラクションを用意しています。

↑なみきさん

 

開催時間は、14日が11時30分~20時まで、15日が11時~19時まで、15日が11時~18時まで。入場料は無料。詳細は、同イベントの公式ページをご覧ください。

↑亀代順哉さん

Onの最新テクノロジー搭載「クラウドサーファー」レヴュー!/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「On」春の陣③ On「クラウドサーファー」の巻(後編)

 

2023年、Onが最も注力するシューズが、3月23日に正式に発売を開始した「クラウドサーファー(Cloudsurfer)」だ。“雲の上の走り”というOnの特徴を継承しつつ、クラウドサーファーには全く新しいテクノロジーが搭載された。興味が尽きない一足である。

↑3月23日に正式に発売された「クラウドサーファー」(東京マラソンEXPO2023にて、限定先行発売)1万8480 円(税込)。Creek White、All Black、White Frost の3カラー展開。サイズ展開は、メンズ25~32cm、ウィメンズ22~28cm

 

本連載の前編では、オン・ジャパンの前原靖子さんに、最新のミッドソールテクノロジーの「クラウドテック フェーズ」の話を中心に、クラウドサーファーのターゲットや環境対応など質問攻めにした。

 

後編では、ペンをシューズに換えて、クラウドサーファーを実際に、履いて、走って、レビューする。クラウドサーファーのインプレも、次の4つのシーンを想定して行う。まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレ。そして、「運動不足解消」が目的で走る、1㎞を約7分(=キロ7分)の、の~んびりペース。

 

続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分(=キロ6分)のゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」だ。いずれも、“たまには、走ってみようかな~♪”と思った際に目安になるペースである。

 

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いよいよ、クラウドサーファーを試走!

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

“雲の上の走り”を標榜するOnだけに、足入れ感への期待は大。しかも、従来のクラウドテックを進化させたクラウドテック フェーズである。見た目の厚みからは、ピンと来ない軽さ。アッパーのタン(甲に当たる部分)もふかふかで、足入れ感は◎だ。

 

すっくと立ちあがると、ミッドソールの穴が潰れて、カラダが沈むのか分かる。(乗ったことはないが)なるほど雲。歩き出すと、一歩一歩沈む。これで走って大丈夫なのか……、と思うほどの優しさ。なぜなら、着地時に大きく沈み込むと、エネルギーロスとなり、推進力が得られないからだ。

 

試しに3㎞ほど歩いてみるが、鼻歌混じりのゴキゲンな人のような不思議な歩み。エネルギーロスは感じないが、スタスタ速くではなく、気分よくテンポを落としたくなる感覚だ。安っぽい作りの軟らかすぎるソールのシューズだと、最初は快適でも、後から、踵骨の下部(足底筋膜と接する、踵着地のポイント)が痛くなったりする。もちろん、クラウドサーファーにその心配は無用そうだ。なるほど、面白い!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

歩きの次は、走り。最初は、運動不足の解消が目的なので、ゆっくり。その理由は、速く走ったら、ケガのリスクも高まるし、疲れちゃうから。信号待ちのレストタイムも含め、少なくとも15~20分は走りたい。“もっと走れるけどね”で切り上げれば、三日坊主とも卒業できるはずだ。

 

で、クラウドサーファー。歩いただけで、ミッドソールの穴が潰れるので、走ったらどーなる? ところだが、ピョコピョコ走りにはならない。不思議、きれいな反発力を生んでいる。爪先から踵にかけてのロッカー構造(揺りかごのようなカーブ)で、自然とカラダが前に進んでいる。

 

この撮影とは異なる日(まさにOnが日本上陸10周年を記念し、全国各地を走るイベントに参加して)、運動不足解消ジョグのペースで7㎞ほど走ったが、全くもって快適。ちなみにこのイベント、東京から福岡までの約1700㎞間、OnFriendsというコミュニティを走って結ぶという(正式名称は、Meet OnFriends Tour2003)。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

定期的に走れば、脂肪は燃える。カラダの神様は、お腹周りも、お腹の中も、顎の下も、えこ贔屓せずに減らしてくれる。食事の“量”も、そして“質”も変えたくなければ、走れば良い。痩せランで減らせるエネルギーの目安は、自分の体重(㎏)×距離(㎞)。70㎏の人が10㎞走れば、約700キロカロリーを消費できる。軽めのランチ1食分がチャラという計算だ。昼抜きが辛いか、10㎞ランが辛いか、半分抜いて半分走るかは自由自在。痩せるためには、多少の犠牲は必要だ。食べてしまった過去は、変えられない。

 

で、クラウドサーファーである。“走る楽しさ”をMAX体感できるのは、やはり痩せランペースだろう。歩きと、走りで、着地感が変わる面白さ。カラダは少々重いが、シューズはとても軽い。気持ちは後ろ向きでも、ロッカー構造でカラダは前へ進む。クラウドサーファーなら、気が付けば2、3㎞はあっという間に過ぎているはずだ。

 

ランニングシューズは、玄関の靴箱には収納せず、常時、出陣の機会を与えよう。ステップの刻みと呼吸のリズムが調和して、どこまでも走れる気分になったら、体重計も楽しみになる。いつでも、玄関にあるクラウドサーファーが一緒に走ってくれる。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

快調に走れるようになると、のろのろと前を走るランナーを抜かしたくなる時がある。ちょっとした坂を、無言で叫びながら駆け上がりたくなる時がある。走る楽しみは、何かと競う楽しみでもある。子どもの頃の、ただただ無心に駆け回っていた自分を取り戻そう。

 

残念ながらクラウドサーファーは、何かと競うには、優しすぎるシューズだ。ペースを上げるほどに、衝撃吸収性に富んだミッドソールのクッションが効いてくる。板バネであるスピードボードがないから、当たり前と言えば当たり前だ。

 

この撮影から1週間後のハーフマラソンは、残念ながらクラウドサーファーとは別のシューズで行うことに決めた。新たな起用は、“日常履きからレースまで万能”と噂の人気選手On「クラウドモンスター」である。次回は、クラウドモンスターの実走インプレをお届けしよう!

 

撮影/中田 悟

 

 

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「On」故知新、最新テクノロジーのプロジェクトが始動!/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「On」春の陣② On「クラウドサーファー」の巻(前編)

 

「2023年、Onが最も注力するシューズが、3月23日に販売を開始した『クラウドサーファー(Cloudsurfer)』です。“雲の上の走り”というOnの特徴を引き継ぎつつ、今までのOnになかったテクノロジーを採用した、全く新しいシューズです」

↑「クラウドサーファー」(※東京マラソンEXPO2023にて、日本先行限定323足発売された)、1万8480 円(税込)。Creek I White、All I Black、White I Frost の3カラー展開。サイズ展開は、メンズ25~32cm、ウィメンズ22~28cm

 

と、語るのは、オン・ジャパンの前原靖子さん。前原さんは、オン・ジャパン開設時のメンバーであり、同社共同代表の駒田博紀さんの懐刀のひとり。そんな前原さんに、最新鋭クラウドサーファーの魅力を、東京・原宿のフラッグシップストア「On Tokyo」で語ってもらった。

↑オン・ジャパンPRリーダー前原靖子さん。アウトドアをこよなく愛する、まさにOnを体現するアクティビストである!

 

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生まれ変わったクラウドサーファー

「クラウドサーファーは、10年前にOnが最初に開発したシューズの名前でもあります。新発売のシューズは、Onにとって記念すべきクラウドサーファーの名前を継いだモデル。Onのシューズの未来型として期待しています」(前原さん)

※以下、ややこしいので、10年前のクラウドサーファーを便宜上「アーリーサーファー」と呼ぶ。

 

アーリーサーファーは、Onのシューズの顔とも言える、穴の開いたミッドソール=「クラウドテック」を初めて搭載した画期的なシューズだ。筆者も10年前、東京マラソンEXPOの出店ブースで初めてOnのシューズを見た際、ゴムホースを潰して貼ったかのようなルックスと、衝撃吸収の機能性をアウトソールに持たせたような構造の斬新さに、目を見張った記憶がある。

↑Onの顔とも言える、ソールにチューブが埋め込まれたアーリーサーファーのクラウドテック(世界特許)。この機能が、ミッドソールなのか、あるいはアウトソールなのかは、議論が分かれるところだ。現在Onはクラウドテックをミッドソールの機能と解説しているが、筆者は“衝撃吸収機能を有した独創的なアウトソール”と考えている

 

Onの最新テクノロジー「クラウドテック フェーズ」とは?

「Onが(アーリー)サーファーに籠めたのは、クラウドテックというテクノロジーを通じて、従来にない“ランニングの楽しさ”を伝え、ランニング界に新たなセンセーションを巻き起こすというメッセージでした。(新しい)クラウドサーファーには、今までOnの全てのシューズに搭載してきた『クラウドテック』とは異なる『クラウドテック フェーズ』という新たなテクノロジーを使っています。従来の『クラウドテック』の改良版とは全く違う、最新のコンピュータ解析によって生まれた、どなたが履いても快適な心地よさを実現しています」(前原さん)

 

最新のミッドソールテクノロジーであるクラウドテック フェーズは、着地の瞬間、ミッドソールに開いた空間がドミノ倒しのように潰れて衝撃を吸収する。その素材は、Onのパフォーマンスランニング分野で、2019年から積極的に使用している「ヘリオン」と呼ぶ独自フォーム材である。

↑新生クラウドサーファーのミッドソール「クラウドテック フェーズ」。足入れして歩いてみると、“雲の上の”という形容がまさにピッタリな、ふんわりとした履き心地が得られる!

 

ヘリオンは、軽量でクッション性が高く、耐久性や温度変化にも強い素材だという。Onは独自素材としか公表していないが、前原さんは、“EVAではない”とも語っている。総合するとヘリオンは、欧米系のシューズメーカーがレーシングモデルを中心に採用しているエラストマー系素材と考えられる。

 

「新しいクラウドサーファーは、ふわっとした足入れ感が“誰にでも体感できて、分かりやすい”と、各国のバイヤーさんからも高い評価をいただいています。もちろん発売後のランナーの皆さんの評価によって変わる可能性がありますが、Onとしては、レーシング向けではなく、トレーニングや長い距離をゆっくり走るランニングシーンで履いていただくことを想定しています」(前原さん)

↑アウトソールの白い部材が、クラウドテック フェーズ。爪先と踵には、路面を捉えて摩耗しにくいラバーパッドを採用。筆者のような典型的な踵着地のランニングフォームだと、中足部のクラウドテック(特に外側)が早々に削られそうで、チト不安……

 

Onの原点=“走る楽しさ”へのあくなき追及

厚底でありながら、重量は26.5㎝で片足245g! 何と、250gを切っている。軽量化の秘策のひとつは、もちろんクラウドテック フェーズの採用だ。しかし最も寄与したのは、Onのパフォーマンスランニングモデルに共通して搭載される「スピードボード」を廃した点。「スピードボード」は文字通り、足裏全面に敷かれた硬質のプレート。着地衝撃を推進力に換える“板バネ”の役割を担っている。

 

「クラウドテック フェーズのロッカー形状(揺りかごのようなカーブ)は、スピードボードがなくても、流れるような自然な脚運びを生み出します。そのため、クラウドサーファーにはスピードボードを採用していません。スピードを求めるというより、(アーリー)サーファーが提供した“走る楽しさ”を重視したモデルです。最新のテクノロジーでクラウドテックの原点に立ち返った、Onにとっての今年最大の挑戦なのです」(前原さん)

↑踵部が巻き上がったクラウドテックフェーズ。アッパーの下には、Onの故郷であるスイス国旗があしらわれている。ちなみに、Onのロゴの「O」の頭に突起がある理由は、“スイッチOn!”を表す意匠なのだとか

 

「ドープダイ」の採用で、使用する水を95%カット!

前原さんによると、クラウドテック フェーズが、今後のOnの全モデルに標準搭載されるという計画は、今のところはないという。全ては、実際にランナーが履いて走って、その結果によって決まるのだとか。新生クラウドサーファーは、Onにとって(そして、私たちにとっても)実走できる実験機=コンセプトカーのような役割なのだ。

 

「スピードボードを採用しないことで、軽量化とともに、環境にも配慮できました。その点で言えば、クラウドサーファーのアッパーも、環境への配慮がなされています。アッパーを製造する際に使う水を、従来に比べて95%削減することが可能な『ドープダイ』という技術を採用しました。ドープダイは、化繊の糸を染めるのではなく、糸を作る時点で染料を加えています。水資源だけでなく、CO2の削減にも貢献できています」(前原さん)

 

ドープダイは「原液着色糸(原着糸)」とも呼ばれ、文字通り原料のペレットと顔料を混ぜて糸を作る技術だ。そのため、一般的な染色に必要な、精錬、染色、染色後の洗いの工程がそもそも発生しない。大幅に水を減らせる上、電気も使わず、しかも廃水も減らせるメリットがある。環境意識の高いスイスで生まれた、Onならではの取り組みのひとつと言えよう(ただしドープダイは、従来の工法に比べて、生産ロットが大きくなる。大規模な生産でも十分に勝算があるという、Onのクラウドサーファーへの期待と自信の顕れと言えよう)。

↑新生クラウドサーファーにぴったりな軽量シェルを手にする前原さん。シューズイメージの強いOnだが、アパレルが多数並んでいる。ランニングを核にしたライフスタイル全般を網羅する商品構成で、オンでもオフでも着られるコレクションを展開中だ

 

クラウドサーファーの知見を広げたところで、次回はクラウドサーファーの実走インプレをお届けしよう!

 

撮影/我妻慶一

 

 

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Alpen TOKYOのBIGセール「周年祭」は見逃せない! スポーツ、アウトドア、ゴルフ用品とお得が満載だ

スポーツ用品販売のアルペンは、2022年4月に新宿東口ユニカビルにオープンした「Alpen TOKYO(アルペントーキョー)」のオープン1周年を記念し、お得な商品を多数用意したBIGセール「周年祭」を3月31日から4月10日で11日間開催! Alpen TOKYO内に展開する、『スポーツデポ』『アルペンアウトドアーズ』『ゴルフ5』の各フラッグシップストアでは、人気商品からお買得なセール商品まで多数用意しています。

 

各ブランドの人気商品や期間限定値下げ商品を多数用意!

スポーツやアウトドアのハイシーズンを迎えるこの時期に、Alpen TOKYOならではの各ブランドの人気商品や期間限定値下げ商品を多数用意。日頃の感謝を価格に込めた、レア商品、お買い得商品が満載です。人気アイテムをお値打ち価格で手に入れる絶好の機会ですので、このお得な11日間を見逃さないように!

 

スポーツデポフラッグシップストア新宿店

周年祭ならではの特別奉仕品が大集合! 人気ブランドのウェアはもちろん、新宿店の強みである「ランニング」「バスケットボール」「サッカー」「野球」などの各競技アイテムは大注目。さらに各競技フロア毎に周年祭ならではの特別企画も用意されています! 人気ブランドのウェアやシューズをお得に手に入れる絶好のチャンスです!

 

アルペンアウドドアーズフラッグシップストア新宿店

都内最大級の品揃えを誇る新しい「アウトドアの聖地」ならではのセールを開催。「ザ・ノース・フェイス」、「カリマー」、「スノーピーク」、「ユニフレーム」、「ヴェイパラックス」、「ゴールゼロ」など、取り扱い店舗の少ないコアブランドの話題商品を特別に用意。トレッキング用品でも「ローバー」や「マインドル」のシューズ、「ドイター」や「グレゴリー」のバッグの数量限定奉仕品を用意。さらに、期間限定値下げ商品もズラリ勢揃いしています!

 

ゴルフ 5 フラッグシップストア新宿店

クラブ、シューズ、バッグ、ウェア、グローブなど限定奉仕品が盛りだくさん! 新品ゴルフクラブポイント10%還元、中古クラブは3点以上税込み3万円以上25%OFF。ゴルフウェア・ウェア小物が1点あたり税込み3000円以上の商品を対象で2点購入10%OFF、3点以上購入15%OFF。対象のキャディバッグ・シューズ購入で、所持しているキャディバッグ・シューズを購入金額の20%で下取りといったお得なまとめ買い企画もお見逃しなく。

 

 

Alpen TOKYOオープン周年祭

開催期間:2023年3月31日~4月10日

開催店舗:Alpen TOKYO

営業時間:平日11:00~22:00・土日祝10:00~22:00

ホームページ(https://store.alpen-group.jp/alpentokyo/CSfTokyoTop.jsp

マニア垂涎。大谷翔平、トラウトのボブルヘッド人形にMLB公式記者も熱視線!

メジャーリーグのレギュラーシーズン開幕が直前に迫る3月27日(日本時間28日)、恒例の「メディアデー」を開催したロサンゼルス・エンゼルスは、今季の本拠地試合で来場者にプレゼントする新グッズとその配布スケジュールを公開。中でも、同球団のスーパースターコンビに関連したアイテムには、MLB公式記者から熱い視線が注がれている。

 

まず今回、MLB公式サイトのエイドリアン・ガロ記者がツイッター上で取り上げたのは、4月21日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で配布されるマイク・トラウトのボブルヘッド人形。掲載された写真の通り、『スターウォーズ』とのコラボグッズとなっており、「ライトセーバーをバットに見立てたマイク・トラウトとBB-8!」と説明がなされた。

 

 

そして次に注目されているのが、大谷翔平のボブルヘッド人形だ。写真付きのツイート内では、「4月8日(トロント・ブルージェイズ戦)、昨年6月に行なわれたロイヤルズ戦のキャリアハイ13奪三振を記念し、ショウヘイ・オオタニのボブルヘッド人形が配られる」との紹介。ユニフォーム姿の大谷が13球のボールを抱えたデザインとなっている。

 

 

 

スター選手としてエンゼルスを支える二人。21日のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝、日本vsアメリカ戦で夢の同僚対決をしたのは、記憶に新しいだろう。1点リードの9回2死走者なしでトラウトを空振り三振に仕留めた大谷は、侍ジャパンを3度目の世界一に導き、この劇的なエンディングが世界中の野球ファンを熱狂に包み込んだ。

 


もちろん、エンゼルスが配布する予定なのはこれらだけでない。今回公開された大谷、トラウト関連グッズは以下の通り。

 

4月8日 ブルージェイズ戦 13奪三振を記念した大谷のボブルヘッド人形

4月9日 ブルージェイズ戦 大谷のクリアバッグ

4月21日 ロイヤルズ戦 BB-8とトラウトのボブルヘッド人形

4月22日 ロイヤルズ戦 大谷のTシャツ

4月25日 オークランド・アスレチックス戦 大谷とトラウトのブランケット

6月11日 シアトル・マリナーズ戦 トラウトのユースジャージ

6月27日 シカゴ・ホワイトソックス戦 大谷のパズル

7月1日 アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦 トラウトと大谷のシティーコネクトボブルヘッド人形

8月4日 シアトル・マリナーズ戦 トラウトのダッフルバッグ

9月8日 クリーブランド・ガーディアンズ戦 トラウトのホッケージャージ

9月15日 デトロイト・タイガース戦 シルバースラッガー賞を記念したトラウトのボブルヘッド人形

 

大谷、トラウトという球界屈指のスーパースターを擁するエンゼルス。昨季は、73勝89敗のア・リーグ西地区3位に終わり、8年連続でプレーオフ進出を逃しているが、今季こそ、巻き返しを図れるだろうか。まず、30日(日本時間31日)に行なわれる敵地アスレチックスとのシーズン初戦では、大谷が開幕投手を務める予定だ。

どの色も魅力的! 歴史的勝利をカラーデザインで表現したアディゼロ アディオス プロ 3「アディゼロ 限定パック」

アディダス ジャパンは、「アディゼロ(ADIZERO) 」シリーズ最新モデル「アディゼロ アディオス プロ 3(ADIZERO ADIOS PRO 3)」から、ニューカラーコレクション『アディゼロ 限定パック』を、2023年3月27日に発売します。

 

5色の限定カラーウェイで登場!

1秒でも速いベストタイムを目指して走るランナーに向けたレーシングシューズ「アディゼロ」シリーズ。最速の走りで勝利をつかむために作り出され、数々の世界記録更新を支えてきた最新モデル「アディゼロ アディオス プロ 3」が、アディダス アスリートによる伝説的な勝利にインスピレーションを得た5色の限定カラーウェイで登場。

 

本コレクションは、2020 年のキビウォット・カンディ選手によるハーフマラソン世界記録更新と2017年のメアリー・ケイタニー選手によるフルマラソン世界記録更新はもちろんのこと、ペレス・ジェプチルチル選手の2020年世界大会制覇や2011年にジョフリー・ムタイ選手が非公式ながらも世界最速フルマラソン記録を残したレースなど、カラーデザインで表現しています。

 

また、グレテ・ワイツ選手が女性として初めてフルマラソン2時間30分を切った1979年のレースからインスピレーションを得たモデルには、オフホワイトとスカーレットレッドの配色をベースに「To Run is To Live(走ることは、生きること)」というフレーズのデザインが施されています。

↑アディゼロが支えてきた歴史的勝利をカラーデザインで表現

 

アディゼロ アディオス プロ 3は、ゴールまで、自分のペースをキープしたいランナーに。スピードを重視し、マラソンやハーフマラソンで記 録を追い求めるランナーのための、高反発推進テクノロジー搭載モデルです。価格は、各2万6400円(税込)。

↑カラー:ソーラーイエロー/コアブラック/ナイトメタリック(キビウォット・カンディ選手2020年着用カラーからインスピレ ーションを受けたモデル)

 

↑カラー:シグナルピンク/フットウェアホワイト/シグナルシアン(ペレス・ジェプチルチル選手2020年着用カラーからインスピレ ーションを受けたモデル)

 

↑カラー:グリーン/コアブラック/ナイトメタリック(ジョフリー・ムタイ選手2011年着用カラーからインスピレーションを受けたモデル)

 

↑カラー:パルスミント/ゼロメタリック/チームロイヤルブルー(メアリー・ケイタニー選手2017年着用カラーからインスピレー ションを受けたモデル)

 

↑カラー:オフホワイト/ベタースカーレット/シャドーネイビー(グレテ・ワイツ選手1979年着用カラーからインスピレーションを受けたモデル)

 

 

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大谷翔平のキャップ、吉田正尚のバット……WBC終了後、米野球殿堂博物館に寄贈された”豪華な記念品”の数々とは?

3月22日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の野球日本代表「侍ジャパン」は、アメリカ代表との決勝に3対2で勝利。連覇を飾った2009年大会以来、14年ぶり3度目の世界一に輝いた。

 

大会終了後、一部で話題となっているのが、米野球殿堂博物館に収蔵される”豪華な記念品”の数々だ。ニューヨーク州クーパーズタウンにある同博物館の公式ツイッターは22日、優勝した日本代表、準優勝したアメリカ代表から使用道具の寄贈を受けたと発表。その中には、今大会のMVPに輝いた大谷翔平の貴重アイテムも含まれている。

 

今やメジャーリーグを代表するスター選手の大谷。アメリカ代表との決勝では、1点リードの9回からマウンドに上がると、2死走者なしで相手主将のマイク・トラウトを迎え、空振り三振で試合を締めくくった。歓喜の瞬間、感情を爆発させた大谷がキャップを投げる姿は大きな反響を集めたが、今回、このアイテムが寄贈されるというのだ。

 

 

野球ファンを興奮させる記念品はこれだけではない。今回、同博物館の公式サイトが代表選手から寄贈されたと発表しているリストは以下の通り。

 

【日本代表】

・大谷翔平が決勝で着用したキャップ

・吉田正尚がWBC期間中に使用したバット

・村上宗隆が決勝で着用したバッティンググローブ、WBC期間中に着用したヘルメット

・今永昇太が決勝で着用したユニフォーム

・栗山英樹監督が決勝で着用したプルオーバー

 


【アメリカ代表】

・アダム・ウェインライトがWBC期間中に着用したキャップ

・トレイ・ターナーがWBC期間中に着用したスパイク、準決勝のキューバ戦で着用したバッティンググローブ

 

 

自身の道具を寄贈した吉田正尚は今大会、13打点でWBC歴代記録を塗り替え、外野手部門でのベストナインにも選ばれている。村上宗隆は、大会序盤こそ打撃不振に陥ったものの、メキシコとの準決勝でサヨナラ打を放ち、決勝で今大会最速(打球速度115.1マイル=約185.2キロ)の弾丸ソロを打ち込んだ。さらに、今永昇太は決勝に先発し、2回1失点で勝利投手となっている。

 

また、アメリカ代表のアダム・ウェインライトは、1次ラウンドのイギリス戦と準決勝のキューバ戦に先発し、2勝をマーク。トレイ・ターナーは、WBC歴代記録タイの5本塁打を記録していた。

 

ついに今大会も幕を閉じたが、代表選手たちが見せた熱いパフォーマンスは、これからも野球ファンの記憶に残り続けていくことだろう。

On(オン)躍進のカギは、自前のコミュニティにあり! 共同代表が語る/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2023「On」春の陣① オン・ジャパン駒田博紀共同代表に聞く、顧客の雲=「OnFriends」

 

2013年に日本に上陸した、「On(オン)」。この10年での躍進は著しく、ランニングのイベントはもちろん、街でも目にすることが圧倒的に増えている。今回、On躍進の秘密を、Onの顔とも言えるオン・ジャパン共同代表の駒田博紀さんに伺うべく、東京・原宿にあるアジア初のフラッグシップストア「On Tokyo」にお邪魔した。

↑オン・ジャパン共同代表の駒田博紀さん。自称「ゆるランナー」にして、トライアスリート、琉球空手の準師範、セミプロライター。以前、駒田さんが勤めていた商社がOnの日本総代理店になったことをきっかけに、セールスとマーケティングの担当に就任。その後、Onと商社との契約終了を契機に、日本法人の立ち上げに携わり、2022年4月よりオン・ジャパン共同代表に就任

 

ランニングを楽しくする!

「2010年にスイスで創業した当初から、Onが掲げているキーワードは“ランニングを楽しくする”です。Onは創業時から“走り始めることの素晴らしさ”や“走り続ける喜び”を、メッセージとして発信し続けていました。」(駒田さん)

 

On創業当時のランニング業界は、“走り切る”や“フィニッシュラインを○時間以内で”など、競技性を重視したメッセージをコミュニケーションの核に据えていた。こうした風潮に対してOnは、半ば意識的に、半ば無意識的に“ランニングを楽しくする”マーケット戦略に取り組んだという。

↑東京・原宿のフラッグシップストア「On Tokyo」のエントランスにて。“ギョーカイ猛者”は、商社時代の駒田さんも、もちろん知ってます!

 

「Onのマーケ戦略が他社と異なる理由は、スイスの創業者3人のパーソナリティによるところが大きいと思います。創業者のひとりはプロのトライアスリートですが、他の2人は、どちらかというとランニングが好きではありませんでした。」(駒田さん)

 

2人のうちのひとりはスノーボード選手。彼にとってのランニングは、体重を管理したり、足腰を鍛えるために“仕方なく走る”もの。もうひとりはビジネスパーソンで、走ることは、リフレッシュしたり、発想を豊かにしたりするために生活に必要なツールだったという。

 

「つまり2人は、トライアスリートのように“走る(ことで得られる勝利の)ために走る”人たちではなく、ランニングは、何か他の楽しみのための手段や言い訳だったのです。こうした“ランニング以外のことのために走る”人たちは、ランニング以外にも楽しみがないと長続きしないのです。」(駒田さん)

 

Onが着目した、ランというスポーツの新たな側面

「僕もトライアスロンをしますが、走った後のビールが旨いや、走っているのだから高カロリーな食事も大丈夫、一緒に走る仲間と食べるごはんが美味しいなど、そういった楽しみが必要です。スイスの創業者たちも、当時からそう考えていました。」(駒田さん)

 

確かに、自己ベストなどタイムを縮める“走るために走る”人は、ピラミッドの頂点のひと握りでしかない。筆者を含めた大多数の人たちは、沿道の仲間の声援に対してハイタッチで応えるとか、終わった後に競った相手を互いに讃え合うことを楽しんでいるのだ。

 

「ランニングは不思議なスポーツで、ひとりでも走れるのですが、チームスポーツの要素を加えると、もっと楽しくなります。」(駒田さん)

 

走る楽しさを前面にしたメッセージを発信し、しかもビジネスの形にするのは容易ではない。今でこそ様々なコミュニティが存在するが、10年以上前の、地域や会社のランニングクラブは、いわば“大人の部活”的な存在で、練習会をメインに互いを高めあうイメージがまだまだ強かった。

 

「ちょうど10年前、僕がOnを広める活動を日本で始めた時も、商社マンとして、短期的に結果を出すことを求められていました。当時は、楽しさを共有するためのイベント開催は、ちょっと考えにくい状況でした。こうした状況が変化した理由のひとつは、Onのグローバルが、独自のイベントフォーマットを築いたことだと思います。」(駒田さん)

↑上段の左側にあるのが「クラウドモンスター」、その奥のライトグリーンのシューズが最新の「クラウドサーファー」だ。次回から2回にわたって、この2足を実走レビューする!

 

“走る楽しさ”を分かち合う、Onの独自イベント

分かりやすい例として駒田さんが紹介してくれたのは、「スクワッドレース」という、チーム対抗イベント。5人ひと組などでチームを作って、参加者全員が一斉にスタートし、チームがゴールした平均タイムを競うという。他のレースにはないユニークさは、早くゴールしたら、コースに戻って仲間の背中を押したり、励ましても良い点。こうした“仲間とのランニングの楽しさ”を分かち合うイベントの開催をOnはグローバルで進めたという。

↑Squadには“仲間”という意味がある。Onが提案する、仲間が助け合ってゴールする、チームスポーツとしてのランニングの楽しみ方のひとつだ。(C)Koestler

 

「日本でも、『OnFriends』というSNSを通じたコミュニティが始まりました。Onのグローバルでも、他の国の例を見ないユニークな試みだと高く評価されています。#OnFriendsと検索すると、6万1000件くらいの蓄積があります。僕が使い始めたOnFriendsを、多くのOnユーザーが使ってくれるようになりました。」(駒田さん)

 

OnFriendsは、単なる顧客層の塊ではなく“ひとりひとり顔を思い出せる人たち”だと駒田さんは語る。OnFriendsを通じて、オンラインでも、オフラインでも、人々が繋がりあってきたことを、駒田さんは10年かけて、つぶさに見てきたのだ。

 

「オン・ジャパンが始まって10年の今、コミュニティのイベントが行われています。『Meet OnFriends Tour 2023』という名称で、網の目のようにつながりが濃いOnのコミュニティを、全国で走って結びます。東京から横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡まで1700㎞、今まさに走っています。」(駒田さん)

↑3月5日に始まったツアーは、福岡を目指し西走中! “一緒に走りたい”と思った方なら、誰でも大歓迎だとか。OnFriendsで検索してみよう

 

福岡を目指し、西走! Meet OnFriends Tour

Meet OnFriends Tour 2023は、東京~福岡を5つのブロックに分け、6月18日のゴールに向けて、断続的に2週間の単位で各ブロックを走るという、壮大なイベントだ。駒田さんも、オン・ジャパンの社員も走れば、「OnFriends」、そして「OnFriends」に誘われた人も走るという。

 

「コミュニティの網が濃いところは人が集まるでしょうし、薄いところでは独りで走ることになると思います。Meet OnFriends Tourは、独りでは絶対にできないし、オン・ジャパンの社員だけでも無理。“頼むから一緒に走って欲しい”とSNSで発信し続けています。無事に成功するか、何とかなるか……。うーん、分からない……。この記事を読んだ方は、ぜひ参加してください。」(駒田さん)

 

OnFriendsは、バーチャルであり、リアルでもある、まさに雲をつかむような人たちだ。駒田さんの言葉を借りれば、“クラウド(雲)だけに、水の粒が各地に散らばっていて、それに熱量が加わると、一気にふわっと雲のように拡がる”のだとか。こうした水の粒の役割を果たす、起点になるような人物が全国に何人かいて、OnFriendsは各地で三々五々、クラウド的に活動をしているという。

 

深くて濃い、最強のコミュニティ

「大阪であったマラソン大会では、“Onを履いて走る人を励ます、私設エイドを作ります!”と、ある起点役が呼びかけてくれました。僕ではなく、彼ら彼女らが自分で企画し、実行してしまうんです。OnFriendsのコミュニティでは、僕が企画するまでもなく、大会の私設エイドだけでなく、さまざまなイベントを企画し、合宿まで“起こって”います。」(駒田さん)

 

OnFriendsは、“楽しいから”という理由で自発的に動いてくれる、理想のコミュニティだという。OnFriendsのイベントは、Onの製品を身につけなくても参加OK。OnFriendsのグループラインの中には、駒田さんの参加を認めないグループラインすらあるという。その理由は“雰囲気が、公式っぽくなるから”だとか。

 

多くのブランドは、製品の販促や、顧客情報の収集を目的に、そのブランドの製品を身に着けることを条件にして、イベントやコミュニティを運営している。しかしOnFriendsは、そうした発想とは異なる、ある種の“哲学”に貫かれて運営されている。

 

「冒険心に溢れていて、失敗しても次は成功すると信じ、そうした挑戦を仲間とも楽しめる。山や海に行ったら、その環境を大事にしようと自然に行動している。そんな人っていますよね。僕は、そういう人がOnのシューズを履いていなくても、勝手にOnFriendsだと決めてしまいます(笑)。」(駒田さん)

 

こうした濃い結びつきのコミュニティは、上がらないコンバージョン率のために規模を拡大し続けるしかない“薄い結びつき”のマーケティングと対照的な存在と言える。

 

秘訣は、“何人の人と、深く交流したか”

「1回の参加人数は少なくても、一緒に走って、レースを楽しんだ人たちは、何年経ってもOnのイベントのことを憶えています。ブランドとしての効果は計り知れませんし、ビジネスとして数字も物語っています。でも、こうした結びつきを追いかけられるテクノロジーは、まだないんですよね……。」(駒田さん)

 

Onが日本上陸して10年。自らも楽しみながら、バーチャルとリアルを縦横無尽に織り込みつつ、Onの顧客と直接触れ合うことを地道に続けてきた駒田さんだからこそ、OnFriendsという稀有なコミュニティが存在している。

 

「僕は、ラッキーでした。常に数字を負うような、いち担当者レベルでは、こうした取り組みはできません。しかも、上陸当時ひとりだったOnの事業を、10年経った今、成功として振り返ることができるのです。その秘訣を強いて言えば、“何人の人と深く交流したのか”なのでしょうけれど、何をもって“深い”のかも表現できませんよね。でも、日本のOnのコミュニティが“深くて濃い”ことは事実なのです。」(駒田さん)

↑駒田さんに誘われ、筆者もMeet OnFriends Tour初日の一部を走ってきた。高校生から壮年のおっさん(私だ!)まで、OnFriendsと一緒に約7㎞。Onファンのお店の大歓迎に、駒田さんも大感動。OnFriendsは、顧客だけでなく販売店も巻き込む重層的で熱いコミュニティなのだ

 

テクノロジーの進化も、“ランを楽しむために”!

「私たちのテクノロジーであるソール形状『クラウドテック』の進化も、“どうしたら、もっと走ることを楽しんでもらえるか”の追求の連続です。着地した瞬間のふわっとした感触、その直後のボン! とカラダを押し出してくれる感じ。“雲の上の走り”と私たちが呼ぶOnのシューズの良さを、さらにアップデートし続けることがOnの進化なのです。」(駒田さん)

 

新型コロナ禍を経て、日本のランニングシーンは大きな変動期を迎えている。競技性の高い市民マラソンが消滅したり、参加料金の高騰なども重なり定員割れする大会も少なくない。駒田さんは、日本のランニングシーンの変化をどのように見ているのだろうか。最後に、質問してみた。

 

「確信できるのは、コロナ禍による3年間の分断を経て、人のつながりと、祭りが求められていることです。今、必要なのは“愛と平和と、ハイテンション”です。Meet OnFriends Tour は、まさにそのためのイベントです。Onはランニングを通じて、ハッピーな人生を送る人を増やしたいと思っています。」(駒田さん)

 

いよいよ次回から、新発売となった「クラウドサーファー(Cloudsufer)」と最大の厚底を誇るOnの代表モデル「クラウドモンスター(Cloudmonster)」のインプレを紹介する。Onの実力や、如何に⁉

 

撮影/我妻慶一

 

 

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球春到来!ベールを脱いだ「エスコンフィールドHOKKAIDO」の詳細現地レポ!

オープン戦も佳境に入り、ペナントレース開幕が迫ってきた日本のプロ野球。2023年シーズンの大きな話題といえば、北海道日本ハムファイターズの新球場、「エスコンフィールドHOKKAIDO(以下、エスコンフィールド)」だ。3月14日・15日にはオープン戦・西武ライオンズ戦も開催され、同球場はついにベールを脱いだ。

 

この記事では、まだ新球場に足を運んでいない皆様のために、同球場の魅力を野球ファン目線でお届けする。ガラス張りの壁面、ホテル、サウナ、温泉、ミュージアム……もはや球場とは思えない、その全貌をご覧あれ。

 

屋外球場と異なる独特の開放感。座席は広く座りやすい

エスコンフィールドは、北広島駅から1.7km、徒歩で22分ほどの場所に位置している。周囲に大きな建物はなく、広大な自然のなかに佇むその存在感は大きい。ガラス張りの外観はなんともいえぬ威圧感すらある。もし筆者がエスコンフィールドのことを全く知らずこの建物を見たら、球場だとは思わないだろう。

↑正面(外野側)からの全景

 

↑3塁側ゲート側の全景

 

いざ、ホームベース側のFulltech GATEをくぐり中に入ってみる。目の前にあったのは、ダイヤモンドクラブラウンジ。こちらは、ネット裏のダイヤモンドクラブシートを契約した人のみが利用できるプレミアムラウンジで、軽食やアルコールを含むドリンクが楽しめる。

 

ダイヤモンドクラブラウンジの入り口を直進すると、そのままダイヤモンドクラブシートにつながっている。ラウンジから座席につながる部分の間口は広く設けられており、内部からでも試合の様子が見れそうだ。

↑Fulltech GATE正面

 

↑ゲートをくぐると、目の前にダイヤモンドクラブラウンジの入り口がある

 

↑ラウンジに入って直進すると、そこはもう観客席だ

 

この球場のデザインの特徴として、コンコースと座席の距離が近いことが挙げられるだろう。壁面はガラス張りだし、グランドも見える。コンコースを歩いているときにすら開放感を味わえるのは、新しい感覚だ。

↑1階のコンコース。左側を向けば、ここからでもグラウンドがしっかり見える

 

↑1階コンコースには大型のグッズショップも設置されている

 

↑2階のコンコースには座席もあった

 

エスコンフィールドは、3つの階層から構成されている。これまで主に紹介してきたのは、「FIELD LEVEL」と名付けられた1階部分。2階は「MAIN LEVEL」、3階は「STAR LEVEL」と称されており、それぞれに特徴がある。ここからは、座席、飲食の両面で、各階の違いを語っていこう。

↑外野2階席からの眺め。対面のスタンドを見ると、1〜3階席まであるのがわかる

 

座席に関していえば、この球場はファンにやさしい。全体に共通していえるのは、横幅が広いことだ。たとえ外野席であっても、体重90kgほどある大柄な筆者が座って余裕のある作りになっているし、背もたれもある。

 

一部の席は座面のクッションがないが、その問題は自前で持ち込めば解決するだろう。筆者の感覚とて述べると、座席そのものについて、他球場と比較してもそのクオリティに不満はない。

↑座席にはちゃんと背もたれがついている(写真は3階外野席)

 

眺望の話をすると、各階にそれぞれの良さがある。今回は、すべてのフロアの同じ箇所から、その眺めがわかる写真を撮影してみた。

↑1階席最上段。最上段なのに、グラウンドへの近さを如実に感じられる

 

1階は、とにかくグラウンドとの距離が近い。選手の躍動を間近で見たいなら、間違いなくこのフロアだ。ただ、選手と目線が近いがゆえに、遠近感はややわかりにくいかもしれない。野球というゲーム全体を見るなら、より上のフロアを選んでもよさそうだ。

↑2階席最上段からの眺め。ほかの球場に行き慣れている筆者は、1階席かと見紛うほど、グラウンドを近くに感じた

 

2階は、他球場の1階席に近いように感じた。フロアを上がっているのだから、グラウンドから遠くなると思われるかもしれないが、この球場ならそんなことはない。

↑3階席最上段からの眺め。2階と比べ、一気に高くなった印象を受ける。左を向けば大型ビジョンが目に入る

 

3階席の特徴は、グラウンドを俯瞰できることと、大型ビジョンに近いことだ。ビジョンはグラウンドの左右に設置されているから、どの位置からでも見やすいが、3階席にもなるとその大きさを如実に体感できる。1階席や2階席とはまた異なった迫力があるのだ。

 

ちなみに、上階に行くほど階段が急になっていて、3階席には結構な傾斜がある。その傾きのおかげで、満員時でもグラウンドの視認性が高くなっているのだが、高所恐怖症の方にしてみれば、若干の恐さはあるかもしれない。

 

2階出現した“飲み屋街”。そこにはまさかの人が!?

続いて、飲食店について書こう。各階に店舗があるのだが、それらが特に集中しているのが2階フロアだ。特筆すべきは「七つ星横丁」と呼ばれるエリア。ここは、試合後にファンが歓談できるスペースとして設けられており、テーブルも設置され、フードコートのようになっている。

↑七つ星横丁には、多彩な飲食店が軒を連ねている

 

↑中央にはテーブルや椅子がある。居合わせたファン同士で飲み、盛り上がれそうだ

 

野球観戦を堪能したあと、お酒を一杯引っ掛けたいというファンは多い。そのニーズを満たしてくれるエリアがまさに七つ星横丁なのだ。

 

そして、筆者がここを訪問したとき、超絶びっくりする事態が起こった。正直、今回の取材で最大のサプライズといっても過言ではない。炎の飛龍・藤波辰爾がそこにいたのだ。(筆者はコテコテのプロレスファンである)

 

藤波さんといえば、WWEで殿堂入りしている4人の日本人プロレスラーのうちの1人。69歳になったいまも現役を続けている彼は、名実ともにプロレス界のレジェンドの一人である。彼がそこにいた理由、それは、藤波辰爾プロデュースメニューがここで販売されているからだ。

↑藤波辰爾さん。遠くから見ても、ただならぬオーラが漂っていた

 

そのメニューがある店は、「大衆割烹 三州屋」。和風料理を中心に販売しているこの店の看板メニューが「藤波辰爾のスタミナ豚肉丼」(1350円)だ。北海道産の厚切り豚肉がたっぷり使用されたこのメニューは、藤波家の家庭の味を再現したものだという。これをガツガツ食べれば、あなたもドラゴンになれるかもしれない。

↑藤波辰爾のスタミナ豚肉丼。スタミナというからには、ニンニクがガツンときいているのかなと思いきや、味付けには甘みがあった。彩りを加えている野菜には、シャキシャキ感が残っている

 

七つ星横丁には、ほかにも寿司やたこ焼きなど、多彩なバリエーションの店が軒を連ねている。店選びには迷いそうだ。

↑ちなみに、エスコンフィールド内での決済は、飲食店はもちろん売り子も含めてすべてキャッシュレス化されている。利用の際は注意を

 

↑外野バックスクリーンにあるブリュワリー「そらとしば」も話題だ。入り口は1階にあり、上階はビアガーデンになっている

 

エスコンフィールドの個性が凝縮された「Tower 11」

さて、エスコンフィールドで特に話題の施設といえば、レフト後方にそびえ立つ「Tower 11(タワーイレブン)」だろう。ファイターズのスター選手であった、ダルビッシュ有や大谷翔平の背番号を冠したこのタワーには、ミュージアムやスパ、ホテルといった、他球場にはない施設が集まっている。ひとつひとつ見ていこう。

↑Tower 11の外見。レフト側スタンドの上段に位置している

 

↑Tower 11の名の由来は、ファイターズの歴史に残る、2人の背番号11だ。タワーの入り口には彼らを描いたアートがあった

 

タワー内は、2階がミュージアム、3階が温泉・サウナ、4階がホテルという構成になっている。ミュージアムにはファイターズの歴史が詰まった野球関連の展示がある……と思いきや、そこで催されていたのは「WHAT IS LIFE展〜いのちってなんだろう〜」という、主に小中学生を対象にしたと思われる企画展だった。

 

担当者に話を聞くと「野球の展示をするか迷った部分もあったが、この球場を野球だけではない空間にするため、このような方向性にした」という。展示の内容はある程度の期間ごとに入れ替えるそうで、「現状では1年程度の会期を想定している」という。

↑ミュージアムの入り口

 

↑壁に書かれていた、企画展についての説明文

 

3階のスパ施設、その名も「onsen & sauna」は、野球観戦をしながら入浴できることが話題になっているが、なかの構造も面白い。サウナにはなんと立ち席があるのだ。試合を見ていて興奮すると立ちたくもなるものだが、そんなときでも安心の作りである。このスパ施設に連結した指定席「ととのえテラスシート」も用意されているが、座席数はわずか24席なので、確保するのは骨が折れそうだ。

↑onsen & saunaの入り口

 

最上階にあるホテルには、フィールド側、山側に面した部屋が、全12室備えられている。各部屋の内装には、野球に絡めた工夫が施されており、たとえばスイートルームには、ダルビッシュと大谷を描いたアートと2人のユニフォームが飾られている。

 

また、夕張岳を一望できる山側の部屋には、スポーツ誌「Number」とのコラボルームも設置されている。壁に同誌の歴代の表紙がプリントされているのがこの部屋の特徴だが、よく見ると、清宮幸太郎のサインがあった。これは、彼がここをわざわざ訪れて書いた直筆のものだという。

↑ロビーに飾られていた、グラブ・ボール・バット。ダルビッシュ・大谷の直筆サイン入り

 

↑スイートルームの内装

 

↑スイートルームのバルコニーからの眺め

 

↑Numberとのコラボルームにあった、清宮の直筆サイン(中央)

 

スタジアムツアーで、ファイターズガールが球場の裏側を案内

新機軸の施設が目を引くエスコンフィールド。だが、球場としての機能も忘れてはいけない。ここは選手たちが戦いを繰り広げる場所であり、彼らのパフォーマンスを支える場所でもある。

 

そんな球場の裏側を知ることができるよう、一般のファンも参加可能なスタジアムツアーが用意されている。試合がない日に行われるというこのツアーに参加すると、ダグアウトやベンチ、グラウンドはもちろん、ミーティングルームや監督室にまで入ることができる。

 

しかも、案内してくれるのは、キツネダンスで一世を風靡している、あのファイターズガールなのだ。撮影禁止のエリアが多いゆえ、文字での情報ばかりにはなってしまうが、筆者が見たものについて、下に記していく。

↑筆者たちを案内してくれた、ファイターズガールの鈴木穂乃花さん。2023年から加わった新メンバーだ

 

スタジアムツアーで見られるのは、ファイターズの選手たちが使用するホームチームエリアと、グラウンドに分かれる。ホームチームエリアは、ラグジュアリー感とスポーティ感が交わった、非日常なものだった。

 

新庄監督の「ファンにも監督室を見せたい」という意向のもと、ツアーでの公開が決まったという監督室は、貴族の館を思わせるほどに豪華絢爛な空間。室内に備え付けらえれた複数のモニターからは、練習する選手の様子や他球団の映像などを、同時にチェックできるという。

↑ホームチームエリアの入り口。壁面には、北海道遺産にも指定された、江別のレンガを使用している

 

監督室と対照的だったのが、選手たちのためのスペースだ。日本の球場で最も広い316平米の面積を誇るホームロッカールームは、選手たちがくつろぎ、あるいは試合前に戦闘ムードを高めるための空間。中央にはソファーが配置され、それを囲うように、外周に40個のロッカーが並んでいる。

 

それぞれのロッカーにはマグネット式のネームプレートがつけられており、年長の選手から好みの位置のものを選んで使用できるそうだ。天井につけられているLED照明は、リラックスしたい、戦闘モードに入りたいといった、その時々のニーズに合わせて色を変えられる仕様になっている。

 

ホームロッカールーム以上に広いのが、600平米のウエイトルーム。最新鋭のマシンがズラリと並んでおり、選手たちはここで肉体を鍛えることになる。ちなみに、ファイターズの黄金時代を支えたダルビッシュは、いち早くウエイトトレーニングを導入し、その成績に結びつけている。この部屋から、新たなダルが誕生するかもしれないと思うと、胸が熱くなった。

 

ミーティングルームは、小さな映画館のような作りになっていた。ここでは前方の大画面に相手選手などのデータを映し、アナリストの分析のもと、その情報をチームに共有しているという。ほかにも、欧州のバルをイメージしてデザインされたというダイニングも見学できた。プロ野球選手になり、1軍に上がるのは当然大変なこと。そんな彼らのために整えられた空間は、苦労と日々の鍛錬に応えるための、最上級なものばかりであった。

※スタジアムツアーは、プレミアムツアーとベーシックツアーの2種類が用意されており、ホームチームエリアに入れるのはプレミアムツアーのみ

 

ついにグラウンドへ。選手レベルの目線を体感

スタジアムツアーの終着点が、天然芝の広がる広大なグラウンドだ。ホームチームエリアからベンチ裏の通路を通ってそこに飛び出すと、いやがうえにも気持ちが昂る。

↑ベンチに通ずる通路には、ジョー・ディマジオの言葉が掲示されていた

 

ファウルゾーンからウォーニングゾーンにかけては、アメリカから輸入したレンガを砕いたという砂が使用されている。青々と茂る芝の美しさが印象的ではあるが、それを際立たせているのは、このレンガの赤みなのだ。

↑砂と芝生のコントラストが映えている

 

天然芝には寒冷地でも育つ品種を使用しており、現在の芝は、千歳市で2年育てた4cmのロール芝。この下に30cmもの厚みの砂が敷かれており、さらにその下にはロードヒーティングと呼ばれるヒーターが入っている。芝を育てるために人工的な光を当てる機械も導入しており、1年を通して安定したグラウンドコンディションをキープするための工夫が盛りだくさんだ。

↑ふかふかの芝が、選手たちのプレーを支えている

 

↑グラウンドには、芝に光を当てるための巨大なマシンが並んでいた

 

ベンチの椅子には木材を使用。その椅子はなかなかに高く、筆者では足がつかなかった。日本にはあまりない、個性的なデザインだ。

↑木製ベンチの座り心地は独特

 

↑ベンチ脇のブルペンモニターとホワイトボード

 

新しい球場で躍動する若いチーム。ここから新たな伝説が生まれるか

2022シーズンこそ最下位に終わった日本ハムファイターズだが、現在は世代交代の過渡期にあるといえるだろう。多くの若い選手たちがその才能を開花させつつあり、2022年ドラフト1位で入団した二刀流ルーキー・矢澤宏太も、オープン戦で結果を残している。今後が楽しみなのはいうまでもない。

 

エスコンフィールドは、大いなる可能性を秘めた若いチームにとって、格好の舞台。こけら落としとして行われた3月14日のオープン戦ではファイターズは負けてしまったが、翌日はロースコアの試合を制してエスコンフィールド初勝利を飾った。その試合では、開幕投手に内定しているエース・加藤貴之が、5回を1安打に抑えるベストパフォーマンスを見せている。

 

新しい球場で躍動するのは、将来が楽しみな若いチーム。エスコンフィールドで繰り広げられる、ファイターズの戦いに注目したい。

通気・伸び・環境に配慮……「快適」にこだわったゴルフニットがルコック「RIJOUME」から

デサントジャパンが展開するフランス生まれのスポーツブランド「ルコックスポルティフ」のゴルフウェアライン「RIJOUME(リジューム)」は、通気・伸び・環境に配慮した快適性を追求したゴルフニットを、順次発売中です。

 

今回発売のアイテム3種類は、同社のスポーツアパレル研究開発拠点「DISC OSAKA」の独自研究により、身体の中で汗をかきやすい場所を裏付けた「スウェットマッピング理論」をもとに、汗をかいた際の通気を考慮し、特に発汗量の多い脇と背中にメッシュ編みを採用することで「快適」をサポート。

↑左:背中のメッシュ部分、右:脇のメッシュ部分

 

伸縮性に優れており、1着まるごと編み機から直接、立体的に編み上げる「ホールガーメント」製法を採用しているので、身頃には縫い目による伸び止まりもありません。身頃に縫い代がないため肌当たりも良く、快適な“伸び”を提供。また、ニットは型崩れしやすいのでスポーツウェアとして使用するときは耐久性も必要ですが、素材にポリエステルやポリエステルと綿の混紡糸を使用しているので、一般的な毛や綿のみのニットよりも型崩れしにくく、自宅での手洗いも可能です。

↑【RIJOUME】ホールガーメント(R)セーター(ブラック)

 

素材には再生ポリエステルを使用し、さらに1本の糸で編み上げるホールガーメント製法を採用。原料にムダがなく、着用する人だけでなく環境にも配慮しています。

【RIJOUME】ホールガーメント(R)半袖ニットシャツ(グレー)

 

「【RIJOUME】ホールガーメント(R)セーター」「【RIJOUME】ホールガーメント(R)半袖ニットシャツ」「【RIJOUME】ホールガーメント(R)モックネック半袖ニットシャツ」いずれも、デザイン面では、全体的に汎用性のあるシンプルなデザインながら、ワンポイントでロゴを配置することによりスポーティな要素を取り入れています。加えて、素材はポリエステルやポリエステルと綿の混紡糸で編んでおり、サラッとした着心地と柔らかい素材感を併せ持った“快適性”も備えています。

↑【RIJOUME】ホールガーメント(R)モックネック半袖ニットシャツ(ベージュ)

 

税込価格は、【RIJOUME】ホールガーメント(R)セーターが1万5400円、【RIJOUME】ホールガーメント(R)半袖ニットシャツが1万5400円、【RIJOUME】ホールガーメント(R)モックネック半袖ニットシャツが1万4300円。

「まあまあやるやん」大谷翔平が“後輩”を称えるツイートに佐々木朗希は?

東日本大震災から12年目の「3.11」にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)デビューを飾った“令和の怪物”佐々木朗希。チェコ共和国を相手に3回2/3を投げて被安打2、失点1(自責点0)、8奪三振と好投。最速164kmもマークした快投にWBC公式ツイッターも「21歳の天才ロウキ・ササキを知ろう。彼の球はえげつない!」と絶賛した。

 

岩手県陸前高田市出身の佐々木は12年前、当時9歳で被災し、津波により父と祖父母を亡くしている。そんな特別な日に迎えたWBCデビューを飾った。

 

大谷翔平も花巻東高校の1年生だった16歳の時に被災。大谷にとっても特別だったこの日、好投した岩手県出身の後輩に、先輩らしい心のこもった称賛をツーショット写真とともに、自身のインスタグラムに投稿した。

 

すると1時間後に佐々木が「ありがとうございます」と返信。佐々木も大谷とのツーショット写真を自身のインスタにも投稿。大谷との写真と微妙にアングルが違うので、それぞれのスマホで撮影したのだろう。そこには「応援ありがとうございました! まだまだ頑張りましょう」のコメントともに「#がんばろう東北」のハッシュタグを付けて投稿したことで、ネット上では感謝のコメントが多く寄せられた。

 

また、今回のWBCでは最年長でチームの精神的支柱であるダルビッシュ有も、佐々木をはじめ、佐々木のあとの打者を三振で締めた宇田川優希、その後の5回を被安打2、失点1、7奪三振でチームの3連勝に貢献した宮城大弥の3投手の写真を、「今日のヒーロー お疲れ様でした!」のコメントも添えて投稿。閲覧数は1日で600万件を超えた。

 

米メディアもこぞって絶賛した佐々木のWBCデビュー。日本を、そして東北の人たちを元気にしてくれる佐々木。決勝ラウンドの地・アメリカではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、今後のコメントや投稿にも注目したい。

ラグビー日本代表で“侍ジャパン”を組んでみた。投手はリーチ、4番は“笑わない男”稲垣!?

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕で大いに盛り上がっているが、他競技もWBCには注目している。その中で、ラグビーワールドカップを主催するワールドラグビー(WR)の日本公式ツイッターが、ラグビー日本代表で野球チームを作り投稿。ファンを楽しませている。

 

投手は2014年から2019年まで日本代表のキャプテンを務めたサウスポー、リーチマイケル。ラグビーボールでバスケをする動画を自身のインスタでアップし話題になったことも。今回はそのコントロールを買われて先発に?

 

ちなみにスケートボードを乗りこなすなど、スポーツ万能だ。

 

快足が持ち味の山田章仁が切り込み隊長として1番、センターに。山田はすぐさま投稿に戦略をつけて返信。

 

バントからの盗塁。2番の堀江翔太はど真ん中を狙うので、そのときはスタートを切ってホームへと得点のイメージがふくらんでいるようだ。

 

そして4番の“笑わない男”こと稲垣啓太は、自身も小中は捕手として活躍。小学生で100キロを超えていた体躯をすでに生かしていた。この経験を見越して、2020年にはスポーツバラエティ番組「炎の体育会TV」に野球で参戦している。

 

番組の公式ツイッターに投稿された宣伝動画でも、その実力を披露。

 

それぞれのポジションや経験、性格なども含めて組み上げる仮想メンバー。これはどのようなチームスポーツでも楽しめそうだ。ラグビー日本代表、サッカー日本代表、バスケ日本代表などの選手で、あなただけの「DREAM9」を作ってみては?

大谷翔平、ダルビッシュだけじゃない!「WBC」初心者が知るべき2023年大会のポイントは?

2023年3月8日からワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されます。大谷翔平選手やダルビッシュ有選手など多くのメジャーリーガーが参戦する今大会は特に盛り上がりを見せており、大会直前の宮崎キャンプには9日間で18万人以上のファンが訪れました。なぜこんなにも多くのメジャーリーガーが集まったのか? 侍ジャパンの注目選手は? など今大会のポイントについて、3大会連続でWBCを取材しているスポーツジャーナリストの氏原英明さんに教えてもらいました。

 

野球人口を広めるためにはじまった世界一決定戦

WBCはメジャーリーグ(MLB)とMLB選手会が主催する野球の世界一決定戦。世界的に見るとまだまだ野球人口は少ないため、競技の魅力を広める目的で始まりました。2006年の第一回大会を機に4年に1度のペースで続いていましたが、第五回大会となる今回はコロナ禍で延期となり約6年ぶりの開催です。

 

今大会は2017年大会で本戦に出場していた16カ国と、2022年に行われた予選の勝者4カ国の計20カ国で争います。1次ラウンドでは20カ国がプールA~Dの4組に分かれてリーグ戦形式で戦い、上位2カ国が準々決勝ラウンドに進出。準々決勝ラウンド以降は負けたら終わりのトーナメント形式です。

↑1次ラウンドB組と準々決勝は東京ドームで行われます

 

メジャーリーガーが集結する2023年大会は、過去最高の盛り上がりに

正直、FIFAサッカーワールドカップに比べるとWBCの注目度はやや劣るイメージがありませんか? それもそのはず、サッカーよりも競技人口が少ないうえ、メジャーで活躍する野球選手は国際大会ではなくリーグ戦に本腰を入れる風潮があったので、これまでWBCにはメジャーリーガーがあまり参戦していなかったんです。

 

ところが今大会は各国のメジャーリーガーたちがこぞって参戦! アメリカや日本をはじめ多くの国が過去1番と言っていいほど強力なチームになっており、ファンの熱量もぐっと高まっています。

 

「前回大会ではじめて観客動員数が100万人を突破しました。その盛り上がりを受けてロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手が『出たい』と言い、彼に続くようにほかのメジャーリーガーたちも次々と出場の意向を示しはじめたのです。

 

ダルビッシュ有選手もチームメイトとの会話でWBCの話題が出るようになったと話していて、韓国代表の金河成(キム・ハソン)選手からは『出ないでくださいよ、ダルさん』なんて冗談を言われたとか。

 

昔のWBCはどこかお祭りのような位置づけで全野球選手が目指す先とは言い難かったですが、最近はメジャーリーガーたちにも『出てみたい』と思われる大会へと変化してきたみたいですね」(氏原英明さん、以下同)

ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手

 

【関連記事】大谷翔平が104年ぶりの偉業達成! 在米スポーツライターが解説する、大谷選手の凄さとメジャーリーグの楽しみ方

 

今年の侍ジャパンはひと味違う! 世界を意識したチーム編成

今大会の侍ジャパンは2021年まで北海道日本ハムファイターズを率いた栗山英樹さんが監督を務めます。チームの特徴について氏原さんに教えてもらいました。

 

「前回大会まではテクニック重視の良くも悪くも日本らしいチームでしたが、今大会は力強さを武器にした、より世界基準に近いチームという印象があります。

 

例えば、これまではヒットで着実に塁に出て次の人にバトンを渡す『つなぎのバッティング』をしていたのに対し、今回は村上宗隆選手や山川穂高選手、岡本和真選手など、常にホームラン狙いの豪快なバッターが集まっています。

 

また、今までは速い、曲がる、落ちるなどさまざまな特徴のピッチャーを揃えていたのに対し、今回は速くて落ちる球を投げられる選手が多く選ばれています。メジャーで活躍しているピッチャーの特徴と重なることから、かなり世界を意識していることが伺えます。バッティング、ピッチングともに力強くて、豪快なプレーが期待できそうです」

↑「宮崎キャンプ中、ダルビッシュ有選手は若手選手によく話しかけ、コミュニケーションをとっていました。取材対応にも積極的に応じてほかの選手の負担を軽くする動きをしていたのが印象的です」と氏原さん

 

野球界の三苫に⁉ 侍ジャパンの注目選手3名

大谷翔平選手やダルビッシュ有選手といった現役メジャーリーガーに注目が集まる今大会ですが、日本のプロ野球で活躍する選手の中にも将来が期待される逸材がたくさんいます。 “野球界の三苫” になり得る期待の星は一体だれなのでしょうか。

 

山本由伸選手(背番号18、投手、1998年8月17日生まれ)
「これからメジャー挑戦が期待できる選手です。高校時代やドラフトでの注目度はさほど高くはなかったのですが、信念をもって野球に打ち込み、日本トップクラスのピッチャーになりました。178cmと決して身長が高いわけではないのですが、速い球と変化級でメジャークラスの選手に立ち向かう力があると思います」

 

佐々木朗希選手(背番号14、投手、2001年11月3日生まれ)
「去年、完全試合を達成しノリに乗っている佐々木選手。190cmの長身を生かしたスケールの大きなピッチングは圧巻です。この歳で164キロの球を投げられる選手はそうそういません」

 

村上宗隆選手(背番号55、内野手、2000年2月2日生まれ)
「2022年に計56本のホームランを打ち、シーズン最多本塁打記録を更新しました。最近メジャーで活躍している日本人選手はピッチャーがほとんどのため、イチロー、松井秀喜に続いて世界で活躍するバッターになれるのか、期待が高まる選手です」

 

注目の選手はまだまだいます。

 

「もしコロナの影響を受けずに甲子園を開催できていたらきっと有名になっていた髙橋宏斗選手や、初の日系人選手であるラーズ・ヌートバー選手も近い将来メジャーで大活躍するであろう逸材です。ぜひ注目してみてください」

 

氏原さんが「これだけは見るべき」と話す試合とは?

侍ジャパンは1次ラウンドで4試合、準々決勝、準決勝、決勝と勝ち進めば最大で7試合行います。どれも見逃せないですが、氏原さんは「準々決勝は手に汗握る展開になりそう」と話します。

 

「1次ラウンドでぶつかる韓国を恐れる人が多いようなのですが、リーグ戦なのでたとえ負けても巻き返しのチャンスがあります。なので僕は負けたら終わりの準々決勝のほうが、より緊張感があると思っています。

 

準々決勝ではプールAの1位か2位と戦います。おそらくチャイニーズ・タイペイ、キューバ、オランダのどこかだと思うのですが、特にキューバは強敵です。国技として野球に取り組んでいて、野球がはじめて五輪正式種目となった1992年のバルセロナ大会から5大会連続で出場し、金メダルを3回獲得。2006年のWBC第一回大会では準優勝しています。

 

最近は金銭問題などで強い選手が次々と亡命しチームが弱小化していたのですが、今回のWBCでは亡命した選手もキューバ代表として出場可能に! さらに福岡ソフトバンクホークスのリバン・モイネロ選手、中日ドラゴンズのライデル・マルティネス選手など、いつも日本でプレーしているうえ日本人選手が打ちづらいピッチングをする選手も代表入りしています。もし準々決勝でキューバと当たることになれば、熱い戦いになりそうです」

 

優勝候補ドミニカ共和国の強さの秘密

最強チーム揃いの今大会。一体どこか栄冠を勝ち取るのでしょうか…! 氏原さんの優勝予想をお聞きしました。

 

「個人的にはドミニカ共和国が優勝するのではないかと思っています。アメリカに次いで多くのメジャーリーガーを輩出している国で、2022年の最優秀投手に選ばれたサンディ・アルカンタラ選手イチローさんの愛弟子で去年新人王を獲得したフリオ・ロドリゲス選手など、ドミニカ代表はメジャーのスーパースターばかりです。日本があたるのはおそらく決勝なので、ぜひ勝ち進んでもらって、メジャーリーガーたちと日本人選手の激闘を見てみたいですね」

↑シアトル・マリナーズのフリオ・ロドリゲス選手

 

WBCだからこそ見られる「フェアプレー」って何?

世界中の野球選手が集まるWBCは、試合の内容や結果以外にもたくさんの注目ポイントがあります。中でも日本のプロ野球ではなかなか見ることができないのがフェアプレーです。

 

「スポーツには正々堂々戦うことを意味する『フェアプレー』という考え方がありますが、海外の野球だとその考え方を行動にも示す風潮があります。例えば敵チームの選手が好プレーをしたら、帽子をとったり頭を下げたりして『ナイスプレー』と敬意を示すんです。僕はそのシーンを見る度に、なんだか感動してしまいます。アメリカ、オランダ、メキシコ、オーストラリアの選手がやることが多いので、ぜひチェックしてみてください。

 

また、スポーツ総合サイト『THE DIGEST』では、MLB専門誌『Slugger』との連動記事が配信されています。国内唯一のメジャーリーグ専門誌がお届けする記事なので、メジャーリーガーが多数参戦するWBCについてもコアな情報がゲットできるはずです。試合とあわせてチェックすることで、WBCがもっと面白くなるかもしれません」

 

「野球ファンでない場合、おそらくニュースで大谷翔平選手やダルビッシュ有選手の話題を耳にするくらい。日本のプロ野球選手やほかのメジャーリーガーたちについてよく知らないという人も多いと思います。WBCをきっかけに、まずは日本のプロ野球選手やメジャーリーガーたちを覚えてもらえるとうれしいです」

 

プロフィール

スポーツジャーナリスト / 氏原英明

新聞社勤務を経て2003年フリージャーナリストとして活動開始。高校野球からプロ、メジャーリーグまでを取材している。甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続。WBCは3大会連続で取材。高校時代に見た選手をメジャーやWBCで見ることを大きな財産としている。『Number』(文藝春秋)『slugger』などの紙媒体のほかWEBでも連載を持つ。そのほか、Voicyやstand fmなど音声アプリのパーソナリティーを務めるほか、YouTubeチャンネルを開設。野球指導者のためのオンラインサロンを運営している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題作。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋 著者 菊池雄星)の構成を担当。2021年には「甲子園は通過点です」(新潮新書)、ビジネスマン向けの著書として「baseballアスリートたちの限界突破〜野球で人生を学ぶ」がある。
Twitter https://twitter.com/daikon_no_ken

 


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

大谷翔平、ダルビッシュだけじゃない!「WBC」初心者が知るべき2023年大会のポイントは?

2023年3月8日からワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されます。大谷翔平選手やダルビッシュ有選手など多くのメジャーリーガーが参戦する今大会は特に盛り上がりを見せており、大会直前の宮崎キャンプには9日間で18万人以上のファンが訪れました。なぜこんなにも多くのメジャーリーガーが集まったのか? 侍ジャパンの注目選手は? など今大会のポイントについて、3大会連続でWBCを取材しているスポーツジャーナリストの氏原英明さんに教えてもらいました。

 

野球人口を広めるためにはじまった世界一決定戦

WBCはメジャーリーグ(MLB)とMLB選手会が主催する野球の世界一決定戦。世界的に見るとまだまだ野球人口は少ないため、競技の魅力を広める目的で始まりました。2006年の第一回大会を機に4年に1度のペースで続いていましたが、第五回大会となる今回はコロナ禍で延期となり約6年ぶりの開催です。

 

今大会は2017年大会で本戦に出場していた16カ国と、2022年に行われた予選の勝者4カ国の計20カ国で争います。1次ラウンドでは20カ国がプールA~Dの4組に分かれてリーグ戦形式で戦い、上位2カ国が準々決勝ラウンドに進出。準々決勝ラウンド以降は負けたら終わりのトーナメント形式です。

↑1次ラウンドB組と準々決勝は東京ドームで行われます

 

メジャーリーガーが集結する2023年大会は、過去最高の盛り上がりに

正直、FIFAサッカーワールドカップに比べるとWBCの注目度はやや劣るイメージがありませんか? それもそのはず、サッカーよりも競技人口が少ないうえ、メジャーで活躍する野球選手は国際大会ではなくリーグ戦に本腰を入れる風潮があったので、これまでWBCにはメジャーリーガーがあまり参戦していなかったんです。

 

ところが今大会は各国のメジャーリーガーたちがこぞって参戦! アメリカや日本をはじめ多くの国が過去1番と言っていいほど強力なチームになっており、ファンの熱量もぐっと高まっています。

 

「前回大会ではじめて観客動員数が100万人を突破しました。その盛り上がりを受けてロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手が『出たい』と言い、彼に続くようにほかのメジャーリーガーたちも次々と出場の意向を示しはじめたのです。

 

ダルビッシュ有選手もチームメイトとの会話でWBCの話題が出るようになったと話していて、韓国代表の金河成(キム・ハソン)選手からは『出ないでくださいよ、ダルさん』なんて冗談を言われたとか。

 

昔のWBCはどこかお祭りのような位置づけで全野球選手が目指す先とは言い難かったですが、最近はメジャーリーガーたちにも『出てみたい』と思われる大会へと変化してきたみたいですね」(氏原英明さん、以下同)

ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手

 

【関連記事】大谷翔平が104年ぶりの偉業達成! 在米スポーツライターが解説する、大谷選手の凄さとメジャーリーグの楽しみ方

 

今年の侍ジャパンはひと味違う! 世界を意識したチーム編成

今大会の侍ジャパンは2021年まで北海道日本ハムファイターズを率いた栗山英樹さんが監督を務めます。チームの特徴について氏原さんに教えてもらいました。

 

「前回大会まではテクニック重視の良くも悪くも日本らしいチームでしたが、今大会は力強さを武器にした、より世界基準に近いチームという印象があります。

 

例えば、これまではヒットで着実に塁に出て次の人にバトンを渡す『つなぎのバッティング』をしていたのに対し、今回は村上宗隆選手や山川穂高選手、岡本和真選手など、常にホームラン狙いの豪快なバッターが集まっています。

 

また、今までは速い、曲がる、落ちるなどさまざまな特徴のピッチャーを揃えていたのに対し、今回は速くて落ちる球を投げられる選手が多く選ばれています。メジャーで活躍しているピッチャーの特徴と重なることから、かなり世界を意識していることが伺えます。バッティング、ピッチングともに力強くて、豪快なプレーが期待できそうです」

↑「宮崎キャンプ中、ダルビッシュ有選手は若手選手によく話しかけ、コミュニケーションをとっていました。取材対応にも積極的に応じてほかの選手の負担を軽くする動きをしていたのが印象的です」と氏原さん

 

野球界の三苫に⁉ 侍ジャパンの注目選手3名

大谷翔平選手やダルビッシュ有選手といった現役メジャーリーガーに注目が集まる今大会ですが、日本のプロ野球で活躍する選手の中にも将来が期待される逸材がたくさんいます。 “野球界の三苫” になり得る期待の星は一体だれなのでしょうか。

 

山本由伸選手(背番号18、投手、1998年8月17日生まれ)
「これからメジャー挑戦が期待できる選手です。高校時代やドラフトでの注目度はさほど高くはなかったのですが、信念をもって野球に打ち込み、日本トップクラスのピッチャーになりました。178cmと決して身長が高いわけではないのですが、速い球と変化級でメジャークラスの選手に立ち向かう力があると思います」

 

佐々木朗希選手(背番号14、投手、2001年11月3日生まれ)
「去年、完全試合を達成しノリに乗っている佐々木選手。190cmの長身を生かしたスケールの大きなピッチングは圧巻です。この歳で164キロの球を投げられる選手はそうそういません」

 

村上宗隆選手(背番号55、内野手、2000年2月2日生まれ)
「2022年に計56本のホームランを打ち、シーズン最多本塁打記録を更新しました。最近メジャーで活躍している日本人選手はピッチャーがほとんどのため、イチロー、松井秀喜に続いて世界で活躍するバッターになれるのか、期待が高まる選手です」

 

注目の選手はまだまだいます。

 

「もしコロナの影響を受けずに甲子園を開催できていたらきっと有名になっていた髙橋宏斗選手や、初の日系人選手であるラーズ・ヌートバー選手も近い将来メジャーで大活躍するであろう逸材です。ぜひ注目してみてください」

 

氏原さんが「これだけは見るべき」と話す試合とは?

侍ジャパンは1次ラウンドで4試合、準々決勝、準決勝、決勝と勝ち進めば最大で7試合行います。どれも見逃せないですが、氏原さんは「準々決勝は手に汗握る展開になりそう」と話します。

 

「1次ラウンドでぶつかる韓国を恐れる人が多いようなのですが、リーグ戦なのでたとえ負けても巻き返しのチャンスがあります。なので僕は負けたら終わりの準々決勝のほうが、より緊張感があると思っています。

 

準々決勝ではプールAの1位か2位と戦います。おそらくチャイニーズ・タイペイ、キューバ、オランダのどこかだと思うのですが、特にキューバは強敵です。国技として野球に取り組んでいて、野球がはじめて五輪正式種目となった1992年のバルセロナ大会から5大会連続で出場し、金メダルを3回獲得。2006年のWBC第一回大会では準優勝しています。

 

最近は金銭問題などで強い選手が次々と亡命しチームが弱小化していたのですが、今回のWBCでは亡命した選手もキューバ代表として出場可能に! さらに福岡ソフトバンクホークスのリバン・モイネロ選手、中日ドラゴンズのライデル・マルティネス選手など、いつも日本でプレーしているうえ日本人選手が打ちづらいピッチングをする選手も代表入りしています。もし準々決勝でキューバと当たることになれば、熱い戦いになりそうです」

 

優勝候補ドミニカ共和国の強さの秘密

最強チーム揃いの今大会。一体どこか栄冠を勝ち取るのでしょうか…! 氏原さんの優勝予想をお聞きしました。

 

「個人的にはドミニカ共和国が優勝するのではないかと思っています。アメリカに次いで多くのメジャーリーガーを輩出している国で、2022年の最優秀投手に選ばれたサンディ・アルカンタラ選手イチローさんの愛弟子で去年新人王を獲得したフリオ・ロドリゲス選手など、ドミニカ代表はメジャーのスーパースターばかりです。日本があたるのはおそらく決勝なので、ぜひ勝ち進んでもらって、メジャーリーガーたちと日本人選手の激闘を見てみたいですね」

↑シアトル・マリナーズのフリオ・ロドリゲス選手

 

WBCだからこそ見られる「フェアプレー」って何?

世界中の野球選手が集まるWBCは、試合の内容や結果以外にもたくさんの注目ポイントがあります。中でも日本のプロ野球ではなかなか見ることができないのがフェアプレーです。

 

「スポーツには正々堂々戦うことを意味する『フェアプレー』という考え方がありますが、海外の野球だとその考え方を行動にも示す風潮があります。例えば敵チームの選手が好プレーをしたら、帽子をとったり頭を下げたりして『ナイスプレー』と敬意を示すんです。僕はそのシーンを見る度に、なんだか感動してしまいます。アメリカ、オランダ、メキシコ、オーストラリアの選手がやることが多いので、ぜひチェックしてみてください。

 

また、スポーツ総合サイト『THE DIGEST』では、MLB専門誌『Slugger』との連動記事が配信されています。国内唯一のメジャーリーグ専門誌がお届けする記事なので、メジャーリーガーが多数参戦するWBCについてもコアな情報がゲットできるはずです。試合とあわせてチェックすることで、WBCがもっと面白くなるかもしれません」

 

「野球ファンでない場合、おそらくニュースで大谷翔平選手やダルビッシュ有選手の話題を耳にするくらい。日本のプロ野球選手やほかのメジャーリーガーたちについてよく知らないという人も多いと思います。WBCをきっかけに、まずは日本のプロ野球選手やメジャーリーガーたちを覚えてもらえるとうれしいです」

 

プロフィール

スポーツジャーナリスト / 氏原英明

新聞社勤務を経て2003年フリージャーナリストとして活動開始。高校野球からプロ、メジャーリーグまでを取材している。甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続。WBCは3大会連続で取材。高校時代に見た選手をメジャーやWBCで見ることを大きな財産としている。『Number』(文藝春秋)『slugger』などの紙媒体のほかWEBでも連載を持つ。そのほか、Voicyやstand fmなど音声アプリのパーソナリティーを務めるほか、YouTubeチャンネルを開設。野球指導者のためのオンラインサロンを運営している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題作。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋 著者 菊池雄星)の構成を担当。2021年には「甲子園は通過点です」(新潮新書)、ビジネスマン向けの著書として「baseballアスリートたちの限界突破〜野球で人生を学ぶ」がある。
Twitter https://twitter.com/daikon_no_ken

 


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あなたは猫背タイプ? 反り腰タイプ? 「鴻江理論」に基づいたゴルフキャップ「鴻江キャップ」

デサントジャパンが展開する「デサント」は、アスリートコンサルタントの鴻江寿治(こうのえひさお)さんの「鴻江理論」に基づき、猫背・反り腰それぞれに応じた庇の長さ、重量感、帽子の深さを追求し、被ることで頭の位置や目線が定まったスイングに導けるように開発されたゴルフキャップ「鴻江キャップ」を、3月より新発売します。

 

鴻江理論では、人間は元々、骨盤の開き方に左右差があるということに基づき、人間を猫背型の「うで体」と反り腰型の「あし体」に分類。右側の腰が閉じて(前傾して)、左側の腰が開いた(後傾した)状態が「うで体」で、その逆を「あし体」としています。

↑鴻江寿治さん

 

ゴルフキャップについては、自分の姿勢の特徴を把握せずに、合わないキャップを被っていると、運動時に体の負担が増えたり、本来発揮できる力が損なわれることにも繋がるとしており、自分の姿勢がうで体、あし体のどちらに分類されるかをまず把握し、各分類の特性に合わせて開発したキャップを被ることで、自分の姿勢をあえて変えずに、頭の位置や目線を本来あるべきポジションに固定しやすくなることを期待。頭の位置や目線を固定することで、体への負担軽減や、体をうまく活用し本来その人が持っている力を発揮したスイングが期待できるとのことです。

 

今回発売となるのは、「ミニマルロゴキャップ」「エンブレムロゴキャップ」の2種類で、うで体を「猫背タイプ」、あし体を「反り腰タイプ」に分類。

 

猫背タイプは、首が前にでて、目線も下を向きやすいため前重心になりやすいのが特徴です。帽子を浅くかぶることによって、視界が広く保たれるので、体への負担軽減を期待できます。

 

反り腰タイプは、あごが上がりやすく、目線も上の方を向きやすく後ろ重心になりやすいのが特徴です。帽子を深くかぶることによって、反り腰のプレイヤーが力を発揮しやすい、顎が少し上がったポジションになることを期待できます。

 

ミニマルロゴキャップは、鴻江理論を応用した「猫背ゴルファー(うで体)」におすすめのキャップ。庇短め、クラウン(本体高さ)は浅めに仕上げており、浅く上向きにかぶることで猫背のプレイヤーに合う仕様です。税込価格は4950円。

 

エンブレムロゴキャップは、鴻江理論を応用した「反り腰ゴルファー(あし体)」におすすめのキャップ。庇長め、クラウンを深めに仕上げており、庇を下げて深くかぶることで反り腰の方に合う仕様です。税込価格は4950円。

一見普通の後ろ姿画像が話題に! 気になる大谷翔平のジャケット&グローブは?

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加中の、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が自身のインスタグラムに投稿した画像が話題に。

 

侍ジャパンの合宿に合流するためプライベートジェットで帰国の途に就いた大谷は、飛行機に搭乗する前の動画などを投稿。

 

これまであまりインスタを更新しなかった大谷だが、侍ジャパンでWBCに出場が決まると頻繁に更新するようになった。話題となった先述の画像は、日本到着後に空路で名古屋に向かうタイミングで投稿された。

 

そこでファンが気になったのがジャケットとグローブ。ジャケットは大谷が今年になってブランドアンバサダー契約を結んだヒューゴボスが大谷と共同製作したもので、胸にはイニシャル「SO」、右腕にはWBCでの背番号「16」、後ろ襟にはWBCのロゴが入っている特注品。

 

そして、バックパックにつけられているグローブは、こちらも今年になって契約を結んだニューバランス製。

 

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New Balance(@newbalance)がシェアした投稿

 

キャンプ中に球場入りする大谷が着用していたラフなファッションもすべてニューバランスのもので、ロッカールームにも同ブランドのアイテムが並んでいる。

 

日本ではこれまでにない盛り上がりを見せている今回のWBC。その中心となっているのが大谷だ。侍ジャパン合流後にはチームメイト全員との画像も投稿。

 

これには侍ジャパン初参加の日系選手、ラーズ・ヌートバーも「Kyodai」のメッセージを添えて返信するなどムードも最高。今後、WBC開催中、そして新シーズンが始まってからは、海の向こうからどんな投稿があるのか。今年の大谷はプレー以外も見逃せない。

 

※Kyodaiのoは、マクロン付きが正式な表記です

全天候型や冷感持続ウェア、艶やかな花柄デザインも。「テーラーメイド」2023春夏コレクションを見てきた!

2023年もテーラーメイドアパレルは、プロゴルファーのスイングモーションデータを活用して動きやすさを追求した『ツアー テーラーメイド』と、着心地と機能性を確保しながらもトレンドを取り入れたデザインで日常使いも可能な『クラブ テーラーメイド』の2つのラインを展開していきます。

 

1日着られるレインウェア

ツアーラインで今季イチオシアイテムが全天候型ウエア「TMWS(テーラーメイド・ウェザープルーフ・システム)」。ゴルフは小雨程度ならばプレイするし、夏にはにわか雨にも遭遇します。雨が降りそうな天候の場合は予めレインウェアを持って行き、雨が降ったら急いで着用するのですが、一般的なレインウェアはゴワゴワして動きづらかったり、夏は蒸し暑かったり、デザイン的にイマイチだったり、そもそも脱いだり着たりが面倒だったりします。

 

TMWSはその不満を解消したウェア。3層構造の防水透湿ストレッチ素材の採用により不快なゴワゴワ感がなく、動きやすさも確保しているので、雨天時だけでなく好天時にも着用し続けることができます。

 

TMWSを採用した「ツアーTMオールウェザージャケット」(3万1900円・税込)は、初期耐水圧10,000mm、透湿性10,000g/平方メートル/24hrs。レインウエアながらタイトなシルエットでデザイン性もあり、高いストレッチ性で動きやすい。ダブルジッパー式なので上だけで留めて着ることもでき、開放的になり体から出る蒸気と熱を逃がせます。袖も脱着できるので、梅雨の蒸し暑い時に便利。カラーはホワイト、ブルー、ブラック、ツアーレッドの4色。

 

TMWSを採用した「ツアーTMオールウェザーパンツ」(2万3100円)も用意しています。初期耐水圧と透湿性能はジャケットと同等。ジャケット同様、ストレッチ性のある柔らかい素材なので、オーバーパンツとしてだけでなく、普段のプレイ用としてそのまま着用可能。カラーはブラック、ツアーレッド、ブルー、ライトグレーの4色展開。防水性の高いパンツは、早朝プレイ時に朝露で足元がびしょ濡れにならずに済むというメリットもあります。

↑TMWSを採用した、ツアーTMオールウェザーパンツとツアーTMオールウェザージャケット

 

↑ツアーTMオールウェザージャケットの袖は、メッシュタイプのハーフライナーと一体型になっており、汗で蒸れたりベタついたりするのを防ぐ。脱着もファスナーで簡単

 

TMWSではこのほかに、高撥水の「パッカブルレインハット」(7150円)と「ウォーターリペレントソックス」(3300円)も用意しています。

↑パッカブルレインハットは小さく折り畳めるのでカートバックに入れて持ち歩ける

 

↑ウォーターリペイントソックスは水を弾く。雨天時に、シューズに水が侵入した際の不快感を軽減する

 

汗をかき続ければずっと涼しい

もう一つの目玉が、クーリング機能の「T-ICE」。一般的な冷感ウエアは、触れた時だけ瞬間的に冷たく感じる接触冷感ですが、T-ICEは生地の内側にプリントされた温度調節マイクロカプセルとキシリトール系給水冷却材が汗に反応して冷却し続ける仕組みです。吸湿速乾とも違う、新しい冷感素材なのです。

 

「T-ICE ワードグラフィックS/Sモック」(1万4300円)はホワイト、ブラック、イエローの3色展開、「T-ICE ベンチレーションパンツ」(1万9800円)はライトグレー、ブラック、ブルーの3色展開となっています。

↑T-ICE ワードグラフィックS/Sモックと、T-ICE ベンチレーションパンツ。シャツは幾何学的な模様が都会的でおしゃれ。パンツは名前のとおり、サイドにベンチレーションジッパーを備え、体から出る熱を放出できる

 

今年のテーマはマスターズの花

クラブラインの春夏コレクションは、前半と後半で別のテーマを設定しています。前半はザ・ガーデンシティ。マスターズ・トーナメントを開催するアメリカのオーガスタ・ナショナルゴルフクラブからインスピレーションを受け、花柄やグリーンをあしらったデザインのポロシャツを発売します。オーガスタは各ホールにカメリアやピーチフラワーなど花の名前がつけられており、マスターズ開催期間の4月上旬はコース上に花が咲き乱れ、美しいコースとして有名です。

↑左は「フラワージャガードS/Sポロ」(1万5400円)で、オーガスタ・ナショナルゴルフクラブの10番ホールを飾るカメリアをイメージ。中央と右が「バンドカラーS/Sポロ」(1万4300円)。中央は3番ホールの名称であるピーチフラワー、右はオープニングホールを飾るティーオリーブをイメージ

 

↑「ヤーンダイボーダーS/Sポロ」(1万4300円)はグリーンのボーダーデザイン

 

後半はニューヨークのメトロポリタンをイメージしたデザイン。5月の全米プロゴルフ選手権がニューヨーク州での開催となるため、マンハッタン島の航空写真をデザイン化したものです。

↑右が大都市の航空写真をグラフィック化した「MET GRAOHIC S/S POLO」(1万5400円)、左は高ストレッチの「テックスブリツドベーシックパンツ」(1万2100円)

 

リバティ社、ユナイテッドアローズとのコラボ製品も発売

イギリスの老舗デパート、リバティ・ロンドンを経営するリバティ社とのコラボデザインも発売します。リバティ社のデザイナーが手書きした花柄をあしらったショートスリーブ・ポロ「リバティファブリックS/Sポロ」(1万7600円)はホワイト、ネイビー、ブラックの3色展開です。

↑イギリスの老舗ブランドとコラボした「リバティファブリックS/Sポロ」

 

また、昨年実施したユナイテッドアローズとのコラボを今年も展開します。今年は「NO BOUNDARIES」「GENDERLESS」「STREET」をテーマに、男女兼用でタウン着としても使えるデザインとなっています。「ストレッチ テーラード ジャケット」(3万800円)は軽量かつストレッチ素材を採用し、リラックス感のあるシルエットで着心地がよく、街中でもおしゃれに着こなせます。内側の大胆なメッセージグラフィックプリントも遊び心を刺激して楽しい気持ちになります。

↑「ストレッチ テーラード ジャケット」は都会的なデザイン。最近ではジャケット着用を義務付けるゴルフ場は減ったが、おしゃれとして着こなしたい

 

夏向けにはT-ICE素材を採用したシャツを用意しています。メッセージグラフィックを背面下部にプリントした「メッセージ クーリング S/S ポロ」(1万8700円)と「メッセージ クーリング S/S モック」(1万6500円)。

↑襟付きのシャツ「メッセージ クーリング S/S ポロ」は背面下部にアクセントとしてメッセージグラフィックをプリント

 

↑モックネックの「メッセージ クーリング S/S モック」は背面に大胆なメッセージグラフィックがプリントされている

 

↑ユナイテッドアローズコラボのキャップとソックスも発売。パステルカラーで春を感じるデザインに仕上がっている

 

これから春に向かい、ゴルフ場はより賑やかになっていくでしょう。テーラーメイドアパレルの新作は、テーラーメイドらしい正統派デザインをベースにしながらも、機能性と遊び心を盛り込んだラインも増え、ラウンドに華を添えてくれる存在になりそうです。

 

 

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初心者でもすぐ分かる!ゴルフ・キャディバッグの選び方を解説

ゴルフクラブのフルセット(14本)やハーフセット(7本)を購入するのであれば、キャディバッグも同時に入手したほうが便利です。ゴルフ場でラウンドする際は、クラブをキャディバッグに入れることが必須条件になります。

 

ですが、ゴルフショップに行くとさまざまな種類のキャディバッグがあります。何を基準に選んだら良いのでしょうか。「ゴルフ5フラッグシップストア新宿店」の大川舞子さんに聞いてみました。

<識者紹介>


Alpen TOKYO

ゴルフ5 フラッグシップストア 新宿店

大川舞子さん

渋野日向子選手や勝みなみ選手と同学年のいわゆる“黄金世代”。高校時代はプロゴルファーを目指していましたが、大学時代にエンジョイゴルファーに転向。現在はゴルフ5認定レッスンプロ兼クラブフィッターとしてアマチュアゴルファーのクラブ選びをサポートしています。

 

ゴルフのキャディバッグとは?

キャディバッグはゴルフクラブを入れて持ち運ぶケースです。持ち運ぶと言っても、ゴルフ場でのラウンド中、常に自分で手に持って運ぶわけではありません。セルフプレーであれば乗用カートに積んだり、手引きカートに乗せたりします。キャディ付きプレーであれば、キャディさん用の手押しカートに積み込みます。

 

学生ゴルファーは、キャディバッグを自分で担いでプレーすることもあります。このスタイルを“担ぎプレー”と言います。ただし、通常営業のゴルフ場では一般的でありません。ですので、ゴルファーがキャディバッグを持ち運ぶのは、ゴルフ場までの行き帰りのみです。ゴルフ場には車で行くことが多いですから、実際には自宅から車までの距離となります。

 

ただし、今の日本は都市部を中心に自家用車を持たないライフスタイルを選択する人が増えています。カーシェアリング利用者や、友人や同僚の車に同乗させてもらう機会が多い人は、そのことを踏まえてキャディバッグを選んだほうが良いでしょう。

 

カート型、スタンド型の2種類

キャディバッグは、大別するとカート型とスタンド型の2種類があります。どんな特徴があるのか比較してみましょう。

 

■カート型

カート型は、名前の通り、乗用カートに積み込みやすいように設計されています。土台部分が安定しており、地面の上に立つので自立型と呼ぶこともあります。キャディバッグ自体の安定性を高めるために、重量感のある商品が多いです。最近はカート型でも軽量をウリにする商品が増えていますが、重量で比較するとスタンド型のほうが軽いので優位!カート型は安定感重視です。

 

■スタンド型

スタンド型は2本の足が付いており、地面の上に斜めに立て掛けるように設計されています。ですので、クラブの出し入れがしやすくなっていますね。傾けて立たせることができるので、傾斜地でも安定して使える点もメリットです。また、担ぎプレーが主流の時代に開発された商品なので、肩に担ぐためのショルダーベルトが装着されています。軽量で持ち運びに便利なのも特徴!

 

口径サイズについて

キャディバッグは、口枠の縦の長さによって口径のサイズが表示されます。標準的なサイズは、男性向けが9型(直径9インチ=22.86cm)~9.5型(直径9.5インチ=24.13cm)、女性向けが8.5型(直径8.5インチ=21.59cm)です。口径が大きければ大きいほど収納能力が高くなります。

 

口枠のパターンは6分割がオーソドックスですが、8分割や14分割のモデルもあります。どのパターンが使いやすいかは、人それぞれ好みが分かれます。

 

初心者・中級者に向けたキャディバッグの選び方

初心者・中級者に向けたキャディバッグの選び方を大川さんに聞いてみました。

 

「正直なところ、キャディバッグを選ぶにあたって気を付けるポイントはないです(笑)。なぜかと言いますと、キャディバッグはファッション性がほとんどですから、どれを使ったら気分が一番上がるかということで決めて良いです。

 

ポケットの数が多くて収納力が高いのはカート型ですが、スタンド型でもラウンドに必要なアイテムは一通り収納できます。ゴルファー自身がどういう用途で使いたいかをイメージして選んでください。ゴルフを始めたばかりでゴルフ場に行く機会はまだ少なく、練習場に行く頻度が高いのであれば、軽くて持ち運びやすいスタンド型が向いています。練習場にはそれほど行かず、ラウンド中心という方はカート型が向いていますね。

 

価格帯としてはスタンド型のほうが安いので、ゴルフ5での販売数割合はスタンド型が6割、カート型が4割になっていますよ。」(大川さん)

 

キャディバッグ選びでアドバイスを1つ加えるのであれば、ゴルフ場に宅配便でキャディバッグを送るときは必ず専用カバーを掛ける必要があります。専用カバーは宅配会社の営業所で購入できます。専用カバーのサイズは縦143cm前後、横70cm前後。ラウンド中は専用カバーを外しますから、折り畳んでキャディバッグのポケットに入れておけると便利です。キャディバッグを宅配便で送る機会が多くなりそうな人は、専用カバーの収納を念頭に置いて選ぶことをおすすめします。

 

口枠内の中仕切りは、上だけのタイプと下までつながっているタイプがあります。上だけのタイプは仕切りがめくれやすいので、下までつながっているタイプが使いやすいとのこと。さらに、内部でクラブ同士がぶつかりにくくなり、クラブが傷付きにくくなります。

 

クラブケース、スタンドバッグがあれば便利

最近はラウンド用のキャディバッグに加え、練習用のクラブケース(スタンドタイプや肩掛けタイプ)もよく売れているとのこと。

 

「肩掛けタイプのクラブケースは練習場に行くときに便利ですし、スタンドタイプのクラブケースは練習場でもショートコースでも使えますから、かなり売れていますね。」(大川さん)

 

最近は、ゴルフ練習場にクラブを持っていくときに使うクラブケースだけでゴルフ場に来る人も増えているようですが、ゴルフ場は対応に困っています。なぜかと言うと、クラブケースは乗用カート後部のキャディバッグを積み込む場所に固定できないからです。

 

ゴルフのプレースタイルは、“セルフプレー”と“キャディ付きプレー”の2パターンがあります。セルフプレーは乗用カートを使用するのが主流です。乗用カートの後部には、キャディバッグを4個積み込むスペースがあります。左右に2個ずつ積み、ベルトを通して固定する仕組みになっています。クラブケースだと細すぎて固定できません。

 

また、スタンドタイプのクラブケースは持ち込み禁止のゴルフ場もあります。その理由はクラブケースをグリーン上に持ち込み、グリーンの表面に傷が付く被害が多発しているからです。ですので、ゴルフ場でラウンドする際はクラブケースだけで行くのはNGです。キャディバッグの購入後、練習場に行くときのサブバッグとしてクラブケースを活用してください。

 

■取材協力

Alpen TOKYO

住所:東京都新宿区新宿3丁目23-7ユニカビル

営業時間:平日11時〜22時/土日祝10時〜22時

 

撮影/中田 悟 文/保井友秀

テーラーメイドの新ゴルフクラブ「ステルス2」 はより遠くまで飛び、よりやさしく扱いやすい

昨年、50年続いた金属製フェースの時代に終止符を打つべく、満を持してカーボン製フェースドライバー「STEALTH(ステルス)」を発売し、ゴルフ界の話題をさらったテーラーメイド。2023年モデル「STEALTH 2」のカーボンフェースドライバーはさらに磨きをかけ、より遠く、より優しくなりました。今年もテーラーメイドの新年発表会に参加してきましたので、その模様をレポートします。

 

やさしく・遠く「FARGIVENESS」が合言葉

「2022年はテーラーメイドにとって信じられない1年になりました。ステルスドライバー発表後の最初の週末において、ドライバー販売部門で市場シェア80%を獲得という前例のない記録を打ち立て、年間でもハードグッズジャンルで販売シェア1位となったのです」と、冒頭あいさつに立ったマーク・シェルドン-アレン社長は興奮気味に話します。

↑マーク・シェルドン-アレン社長

 

そこまで大人気となったステルスドライバーが今年はどう進化したのでしょうか。「テーラーメイドは2023年、“ファーギブネス(FARGIVENESS)”を提唱します」と高橋伸忠ディレクターは高らかに宣言します。この聞き慣れない言葉はテーラーメイドによる造語で、遠くを意味する“FAR”と、やさしさ・寛容性を意味する“FORGIVENESS”をかけ合わせたものです。つまり、より遠くまで飛び、よりやさしく扱いやすいクラブへと進化したのです。

↑高橋伸忠ディレクター(ハードグッツプロダクト)

 

ステルスドライバーはカーボン化によってボールが当たるフェース面が軽くなり、エネルギー伝達効率が向上しました。フェース面を軽くなることはすなわち、ボディに重量を割り振ることができるので、インパクトの瞬間、遠心力で加速してきた重いボディが後ろからフェースを強い力で押し出し、ボールをより遠くに飛ばすことができるのです。

↑フェースをカーボンにしたことで、国際ルールで決められたヘッド重量の9割をボディに割り振ることができ、慣性モーメントが向上した

 

新ゴルフクラブ「ステルス2」

2022年のステルスドライバーは2021年のチタンフェースドライバーに比べて重量を40%も削減することに成功しています。しかし、新発売のステルス2シリーズは前年比2gの重量削減にとどまっています。「たかだが2gかと思うでしょうが、昨年に43gから26gに大幅削減したものをさらに絞るのはボクサーの減量並みに大変なことでした」(高橋氏)。

 

今年の場合、重量よりも構造の変化に注目です。ステルスツーではフェースのカーボン積層を改良しています。中心部をやや厚く、周辺部をやや薄くすることで、ボールの初速を上げるホットゾーンが昨年モデルより広くなっているのです。これらにより、前モデルに比べてより遠く飛び、よりやさしくなったのです。

↑フェースのカーボン積層を改良することで、新製品ではホットゾーンが拡大した

 

ステルスツーシリーズは3種類を用意。前年モデルも3種類を用意していましたが、今年はモデルごとの差異をはっきりとさせ、より自分に合ったクラブ選びがしやすくなっています。

 

まずはショップ限定で販売する「ステルス2 プラス ドライバー」(9万6800円~11万6600円、税込)。これはスコア90を切り、ストイックにゴルフを追求するアスリート向けモデルです。ロフト角を調整できる「FCTロフトスリーブ」、いわゆるカチャカチャは3モデル全てに搭載しますが、ヘッド左右方向の重心位置を調整できる「15gスライディングウェイトシステム」はこのモデルのみの搭載となり、より自分のスイングに合った、自分が目指したい軌道に調整できます。

 

「ステルス2 ドライバー」(9万3500円~11万3300円)は、100前後のスコアで安定してラウンドするアベレージゴルファー向け。ソールのウェイトをややヒールよりにすることで、ドロー傾向をやや強くしています。

 

「ステルス2 HD ドライバー」(9万3500円)のHDはハイ・ドローの略で、高弾道でつかまりやすく、ミスヒットに対する寛容性の高い、やさしいクラブ。シャフトを1/4インチ短くしており、前モデルに比べてスイートスポットが広がっていることも併せて、扱いやすく、100切りを目指すゴルファーのよき相棒となるでしょう。

↑ステルス2 ドライバーは昨年同様3モデル用意。バックウェイトの重量と、ソールウェイトの位置を変えることでそれぞれの特性を引き出している

 

↑ステルス2 プラス、無印、HDに行くに従い、やさしいクラブになっている

 

なお、前年モデルは3タイプともに同じライ角でしたが、今年は2度ずつ変化をつけています。ライ角が大きいほどにボールがつかまりやすくスライスがしにくくなるため、スライスに悩む初心者にとってHDモデルはより扱いやすくなっているのです。

↑3モデルそれぞれの前年モデルとの違い。3モデルともに慣性モーメントが増加しており、より飛ぶクラブになっている。HDはドロー傾向を強く、ライ角をアップ、クラブを短くすることでよりやさしいクラブになっている

 

フェアウェイウッド・レスキュー・アイアンにもHD

ドライバーと併せて、フェアウェイウッド、レスキュー、アイアンも発表されました。フェアウェイウッドはドライバー同様にスイートエリアが拡大し、ミスヒットに対する寛容性が向上しています。

 

アスリート向けの「ステルス2 プラス フェアウェイウッド」(6万500円~8万300円)はソール部分にウェイトを前後に調整できる「スライディングウェイト50g」を搭載し、ロフト・ライ調整機能との組み合わせでボールの打ち出し角とスピン量を自分好みに調整できます。

 

新たにラインアップに加わった初心者向けの「ステルス2 HD フェアウェイウッド」(5万8300円)はドライバー同様にハイ・ドロー弾道の“上がってつかまる”クラブで、テーラーメイド史上最も優しいフェアウェイウッドとなっています。

↑フェアウェイウッドも3種類。アスリート向けのプラスは前後に動くスライディングウェイトにより自分好みの弾道を作れる

 

↑プラスモデルの可変域。ロフト、バックスピン量ともに広い

 

↑HDモデルは上下幅が狭いシャローヘッド設計により、重心が低くなり“上がる”クラブに仕上がっている

 

レスキューに関しては、従来のアイアン型の新製品「ステルス2 プラス レスキュー」とウッド型の新製品「ステルス2 レスキュー」に加え、こちらもHDシリーズが新たにラインアップしました。ハイロフト設計、ボールが上がりやすく左右のミスに強いシャローヘッド設計、および低重心化でより高く大きく飛ばすことができます。

↑レスキューも3種類。プラスモデルはアイアン型、無印とHDモデルはウッド型

 

↑レスキューもHDモデルはシャローヘッド設計。ビギナーの“ボールが上がらない”問題の解消を狙う

 

さらに、アイアンにもHDシリーズが加わりました。テーラーメイドでは米国、日本、欧州さまざまな地域でたくさんのゴルファーに対して「アイアンではどんな球を打ちたいか」というヒアリングをした結果、高い弾道でつかまりがよく、スピンがかかって、グリーンに落ちた時に転がらずに止まる球を打ちたい、というのは万国共通の願いでした。このニーズに答えるべく今回、アイアンでもHDシリーズを新たに導入したのです。

 

「ステルス HD アイアン」(6番~PWの5本セットで13万7500円/12万1000円)は、ソールの幅が拡大したワイドソールを採用、重心を低く、後ろにもっていくことで、高弾道でバックスピン量の多い打球を打ち出せるようになっています。また、継続販売となる上位モデルの「ステルス アイアン」に比べて5番からピッチングまでのロフト角を大きくし、高く“上がる”ようにしています。なお、アイアンもHDモデルはシャローヘッド設計を採用しています。

↑「ステルス HD アイアン」はシャローヘッド設計、ワイドソールにより低重心化が実現し、高弾道でバックスピン量の多いショットが打てる

 

↑上位モデルに比べてロフト角が大きくなり、高い打ち出し角を保てる

 

テーラーメイドではビギナー・エンジョイ層向けには「ステルス グローレ」シリーズを展開していますが、ステルスシリーズの中でも比較的やさしいHDシリーズがドライバーからアイアンまで揃ったことで、ステップアップ意識の高いユーザーを幅広く取り込めるようになりました。

 

少し前まではゴルフ人口の減少が危惧されていましたが、新型コロナウイルスの流行で若者たちが密にならないアウトドアアクティビティに興味を示し、ゴルフでも若年層のプレイヤーが急激に増えています。中にはステルスドライバーを手に持つ若者もいます。うかうかしていると若者にあっという間に抜かれてしまうので、もっと練習しなければ(笑)。

 

 

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「走りたい」という気持ちさえあれば、誰もが自由に楽しめる! アディダスが「ランニング」をテーマにしたブランドキャンペーンをスタート

アディダス ジャパンは、グローバルブランドキャンペーン「Impossible Is Nothing」(「不可能」なんて、ありえない。)の一環として、ランニングをテーマとした新ブランドキャンペーン「「走りたい」だけ、あればいい。~Running needs nothing, but you~」を開始します。

 

同キャンペーンでは、ランニングというスポーツの根本に立ち返り、走ることの楽しさと自由さに、改めてフォーカスを当てています。

 

キャンペーンに合わせて公開となったブランドフィルムには、様々なバックグラウンドを持つ世界各地のランナーたちが、それぞれ異なる理由と目的を持って、自分なりのペースでランニングに向き合う姿が描かれています。

 

ハーフマラソン日本記録保持者の新谷仁美選手や、ケニアのペレス・ジェプチルチル選手など陸上選手のほか、エジプト出身のサッカープレーヤー、モハメド・サラー選手や、アメリカのダウン症アイアンマンアスリートのクリス・ニキック選手、チェコの義足ランナーやイギリスの80代シニアランナーなど、多種多様なランナーが登場します。出演者たちのパーソナルストーリーを通して、ランニングは「走りたい」という気持ちさえあれば、誰もが自分らしく、自由に楽しめるスポーツであることを、ブランドフィルムを通して伝えています。

 

3月26日には、同キャンペーンを体現するランニングイベント「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2023」を、東京・明治神宮外苑前で開催。現在、スポーツエントリー公式ウェブサイト(一般)と、同イベント公式ウェブサイト(adiClub会員限定)にて、エントリーを受け付けています。

 

同社が日本国内で手掛けるレースとしては約4年ぶりとなり、様々なレベルのランナーが楽しめるように時間を設定した一般の部5キロレースのほか、前出の新谷選手や、イェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学駅伝部)、青山学院大学・國學院大學 陸上競技部所属選手などの招待選手による5キロ(男子・女子)/10キロ(男子)レースの開催も予定しています。

フードを収納スペースにしました! 裏返すとポケットが出現する「フード一体型 軽量コンパクトキャディバッグ」

デサントジャパンは、同社が展開するフランス生まれのスポーツブランド「le coq sportif(ルコックスポルティフ)」にて、2023年春夏シーズンの新作「フード一体型 軽量コンパクトキャディバッグ」を発売しました。

 

同製品は、運搬時の保護を目的として付いているフード部分の“ポケット”が特徴。ラウンド時には邪魔になることもあったフードにポケットを付けたことにより、ラウンド時の収納スペースとして利用できます。ポケットの開口部が上側に向くよう配慮されているので、フードを開けた状態での物の出し入れがスムーズに行えます。

 

本体下部の収納は比較的大きくスペースを確保しており、重さのあるペットボトルやボールなども収納可能です。

 

フードの裏表には、ブランドロゴやモノグラムのグラフィックを施しており、フードの縫い付け方を工夫することで、フードを下ろした際も不格好にならないようなデザイン設計が行われています。

 

また、持ちやすさも工夫を施し、フードを上下したいずれの状態でも、ハンドルとショルダーベルトが使えるよう配慮し、フードに大きなスリットを入れています。

 

カラーバリエーションは、BK00(ブラック)、WH00(ホワイト)、RD00(レッド)の3種類。税込価格は2万9700円です。

F1マシンが新幹線と並走! CG? 本物? “富士山の日”の仰天画像が話題に

2月23日、“富士山の日”に合わせてレッドブルの日本版公式ツイッターが画像を投稿。富士山をバックに新幹線が走行しているが、その手前の公道にはF1マシンが。これはCGなのか、それとも本物なのか?

 

この画像が撮影されたのは昨年の11月。写っているマシンは、2021年にマックス・フェルスタッペンがドライバーズランキング1位に輝いたチャンピオンマシン「RB16B」。レッドブルは「BAKUSOU」と題して、静岡・富士市と長崎・大村市で実際にマシンを公道で爆走させた。

 

これを受けて1月28日、「めっちゃエモい写真だけど、これどこまでホント? 2日後の真相をお楽しみにッ!!」と衝撃的な画像が投稿され、一連のストーリーがスタート。

 

2日後の1月30日に、新幹線と並走する動画を投稿すると、閲覧件数は約200万に。

 

公式サイトによると、静岡、長崎ともに約2kmの直線道路とその走行区間に繋がる道を完全封鎖。県や市などの地元政府や警察、さらに地元住民の方々やボランティアの方々など総勢100名以上と協力してこのプロジェクトを実現させたそうだ。

 

2月5日には「人生で一度は言ってみたいコト 爆音鳴ってるから家の外見てみたら F1マシンが走ってたんだよね~」と、F1ファンならまさに夢のような一言をつけて、迫力満点の動画も投稿。

 

撮影後、それぞれ協力してくれた地元の方々を招き、「RB16B」のお披露目会も実施した。「俺の街にも来てほしい!」と思った人も多いだろう。

 

ちなみにこのマシンは、日本のF1ファンにとっては特別で、2021年シーズンで撤退したホンダに感謝を込め、リアウィングとボディ部分に「ありがとう」の文字が入った日本GP用特別仕様。そのマシンが日本で再び爆走したことにもファンから感謝のコメントが多く寄せられた。

C・ロナウド、サウジ引っ越しで売りに出した豪華すぎる「9億円豪邸」の“中身”とは!?

サウジアラビア1部アル・ナスルに年俸2億ユーロ(約280億円)で移籍したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド。新天地でもスーパースターぶりを遺憾なく発揮しているが、サウジアラビアに引っ越したことで、それまで住んでいたマンチェスターの自宅を売りに出したところ、その金額と豪邸の“中身”が話題となっている。

 

イギリスの日刊タブロイド紙「ザ・サン」はツイッターで、「ロナウドが売りに出している、かつての550万ポンド(約8億9000万円)のチェシャー邸内部」と投稿。

 

マンチェスター・ユナイテッド在籍時にもSNSで豪邸が紹介され話題となったが、その豪華な内部は、テニスコート、屋内プール、シネマルームなども備えた豪邸で、7つのベッドルームと6つのバスルームを有しているという。

 

ロナウドのパートナーであるインフルエンサーのジョージナさんも、自身のSNSで紹介している。

 

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他にも、ロナウドが子どもたちとジャグジーで楽しむ画像を、感謝の言葉とともに投稿するなど、その豪華な暮らしぶりも見せてくれた。

 

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現在ロナウド家はサウジアラビアに引っ越し、国内で最も高いビルのひとつである、99階建てのキングダムタワーのスイートを17室確保し滞在しているが、その滞在費は月額30万ドル(約4200万円)とされており、数日後には新居に移る予定だとか。

 

このあと、マンチャスターの豪邸は誰の手に渡るのか。そして、サウジアラビアの新居の内部は一体どうなっているのか。豪華な話題の続報が気になって仕方ない。

元祖・厚底シューズブランド「HOKA(ホカ)」、最新「クリフトン 9」試走会レポート

東京・神田錦町「10 OVER 9」。多くの皇居ランナーが利用する、ロッカーとシャワーを提供するランニングステーションである。ここで行われたのが、元祖・厚底シューズで知られる「HOKA(ホカ)」の主力製品の最新版「クリフトン 9」の試走会だ。

 

最初は物珍しさもあった厚底シューズだが、今や、ランニングシューズの主流。スポーツショップの店頭には、カーボンプレート入りのガチなアスリート向けモデルから、ビギナーでも履ける軟らかいのに反発性のあるモデルまで、各社さまざまなコンセプトの厚底シューズが並んでいて、選ぶのにひと苦労するほどだ。

 

そんな厚底シューズの百花繚乱のなか話題を集めているのが、本家とも言えるHOKA。スイス国境に近いフランスの街アヌシーで生まれ、アルプスの山里を走るランナーたちによって育てられた、ロードランからトレラン、ハイキングまで網羅する世界的なスポーツシューズブランドである。

 

【関連記事】
「HOKA(ホカ)」のMDに聞いた快進撃の理由!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

 

「クリフトン 9」の感想は、 まるで“パンの試食会”のよう⁉

本日、ランニングステーションの一室に集まった人たちの関心も、もちろんHOKAの厚底シューズである。お目当ては、発売されたばかりの最新鋭クリフトン 9。“マシュマロのように軟らかい履き心地”、“転がるように走れる”と早くも話題のクリフトン 9を、実際に履いて、走れるのだ。

↑HOKA「CLIFTON(クリフトン)9」メンズ10色展開、ウメンズ11色展開(2023年2月より新色を順次展開)。2万900円(税込)

 

集まったのは、月間150㎞走るトレーナーから、初フルマラソン挑戦を目指す女性、通勤の普段履きで愛用している方、話題のHOKAを一度履いてみたい!という方まで、ホントにさまざま。話題のブランドだけに、数多のランニングシューズの試走会とは異なる、異業種交流会のような雰囲気に包まれている。

 

“カワイイ、テンション上がる!”

“ふわっふわぁ!”

“めちゃ軽い!”

 

箱からクリフトン 9を取り出し、シューズを履くみなさんの独り言も、数多の試走会では聞こえない声ばかり。言葉だけ聞いていると、シューズの感想というより、まるで“パンの試食会”(笑)。と、テンションも上がったところで、いざオンロードへ! ケガを予防すべく、軽い準備運動で筋温も上げ、クリフトン 9の試走会がスタートだ。

↑ストレッチなど軽い準備運動は大切。すでにココでもクリフトン 9の軽さとクッション性も体感

 

アルプスの山里仕込みのHOKAを、東京の坂で体感!

試走会スタッフが選んだコースは、皇居・北の丸周辺の坂道を組み込んだ約4㎞。アルプスの山里仕込みのHOKAの厚底のパフォーマンスを体感するには、フラットな路面だけでなく、上りや下りがあるのが◎。上りでも転がるように楽に進み、下りでは厚底のクッション性能を存分に味わえる。“上りは嫌い”と話していた男性まで、シューズの性能を試すべくペースアップするほど。

 

筆者も参加者と一緒に走りながら、コメントを貰うことにした。「強く踏み込むと、跳ねてくれますね。わざといろいろなステップを踏んでいますが(笑)、横ブレはありません。フルマラソンが初めてという人から中級者まで、後半も走りをアシストしてくれそうですよね」(30代、男性)。

 

「軽い! この履き心地、初めてです!」(40代男性)。「前の型のクリフトンを履いていましたが、こんなに反発って貰えてましたっけ?」(30代女性)。「守られている感じがします!」(30代女性)。「HOKAのファンで、黒のシューズを、普段履きでもめちゃ愛用しています。今日はクリフトン 9で走れて、気持ち良いです」(30代女性)。と、笑顔で走る参加者からは、好感触コメントが続出なのである。

↑北の丸周辺の坂で、クリフトン 9ご自慢のミッドソールの性能を体感!

 

ポップアップストア「HOKA Marunouchi」で、ひと休み

「HOKAで一番人気のモデルがクリフトンです。今回のクリフトン 9は、8からのフルモデルチェンジとなりました。みなさん履いてみてどうですか?」と語るのは、HOKA のポップアップストア「HOKA Marunouchi」でランニングのアドバイスをしながらHOKA RUN CLUBの運営をサポートしているコミュニティリードの伊藤優衣さん。

↑クリフトン 9試走会の“ツボ”を解説してくれる、HOKAの伊藤優衣さん(左端)。なお、公式ランニングクラブHOKA RUN CLUBでは、HOKAの最新ランニングシューズの試し履きや、HOKAアンバサダーと一緒に走るイベントを実施している。詳しくはコチラをチェック!

 

「クリフトン 9のアッパーは、軟らかいエンジニアードメッシュという素材になりました。従来の圧着パーツも大幅に見直し、軽量化しています。クッション性の要の厚底のミッドソールも、全く新しいフォームになりました。反発性もあるので、スピードを出しても沈み込みがありません」(伊藤さん)

 

クリフトン 9のミッドソールは、前作に比べて3㎜厚くなりクッション性がアップ。しかも、重量はメンズの27㎝(片足248g)で2g、ウイメンズの24㎝(片足205g)では何と10g軽くなっているという。

↑HOKAのポップアップストア、東京・丸の内の「HOKA Marunouchi」にて記念撮影!

 

クリフトン 9は、走りだけでなく、カラバリもハンパじゃない!

「アウトソールも、デュラブレーションラバーという新素材にしたことで、耐久性もアップしました。アウトソールの踏み面もわずかに広くしたので、クッション性がアップすることで生じる着地時のブレを軽減して、安定感を持たせています。かなり走りやすくなっていますよ」(伊藤さん)

 

クリフトン 9の“転がるような”推進力は、踵から爪先にかけての揺りかごのようなロッカー形状によって生まれる。最新機種は、このロッカー形状をよりシャープにしたので、前に転がるように、自然とスピードに乗れるのだという。

 

「レースの後半でもシューズが自然と助けてくれますし、反発性もあるので、速く走りたい方もスピードが出せます。今日は女性が多いのでご案内しますが、ウイメンズは11色展開を予定しています(メンズも10色展開!)。2月、3月、4月と順々に新色を出していくので、好きな色をお選びいただけます。男性も女性も新しいクリフトン 9をぜひ、体感してください」(伊藤さん)

 

ということで、今回クリフトン9を体感したイベント参加者のコメントを最後に紹介しよう!

 

ランニングシューズが可愛いと、走るテンションが上がります!

清水由梨さん(31歳) 主婦

モデルの三原勇希さんのインスタを見ていて、「GOガール」という女性のランニングサークルに入って走り始めた清水さん。「走ることがきっかけで、今の旦那にも出会いました(笑)」。平日の夕方に2~3㎞、週末は5㎞ほど走っている。

 

「初めて買ったランニングシューズがHOKAです。「クリフトン 6」だったと思いますが、足幅も私に合っていて、オシャレだと思ってその時は選びましたね。ずっと愛用していましたが、そろそろ買い換えのタイミングでした(笑)。

 

クリフトン 9、軽いですね。カラーリングも、すごく気に入りました。ランニングシューズが可愛いと、それだけでテンションが上がって、走ろうという気分になります。このピンクは取り入れやすいので、春に向けて、明るいウェアと合わせてみたいです。今後は、フルマラソンに挑戦してみたい! ホノルルとか那覇とか、暖かい所とか、いつも行けないところで走ってみたいです」(清水さん)

 

走ってみて、“これはイケる!”と、ビックリしました

小泉照幸さん(43歳) 会社員

バスケットボールのクラブチームに入っているから、持久力を付けるためにランニングしている小泉さん。走るのは1か月に1、2回の週末。インターバル走を組み入れて、5~10㎞、多摩川の河川敷を走っているという。「バスケはストップ&ゴーだから、大会に向けての脚を作るため、追い込むときは1分ダッシュ、1分ジョグを繰り返し走っています」。

 

「HOKAは、タウンシューズとして履いている人が多いので、気になっていました。クリフトン 9はあまりに軽かったので、少し不安があったのですが、実際に走ってみたら“これはイケる!”と、ビックリしました。安定性があって、気持ちよく足を前に運べました。インターバル走でも踏み込みやすいし、ストップする時の感覚にも違和感がありません。

 

コロナ禍前はマラソン大会にも出ていたので、そろそろトレーニングを再開しようと思っています。クリフトン 9で距離を走った時にどう感じるのか、今から楽しみです。会社の同僚と台湾のマラソン大会に2回出場したので、また参加したいですね。このシューズなら、走れる気がします(笑)」(小泉さん)

 

初めてのHOKAは、フワフワで、走りやすかったです!

加藤万理さん(30歳) 会社員

ランニングサークル「GOガール」のメンバーである加藤さん。普段は週1、2回、5~10㎞ほど走っている。走り始めたのは高校生の時で、部活に入っていなかったから体型を保つために始めた。最初に出たホノルルのマラソン大会で、完走の達成感にはまったという。それからは、1年に1、2回はフルマラソンを走るほどに。自己ベストは4時間10分。「今は、サブ4(フルマラソン4時間以内)を目指し、ラン➝仕事➝寝る、しかしていません(笑)」。

 

「HOKAのシューズは、初めてです! フワフワで、走りやすかったですね。新しいシューズを履くと、慣れるのに時間がかかるのですが、クリフトン 9は違和感がなくて、普段から履いているフィット感で。脚が自然と前に出て、上り坂では跳ねるような感覚で走れました。下りでも、膝に負担がなくて、少しスピードを上げた方が良い感でしたね。自己ベストを更新したら、ニューヨークを走りたいです!」(加藤さん)

 

適度なクッションと反発が貰えて、良い感じで走れました!

長濱隼さん(31歳) トレーナー

普段は、パーソナルトレーニングの指導や、部活動のコンディショニングコーチ、マラソン大会での準備運動の指導などをしている長濱さん。ランニング経験は、ここ5、6年。「スパルタンレース」という障害物をクリアしながら走るレースに出たのがきっかけで、走力を上げたくて走り始めた。月間の走行距離は150㎞くらい、一番走っていたときは300㎞ほど。「週に2、3回、平日は朝の5時から近所を走り、週末はトレイルを20~30㎞走っています」。

 

「実は、HOKAのシューズを初めて履いたんです。履いてすぐ、“ふわっとしているけど、大丈夫かな?” と思ったのですが、横ブレも抑えられていて、適度なクッションと反発が貰えて、良い感じで走れました。フィッティングも凄く良かったです。観光しつつマラソンを走るシティマラソンや、ゆっくり長く走るLSD(ロング・スロー・ディスタンス走)などで、気持ちよく走れるシューズだと思います」(長濱さん)

 

撮影/中田 悟

 

 

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アディダス「ウルトラブースト ライト」は従来シリーズにない軽さと心地よさを併せ持った新ランシュー!

アディダス ジャパンは、幅広いランナーのニーズに対応するプレミアムランニングシューズ「ウルトラブースト(ULTRABOOST)シリーズ」の最新モデル、「ウルトラブースト ライト(ULTRABOOST LIGHT)」を発売。2023年2月23日よりアディダス オンラインショップ、アディダス アプリにて先行発売、3月3日よりアディダス直営店、アディダス オンラインショップ、アディダス アプリ、各アディダス取扱店にて一般販売を順次開始します。

 

ウルトラブーストシリーズ最軽量を実現!

ウルトラブースト ライトは、BOOSTテクノロジーの導入から10年を経て、長年の改良を重ね生まれた最新モデル。従来のBOOST素材に比べて30% 軽量化した革新的な新素材「Light BOOST」を採用することで、シリーズ最軽量を実現しています。さらに本作では、従来の「ウルトラブースト」に比べてカーボンフットプリント(温室効果ガス)を10%削減し、環境への配慮を反映した1足になっています。

↑「ウルトラブースト ライト」2万5300円(税込)。片足299g(メンズ27.0cm)

 

↑シューズのソールに搭載された LEP(Linear Energy Point)を再構築。新たに採用された「Light BOOST」と連動し、反発力をさらに引き出すよう設計されています

 

↑ 高機能な天然ゴム製「ContinentalTM ラバー」を採用し、どんな悪天候でも自信をもって走ることができる、優れたグリップ力を提供

 

今回、BOOSTテクノロジー導入10周年を記念して「ウルトラブースト ライト」スペシャルエディションを限定カラーで同時発売。10周年記念エディションは、 BOOSTテクノロジーを初めて搭載したモデル「エナジーブースト」のオリジナルデザインを踏襲。ブラックを基調とし、ブラックとイエローのディテールを施しています。

↑「ウルトラブースト ライト」スペシャルエディション

 

 

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スペインでの人気は久保建英以上!? ピカチュウに「なんか違う」とネットが騒然!

現地時間2月18日、日本代表MFの久保建英が所属するスペイン1部レアル・ソシエダは、ホームでセルタを迎えたラ・リーガ第22節で1-1とドローに終わったが、久保のアシストからミケル・オヤルサバルが先制ゴールを奪い、久保は3試合連続でマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に輝いた。

 

この日はちょうど地元バスク地方でカーニバルが行われ、スタンドにも仮装を楽しむファンが詰めかけ、ラ・リーガの日本版公式サイトでも盛り上がるファンの様子をSNSで紹介。

 

そんな中、「実況「ピカチュウも見逃さない試合!」」と投稿した動画にネットが騒然となった。

試合前に盛り上がるソシエダのファンを捉えたものだが、スペインでも人気を博している「ポケモン」のキャラクター「ピカチュウ」の着ぐるみとともに、さらに盛り上がりを見せている。しかし、その着ぐるみのクオリティに対してネットが騒然となった。

 

久保は前試合でリーグ戦通算10ゴールをマーク。4シーズン目で元日本代表MF乾 貴士(清水エスパルス)に次ぐ日本人選手2人目の2桁ゴール達成を祝福し、チームは日本人らしく“サムライ”のコラージュ動画を投稿し、地元ファンもネット上で盛り上がったばかりだった。

 

ピカチュウは、スペインはもとより世界中で人気のキャラクターとなっており、なんとあのスーパースターもお気に入りの模様。2021年には、リオネル・メッシがピカチュウのキャップをかぶっている姿を、妻のアントネラ・ロクソさんがSNSに投稿。その画像は今年に入って再び脚光を浴びた。

 

好調な久保の活躍はもちろん、その周りのニュースも話題となっている。今度はどんなプレーを披露するのか、そしてその周りではどんな盛り上がりを見せているのか、周辺の話題のSNSも見逃せない。

ゴルフウェア「ランバン スポール」誕生25周年! フランス本国のデザインチーム作成「25周年限定コレクション」を展開

デサントジャパンが展開する「ランバン スポール」は、1889年にフランス・パリで創業したメゾン「ランバン」のセカンドライン。ゴルフウェアを展開するコレクションとして日本で誕生し、今年で25年を迎えたことを記念して、フランスのデザインチームによって作成された25周年アニバーサリーロゴやグラフィックを、ウェアやバッグなどのデザインに落とし込んだ「25周年限定コレクション」を発売します。

 

25周年限定コレクションは、ニットやシャツなどのゴルフウェア、バッグやサンバイザーといった小物まで、23年春夏シーズンではレディース28型、メンズ11型の計39型を、百貨店や同社公式通販「DESCENTE STORE オンライン」などで、2月上旬より順次発売します。

 

「【25周年】ロゴジャカートブロッキング5分袖シャツ」は、25周年アニバーサリーロゴを縦にリピートした凹凸ジャカードジャージーを使用。襟、袖などに使用している部分使いの生地は速乾機能素材を使用し、5分袖丈の袖口には太めのリブをつけ、モダンなイメージに仕上げています。カラーはBG02(ベージュ×ホワイト)、BK03(ブラック×ホワイト)、NV03(ネイビー×ブラック)の3種類で、税込価格は2万7500円です。3月展開予定。

 

「【25周年】ロゴデザインモックネック半袖シャツ」は、25周年アニバーサリーロゴをフロントにダイナミックにプリント。カラーによってロゴのレイアウトを変え、それぞれ違った印象に仕上げています。リサイクルポリエステルを使用したソフトな風合いのベア天竺素材を採用。カラーはBG04(ベージュ)、BK04(ブラック)、BL04(ブルー)の3種類。税込価格は2万6400円で、6月展開予定。

 

「【25周年】前開きジップアップカットソー」は、25周年アニバーサリーロゴを左胸にプリント。本体素材は吸汗性のあるストレッチ素材を使用しています。肩部分や前立てに、配色の利いた切り替えラインがポイントとなっている、シャープかつスポーティーなデザインが特徴のジップアップカットソーです。カラーはWH01(ホワイト×ブラック)、GR02(グリーン×ブラック)、NV03(ネイビー×ブラック)の3種類で、税込価格は3万9600円。3月展開予定です。

 

「【25周年】半袖シャツ」は、25周年アニバーサリーのモダンなグラフィックをプリントした半袖シャツ。太陽光を反射することで衣服内の温度上昇を抑えるクーリング機能をもつ「SUNSCREEN/サンスクリーン」素材を使用。程よく伸縮性もあり、動きやすく快適なプレーをサポートします。カラーはBK04(ブラック×ブルーグレー)、GY04(グレー×ホワイト)、BG04(ベージュ×ホワイト)の3種類。税込価格は2万6400円です。3月展開予定。

 

特設サイトでは、同コレクションのスタイリングや、同ブランドの品質へのこだわり、製品ができるまでのストーリー、モノづくりに込めた思いなどのエッセンスを紹介するコラムを公開。パリのアトリエから発信されるデザインイメージをベースに、日本人に似合う快適なゴルフウェアに仕上げていくまでのこだわりを通して、ブランドの魅力を伝えています。

悲劇から3年。故コービーの歴史的NBAジャージが史上2番目の高額で落札

2020年1月26日、不慮の事故でこの世を去ったNBAのレジェンド、コービー・ブライアント。あの悲劇から3年が過ぎた直後の2月2日から9日にかけて、コービーが着用したジャージが大手オークションハウス「Sotheby’s(サザビーズ)」に出品され、580万ドルで落札された。

 

17歳でNBA入りし、現在、八村 塁が所属する名門ロサンゼルス・レイカーズのフランチャイズ・プレイヤーとして2016年に引退するまで20年間にわたって活躍。チームを5回チャンピオンに導き、自身はシーズンMVP1回、ファイナルMVPを2回受賞、さらにオールNBAチーム選手15回など数々のタイトルを獲得してきた。

 

その中でも、唯一シーズンMVPを獲得した2007-08シーズンに着用されたのが今回のジャージ。シーズン中の25試合で着用し、デンバー・ナゲッツとのウエスタン・カンファレンス1回戦のゲーム2での第4クォーターの残り5分22秒でスリーポイントを決めた瞬間に歓喜する映像は伝説となっている。

 

そのときにも着用し、MVP受賞の公式写真でも着用している歴史的な逸品だけに、落札額は580万ドル(約8億円)の高値がついた。この落札額はバスケジャージ史上2番目の高額で、最も高額なのは2022年9月に落札された約1010万ドル(当時約14億円)で、マイケル・ジョーダンがファイナルで着用したジャージだ。

 

ちなみにジョーダンのジャージが1位となるまでは、2021年5月に369万ドルで落札された、コービーがルーキーシーズンに着用したジャージが最高落札額を保持していた。

 

さらにその前はジョーダンがノースカロライナ大学時代に着用していた、1982-83シーズンのジャージ(138万ドル)が最高落札額を保持。2人のレジェンドはプレー以外でも最高のライバルだったのだろう。

【独占取材】ミズノ世界戦略の秘密基地 「MIZUNO ENGINE」潜入・体験レポート!

大阪・南港でひときわ目立つ、日本が誇る総合スポーツ用品メーカーミズノ大阪本社ビル。このビルに隣接して、2022年11月イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE(ミズノエンジン)」が誕生した。MIZUNO ENGINEは、ミズノの商品やサービスの研究開発を強化するイノベーションの拠点。まさに、ミズノのモノづくりのエンジンとなる施設である。

↑南港にそびえるミズノ本社(写真中央)の左側にあるのが、新設されたイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」。総工費50億円、2階建てで、床面積は約6500㎡。オープンな造りながら、もちろん一般公開はしていない

 

今回、GetNavi web編集部は、真新しいMIZUNO ENGINEの施設内にカメラを入れ、どんなワクワクが生まれるのかを体験取材させてもらえる、特別な許可を得た。レポート役は、GetNavi webでランニングシューズのレビュー連載を担当する、業界猛者オータワラ。ご案内いただくのは、MIZUNO ENGINEを統括する佐藤夏樹さんである。

↑MIZUNO ENGINEを統括する、グローバル研究開発部の佐藤夏樹部長。ミズノを代表するランニングシューズ「ウエーブライダー」の開発をかつて手掛けるなど、ミズノのイノベーションを体現する人物のひとりである

 

「MIZUNO ENGINEは、それまで点在してきた社内各部署のスペシャリストの知見と最先端設備を集結し、スポーツによる社会イノベーション創出の加速をミッションに掲げています。なんといっても、大阪のヘッドクォターの隣りという立地で、アイデアを瞬時にカタチにし、それを実際に使って、製品化へのデータを採取する、『はかる』『つくる』『ためす』の一連のプロセスがシームレスに、しかも高速回転できるのがメリットです」(佐藤さん)

 

本来、マル秘の施設(MIZUNO ENGINE)が、スケスケ!

MIZUNO ENGINEのエントランスを入って、まず目に飛び込むのは、クライミングウォールと、その奥のランニングのテストコース。驚くべきは、発売前のシューズのプロトタイプの製品テストをするテストコースが、来客者の目の前にあるという点だ。シャッターさえ無しの、丸見え! モノづくりの会社にとって最高レベルのセキュリティを要求される場所が、スケスケ……。丸見えのスッケスケには、正直、腰を抜かさざるを得ない。

 

↑エントランスの吹き抜けにある、フリークライミングのウォール

 

↑吹き抜けの奥には、トラックのレーンとアスファルトの路面がある。マットの下のサーフェイスには、地面反力を測る踏力センサーが埋め込まれている

 

↑開放的なエントランスの全景

 

「たしかに、ランニング用のトラックやトレッドミル、野球用のマウンドも、オープンです。なぜなら、オープンな空間を全社員が共有することで、アイデアの化学反応や新しい価値の創出、創造などを期待しているからです。MIZUNO ENGINEのミーティング空間も、オープンな造りになっています」(佐藤さん)

 

ミズノは、競技スポーツだけでなく、楽しく体を動かすことを“スポーツ”と定義している。MIZUNO ENGINEは、こうした広い意味でのスポーツで、人々を幸せにすることを目指す施設なのだ。それをひも解くのが、「ミズノミライビジョン」という5つの研究開発ビジョンだ。

 

ミズノ変革の要! 「ミズノミライビジョン」

①競技:スポーツで人の限界に挑戦する

②健康:スポーツで心身ともに健康な人を増やす

③環境:スポーツで地球環境を良くする

④教育:スポーツでたくさんの子どもたちを育む

⑤ワーク:スポーツで働く人を元気にする

 

なるほど、「ミズノミライビジョン」は、これからのミズノのモノやサービスづくりの指標となる、ミズノ版SDGsとも言えよう。佐藤さんによるMIZUNO ENGINEの設立経緯を聞けたところで、いよいよ体験取材の始まりである!

 

マーカーレスモーションキャプチャーで、高齢者の動きを測定!

まずは、足腰が弱くなった、高齢者の状態を疑似体験! この時のカラダの使い方を、最新のマーカーレスモーションキャプチャーで撮影することとなった。マーカーレスモーションキャプチャーは、文字通り、カラダに取り付けるマーカーなしで、カラダの動きを三次元でデータ化できるシステムだ。計測を担当してくれるのは、ミズノの矢野勇貴さんである。

 

体育館に設置された12台の専用カメラで人間の動きを撮影し、体型のシルエットから骨の位置を類推し、動画として3次元の映像にできる。骨の位置はあくまでバーチャルだが、複数の人間がいっぺんに動いても全ての人の解析が可能だ。これは、凄い! カメラに映し出されたのは、立派な爺さんの私。トボトボと歩く姿は、 “おぬしも老けたものよの~”と我ながら切なくなってくる。

↑12台のカメラを駆使するマーカレスモーションキャプチャーの測定担当、矢野勇貴さん

 

↑高齢者のカラダの状態を体験するキット。関節の動きを制限するサポーター、体幹と手足に付けるウエイト、曲がった腰を再現する固定具から成る

 

もちろんこのシステムは、老いを感傷的に測定するためでなく、新製品やサービスを開発するために使われる。現在も、ある高齢者向け商品のプロトタイプのテストが予定されているのだとか。マーカーレスモーションキャプチャーを使って、高齢者の動作を解析、これを基に仮説を立て、サービスや製品のプロトタイプを作り、テストして、実際の製品にする一連のプロセスを高速で回すのだ。

↑専用カメラは壁の高い位置にあり、マーカーも付けないので、カメラを意識せず、動きに集中できる

 

「今回は高齢者体験のキットで測定しましたが、実際に壮年と高齢者の歩き方のデータを比較すると、高齢者は、カラダの後ろ側が使えていないことが分かります。筋力または関節の可動域のいずれか、もしくは両方の低下で、カラダの後ろ側が使えなくなるのです。高齢者向けの製品を開発する際は、20~30代向けの製品とは求められる機能が全く異なるのです」(矢野さん)

 

12台のカメラで撮った画像を3次元の動画にまとめ、骨の位置を類推して動きを数値化。上は高齢者体験キットの筆者で、下は壮年の筆者。

 

なるほど、老いても活き活きと歩けるよう、今から準備しておくべきは、カラダの後ろ側の筋力と、ストレッチ。さらに、MIZUNO ENGINEで今後研究開発されるであろう、高齢者向けの製品を手に入れれば、鬼に金棒だ!

 

センサー内蔵球「MA-Q(マキュー)」で、ボールの回転数を丸見え化!

続いて訪れたのは、スポーツパフォーマンスラボという部屋。室内に用意された野球用のブルペンには甲子園と同じ土が盛られ、人工芝は西武ドームやナゴヤドームと同じモノが使われているという。筆者を待っていてくれたのは、ミズノの柴田翔平さんである。

 

「この部屋では、ゴルフクラブや野球バット、テニスラケットなどの試打計測などを、高速カメラや床反力計などを用いて行えます。今回ご用意したのは、複数のセンサーが内蔵された硬式球『MA-Q(マキュー)』です。MA-Qは、専用のアプリを使って、球速だけでなく、回転数や、回転軸の角度も解析できる回転解析システムです。実際に投げてみて、プロのピッチャーの球と比較していただきます」(柴田さん)

↑ミズノオンラインショップなどで購入できる「野球ボール回転解析システムMA-Q」。センサー本体(ボール)は、3万2780円(税込)。非接触の黒い充電器は別売りで、1万6500円(税込)。専用アプリは無料。毎晩、さっさと家に帰ってボールを投げたくなる楽しさ満載!

 

 

さっそくMA-Qを手に取ってみる。ステッチの色こそ青なので見慣れないが、持った感じは素人目には全く普通の野球ボールと見分けがつかない。それもそのはず、コアの部分にセンサーが入っている以外、重量、バランス、革、縫い目の高さまで普通の硬式球と全く変わらないのだとか。では、イッチョ、投げてみよう!

 

「投げていただいた結果は……。残念ながら大田原さん、球速、回転数ともに、小中学生以下でした(苦笑)。ボールの回転も、イメージはピストルの弾やドリルのような回転に近く、ボールが平均より沈むような球筋です。一方、プロ投手の球は、縦方向に回転するので、揚力が生まれ、ボールが伸びます。今までは球速ばかりを話題にしてきましたが、MA-Qを使って回転に着目すると、さらにいろいろなことが分かってきます。この施設では、MA-Qアプリの操作性を高めるテストも行っています」(柴田さん)

↑筆者の山なりのへなちょこボールをキャッチしてくれた、MA-Q計測担当の柴田翔平さん

 

ボールの回転数で分かる、ピッチャーの適性

柴田さんによると、回転数と球速の関係には、3つのタイプがあるという。

 

①回転数と球速が平均的なタイプ:よくあるタイプの球なので、打たれやすい。

②回転数が高いタイプ:実際の球速以上に球が伸びて見えるので、三振、フライになりやすい。

③回転数が低いタイプ:球速が上がれば、打ちにくいため、ゴロで打たせるタイプになりやすい。

 

飲食店に例えて書くなら①は、チェーン店のようにハズレがないが、大当たりは期待できない。次の、剛速球でカーブも使いこなす②は、いわば高級店。肘を痛める可能性があるが、味(球筋)は一流である。そして③は、商店街の街中華といったところ。外見からは判断できないが、当たれば大満足である! 柴田さんによると、筆者の球は③タイプに向いているという。回転数は上げず、球速を上げるような意識付けを行うと良い、とのアドバイスを受けた。データ的には小学生以下なので、伸びしろしかない。あとは、MA-Qを買って秘密トレ、味わい深い街中華を目指すだけである。

↑ちなみに、筆者の球速は約54㎞、回転数は1000rpmにも満たない。小中学生の平均が球速97㎞/h、回転数1434rpm (國學院大學神事先生取得データより)だという。今さらリトルリーグの小6に勝てる気はしないが、ちょっと悔しい

 

「MA-Qでのデータを活用すれば、子どもたちを含めた投手の適性や、今後の育成の方向を客観的に把握できます。無理に投球数を増やすことや、肘への過度な負荷を防ぐことにも役立てられます」(柴田さん)

 

ちなみに、MA-Qを使ったピッチングマシンの回転数コントロールのサービスは、まだ存在しないとか。対戦相手のピッチャーの球種に応じ、球速だけでなく回転数も似せたボールを再現できたら、勝利の確率が上がるのではないか……。素人じみた筆者の発想だが、そんな妄想が生まれるのがMIZUNO ENGINEのMIZUNO ENGINEたるところ! ミズノの各競技の専門家たちによる、MIZUNO ENGINEを起点とした製品やサービスのイノベーション。今から楽しみである。

 

フラットだけど、箱根のアップダウンを疑似体験!

最後に訪れたのは、モーションキャプチャーのラボ。赤外線光のカメラ12台が、反射マーカーを付けたカラダの動きを360度で捉え、3Dとして解析を行うことができる。反射マーカーは最小4㎜の間隔まで検知できるため、足関節の骨や、顔の表情筋の動きも忠実にデータ化できるという。計測のご担当は、古川大輔さんである。

 

さらにこの部屋には、日本ではMIZUNO ENGINEにしかない、あるメーカーのトレッドミルが設置されている。このトレッドミルには、地面にかかる力が計測できるセンサーが、走路全面に内蔵されている。これにより、走行時の着地の衝撃が、足裏のどの部分に、どれだけの強さで加わっているのかが瞬時に分かる。シューズ開発の肝である、ミッドソールのクッション性や反発性を測るための強力な武器なのだ。

↑左は、箱根の平均斜度6%。右は、最大斜度の13%。ジムにあるようなトレッドミルと異なり、走行面は硬く、オンロードのように走りやすい

 

「日本に1台しかない、このマシンが優れている点は、傾斜を可変させられる上に、逆回転ができることです。つまり、平地にいながら、坂道を上るだけでなく、下るテストまで可能です。スピードは、時速25㎞まで出ます。今日はせっかくなので、箱根の平均的な6%斜度と、箱根の最大斜度13%を再現してみますので、ぜひ、最新のランニングシューズ『ウエーブライダー26』を履いて、ウエーブライダー史上最高のクッション性を体感してみてください」(古川さん)

 

13%の坂を時速25㎞(1㎞を2分33秒)でアップダウンしたら、瞬時にトレッドミルの餌食になってしまう……。高級国産車が1台余裕で買える最新マシンを、筆者のテストで壊す愚行は避けたいところ。しかも反射マーカーは1個3000円。これまたお釈迦にするワケにはいかない。

↑最新の「ウエーブライダー26」の価格は1万4850円(税込)。プラス1個3000円という反射マーカーを全身に34個付けて走る。なんだかゴージャス!

 

 

「計測データが出ました。データ的にも、大田原さんの下りの動きは、スネの前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という筋肉が酷使される運動であることが分かります。反対に上りの動きは、ふくらはぎに負荷がかかりやすくなります。上りや下りでは、同じ『走る』という動作でも、平地を走ることとは全く異なるのです」(古川さん)

 

ランニングシューズ開発は、さまざまな走力を持つランナーに対して、それぞれに合ったクッション性と反発性を持つ最適解のシューズを提供することに尽きる。そのため、平地や下りでいかに衝撃を吸収し、地面反力を推進力に換えて前に進む、優れたミッドソールの開発が各社の最大の課題となっている。このテストも、シューズ開発の最前線を彷彿させる、まさにトレンドのテーマなのだ。

↑長年トレーニング施設を取材してきたが、下りのトレッドミルは初めての体験だ。左が箱根の平均斜度で、右は最大斜度。不慣れなので、目が泳いでしまい、脚運びが安定しなかった

 

古川さんによると、近年のミズノによる調査で、ランナーの走り心地の好み(感性)には大きく2つのタイプがあることが分かったという。

 

「1つ目のタイプは、『柔らかくフカフカとした走り心地』を好むタイプです。このタイプのランナーは、ソール全体が柔らかくて厚く、かかとからつま先にかけての傾斜(ドロップ)が比較的小さいシューズを好みます。2つ目のタイプは、『かかとからつま先までスムーズに転がる走り心地』を好むタイプです(筆者だ!)。このタイプのランナーは、ソールのとくにかかと部分が柔らかく、ドロップが比較的大きいシューズを好みます」(古川さん)

 

こういったスポーツをする人たちのメンタル面の研究も、MIZUNO ENGINEが掲げる大きなミッションだ。

 

なお、MIZUNO ENGINEには、シューズのミッドソール部材の物性試験を行う特殊な検査機械に加え、製造や加工を行う施設まで備えている。2日もあれば、プロトタイプを作って試し、改良のための検査を行う体制が、本社のすぐ隣に完備されているのだ。「はかる」「つくる」「ためす」の一連のプロセスがシームレスに、しかも高速回転するMIZUNO ENGINEの可能性は、まさに計り知れないのである。

↑MIZUNO ENGINE設計時から導入が決まっていたという、最新のトレッドミルでの計測を担当する古川大輔さん。ランニングの話だけに一晩中聞いていたい話ばかり! う~む、書ききれない

 

ということで、膨大な取材データにお腹も一杯、喉もカラカラだ。今回のレポートでは、MIZUNO ENGINEで誕生した新製品にはお目にかかれなかったが、レポートできる日は遠くない。スポーツの世界を拡げるアッと言うような新製品やサービスを取材すべく、またMIZUNO ENGINEにお邪魔させてくださいませ!

↑カラダを張った取材の後は、ミズノと南信州ビールが共同開発した、ビアテイスト炭酸飲料「PUHAAH(プハー)」でリラックス。フルーティなアロマホップで、飲みやすく、贅沢な気分に浸れる!

 

 

撮影/中田 悟

 

 

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ニューバランスの新ゴルフシューズ「FuelCell 1001v4」シリーズの歩きやすさとグリップ力に感動!

ニューバランスは1906年創業の世界を代表するスポーツシューズメーカーです。しかし意外なことにゴルフシューズを最初に発売したのは2016年でした。そこからわずか7年で多くのプロゴルファーが愛用する人気メーカーとなりました。今回、2023年春夏モデル「FuelCell 1001v4」シリーズの試着&体験ラウンドがあり、平川カントリークラブ(千葉県)で開催されたメディアイベントに参加してきました。

 

「FuelCell 1001v4シリーズ」は3機種のラインナップで、2機種がスパイクレス

筆者は2019年発売モデルの「1001v2」シリーズを長年愛用してきました。v2はバージョン2でv4はバージョン4ですから、2世代前の機種になります。

 

2021年発売モデルの「1001v3」シリーズを購入しなかった理由は、2019年に購入したシューズがまだ履けたからです。ゴルフシューズをどのくらいのペースで買い替えるかは、ゴルファーのラウンド回数や練習頻度によって変わります。筆者は年間ラウンド数15~30回で、練習時はゴルフシューズを着用せずにスニーカーを着用するので、1足のゴルフシューズが4~5年履けます。

 

そもそもゴルフシューズを買い替えるタイミングは、ソフトスパイクの鋲がすり減ってきたり、シューズの表面が汚れてきたり、雨の日のラウンドのアフターケアを怠ってイヤなニオイがついたりしたときくらいです。スパイクの鋲はすり減ったら鋲だけ取り替えができますし、シューズ表面の汚れや雨の日の水濡れはラウンド後に必ず手入れしますから、いいシューズは長持ちします。

 

ただ、メーカーとしては新しい素材やテクノロジーを日々研究しているので、よりよい商品を次々と開発し、世の中に送り出しているわけです。4年前のモデルと比べてどんな進化を遂げているのか楽しみです。

↑入り口で受付を済ませると、「本日着用していただくシューズはロッカーの中に入れてございます」とのこと。申し込みの際に足のサイズを伝えていたので、筆者の足に合ったシューズをロッカーに用意してありました

 

さっそく箱を開けると、まぶしいほどのイエローが目に飛び込んできました。

↑まったく予想していなかったカラーリングだったので一瞬ひるみました

 

そしてもう一つ意外だったのは、ソフトスパイクではなくスパイクレスシューズが入っていたことです。ソフトスパイクが入っていると勝手に思い込んでいたので完全に意表をつかれました。スパイクレスシューズはゴルフショップで試着したことはありますが、購入したことはありません。

↑今回が人生初のスパイクレスシューズでのラウンドになりました

 

ラウンド前に商品説明会がありました。説明によるとロッカーに入っていたのはFuelCell 1001v4シリーズ、スパイクレスタイプで防水性能に優れた「UGH1001v4」のイエローだということが分かりました。パネル上に直接BOA(R)ダイヤルを配置し、甲周りと踵のホールド感を同時に高める構造が特徴。そして、ニューバランス特有のFuelCell(フューエルセル)ミッドソールを使用しています。

↑「UGH1001v4」2万6400円(税込)。イエローとホワイトの2色展開です

 

このほかにスパイクレスタイプで防水性能よりも通気性能を重視したメッシュ素材の「UGS1001v4」と、ソフトスパイクで防水性能に優れた「UGB1001v4」の商品説明もありました。UGS1001v4はブラックとグレーの2色展開で、UGB1001v4はホワイトの1色展開です。すなわちFuelCell 1001v4シリーズは3機種中2種類がスパイクレスということになります。ソフトスパイクはほとんどオマケという位置づけです。

↑「UGS1001v4」2万3100円(税込)

 

↑「UGB1001v4」2万9700円(税込)

 

その理由は「ゴルフシューズを1足で済ませたい方はソフトスパイクよりもスパイクレスシューズを選ぶ傾向が高まっているので、そのニーズに応えるためスパイクレスのラインナップを充実させた」とのこと。

 

補足説明をすると、ソフトスパイクはゴルフ場の芝の上でのグリップ性能は高いのですが、練習場のマットの上ではスパイクの高さがあるのでボールとの距離が微妙に変わり、練習に適さないといわれています。筆者もそのことを考慮して練習ではスニーカーを着用しています。

 

しかし、スニーカーで練習するとスニーカーが傷みやすく、ボールを打つ瞬間に足元が滑ると感じる人もいるようです。そういう人は練習場でもゴルフ場でも履けるスパイクレスシューズを選びます。

 

数年前までは、スパイクレスシューズはソフトスパイクと比べるとゴルフ場では滑りやすいと言われていましたが、近年のスパイクレスシューズ人気の高まりによってメーカー各社が開発に本腰を入れ始めました。プロゴルファーが試合で着用しても不満を感じないほどグリップ性能が高いモデルが次々と発売されています。

 

ニューバランスでは、プロゴルファーが試合で着用するのはソフトスパイクの「2500v3」シリーズが圧倒的に人気ですが、そのテクノロジーをアマチュア向けモデルに搭載したFuelCell 1001v4シリーズではスパイクレスタイプをメインに打ち出したわけです。

 

そして商品説明会の最後にゴルフシューズの履き方レクチャーがありました。

↑初めて聞く内容で面白かったです

 

「シューズを履くときは、まずボアを全開に緩めます。そして1つ目のポイントはかかと側の硬い素材(ヒールカウンター)にかかとをしっかり合わせることです。2つ目のポイントはシュータンを引っ張ってラップ部分が縒れないようにすることです。3つ目のポイントはかかとを合わせたままつま先を上げながらボアを締めることです」。教わったとおりに着用すると、シューズのフィット感が明らかに向上しました。

 

ソフトスパイクと遜色のないスパイクレスのグリップ性能に感動

シューズUGH1001v4を着用し、いよいよラウンド開始。今回はシューズの体験ラウンドですからスコアは気にしません。スイング中のフットワーク、フェアウェイとラフと傾斜地を歩く感触、バンカーショット時のフットワークなどを確かめます。

 

普段履いている「1001v2」と比べて明らかに違うのは軽さです。どのくらいの重量差があるかは定かではありませんが、圧倒的に軽いので足取りが極めてスムーズです。

 

スイング時と歩行時のグリップ性能も、ソフトスパイクと比べて劣っているようには感じませんでした。スタッフの方によると「FuelCell 1001v4シリーズのソフトスパイクとスパイクレスを比較すると、やはりソフトスパイクのほうが、グリップ性能が高い」そうですが、「ひと昔前と比べて両者の差は明らかに縮まっている」とのことでした。

 

それとミッドソールのFuelCellの効果なのか、歩き心地が柔らかく感じます。これは靴裏にスパイク鋲が存在しないことも関係しているのでしょう。歩きやすさはスパイクレスが間違いなく上です。

 

続いてパー5のティーイングエリアで、ドライバーショット時の足のブレが抑制されていたかどうかをチェックするアトラクション。しかし残念ながらスイングのブレがひどくて、シューズの性能を体感することができませんでした。

 

ニューバランスのゴルフシューズを長年愛用する稲見萌寧プロも絶賛

ラウンド後はニューバランスのゴルフシューズを高校時代から愛用し、2020-2021シーズンの賞金女王に輝いた稲見萌寧プロのトークショーが開催されました。普段はソフトスパイク「2500v3」のシューレースモデル(ひもタイプ)を着用している稲見プロですが、この日はスパイクレスUGS1001v4のブラックを着用して登場。

 

↑「ニューバランスさんのシューズは柔らかくて、フィット感もあって、歩いていて疲れにくいのが一番いい点かなと私は思います」と新商品を絶賛しました

 

ちなみに稲見プロは、自分の足のフィット感が変わってしまうのがあまり好きではないので、練習場でもソフトスパイクを履いているとのこと。なので、ゴルフシューズを1足で済ませたいからといって必ずしもスパイクレスを選ぶ必要はなく、自分の好みで選べばいいとのこと。

 

一方で、ゴルファーの中には筆者のように「スパイクレスシューズはソフトスパイクよりも滑りやすい」という偏見を持っている人はいまだに多いと思いますので、FuelCell 1001v4シリーズのスパイクレスはゴルフ場でもまったく滑らなかったということは強調しておきたいです。

 

撮影/保井友秀、オフィシャル

 

 

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世界初! サブ4を目指すランナー向けシューズ「S4」誕生のきっかけはアシックス社長の不満から!?

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、中止や延期となっていたマラソン大会がようやく通常通りに開催されるようになってきました。自身の記録更新を目指すランナーにとっては、また目標を持ってランを楽しむことができます。そんなランナーたちの最初の壁であり、誰もが目指すのがフルマラソンを4時間以内で完走する“サブ4(S4)”です。

 

アシックスは今回、サブ4達成を目指すランナーに向けて『アシックス「S4(エスフォー)」ローンチイベント』を開催。シューズの販売だけでなく、トレーニングメニューやレースまで提供する、世界初のパッケージでサブ4達成を全力支援します。

↑「S4」は、2月16日よりアシックスオンラインストアで先行発売し、23日からアシックス直営店(一部店舗を除く)、全国のスポーツ用品店などで順次発売されます。価格は2万2000円(税込)

 

54歳で“サブ4”を達成した廣田社長が抱いた不満

アシックス代表取締役社長CEO兼COOの廣田康人氏もサブ4を目指したランナーの一人。50歳でランニングをはじめ、54歳で参加した「東京マラソン」でサブ4を達成し、現在も精力的に大会に参加していますが、シューズには不満を持っていました。

 

「世の中にはいろいろシューズはありますが、サブ4向けのシューズがないことは私にとって大いに不満がありました」(廣瀬氏)

 

そんな社長が自身の不満を解消すべく開発陣を呼び集め、サブ4専用シューズの作成を依頼。そうして完成したのが今回発表された「S4」なのです。

↑「サブ4を達成した時の喜びは今でもよく覚えている」という廣瀬氏

 

「この『S4』は、トップアスリート向けの『メタスピード』などで培った技術をふんだんに盛り込んだうえで、サブ4向けに安定性を高め、クッション性も取り込んでいます。サブ4ランナーにとって、大きな壁となる30キロ地点でも足が残っている。そんな構造としております。そして今回は、シューズをローンチするだけでなく、サブ4を達成するためのトレーニングコンテンツ、そしてサブ4を実現するレースも用意しました」(廣瀬氏)

↑シューズボックス内のQRコードからサブ4を達成するためのトレーニングメニューにアクセスでき、リアル、オンラインでメニューが体験できます。さらに、5月14日・大阪(淀川河川敷コース)、5月21日・東京(国立競技場)で、サブ4達成への挑戦をテーマとした特別フルマラソン「チャレンジ4」を開催します

 

レースでの記録向上を目指したい日本のランナーに向けて

昨年の東京マラソンでは、完走者1万8000名のうちサブ4達成者は30%程度と高い壁となっていますが、同社では日本のランナーはレーシング志向が強く、レースでの記録向上を目指すランナーが多いと分析し、まずは日本限定で発売。その結果を見て海外での展開も検討するようです。

 

この「S4」は、「Sub4(サブ4)」の「S」はもちろん、「Speed(スピード)」「Stability(安定性)」「Safety(安全性)」の4つの「S」の要素を備えています。続いて、パフォーマンスランニング フットウエア統括部 開発部の谷垣雄飛氏が商品の特徴を紹介しました。

↑「サブ4を目指すランナーに、私たちの最適解を届けたい」と語る谷垣氏

 

「S4」最大の特徴が、ミッドソール内の前部から後部にかけて搭載されているカーボンプレート。V字形状のプレートが、つま先に向かって下がるよう傾斜をつけて配置することで、着地から蹴り出し時の足の動きを安定させ、効果的に体を前方向へ推進させるようになっています。

 

「フォーム材は、『メタスピード』に搭載しているアシックス史上最軽量、高反発素材の「FF BLAST TURBO(エフエフブラストターボ)」をミッドソールの上層部に搭載し、下層部には軽量なクッションフォーム材「ブライトフォーム」を採用し、安定性も兼ね備えた最適な反発性を提供します。

↑着地と同時に変形、圧縮し、素早く元の形状に戻ることで、跳ね返るような感覚が得られる

 

また、安定性確保のためにアウトソールの接地面を広げることで、反発力を持ちながらもサブ4達成を目指すランナーに適したライド感になるよう工夫しました。さらに、耐久性の向上にもつなげています」(谷垣氏)

↑さまざまな路面コンディションでもグリップ力を発揮する「ASICSGRIP(アシックスグリップ)」

 

アッパーは、上位モデルのメタスピードのデザインを踏襲し、同シリーズや「エッジプラス」と同じ軽量かつ通気性に優れた「モーションラップアッパー」を採用。フィット性も高めています。

↑シューレースについてもメタスピードシリーズ同様、凹凸のあるシューレースを採用することで、走行時に発生する緩みも抑えます

 

「アシックスはこれまで、サブ4を目指すみなさまに『エボライド』『マジックスピード』『GT2000』など様々な商品を紹介してきましたが、それぞれのモデルと比較して、抜群の推進性が大きな特徴となっています。サブ4という壁は、最適なシューズとトレーニングメソッドで打破できるというメッセージを伝えたい。実際、開発中に協力してくれたランナーでも、10年間かなわなかったサブ4を『S4』を履いて達成しています。この『S4』との出会いが、みなさまにとって後押しになれれば光栄です」(谷垣氏)

 

サブ4達成に欠かせないのは継続性

続いて、先日の香川丸亀国際ハーフマラソンでシーズンベストの62分51秒を記録した、市民ランナーから圧倒的な支持と人気を集めるプロランナー・川内優輝選手が駆けつけました。ちなみに丸亀国際には廣田社長も参加し、「S4」を履いて1時間53分7秒で完走。

 

川内選手(中央)とともに、サブ4ランナーの代表として廣田社長(左)、アシックスランニングクラブ コーチでもあるママランナー・池田美穂さん(右)も参加し、トークショーが行われました。

↑それぞれの目線で「S4」の印象やサブ4について、和やかに行われたトークショー

 

まず「S4」を履いてみた印象について、それぞれ語ってくれました。

 

「デザインはアシックスのスピードモデルと似ていますが、履き心地は違う。スピードモデルは筋力が必要だったり、ある程度トレーニングをしないと履きこなせない。S4は安定しているので、サブ4を狙うランナーにはすごく履きやすい。踵から着地すると推進力が得られるので、踵着地のランナーにはすごく合うシューズだと思います」(川内選手)

 

「前方への足運びが良くて『このシューズは違うな』と思いました。丸亀国際で履き、自分では(1キロ当たり)5分30秒ぐらいと思っていたところ5分10秒でいけたので、かなりいいシューズだと実感しました。しかし、最初から突っ込みやすい私のような性格は、気をつけないといけないシューズだと思います」(廣瀬氏)

 

「履いてすぐにライド感(スムーズな重心移動)が分かり、アッパーのフィット感の高さもしっくりくるシューズです」(池田さん)

↑サイズ展開は22.5〜29.0cm(0.5cm刻み)。カラーはハザードグリーン×ホワイト1色のみ

 

そして、サブ4を達成するために必要なことについて、それぞれが語ってくれました。

 

「継続して練習することが大事。足が痛くなったら無理しない。故障して長期間練習ができないと難しくなってきます。日常生活のなかで少しでも走る時間を見つけて、15分でも10分でもいいので必ず走るという習慣をつけることが大事」(川内選手)

 

「まずは怪我をしないためにランニングフォームの見直し、ストレッチをして欲しい。そして、練習。またペース感覚を養ってほしい。今、何分ペースで走っているのか分かるのもひとつですが、自分の体は何分ペースだとどれぐらいまで持つのか、体力の残量を見極める力も必要。ハーフマラソンや30kmマラソンに参加することで、足の感覚と呼吸の感覚の判断力は付いていくと思います。勢いだけではなかなか42キロは行けません。自分の体力がどれくらいだったら最後まで歩かず、走りきれるかのペース配分を養えれば、フルマラソン4時間切れると思います」(池田さん)

 

「サブ4をなんとしても達成したいという気持ちを強く持つこと。市民ランナーの中でサブ4を達成しているしていないかは、勲章があるかないかぐらいのもの。勲章が欲しいという気持ちは大切だと思います」(廣田氏)

 

最後には、それぞれがサブ4を目指すランナーへの応援メッセージを披露しました。

↑「練習が必要とばかり言いましたが、私たちも一緒に頑張る。応援している人がいっぱいいることを思い出してほしい」(池田さん)

 

↑「自信を持って出したサブ4ランナー向けのシューズです。みなさんにサブ4を達成していただきたい」(廣田氏)

 

↑「防府読売マラソンはサブ4を達成することで出られる大会。サブ4を達成するということはステータスになる。一緒に走りましょう」(川内選手)

 

近年は、厚底シューズ中心に各メーカーがトップランナー向けの革新的なシューズを発表していますが、一般のランナーにとっては憧れるものの、どうしても履く人が選ばれます。しかし今回発表された「S4」は、見た目はトップモデルながら多くのランナーが安心して履けるシューズ。

 

サブ4を目指すランナーだけでなく、新型コロナなどの影響でブランクがあるサブ4達成者など、力強くランをサポートしてくれる「S4」とともに、パッケージも見逃せません。

 

撮影/我妻慶一、編集部、オフィシャル

 

 

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HOKA(ホカ)の“元味”! クリフトン 9/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2023「HOKA」冬の陣② クリフトン 9の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、フレンチアルプスの麓アヌシーで開発された、元祖“厚底”ブランドHOKAのロードランニング代表モデル「CLIFTON(クリフトン) 9」である。

↑2023年2月15日に登場した「クリフトン 9」。メンズ10色展開、ウィメンズ10色展開(2023年2月より新色を順次展開)、2万900円(税込)

 

「“HOKAを履いてみたい”とおっしゃるお客様に、自信を持って私たちがお勧めするシューズが『クリフトン』です。機能的にもHOKAのラインナップの中心に位置して、一番ニュートラル。クリフトンは、言わばHOKAの“元味”です」。

 

と語るのは、日本におけるHOKAの販売戦略を担当する大庭貴士さん。大庭さんによると、クリフトンは開発当初、トレイルで培ったHOKAの機能をロードで活かすモデルのひとつだったという。

↑今回お話を伺った、デッカーズジャパンHOKA担当MD(マーチャンダイザー)大庭貴士さん

 

 

クリフトンを軸に、さまざまなモデルを開発される

「バランスが良いモノを作ったら、結果的に“元味”になった、というのが実情です。モデルが増えてゆくに従い、クリフトンを軸にして、さまざまなモデルが開発されるようになりました。クッション性があって、楽にトレーニングできるロードモデルという課題が先にあってクリフトンが出来たので、最初からHOKAを代表するシューズを作ろうとしたのではありません」(大庭さん)

 

クリフトンのターゲットは、最初にHOKAを履く人、ランニングを始めようとされる人、クッション性のあるトレーニングモデルを探している人、そしてフルマラソン42.195㎞を4~5時間かけて楽に完走したい人だという。

↑2層構造のアッパーは、素材が重なる部分を肉抜きし、圧着パーツも削減して、軽量化と耐久性を確保している

 

さらに厚底を3㎜増量、でも軽量に!

「最新のクリフトン 9では、ミッドソールを前モデルから3㎜厚くしましたが、重量は少し軽くなりました。素材のEVAのブレンド比率を調整することで、着地時のクッション性は高いまま、蹴り出しが強くなりました。HOKAのメタロッカージオメトリー(爪先と踵がゆりかご状にラウンドさせたロッカー構造)だけでなく、ミッドソールの素材そのものの機能も高めました。履き心地では沈み込み、蹴り出すと良く足が回ります」(大庭さん)

↑前モデルより3㎜厚くなったミッドソールながら、軽量になった。27cmのシューズであれば2g軽くなっている

 

圧倒的なボリュームのミッドソールに対し、クリフトンのアウトソールは張り付くように配されている。クリフトン 9では、アウトソールのラバーの位置を変更することで、中足部への負担を軽減。中足部のミッドソールも削られにくくなったという。

↑右は「クリフトン 8」。左が新作のクリフトン 9。足運びをスムースにすべく、中足部のアウトソールを改良している

 

ランナーが、走る快適さを求めて開発

「地味な部分ですが、足の甲にあたるガセットタンは、内側だけシューズのアッパーに固定されています。そもそもガセットタンは、タンを安定させるためのモノなのですが、内外両方をアッパーに連動させると、足入れが窮屈になってしまいます。タンは、歩いたり走ったりすることで、カラダの内側から外側に向けて引っ張られますから、内側を固定するだけで、タンがズレる気持ち悪さが防げます。開発者がランナーですから、何が快適なのかを、良く知っています」(大庭さん)

↑内側だけシューズに固定されたガセットタン。ローテクながら、ランナーに嬉しい設計だ

 

ヨーロッパ車と同じ発想のホールド感

クリフトンを含めたHOKAのシューズの特徴は、踵から中足部にかけてのアクティブフットフレームという部材で、しっかりと足が納まるようにしている点だ。昨今、ヒールカウンターが薄くなっているモデルが多く登場しているが、HOKAはホールド感を重要視している。

 

「シューズのクッションを活かすためにも、そして指先がしっかり使えるためにも、踵から中足部のホールド感は重要です。長時間の運転でも疲れさせない、しっかりしたシートを採用するヨーロッパ車と同じ発想です(笑)」(大庭さん)

↑踵から中足部にかけて、足をしっかりホールドするアクティブフットフレームという構造体が入っている。上から触っても、その存在がハッキリ分かる

 

 

いよいよ、クリフトン 9を試走!

いよいよ、クリフトン 9の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレ。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで、実際にフィールドを走ってみた。

 

3つのペースは、以下の通り。「運動不足解消」が目的であれば、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分(=キロ6分)のゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。クリフトン 9の実力、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

内側だけ固定されたガセットタンは、なるほど履きやすい。立ち上がっても、外見からつい想像してしまう奇異な感じは全くしない。厚底ながら、フラットな安定感。ドロップ(踵から爪先にかけての傾斜)が5㎜なので、当然と言えば当然。それにしてもクリフトン  9、よく沈む。

 

歩くとさらに、HOKA自ら“マシュマロ”と表現するクッション性を、まさに堪能できる。厚切りのステーキで例えれば“レア”。HOKAの“元味”をレアでいただく……と書くと、何の原稿だか分からなくなるが、このクッション性だけでも履く価値がある。加えて、HOKAのミッドソールの命ともいえる洗練されたロッカー構造「メタロッカージオメトリー」で、サクサクと歩ける。こんなフカフカさで走ったら、足が疲れるのでは? と、少々不安になるくらいだ。

 

【運動不足解消ジョグ(1kmを7分で走るペース)】

運動不足の解消のペースは、の~んびりが基本。1回走っただけでは、運動不足は解消しない。長続きさせるには、気楽に、散歩の延長の“散走”くらいがちょうどよい。休日の午前中、行先を決めず、ペースを落とし、時折止まってもOKで走ってみよう。という、の~んびりペースでのクリフトン9のクッショニングは絶好調だ。

 

厚切りステーキに例えると“ミディアムレア”。レアで感じたクッション性はそのまま、低速で走っても安定感まで失われてはいない。歩いている時に感じた不安感は、少し薄れてきた。しかも、見た目以上に軽い。厚底=重い、と勝手に思ってしまうが重量は248g(27㎝の場合)しかない

 

【痩せラン(1kmを6分で走るペース)】

散歩ならぬ“散走”だけでも、継続さえすれば、お腹周りはシュッとしてくる。継続できたあなたは、週に1回の“散走”を、週に2、3回にバージョンアップさせるチャンス到来である。ベルト穴の2段飛ばしシェイプも、夢ではないのだ。

 

1キロを7分で走る“散走”ペースから、さらに脂肪燃焼効率の高い1キロ6分に変えると、クリフトン 9の走り味が変化する。ミッドソールのクッション性に加え、バネが効いてくる。同じシューズなのに、乗り味が変わる不思議さだ。ミディアムレアの生感から、火が通ることでタンパク質が熱変性するのと同じく、クリフトン 9のミッドソールに硬さが出てくる。

 

ちなみに、筆者が、な~んにも考えずにクリフトン 9を履いて気持ちよく走ったペースは、1キロ6分10秒ほど。なるほど開発時のターゲット的にも合致している。筆者が最初にHOKAを履いた、クリフトン 2でウルトラマラソンを走ったペースもほぼ同じ。個人的な好みとしては、クリフトン 2の少し硬めのミッドソールの方だが、昨今の軟らかブームに竿を指すわけにもいくまい。

 

【スカッと走(1kmを4.5〜5分で走るペース)】

続いては、フィジカルではなく、メンタルのケアのためのラン。速く駆け抜け、気分を切り替え、喉の渇きをグビグビとさせたい方向け「スカッと走」である。フラットな路面を速く駆け抜けようとすると、クリフトン 9のミッドソールのバネは、ちと重い。設計が違うのだから、当然と言えば当然だ。

 

だが、坂道を走ると話は変わる。心臓バクバクで坂を上り、一気に駆け降りると、クリフトン 9のミッドソールは、まさに“ウエルダン”になる。坂道での走行で、クリフトン 9のミッドソールのクッション性と反発性がいかんなく発揮され、転がるように足が回る

 

撮影とは異なる日に、近所の石畳の激坂でも試してみたが、クリフトン 9の広い踏み面は不安定な石畳をしっかり掴み、ミッドソールのクッション性もあって、不安なく駆け降りることができた。多くのウルトラマラソンのコースには、必ずやっと走り切れる程度の、斜度の長~い坂が待ち構えている。クリフトンを選ぶ人が多い理由は、まさにアップダウンの強さにあると改めて気付かされる。

 

フレンチアルプスのトレイルランニングで培われたHOKAの衝撃吸収と安定性は、やはり坂で発揮されるのだ。う~む、また100㎞走りたい気分になってきたぞ!

 

 

撮影/中田 悟

 

 

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FIFA「THE BEST」はベンゼマ? エムバペ? それともメッシ? 日本からも最終候補が!

国際サッカー連盟(FIFA)は、その年の男女の最優秀選手賞や優れたコーチ、ゴールキーパーなど、様々なカテゴリーの「THE BEST」を決める「ザ・ベストFIFAフットボールアウォーズ」を、2016年から毎年行なっている。

 

ファンによる投票は日本時間2月4日の午前7時59分で締め切られ、各賞の最終候補者が発表された。最優秀の結果は28日、パリで開催される恒例の式典で発表となる。

 

なかでも気になるのは、やはり男子の最優秀選手だが、これまではクリスティアーノ・ロナウドの2連覇に始まり、2020年、21年はバイエルン・ミュンヘンのロベルト・レヴァンドフスキが連続受賞している。今回、2022年の最終候補はカリム・ベンゼマ、キリアン・エムバペ、リオネル・メッシの3人に絞られた。

 

2021/22シーズンに国内と欧州でレアル・マドリードを栄光に導いたベンゼマ。UEFAチャンピオンズリーグで15ゴール、国内のラ・リーガでは27ゴールでともに得点王となった。

 

パリ・サンジェルマン所属のエムバペはチームで来日し、ワールドカップではフランス代表として1966年以来史上2人目となる決勝戦でのハットトリックを達成。通算7試合で8得点を挙げゴールデンブーツ(得点王)にも輝いた。

 

そして、ワールドカップを制したアルゼンチンを牽引したメッシ。2014年のブラジル大会に続き、史上初となるワールドカップ2度目のMVPも受賞。今大会でワールドカップ最多試合出場記録も更新し、10代、20代、30代のすべてでワールドカップでの得点を記録した唯一の選手となった。

 

また今回、非常に興味深いのがファンアワード。最終候補には、ワールドカップで代表チームを応援するため、サウジアラビアの砂漠を55日間かけて歩いてカタールに到着したアブドゥラ・アル・サルミ氏や、ワールドカップで勝利を収めたアルゼンチンのサポーター、そして、試合後のスタジアム清掃が世界から称賛を受けた日本代表サポーターとなっている。

 

さて、2022年の最優秀選手は誰が選ばれるのか。ベンゼマ、エムバペが受賞すれば初、メッシは2019年以来2度目の受賞で、史上3人目の複数回受賞者となる。そして、ファンの「THE BEST」では日本代表サポーターが再び脚光を浴びるのか。その答えは間もなく明らかにされる。

女子プロ卓球“カトミユ”の新たな武器は、ヴィトンの卓球セット!?

Tリーグ・九州アスティーダに所属するプロ卓球選手の加藤美優が、自身のツイッターに画像を投稿。手には見慣れた高級ブランドのラケットが。

 

「ずっと悩んでたヴィトンの卓球セットを買いました~ 運命 私のために生まれてきたと信じています笑」のコメントとともに、届いたボックスを開封する動画もアップすると、閲覧回数は10万件を超えた。

 

「似合っている」とファンからのコメントが寄せられ、同じTリーグ・トップおとめピンポンズ名古屋の鈴木李茄からの「ラケットもそれ使うんですか??」のコメントには、「うちはインナーフォース使うけどりかちゃんには18日ヴィトンの方お貸ししましょうか?」と返信。さすがに慣れているラケットは手放せないようだ。

 

このラケットセットは、ラケット2本とボールホルダーがセットに。カバーは、お馴染みの「L」と「V」のイニシャルと星の花のモチーフを並べたモノグラム柄。価格は海外の公式オンラインストアを見ると2280ドル(約30万円)となっている。

 

もちろん加藤の実力はトップクラスで、小学生全日本選手権で福原 愛を抜く4勝を挙げた最多記録は現在も破られていない。また、1学年下の伊藤美誠、平野美宇、早田ひなとともに“黄金世代”の一人ともいわれ、昨年の全日本選手権女子シングルスでは、伊藤、早田に次ぐ3位に入った。

 

また“カトミユ”の愛称でも親しまれ、パワフルなプレーとは対照的に、インスタのオシャレな投稿が話題になっている。

 

この投稿をInstagramで見る

 

加藤美優 Miyu Kato(@miyu.chibicha)がシェアした投稿

 

プライベートを公開する卓球選手が少ないなか、“カトミユ”の更新は貴重。髪色を水色やネイビーにしたり、現在の金髪の理由をツイッターで公開したりなど、SNSをチェックすればコートでの熱い戦いもまた違った視点で楽しめるのでは。

「HOKA(ホカ)」のMDに聞いた快進撃の理由!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2023「HOKA」冬の陣① MDに聞く、日本戦略の巻

 

ランニングシューズの厚底化の勢いは、とどまることを知らない。実業団や大学のトップ選手など、いわゆるエリートランナー向けの厚底+カーボンプレートのレーシングモデル。その彼ら彼女らがトレーニングで使用する、カーボンプレート無しの厚底モデル(プレートがない分、脚への負担が軽くなる)。そして、こうした風潮を試してみたい我々一般ランナー向けの厚底モデル。さまざまな厚底ランニングシューズが、スポーツショップの棚を埋め尽くし、自分に合った一足にたどり着くのは、なかなか大変な時代となっている。

↑今回取材にお邪魔したのは、HOKAのポップアップストア「HOKA Marunouchi」(東京・千代田区)。シューズは、HOKAの代名詞ともいえるモデル「CLIFTON(クリフトン)」の9代目である

 

そんな現在の厚底ブームの源流を辿ると、2009年にフランスで生まれた「HOKA(ホカ)」に行きつく。HOKAはトレイルランから始まり、現在ではロードランニング、トレイルでもロードでも使えるオールテレイン、ハイキング用など幅広いラインナップを揃え、破竹の勢いでそのファンを増やしている。

↑HOKA設立期、ロゴもないプロトタイプ(後の「MAFATE⦅マファテ⦆」に繋がるモデル)。ミッドソールを取り囲むように黒のメッシュを張り付け、ミッドソールへかかる着地衝撃を反発性に活かす工夫が施されている。硬質のメッシュと中のクッション材が、いわばサスペンションの役割を担っている

 

見た目から判断できない、HOKAのフツーの快適さ

筆者がHOKAを代表するロードモデル「CLIFTON(クリフトン)」の2代目を初めて履いたのは、かれこれ7年ほど前。最初は、あまりに厚底なので……と遠目に見ていたのだが、足を入れると、あらビックリ。何の違和感もなく、むしろフツーに快適。

 

何だかんだと履きこむうちに、アップダウンが激しい100㎞のウルトラマラソンでも、何度も筆者のへっぽこ走りを支えてくれる一足になっていた。と、前置きが長くなったが、今日は、HOKA快進撃の理由を、日本での販売戦略を担当するMDの大庭貴士さんに取材すべく、東京・丸の内のポップアップストアにお邪魔したのであった。

↑今回お話を伺った、デッカーズジャパンでHOKAのMD(マーチャンダイジング)を担当する大庭貴士さん(左)

 

フランス生まれ、アルプス育ちの厚底シューズ

「HOKAは、スイス国境に近いフランスのアヌシーという街で生まれました。アヌシーは、フレンチアルプスに近く、HOKAはトレイルランニングのシューズからスタートしました。覚えておいていただきたいのは、私たちは単に、厚底を流行らせたかったわけではないということです。下りの衝撃吸収にミッドソールを厚くすることが有利なので、その機能を表現するために、結果的に厚底に行きついたのです」(大庭さん)

 

HOKAの日本戦略も、最初のターゲットはトレイルランナーだった。急拡大するトレイルのレースでのHOKAの使用率もうなぎのぼり、今のオンロードでのレースでHOKAが当たり前になっている以上に、HOKAはその分厚い顔でトレイルランナーたちの耳目を惹いたのだ。

 

山からオンロード、そしてファッションへ

「それまでも厚底のシューズは世にありましたが、HOKAは厚底にクッション性とスピード性という機能を求めました。ミッドソールのクッション性を活かして推進力に換えるために、揺りかごのように爪先と踵を滑らかに削り落とした『メタロッカージオメトリー』も特徴です。きれいにロッカーに乗り込めるように、ドロップ(踵から爪先にかけての傾斜)を小さくしてフラットに履けるようにしています」(大庭さん)

 

たしかにそれまでも、ヨーロッパやアメリカ発信で、敢えて厚底にすることで足の機能を高めることを狙ったシューズは存在していた。しかしHOKAは、こうした発想とは異なり、厚底に快適な走りを求めたことで、トレイルランニングブームを追い風に、ヨーロッパから北米、そして日本へ、オフロードからオンロードへ駆け出していったのだ。

 

「ボリューム感のあるシューズなので、ファッション感度の高い人たちも手にしてくれました。セレクトショップでの取り組みも始まり、そこから一般の方々にも認知が拡がったのだと思います」(大庭さん)

↑2017年より日本で本格展開を開始したHOKA。最もクッション性の高い定番シリーズが「ボンダイ」、そしてボンダイと並び人気なのがクリフトンである。左は「クリフトン 8」、右は「ボンダイ 8」

 

実は、「UGG(アグ)」や「Teva(テバ)」の家族!

新しいスポーツとしてトレランが広く認知されるこの時期、日本でのHOKAの展開は現在のデッカーズジャパンが執り行うことになる。デッカーズジャパンは、機能的かつファッション的にも支持されるブーツブランド「UGG(アグ)」やサンダルブランド「Teva(テバ)」も展開している世界的なフットウェアカンパニーだ。機能(パフォーマンス)軸でも、ファッション軸でも、きちんと商品の魅力を伝えることは同社の得意領域だ。

 

しかもデッカーズジャパンの伊藤輝希GMは、スポーツブランドの出身である。当時筆者も、伊藤GMからHOKAを扱う熱い意気込みを何度も聞かせてもらっていた。現在、HOKAの直営店では、3Dスキャンで足のサイズや形を計測しおすすめのシューズを提案するサービスや、最新のランニングシューズを試走できるトレッドミルを完備している。上記の全ての歯車がキチンと嚙み合って、現在の日本でのHOKAの人気に繋がっている。

 

厚底の正体は、EVA系素材

ずっと気になっていたのは、厚底の中身。大庭さんに聞きたかったのは、厚底の素材は何か? 見た目も手触りもEVAなのだが、HOKA自らミッドソールをマシュマロに例えるほど軟らかい。

 

「EVAをベースにブレンドして、強度や反発を変えています。EVA系は使い勝手が良いので、温度に左右されやすいウレタン系の素材はあまり使っていません。いわゆるエラストマー系素材も、今のところ使用していませんね」(大庭さん)

 

HOKAの故郷のフレンチアルプスでは、昼夜だけでなく標高によっても気温が1日の中で大きく変わる。EVAにブレンドしている素材などの技術的な部分は非開示となっているが、厳しいトレイルの環境でも十二分に耐えられる素材配合だと大庭さんは語る。

 

HOKAのロッカー構造には、2つの種類がある

「HOKAのロードモデルは、勾配が大きく変わらない路面で、足運びのローテが良くなるメタロッカージオメトリーを採っています。踵から爪先にかけて足裏全体が転がるような長いロッカー(HOKAでは「アーリーステージ メタロッカー」と呼ぶ)です。一方のトレイルモデルやハイクモデルは、不安定な路面でも安定させた上で、楽にロッカーを使えるように、中足部から爪先にかけてのロッカー構造(同じく「レイトステージ メタロッカー」)になっています。

 

HOKAでも、速さにこだわるランナーに向けて、マニュアルのスポーツカーのような、シューズの企画も行っています。しかしほとんどのモデルは、一般の方がスポーツとして走ったり歩いたりすることを楽しめるように、スピードも出るけれど、安定感もあるシューズとして受け入れられるように開発しています」(大庭さん)

 

ということで、次回はいよいよHOKAのランニングシューズの試走レビュー! 試すのは、HOKAのオンロードシューズの代名詞「CLIFTON(クリフトン) 9」(2月15日発売)である。

 

撮影/中田 悟

 

 

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機能とデザインの両面に特化! ニューバランスのランニングアパレルコレクション「Impact」2023年新作発売

ニューバランスジャパンは、ランニングアパレルコレクション「Impact」2023年の新作を発売します。

 

ランニングショーツはストレージにフォーカスし、多機能で便利なポケットを多彩に搭載。スマートな収納力で必要な物を便利に携帯できる「MULTIFUNCTIONAL POCKET(マルチファンクショナルポケット)」を配置。Zipつきバックポケットでスマートフォンや鍵、ICカードなどの小物を収納可能で、パンツの腰部分にあるルーフポケットは、脱いだジャケットをかけておけるので、手に持ったり腰に巻いたりするストレスを軽減できます。

 

軽量メッシュ素材が特徴のショートスリーブTシャツは、高い吸湿速乾性と、通気性が良く衣服内の快適に保つ冷却効果がある「NB ICE X(エヌビー アイスエックス)」を搭載。速乾性と軽量性で汗をかいても快適な素材に加え、細かいメッシュが透けを押さえつつ、走った後もドライな状態をキープします。

 

ショートスリーブTシャツとショーツは、Tシャツワンポイントロゴと両サイドのパイピングテープに反射材「360°リフレクター(Reflectivity)」を搭載。同社史上最高の反射力で、前後左右どの向きからも高い反射力を発揮し、夕方や暗い夜でも、ランニングやウォーキングを安心して楽しむことができるとしています。

 

ラインナップの詳細や価格は、同社公式サイトをご覧ください。

“新人”那須川天心のツイート閲覧が200万件超え! 第2章へのワクワクが止まらない

“キックボクシング史上最高の天才”と称される那須川天心が自身のSNSで、“新人”とのタイトルとともに日本ボクシングコミッション発行の「プロボクサー新人テスト申込書」の写真を投稿。ツイッターは瞬く間に閲覧者が増え、200万件を超えた。

 

高校1年生の2014年7月12日にキックボクシングのプロデビュー戦を迎え、1ラウンド58秒でKO勝利を飾った那須川。それから2022年6月の現スーパー・フェザー級王者の武尊に勝利するまで、無傷の42連勝と敵なしの快進撃を続けてきたがキックボクシングを引退。

 

その決意の裏には、“転身”への新たな決意があった。キックボクシングや総合格闘技で全盛を誇っていた2021年4月にボクシングへの転向を表明したのだ。

 

那須川にとって大きな転身は初めてではない。5歳の時に極真空手を始め、小学校5年生で極真空手ジュニア世界大会で優勝。しかし、そのときに出合ったキックボクシングに魅了され転身している。

 

今年1月、帝拳ボクシングジムでトレーニングする那須川は、「プロボクサーになるための準備を進めています。皆さんの期待を大きく超えるよう準備してるので楽しみに待っていてください。第2章を皆で一緒に闘おう」のメッセージとともに画像を自身のツイッターで投稿。

 

すると閲覧数は250万件を越え、SNS上では数多くの応援メッセージが届いた。そして今回の投稿で、フォロワーからは「ついに」「いよいよ」といった、ともに迎える第2章へのワクワク感が止まらないファンからのコメントが続々と届いている。

 

一説には4月にプロボクサーとしてのデビュー戦を迎えるともいわれている那須川の第2章。快進撃はどこまで続くのか。そして次はどのようなサプライズを起こすのか。那須川の動向はファンならずとも目が離せない、

アーバンスポーツ「BMXフリースタイル」のルール、トリックについて学ぼう!

これまでのストリートカルチャーのイメージから大きく変化。4年に一度のスポーツの祭典で正式競技として採用されたことでアーバン(都市型)スポーツとして、若者を中心に注目されているのがスケートボードやBMXです。しかし、実際はこれらについて、どのようなルールで行われ、どんなトリック(技)があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

(C)JFBF

 

2024年のパリ大会では日本人ライダーのメダル獲得も期待されるBMXフリースタイルについて、日本代表監督と全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)の理事長を兼務する出口智嗣さんに、ルールと多彩なトリック、そしてフリースタイルの魅力を伺いました。

 

見た目以上に過酷なフリースタイルの世界。危険なトリックに果敢に挑むライダーたち、そして、お互いにリスペクトし合い競技後に見せる感動のシーンなど、これを読めばBMXフリースタイル競技を見る目が変わるでしょう。

<識者紹介>

JFBF理事長:出口智嗣さん

1977年岡山県生まれ。10歳でBMXに出会い、BMXレースで3度の全日本チャンピオンを経験。16歳でプロ契約し、21歳でフリースタイルに転向。フリースタイルシーンをリードしたが、競技中に大怪我に遭い29歳で引退。その後、全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)を設立し、日本代表監督としてもBMXフリースタイルの選手育成に尽力。2022年設立の「岡山県アーバンスポーツ協会(通称アックス)」の理事長も務める。

 

BMXとは?

1960年代後半から70年代前半、アメリカ・カリフォルニア州でバイクのモトクロスに憧れた子どもたちが自転車で真似をして、20インチの自転車で土の上を走り回った遊びがBMXのルーツです。

 

ストリートのカルチャーを受け継いでいるため、カジュアルで手を出しやすく世界中で人気があり、やがてスポーツの祭典の公式種目に(2008年の北京大会でBMXレース、2021年の東京大会でBMXフリースタイルが正式種目に)認定されました。

 

BMXには大きく分けて、コースを走ってタイムを競う「BMXレーシング」と、技の難易度や完成度、トリックの組み合わせや構成、ジャンプの高さなど総合的な採点が行われる「BMXフリースタイル」があります。

 

「BMXレーシングは、バイクのモトクロスを自転車で行う競技です。全長300mぐらいのコースに3ヶ所のコーナーや複数のジャンプ台があり、8人で一斉にスタートして一番にゴールした人が勝ち。服装としてはフルフェイスヘルメットを被り、レーシングスーツやモトクロスのジャージを着ます。対して、トリック(技)を披露するBMXフリースタイルは総称であり、さまざまな種目が存在します。」(出口さん)

 

BMXフリースタイルとは?

そんな「BMXフリースタイル」には、厳密には4つのジャンルがあります。スポーツの祭典で採用されている「BMXフリースタイル」は、そのなかの「BMXパーク」にあたります。

 

■BMXパーク

35m×35mや40m×40mくらいの四角いフィールドに、すり鉢状のハーフパイプやジャンプセクションがいくつもあり、選手はこれらの地形を活かしながら、さまざまなトリックを繰り出します。一般的にはスケートボードのパークで、スケーターたちとともにプレーすることが多いのが特徴。近年、このようなフィールドが全国各地に誕生しています。

 

■BMXストリート

街中に存在する手すりや壁、階段などを使ってトリックを披露します。その名の通り、場所はストリートなので、BMX1台あればパフォーマンス可能。「BMXフリースタイル」のなかで、一番競技人口が多い種目になります。

 

■BMXフラットランド

舗装されたフラットなエリアでBMXをくるくる回して、いかに足を地面につかずに回転できるかなどの独創性を競います。約3分の制限時間内で技を披露し、その完成度や構成が採点されます。2018年からはフラットランドのワールドカップも行われています。

 

■BMXダート

セクションやジャンプ台が土(ダート)で作られており、そのパーク内でジャンプ技を披露します。見た目は良いのですが、街中では行えず山の中などでの開催となるので、観戦が難しいという点がネック。トリックの難易度やオリジナリティを競います。

 

BMXフリースタイルのルールについて

(C)JFBF

自転車競技のなかで唯一、審査員による採点種目なのが、BMXフリースタイルです。

 

「BMXフリースタイル(パーク種目)は制限時間の中でコース内を自由に滑走します。予選は60秒で2ラウンド行い、決勝も60秒で2ラウンド行います。予選は1本目と2本目の平均点で争われ、そのため2本とも決めないと高得点となりません。準決勝からはベストラン方式で、2ランのうち良い得点を採用。そのため、準決勝からは一発決めれば勝ちとなり、BMXフリースタイル本来の面白さを感じられるルールになっています。

 

ランで重視されるのが、本質的な自転車のコントロールのうまさとトリック。一方、トリックをかっこよく決めても、ランディング(着地)でゲシったら(※編集部注:着地する際に、自転車の後輪がエッジなどに当たってしまうミス)減点です。基本採点は加点法ですが、減点もありますね。1ランに多くて12~13回飛んでいるのですが、1つのジャンプミスがすべてに響いてきます。すぐには次のジャンプがしづらくなり、縦回転や横回転などのトリックにうまくつなげられなくなります。」(出口さん)

 

BMXフリースタイルは、BMXとオープンフェイスヘルメットがあれば、プロテクター(推奨はされていますが)なしでもOK。ヘルメットの顎ひもを締めれば、グローブもなしでそのまま走れます。

 

「本当はプロテクターやグローブはあったほうが良いですが、かっこわるいから着けない。以前、オーストラリア・ゴールドコーストで開催された『2022年 UCI BMXフリースタイル ワールドカップ オーストラリア大会』に15歳の選手を連れて行きました。

 

その選手は練習時は胸などにプロテクターを着けていましたが、大会のときは『邪魔だから着けたくない』『かっこわるいから嫌だ』と着けませんでした。それくらい選手はスタイルにもこだわっています。」(出口さん)

 

BMXフリースタイルの代表的なトリック(技)について

フリースタイルには、基本となる4つのベーストリックがあります。これらのトリックをうまく組み合わせ、高難度のトリックを60秒間の中にどれだけ取り込むかで勝敗が決まります。

 

■バースピン

(C)JFBF

ハンドルを360度回転させるストリートでよく使われるベーシックなトリック。重心は後ろに残し、片方の足はペダルに、もう一方の足はペグに置きます。片方の手でハンドルを手前に引き、もう片方の手でキャッチします。

 

■テールウィップ

(C)JFBF

空中で自転車を後方に蹴って、ハンドルを軸に自転車を横に1回転させるトリック。2回転はダブルテールウィップ、3回転はトリプルテールウィップと呼ばれています。

 

■スリーシックスティー(360)

(C)JFBF

ハンドルを握ったまま自転車も一緒に、名前の通り360度、横方向に1回転させる上級トリック。比較的ポピュラーな技。

 

■バックフリップ

(C)JFBF

自転車とともに縦に1回転、後方宙返りする非常に難易度の高いトリック。1回転して元の前向きの体勢で着地を決めた時点で「メイク」したと表現されます。

 

「4、5年前は『ダブルバックフリップ』と言って、後方宙返りを2回するトリックは1人のライダーができるかどうかでしたが、今では大会中に5、6人出てきます。そうなるとベーシックになりすぎてポイントが上がりません。

 

そこで、ほかの選手がしないコンボ(技のセット)に挑戦する必要が出てきます。以前、(中村)輪夢(選手)が考えたのが、スリーシックスティーをしながらダブルバースピンして、ノーハンドでもう1回バースピンというコンボでした。見事に成功させ、高得点につなげました。

 

技の難易度はもうテッペンに来ていますね。あとは60秒の中に、どれだけ高難度トリックを取り組むかという競い合いになっています。」(出口さん)

 

BMXフリースタイルの魅力について

ダイナミックな空中技で会場を沸かすBMXフリースタイル。

 

「視覚から入るインパクトは、多分ほかの競技にはありません。縦回転や横回転などのトリックは、実際目の前で見ると鳥肌が立つと思います。」(出口さん)

 

選手ごとに個性的なトリックが次々と披露されるので、初めて見ても飽きることがありません。そこでお気に入りの選手を見つけたら、2本目はどんなトリックに挑むかなども楽しめます。そしてもう一つ、実際にフリースタイル競技を経験していた出口さんだからこそ知っている魅力が「リスペクト精神」です。

 

「テレビなどでは競技映像しかほぼ出ていませんが、例えば2020年エストニアで行われた『Simple Session 20』で、輪夢が初めて世界大会で優勝したとき。先に走っていたブランドン・ルーポス選手(オーストラリア)がとんでもないトリックを見せ、優勝確実だと思われましたが、そのあと輪夢が逆転したんです。

 

輪夢の走りの後、真っ先に走ってきたのがルーポス選手でした。そこにほかの選手も集まって、輪夢をワーッと胴上げしました。『お前すごいな』という感じでしたよ(笑)。ほかの競技の監督やコーチからよく『選手は人生を懸けている』と話を聞きますが、BMXは『今ある命』を懸けているんです。これを飛んだら死ぬかも、ということを分かっていてもみんな飛んでいる。

 

ジャンプ台って前から見ると壁に見えるんです。その壁へ40km/hくらいの速度で走っていってジャンプし、トリックをする。『命を懸けて』お互いやっているから『お前はすごい!』とリスペクトできるんです。」(出口さん)

 

競技後、リスペクトし合う選手同士が称え合う感動のシーンには、フリースタイルならではの魅力が凝縮されているのです。

 

BMXフリースタイル注目の日本人選手

(C)JFBF

日本時間12月12日まで、オーストラリアで行われた『ワールドカップ』の最終戦では、ジュニアの男女とも日本人選手が優勝するなど、世界的にも日本のレベルは高く、全世界からも注目されています。そのなかで、日本を代表するのが以下の選手たちです。

 

●中村輪夢(なかむら りむ)20歳

17歳でBMXフリースタイルの世界大会「X Games」で準優勝し、大会史上最年少でメダルを獲得。「ワールドカップ」でも日本男子で初優勝を記録した、世界からも注目されている選手です。2021年の東京でのスポーツの祭典では5位入賞。

 

●大池水杜(おおいけ みなと)26歳

2018年の「ワールドカップ」で日本人女性初の優勝を記録。2022年の全日本選手権では、2年ぶり5度目の優勝を果たしました。2021年の東京でのスポーツの祭典では、7位入賞。

 

2024年にフランス・パリで行われるスポーツの祭典で、正式種目として2度目の採用となった「BMXフリースタイル」。前回の東京大会では、日本人男女とも入賞で競技の認知度は高まりましたが、次回はメダルの獲得が期待できそうです。鳥肌モノの豪快ジャンプ、そして「命を懸ける」選手たちの走りをじっくり堪能しましょう。

 

 

撮影/我妻慶一 文/マイヒーロー

ダルビッシュ「宮崎キャンプの初日から行きます」ツイートで侍ジャパンへの期待高まる!

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)公式アカウントが投稿した、第2回WBCで侍ジャパンが連覇を達成した瞬間の動画をサンディエゴ・パドレス所属のダルビッシュ有がリツイート。自身のツイッターで宮崎キャンプからの参加を表明した。

 

日本では、メジャー組の参加が大幅に遅れることが報道されていた中でのツイートにファンは歓喜。同日、ユーザーからのリプライに対し「嘘はついていなく、早期合流が難しいのは確かです。ただ自分の場合はベテランであるためパドレスが融通をきかせてくれました」と経緯を説明。

 

これまで、メジャーリーガーの参加は保険などの問題で大会会開幕直前の強化試合からしか出場できなかったが、日本野球機構(NPB)が主催者側と交渉し、2月からの参加も可能になったようだ。

 

交渉は球団ごとになっており、現在は大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)、鈴木誠也(シカゴ・カブス)、吉田正尚(ボストン・レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)らの合流は大会直前になる見通しだが、今後の展開では参加が早まる可能性もある。

 

そんな中、大谷は自身のインスタグラムのストーリーズで豪快な打撃動画を投稿。すかさずメジャーリーグ(MLB)公式SNSが「ショウにオフシーズンはない」と紹介するなど、調整は順調に進んでいるようだ。

 

また、国内では各チームのキャンプがスタートしたが、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆はキャンプインの1週間前から自主トレを開始。

 

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村上宗隆(@ys_munetaka55)がシェアした投稿

 

昨年パーフェクトゲームを達成し、MLBからも注目されている千葉ロッテの佐々木朗希はキャンプ前日の自主トレですでにWBCで使用する国際球で100球以上を投げ込むなど準備を進めている。

 

3大会ぶりに複数の日本人メジャーリーガー(過去最多5人)が参加するWBC。第5回大会となる今回は、前回優勝のアメリカをはじめ、前々回優勝のドミニカ共和国など、各国が最強チームで世界一に挑む。

 

侍ジャパンは2月17日から宮崎でキャンプが始まり、25、26日には宮崎で福岡ソフトバンクホークス、3月3、4日には名古屋で中日ドラゴンズと強化試合を行う。そして、3月9日から東京ドームでWBCが開幕する。

 

シーズン開幕前の大一番、大会史上最多2度優勝の侍ジャパンが3度目の世界一となり、再びダルビッシュが雄叫びを上げることができるのか。期待が高まるWBC、気になる選手の動向を知るためにも、それぞれのSNSも見逃せない。

ユナイテッドアローズ ゴルフとゼロハリバートンがコラボ! ネイビー×白のコーディラシリーズ「NAVY COLLECTION」を展開

ユナイテッドアローズは、同社が展開する「UNITED ARROWS GOLF/ユナイテッドアローズ ゴルフ」にて、バッグメーカーのエースが展開する米国発トータルラゲージブランド「ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)」とコラボレーションしたゴルフアイテムを、3月17日に発売。2月18日よりオンラインストアにて先行予約会を開催予定です。

↑キャディバッグ

 

コラボアイテムは、ゼロハリバートンが展開するゴルフコレクションの「Codura Series(コーデュラシリーズ)」のなかからセレクト。コーデュラシリーズは、ゼロハリバートンを象徴するダブルリブのデザインがさりげなく施されたシリーズで、本体素材にはPUを裏張りしたコーデュラナイロン1000dnを使用し、高い耐久性と撥水性が特徴です。

↑クラブケース

 

今回のコラボ「NAVY COLLECTION」は、新たに開発した深いネイビーカラーで別注。ブランドの象徴であるダブルリブデザインやブランドロゴを鮮やかなホワイトカラーにすることで、深いネイビーとのコントラストが、ゼロハリバートンの堅牢なイメージに遊び心とクリーンな印象をプラスします。Wネームのオリジナルサークルロゴやファスナーの引手など、細部にもこだわっており、一部バッグ類は、旅行やビジネスなどでも使えるよう、ネイビーのワントーンにしています。

↑ボストンバッグ

 

税込価格は、キャディバッグが6万9300円、クラブケースが2万9700円、ボストンバッグが3万9600円、カートバッグが1万7600円、カートポーチが1万7600円、シューズケースが1万4300円、スコープケースが1万4300円、ヘッドカバー ドライバー用が1万1000円、ヘッドカバー フェアウェイウッド用が9900円、ヘッドカバー ユーティリティ用が8800円、ヘッドカバー パター(マレット/ブレード)が8800円です。

↑スコープケース

八村 塁との競演にも注目! レブロン・ジェームズのMVPジャージが約5億円で落札

レイカーズ移籍のデビュー戦でいきなり12得点、6リバウンド、1アシスト、1スティールと期待に応えた八村 塁。第1クォーター残り4分22秒から出場し、第2クォーターで“キング”こと、レブロン・ジェームズのアシストを受けて得点するシーンも。

 

“キング”ジェームズは1月16日に通算3万8000得点を達成。これはカリーム・アブドゥル・ジャバーに次ぐ得点記録で、マイケル・ジョーダンでさえ通算得点が歴代5位の3万2292得点なので、そのすごさがわかるだろう。

 

さらには、オールスターの先発10人が発表され、今回もファン投票1位となる741万8116票を獲得し自身19回目の出場を決めたレブロンだが、同19回選出のジャバ―は1973年に出場機会がなく、レブロンが今回出場すると歴代1位となる。

 

そんな“キング”にまた一つ伝説が加わった。昨年12月に米大手オークションサイト「サザビーズ」に出品されたファイナル着用ジャージが370万ドル(約4億8000万円)で落札された。

 

これは2013年、マイアミ・ヒート時代のファイナル第7戦で着用されたもので、ゲームハイの37得点に12リバウンド、4アシスト、2スティールをマークしヒートの2連覇に貢献。2シーズン連続でシーズンMVPとファイナルMVPを同時受賞した記念すべきジャージでもある。2シーズン連続同時受賞はNBA史上ジョーダンとレブロンの2人だけだ。

 

この価格は史上3番目の高額で、1位は1998年のNBAファイナル第1戦でジョーダンが着用したジャージが1010万ドル(当時、約14億円)、サッカー界のレジェンド、故ディエゴ・マラドーナが「神の手」ゴールを記録したジャージは930万ドル(当時、約13億7000万円)で落札されている。

 

八村の加入でレイカーズの試合を見る機会が増えそうだが、その際には“キング”のプレーもお見逃しなく。ちなみに、同時に落札額が発表された故ダイアナ妃のドレスは60万4000ドル(約7800万円)と、これまでオークションで販売された中でもっとも価値のあるドレスとなった。

スタイルを格上げする艶やかな輝き! 「ゼロハリバートン」ゴルフコレクションから高級ジャカードを使用したハイエンドモデル

エースは、米国発トータルラゲージブランド「ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)」のゴルフコレクションから、コーデュラシリーズをベースに、イタリア・リモンタ社の高級ジャカード「CARBODACAM BIG」を使用したハイエンドモデルを、2月より順次発売します。

 

CARBODACAM BIGは、細い繊維が綿密に織り込まれ、独特の光沢を放ち、光の当たり方によって様々な見え方を楽しめるジャガードナイロン。肉厚ながら手ざわりも良く軽量で、生地の裏にPUの裏張りをすることで張りを持たせ、撥水加工も施しています。

 

カラーバリエーションは、ブラウンカモ、ネイビーカモ、ベージュカモの3色。キャディバッグ2種類と、ヘッドカバー、トートバッグ、カートトートをそれぞれ販売し、トータルコーディネートも可能です。

 

税込価格は、キャディバッグが14万3000円、スタンド式バッグが13万2000円、ドライバーカバーが1万6500円、フェアウェイウッドカバーが1万4300円、ユーティリティカバーが1万3200円、パターカバーが1万3200円、トートLが6万6000円、トートMが5万5000円、カートトートが3万3000円。

大谷翔平と八村 塁。南カリフォルニアで活躍する2人のアスリートが奇跡の2ショット!

米スポーツメディア「ザ・スポーティング・トリビューン」のアラシュ・マルカジ氏が自身のツイッターで、「日本でもっとも人気のある2人のアスリート、八村 塁と大谷翔平は現在、南カリフォルニアを本拠地としている」と題して公開したツーショット画像が話題となっている。

 

この日、大谷が所属するエンゼルスと同じ、ロサンゼルスを本拠とする名門、レイカーズが八村をトレードで獲得したことを発表。注目の2人の日本人選手が南カリフォルニアでプレーすることとなった。

 

NBAは現在シーズン真っ最中で、レイカーズはこの時点で22勝25敗。8チームがプレーオフに進出できるカンファレンスのなかで12位、巻き返しを図るために2月9日のトレード期限を前に補強に動いた。

 

レイカーズといえばバスケファンなら誰もが知る名門。NBA史上最多タイの優勝17度を誇り、“キング”ことレブロン・ジェームズを筆頭に、アンソニー・デイビスや八村の元同僚のラッセル・ウェストブルックといったスター選手を擁する。

 

レイカーズは1人の選手と今後3回の2巡目指名権と引き換えに八村を獲得。公式ツイッターでは日本語で加入を歓迎。ワシントン・ウィザーズでは「8」を付けていた背番号は、2020年に事故で亡くなったスーパースター、コービー・ブライアントの永久欠番となっていることから、自身の誕生日(2月8日)から「28」となった。

 

一方、エンゼルスで2018年からプレーする大谷だが、この日はチームにとって大きな動きがあった。

 

昨年8月から検討していた球団売却を取りやめ、現オーナーのアルテ・モレノ氏とその家族が引き続き球団を保有することを発表。モレノ氏が球団を買収したのは2003年で、前年まではウォルト・ディズニー・カンパニーが保有し、2002年には球団初の世界一に。しかし、その後は世界一には届かず、ここ7年は連続して負け越すなど低迷している。

 

ファンは新オーナーによるチーム再生に期待していたが、どうやらそれは叶わないようだ。今季終了後にFAとなる大谷の去就が改めて注目される展開になってきた。

デサントが機能性と素材にこだわる新レーベル「MOVESPORT」! 新世代アスリートによる「MOVESPORT UNIT」も発足

デサントは、大谷翔平や石川祐希など、世界のトップアスリートとの共同開発に基づいて機能美を追求したアイテムで定評の「MOVESPORT(ムーブスポーツ)」を2023年春夏シーズンより新たなコンセプトのニューレーベルとして展開することを発表。同時に、未来のスポーツシーンを牽引する新世代アスリートによる「MOVESPORT UNIT(ムーブスポーツユニット)も発足しました。

 

「日常をもっとスポーツのように。」をコンセプトとした「MOVESPORT」

「ムーブスポーツ」は、主にアスリートが競技シーンで活躍するためにパフォーマンスを最大限発揮できるよう考えて作られたウェアでしたが、今後は多様化するライフスタイルに合わせたスポーツウェアと日常着を融合した新たなレーベルとして展開します。

 

「デサントのイメージといえば、野球、バレーボール、スキー、ゴルフ、水沢ダウン、そして『ムーブスポーツ』とバラバラでした。しかしながら本日、『デサント』と『ムーブスポーツ』のブランドをしっかりとカテゴリー、レーベル、ブランディングを分けることで、デサントとは何ぞやということがようやくできるようになりました」とデサントジャパン代表取締役社長の小川典利大氏は、力強く新レーベルの立ち上げを発表しました。

↑次世代を担うアスリートとともに世界に羽ばたくことを宣言した小川氏

 

「ムーブスポーツ」のコンセプトは「日常をもっとスポーツのように。」。従来のスポーツシーンだけでなく、日常のシーンでも着られるウェアを目指します。

 

「我々はスポーツを広義に捉えています。今までのスポーツは競技シーンでしかなかった。しかし、動くことすべてがスポーツ。睡眠、食事、通勤や通学、これらをすべてスポーツだと捉えています。アスリートがパフォーマンスを発揮するシーンだけでなく、日常シーンすべてがスポーツでパフォーマンスシーンだと捉え、商品開発しています」と、MOVESPORT 商品企画担当の弘中貴大氏は語ります。

↑「スポーツで培ってきた機能を入れつつグラフィックなデザインの次世代のスポーツウェア」と語る弘中氏

 

↑デサントの「スピリットマーク」ではなく、新ロゴ「ムーブスポーツ」が配される

 

「MOVESPORT UNIT」が登場!

ニューレーベルの始動を機に、5つの異なるジャンルで活躍する新世代アスリートが結集した「ムーブスポーツユニット」を発足。

 

(写真左から)フィギュアスケートから、2022-23年東日本Jr選手権優勝の中田璃士選手、2022-23Jrグランプリファイナル出場の中井亜美選手、2022-23グランプリファイナルに出場した渡辺倫果選手の3名。2016年のX Gameで日本人初のメダルを獲得したスケートボード バーチカルの芝田モト選手、2020年東京オリンピック強化選手に選抜されたBMXフリースタイルの大和晴彦選手、日本代表女子ジュニア強化指定選手のBMXレーシング早川優衣選手、そして2022年の「リードジャパンツアー大阪大会」優勝のスポーツクライミング楢崎明智選手と世界ユース選手権リード部門で2連覇中の久米乃ノ華選手が登壇。

↑「ムーブスポーツ」を表現者として体現する注目のアスリート8名が壇上に並びました

 

「すごく軽くて動きやすいので、スケートをしている時にピッタリだなと思いました」(中田選手)、「冬とかになると体が冷えてしまうので、その時にこれは軽くて暖かい」(中井選手)、「ストレスなく着心地もいいので、成績にも反映すると思います」(渡辺選手)など着心地の良さをコメント。

↑左からフィギュアスケートの中田選手、中井選手、渡辺選手

 

「軽くて動きやすく、パフォーマンスをしていてもひきつることもなく、すごく動きやすかった」と、芝田選手は述べました。また、ファッションモデルも務める大和選手は「プライベートでも洋服が好きで、普段からこういうデザインがあったらいいな、など考えています。なので、デザイン面でも今後協力できたらいいですね(笑)」。

↑左からスケートボード バーチカルの芝田選手、BMXフリースタイルの大和選手

 

「まだこのウェアを着て練習ができていないので早く練習をしたい」と早川選手は語り、楢崎選手は「クライマーたちの中でもムーブスポーツを着て登っている選手が増えて、新しい波が来たらいい」。そして久米選手は「新たなムーブ(動き)が生まれそうです」など、ユニットの抱負も語ってくれました。

↑左からBMXレーシングの早川選手、クライミングの楢崎選手、久米選手

 

小川社長も「いまの若い人は、日本という狭い場所だけを見るのではなく、グローバルを見ている方が多い。我々デサントは昔ながらの日本の企業ですが、古い思想に閉じこもっていてはいけない。やはり新しいところに目を向けて、新しいスポーツにデサントとしても一緒になって邁進していきたい」と、ユニット発足の狙いを語りました。

↑壇上に設置されたミニランプでスケートボードとBMXのパフォーマンスを披露。すでに息の合っている技に会場は沸いた

 

2023春夏シーズンは、スポーツウェアの開発で培った動きやすいパターン設定や接触涼感素材など、機能を搭載したTシャツやカットソー、アウター、パンツなどアパレル52型に加え、キャップやバッグなどのアクセサリー25型、計77型をラインナップしています。現在デサントオンラインショップなどで販売中。

↑ウェアには2種類の糸を使ったデサント独自の特殊な生地「S.F.TECH」を使用することで、ストレッチ性と型くずれしにくい張りも実現

 

↑パンツの膝裏には1本のダーツが入れることで足を曲げやすく、動かしやすくなっているなど、見えない部分でも機能性が入っている

 

アスリートにとってウェアはパフォーマンスを左右する重要なアイテム。そんな彼らが納得の「ムーブスポーツ」を日常で着用すれば、私たちの生活もより快適になるかもしれません。次世代を担う「ムーブスポーツユニット」の面々の活躍とともに、ウェアにも着目してはいかがでしょう。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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プーマ「ディヴィエイト ニトロ 2」、“軟いけれど跳ねる”大胆不敵な野心作!/「大田原透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2023「プーマ」冬の陣②ディヴィエイト ニトロ 2の

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、北米のランニングカルチャーの拠点ボストンで開発された、プーマのランニングにおける世界戦略シューズ「DEVIATE NITRO 2(ディヴィエイト ニトロ 2)」である。

↑「ディヴィエイト ニトロ 2」 1万9800円(税込)。カーボンプレートを搭載し、“誰でも履けるみんなの厚底”を掲げる、プーマランニングのスタンダードモデルのひとつ。写真の2023SSカラーは、2月上旬発売

 

「プーマがお薦めするシューズは『ディヴィエイト ニトロ 2』。“誰でも履けるみんなの厚底”というコンセプトのシューズです」

 

と語るのは、プーマのランニングの商品企画担当・安藤悠哉さん。見るからに“速そう”な雰囲気の安藤さん。それもそのはず、青山学院大学駅伝部の元主将という“ホンモノ”のランナーだ。前回の萩尾社長も含め、ランニングに対するプーマの意気込みが伝わってくる布陣なのである。

↑安藤悠哉さん/プーマ ジャパン株式会社マーチャンダイザー。箱根の10区を走り青山学院大学3連覇・大学駅伝3冠のゴールテープを切った、陸上競技部の元主将

 

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ビギナーでも履ける、カーボン入りシューズを開発

ディヴィエイト ニトロ 2は、見た目は流行の厚底シューズ。しかも、トップランナーが使うようなカーボンのプレートが入っている。この連載企画は、あくまで、普通の人が快適に走れるシューズが対象。ちょっと不安である……。

 

「カーボンプレート入りのシューズは、トップランナー向けと思われがちです。しかし、ディヴィエイト ニトロ 2は、トップランナーのトレーニング用として、ビギナーの方にも、普段から履いてもらえるシューズとして開発されました」(安藤さん)

↑シューズ中央の凹み奥にチラリと見えるのが、カーボンの「パワープレート」。中足部だけでなく、足裏全面に入っている。また、アウトソールには「プーマ グリップ LT」と呼ばれる、グリップ力が強く、かつ削りにくく耐久性に優れる素材が使用されている

 

カーボンプレートの特徴は、カーボンの硬さによる反発性だ。そのため、ひとつ間違うと怪我のリスクを高める可能性が付きまとう。それが、走る筋肉を鍛え上げたランナーのシューズを対象に、カーボンが採用されている理由でもある。ディヴィエイト ニトロ 2が、カーボンプレートを搭載しつつ、ランニングのビギナーにも履けるシューズになっている秘密は、ミッドソールにあると安藤さんは語る。

 

ミッドソールは、驚くほど軟らかい!

「ディヴィエイト ニトロ 2のミッドソールには、高い反発性とクッション性を持つ、2種類のフォーム材を採用しています。ひとつは、かかとから前足部にかけての『ニトロ フォーム』。もうひとつは、前足部を中心に入れている、さらに軽量で高反発な『ニトロ エリート フォーム』です。ニトロ エリート フォームには、『陸上競技のスパイクにも使用されている高反発な特殊素材』も注入されています」(安藤さん)

 

実際に触れてみると、前足部の「ニトロ エリート フォーム」は驚くほど軟らかい。プーマは、独自のフォーム材の素材は企業秘密ということだが、一般的なクッション材であるEVA素材にはない驚異的な軽さと軟らかさがある。

↑ミッドソールのホワイト部分が、ニトロ フォーム。グリーンがニトロ エリート フォームだ。プーマは、早くからミッドソールの現在の流れのひとつである、エラストマー系素材に注目し、製品化してきた。エラストマー系素材は、軽量で高反発、温度や湿度などの環境に左右されにくく、劣化もしにくい(しかしコストが高い!)。プーマのニトロ フォームとニトロ エリート フォームは、エラストマー系素材と考えるのが自然だろう

 

“誰でも履けるみんなの厚底”

「2層構造により、かかとから前足部にかけてのニトロフォームで着地の安定性を保ち、前足部のニトロ エリート フォームによって軟らかさと高反発性を実現しています。この構造によって、ディヴィエイト ニトロ 2は、カーボンプレートを搭載しながら、ビギナーでも走れるシューズになりました」(安藤さん)

 

ディヴィエイト ニトロ 2は、前足部からかかとにかけて曲率(いわゆるロッカー構造)が比較的にフラットだ。ロッカーが大きい、ゆりかごの形状だと、転がるように進む。確かにスピードが出るのだが、これまた怪我のリスクを高める可能性がある。

 

「いわゆる“シューズに走らされる”ことがない設計です。前足部にあるロッカーも、フォーム自体が軟らかく沈み込むため、見た目ほど大きくありません。自分の感覚でしっかりと地面を踏んで、でもプレートの推進力を感じてもらえるので、 “誰でも履けるみんなの厚底”なのです」(安藤さん)

↑初代「ディヴィエイト ニトロ」から大きく変わったのは、かかと部分。軽量化を求めて、レーシングに近い肉薄タイプを、肉厚タイプに変更。しっかりとホールドさせたという

 

「カーボン入りシューズの敷居を下げる」

そもそも、ディヴィエイト ニトロ 2にカーボンプレートを入れた意図は、何なのだろう? 軟らかなミッドソールのフォーム材とカーボンプレートは相反する組み合わせなので、大いに気になる。

 

「シンプルに“速さを味わっていただきたい”という理由です。初代の「ディヴィエイト ニトロ」は、2021年SS(春夏)に登場しました。まさに、各社のプレートシューズが一斉にローンチされたタイミングです。プーマは、カーボンプレート入りのシューズの敷居を下げる、というコンセプトを2代目のディヴィエイト ニトロ 2にも継承しています。このシューズで使用されているカーボンプレートは、フルサイズながら、ハードになり過ぎないナチュラルな成型を施しています」(安藤さん)

 

前回ご登場いただいた萩尾社長の話でも、「ディヴィエイト ニトロ 2は、着地のファーストインパクトは軟らかだけれど、カーボンが弾いてくれるので良く進む」と評価していた。これは、試さずにはおれないぞ!

 

プーマのグローバル75周年を祝ったデザインのディヴィエイト ニトロ 2ブラックカラーモデルには、アニバーサリーのインソールが入り、2023年4月より展開予定。75周年モデルは、ディヴィエイト ニトロ 2の他にも、レーシングモデル、サッカー、ランニングアパレルでも予定している。

 

いよいよ、ディヴィエイト ニトロ 2を試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ディヴィエイト ニトロ 2の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約430秒~5分で走る(キロ4.55分)「スカッとラン」。ディヴィエイト ニトロ 2、どこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

足入れは、軟っ♡ 今までに履いたどのシューズでも得たことのない感覚。私の足は、昔気質の登山靴などの硬~い靴に慣れてきたので、最新技術を投入したミッドソールによる足入れの軟らかさには、正直、舌を巻かざるを得ない。軟いけれど跳ねる、という矛盾する機能を持つ野心的なシューズだけに、なるほど驚くほど軟らかだ。

 

ウォーキングでも、シューズの感覚を確かめる。トゥ(つま先)の反り返りはキツくなく、安定している。厚底シューズの多くが、かかととつま先とが弧を描くロッカー構造を採用している。理由は、ミッドソールのクッション性が高すぎると、推進力が得られないため、ロッカー構造で転がるように進むからだ。しかし、ディヴィエイト ニトロ 2には、カーボンソールが採用されている。推進力をロッカー構造に頼る必要がない、ということだろう。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

運動不足の解消のペースは、ゆ~っくりが基本。景色を楽しんだり、気になるガーデニングショップに寄り道したりなど、運動習慣を楽しく身に付けたい。ディヴィエイト ニトロ 2は、着地の軟らかさに反して、バネがある。実際に走っても、着地時のフォームの沈み込みと連動して、カーボンプレートの反発性が発揮されているように感じる。転がらない安心感、しっかり地面をつかむ安定感があるのだ。シューズの重量は片足262g(27㎝)と若干重めだが、気になるほどではない。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

走る運動習慣が付けば、カラダをシュッと絞るべく、週2回以上のランニングを心掛けたい。ディヴィエイト ニトロ 2のミッドソールには、クッション性の高さと反発性を併せ持つ軽量のニトロ エリート フォームが搭載されている。ニトロ エリート フォームは、低速では軟らかく、高速では反発性を発揮する。少しスピードを上げると、ミッドソールのパフォーマンスを体感できる。軟らかさはあるが、沈む感じはなくなる。カーボンプレートと共に、カラダが前に進むのだ。

 

距離を踏むと、普段のランニングではない筋肉の使い方を感じる。理由は、やはりカーボンプレートの存在だろう。データを取った訳ではないが、蹴り出しの位置が、他のシューズよりも手前(中足部)にある印象だ。土踏まずのアーチや母指球から強いバネで押し出される感じ。なお、私はファンラン志向の昭和のヒールストライカー(かかと着地)なので、カーボンのバネをより強く感じたのかもしれない(前足部=フォアフットで着地する方は、異なる感覚を得るはず)。

 

今回のインプレでは違和感はなかったが、毎日10㎞以上走る頻度の高いトレーニングを積むのであれば、今どきのカーボンソールを履きこなすべく、フォアフットでの着地にフォーム矯正をするか、時間をかけてシューズを慣らした方が賢明だろう。マイルドな乗り味ではあるが、カーボンはカーボン。速さと硬さという諸刃を持つという特性を、忘れてはならない。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

荒川(東京)の河川敷で行われた記録会でも、ディヴィエイト ニトロ 2を履いてみた。10㎞を4分40秒のペースで走る。ひゅ~、脚が残っている感覚♡。もっとペースを上げたくなるほどだ。なるほどカーボンソールは、しっかり走りをアシストしてくれている。一歩のストライドが大きく感じるし、10㎞走り終えても、まだ脚が残っている感覚だ。まだまだ速く走れそう。

 

しかしながら、このスピード感に、私の心肺機能や筋や腱が追いつくかは、全く別の問題。カーボンのバネに私の足が慣れていないため、アーチと足首回りに今までにない刺激を感じた。ハーフマラソン(21㎞強)で試すのは、もう少し普段のトレーニングでディヴィエイト ニトロ 2を履きこんでからだ。それにしても、ディヴィエイト ニトロ 2のカーボンプレートの速さの魅力は捨てがたい

 

撮影/中田 悟

 

 

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サッカーキッズを応援! 小さな子どもでも着脱しやすいジャンパー「アンブロ はじめてウーブンジャケット」

デサントジャパンが展開する「アンブロ」は、主に小学校低学年のサッカーを始めた子どもに向けて、子どもが自分で着脱しやすいように、ファスナーや裏地に工夫をしたジャンパー「アンブロはじめてウーブンジャケット」を発売しました。税込価格は7590円。

 

同製品は、はっ水・防風機能を持ったジャンパーで、サッカーの行き帰りや寒い時期の練習で着用するアウター。

 

ファスナーの差込口に挿入を補助するパーツを付けて差込口を広くし、補助パーツの色も認識しやすいフラッシュイエローを採用することで、まだ手先が器用ではない子どもでも、スムーズにファスナーを閉められるようサポートしています。

 

裏地も工夫を施し、メッシュを肩回りや太もも周りなど汗をかきやすい必要最小限の箇所のみに配置。袖口や裾などの裏地をなくし、引っかかりや裏地の飛び出しを軽減し、かつファスナーの上げ始めの箇所からも裏地を無くしているため、ファスナーが裏地を噛みにくい仕様になっています。

↑赤色部分のみに裏地を配置

 

暗い道での視認性を高めるために、再帰反射をロゴや胸と太腿部分に配した大き目のデザインマークに採用。光るマークのかっこよさも、子どもが「着たくなる」ポイントです。パンツのふくらはぎのファスナー部分にも採用しており、上下で着用した際に前後両方向に再帰反射が配置されるよう工夫しています。

 

また、同製品はセットで着られる「はじめてウーブンパンツ」とあわせ、「子どもの自立心を育てながら、親の着替え負担も軽減する」アイテムとして、2022年度(第16回)キッズデザイン賞を受賞しています。

↑はじめてウーブンパンツ(税込6490円)

車いすテニス界のレジェンド・国枝慎吾が引退を表明。「国民栄誉賞」がトレンド入り

車いすテニス界のレジェンドとして数々の偉業を成し遂げている国枝慎吾が、自身のSNSで現役引退を発表。SNS上では“勇気と感動”への感謝のコメントが殺到するとともに「国民栄誉賞」に推す声も寄せられ、「国民栄誉賞」が一時、ツイッターのトレンドとなった。

 

国枝は2021年の東京パラリンピックのシングルスで金メダルを獲得。2022年には悲願だったウィンブルドン選手権を制し、テニスの4大大会(全豪・全仏・全米オープンとウィンブルドン)すべてを制し“生涯グランドスラム”を達成、さらにパラリンピックでも金メダル獲得で“生涯ゴールデンスラム”を達成した。

 

今回、引退の決意に至った理由について、「夢が叶った東京パラリンピック後から引退についてはずっと考えており、昨年念願のウィンブルドンタイトルを獲得してからは、ツアーで戦うエネルギーが残り僅かである事を感じる日々でした。昨年10回目の年間王者になった事で、もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です」とつづっている。

 

国枝が現役を退く届を提出した国際テニス連盟(ITF)は、国枝の引退発表をリツイートした16分後から、車いすテニス史上もっとも成功した男子選手のルーツや、数々の偉業を分単位で投稿した。

 

さらに国枝の妻・愛さんもツイッターを投稿。

「普通の人には見られない景色をたくさん見せてくれてありがとう! 我がサポートに一片の悔いなし!!!」などと記している。

 

ツアーを周りはじめて20年、車いすテニスの4大大会では男子世界歴代最多50回の優勝を飾り、年間最終世界ランキングは現在を含め計10回1位を記録した、まさに“レジェンド”。

 

「2006年に初めて世界一になってから17年。最後まで世界一位のままでの引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください(笑)」このコメントからも、偉ぶらず、謙虚さやユーモアを忘れない国枝の愛される人柄が表れている。

 

「最高の車いすテニス人生でした」とつづった国枝。まずはこれまでもらった感動に感謝とお礼を伝えるとともに、今後の活躍にも期待したい。

「JPFAアワード」初代最優秀選手賞受賞! 三笘 薫の進化が欧州でも止まらない!

1月18日、日本プロサッカー選手会(JPFA)が新設した「JPFAアワード2022」の受賞者を発表した。海外を含めシーズンを通して活躍した1654人のJPFA所属選手の中から、選手自身が投票。最優秀選手賞(MVP)には、現在プレミアリーグのブライトンに所属している三笘 薫が受賞した。

 

三笘といえば“三笘の1ミリ”として世界中の話題を集めた、ワールドカップのスペイン戦で見せたプレーがもっとも象徴的だろう。

 

初代MVPの称号を受け三笘はビデオメッセージで「一緒にピッチで戦った選手や、対戦相手として戦った選手に評価していただき、これ以上ないうれしさがあります」。さらに子どもたちへ、「自分にしかない武器を持つこと。僕自身ドリブルという武器で、どんな場所へ行っても自信を持って相手に立ち向かうことができた」とメッセージを寄せた。

 

そんな三笘の進化は欧州でも止まらない。今季18試合を終え、先発で6試合に出場した三笘は敵陣ペナルティーエリア内でテイクオン(対人プレー成功)を8回成功。これは、データ分析会社「Opta(オプタ)」のイギリス公式アカウントによると、プレミアリーグではアーセナルのブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスと並んでトップタイ、欧州5大リーグでも2位タイの記録となっている。

 

1位はパリ・サンジェルマン(PSG)に所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ。7回の4位はレアル・マドリードのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールと、リーズ・ユナイテッドのフランスU-21代表FWジョルジニオ・リュテールなので、その記録の凄さが分かるだろう。

 

今季、すでにイングランドのレジェンド、アラン・シアラーが選ぶ週間ベストイレブンにも選ばれている三笘。日本サッカー界でのMVPだけでなく、世界でも認められている三笘の進化はまだまだ止まりそうにない。

“REDS仕様”キーボードに注目! マウスコンピューター「浦和レッズオフィシャルパソコン」今年も登場

浦和レッズのオフィシャルPCサプライヤーのマウスコンピューターは、「浦和レッズオフィシャルパソコン」2機種を、浦和レッズオンラインショップで販売しています。

 

今回発売となるのは、14型の「mouse X4-R5-URDS」と、15.6型の「mouse X5-R5-URDS」。

 

同製品は、AMD Ryzen 5 5560Uプロセッサーを搭載。14型で約2倍、15.6型で約2.1倍と、パフォーマンスがアップ。Windows Hello顔認証カメラ搭載し、カメラに顔を向けるだけでWindows 11にログインすることができます。

 

本体の右側面に搭載した Type-C形状のUSB 3.1端子は、周辺機器との高速データ転送が可能なほか、USB Power Deliveryに対応しており、ACアダプタやモバイルバッテリーなどの対応機器を接続して、PC本体を充電することができます。

 

 

浦和レッズロゴをあしらった専用デザインの天板と、「R」「E」「D」「S」の4点のキーを浦和レッズカラーの赤に配色した特別仕様のキーボードが特徴。オリジナルの壁紙と外箱を採用しています。

 

税込価格は14型が11万9900円~、15.6型が12万9800円~。製品発売を記念し、2月20日までに注文すると抽選で10名に好きな選手の直筆サイン色紙が当たるキャンペーンも開催します。

 

プーマ ジャパン社長が目指す「グラスルーツ開拓」の先にあるものは?/「大田原透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2023「プーマ」冬の陣①プーマ ジャパン社長インタビューの巻

 

私たちが走る理由は、さまざま。体脂肪燃焼、なまったカラダの運動不足解消、仕事のストレスを走って吹き飛ばす、などなど……。そんな我々の走る足にぴったりのシューズを求め、ブランド各社の門を叩いて回り、開発コンセプトを聞き、走ってインプレッションするのが本企画。

 

で、今回訪ねたのは、東京・大崎のプーマ ジャパン。出迎えてくれたのは、プーマ ジャパン代表取締役社長の萩尾孝平さん。ご覧の通りのバリバリのランナー体型の萩尾さんは、やり手のビジネスパーソンでもあり、世界でその名が知られる製品開発のレジェンドでもある。

↑萩尾孝平さん/プーマ ジャパン株式会社代表取締役社長。グローバルでの長年のランニングシューズ製造開発の経験を持つ、スポーツ用品業界でその名を知らぬ人なしのレジェンド。2012年にGlobal Head of Running/Training Footwearとして、プーマグループへ移籍。ボストンのプーマ本社を拠点に、ランニング/トレーニングカテゴリーにおけるシューズビジネスを統括した。2018年にプーマ ジャパンの取締役営業本部長に就任後は、ホールセールマーチャンダイジング本部長も引継ぎ、プロダクトから営業まで日本でのビジネスを統括。2021年10月より代表取締役社長となる

 

プーマが、現在注力しているのは“速く走る”レーシングモデルだという。今回の「ランニングシューズ戦線異状なし」は、プーマの世界戦略におけるランニングシューズの位置づけについて。ジャパンの社長が語る、なかなか聞けない話をお届けしよう!

 

萩尾社長が語る、ランニングシューズ世界戦略

「スポーツメーカーとしてのプーマのルーツは、パフォーマンススポーツにあります。にもかかわらず、プーマのラニングシューズに対して、印象が薄い方がいることも事実です」(萩尾さん)

 

今年、設立75周年を迎えるグローバルスポーツブランド、プーマ。フットボールを思い浮かべる方も多いが、引退したウサイン・ボルトを持ち出すまでもなく、陸上競技はプーマのオリジンでもある。

 

「フットボール、ランニング、ゴルフなどのパフォーマンス分野は、ご存じのようにプロダクト開発、マーケティング、選手など、さまざまな投資が必要です。ここのところプーマの急成長で、新規投資のベースが4、5年前から整ってきました。ランニングシューズの開発も休まず続けていましたが、やっと、良い商品としての実が結んできました。

 

ランニングシューズ強化の優先順位が“速く走る”モデルである理由は、プーマが、スポーツメーカーとしてのクリエイティブを打ち出し、オーセンティックなメーカーという信頼性を勝ち得るためです。これを語る際に忘れてならない視点は、昨今の厚底+カーボンソールのムーブメントです。それまで選手は、契約によって履くシューズが決まりましたが、厚底+カーボンソールで一変しました。本当に良い製品を作って、しっかりと選手に向き合わないと、トップ選手が履かなくなりました」(萩尾さん)

 

プーマは2021年2月に、新素材「NITRO FOAM(ニトロ フォーム)」をミッドソールに搭載した新作ランニングシューズ4モデルを発売した。その中でも「DEVIATE NITRO(ディヴィエイト ニトロ)」は、「ビギナーランナーからトップ選手まで」をターゲットにしたモデルとなっている。

↑センセーショナルに登場した、プーマのランニングシューズ「ディヴィエイト ニトロ」

 

プーマのランへの“本気度”は、サッカーと互角!

私たちも、“トップ選手が履いているシューズ=良い製品だよね”と漠然としたイメージは確かにある。しかし、ピナクル(頂点)を取っていき、そこからシャワー的にマスに広げるというのは、古典的な手法とも言えそうだが……。

 

「ランニングは、フットボールとともに、プーマの世界戦略の最重要カテゴリーです。トップ選手に選ばれたことを一つのエビデンスとして、一般の人たちにもプーマのシューズを選ばれる流れを作りたいと考えています。製品の善し悪しでユーザーが物を選ぶ時代だからこそ、こうしたやり方が必要なのです」(萩尾さん)

 

プーマの北米本社があるボストンには、ランニングとトレーニングの企画開発拠点が置かれている。かつては萩尾さんも、ボストンでシューズの企画開発のトップとして、プーマのランニングシューズ作りに携わってきた。

 

「ボストンの企画開発拠点は、私がいた4年前に比べ、2倍の規模に拡張しています。バイオメカニズム(運動力学)のチームは、ボストンだけでなくドイツにも置かれ、外部のエンジニアとも連携して技術開発やテストに携わっています。ドイツとアメリカの大学から科学的なフィードバックを得る体制も整えていますし、シンプルなシューズなら、ボストンオフィス内のラボでも行えます。

 

私もボストンに行った際は、古巣の企画開発チームに顔を出して話をします。ボストンのチームも、日本のレポートを重要視しています。日本の“本気度”が評価されていますし、『EKIDEN』はグローバルでも話題に上がる共通ワードですから」(萩尾さん)

 

プーマのテクノロジーとスピリットは、今再びランニングへと注がれ、2021年より本格的に長距離ランニングへの商品展開、サポートへとつながっている。日本では、2021年4月より立教大学体育会陸上競技部 長距離ブロック 男子長距離パートとのパートナーシップ契約を締結し、ユニフォームやトレーニング、レース時のウェア、シューズなどのサポートを開始する。

↑1月23日より発売する日本限定、特別デザインのランニングシューズシリーズ「FASTER PACK(ファスター パック)」。「DEVIATE NITRO ELITE 2 EKIDEN(ディヴィエイト ニトロ エリート 2 エキデン)」、「FAST-R NITRO ELITE EKIDEN(ファストアール ニトロ エリート エキデン)」の2モデルをラインアップしています

 

クールなブランドが採る、ホットな“グラスルーツ”開拓

「プーマ ジャパンも、ランニングの強化、本気度をスピードアップしています。例えば、プーマのトレーニング用のスウェットと、ファストファッションのスウェットが同じような値段だったら、プーマが選ばれる理由は、どこにあるでしょう? それは、やはりプーマの“後についているブランドイメージ”ですよね。アスリートが着こなしているかっこいいイメージは、お客さま自身にも投影されます。これだけ物の選択肢が増えた時代だからこそ、値段以外の付加価値、つまりスポーツシーンでの満足感が与えられることが重要なのです。

 

だからこそ、グラスルーツ(草の根的な取り組み)も大切です。単に“良いものを作りました、選手が着ました”だけでは、お客さまはプーマの製品を手に取ってくれません。プーマのランニングの知名度は、まだ足りていません。私たちは、プーマのプロダクトを知ってくれていて、プーマというブランドの良さを理解してくれるお取引先の皆さんと、もっと密な取り組みをしたいという話をしています」(萩尾さん)

 

プーマ=“お店で出逢える”ブランドを目指す

ランニングシューズの企画開発のレジェンドである萩尾さんは、4年前にボストンから日本へ拠点を移した。その理由は、日本におけるプーマブランドの成長。そして3年後、グローバル企業であるプーマは、販売の責任者であった萩尾さんを日本支社の社長に据える。プーマの“本気度”は、半端なものではない。

 

「今は、本当に“ちゃんと一緒に取り組みをしていきましょう”という意識を感じられるお取引先を中心にお取り扱いいただいています。取り扱いを拡げても、お店に来るお客さまが手に取ってくれなければ、最終的にはマークダウン(値引き)です。選手が履いて信頼性を高めようとしている一方で、店頭で何%オフっていうのは、やはり正しくありません。

 

お店のスタッフも、プーマのシューズを履いてくれていて、お客さまに“良かったです”というコミュニケーションができる環境を整えています。昨年やったことは、試し履きイベントです。週末、プーマのスタッフを、さまざまなスポーツショップへ派遣して、お客さまひとりひとりとのコミュニケーションを、丁寧にやっています」(萩尾さん)

 

確かに、ネット通販の拡大などを受けて、店舗でのイベントは減少している。しかも新型コロナの流行は、こうした流れを一気に加速した。ひと昔前は、萩尾さんの指摘するように、毎週末、新製品の販促イベントで小売店の店頭は賑わっていたのだ。“お店で出逢う”楽しみを、無くすには余りに惜しい体験だ。

 

「今年はさらに拡大して、店頭でプーマの製品を試すだけでないイベントを、主要都市を中心にしようと思っています。それは、シューズを実際に履いて、プーマのメンバーと、普段できない練習を体験するイベントです。製品の良さを体験してもらって、“こんな走り方すると、この機能ってすごく出せるんですよ”ということをしたいのです。お客さまが製品の良さを感じてもらえるアクティビティを、グラスルーツでやっていきたいのです」(萩尾さん)

↑「体験イベントでは、エリートランナー向けのカーボン入りシューズも試してもらえるように考えています。このレーシングモデル(ファストアール ニトロ エリート)は、実は、かかとで着地した方が、カーボンの良さが増しました。カーボンのシューズは、フォアフット(前足部)着地が一般的ですが、私たちも走りながら気づきました。そんなやり取りを皆さんとしたいのです」(萩尾さん)

 

ビジネスミーティングは、走りながら(例えじゃなく、マジで!)

「お取引先とのミーティングも、走りながらすることが少なからずあります。先日も、九州のある専門店さんが東京に来られた際、スケジュールがないので、朝7時に皇居で待ち合わせて、1時間ほど走りながらミーティングしました(笑)」(萩尾さん)

 

萩尾さんは、社長にしてランナー。例え話ではなく、実際にビジネスミーティングを走りながら行う。かく申す筆者も、以前、ニューヨークで行われたプーマの記者発表の朝、一緒に走りながら開発秘話を聞き出した。萩尾さんは、ビジネスでもタフだが、マインドとフィジカルはさらにタフなのだ。

↑今回のインタビューは、オンロード&オフィスにて! 萩尾さんは、月間350㎞走るというガチランナーなのだ

 

「しかし今、個人的に大切にしているのは、走り続けるカラダの維持です。フルマラソンなどを頑張ってしまうと、怪我して走れなくなります……。実際私自身がそうなりかけていたので、毎朝、自分のカラダと相談しながら走っています。走るのは朝なので、ペースは5分半ぐらいからスタートして、上げても4分40ぐらいまでですね。月間の走行距離は、300~350㎞ほどでしょうか。まぁ、日課ですから。マラソン大会に行きましょうって、お取引先の方からも、いつもけしかけられています(笑)。

 

カーボンが入っているシューズは、ストライドの伸びが、やはり全然違います。一般の人たちにも、カーボンによって、もっと気持ちよく走れる感覚を得てもらいたいと思っています。今回、実際に試してもらうシューズは、“軟らかい着地だけど、進む”のが最大の特徴です。トゥスプリントの傾斜も緩やかなので、一般の人たちが踵着地で走るゆっくりのペースでも違和感がありません。軟らかくもあり、弾いてくれる感覚もあるすごいシューズだと思います。“誰でも履けるみんなの厚底”モデル、楽しんでください」(萩尾さん)

↑次回は、最新「ディヴィエイト ニトロ 2」を手に持つプーマのランニング商品企画担当、安藤悠哉さん(写真左)の話を掲載する予定だ。安藤さんは、なんと、箱根の10区を走り青山学院大学3連覇・大学駅伝3冠のゴールテープを切った、陸上競技部の元主将なのである

 

走るテンションもマックスになったところで、萩尾さんイチオシのシューズ「DEVIATE NITRO 2(ディヴィエイト ニトロ 2)」の紹介、そして実際に走ったインプレは、次回にお預けだ!

 

撮影/中田 悟

 

 

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驚きのデザイン!ミズノ「WAVE REBBELION PRO」がフォアフット走行で記録を狙えるワケ

新年の風物詩、箱根駅伝が今年も行われ駒澤大学が2年ぶり8回目の総合優勝。様々な感動のドラマがありましたが、トップアスリートだけでなく、市民ランナーの関心を集めているのが厚底のランニングシューズです。各メーカーが趣向を凝らしたシューズを開発している中、個性的なシューズを生み出しているミズノが、斬新な厚底シューズを発表しました。

 

長距離ランナー向けシューズ「WAVE REBBELION」シリーズが登場!

長距離ランナーのシューズは軽量で薄底という常識が覆され、現在の主流となっているのが厚底シューズです。そこでミズノは昨年8月、厚底に推進力を持たせ、踵がない斬新なデザインの「WAVE DUEL PRO(ウエーブデュエルプロ)」を発売しました。

 

ウエーブデュエルプロがコンセプトシューズだったのに対し、2023年新たに、ウエーブデュエルプロで生まれた新機能をさらに進化させた「WAVE REBBELION(ウエーブリベリオン)」シリーズ、3モデルを発表。3モデルとも1月20日に発売します。

↑ウエーブリベリオンシリーズは、サブ2.5のエリートランナー向け「PRO(プロ)」(写真中央)、サブ3向け「FLASH(フラッシュ)」(右)、サブ3.5を目指す「SONIC(ソニック)」(左)の3種類を展開

 

「近年、ランニングシューズ、特にスピードシューズの領域がかなり大きく変化しています。ミズノも独自のアプローチでランナーのパフォーマンスをサポートする商品を発売します。ときには個性的すぎるという言葉もいただきますが、いままで世の中になかった感覚、感触、パフォーマンスを持ったウエーブリベリオンが、スピードを求めるランナーの選択肢になってくれると非常にうれしいです」(グローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部部長、竹下豪氏)

 

「WAVE REBELLION PRO」はスムーズ、スピード、アシスト!

スピードランナー向けランニングシューズ・ウエーブリベリオンプロは、「いかに効率良くスタートからゴールまで足を運ぶか」に着目。ゼロベースから考え直したときに、「軽い」「フィットがいい」そして「前へ進む推進力の高さ」の3つの要素が前提となりました。

 

しかし「それだけでは世の中にあるシューズと変わらない。これ以上にパフォーマンスを向上させるものはないか。その結果が『SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズスピードアシスト)』機能でした」(パフォーマンスランニング企画課課長・青井俊輔氏)

↑「合言葉は『ゼロベース』。今までやったことがなかったこと、これまで常識と思っていたことをすべて疑う」ことから始めたと話す青井氏

 

見た目で分かるように、あらかじめフォアフットストライドの角度に設定された前足部、大きく拡張されたミッド部、そしてカットアウトさせた踵形状。この独特な形状が「スムーズスピードアシスト」を構成します。

↑「ウエーブリベリオンプロ」2万4200円(税込)。ウエーブリベリオンシリーズの中で一番デザインが特徴的!

 

着目したのは前足部から中足部で着地するフォアフット走法。その走法は、踵から着地し前足部に抜けていくヒールストライク走法に比べ、より速く走ることができます。ウエーブリベリオンプロに搭載したスムーズスピードアシストは、スムーズにフォアフット走法をサポートします。

 

「前足部はフォアフットで自然に着地しやすい角度に設定。この機能によって、しっかりと中足部を支えることでふくらはぎ周辺の筋肉の負担を減らし、地面からの反発を効率良く伝えていきます」(パフォーマンスランニング企画課・吉村憲彦氏)

↑「フォアフットでもしっかり安定感をサポートするために十分な接地面積を設けています」と吉村氏

 

↑左が従来モデル、右がウエーブリベリオンプロ。足首の支点と地面と接地する作用点の距離が短いほど、少ない力でスピードを発揮することができます

 

↑ミッドソールは2重構造。トップミッドソールに「ミズノエナジーライトプラス」、ボトムミッドソールには「ミズノエナジーライト」を搭載しています。踵はフォアフット走法で接地した際に、踵の落ち込みを抑える独自のエッジ形状

 

「どこからその発想はきたのか」をよく聞かれるそうですが、元になっているのは陸上の短距離用スパイクでした。

 

「短距離用スパイクは、ごく限られた距離で人類をもっとも速く走らせるために生まれたギア。必要なものだけが詰め込まれた純粋な道具です。このエッセンスを持ったシューズが5キロ、10キロ、そしてフルマラソンの距離を走りきることができたら。そんなストーリーから開発が始まりました」(青井氏)

↑すでに海外では結果が現れています。昨年9月に行なわれたアムステルダムマラソンでのハーフマラソンではトップ10選手中、6選手が「ウエーブリベリオンプロ」を着用して好タイムを記録しました

 

↑カーボン繊維で強化されたプレートを全面に搭載することで、クッション性と安定性を両立させます

 

↑前足部の中央に穴を設けることで、柔らかい材料を採用したミッドソールの柔らかさが蹴り出し時にも感じられます

 

サブ3、サブ3.5ランナー向けの「WAVE REBBELION」シリーズ

記録の向上を目指すすべてのランナーのために、ターゲットタイム別モデル2種もラインナップ。25年以上も進化を続けているプレート「MIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)」を採用し、それぞれの走りを効率良くアシスト。この2モデルには、足幅の広いランナーに対応するワイドタイプも展開しています。

↑「ウエーブリベリオンフラッシュ」 1万7600円(税込)。ほど良い硬さのウエーブプレートが走行に必要なクッション性と安定性・反発性を高めます

 

↑軽量でグリップ性が高く、しっかりと地面を捉え、パワーロスを抑える「G3」アウトソールを採用

 

↑「ウエーブリベリオンソニック」 1万3750円(税込)。着地時の安定性とクッション性を高めるウエーブプレートを全面に搭載し、スムーズな加速をサポート

 

↑前足部と踵部のアウトソールの耐久性を高める「X10」ラバーを採用することでより長く使用できます

 

↑自身最後の箱根路に臨んだ創価大学4年の嶋津雄大さん(写真中央)も登壇。卒業後はGMOインターネットグループの選手としてウエーブリベリオンプロでフルマラソンに挑戦する

 

目がとまる独特の形状、カラーリングも爽やかなウエーブリベリオンプロを筆者が実際に履いてみると、自然と前傾姿勢になり推進力の高さが体感できます。また、見た目以上に軽く、クッション性の高さにも驚き。「人を最速で走らせるために、いかにスムーズなスピードランニングを考えるか」というプロジェクトを今後も続けるミズノが、現在の最新技術を凝縮させたランニングシューズ。

 

その異次元の感触を一度実感してみてはいかがでしょうか。

 

撮影/編集部

 

 

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プロ野球新人選手が続々入寮! 彼らの“可愛すぎる”マイフェイバリットが話題に

2022年10月に行なわれたドラフト会議で指名され、入団を決めた各球団の新人選手が年明けに選手寮へ続々と入寮した。初々しい表情を見せる選手たちだが、入寮の際に持ち込んだマイフェイバリットが「可愛すぎる」と話題になっている。

 

中日ドラゴンズから育成2位で指名された野中天翔(ノースアジア大明桜高)は「昇竜館」への入寮一番乗りとなったが、右手でキャリーケースを引き、左手にはアンパンマンぬいぐるみが詰まったバッグを持って入寮。

「アンパンマンは悪いところがない。常に勝っているイメージがあるので、自分もそういった人間になりたい」とコメントはいたって真面目。

 

同じく「昇竜館」の新人10選手のうち最後に入寮したドラフト3位の森山暁生(阿南光高)が持参したのは、「ポケットモンスター」(ポケモン)のキャラクター「カビゴン」。中学時代から抱き枕代わりとして愛用しているそうだ。

 

埼玉西武ライオンズでは、「若獅子寮」に一番乗りしたドラフト1位の蛭間拓哉(早稲田大)が地元愛の象徴として、出身地である群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」のぬいぐるみを。

 

こちらも“大トリ”で入寮したドラフト3位の野田海人(九州国際大付高)は、「これがないと寝られない」と、妹から譲り受けたというサメの抱き枕を持ち込んだ。

 

他にも広島東洋カープでは、ドラフト2位の内田湘大(利根商高)は母からプレゼントされた巨大な「コツメカワウソ」、ドラフト1位の斉藤優汰(苫小牧中央高)は友人にプレゼントされた「ニャッキ」のぬいぐるみと一緒に入寮。

 

オリックス・バファローズのドラフト3位斎藤響介(盛岡中央高)も、出発直前に高校のチームメイトからもらったポケモン3体(プラスル、ピカチュウ、モルペコ)のぬいぐるみを持ち込んだ。

 

夢のプロ野球選手に向けて大きな一歩を踏み出した新入団選手たち。これからの厳しい競争社会のなかで、彼らが手放せなかったモノは心の支えになるだろう。もちろん、ここで紹介したぬいぐるみも疲れた心を癒してくれるはずだ。そしていつかトップ選手へと成長したときに、入寮時とのギャップがまた話題となるのかもしれない。

開幕まで2か月を切ったWBC、王座奪還へ侍ジャパンが始動!

2006年、09年の第1・2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一連覇を達成した侍ジャパンが、3月9日から始まる第5回WBCに出場予定の先行メンバー12名を発表した。

 

2017年の第4回大会ではアメリカ代表がついに優勝を手にし、連覇を狙う今大会はアメリカもベストメンバーを選出。日本もメジャーリーグで活躍する日本人選手も多く出場する予定だ。

 

こうした中、ダルビッシュ有や鈴木誠也ら主力選手がすでに始動。SNSでトレーニングの様子を伝えている。

 

 

 

発表された先行メンバーは以下。公式サイトに掲載されたコメントを抜粋し紹介する。

源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)
「初めてのWBCになりますが、自分らしさを出して、日本の優勝に貢献できるよう精一杯プレーします」

牧 秀悟(横浜DeNAベイスターズ )
「世界一になるために自分の全力をぶつけたいと思います。」

近藤健介(福岡ソフトバンクホークス)
「最大のモチベーションは栗山監督を世界一の人にしたいという気持ち」

甲斐拓也(福岡ソフトバンクホークス)
「投手としっかりコミュニケーションをとり、自分が求められているプレーのために最善を尽くします」

ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)
「世界一に向けて、チームを引っ張る投球ができるようにしっかり準備していきます」

戸郷翔征(読売ジャイアンツ)
「今後の野球人生に生かすためにも自分ができる精一杯の投球をしたいです」

佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ )
「日本の優勝のために自分が出来る精一杯のピッチングが出来ればと思っています」

大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)
「素晴らしい選手が集まっているので優勝だけを目指していきます」

山本由伸(オリックス・バファローズ)
「日本の世界一に貢献できるように全力で腕を振りたいと思います」

今永昇太(横浜DeNAベイスターズ)
「野球を観たことのない方々にも興味を持ってもらえるようなプレーをしていきたいです」

鈴木誠也(シカゴ・カブス )
「今回こそは栗山監督を胴上げする事を目標に、侍ジャパンの世界一に貢献できるよう精一杯プレーしたいです」」

村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)
「皆さんに夢を与えられるように、そして世界一になれるように全力でプレーします」

 

なお、大会スケジュールは以下の通りで、宿敵韓国とは2日目の第2戦で対戦する。

・3月9日~13日
1次ラウンド(プールB) 東京ドーム
日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ共和国

・3月15、16日
2次ラウンド(準々決勝1) 東京ドーム

・3月20、21日(日本時間)
決勝ラウンド(準決勝) ローンデポ・パーク(アメリカ/マイアミ・マーリンズ本拠地)

・3月22日(日本時間)
決勝ラウンド(決勝) ローンデポ・パーク(アメリカ)

 

侍ジャパンが王座を奪還できるか、アメリカ代表が連覇を達成できるか、第3回大会優勝のドミニカ共和国が10年ぶりの歓喜となるか、2大会連続準優勝のプエルトリコが悲願の初優勝を飾るのか――開幕まですでに2か月を切ったWBC。今回はどのようなドラマが生まれるか、開幕が待ち遠しい。

2023年は“ジョーダン・イヤー”! ホワイトソックスの投稿画像にファンが大興奮

メジャーリーグ(MLB)シカゴ・ホワイトソックスが公式ツイッターに投稿した新年のあいさつ画像にファンが大興奮している。主力選手であるティム・アンダーソン、ルイス・ロベルト、そしてディラン・シースがNBAシカゴ・ブルズのオルタネイトジャージ(サードジャージ)デザインのユニフォームを着用。

 

「2023. Jordan Year.」の文言とともに投稿されたユニフォームのナンバーは、“バスケの神様” ことマイケル・ジョーダンの「23」。そのユニフォームがカッコ良過ぎると、SNSで話題になっているのだ。

 

ブルズも新年に「Happy Jordan Year!」で画像を投稿。ホワイトソックスの投稿もリツイートしている。

 

同じシカゴのチームだが、つながりは深く、両チームともオーナーはジェリー・ラインズドルフ氏だ。そしてジョーダンが1度目の引退後、1994年に野球に転向しホワイトソックス傘下のバーミングハム・バロンズに入団。メジャーを目指して1シーズン、AA級でプレーした。

 

その後、NBAに復帰しブルズで2度目のスリーピート(3連覇)を達成するなど、さらなる伝説を残した。

 

このユニフォームについてホワイトソックスからの情報はないが、ファンからは「作ってください」「これまでで最も売れるジャージになるだろう」と商品化を熱望する声が続々と集まっている。MLB、NBA双方のファンにとって新年の夢が“正夢”になる日は来るのだろうか。

 

ちなみにジョーダンの「23」の由来は、バスケ選手だった彼の兄ラリーがつけていた「45」に対し、兄の半分以上うまくなりたいという思いから、高校時代から「23」をつけていたという。野球選手転向時には、兄と同じ「45」を背番号にしていた。

次の主役は日常の中にいる!? Jリーグ開幕告知ムービーの再生回数が200万超え!

強豪ドイツ、スペインに勝利し、グループ1位で決勝トーナメントに進出したサッカー日本代表“侍ブルー”。その活躍に日本中が興奮した。熱狂を受け、盛り上がりが期待される2023年シーズンのJリーグ。このほど公式サイトがツイッターに投稿した開幕告知動画が大きな反響を呼んでいる。

 

そのツイートにつづられたメッセージは以下のとおり。

 

Jリーグから巣立った選手たちが、カタールで戦っていた。

祭りが終わって、もうすぐ日常が始まる。

次の主役たちは、たぶん、私たちの日常の中にいる。
もしかしたら、いつものスタジアムのピッチに。

また、ここから始めよう。

四年後じゃない。二ヶ月後だ。

2023年2月17日、Jリーグ開幕。

 

日本代表の活躍に興奮した新規ファンに加え、これまでサッカーを応援し、Jリーグを愛してきた“サポーター”の共感を呼んだのだろう。この動画の再生回数はすでに200万回を超えている。

 

冨安健洋(アーセナル)のアビスパ福岡在籍時のユニフォームを着たサポーターや、伊東純也(Sランス)のヴァンフォーレ甲府時代のユニフォームで中継に興奮するシーンなど、サポーターでなければ分からないシーンが連続する。そうした動画に「感動した」「泣けた」など、SNS上で感謝の声が多く寄せられている。

 

ワールドカップを機にJリーグに興味を持った人もいるだろう。現在、主力選手の多くは海外で活躍しているが、長友佑都はFC東京、ゴールキーパーの権田修一は清水エスパルスでプレーしている。

 

4年後のワールドカップで代表入りして注目される“主役”は、いまJリーグで売り出し中の選手なのかもしれない。代表に入る前から選手を知っていれば、ワールドカップの興奮は倍増するはずだ。

 

 

2月17日(金)の川崎フロンターレ VS. 横浜F・マリノスのオープニングマッチを皮切りに開幕する2023年のJリーグ。ワールドカップにも負けない感動は、“私たちの日常の中”にもある。

み〜んな2000年度生まれ!今知っておきたい「女子ゴルフプラチナ世代」注目の5選手

2000年度、すなわち00年4月〜01年3月生まれの選手たちが、日本の女子ゴルフ界を席巻中。国内はもちろん海外ツアーで活躍する選手も現れており、「プラチナ世代」と呼ばれる。「プラチナ世代」はゴルフが強いだけじゃない。コース外ではプライベートの趣味を楽しみ、SNSで素顔を垣間見せる、ごく普通の女性なのだ。数多くいる有力選手のなかで、特にいま知っておきたい注目の5人をピックアップした!

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】 果敢にピンデッドを狙う超攻撃的ゴルフが持ち味

後藤未有●ごとう・みゆう…2000年9月29日生まれ、福岡県出身。身長157cm。やまやコミュニケーションズ所属。Instagram

 

男子ツアーのトップ選手である兄弟子・時松隆光と同じベースボールグリップが特徴。ゴルフを始めたきっかけであり、目標の選手でもある宮里 藍さん同様にプレー中も朗らかで、見ていて応援したくなる選手です。

 

Off Shot

↑トーナメント会場でバースデーサプライズ。周りの選手やスタッフに愛される存在だ

 

↑地元球団・福岡ソフトバンクホークスの試合を観戦。オフには気分転換も欠かさない

 

【その2】 米ツアーで優勝を飾ったプラチナ世代のエース

古江彩佳●ふるえ・あやか…2000年5月27日生まれ、兵庫県出身。身長153cm。富士通所属。22年から米国LPGAツアーを主戦場とする。Instagram

 

19年にアマチュアとして出場した富士通レディースでの鮮烈Vを皮切りに実績を重ねるプラチナ世代のトップランナー。今季から米ツアーに参戦すると、ルーキーイヤーで初優勝を飾った。海外メジャー制覇に最も近い存在です!

 

【その3】 プレー中にも見せるキュートな笑顔が魅力

安田祐香●やすだ・ゆうか…2000年12月24日生まれ、兵庫県出身。身長163cm。NEC所属。Instagram

 

古江とは滝川第二高校での同級生で、アマチュア時代から輝かしい成績を残してプロ入り。プレー中にも見せるキュートな笑顔にファン多数!

 

【その4】 飛んで曲がらないドライバーが武器

吉田優利●よしだ・ゆうり…2000年4月17日生まれ、千葉県出身。身長158cm。エプソン所属。Instagram

 

平均飛距離は240ヤードに迫り、しかも曲がらないドライバーショットが武器。今季は何度も優勝争いに食い込み、9月の国内メジャー・日本女子オープンでも最終日最終組を経験しました。歓喜のときはまもなく!

 

【その5】 圧倒的な爆発力で来シーズンはアメリカを目指す

西村優菜●にしむら・ゆな…2000年8月4日生まれ、大阪府出身。身長150cm。スターツ所属。Instagram

 

ルーキーイヤーの20年、樋口久子 三菱電機レディスで最終日に65をマークして、勝みなみをまくっての初優勝は衝撃でした。以来コンスタントに優勝を重ね、ツアー通算6勝を挙げています。来季は米ツアーを目指し予選会にエントリー中。

2024パリ五輪金メダル最有力候補。“女子レスリングの超新星”藤波朱里選手が語る現在地

吉田沙保里、伊調馨の二大レジェンドに続く日本女子レスリング史上3人目の100連勝を達成した藤波朱里選手(取材時公式記録103連勝)。2024年のパリ五輪で金メダル最有力候補に挙げられている超新星である。だが、2連覇の期待が懸かっていた9月の世界選手権を怪我で欠場。競技人生初の挫折を味わった。それから3か月──完全復活に向けて本格始動した天才アスリートに、新たな決意と覚悟を語ってもらった。

 

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:木村光一)

◯藤波朱里(ふじなみ・あかり)/2003(平成15)年11月11日生まれ、19歳。三重県出身。国体2連覇の経歴を持つ父・俊一氏(現・日体大コーチ)の影響で4歳より競技を始める。中学3年時に世界カデット選手権優勝。高校2年で全日本選手権優勝、高校3年で世界選手権金メダル獲得(女子53キロ級)。2022年、三重県立いなべ総合学園高校から日本体育大学進学。同年4月、アジア選手権優勝。中学2年生の9月から公式戦連勝記録を更新中。身長164センチ。

 

選手生活で初めて経験した怪我が教えてくれたこと

──2連覇が期待されていた9月の世界選手権を怪我(左足リスフランじん帯損傷)のため欠場されましたが、その後、コンディションはいかがですか?

 

藤波 はい、もう足の怪我も完全によくなって、いまは練習も思い切り全力でやれています。

 

──今日の練習もほとんどノンストップで2時間。普段からこんなにハードな練習をこなしているんですか?

 

藤波 毎朝1時間、午後は2時間から2時間半。ほかにも授業の合間を縫って1時間から2時間。長いときで1日4時間半くらいやってます。

 

──男子選手や昨年から外部コーチを務める伊調馨さんとも激しいスパーリングをされてましたね。拝見していて思わず手に汗を握る迫力でした。世界の頂点を幾度となく極めた先輩からは、日々どんなことを学んでいるのでしょう?

 

藤波 日体大に入ってこうして伊調さんから直接指導を受ける機会を得られて、すごい勉強になってます。実際に手を合わせると、技術はもちろん、やっぱり経験の差みたいなものもかなり感じます。その都度感じたこと、わからないことを聞けて本当に充実してます。

 

──今年の春に日本体育大学に入学してすぐアジア選手権優勝。順風満帆なスタートを切ったかと思いきや、9月の世界選手権を前に怪我をして前大会からの2連覇達成を逃してしまったわけですが、欠場が決まったときはどんな心境でしたか?

 

藤波 本当に悔しくて悔しくてどうしようもなかったんですけど……。でも、逆にそれでたくさんの気づきも得ました。

 

──気づき? といいますと?

 

藤波 昨年の世界選手権で勝ったことでそれまで以上に注目を浴びるようになって、なにか少し守りに入ってしまっていたというか、天狗になっていた自分がいたことにも気づかされました。もう一つは、怪我をしても自分を応援してくれている人がこんなにもたくさんいたんだとあらためて知ることができた。なによりそのことが一番の収穫でした。

 

原点は父と兄。最初に憧れたのも世界で闘っていた兄・勇飛

──レスリングを始めたきっかけについて聞かせてください。

 

藤波 父(藤波俊一氏。現・日本体育大学女子レスリング強化委員長)がレスリングのコーチをやっていたこともあって4歳から始めたんですが、あんまりよく覚えてないっていうか、気づいたらやっていたっていう感じでした。でも、初めは好きじゃなくて。父と母が言うには「全然やる気がなかった」みたいです(笑)。

 

──じゃあ、レスリングのどこに面白さを感じて本気で取り組むようになったんですか?

 

藤波 やっぱり、人に勝つことの快感ですかね。一生懸命練習すると強くなる。強くなると人に勝てるようになる。その当たり前のことがわかってからレスリングが面白くなって、どんどんのめり込んでいったんです。

 

──お話を聞く限り、子どものころから相当な負けず嫌いだったようですね。

 

藤波 はい。自分では憶えてないんですけど、負けず嫌いの性格はかなりヤバかったらしいです(笑)。

 

──ではレスリングに目覚めて以降、最初に憧れた選手は?

 

藤波 7歳上の兄です。世界で闘っている兄の姿を見て、かっこいいなと憧れてました。

 

──お兄さんは藤波勇飛(ゆうひ)選手(2017年・世界選手権男子フリースタイル70kg級銅メダリスト。現在は総合格闘家)。なるほど、もっとも身近に世界レベルの選手がいて、つねにその努力する様子やそれが報われる瞬間をずっと見続けてきた。おのずと意識も変化していったわけですね。

 

やりたかったらやれ、やらないと負ける。
強くなれたのは徹底して自主性を重んじる父の指導法のおかげ

──藤波選手のこれまで15年間のレスリング人生はお父さんとの二人三脚。現在も一緒に生活しながら父娘で金メダルを目指して突き進んでいますね。選手の立場から見て、指導者としての父はどんなところが厳しかったですか?

 

藤波 兄に対してはすごく厳しかったと思います。でも、自分にはそうでもなくて、自由にのびのびとやらせてくれてました。やりたかったらやれ、やらないと負けるぞ、別に嫌になったらやめてもいいよみたいな感じで。逆にそれが自分にとってはすごくよかったんじゃないかなと思ってます。兄ばかり注目されてるのも嫌だったし、自分も自分もっていう思いでやっていったので、やらされた感はまったくなかったです。

 

──徹底して自主性を尊重する指導法だったんですね。

 

藤波 そうです。おかげで自分は本当に好きでレスリングをやり続けることができました。

 

──自身にレスリングの才能があると感じ始めたのはいつごろですか?

 

藤波 周りの人にはそう言ってもらえるんですけど、自分は運動神経も良くないですし、走るのも速いかというとそうでもないんです。ただ、他の誰よりもレスリングが好きなので練習が全然苦にならない。自分に才能というか強味があるとすれば人より練習できること。それに尽きると思ってます。

 

──今日、夕方からの練習を初めから最後まで2時間以上じっくり拝見させていただいて驚いたのですが、たしかに藤波選手は短い休憩が入っても全く休まずに体を動かし続けていましたね。

 

藤波 はい。試合も近いのでそれは意識してやっています。いまは技術面より、とにかく試合に向けて息を上げて自分を追い込んでいく練習をしてます。

 

天才と呼ばれることにプレッシャーはない。
むしろ注目を浴びるとテンションが上がる

──ジュニアの頃からレスリング界の天才少女として注目を浴びてきたわけですが、そういう周囲の視線や期待をプレッシャーに感じたことはなかったんでしょうか?

 

藤波 注目されるのが自分は結構好きなのでプレッシャーっていうよりむしろ嬉しかったですね。周囲が盛り上がれば盛り上がるほどテンションが上がっちゃうみたいな感じでした。

 

──ということは大会が大きくなればなるほど楽しいと?

 

藤波 ですね(笑)。

 

──緊張はしないんですか?

 

藤波 はい、あまり緊張はないですね。試合前にはいい緊張感がありますけど、それ以上に集中もガーッと高まってくるので。いまも次に出場する天皇杯のことを想像するとワクワクしてきます。世界選手権に出られなかった悔しさを全部ぶつけてやるぞって思ってます。

 

──では、いままでレスリングをやってきていちばん嬉しかったことを聞かせてください。

 

藤波 去年の世界選手権で優勝したときのウイニングランっていうのはやっぱ忘れられなくてすごく最高でした。

 

──以前、インタビューで「2024年のパリ五輪で優勝し、吉田沙保里さんが父親としていた肩車を、自分も是非やりたい」と答えてましたね。

 

藤波 それはオリンピックまで楽しみにとっておこうと思ってます。

 

──反対にいちばん悔しかったことは?

 

藤波 やっぱり今回の怪我です。期待してくれていた人たちを裏切る結果になってしまった自分がすごく情けなかった。本当に初めてこんな悔しい思いを味わいました。

 

──いままで怪我をしたことはなかった?

 

藤波 はい。本当に初めてだったので余計にショックでした。

集中すると感覚が変化するのが自分でもわかる

──アスリートの世界では試合に集中して入り込んでいくと、いわゆるゾーンに入るみたいな感覚になることがあると聞きます。そういった経験はありますか?

 

藤波 試合の最中に自分の反応があきらかに速くなってるなと感じることはあります。

 

──いつもと感覚が変化する?

 

藤波 そう、感覚が違うんです。自分の場合、結構試合をやりながらゾーンに持っていくのが得意かもしれません。

 

──その感覚の変化というのは、レスリングの場合、たとえば相手の動きがよく見えるといった感じなんですか?

 

藤波 相手の動きもよく見えますし、自分の動きのキレも良くなって、あとは相手が何をしようとしているかもわかります。それは普段の練習でも大体読めていて自分はその予測に反応して動いているんですが、その感覚がよりはっきりとした状態になるのかなと思います。

 

──現在、力を入れている強化ポイントは?

 

藤波 どこかを大きく変えるというより、自分の強みである動きやそれを生かした展開の方に磨きをかけているという感じです。

 

──ご自分の一番の武器はやはりスピードと柔軟性だと?

 

藤波 はい。自分の持ち味であるスピードはもちろん、大学に入ってからは筋力をつけるためのウエイトトレーニング、6分間という限られた時間の中でフルに動き続けるために息を上げた練習をつねに心がけています。

 

──藤波選手は同じ階級ではダントツに身長も高く手足も長いというアドバンテージを活かした“距離をとってのタックル”が最大の魅力だと評価されています。

 

藤波 身長が高い分、食事管理とかは大変なんですけど。はい、すごくその点では有利だと思ってます。

 

オフの楽しみはおいしいものを食べまくること

──レスリング以外で興味のあることがあれば。休みの日はどんなことをして過ごしていますか?

 

藤波 食事による体重管理が大変とか言いながら、とにかく食べることが大好きなんです(笑)。

 

──食べ物では何がいちばん好きなんでしょう?

 

藤波 う〜ん、本当になんでも好きで……。逆に嫌いなものがない(笑)。なんでもおいしく食べます。東京へ来てからはスパイスカレー、かき氷にハマってます。

 

──スパイスカレーですか。最近はおいしい店があり過ぎてどこで食べるかを決めるのも大変じゃないですか?

 

藤波 結構本格的なスパイスカレーが好きで、いまはもう大会前の減量に入ってしまってできませんけど、試合がない期間は自分で調べたカレー屋さん巡り、かき氷屋さん巡りをするのを楽しみにしてます。あとはそうですね、サウナとかもよく行きます。

 

──では、最後の質問。まだまだずっと先の話になりますが、5年後10年後の自分をどんなふうにイメージしていますか?

 

藤波 そうですね。まずパリオリンピックで必ず金メダルを獲ります。まだその先はわからりませんが、現役を引退しても後進の指導をしたり、なんらかの形でレスリング界に貢献し続けていきたいと思っています。

 

──一生、レスリングは続けていく。

 

藤波 はい。ゴールはないと思っていますので。

ランニングと食事の関係。食前・食後ランの話、おすすめの料理メニューは?

運動不足の解消やダイエットを考えたとき、まず思い浮かべるのが手軽に始められるランニング。特別な道具を用意する必要がなく、時間や場所も自由に選べるトレーニングですが、基本的に1人で行うアクティビティのため、なおさら自己管理が必要です。

 

例えば食事。食事を摂る前に走るのか、食事を摂ってから走るのか。食べた後すぐに走って良いのか、走った後は何を食べれば良いのか、疑問は尽きません。

 

そこで今回は、アスリート向けの食事や一般の人向けの健康的な食事を提供している管理栄養士を取材。その疑問を解消していただきました。

 

<識者紹介>

東京アスリート食堂 神田錦町本店
管理栄養士:加藤健嗣さん

高校時代サッカーに打ち込むもケガが多く、その要因が食事にあることを知りスポーツ栄養士を目指す。大学卒業後に国家資格である管理栄養士の資格を取得。給食委託会社の病院で食事を提供する部署で約2年間勤務し、2022年3月に「東京アスリート食堂」に入社。自身の経験から、「ケガして好きな競技ができないのは本人も悔しいし、もったいないので、そういった方々を少しでも減らしたい」とアスリートに効果的なメニューを日々提供している。

 

食後すぐに走るのが良くない理由

ランニングを始めるきっかけはさまざまですが、まず注意したいのが走り始めるタイミングでしょう。朝夕を問わず、食後すぐに走るのはNGとされています。

 

食事をした後は胃や腸の働きを邪魔しないよう、激しい運動を控えるのは理解できますが、ではどのタイミングで走り始めれば良いのでしょう。

 

「食後すぐに走ると消化不良を起こしたり、脇腹痛を起こしたりします。ランニングの前に食事を摂るなら、走るまでに一定時間の間隔を空けましょう。軽食なら、摂取後30分~1時間程度空ければ大丈夫ですが、通常の食事の場合は摂ったあと2時間は空ける必要があります。」(加藤さん)

 

食前にランニングを行う場合のメリット&デメリット

■食前ランニングのメリット

早朝にランニングを始める場合、食事を摂る前に軽めのランニングを行えば体も頭もすっきり目覚める感覚があります。

 

「その人の目的や目標によって変わりますが、ダイエットや健康を意識した人であれば食前にランニングを行うのがおすすめです。食事の前は、体内のエネルギーが枯渇している状態です。その状態で走り始めると脂質をエネルギーに変えて、脂肪燃焼という、脂肪を燃やす時間が早まる効果があります。」(加藤さん)

 

しかし、寝起きや仕事からの帰宅後すぐにランニングモードに切り替えるのはやや大変ですが、コーヒー、それもブラックで飲んだり、苦めのチョコレートを摂取することで体の準備ができるとのこと。

 

「ダイエットが目的なら特に、コーヒーはおすすめです。カフェインには興奮作用があり、脂肪燃焼効果を上げ、運動能力の向上も研究結果として出ています。カカオ成分が70%以上のチョコレートでも同じような効果が見込めます。」(加藤さん)

 

■食前ランニングのデメリット

食前のランニングで気を付けないといけないのが、空腹で集中力が低下するというデメリット。その予防のためには、素早くエネルギーを補給できるチョコレートのほか、飴を1つ口に入れるだけでも効果があるそうです。

 

「食事前のランニングは脂肪を燃やしやすくする一方で、空腹で集中力が低下します。集中力が低下している状態で走るとケガをするリスクが高まるので気を付けましょう。

 

めまいや体調不良となり、最悪その場で倒れてしまいます。そういう人の場合、飴を1つ舐めるだけで血糖値は上がるので、走る前に摂っておくと良いでしょう。」(加藤さん)

 

食後にランニングを行う場合のメリット&デメリット

■食後ランニングのメリット

食後は糖分と脂肪の2つのエネルギー源があるため、速く長く走ることができます。 食前に比べると、より高いパフォーマンスを発揮できます。 栄養をすでに補給しているので、めまいや集中力の低下も防ぐことができます。

 

トップアスリートの場合は、練習時間や試合の時間に合わせて食後の間隔を取っています。箱根駅伝などスタート(午前8時)が早い場合は、当日の午前2時、3時に起きて食事を摂っているそうです。

 

「人間の体は最初に炭水化物、脂質をエネルギーに変えて走るので、それらが枯渇しているとパフォーマンスは上がりません。運動の質が上がると消費カロリーや燃焼できる脂肪が増え、タイムアップだけでなく筋力アップにもつながります。」(加藤さん)

 

■食後ランニングのデメリット

前述したように、食後すぐのタイミングで運動をすると脇腹の痛みや吐き気などを引き起こしてしまうことが挙げられます。トップランナーはランニングのパフォーマンスを上げるため、食後にしっかりと間隔を取って練習や大会への準備をします。

 

しかし、ファンランナーとしてランニングを楽しむ人は、学校や仕事などで十分に間隔を取るのが難しいでしょう。そんなときは、軽食を摂ることでパフォーマンスの向上が図れます。

 

「糖質が豊富に含まれている『バナナ』だったら1本。ほかにも、脂質が低くて糖質が多く含まれている『カステラ』、『おにぎり』などの補食を摂り、30分~1時間くらい間隔を空け、走り終わってから普通の食事を摂っていただく方法もあります。」(加藤さん)

 

食前にランニングを行った場合の食事間隔

食前に走り終わったら、早めに疲労回復につながる食事を摂取する必要があります。ランニング後のメニューに関しては、後ほどたっぷり紹介します。

 

「ランニング後はエネルギーや筋肉に含まれるたんぱく質が枯渇している状態なので、なるべく早く食事を摂ったほうが良いでしょう。30分~1時間以内に食事を摂ることで、疲労回復や筋肉の合成につながります。」(加藤さん)

 

食後にランニングを行う場合の食事間隔

食後にランニングを行う場合、メニューよりも重要なのが食後の間隔です。

 

「食事の内容にもよりますが、一般的に定食と言われるような、ご飯と味噌汁が付いて、あとはおかずが何品かあれば600kcal程度。その場合、食後の間隔は2~3時間と言われています。しかし、脂分が多い揚げ物系、唐揚げやポテトフライなどを摂った場合は3~4時間空ける必要があります。」(加藤さん)

 

ランニング後に食べたい食事メニューは?

ランニング後のおすすめメニューは、疲労回復に役立つたんぱく質が中心になります。ここからは『東京アスリート食堂』の加藤さんならではのおすすめメニューを伺いました。

 

■その① 豚の生姜焼き

「豚肉に含まれる“ビタミンB1”と、タマネギに含まれる“アリシン”というのが疲労回復に効果的な栄養素なので。豚肉からはたんぱく質も摂れます。豚肉を摂るアスリートは多いですね。」(加藤さん)

 

■その② 鶏の照り焼き、棒棒鶏(バンバンジー)風のサラダ

「鶏のむね肉もおすすめです。むね肉も低脂質、高たんぱく。鶏のむね肉に含まれる“イミダゾールジペプチド”はアミノ酸の一種で、こちらも疲労回復に効果的です。なので、鶏のむね肉も摂るアスリートは多いですよ。

 

鶏のむね肉のメニューでしたら、シンプルに焼いて、醤油大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1でできる『鶏の照り焼き』。ちょっとアレンジを加えて野菜も取り入れて『棒棒鶏風のサラダ』。」(加藤さん)

 

■その③ 鶏ハム

「鶏のむね肉を低温でじっくり茹でる『鶏ハム』という食事もあります。低温でじっくり茹でると柔らかく仕上がります。本当にハムのような食感です!」(加藤さん)

 

ランニング後には素早いエネルギーの補充、疲労回復につながる食事を摂ることが重要です。しかし、ランニング後に素早く調理したり、事前に用意するのが難しい人のためにコンビニなどで手軽に用意できる食材も教えていただきました。

 

「コンビニなどでも買える『サラダチキン』は味がすでに付いていますし、片手でいけるスタイルなのですぐに摂取できます。鮭とか鶏肉などたんぱく源が入っているおにぎりもおすすめです。」(加藤さん)

 

ほかにも、疲労回復に効果がある“セサミン”を含んだゴマも効果的で、食事やおにぎりにかけることで摂取できます。

 

「走る前後、そして途中でも水分補給もお忘れなく。走るとナトリウムとカリウムなどの電解質が失われます。そこで効果的なのがスポーツドリンク。足がつったり、筋肉がけいれんしたりといったことに対して、水分とたんぱく質、カリウムを摂取することで予防効果が期待できますよ。」(加藤さん)

 

<取材協力>


東京アスリート食堂 神田錦町本店

住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21 10 OVER 9 1F
TEL:03-3233-1555

 

撮影/中田悟 イラスト/奈良裕己 文/マイヒーロー

千賀滉大入団のメッツの総年俸が最下位球団の7倍に! もしこれで優勝を逃したら……

契約情報専門サイト「スポトラック」の公式ツイッターが、2023年メジャーリーグ(MLB)の、贅沢税を含む総年俸を発表。1位のニューヨーク・メッツの総額が、最下位オークランド・アスレチックスの約7倍となり、SNS上をざわつかせている。

 

メッツの総年俸は、なんと5億200万ドル(約666億円)。2位ニューヨーク・ヤンキースの3億1000万ドル(約412億円)に1億ドル以上の差をつけた。

 

ストーブリーグの主役と言っても過言ではないメッツ。福岡ソフトバンクホークスから育成ドラフト出身選手として初のメジャーリーガーとなった千賀滉大と5年7500万ドル(約100億円)の契約を結んで日本でも話題になったばかり。

 

最大8球団での争奪戦となった千賀がメッツを選んだ理由の一つが、「レジェンドであるシャーザーやバーランダーという2人の存在が僕にとって大きかった」ことだった。

 

今季入団した、サイ・ヤング賞通算3度受賞のマックス・シャーザーに加え、今季の受賞を併せ、シャーザーと同じサイ・ヤング賞3度のジャスティン・バーランダーが2年8667万ドル(約115億円)で入団している。

 

さらには、サンフランシスコ・ジャイアンツとの契約が決まりかけていた、球界最強遊撃手といわれるカルロス・コレアを12年3億1500万ドル(約419億円)で獲得するなど、空前の大補強を敢行したメッツ。1986年以来35年以上も遠ざかっているワールドチャンピオンに向けて勝負をかけてきた。

 

今季は地区2位から6年ぶりにプレーオフ進出も、ワイルドカードゲームであっさりとサンディエゴ・パドレスに敗れたメッツ。この歴史的な大補強で優勝を飾ることができなければ、“MLB史上最大の失敗”として歴史に残る可能性もあるだろう。

W杯の解説が話題となった本田圭佑。自身の写真ネタで「大喜利」を募集し大反響

カタールワールドカップ(W杯)での自由すぎる解説が話題となった、元日本代表・本田圭佑のツイッターがW杯以外でも話題となっている。

 

まず日本対コスタリカ戦が行われた11月27日の試合前、自身で撮ったマッチョ画像に「写真で一言。」とコメントを付けて大喜利を募集すると、「いいね」は19万件を超え、ファンからボケのリプが続々と投稿された。

 

日本敗戦後の12月10日には、マッチョな体に、目を見開きながら舌を出した自撮り写真で再び「写真で一言。」とツイート。

 

W杯終了後には、ベージュのスーツ姿で何やら考え込んでいる画像をお題に。

 

そして、現在はピッチに片膝をついて何かを眺めている写真がお題となっており、なかにはモノマネ芸人むらせやJP(ジェーピー)など、芸人からもリプが寄せられている。

 

日本代表でW杯に3回出場し、日本人初となる3大会連続ゴールを決めた本田。2021年はリトアニアの1部リーグでプレーしたが、現在は無所属。膝の状態が良くないため治療も行なっているそうで、現役続行には意欲を見せている。

 

また、2018年からカンボジア代表のGM・監督も務めており、W杯決勝戦の解説後には東南アジア選手権が行われるカンボジアに向かい、初戦のフィリピン代表から白星を挙げた。

 

日本サッカーのレジェンドとして、その言動が注目されている本田。今度はどのような行動を見せてくれるのか、ツイッターからも目が離せない。

ミズノ「ウエーブネオ ウインド」。今どきイケメンシューズの素顔!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣③「ウエーブネオ ウインド」の巻

 

シューズ好きも、ランニング好きも、必読! 最新のランニングシューズを、開発担当者に聞いて、実際に履いて走ってレビューする本連載。日本が誇るミズノにフィーチャーする3回目は、ミズノの基幹シューズ「ウエーブライダー」のDNAを継ぐ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」である。

↑「ウエーブネオ ウインド」日本のみならず、グローバルで展開中。カラーは、ホワイト×ブルーのみ。メンズ、ウイメンズともに2万2000円(税込)

 

純白のボディに、ブルーの差し色。ファッションユースと見まごう、今どきのイケメンシューズの素顔や、いかに⁉ 今回も、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

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ミズノ初の“CO₂オフセット”シューズ!

いつもは、機能を中心にシューズのインプレを行う本連載。しかし、今回の話題の中心は、その製造から流通に至る、全ての工程だ。ミズノが、本気で環境負荷低減に取り組んだ「ウエーブネオ ウインド」。どんなシューズなのだろう?

 

「ウエーブネオ ウインド(以下、ウインド)の原材料には、CO₂排出量を抑制するため、リサイクルポリエステルや植物由来など、環境に配慮した素材を使っています。印象的な白のアッパーはニット(編み物)ですが、環境負荷低減のため、染色工程で水を使用しておりません」(吉村さん)

↑ウインドは、シュータンからシューホールまで一体になったようなシームレス構造

 

さらに、シューズの流通や最終的な廃棄までのライフサイクルを視野に入れ、CO₂を吸収する木々の植林も行われたという。

 

「ウインドに使用されている、クッション性と反発性に優れたミッドソール(ヒールウエッジ)のフォーム材『ミズノエナジー』には、安定感の要となるプレートの『ミズノウエーブ』にも、植物由来の原材料を使用しています。水辺にも繁殖している藻類を回収し、原材料として使っています」(吉村さん)

↑ミッドソール下部に通常のミズノエナジー、上部に軽量なミズノエナジーライトを搭載

 

ミズノ欧米攻略のための、新たな橋頭堡

ウインドの主なターゲットは、ミレニアム世代やZ世代。欧米を中心に、これらの世代はサステナビリティにも高い関心を持っているという。

 

「環境意識の高い欧米のミレニアム世代やZ世代に向けて、ミズノのメッセージをきちんと伝えることで、ブランドの認知度を上げることも視野に入れています。そのため欧米では、かなりの数のウインドを展開しています」(吉村さん)

 

ウインドのイケメンぶりは、ファッションではなく、まさに環境への配慮そのものだ。しかも、そんなイケメンを単なるイケメンで終わらせず、走り心地をしっかりと追求している点もミズノたるところ。開発のコンセプトは、“フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減するシューズを生み出すこと”なのだ。

 

「ウインドは、42.195㎞のフルマラソンを3時間30分以内で走る、いわゆる“サブ3.5”のランナーが履くシューズと同等のスペックです。前回取り上げていただいた『ウエーブライダー26』が、サブ4ぐらいのスペックですので、たしかにウインドの方が速い位置づけですね」(吉村さん)

 

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ライダーのDNAを持った韋駄天=ウインド

実は、このシューズのベースとなったのは、2021年度まで展開していた「ウエーブライダーネオ ウインド」だったという。今回紹介するウインドにも、「ウエーブライダー26」に搭載されたウエーブと同じスペックのものを搭載。まさにライダーの系譜を継ぐシューズなのだ(2022のコレクションからはライダーの名称が外されている)。

 

さらに、ウインドのミッドソールには、「ミズノエナジーライト」というエラストマーのフォーム材も採用されている。ミズノエナジーライトは、標準的なミズノエナジーよりも、軽量かつ反発性に優れており、レーシングシューズなどで使用されている。

 

「ウインドは、あくまでランニングシューズです。なので、カジュアルに対応させようとは考えていません。しかし、プロトタイプを見たとき真っ白で“めっちゃいい”って、私も思いました(笑)」(吉村さん)

 

パっと見のウインドは、“今風のイケメンだから、カジュアルでも受けるだろう”という程度の印象だった。しかし、話を聞いてみると、けっこうな韋駄天だ。“イケメンのナイスガイは、けっこうな瞬足”なんて、人間だったら嫉妬するところ。でも、ランニングシューズなら、ズルいほど◎だ!

 

いよいよ、ウエーブネオ ウインドを試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ウインドの試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。今風のイケメンがどこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ニットのブーティ構造は、履くのが少し面倒。しかし、いったんシューレース(靴ひも)を締めてしまえば鬼に金棒。抜群のフィッティングが得られる!(もちろん、サイズや足型が自分の足に合っている前提だが……)。

 

かかとをシューズに合わせたら、はと目(シューレースを通す穴)ひとつひとつ丁寧に、平ひもが捻じれないように締めていこう。ウインドの特盛のミッドソールは、歩く際に、左右のシューズがこすれるほどだが、走り出せば心配無用だ。

 

立ち上がると、ソールから足に伝わってくるのは、筆者好みの程よい硬さ。2020年に発表された「ミズノエナジー」以前の頃の、往年のライダーの乗り心地を彷彿とさせる。今風のイケメンのくせに、昔気質のハングリーさもありそう。これは侮れない……。

↑アウトソールには軽量性とグリップに富んだG3ソールを全面に搭載。足裏も爽やかさが漂う!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

ゆっくり走り出す。前回のライダー26と同日にインプレをしたが、着地はライダー26より硬め、前足部で地面をがっちり捉えている印象。もしかして、ウインドの前足部の面積は、ライダー26よりも広い? と思い、ウインドとライダー26を比べるが、全く一緒だ。しかも、安定性の要となるウエーブのスペックは、ライダー26もウインドも同じだという。

 

両者の際立つ違いは、ウインドのミッドソールに「ミズノエナジーライト」を採用している点だ。ミズノエナジーライトは、読んで字の如く、ミズノエナジーよりも軽く、しかも衝撃緩衝性と反発性に優れている。さらに、中足部からかかとにかけては、ミズノエナジーも採用。ミズノエナジーで着地衝撃をソフトに緩衝し、ミズノエナジーライトで大きな推進力に変えている。

 

ウインドは、全体的にはライダー26よりもソールが硬めだが、ミズノのランニングのコンセプトである“スムーズさの追求”を忠実に再現している。ある意味で、ライダー以上に、ライダーらしいシューズなのかもしれない。それを明らかにすべく、スピードを上げてみよう。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

地面をがっちりつかむ感触は、どうやらアウトソールの素材も影響しているようだ。ウインドには、実業団選手レベルのシューズに採用されている「G3」という、軽量でグリップ性が高いパーツが使われている。試しに、石畳の坂道を登るが、驚くほど路面を捉える。そのまま駆け下り、下り直後のコーナーリングでも、スリップの不安がない!

 

ちなみに、ウインドを履いて、何も考えずに心地よく走ってみた際の速度は、1キロ5分45秒ほど。同日インプレをしているライダー26は、6分20秒。同じスペックのウエーブを搭載しているが、なるほどウインドは明らかに速い! 運動不足解消でスタートしたジョギングが、いつしかダイエット目的も加わって体脂肪が落ち、距離を走る楽しさを感じられるようになってきたら、ウインドはピッタリな一足になっているはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

環境に配慮した無染色のホワイト地に、ブルーの差し色。日本国内での流通が限られたシューズだけに、周囲の目線がチラチラ筆者の足元に集まる。ここは自宅からほど近い、とある10㎞のローカルレース会場。インプレ3日目の本日は、レースでの実戦で試すことに。おしゃれ感覚の今どきイケメンシューズと思いきや、一連のインプレで、実戦投入の腹が定まった。ウインド、期待できそうだ!

 

で、よく晴れた、少し暑いくらいのレース本番。あくまでインプレが目的なので、5分を少し切るペースで走ってみる。しかしながら、ペースダウンを意識しないと、“もっと走らせろ”と加速モードに、スグに入ってしまう。ウインド、なかなかの若武者ぶりだ。

 

ゴール前2㎞、さらに加速してキロ4分巡航。すぐ前を走っていた地元の国会議員をぶち抜くべく、最後はキロ3分を切ってみたが、全ての加速にウインドはきれいに反応してくれる。シーズン初めに無理は禁物なのだが、ウインド、やっぱり侮れない。

 

で、結論。ウインドは、気持ちが前向きになる“スカッと走”に最適だ。今風のイケメンのルックスも、前向きの気持ちを後押ししてくれる。42.195㎞のフルマラソンなら、初参戦や完走を目指すよりも、2回目や3回目の自己ベスト更新のチャレンジに合っている。

 

最後に蛇足ながら、ミズノさんにお願い! こうした環境配慮型のシューズに合った、今どきイケメン風、しかもレースへの実戦投入可能で、かつファッション性に優れたホワイト&ブルーのカラーコーデもバッチリのアパレルを作ってくださいませ。ベースレイヤーやライナーも工夫し、リサイクル+天然素材など機能性を大きく損なわない提案ができるかと。期待しています!

 

撮影/石原敦志

撮影協力/10 over 9「ランキューブ」(東京・神田錦町)

 

 

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カーボン成型技術に長けたYONEXのカーボンプレート入りランシュー内覧会潜入レポ!

テニスやバドミントンのイメージが強いYONEX(ヨネックス)のランニングシューズがあるらしい……。という話は小耳に挟んでいたのですが、元バドミントン部でYONEX愛用者だった私。「どんなシューズなんだろう」と気になっていたところ、YONEXの新作ランニングシューズの試走イベントに参加できることに!

 

より安全に走るためのカーボン搭載シューズ「SAFERUN」シリーズ

カーボンプレート入りランニングシューズが注目され始めたのはここ5年くらいの話ですが、実はYONEXのテニス&バドミントンシューズには、1997年からカーボンプレートが取り入れられていました。

 

ラケットのフレームにカーボンが使われているのは知られていますが 、シューズにも25年も前から取り入れられていたとは! そんなカーボン成型の技術を用いて、40パターン以上の形状でシミュレーション解析、試走を実施し、ランニング専用のフルレングスのカーボンが開発されました。

↑ランニングシューズSAFERUNシリーズについて、YONEX製品開発部の横山さんから製品説明が行われた

 

製品開発部の横山さんからの製品説明を聞いてすぐに納得。テニスやバドミントンのラケットのフレームに使われているのはカーボン。近年ランニング界においても人気が定着したカーボンプレート入りのランニングシューズを、優れたカーボン成型技術を持つYONEXが開発した、となればぜひ履いてみたいですよね!?

 

カーボンプレート入りランニングシューズは、より速く走りたい人のためのもの、というイメージがありますが、YONEXのSAFERUNシリーズは、怪我なく安全に、そして楽に走るためのカーボンプレート入りランニングシューズです。SAFERUNシリーズに使われているカーボンプレートは、“3D-POWER CARBON”という形状で、適度なしなりが筋肉の負担を軽減してくれます。

↑YONEXのランニングシューズ、SAFERUNシリーズ

 

↑高い安定性と推進力で走りが楽になる“3D-POWER CARBON”

 

3D-POWER CARBONが搭載されたシューズは、「SAFERUN AERUS(エアラス)」、「SAFERUN 100X」、「SAFERUN 200X」の3モデル。この3つのモデルはそれぞれ、走行ペースに最適化したカーボンプレートが使われています。プレートの踵周辺を立ち上げる3D形状にすることで、着地時の横振れを軽減して膝への負担を軽減。前足部と中足部の強度に適した合成になるようにカーボン繊維の積層角度を変えて、しなり度合いが調整されています。

↑「SAFERUN AERUS(エアラス)」、「SAFERUN 100X」。そして12月に登場した「SAFERUN 200X」

 

↑AERUSのカーボンは、プレート自体に硬さがありしなりは弱め。スムーズに進むカーブ状になっています。100Xは、適度なしなりで走行時の高い安定性を実現。200Xは、前足部にかけてしなりやすく、脚が自然と前に出やすい設計に

 

最高級のセーフティ機能で長距離もラクラクな「SAFERUN 200X」

ランナーの怪我で最も多い、膝の負担を和らげるSAFERUNシリーズ。中でもSAFERUN 200Xは、YONEX史上最大ボリュームのクッション性に、YONEX史上最大のソール幅。従来品「SAFERUN 200」と比較してクッション性は+11%、ソール幅は+17%と、大幅に進化しています。

↑「SAFERUN 200X」1万8700円(税込)。メンズは3色、ウィメンズは2色展開

 

ミッドソールに使われている“FEATHER LIGHT X”という素材は、従来の素材から12%もの軽量化を実現。そして着地衝撃が最も高くなる踵部に集中して搭載されているのは“POWER CUSHION+”。12mの高さから落とした生卵が割れずに6mも跳ね返るほど、衝撃を吸収して力に変えてくれるという驚きの高反発クッション材です。

↑POWER CUSHION+。クッションが着地時の衝撃を吸収し、膝への負担を和らげてくれます

 

SAFERUN 200Xに使われている“3D-POWER CARBON”は、中足部に高い剛性を持たせつつ、前足部は適度にしなる仕組み。さらに母指球部分を少し浮かせたロッカー形状のソールにより、自然と脚が前に出てより楽に走れます。

↑こんなにもしなる3D-POWER CARBON!

 

SAFERUN 200Xを履いて5km試走

SAFERUN 200Xのアッパー素材に使われているリサイクルポリエステル100%エンジニアードメッシュは、足の部位ごとに編み密度を変えた設計。適度な厚さ、適度な柔らかさで足を包み込んでくれます。ペラペラの薄いアッパー素材より、適度な厚さがあったほうが包まれている安心感があるので、好きな履き心地です。

 

ソールに厚みがあると気になるのは横振れや安定感ですが、ソール中心部が肉抜きしてあり、重心が中央に集中することにより横振れも抑制されます。踵を包み込むような3D-POWER CARBONも相まって、着地に安心感がありました。

↑ミッドソール内側に4本の柱が設けられているので、脚が内側へ倒れ込むのも防いでくれます

 

↑アウトソールの踵部分には、トッププロ向けのテニスシューズに使用されている高耐久のエンデュランスラバーが使用されています。従来品の素材と比較して耐摩耗性が約2倍になっていますね

 

ソールの適度な柔らかさと反発性が足運びを楽にしてくれるのが感じられて、とても気持ちよく走れました。私個人の意見ですが、1km6分半以上のペースで走るのが心地よく感じます。初心者ランナーはもちろん、中級者以上のランナーのLSDにも使えそうですね。YONEXのカーボンプレート入りランニングシューズSAFERUN 200Xは、おしゃべりできるペースで、のんびり走るのが好きな私にピッタリのランニングシューズだなと思いました。

 

 

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アルゼンチン悲願のW杯優勝! メッシの“三つ星”ユニフォーム画像は「いいね」15万超えのフィーバー!

「2022 FIFAワールドカップ」は、アルゼンチン代表がフランス代表をPK戦の末に下し、36年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた。主将である、35歳のリオネル・メッシにとっては“最後のW杯”として挑んだ大会で、自身初となるワールドカップのトロフィーを掲げた。

 

 

そんなメッシの優勝決定後の画像が話題となっている。米スポーツ専門局「ESPN」のサッカー専門ツイッターが公開した画像は、選手たちに肩車されながらトロフィーを掲げるメッシの胸元をとらえたもの。

 

 

試合中、左胸のエンブレムには「星」は2つだったが、3つに増えている。ナショナルチームのユニフォームには、W杯の優勝回数と同じだけの星を配するのが慣習となっており、早速、選手たちには新仕様ユニが用意されていたのだ。

 

ちなみに、この新エンブレムは優勝直後にアルゼンチンサッカー協会も公式ツイッターで公開し、プロフィール画像などもすでに差し変えている。

 

 

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大会前から「これが最後のW杯」と公言していたメッシ。W杯で再びこの“三つ星”ユニを着ることはなさそうだ。決勝戦前にも「間違いなくそうなる」と最後のW杯への決意は変わらなかった。ただ、すぐに引退するのではなく、代表でのプレー自体は続けることも合わせて明言しているので、しばらくは“三つ星”ユニ姿を見られそうだ。

 

 

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またもうひとつ、優勝決定後に話題となったのは、メッシだけが表彰式で羽織っていたローブ。これは「ビシュト」と呼ばれるアラブ諸国の伝統的な男性の衣装で、カタールのシャイフ・タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長からメッシに壇上で贈呈された。SNS上では賛否両論が寄せられている。

タイガースの来季スローガン「A.R.E.」にファンが騒然! 「知らんけど」の次は「アレ」が流行語に!?

12月17日午後、阪神が来季のスローガン「A.R.E.」を公式ツイッターで発表すると、瞬く間に視聴数は40万回を超えた。

 

岡田彰布新監督が動画で発表した新スローガンは「A.R.E.」。AはAimで「チームとしての明確な目標、RはRespectで「野球や諸先輩方に対して敬いの気持ち」、そしてEは「個々のパワーアップ」で、球団としては“えーあーるいー”と呼ぶ方針だ。

 

しかし、このスローガンを見た阪神ファンから“ツッコミ”コメントが殺到。岡田監督は監督就任時から、選手にプレッシャーをかけないために「優勝」という目標を掲げず「アレ」と表現。「A.R.E.」は「アレ」と読めることからファンが騒然となった。

 

岡田監督が「アレ」を口にしたのは、2004~08年の阪神監督から2年後、1994年から2年間在籍した、オリックスの監督に就任した2010年。チームはセ・パ交流戦で優勝を狙えるポジションにいたが、岡田監督は選手へ優勝を意識させないために「優勝」という言葉は使わず「アレ」と表現した。

 

そして、2022年10月の阪神監督復帰就任会見でも「『優勝します』とは言わない。ずっと優勝は『アレ』しか僕は言ってなかったんで。シーズン終わる頃には楽しみにしてもらったら僕はいいと思いますね」とコメント。

 

16日に行われた新人選手入団発表会でも、新入団選手は「『アレ』に貢献できるように頑張ります」などと意気込みを口にしていた。そのため、今回の発表でもファンは“アレ”として大いに盛り上がった。

 

中には、早くも来年の流行語大賞に推す声もあるが、「優勝」ではなく「アレ」を達成すればその可能性もなくはないだろう。

 

さらに、ファンのための雑誌『月刊タイガース』の告知ツイートに対しても、タイトル「2023猛虎であれ!」の「~あれ!」を「~アレ!」と読み取ったコメントが寄せられた。

 

来季、阪神が快進撃を続ければ、きっと出てくるだろう“アレ”。そのときに迷わないよう、来年は関西では“アレ”は“優勝”のことを指すことを覚えておこう。

ミズノ「ウエーブライダー26」はランシュー界の高級SUV /「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣②「ウエーブライダー26」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、日本で開発され、世界中で支持される、ミズノランニングの基幹シューズ。26代目となる「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」である。

↑「ウエーブライダー26」全10ラインナップ(メンズ⦅2E相当⦆3モデル、メンズスーパーワイド⦅4E相当⦆3モデル。ウイメンズ⦅2E相当⦆2モデル、ウイメンズスーパーワイド⦅4E相当⦆2モデル)、いずれも1万4850円(税込)

 

では、前回に引き続き、ウエーブライダー26(以下、ライダー26)の企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

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ミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブがある。/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

 

“ウエーブライダー史上最高のクッション性”とは?

今回注目するのは、最新ウエーブライダー26である。最新ライダーは、昨今のトレンドである、高いクッション性を得られるモデルだ。2020年からミズノが肝入りで展開する衝撃緩衝性と反発性に優れたフォーム材=「ミズノエナジー」の厚みは、前作よりも2㎜アップ(サイズ27cm)。キャッチコピーは、“ウエーブライダー史上最高のクッション性”である。

 

長年ライダーを履き続けてきた筆者にとって、26作目のミッドソール厚の変更は大変興味がある。たかが2mmながら、されど2mmである。なぜなら、ライダーの最大の魅力は、ミッドソールに配された、適度な硬さのプレート材「ミズノウエーブ」による安定性だから。つまり、フォームが厚くなれば、かえってウエーブによる安定性を損なう可能性が高まる。

 

この2つの両立を、届けるべきターゲットに向け、バランスよく仕上げる。書くのは容易だが、実現は簡単ではない。シューズの開発コンセプトと設計、機能性の高い部材の組み合わせという、正解のないジグソーパズルの答えは、無数にあるからだ。

 

「ライダーの良さは、中足部のプレートである『ミズノウエーブ』による安定感と、その反発性です。そこは、今後も変えずにいきたいと思っています」(吉村さん)

 

“ライダーの良さ”は、ウエーブに宿る

担当者・吉村さんの言葉は、“ライダーイズムの継承”の決意と言える。時代のニーズに合わせてクッション性を担保しつつ、それでも変わらぬ“ライダーらしさの答え”もまた、ウエーブによって導き出したという。

 

「ライダー26では、ウエーブの形状を変えています。25では、ウエーブ左右の両端の巻き上げは、内側にだけ施していました。一方の26では、両サイドを巻き上げています。さらに26では、着地の安定性に影響しない範囲で、かかと側のプレート長を短くすることで着地時の柔らかさをより感じられるようにしました。しかも、(軽量化の工夫をしながら)ウエーブの形状を変えて、強度を高めました。これらの変更はすべて、ミッドソールを2mm厚くしたことに対応する、ライダーの安定性の確保のためです」(吉村さん)

↑ミッドソールのフォーム材に挟まれたブルーのプレートが「ミズノウエーブ」

 

ライダー26では、シューズの裏面のアウトソールも変更。前足部と中足部にかけてのラバーを、セパレートでなく一体化させている。ミッドソールへの過度な屈曲を抑え、スムーズな体重移動をサポートするためだ。さらに、アウトソールの前足部と踵内側には、微発泡ラバーを採用。軟らかさと軽量性を追求した。

↑ライダー26のアウトソール。ガイドラインの溝の奥に見えるのもウエーブプレートだ

 

「ライダーのレンジ幅は、ミズノエナジーによって、さらに拡がりました。日常生活を快適に過ごす普段履きはもちろん、運動不足解消のジョギングにも、ダイエットを目指す方にも、初めてのフルマラソンや、マラソンを4時間以内で走り切る目標を持つ方たちまで、ライダー26はさらに幅広く対応できるようなったのです」(吉村さん)

 

いよいよ、ウエーブライダー26を試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ライダー26の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行う。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。気になるライダー26のポテンシャルを、引き出してみた!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

走り出すには、心のウォーミングアップも必要だ。まずは、丁寧にシューズを履いてみよう。ライダー26の平ひものシューレースは、たっぷり緩める。シューズの中まで、新鮮な空気で満たそう。ランニング用の薄手のソックスをまとった足を、シューズに通す。つま先を上げて、かかとをシューズに合わせる。大振りのかかとの部材(ヒールカップ)がしっかり足を包むはずだ。

 

シューレースは丁寧に、きっちり締める。頃合いは、きつ過ぎず、ゆる過ぎず。気持ちを“走るモード”に切り替えるべく、左右均等に締めよう。もちろん、結び目の大きさも揃えたい。徐々に、ライダー26で走り始める心のウォーミングアップが整ってくるはずだ。

 

ゆっくり立ち上がる。前作より2㎜厚くなったミッドソールのフォーム材「ミズノエナジー」の優しい厚みを感じよう。続いて、かかとに重心を移す。かかとには、中足部に配されたプレート「ミズノウエーブ」が及んでいない。その分、ミズノエナジーの心地よい沈み込みを堪能できる。

↑前モデル(ウエーブライダー25)からクッション性は約20%、反発性は約30%向上

 

今度は、つま先重心。前傾姿勢になると、すぐに走り出したくなる。その理由は、シューズの設計にある。つま先とかかとの高さを比べた際、かかと側が12mm高い構造だからだ(ランニングシューズ界隈では、この落差をドロップと呼ぶ)。ほどよいドロップによって生まれる前傾姿勢は、カラダを前へ進めることに役立つ。たしかに、過度に高いドロップは膝への負担を高めがちだが、低いドロップのシューズ=快適に走れるとも限らない。

 

話とともに、重心を、ニュートラルに戻そう。アーチ(土踏まず)は、中足部に配されたプレート=ミズノウエーブがしっかりとホールドしている。今、走り出せば、ウエーブによって、さらなる安定感を得られるはずだ。準備完了! あとは、走り出すだけ!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

1㎞を7分かけて走る。ランナーは、時速ではなく、「キロ〇分」という表現で、自分たちの速度をカウントする。ちなみに、キロ7分は、時速にすると8.75㎞/時。歩きの時速は4㎞/時ほどなので“超速”っぽいが、実際走ってみると、キロ7分なら、運動不足解消のジョギングペース。一緒に走るひととおしゃべりできる、の~んびりランである。

 

キロ7分での、ライダー26。着地の瞬間、「ミズノエナジー」の軟らかさが、かかとから足の裏全体に伝わってくる。ミッドソールが2㎜厚くなって、なるほど今どき流行のソフトな着地感を堪能できる。

 

運動不足の解消が目的、公園まで往復3~5㎞程度のジョギングであれば、ライダー26はもちろん申し分ない。実際、何も考えずに、気持ちいいと感じるペースで走ると、1キロ走るのにライダー26では6分20分秒。あくまで筆者の走力でのインプレなのだが、ライダー26の設計上のポテンシャルとも、まさに噛み合ったペースと言える。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

続いて、1㎞を6分で走るペース。時速に直すと、ジャスト10㎞/時。1時間走り続ければ、10㎞進む計算になる。大雑把な目安だが、ランニングで消費されるエネルギーは、距離×体重で計算できると言われている。体重70㎏の人が、10㎞走ると700キロカロリー。700キロカロリーは、そば一杯分程度なので、ランチを食べなかったくらいのダイエット効果がある。1㎞6分のペースだと、消費カロリーの約半分は、脂肪が使われる。距離を伸ばせば伸ばすほど、つまり、お腹周りは軽くなるのである。

 

ペースを上げても、さすが26代目となるライダー、余裕の安定感だ。試しに、ダラダラ上る坂道に突入。2㎜厚くなったミズノエナジーの反発性がいかんなく発揮される。体力以上に、ぐいぐい登る。乗り物でいうと高級SUVや、クロカンMTBの上級モデルのような、スムーズな登坂力だ。ただのチカラ任せではなく、サスペンションを含めた躯体の構造でガシガシ前に進む、あの感覚が得られる!

 

下りも快適。アウトソールの一体化された広いラバー面、さらにウエーブのおかげで、安定感も抜群だ。昨今ブームの厚底&プレート無しのシューズだと、内側のフォーム材を厚くして安定感を出すタイプもあるため、下りでの安定感に不安を覚えることも。その点、プレートのあるライダー26は、そんな不安とは無縁だ。

 

インプレに要する絶対的な時間が必要なので、断定こそできないが、フルマラソン以上の距離でも、最新ライダー 26はポテンシャルを発揮するはずだ。特に、いっぺんにまとめて70㎞~100㎞走るウルトラマラソンなどの、いわゆるエンデュランス系のイベントにも合うだろう。筆者も、過去のモデルのライダーで、100㎞のウルトラマラソンを何度も走っている。ウルトラマラソンには、コースにアップダウンが組み込まれているため、ウエーブの安定性は後半の救いの綱となるはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

下り坂でペースアップしたので、そのまま走り続ける。坂道の位置エネルギーによる慣性は、平地に戻ると、あっという間に終わる。その後の立ち上がりは、脚力の勝負。MTBであればギアを落とし、サスペンションをロックして、立ち漕ぎでもがいて加速するシーンだ。

 

ライダー26のミズノエナジーの反応性も、決して悪くはない。時間をかけてペースを上げるなら、十分すぎるスペックだ。しかし、打てば響く、まさにレースで使う加速性能は、持ち合わせていない。ライダー26の反応速度は、レースに勝つためではなく、あくまでランを楽しむためのものと言えよう。

 

実は、ミズノエナジーには、さらに上位スペックの「エナジーライト」、「エナジーコア」がある。これらは、さらなる衝撃緩衝性と高い反発力を持つフォーム材だ。ハイスペックなフォーム材は、使い方を誤ると怪我のリスクにもなる。上位スペックを含めたミズノエナジーの全貌は、いずれまた、この企画で紹介する機会を設けたい。

 

ライダー26の魅力は、“スカッと走”よりも、運動不足解消や脂肪燃焼ランに向く。さらに、ウルトラマラソンなどの過酷な環境でのランニングに適していると言える。ライダーが目指しているのは、安定性に優れ、バランスの良い“誰からも愛されるシューズ”なのだ。

 

次回の予定は、ライダーのDNAを受け継ぎ、ライダー26と同じスペックのウエーブを採用している「ウエーブネオ ウインド」。今どきのイケメン風のシューズ素顔やいかに! 乞うご期待である。

 

撮影/石原敦志

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

サムライブルー、強豪スペインに勝利でグループ1位通過! その瞬間起こった“ある事象”とは?

ワールドカップ2022カタール大会、サッカー日本代表“サムライブルー”は強豪ドイツ、さらにスペインに勝利しグループ1位で決勝トーナメント進出を決めた。その歴史的な一戦、スペイン戦終了の直後、日本中で“ある事象”が起こっていたのをご存じだろうか。

 

試合が行われたのは12月2日金曜日の午前4時。スペインに1点を先制され4時46分に前半終了。5時01分の後半開始後3分に堂安 律が同点ゴール、さらに3分後に田中 碧の逆転ゴールで5時53分に試合終了。2対1で2大会連続決勝トーナメント進出を決めた。

 

ゲームは平日の早朝ということで生観戦は諦めた人もいただろうが、寝ずに、または開始時間に合わせて早起きして見たファンも多いだろう。その時間帯の配水量の変化を東京都水道局がツイッターで変化グラフの画像を公開し話題となった。

 

試合開始前、ハーフタイムに増加した配水量は、試合終了前に平均を大きく下回ると、終了とともに一気に増加。お湯を沸かしたり、お風呂に入ったりする人もいるだろうが、多くの人はトイレを我慢していたのではないだろうか。

 

また、この投稿には「サッカー #ワールドカップ 等のイベント放映時には、お客さまの水使用量が急激に変動することがあります。 東京都水道局では予め水量・水圧を調整するなど、お客さまに影響を与えないよう安定した水の供給に努めています。」とのメッセージも忘れてはいない。

 

東京都水道局のツイッターでは、前回のロシア大会、初戦でコロンビアに勝利したゲームの後にも画像を公開している。

 

【祝☆サッカーワールドカップ日本勝利!】とのお祝いコメントも添えていた。前回は試合開始が21時01分と今回よりも視聴しやすい時間帯だったことで配水量の増減が大きかった。ちなみに前半でゴールしたのは香川真司、そして後半は大迫勇也だった。

「平成の不死鳥」植木通彦氏に聞く「ボートレース」を初心者が楽しむ方法

“水上の格闘技” とも呼ばれているボートレース。競馬、競輪、オートレースと並ぶ公営競技のひとつで、日本全国24か所にボートレース場が存在していますが、なんとなく敷居が高く感じられるかもしれません。ところが、最近のボートレースは何かが違う……?

 

SNSを通じてボートレーサーを知る人、モータースポーツの迫力に熱狂する人、週末は親子でボートレース場に出かけている人、自宅でボートレースを楽しむ人など、 “ギャンブル” のイメージから脱却しつつあり、多方面からボートレースを楽しむ人が増えているのだとか。

 

今回は、自身もかつて伝説的レーサーとして名を馳せ、引退後はボートレースアンバサダーとして魅力の普及に努める植木通彦さんに、ボートレースに関する基礎知識や、初心者でも安心な令和的「ボートレース」の楽しみ方を教えていただきました。

 

なぜ「ボートレース」が注目されているのか?

2022年3月に行われたレース、SG「ボートレースクラシック」では、ボートレース史上初となる女性レーサーの優勝でスポーツ紙を賑わせました。 “SG” とはスペシャルグレードのこと。ボートレースには「SG・G1・G2・G3・一般」の5つの階級が存在しますが、最高峰のレースで女性が優勝したことになります。優勝した遠藤エミ選手にも注目が集まり、テレビ番組やインターネット、雑誌でも大きく取り上げられています。

↑遠藤エミ選手。70年続くボートレースの歴史で、女性がSGレースで優勝を飾るのは初。

 

また、近年ボートレース人気は急上昇。SNSやYouTube配信などを通じて、家にいながら楽しめる “エンタメ” のひとつとして盛り上がりを見せています。ここまで話題となっている背景には何があったのでしょうか?

↑植木通彦さん。18歳でボートレーサーデビュー。SGレースでは10回の優勝を経験し、生涯獲得賞金は22億円超。39歳で電撃引退した後、ボートレーサー養成所で所長を務めました。2018年からはボートレースの魅力を伝えるボートレースアンバサダーとして活動しています。

 

「大きく2つの要素があると思っています。ひとつはレース自体が面白くなったこと、もうひとつがレース場のイメージが変わったことです。
ボートレースは若手、中堅、ベテラン、男女とそれぞれの世代でレーサーが活躍しています。世代・性別関係なく勝負するという、ほかのスポーツにはない白熱した面白さを感じていただけるでしょう。とくに女性レーサーがSG優勝を果たしたことで、これまでにないハイレベルな戦いが日々繰り広げられています。また昭和のボートレース場はコンクリートで冷たいイメージでしたが、最近はMooovi(モーヴィ)などのキッズ施設やボルダリングやスケートボード場などのスポーツ施設も併設され、ワクワクするレジャー施設に変わりました。安くておいしいご飯、水面近くはキレイで開放感もありますし、ご家族やカップルで楽しめる場所に進化しているんです」(植木通彦さん、以下同)

全国7か所にある『Moovi』は、子どもたちの成長を応援するのびのびと楽しめる施設。詳細はサイトで確認を。

 

これまでは「舟券」を買うための場所だったボートレース場ですが、間口が広がり、ギャンブルにとどまらない楽しみ方が広がっているそう。またボートレースの売上は、コロナ対策のための日本財団の特別基金への寄付や地域・社会福祉貢献にも活用されており、たくさんの人が関わるようになったことで認知度が上がってきたことも背景にあるかもしれません。

 

事前に知っておきたいボートレースの基礎知識 6

ここからはビギナー向けに、ボートレースの基礎知識を植木さんに教えていただきましょう。

 

1.ボートレース発祥の地は、長崎県大村市

↑大村湾に面したボートレース大村。2018年よりナイターレースを開催しており、キラキラと輝く水面をボートが駆け抜けていく様は迫力満点!

 

「日本にボートレースができたのは、1952年。長崎県のボートレース大村が発祥の地です。実は、開設当時から女性レーサーがいたと言われています。男女平等と言われる以前の時代ですから、先駆者とも言えますよね」

 

ちなみに、2022年の年末に行われる最高峰の大会グランプリは、発祥の地である大村で開催されます。このグランプリに出場できるレーサーは、年間獲得賞金の上位18名のみ。1年かけて18名の座が競われ、優勝賞金は1億円! 全レーサー憧れの舞台です。

 

2.現役ボートレーサー最高年齢は、現在75歳!

↑最高年齢レーサーは、75歳の高塚清一選手。1965年にボートレーサーになり、昭和・平成・令和の3時代を走り続けています。

 

「現役レーサーの最高年齢は、75歳の高塚清一選手です。なんだ75歳でもできるスポーツなのか、と思う人もいるかもしれませんが、高塚選手の腹筋はしっかりと割れていて、見た目には75歳とは思えない体つきです。ご自身で体調を管理し、レーサーを続けていることが本当に素晴らしいことだと思います」

 

逆に最年少は、17歳の仲本舜選手。おじいちゃんと孫くらい年齢が離れているレーサー同士が同じレースに出場することも! 他のスポーツではあり得ないバトルが繰り広げられているのです。

 

3.モーターの整備から体重管理までひとりで行う「メンタル競技」

↑ボートとモーターは抽選によって出場するレーサーに割り当てられ、自分が走りやすいように各レーサーが調整しています。

 

「一般的なスポーツは、コーチや監督がついていますが、ボートレースの場合、操縦するモーターの整備から、自身の体重・体調管理もすべてひとりで行います。ただ走っているだけではないのが、メンタル競技と言われるゆえんでしょう」

 

ちなみにレーサーたちは、レース期間中スマホなどのネットワーク機器を預けて、同じ宿舎で寝泊まりしています。

 

4.「当たるのが面白い」から、「応援するのが楽しい」へ

↑レース場にはファンが作成した個性豊かな「横断幕」がずらり。

 

「昔は舟券を買う=レーサーを応援するだけでした。当たるから面白い、そう考えているファンがほとんどだったと思います。最近では、水際でレーサーのタオルやうちわを持って応援しているファンの方も増えてきました。舟券=応援だけでなく、純粋にボートレースが好き、舟券を当てることよりもレーサーを応援したい気持ちで楽しんでいる人もいらっしゃいます。僕の現役時代では考えられなかったですが、SNSの普及などによって、応援の形が多様化しているのでしょう」

 

現役のボートレーサーは現在1600名。全員が1年間養成所での訓練を経て、プロのボートレーサーになった人たちです。元水球日本代表やウェイトリフティング全国大会優勝者、プロ野球や公認会計士といった異業種から転身したレーサーなど、個性豊かなレーサーがたくさん。

↑ウェイトリフティング全国大会で優勝経験のある守屋美穂選手、元水球日本代表でもある倉持莉々選手。レーサーの経歴や出身地などを調べてみると、意外な発見があるかもしれません。

 

5.親子で楽しめるボートレース場が急増中

↑ボートレース場に設置されている「大時計」。スタート前のドキドキ感が高まります。

 

「ボートレース場にやってくる子どもたちが増えました。もちろん舟券の購入はできませんが、スタートを知らせる大時計の近くは、子どもたちに大人気。ご紹介したMoooviのような施設も増えていますし、こうした経験をきっかけに、将来ボートレーサーやボートレースに関わる仕事に関心を持つお子さんが増えるとうれしいですよね」

 

ボートレース場への入場料はたったの100円。レース場ごとに名物グルメもあるので、ふらっと遊びに行くだけでも非日常を味わえます。ボートレース鳴門(徳島県)は温泉に入りながらレース観戦することも。また昨年リニューアルしたボートレースからつ(佐賀県)にはブックカフェや音楽スタジオ、ボルダリング設備などが併設され、どんどん進化しています。

 

6.YouTubeやBOATCASTで365日、毎日レースを配信

↑連日、迫力あるレースがさまざまなレース場で開催されています。

 

「日本に24か所あるボートレース場ですが、YouTubeや動画配信サービスを通じて、毎日見ることができます。どんなもんかな〜? と動画を見てみるだけでも初めて見る人はレースの迫力に驚くかもしれませんね」

 

植木さんも、YouTubeやBOATCASTでいくつか番組を担当しているそう。どれも無料なので、まずは植木さんの番組から見てみるのがおすすめです。

 

ビギナーも即、楽しめる! 植木さんが教えるボートレースの楽しみ方

「よし、ボートレース場に行ってみよう」と思ってもどこで何を見たらいいのかわからないと悩んでしまうかもしれません。そこで、植木さんに初心者さんでも安心なボートレース場での楽しみ方を伺いました。

↑終始笑顔で熱く語ってくれる植木さん。

 

・ボートレース場に行くなら、天気の良い日を狙うべし!

「水面が広くて大きいので、天気が良いだけでも気持ちいいと思います。体感時速120キロのボートが目の前を駆け抜けていくので、音や水しぶきも臨場感もたっぷり。ぜひ天気の良い開催日に足を運んでいただきたいですね」

 

・まずは、2マーク側からレースを見るべし!

「ボートレースの醍醐味は、1マークと言われています。確かに迫力もあり、おすすめの観覧エリアですが、初心者の方は1マークでの攻防をどう見たらいいかわからないことも。初めてみるときには、ピットアウトからスタートするまでの緊張感が伝わってくる2マーク側がおすすめです。レーサーの表情や『がんばれー!』の声援もレーサーに届きますので、まずは2マーク側から見てみましょう」

↑反時計回りに3周するボートレース。基本的には、左奥にあるピットから2マークを回ってスタートの準備を行います。スタート後、最初の攻防を楽しむなら右側の1マーク。スタート前の緊張感が伝わってくるのは、左側の2マーク側がおすすめです。

 

・事前情報は仕入れすぎず、探検気分で楽しむべし!

「レース以外にも面白い場所がたくさんあります。まずはぐる〜っと場内を探索してほしいですね。偶然の発見や、ここのモツ煮は美味しいな、この場所からの眺めがいいな、なんて自分だけの楽しさを見つけてもらいたいです。発見した際には、ぜひSNSやブログで紹介してくださいね」

 

・令和のボートレースで鍵を握る3コースに注目すべし!

「令和のボートレースで鍵を握るのは3コース。1日に開催される12レース中9レースほどは、3コースが内側に切り込むようなレースが展開されていくことが多いです。まずは3コースのレーサーが、どんな展開をするかに注目してみると、レースの予想が立てやすいでしょう」

 

「心・技・体」が鍛え抜かれた
レーサーたちに注目!

2022年10月時点で登録されているボートレーサーは約1600名で、そのうち女性レーサーは249名(2022年10月時点)。1年365日、全国24あるボートレース場のどこかで必ずボートレースが行われています。たくさんいるレーサーの中から、注目レーサーを教えていただきました。

↑左から宮之原輝紀選手(東京)、黒野元基選手(愛知)、澤田尚也選手(滋賀)、中村日向選手(香川)。( )内は所属支部

 

「若手の成長を見届けたい方なら10名選出されているトップルーキーもいいでしょう。強さに加えて、イケメンが勢ぞろいですよ! 女性レーサーも200名以上活躍しているので、気になるレーサーが出ているレースを見に行くだけでも楽しいと思います。さまざまな特技や趣味を持っているレーサーもいるので、1600名の中から気になる “推し” を見つけていただければうれしいです」

 

そんなボートレーサーの平均年収は、なんと1700万円! トップレーサーの年収は1億円以上と、とても夢のある職業でもあります。植木さんご自身も数々のレースを勝ち抜き、賞金を手にしてきたひとり。最後に、そんな植木さんだからこそ語れる「ボートレーサー」に必要なスキルを教えていただきました。

 

「ボートレーサーになる人に共通しているのは、 “自分軸” が強くある人だと思います。そして強くなりたい、今日より明日を良くしたい向上心も高い人です。僕自身も現役時代、最初は家族のためにレースをしていました。それが舟券を買ってくれる人、応援してくれているファンのため、そしてボートレースを見ているすべての人に感動してもらいたいと、視野が広がっていくのを実感したんです。そうすると、もう寝ている場合じゃないって突き動かされるんですよね。現役のレーサーもそんな気持ちを持って頑張ってくれているからこそ、ファンの皆さんに勇気や元気を与えられているのだと思います」

 

※舟券の購入は20歳以上に限られています。無理のない資金で、余裕を持って楽しみましょう。

 

【プロフィール】

ボートレースアンバサダー / 植木通彦(うえき・みちひこ)

1968年、北九州市生まれ。1986年、1年間の養成所生活を経てプロのボートレーサーに。デビューから3年目に全治5か月の怪我をするも半年後にはレースに復帰。テレビCMでも「平成の不死鳥」として紹介されていた。復帰後、92年G1で初優勝、翌93年にはSG初優勝、94年にはグランプリと次々にタイトルを獲得。通算SG優勝10回、G1優勝23回を記録し、2007年惜しまれつつも現役を引退。引退後は、ボートレーサー養成所の所長に就任。2018年に退任してからは、ボートレースアンバサダーとしてボートレースのさらなる普及活動に力を入れている。
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提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

ミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブがある。/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣①商品企画担当インタビューの巻

 

ランニングシーズン、真っただ中! 最新のランニングシューズを、走って、試して、書き尽くす本企画。今回から3回連続でお届けするのは、日本を代表するスポーツカンパニー「ミズノ」だ。

 

1回目は、ミズノのランニングシューズの企画担当者に“履き心地”の秘密を直撃取材。2回目、3回目は最新のランニングシューズをお借りして、走って試した、実走レビューをお届けする!

↑ミズノ「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニング企画課の吉村憲彦さん(写真、右)。ご覧の通りの体型で、学生時代はトライアスロン、現在はトレイルランの大会でもご活躍とのこと!

 

日本生まれの世界的マスターピース=ライダー

ランニングシューズ開発の最前線をレポートする本連載の3ブランド目は、独自の世界戦略を描く、ミズノ。東京・神保町の東京オフィスにお邪魔して、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った。話題はもちろん、ミズノの世界戦略の要となる主力商品、ミズノ「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」。欧米を中心に多くの熱い支持者を持つ、日本生まれのマスターピースである。26作目となる最新モデルの解説を中心に、張り切ってスタートしよう!

 

「初代のミズノ 『ウエーブライダー(以下、ライダー)』は、1997年に発売されました。ミズノのランニングのコンセプトは“スムーズさの追求”です。そのコンセプトを、一番に感じていただけるシューズが、ライダーです」(吉村さん)

 

筆者も、ライダーを長年履いてきた。ライダーの魅力は、何と言っても安定感の良さ。近所の河川敷での普段のジョギングから、さまざまな距離のランイベント、100㎞を走る過酷なウルトラマラソンまで、何度ライダーに助けられたか、数えようもない。

 

酷評をバネに、ライダーの進化がスタート

「ライダーは、誰からも愛されるシューズを目指しています。何かしらの尖った機能ではなく、バランスの良いシューズであることに、常に気を配っています。ミズノが開発した最新の機能や材料は、真っ先にライダーでその性能が試され、徹底的に分析されます。ライダーは、ミズノにとって一番大事なシューズだからです」(吉村さん)

 

シューズ愛が、今にも伝播しそうな吉村さんの言葉に偽りはない。ライダーは、ミズノランニングのグローバル市場における、まさに主力商品だからだ。

 

「実は、初代のライダーは、酷評されたそうです。最近、初代ライダーを、ライフスタイル向けに復刻したのですが、けっこう“もちっ”としていました(笑)。重量も300g以上あり、現在のライダーよりも、さらに走行安定性を重視した、いわゆるスタビリティモデルとしてスタートしました」(吉村さん)

 

もちろん、翌年の『ライダー2』の開発では、ラスト(靴の足型)からフィッティングまで大きく見直されたことは、改めて書くまでもない。その後、アメリカのランニング専門誌『ランナーズワールド』でも高く評価され、ランニングシューズとしての認知度も高まり、四半世紀以上にわたってライダーは世界中で愛され続けることになる。

↑2018年に発売された、ミズノ「ウエーブライダー1」の復刻モデル。1997年当初は、現行のライダーよりも安定性を重視した、より堅牢ないわゆるスタビリティモデルだった。※現在、販売はされていません

 

欧米市場で、ライダーが支持されるワケ

「ライダーが最も売れているのは、欧米市場です。欧米と日本とは、ランニング文化が異なります。ライダーを選ぶ多くの方が、レースや大会ではなく、日常の暮らしの中で走ることを楽しむ“ファンラン”として愛用していただいています」(吉村さん)

 

日本では、走る=ストイックというイメージが、なるほど強い。“私、走っています”と話すと、“フルマラソンに挑む”とか“自己ベスト更新を目指す”など、挑戦や目標という話に、すぐになってしまう。しかし、取材で何度も訪れた欧米では、挑戦する人や目標に掲げる人もいるが、それ以上の大多数の人々の日常の暮らしの中に、ランニングが力まずに溶け込んでいる。通勤や買い物など、ランニングシューズで日常を過ごすことも当たり前だ。

 

ランニングシューズは、そもそも履きやすい上に、きちんした機能もある。欧米で売れているのも、グレーやブラックなど、日常生活でも使えるカラーだというのも、納得なのである。

 

「あくまで個人的な感想ですが、ミズノブランドの欧米での認知度は、皆さんが感じているほど高くはありません。そうしたポジショニングなので、ライダーは、陸上競技などの運動経験があったり、マラソンのファンだったりなど、何らかの形でミズノを知っている方が手に取ってくれる傾向はあると思います」(吉村さん)

↑左は、ライダーのDNAを受け継ぐ、次世代への戦略モデル、ミズノ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」。右が、26代目となるミズノ ウエーブライダー26。いずれも、次回以降で実走レビューを行う予定だ

 

ライダーの“履き心地”の秘密に迫る

日本でも、ライダーを選ぶ層は“一定程度の走力を持っている人”というイメージがある。実際に、マラソン大会などの現場を観察しても、ライダーを履いている人は、体型や走力的にも、全くの初心者ではない。“自分の足に、もっと馴染むモデルを試したくなった”という層が、ライダーを履き、熱烈な支持者になってゆくのだと思えてならない。

 

「“やっぱり、日本人の足に合うよね”と、足入れの良さを実感して購入される方は多く、その点は私たちも自信を持っています。足入れの良さは、アッパーの工夫でも感じていただけます。アッパーのシュータン(足の甲に当たる部材)は、ガセットタングという一体構造で、しかも表と裏で異なるメッシュを使っています。シュータンがズレないようにしつつ、足を快適な状態に保つことをサポートします」(吉村さん)

 

ランニングシューズは、さまざまな部材が組み合わさって作られる、労働集約型を代表する商品のひとつだ。走行時に最も屈曲する甲の部材(アッパー)、ひもの通し方だけでシューズのフィッティングを自在に操ることができるシューレース、つま先からかかとまで足を包み込むアッパー、着地衝撃を緩衝して推進力に替える靴底のクッション材(ミッドソール)、中足部のアーチをサポートして走行安定性を高めるプレート(シャンクとも呼ぶ)、地面をとらえる着地面のアウトソールなどなど。

 

“小さなことの積み重ね”が、シューズの履き心地を決める

さらに、履き心地に直接大きな影響を与えるのが、シューズの成型時に使用される足型(ラスト)だ。完成品のシューズからは外されているが、こうした一つひとつの部材が、履き心地を形作っているのだ。

 

「フィッティングの要となるライダーのラストは、過去に一度だけ見直されました。さらに甲をしっかりホールドするように削ったり、つま先部分にわずかな余裕を持たせたりなど、工夫を重ねた結晶です」(吉村さん)

 

愛用するシューズのラストが変更になると知ると、何足も買い込むファンもいる(オイラだ!)ほど、履き心地に影響するのである。

 

履き心地に影響する部材と言えば、ヒールカウンターも忘れてはならない。最近は、ヒールカウンターを小さくしたり、モデルによってはヒールカウンターそのものがないランニングシューズもある。

 

「初心者にも履いていただくライダーには、他社と比べて特別大きくはないですが、成型されたしっかりしたヒールカウンターを使用しています。インソール(ソックライナー)はEVA素材の方が安価なのですが、履き心地を優先させ、しっかりしたPU素材(ポリウレタン)を採用しています。これはミズノの品質基準が、非常に厳しいためです」(吉村さん)

 

こうした少しずつの積み重ねが、ライダーの履き心地を支えているのだ。

↑左がPU素材のインソール。シューズからインソールを引き抜くと、そのシューズの特性に合わせた製法が確認できる。ライダーは、ストローベル製法で中底とアッパーを袋状に縫製している

 

ライダーの価値の源は、ウエーブにあり!

ランニングシューズには、さまざまなパーツへの細やかな仕事が結実しているのだ。そうした結実が、履き心地の良さを左右することは、言うまでもない。最後は、ライダーを語る際、絶対に忘れてはならないパーツ=ウエーブについて触れておきたい。

 

「ウエーブの役割は、衝撃緩衝性と安定性の確保です。かかとから中足部にかけて、ミッドソールに内蔵された一枚のプレートが、ウエーブです。ウエーブは、着地時にたわむことで衝撃を緩衝します。また、着地から蹴り出しにかけて、過度なねじれ(オーバープロネーション)も、生じにくくさせています」(吉村さん)

 

ウエーブは、この26代目も含め、過去に10回以上も形状や素材を見直してきたという。以前は、普通のTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材だったが、今は樹脂素材の「ぺバックス」を使用しているという。

↑左は、「ライダー25」に使用された、ミッドソールおよびウエーブプレート(灰色のもの)。右が、「ライダー26」に採用された部材だ。ミッドソールの厚みが2㎜アップし、その最適化のためにウエーブプレート(黄色のもの)も仕様変更となった

 

ライダーのポテンシャルの高さは、もっと評価されて然るべきだ

「ライダー25とライダー26のウエーブプレートを比較すると、その形状や厚みを変更しています。その理由は、ミッドソールを2㎜厚くしたため。厚くなったミッドソールによる、着地時の軟らかさを担保しつつ、反発性を高め過ぎず、さらなる安定性を重視した設計です」(吉村さん)

 

ここ数年のランニングシューズ開発のトレンドは、初心者から履けるランニングシューズから、プレートの存在を消すことだった。ミッドソールを厚底化して+ゆりかごのような形状のロッカー構造を持たせることで、転がるように走るシューズは、確かに流行りではある。しかしロッカー構造は、多くの初心者にとって、必ずしも優しい構造は呼べない面もあるのだ。

 

しかしミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブという確固たる信念とデータに裏打ちされたプレートがあって、しかもその技術は26年継続して高められてきた。さらに、パーツやフォームのクオリティの高さを、日本のモノづくりの価値として継承してきている。ライダーには、もっともっと高いポテンシャルが秘められている。

 

「ウエーブがあることで、着地のファーストタッチが安定します。そこから蹴り出しにかけての動作が、スムーズに繋がるのです。まさにウエーブは、ミズノのランニングのコンセプト“スムーズさの追求”そのものの機能なのです。ライダーの良さは、ウエーブによる安定感と、その反発性です。それを変えることはありません」(吉村さん)

 

いよいよ次回は、ミズノ「ウエーブライダー26」の実走インプレをお届けしよう!

 

撮影/石原敦志

 

 

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49着限定生産の大谷翔平モデル「水沢ダウン」発売決定! デサント「DESCENTE × SHOHEI OHTANI 2022 Anniversary Collection」12月9日から

デサントジャパンが展開する「デサント」は、アドバイザリー契約を結んでいる大谷翔平選手の、2022年シーズンの活躍を記念し、「DESCENTE × SHOHEI OHTANI 2022 Anniversary Collection(デサント×ショーヘイオオタニ 2022 アニバーサリー コレクション)」4アイテムを発売します。

 

同コレクションでは、大谷選手が今シーズンに成し遂げた「投手として15勝、打者として34本塁打」「打席数と投球回数のダブル規定到達」「投手として219奪三振、打者として34本塁打」という、二刀流ならではの「3つの史上初」達成を記念して展開。

 

高機能ダウンジャケット「水沢ダウン」の特別モデル「MIZUSAWA DOWN FOR SHOHEI OHTANI」は、大谷選手の出身地でもある岩手県奥州市にあるデサントアパレル水沢工場にて、職人の手によって生み出される、水沢ダウンのハイスペックモデル「MOUNTAINEER(マウンテニア)」をベースにした、大谷選手モデルのスペシャル仕様です。

 

裏地の背中部分には金色で大谷選手直筆の「二刀流ロゴ」をプリントし、背裏のブランドネームの下には「SHOHEI OHTANI SPECIAL EDITION」の文字とシリアルナンバー、右腕には大谷選手の背番号「17」のエンボス加工が施されています。

 

 

左胸の内ポケットには、3つの史上初を記録したブランドタグが付いています。今シーズンの投手としての勝利数と打者としてのホームラン数を合計した49着限定で生産し、大谷選手へ贈呈するシリアルナンバー「17」の1着を除く48着を、抽選で販売します(シリアルナンバーは選択不可)。税込価格は18万7000円。

 

 

そのほか、3つの史上初の記録や二刀流ロゴをプリントしたオリジナルTシャツを1000着、オリジナルタオルとオリジナルキャップを各600個限定で販売開始します。税込価格は、Tシャツが6600円、タオルが2200円、キャップが6600円です。

 

12月9日12時から、デサント公式通販「DESCENTE STORE オンライン」特設ページにて、「水沢ダウン」特別モデルは抽選販売への応募申し込み、そのほかのアイテムは先着での販売を開始します。

SNSで話題の「バスケ選手のあるある」続編。お店での行動に選手が納得の回答!?

2022-23シーズンも中盤を迎え、連日白熱したゲームが展開されている男子バスケットボールのBリーグ。試合だけでなく、趣向を凝らしたイベントなどでもファンを楽しませているが、公式サイトで発信する「バスケの偏見」調査も毎回話題となっている。

 

今回調査結果を発表したのは、選手がお店に行ったときの「バスケ選手って… 銭湯とかの靴箱を上の段から使いそう」という、背の高いバスケ選手にありがちな“偏見”を調査した。

 

3選手に聞いたところ、2人が「○」。190cmの須田侑太郎(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)は「空いていたら上を使います」と回答。しかも、目の高さより「2個上まではいかない、もう1個上ぐらい」と答えた。

 

207cmの竹内譲次(大阪エヴェッサ)は「目線の高さが大体一番上ぐらい」と答えるも、「自分の背番号を選ぶ」というバスケ選手“あるある”が飛び出した。また、高さと背番号なら「背番号を優先」とのこと。

 

183cmのベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)も「下の方は使いづらいけど」としたうえで「自分の背番号を選ぶ人は多い」と答えた。番号ではなくアルファベットだったら「イニシャル」とも回答している。

 

結果、バスケ選手は「靴箱は高さじゃなくて、背番号かイニシャルで選ぶ」となった。

 

さらに、「お店で『3名です』と人数を伝えるときに3ポイント(3P)シュートの指をしそう」という“偏見”調査の結果は、「必ず3Pシュートの手になる」に。

 

親指から中指までの3本の指を立てる3Pのサインは、選手が3ポイントの位置でシュートを打ったときに審判がその指で片手を挙げて示し、決まれば同じ指で両手を挙げる。

 

3選手に共通するのは、人差し指から薬指までの3本の指で“普通?”の「3」ができないこと。竹内は奥さんに「なんで毎回これなん?」とツッコまれたそうだ。

 

しかし、バスケ選手ならではと思いきや、2人の場合は「Vサイン」だが、3人ならプラス薬指よりも、親指を立てる方が楽。これはバスケ選手だけの“あるある”ではないのかも。

 

次はどんな“バスケの偏見”を調査してくれるのか気になるが、207cmの竹内等身大サイズ「竹内定規」を作って身の周りの高さを比べるなど、Bリーグの公式ツイッターは見逃せない。ちなみに竹内定規は抽選で1名にプレゼントするという。

 

「アルペン本気の冬」キャンペーン始動! Alpen TOKYOでは“冬の女王”広瀬香美があの楽曲を熱唱!

アルペンがZ世代に向けた「アルペン本気の冬」キャンペーンの皮切りとして、東京都・新宿にあるアルペン史上最大の旗艦店「Alpen Tokyo」にて「広瀬香美 Alpen TOKYO ミニインストアライブ」を実施。さらにアルペン代表取締役社長・水野敦之氏も加わり、『ロマンスの神様』が大ブレイクした空前のスキーブームだった当時を振り返りました。

 

“冬の女王”が『ロマンスの神様』を含めた3曲を熱唱!

イベント当日は“冬の女王”こと広瀬香美さんが、『ゲレンデがとけるほど恋したい』と新曲『プレミアムワールド』、そして『ロマンスの神様』を、抽選で選ばれた30名のファンの前で熱唱しました。ライブのあとには、広瀬さん本人がCM採用の秘話を披露。

↑自身のデビュー30周年に際して制作した「香美仮面」を首から下げて熱唱

 

1993年12月1日、広瀬さんがリリースした3枚目のシングル『ロマンスの神様』はアルペンのCMソングとして採用されると、キャッチーなメロディと圧倒的な歌唱力から瞬く間に売上枚数175万枚を超える大ヒットに。94年度のオリコン年間ランキングでは、Mr. Childrenの『innocent world』に次ぐ2位を記録しました。

 

その後も、『幸せをつかみたい』『ゲレンデがとけるほど恋したい』『DEAR…again』『promise』『Velvet』『とろけるリズム』などがアルペンのCMソングに採用され、いまでは“冬の女王”と呼ばれる広瀬さん。広瀬さんにとっての冬は、「超多忙で冬のシーズン、私より忙しい人はサンタクロースぐらいかと思っています(笑)。本当にありがたいです」。

 

広瀬さんは今年でデビュー30周年を迎え、新曲『プレミアムワールド』をこの日、初めてお客さんの前で披露。「懐かしいです。デビューの頃はこういう感じのお仕事がたくさんあった。最近は有名になっちゃったんで(笑)。当時は新人で、名前も売れていなかったけど、アルペンのCMに選んでいただけたから今の私がここにいる。本当にアルペンさんには感謝しています」と当時を振り返ります。

 

水野社長も「1990年代はスキーブームで、会社自体も大きく成長した時期でした。広瀬さんの楽曲とともにアルペンは一緒に歩んできたという、そんな思いがあります」と感謝のコメント。

↑2022年はTikTokの上半期トレンド大賞を受賞するなど、広瀬さんのブームが再燃

 

広瀬さんは自身のデビューからの30年を、「凝縮されたおにぎりや雪だるまみたいな、あっという間だったんだけど中身が詰まっている。一つの塊みたいな感覚が自分の中にはあります」と振り返りました。

 

そして30周年を機に、12月8日から1月1日まで、東京、福岡、兵庫、愛知でコンサートツアーも行われ、アルペンでは各会場50名を抽選で招待します。

 

ウインタースポーツを通して仲間との出会い、ふれあい、思い出作りの一助に

アルペンは、1972年に15坪ほどの小さなスキーショップとしてオープン。「スポーツをもっと身近に」を会社のパーパス(存在意義)として今年50周年を迎え「アルペン本気の冬」キャンペーンを始めました。

 

そのキャンペーンの背景を水野社長は、「1990年代のスキー人口は1800万人いたと言われています。今では残念ながらブームが終焉し、このままではどんどんウインタースポーツの人口が減ってしまう。これはまずいなと、ウインタースポーツの素晴らしさ、魅力をもっと伝えていきたい。伝えていかないといけないと思い、『アルペン本気の冬』をスタートさせていただきました」と話します。

 

特に、ブームを牽引する若者、コロナの影響で当たり前の生活ができなかった10代後半から20代のZ世代に向け「ウインタースポーツを通して仲間との出会い、ふれあい、思い出作りの一助になれれば」と水野社長。

 

都内の大学生を中心に、ウインタースポーツを通して仲間との思い出を創出できる場の提案とした「ウインターバスツアー」。実施にあたっては、バスツアーなどを運営する「オリオンツアー」協力のもと、ウインタースポーツ経験者だけでなく、未経験者も楽しめるプランを用意。板やウエアが無くても、手ぶらで参加でき、スクールも完備されているため、ウインタースポーツがはじめての方も気軽に参加できます。

↑今後は都心部エリアを中心に参加対象大学を拡大する予定です。さらに、来年以降は、全国へ拡大することも検討

 

全国のスキー場の協力を得てリフト無料券や割引券を配布する「スキー場へ行こう! キャンペーンなど、ウインタースポーツの初心者・中級者に向けてさまざまなキャンペーンを展開。本キャンペーンでは、全国38 の有名スキー場リフト券が400 組800名様に当たります。

↑Alpen TOKYOでは恋愛成就の「ロマンスの神様神社」を設置。1万円以上ご購入の方へ先着でもれなく「恋愛おみくじ」が引けるほか、「アルペングループギフトカード」「JTBギフト券」などが当たる! 全国のスポーツデポ・アルペンではVR参拝も可能に

 

↑スポーツデポ、アルペン、アルペンアウトドアーズ、アルペンマウンテンズのウインター用品取り扱い店舗では、ウインタースポーツ用品をお値打ち価格で展開中。12月4まで

 

「アルペン本気の冬」キャンペーンにコラボ企画で参加する広瀬さんは、「私も本気だもの。一緒に本気で、またお世話になりたいと思います」と語ると水野社長は「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします」と30年続く絆を深めました。

↑アルペンの50周年を記念したウェブCMでも、水野社長は広瀬さんと共演

 

Alpen TOKYO

住所:〒160-0022

東京都新宿区新宿3丁目23-7 ユニカビル

営業時間:平日11時〜22時/土日祝10時〜22時

 

撮影/我妻慶一

 

 

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メダリスト2人が技を披露する柔道のPR動画が「かっこ良過ぎる」と話題に!

全日本柔道連盟が公式ツイッターで、柔道の魅力を訴求するプロモーション動画「JUDO×TECHNOLOGY」を公開。最先端の映像技術を用いた迫力ある映像が「かっこ良過ぎる」と話題になっている。

 

この動画は、スポーツ庁「スポーツ×テクノロジー活用推進事業」の一環として、財団法人全日本柔道連盟とキヤノンが、柔道の魅力を訴求するするために制作し、11月25日に公開された。

 

技を披露するのは、東京2020オリンピック競技大会の金メダリスト、大野将平とウルフ・アロンの2人。

 

内股、大内刈、巴投、大外刈、肩車、一本背負投などの技を、キヤノンが開発したボリュメトリックビデオ技術を用いて撮影・制作。100台を超えるカメラを使用して、あらゆる角度からの映像を生成し、技を360度あらゆる視点で見ることができる。

 

アロンは自身のツイッターでメイキングシーンを紹介し、「投げられ続ける青道衣にもご注目を」とコメント。豪快に投げられたのは宇田川力輝さんで、収録後の体調が気になるが、自身のツイッターで「投げられすぎて立てなくなりました!」と無事を報告し、「投げられすぎたかいのある素晴らしい映像になっています!」と映像をPRしているのでご安心あれ。

 

わずか2分5秒の動画だが、既存の柔道ファンはもちろん、これまで柔道に馴染みがなかった人でも、その魅力と奥深さは存分に感じることができるはず。そして最後に、メダリスト2人が組み合う夢のシーンを見る頃には、柔道の魅力にどっぷり引き込まれていることだろう。

西武の松井稼頭央新監督からノックを受けられる! 西武ファン垂涎の福袋が3年ぶりに復活

そごう・西武は2023年の福袋に、2020年以来3年ぶりとなる、埼玉西武ライオンズの監督から直接ノックを受けられる福袋「松井 新監督から“獅子魂ノック”を受けられる!夢のノック体験&ベルーナドーム満喫福袋」を販売します。

 

10年以上実施していた、埼玉西武ライオンズの監督から直接ノックを受けられる福袋は、コロナ禍の影響もあり2020年の募集を最後に中止。ファンからの復活の声にこたえる形で、2023年福袋として募集を再開します。西武池袋本店、西武所沢S.C.、そごう大宮店の3店舗で応募を受け付けます。

 

福袋の内容は、「ベルーナドームで松井 新監督の“ノック”を受けられる権利」のほか、「松井 新監督との記念撮影、直筆サイングッズプレゼント」「ベルーナドームスタジアムツアー体験」「ベルーナドーム内野指定席観戦チケット(オープン戦・4名さま席)」となっています。

 

税込価格は2023円。販売個数は5組10名(1組親子ペア2名)。応募受付期間は12月26日~2023年1月3日です。

プロが解説。ジムにおすすめトレーニングウェア!ジムで使えるアイテム12選!

「ジム通いを始めたい!」そんなトレーニング初心者の方に向けて、今回は秋冬におすすめのトレーニングウェアをご紹介。ご自身もジムに通っているというスタイリストの松田さんに、トレーニーとしての目線も交えながらジムウェアの選び方からおすすめの最新アイテムまで、徹底解説していただきます。

 

<識者紹介>

スタイリスト:松田有記さん

メンズだけに限らず、レディース、キッズまでスタイリング。雑誌や広告、芸能などノーボーダーかつジャンルレスに活動中。また、20代のときから腰痛を緩和させるきっかけとしてジムに通いはじめ、週2ペースでトレーニングに勤しんでいる。

 

ジムへ行く前に最初にそろえておきたいメンズトレーニングウェア

ジムのトレーニングウェアは一般的には、Tシャツやタンクトップなどのトップス。そして、ショートパンツやロングパンツのボトムスです。予算を抑えたいときやコーディネートに迷ったときは、上下セットになったウェアもおすすめです。

 

「マシンを使用して身体に大きな負荷をかける筋力トレーニングや、有酸素運動としてのランニングなどさまざまなメニューが想定されるジムでの運動では、トレーニングウェアのサイジングを意識することが重要になります。おすすめとしては、ジャストフィットのサイジングのウェアですね。オーバーサイズのウェアを好む方もいますが、ランニングを取り入れる場合などはどうしても身体に擦れてしまうなど、動いていてストレスを感じてしまうんです。

 

また、身体のラインがしっかり見えるので、『このトレーニングがどの部位に効いているのか』もチェックできるという意味でもタイトめのウェアをおすすめします。」(松田さん)

 

メンズトレーニングウェアは機能性にも注目!

トレーニングウェアの素材は着心地を大きく左右します。快適なジムトレーニングを行うためにも素材にはこだわりたいところです。

 

「空調が整っているジムでの運動の場合、基本的には厚着をする必要はありません。そのため、寒さ・暑さ対策としてウェアを選ぶよりも、激しい動きをサポートしてくれる機能面を重視すると良いでしょう。手足を大きく広げてもストレスがかからない伸縮性の高い素材を使用したウェアのほか、デザイン面でも立体裁断で作られているウェアは動作にストレスがかからないため、おすすめです。」(松田さん)

 

「また、ジム内では、汗をかいても基本的には着替えることがありません。そのため、汗をかいてもベタつかない吸汗速乾性に優れているウェアは、ジムでのトレーニングに向いていると言えます。素材でいうと、綿素材よりもポリエステル素材のほうが、速乾性に優れているので、ジムウェアにふさわしいです。」(松田さん)

 

メンズトレーニングウェアはおしゃれにもこだわりを

おしゃれでかっこいいトレーニングウェアを使えば、それだけでテンションも上がります。スポーツブランドからは、さまざまなおしゃれウェアも登場しているので要チェックです。

 

「動きやすさや機能面はもちろんですが、『着ていてテンションが上がるかどうか』は、トレーニングを行ううえで欠かせない要素。自分が気に入ったデザインのウェアであれば、トレーニングを続けるモチベーションにもつながりますからね!

 

最近は月額料金を抑えた低コストのジムもあり、更衣室にはシャワーだけを備え付けている施設も少なくはありません。そのため、家でウェアを着てそのままジムに向かい、トレーニングを終えてそのまま帰宅した後に家でゆっくりお風呂に浸かるという人も多いはず。

 

だからこそ、普段着としてもそのまま街に出られるようなデザイン性の高い製品で、“おしゃれにこだわる”のも大切なのではないでしょうか。」(松田さん)

 

ジムにおすすめのトレーニングウェア9選

機能面はもちろん、意識を高めるためにはファッション性も重要だというトレーニングウェアは、今シーズンもさまざまなNEWアイテムが登場! ここからは、おすすめの秋冬アイテムを松田さんに解説してもらいました。

 

■シャツ3種類

【その1】デサント/DRYMESH ロングスリーブシャツ

4400円(税込)

吸汗速乾性に優れた、ソフトな肌触りのメッシュ素材を採用したロングスリーブシャツ。肌側の汗を表側に素早く拡散し、不快なベタつきを軽減してくれる機能性と快適な着心地を併せ持ったトレーニングウェアです。

<スタイリストコメント>

「ドライメッシュなので吸汗速乾性に優れていて、汗抜けが非常に良いのがポイントです。チョイスしたビビッドなオレンジのカラーリングもファッション性が高くて、トレーニング時のテンションも上がりそうです。」(松田さん)

 

【その2】デサント/S.F.TECH ヘザーロングスリーブシャツ

6490円(税込)

ウェアから受けるストレスを軽減してくれる「S.F.TECH(エスエフテック)」素材を採用。高捲縮糸と高反発糸を効果的に編むことで、「適度なハリコシ」と「しなやかなストレッチ性」を実現。身体の動きを妨げず軽やかな着心地に仕上がっています。

<スタイリストコメント>

「古着にありそうなグレーの色合いが面白いですよね。ロゴも同色で目立たないので、秋冬のインナーとして、普段着でも着られるようなファッション性の高さがポイントです。吸汗速乾の機能性もしっかりとしていて、ソフトな着心地で気持ちが良いのでトレーニングウェアにぴったりです。」(松田さん)

 

【その3】デサント/S.F.TECH ソフトスムースロングスリーブシャツ

5390円(税込)

「S.F.TECH」素材を採用したロングスリーブシャツ。ソフトでスウェットのような生地感で、身体を包み込むような着心地です。胸部に大きく描かれた「MOVESPORT」の文字デザインが特徴的。

<スタイリストコメント>

「街中でも着ている人をよく見る、人気のデザインです。柔らかい素材で動いていてもストレスがなく、吸汗速乾性もあるのでジムウェアとしても最適。何よりも大きく描かれたMOVESPORTという文字のメッセージ性が強いですよね。ジムで鏡に映ったときにこの文字が見えたら『もう少し頑張ってみようかな』と奮起できそうです! 運動時のモチベーションを上げるときに、こういうメッセージが付いていることって意外に大切なんですよ(笑)。」(松田さん)

 

■パンツ3種類

【その1】デサント/S.F.TECH SHIELDロングパンツ

9900円(税込)

「S.F.TECH」素材に防風機能を追加した「S.F.TECH SHIELD(エスエフテック シールド)」を採用。風の影響を受けることなく、衣服内温度を快適に保ち湿気を効果的に放出してくれるロングパンツです。ニット素材ながら激しい運動にも対応してくれるストレッチ性の高さと、汗でベタつきにくい肌離れが良い構造もジムでの使用にぴったり。シンプルなデザインなので、幅広いコーディネートを楽しめるのもうれしいポイントです。

<スタイリストコメント>

「防風仕様なので、基本的には屋外での着用が想定されているとは思うんですけど、湿気を効果的に放出してくれるということでジムでの運動にも対応しているウェア。防風機能がしっかりしていて寒さも防いでくれるので、自宅からジムに行くときにも活躍するし、そのままはけるという点でも優れているパンツです。」(松田さん)

 

【その2】デサント/AIRY TRANSFER ライトウォームロングパンツ

9900円(税込)

軽量なうえ、4WAYストレッチ性に優れた「AIRY TRANSFER(エアリートランスファー)」素材に保温性を追加したウォームパンツ。肌接触面にはマイクロファイバーを採用することで、起毛しているような心地良い肌触りを実現しています。

<スタイリストコメント>

「4WAYストレッチで、本当にどんな動きにもパンツがついてきてくれる優れたストレッチ性には驚きました。下半身をメインにしたトレーニングを行うときにぴったりですね! 保温性はありながら『HEAT NAVI(ヒートナビ)』ほど暑くはならないので、屋外・屋内とシーンを選ばずどちらでも使える便利なパンツとして1枚持っておくと便利。」(松田さん)

 

【その3】デサント/HEAT NAVI ロングパンツ

1万890円(税込)

光を熱に変えるデサント独自の発熱素材「HEAT NAVI」を搭載した、身体を冷やさないロングパンツ。寒さを感じやすい部分にのみ、効果的に配置することで保温性と軽量性を両立させた構造が特徴です。雨をはじくはっ水機能も付いているので、屋外での運動にもしっかり対応してくれます。

<スタイリストコメント>

「ジムウェアは丈が短めに設定されているデザインが多いのですが、このパンツは熱を逃さないために比較的長めに作られています。下半身を冷やさないのは、全身を温めて運動の効果を高めるうえで非常に重要です。屋外の使用を想定したパンツですが、ランニングメインでたくさん汗をかきたいという方であれば、ジムで着るのもアリですね。」(松田さん)

 

■ジャケット&パーカー3種類

【その1】デサント/ヘザーフーデッドパーカー

1万890円(税込)

シャリシャリとした肌触りと、ポリウレタン素材のようなストレッチ性の高さが特徴の素材を採用したパーカー。すっきりとしたシンプルなデザインはタウンユースとしても違和感がなく、着用シーンやコーディネートアイテムを選ばない万能な1枚です。

<スタイリストコメント>

「吸汗性・ストレッチ性はもちろん、裾のリブも強くなく肩も少し落ちたデザインで動きやすいので、パーカーでトレーニングしたい方にとっては理想的なアイテムですね。ファッション性の高いウェアでトレーニングできるというのが一番の理想ですから、こういったシンプルでおしゃれなデザインのアイテムはぜひ取り入れたいところです。運動前後に着用するジム通いウェアとしても最適。」(松田さん)

 

【その2】デサント/HEAT NAVI AIRY TRANSFER フーデッドジャケット

1万1990円(税込)

軽量、4WAYストレッチ性に優れた素材「AIRY TRANSFER」にデサント独自の光を熱に変える発熱素材「HEAT NAVI」を搭載したフーデッドジャケット。手の甲がかぶる程度の長めの袖口に仕上げることで、防寒性を高めるとともにスタイリッシュな見た目に仕上がっています。

<スタイリストコメント>

「4WAYストレッチ性に加えて、HEAT NAVIによる保温性と機能面は申し分ありません。ジムで着用するなら、速乾性の高いインナーを合わせることでより快適な着心地になります。切り返しの入ったデザインが個人的にもかなり好みで、すごくかっこいいですよね! 着用するだけでテンションが上がって、トレーニングも捗りそうです。」(松田さん)

 

【その3】デサント/S.F.TECH SHIELD ハイブリッドパデッドジャケット

1万2980円(税込)

ウェアから受けるストレスを軽減した素材「S.F.TECH」に“防風機能”を搭載した「S.F.TECH SHIELD」を採用した中綿ハイブリッドジャケット。前身頃には適量の中綿を搭載することで保温性に優れ、寒い季節でも暖かく快適に着用できます。

<スタイリストコメント>

「ジムへの行き帰りの際に活躍してくれそうなアイテム。保温能力が非常に高いので真冬の着用に最適です。フードがないタイプで、ランニングのときにも邪魔になりません。また、普段着の防寒対策としてコートなどのアウターの下に着るインナーとしてもおすすめです。」(松田さん)

 

ジムで使えるおすすめトレーニングシューズ3選

効果的なトレーニングを行うためには、ウェアだけでなくシューズにもこだわることが大切!実はどのようなメニューを組むかによっても、最適なシューズが変わってくるんです。こちらでは、用途別におすすめのトレーニングシューズを紹介します。

 

【その1】イノヴェイト/【トレーニングシューズ】ベア-XF 210 V3 MS

1万7600円(税込)

素足を意味する「BARE」の名前が付けられた、ミッドソールを省いた非常に薄い構造の軽量&フィット4(2.5E相当)の幅広設計なトレーニングシューズ。まるで足袋を履いているかのような、足全体を優しく包み込んでくれる着用感が特徴的です。特にウエイト系のトレーニングをされる方からの支持が高いモデル。

<スタイリストコメント>

「ミッドソールがなく足裏が薄いデザインなので、地面に直接足をつけているかのような感覚があり、踏ん張りが利きやすいんですよね。ランニング、ウエイトと満遍なくメニューを組んでいる方にもおすすめしたい万能な1足です。」(松田さん)

 

【その2】イノヴェイト/【トレーニングシューズ】エフライト フライG 295 MS

1万9800円(税込)

ソールには耐久性に優れたグラフェン強化フォーム「G-FLY」を搭載することで、長時間トレーニングでも反発性・クッション性を持続。ランニングをより快適にサポートしてくれる1足です。

<スタイリストコメント>

「比較的厚底のソールを搭載したモデルなので、ランニングメインのトレーニングを考えている人におすすめのシューズです。足が前に進むような自然な推進性と反発性に加え、クッション性も兼ね備えているので、長距離を走っていても足が疲れにくいでしょう。」(松田さん)

 

【その3】イノヴェイト/【トレーニングシューズ】ファストリフトパワーG 380 MS

2万6400円(税込)

かかと部分にG-FLYスタビライザーを搭載し、クッション性と反発性を向上。一方アウトソールにはグラフェングリップラバーを採用し、耐久性と柔軟性を考慮。安定したトレーニングをサポートしてくれるリフティングトレーニング専用のシューズです。

<スタイリストコメント>

「完全にウエイトトレーニングに特化したシューズなので、ウエイト時の安定感は桁違いです。しっかりとかかとをホールドしてくれるうえに、足首分もマジックテープで固定できるのでウエイト時に力が分散せず安定させてくれるんですよね。重量も比較的重いモデルなのでランニングメニューをこなす際は履き替える必要があると思いますが、ウエイトのみを行うならこれ1足で十分です。」(松田さん)

 

デサントストア

 

撮影/大田浩樹 文/マイヒーロー

 

 

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スキー&スノボから、おうちトレーニングまでいろいろお得!【Amazonブラックフライデー2022情報】スポーツ編

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サッカー初心者向け「FIFAワールドカップ」の基礎知識とカタール大会の注目ポイント22

11月20日に開幕を迎えた「2022 FIFAワールドカップ」。今大会は、中東のカタールで約1か月間にわたって実施されます。4年に一度しかない“お祭り”に、普段Jリーグなどはチェックしていなくてもワールドカップだけは観戦する、という人も多いはず。今回なぜカタールで開催することになった? 最近の強豪国の傾向は? ズバリどこが優勝しそう? 日本代表の注目選手は? そんなサッカー初心者の疑問を、スポーツジャーナリストとして今大会も現地入りし取材しているミムラユウスケさんにぶつけてみました。  

Q.今大会の開催地は中東のカタールですが、そもそも開催地はどのように決まるのでしょうか?

A.FIFA加盟国から立候補、招致活動を行い投票によって決められます。   開催地は国際サッカー連盟(FIFA)の理事の投票によって決まります。直近2大会の開催地ではないFIFA加盟国からの立候補を受け付けて、実際に現地での視察などを経た上で投票、過半数を獲得した国が開催国となります。イメージとしては、オリンピックの誘致の仕組みと同じようなものですが、オリンピックが都市単位で開催するのと異なり、FIFAワールドカップは国全体での開催となります。

スイス・ジュネーブにおかれたFIFAの本部。

 

Q.次回2026年大会はアメリカ、カナダ、メキシコ。なぜ3か国にまたがるのでしょうか?

A.参加国が32か国から48か国に増えることが背景にあります。   2026年からは参加国が32か国から48か国と、16か国も増えます。ワールドカップは、世界におけるサッカーの普及と同時にマーケティングも考慮して開催国が決められてきました。放映権料も年々上がって来ていますが、これが開催国ではないと関心が薄くて、安く買い叩かれてしまうケースも。48か国開催となれば、高い放映権料で買ってくれる国が16か国も増えるわけですから、それなら3か国共同で開催しようということになったようです。もちろん、アメリカだけでなく3か国で開催した方が盛り上がるはず、といった純粋な思いもあると思いますよ。   ちなみに、ワールドカップのアジア枠は現在4.5枠ですが、これが2026年からは8.5枠に増えます。これは、FIFAがアジアの人口増加に注目していて、中国やインド、サッカー熱の高い東南アジアの国々へのマーケティング戦略もかなり意識していることが背景にあると思われます。  

Q.なぜ開催が4年に一度なのでしょうか?

A.オリンピックにならって決められました。   1930年の第1回大会から、第二次世界大戦前後を除くすべての時期で4年に一度開催されています。これはオリンピックにならって決められました。オリンピックの次の開催までに空いている期間がありますから、ちょうどその間に開催をしよう、ということになり、現在は冬季オリンピックと同年に開催されていることになります。  

Q.開催される時期や季節にも規定があるのでしょうか?

A.基本的に6月〜7月。今大会は初の冬開催となりました。   基本的にワールドカップは6月や7月に開催されます。というのも、ヨーロッパの多くの国のリーグがオフシーズンとなるため。そこでこのオフシーズンに合わせ、6月~7月が基本的なワールドカップ開催時期となっています。   今大会は、同時期の現地は非常に暑い。そこで、「すべての会場にクーラーを付ける」ことを公約して招致したのです。ところが、招致が決定した後に「観客の移動にも配慮すると熱中症などの危険もあるのではないか」という意見が出てきました。そこで、ワールドカップ史上初の冬開催が決定したのです。もちろん、カタールは11月とはいえ日本の初夏程度の気温になりますが、比較的気温の低い季節なので、重度の熱中症患者が出る危険も少ないだろうと見込まれています。   とはいえ、11月の開催はかなり異例のことですから、ヨーロッパのほとんどのリーグがスケジュールを変更するなどかなり無茶な調整もあったようです。

ドーハのアル・サマーマ・スタジアム。

 

カタール全土に8つ(改修1・新造7)のスタジアムが造られた。今大会の開催費は、なんと32兆円にのぼるという。ちなみに2021年の東京オリンピックは1兆4238億円。

 

Q.ワールドカップへ辿り着くには、どのようなステップがありますか?

A.1次予選から最終予選、さらにプレーオフまで約2年半かけて争います。   大陸ごとにステップが異なりますが、アジア予選の場合はまずFIFAランキング下位12チームが、2チームずつの6組に分かれて、ホームアンドアウェーで戦う「1次予選」があります。日本などアジア内でトップ16ぐらいに位置する国は、この1次予選が免除されるので「2次予選」からのスタートになります。   2次予選では、1次予選を勝ち上がった6チームと免除された34チームの合計40チームを5チームずつ8組に分けます。ここでもホームアンドアウェーの総当たり戦を実施して、各組の1位は無条件で最終予選への進出が決まります。最終予選へは、各組2位の中から上位4位チームも進出するので、計12チームとなりますね。これを6チームずつ2組に分けて、各組でホームアンドアウェー総当たり戦を行い、勝ち上がった各組上位2チーム(計4チーム)が本選へのチケットを手にします。   ところで、アジアの出場枠は4.5枠ですが、この「0.5」というのは、条件付きの出場枠という意味です。他地域(アジアの場合は、南米)の国と最終プレーオフをして勝った場合にのみ本選へ進出できるので、出場できるかどうかはその試合次第となります。そのために「1枠」ではなく「0.5枠」とカウントされているんです。  

Q.ワールドカップ本選では優勝までにどのようなステップがあるのでしょうか?

A.総当たり戦の「グループリーグ」と「決勝トーナメント」の2段階があります。   大きく2つのステップがあります。まず、出場32チームを8組(各4チーム)に分けます。各組4チームによる総当たり戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントへと進みます。よく耳にする「ベスト16」というのは、この16か国のことになります。決勝トーナメントは、皆さんもよく目にする一番わかりやすい形ですね。ベスト16、準々決勝、準決勝、決勝へと進んで優勝が決まります。

日本はグループEで、ドイツ、スペインなどの強豪国がひしめく。

 

Q.優勝チームにはどのような特典があるのでしょうか?

A.優勝チームにはFIFAからトロフィーと賞金56億円が授与されます。  

トロフィーと賞金があります。賞金はチームに対して出るものですが、分配方法は各国のチームがそれぞれに決めます。賞金だけではなく、スポンサーからのボーナスが出る場合もありますね。これが結構おもしろくて、日本がベスト16となった2018年ロシア大会の時には、スポンサーであるJALが健闘したことのお祝いで当初予定していた民間機ではなくチャーター機を手配してくれたんですよ。全額JALが負担してくれたのかは分からないですけれど、こういった「粋な計らい」的ボーナスがあるのは気持ちの良いニュースですよね。  

さて、賞金ですが、実は優勝チームだけに限られた特賞ではありません。今大会を例にすると、まずグループステージに参加するチームには一律で900万ドル(12億6000万円)が支給されました。これは移動や滞在などの経費を含めての賞金という位置づけです。  

その後の賞金は、最終成績によって変わってきます。ベスト16になると、1300万ドル(18億2000万円)。ベスト8は1700万ドル(23億8000万円)。さらに3位決定戦まで勝ち上がると、賞金もぐんと増えます。ベスト4は2500万ドル(35億円)、3位は2700万ドル(37億8000万円)、準優勝は3000万ドル(42億円)、優勝すると4000万ドル(56億円)を獲得することができます。使い道は、各国チームによってさまざまですね。将来の子ども達のための施設を作るために使うチームもあるようです。

  このFIFAからの賞金のほかに、国や各国のサッカー協会から報奨金が出る場合もあります。ドイツがこの明細を発表しているのですが、まずベスト16に進出すると5万ユーロ(730万円)、優勝すると40万ユーロ(5840万円)が、各選手にボーナスとして支給されるそうです。

※1ドル=140円、1ユーロ=146円で計算

FIFAワールドカップのトロフィー。(写真はレプリカ)

 

Q.今回なぜカタールに白羽の矢が当たったのか、理由を教えてください。

A.初の中東、初のイスラム圏という意義が強調されました。   当初、中東のイスラム圏で初めて開催されるという意義が唱えられていました。  

Q.カタールでの開催に批判の声もありますが、それは背景に何があるのでしょうか?

A.招致自体に不正があったこと、人権問題などが取り沙汰されています。   カタールの開催は2010年時点ですでに決まっていました。通常は8年前の決定ですから異例のことです。その背景には、カタールからかなりの裏金が流れたことがあると言われています。この時の汚職事件では、FIFAやヨーロッパのサッカー連盟上層部が数多く失脚しています。開催直前になってこの話題が再び世間に挙がってきたことが、批判されることの原因のひとつでしょう。   また、カタールではインドやパキスタンなどから、労働者を安く雇い入れ、過酷な環境で労働を強いているという現状があります。こうした人権問題への抗議もあって、とくにヨーロッパの国々から非難の声が強いようです。   そして異例の開催時期。ヨーロッパリーグが、ワールドカップの日程に合わせるためにかなり試合日程を詰めました。そのために選手に続々と怪我人が発生しています。これも、ヨーロッパで批判の声が多いことの要因でしょうね。   「今回のワールドカップは放送しない」「代表選手所属の地元チームもワールドカップの情報はSNSに投稿しない」など、選手へのリスペクトはあっても、大会そのものは支持しないという考えのもとで抗議行動が行われています。また、ボーナスや賞金を辞退して寄付にあてることで抗議する考えを示そうとする選手もいれば、スポンサーも、例えばデンマーク代表のスポンサー、スポーツ用品メーカー「ヒュンメル」は、ユニフォームにレイアウトされた企業ロゴを黒塗りにすることで抗議を示し、逆に完売するという事態になっています。

インド、パキスタンからの移民も多く、カレーを提供する料理店も多い。

 

Q.現地で取材して、カタールの街や人の雰囲気、サッカーを取り巻く環境にどのような印象を受けましたか?

A.他の大会に比べて、街での盛り上がりはあまり見られません。   スタジアムは屋外ですが、招致時の公約通り、エアコンが完備されています。また、大会に合わせてカタール初の地下鉄ができていました。しかも、距離に関係なく40円で乗れます。カタールは石油産出国でインフラでお金儲けをする必要がないですから、あくまで入場券という感覚なんですね。さらにワールドカップのチケットを持っていればタダで利用できます。   一方で、街の雰囲気はわりと落ち着いています。2002年の日韓ワールドカップでは開催期間中はお祭り状態でしたが、カタールではそもそも人影もまばらですし、イスラム圏なので飲酒をしながら試合観戦をして盛り上がるということもありません。他の大会に比べると盛り上がっているという雰囲気は乏しいように思えます。

カタールの街。完全な車社会で、酷暑の夏はもちろん、いまの季節でも外を歩いている人は少ない。

 

新設された地下鉄の駅構内。

 

Q.なぜ歴史的にブラジル、またヨーロッパの国々が強豪国なのでしょうか?

A.ブラジルなど南米は個人の能力が際立ち、ヨーロッパはチームの戦術に長けているため。   かつては、チーム力ではなく選手の能力だけで強さが決まっていた部分があります。つまり、単純に選手の能力の“足し算”で決まっていました。ところが、今では監督の戦術などを含めたさまざまな対策と選手の能力との“掛け算”になった。チームの戦術が優れていれば、スター選手とそれ以外の選手との連携も上手く機能するわけです。こういった、監督の指導力と次にお話しする大会中のコンディション作りが、ヨーロッパを今、強豪国としている理由でしょう。

Q.近年、出場国に傾向はありますか? 強くなっている地域、逆に衰退しつつある地域など、傾向があれば教えてください。

A.ヨーロッパの強さが際立ち南米の存在感が薄れています。   ヨーロッパが強くなり、南米のブラジルなどかつての強豪国が優勝から遠ざかる傾向にあります。ワールドカップの史上最多優勝国はブラジルですが、2002年以降には優勝できていません。過去4大会を遡ると、2018年がフランス、2014年がドイツ、2010年がスペイン、2006年はイタリアと、ヨーロッパの国が立て続けに優勝しています。   かつての王者・南米が勝てない傾向にあることには、2つの理由があると思っています。まず、良い監督が少ないということ。言語の壁もあり、リーグが多いヨーロッパで指導者の経験を積めないんですね。そのため選手が実力を発揮しきれていないんです。   また、2018年ロシア大会、2014年ブラジル大会、2010年南アフリカ大会においては、現地の環境への対策が不十分でした。南アフリカは高地、ブラジルは国土が広いので寒暖差が大きい、ロシアはさらに広く移動が多くなります。ホテルや移動手段などの環境を整えることは非常に重要です。この点においても、ヨーロッパはマネジメント能力が各段に優れていることが理由として挙げられると思いますね。  

Q.三村さんが、今大会で台風の目となりそうだと予想するチームはどこでしょうか?

A.カナダに注目しています。   カナダは2026年の開催国でもありますから、今まさにチームを強化している最中です。そして、アメリカやメキシコというワールドカップの常連国を抑えて、今回1位で予選を突破しています。これも能力が上がってきていることの証でしょう。   注目すべきは、チーム内でのコーチの細分化です。ヨーロッパと異なるアメリカ的な傾向として、メンタルコーチやコンディションコーチなど、それぞれにコーチを置いてケアをし、それが功を奏していることが挙げられます。また、カナダの代表監督が個性的です。ジョン・ハードマン監督は、カナダ女子代表監督として2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルに導いた功績があります。この功績を買われてカナダ代表監督に抜擢されるという異例の経歴の持ち主ですが、結果、じつに36年ぶり2度目のワールドカップ出場権を獲得するに至ったのです。  

Q.ズバリ、どこが優勝する! と予想しますか?

A.クジ運にも恵まれたオランダの初優勝を予想します。   むずかしいですが……オランダの初優勝でしょうか! 今大会は非常にくじ運に恵まれていて、グループリーグから強豪国にあまりあたることなく準決勝までは進めるのです。さらに決勝トーナメントでも初戦日程が早く、余裕があるので体力を温存できます。これも有利なポイントだと思いますね。  

Q.今大会で注目すべき選手はいますか?

A.フランス代表のムバッペ選手は注目です。   なんといってもリオネル・メッシ選手(アルゼンチン代表)とクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル代表)、それとキリアン・ムバッペ選手(フランス代表、エムバペとも表記)でしょう。とくに、メッシとロナウドは年齢的にも今大会が最後のワールドカップになると思いますから、かなり強い気持ちで挑むはず。チームの連携力はもちろん重要ですが、代表チームは年間で数試合行う程度ですから、気持ちが強いチームというのは試合にも強いですよ。   ムバッペ選手は前大会のチャンピオンとして今回も参加しますが、スター選手として活躍すると思います。彼は、 パリ・サンジェルマンFCで横にネイマール選手とメッシ選手を引き連れて活躍していますから、まさに「王様中の王様」といえますね。  

Q.今回日本代表に選出された顔ぶれをみて、ミムラさんは率直にどう感じましたか? またどのような特徴をもったチームだと思いますか?

A.若い選手が多く、フォワードにW杯出場経験がないことが面白い特徴です。   率直に、若い世代の選手が多いなと感じました。今回日本代表のチームを率いる森保一(もりやすはじめ)監督は、オリンピック代表(出場年齢24歳以下の年齢制限あり)ワールドカップ代表の監督を兼務しており、若い選手を鍛え、その実力を知っているわけです。   彼らがヨーロッパで活躍し始めていることもありますし、何より「選手たちにのびのびとプレイさせる」というのが森保監督流。守備のポジションにはベテランの選手を置いていますが、攻撃のポジションには過去にワールドカップに出た経験のある選手がいないというのは大きな特徴ですね。

日本代表の現地での練習時に行われた26名そろっての記念撮影。

 

Q.とくに注目すべき日本代表選手は誰でしょうか?

A.久保建英選手、鎌田大地選手が攻撃の命運を握っています。   スペインのレアル・ソシエダに所属する久保建英(くぼたけふさ)選手、ドイツのアイントラハト・フランクフルトに所属する鎌田大地(かまだだいち)選手はとくに注目です。二人とも、今シーズンに各チームで大躍進をしています。久保選手は2001年生まれなのでまだ21歳、鎌田選手は1996年生まれで26歳です。彼らの若い勢いには森保監督も期待していて、攻撃の命運を握らせているといった感じですね。

日本代表の練習場への入り口。(代表チームとメディア関係者以外、立ち入り不可)

 

Q.今回の代表チームのなか、あるいはまだジュニアの選手で、4年後以降の大会で活躍しそうな、今から知っておくべき将来有望な選手はいますか?

A.日本は久保選手、海外ではムココ選手です。   筆頭は、やはり久保選手。将来日本代表で10番を背負っていく存在になるのだろうな、と思います。それから海外では、日本と最初に対戦するドイツチームに所属する、18歳初出場のユスファ・ムココ選手。彼は16歳になってすぐにドイツのトップリーグでゴールを決めるなど、多くの最年少記録を破っている注目選手ですね。日本代表戦でも出て来ると思うので、とても楽しみにしています。

日本の初戦は11月23日現地時間16時(日本時間・同日22時)!

 

Q.ミムラさんの記憶に残る日本代表の試合と、そこで起きたエピソードを教えてください。

A.2018年ロシア大会のベルギー戦です。   ロシア大会の決勝トーナメント初戦で日本があたったベルギー戦ですね。ベルギーは最終的にベスト4まで進んだ強豪チームですが、そのベルギー相手に途中まで2-0とは誰も予想していなかった。結果は、ロスタイムに劇的な逆転ゴールを許して2-3で負けてしまいましたが、日本代表がこれまでに世界の強豪国をここまで追い詰めたことはありませんでした。他国からも「日本は勇敢だった」「すごく良いチームだった」と評価された試合だと思います。  

Q.日本代表とそれ以外のチームも含めて、三村さんにとって印象的だった大会・試合、選手を教えてください。

A.ベルギー戦では、乾選手、長谷部選手、本田選手のプレーが印象的でした。   乾貴士(いぬいたかし)選手は2ゴールを決めました。本田圭佑選手は、ずっと代表レギュラーでしたが周囲の選手のコンディションなどを見て、西野朗監督に「スタメンじゃなくても良い。その代わり、途中から出て仕事をするための準備をさせてほしい」と直訴したというエピソードがあります。その結果、1ゴール1アシストで、3試合のうち2度得点に絡んだ仕事をしていますから有言実行を果たしたわけです。   また、キャプテンだった長谷部誠選手は普段、能ある鷹は爪を隠すといった、多くを語らないスタンスの選手ですが、ロシア大会をもって代表から引退することを決めていたので、試合以外の時間でも、ホテルで選手ごとにミーティングをしたり、監督に他の選手から出た意見を伝えたりと、チームを良くするために何が出来るのかということを考えて動いていた。これが最後のワールドカップだというその強い覚悟は、僕らメディアの人間にも伝わってきました。

今大会に日本から現地入りしたメディアのクルー。

 

Q.日本代表戦や選手の様子、現地の雰囲気などを知るには、どのようなメディアやツールをチェックすればいいですか?

A.日本サッカー協会のYouTubeチャンネルがおすすめです。   まず速報はTwitterなどSNSが良いでしょう。また日本サッカー協会のYouTubeチャンネルでは、チームの中にカメラが入って様子を配信してくれます。これは今までの大会にはなかったことですし、1日~2日遅れとはいえほぼリアルタイムで選手たちの様子を確認することができます。選手たちが遊びでリフティングをして負けた人はデコピンの罰ゲーム、なんて舞台裏も見ることができるのでファンの人にも楽しいと思いますよ。   あと、ABEMA TVでは登録すれば全試合が無料で閲覧できます。この試みは今大会が初めてのことで、スマホさえあればワールドカップを楽しめるというのは今大会の特徴のひとつだと思います。  

Q.選手やチーム、試合のゆくえ以外に、意外と着目してみるとおもしろいものはありますか?

A.試合後の選手インタビューがスピーチの参考になるかも!?   応援の声に注目してみると面白いと思います。例えば、中東の人の応援は、普通のシュートを打っただけでも、まるでビッグチャンスであるかのように会場が異様に盛り上がります。音声も気にして試合観戦をすると、より臨場感のある楽しみ方が出来るかもしれないですね。サポーターだとドイツ人の応援はなかなか凝っていて面白かったりするんですが、今回はボイコットの影響もあって実際どれだけの人が来るのか読めないところですね。   試合後のインタビューにも注目してみてはどうでしょうか。今の選手たちは子どものころからSNSに慣れ親しんでいる人も多く、すごく上手くまとめた喋り方をしてくれるので、会社や学校などで受けが良い表現やコメントが学べたりするんですよ。例えば、会社や学校の朝礼でスピーチをする時の参考にしてみると良いかもしれないですね。 いよいよ今晩、日本の初戦となるドイツ戦がキックオフです。   【プロフィール】

スポーツライター・コメンテーター / ミムラユウスケ

2006年から活動をはじめ、2009年1月から、Bリーグが開幕する2016年9月までドイツ在住。『Number』(文藝春秋)など多数の媒体に寄稿しつつ、スカパー!「ミムラ・ヤスイのブンデスリーガ大学」などでコメンテーターを務める。著書(共著執筆含む)に、武尊『光と影』(ベースボール・マガジン社)、香川真司『心が震えるか、否か』(幻冬舎)、『千葉ジェッツふなばし熱い熱いDNA』(東邦出版)、横浜ビー・コルセアーズ『海賊をプロデュース』(産業能率大学出版部)、内田篤人『淡々黙々』(幻冬舎)がある。岡崎慎司『鈍足バンザイ!』(幻冬舎)の構成も務めた。 Twitter  

これからの季節に嬉しい、人気ブランドのアウターやスウェットを期間限定値下げ! スポーツデポ・アルペンで「アーリーブラックフライデーセール」開催中

アルペンは、「スポーツデポ」「アルペン」にて、ブラックフライデーに先駆け、人気ブランド期間限定値下げを行う「アーリーブラックフライデーセール」を、11月23日まで開催中です。

 

同セールでは、これからの季節にぴったりな「アディダス」「アンダーアーマー」「プーマ」「コロンビア」などのアウターが期間限定値下げで30%オフ。スウェットなども60%オフの期間限定値下げで登場します。ランニングカテゴリーでは、アディダスの対象ランニングシューズが期間限定で50%オフに。野球バット・サッカースパイク・バスケットシューズ・テニスといった各種競技スポーツウェアなども、お買得価格で提供しています。

 

セール価格以外のお買得特典として、サッカーカテゴリーでは、対象のアディダス対象サッカースパイク&シューズ購入でアルペンポイントを20%還元。バスケットカテゴリーでは、ナイキの対象バスケットシューズ購入でアルペンポイントを10%還元します。テニス&バドミントンカテゴリーでは、ラケットを税込1万1000円以上購入すると、不要なラケットを購入価格の20%で下取りします。

 

また、セール開始にあわせて男女混成ダンス&ヴォーカルグループ「lol-エルオーエル-」と楽曲タイアップしたTVCMの放映を開始。同グループの約2年半ぶりとなるアルバム「AMBER」より、「Magic of A Laugh」を使用した新CMを、一部エリアを除く全国およびWEB CMで放映中です。

南インドの小さな川で勃発したメッシとネイマールのW杯前哨戦が話題に。ロナウドも参戦!?

日本時間11月21日の午前1時に、開催国カタール代表とエクアドル代表の一戦でいよいよ幕を開けるワールドカップ2022。その開幕を前に、南インドの小さな村の小さな川で始まった前哨戦が、地元メディアで話題になっている。

 

インドはワールドカップの出場はまだなく、今回も予選通過はならなかったが、インド南部のケララ州コージコード地区にあるクルンガットゥ・カダヴ川で、ファンによるもう一つのW杯が始まった。

 

プラボール村のアルゼンチンファン協会が、アルゼンチンの英雄、リオネル・メッシの高さ30フィート(約9.1m)の巨大切り抜きを川に立てると、直後に村のブラジルファンが、メッシの切り抜きよりも高い40フィート(約12.2m)のネイマールの切り抜きを設置したのだ。

 

この前哨戦を地元メディアが伝え、オリンピックの公式サイトでもニュースで取り上げるなどと話題となったが、今度はポルトガルファンが黙っていなかった。

 

ネイマールのそれよりもさらに高い、45フィート(約13.7m)のクリスティアーノ・ロナウドの切り抜きを立てると、ついにFIFAまでもがツイッターで紹介。

 

メッシの足元で各国の国旗を振る人を見れば、その巨大さが分かるだろう。設置して間もないころは地元当局から撤去の指示があったが、予想外の盛り上がりと、当局の調べでは川の流れに影響もないことから、撤去の必要なしと“お墨付き”をもらった。

 

この3大巨頭を超える代表選手は見当たらないので、これ以上切り抜きが増えることはないだろうが、大会が始まり、それぞれの選手・チームの結果次第での、今後の行方が気になって仕方ない。

今さら聞けないゴルフシューズの選び方。1万円台で買える、おすすめ2022年最新ゴルフシューズ!!

コースデビューすることになったら、ゴルフシューズの購入&メンテナンスは必須。ゴルフ場は傾斜のある芝生の上を歩いたりするので、想像以上に滑ります。ですので、靴底に滑り止めの付いた専用シューズを履かなければなりません。

 

しかし、ゴルフシューズは1足1万円以下のものから、3万円以上のシューズまで多種多様。何が違うのか、どれが良いのかさっぱりですよね。そこでおすすめしたいのが、1万円台のゴルフシューズ。機能性とデザインを両立して長く使えるものもたくさんある価格帯です。

この記事では、2022年おすすめの最新モデルを紹介。そしてメンテナンス方法まで識者がレクチャー。良いシューズと出合えればスコアも上がる!ということで徹底的に解説していきます。

 

<識者紹介>
保井友秀さん

出版社勤務、ゴルフ週刊誌勤務を経て独立し、フリーライターとしてゴルフ雑誌やウェブメディアに記事を寄稿。ゴルフ歴22年。週1回ペースでレッスンに通い、月2回ペースでラウンドを楽しんでいるエンジョイゴルファー。

 

押さえておきたいゴルフシューズを選ぶ際のポイント

ゴルフシューズを選ぶ際は、「ソフトスパイク」か「スパイクレス」の2択と、「ひも靴タイプ」か「ダイヤル式」の2択の組み合わせのなかから好みのタイプを選ぶのが基本。これに、ソールの固さやアッパーの素材など、いくつかの選ぶポイントが加わってきます。足の形は人によって違いますから、誰にどんなタイプのゴルフシューズが合うかは人それぞれ。次に挙げるポイントに沿って選んでいくことは、買って後悔することを防ぐことができます。

 

【ポイント1】サイズの選び方

ゴルフシューズのサイズは、基本的に普段履いているスニーカーや革靴を基準に選んでOK。ただし、普段履きのシューズでも日本のメーカーと海外メーカーでサイズが異なるケースがあるように、ゴルフシューズも日本のメーカーと海外メーカーでサイズが微妙に異なるケースがあります。そのため、試着してサイズが合っているか確認したほうが安全です。

 

【ポイント2】ソフトスパイク、スパイクレスについて

ゴルフシューズの靴底のタイプは、大別すると「ソフトスパイク」と「スパイクレス」の2種類です。

 

グリップ力が高いのはソフトスパイクで、ほとんどのプロゴルファーはソフトスパイクを着用しています。ただし、ソフトスパイクは練習場で着用するのは好ましくないと言われています。その理由はスパイク部分が地面にめり込むように設計されているため、練習場のマットの上だと少し浮き上がったような状態になるからです。また、ソフトスパイクは鋲が摩耗するため、ある程度消耗したら鋲を取り換える必要があり、ランニングコストがかかる点も考慮しなければなりません。

 

スパイクレスはソフトスパイクに比べてグリップ力はやや下がりますが、ゴルフ場でも練習場でも着用できるので人気が高まっています。各メーカーもそのようなトレンドを認識しており、スパイクレスでもソフトスパイクに匹敵するグリップ力を備え、プロゴルファーが試合で着用できるモデルを次々と開発しています。

 

【ポイント3】ソールの硬さがラウンド中に与える影響について

ソールの硬さは一般的に、柔らかいと衝撃吸収力が高いので疲れにくく、硬いと疲れやすいと言われています。ただし、これは好みの問題でソールが硬いほうが疲れにくいという人もいます。ゴルフショップで試着して店内を歩き回り、感触の良いモデルを選ぶのがおすすめです。

 

【ポイント4】アッパーの素材に関して

ゴルフシューズのアッパーの素材は、水ぬれに強いものを選んだほうがベター。ゴルフは自然の中でプレーするスポーツですから、雨が急に降ってくることもあります。また、芝生は生き物ですから、ゴルフ場は芝生の育成のために散水します。早朝に散水を行うことが多いですから、朝のゴルフ場は芝生がぬれていることがあります。水をしっかりはじいてくれる素材のゴルフシューズを選んだほうが長持ちします。

 

【ポイント5】ひも靴タイプ、ダイヤル式について

ゴルフシューズは「ひも靴タイプ」と「ダイヤル式」の2種類があります。

 

ダイヤル式のメリットは着脱のしやすさ。ダイヤルをカチッと外すだけで簡単に脱ぐことができ、ダイヤルを回すことで締め具合を調整できるので、アマチュアゴルファーの7~8割がダイヤル式を着用しています。

 

一方で、プロゴルファーはひも靴タイプを愛用している選手が多いです。その理由は足のコンディションに合わせて締め具合を微調整できるから。プロゴルファーは1試合で4日間72ホール、練習ラウンドも含めると1週間で90~108ホール歩きますから、微調整しながら自分の状態に合わせます。アマチュアゴルファーは月1~2回のラウンドペースの人が大半なので、細かな調整はそこまで必要ありません。着脱のしやすさを優先する人が多いです。

 

【ポイント6】ゴルフ場のドレスコードについて

ゴルフ場によっては、入場退場時のドレスコードとしてスニーカーOKとNGのコースがあります。こちらに関してもゴルフ場のホームページを見れば、ドレスコードの記載があるので確認したほうが良いでしょう。ホームページを見ても、入場退場時のドレスコードが分からない場合は、できればスニーカーは避けて革靴にしておいたほうが安全です。

 

お値段以上の満足感ある1万円台ゴルフシューズメンズ3選、レディース2選

ここから実際に1万円台で購入できるおすすめのゴルフシューズを紹介していきましょう。ピックアップしたのは、マンシングウェア、ルコックスポルティフ ゴルフのゴルフシューズ。

 

マンシングウェアは、アメリカ生まれの歴史あるゴルフウェアブランド。ペンギンをシンボルマークにあしらい、快適なゴルフライフを求める大人のためのゴルフウェアを提案しています。最近ではベーシックを突き詰めた「スタンダードコレクション」が登場。1〜2万円台のゴルフシューズをそろえています。

 

ルコックスポルティフ ゴルフは、フランス生まれのブランド。機能性とファッション性あふれるスタイリングを提案しています。機能的でおしゃれなデザインが、プロからアマチュアまで幅広いゴルファーに人気。1万円台のゴルフシューズをラインナップしています。

 

【メンズその1】マンシングウェア/ゴルフシューズスパイクレスクラシック

1万6500円(税込)

クラシックスニーカータイプのシンプルでカジュアルなスパイクレスシューズ。ひも靴タイプでフィット感の微調整が可能です。アッパーは防水仕様で多少の雨でも安心。アウトソールは柔軟性があり、グリップ力も優れています。ホワイト、ブラックの2色展開。

 

【メンズその2】ルコックスポルティフ ゴルフ/ゴルフシューズスパイクレスLCSGモデル

1万4300円(税込)

ルコックスポルティフを代表するスニーカーとして進化を遂げているランニングシューズ「LCS R」。その機能性をゴルフシューズに応用しているひも靴タイプのスパイクレスシューズです。足をアーチ形状に保ち足指をしっかり使えるようサポートすることで、バランスを取るための踏ん張りと地面を捉える感覚があります。ホワイト、ホワイト×ブラックの2色展開。

 

【メンズその3】ルコックスポルティフ ゴルフ/ダイヤル式ゴルフシューズスパイクタイプ

1万81500円(税込)

かかと部に付いたダイヤルによるワイヤーロックシステムにより、スムーズな着脱と抜群のホールド感を実現したソフトスパイク。日本人の足型を元に設計した3Eアナトミカルラストを採用し、フィット性を高めています。アッパーは防水仕様。ホワイト×グレー、ホワイト×ネイビー、ブラックの3色展開。

 

【レディースその1】マンシングウェア/ゴルフシューズダイヤル式スパイクグラデーションレディス

1万8700円(税込)

ワイヤーロック式のアジャストシステムを採用した、着脱しやすいスパイクレスシューズ。軽量で通気性の高い合成繊維素材を使用していながら防水性能も優れています。グリップ性の高いラバーソールと、軽量かつクッション性の高いミッドソールを搭載。ライトグレーの1色展開。

 

【レデュースその2】ルコックスポルティフ ゴルフ/ダイヤル式ゴルフシューズスパイクタイプ(レディース)

1万7050円(税込)

上で紹介している「ダイヤル式ゴルフシューズスパイクタイプ」のレディース用。ヒール部のワイヤーロックシステムにより抜群のホールド性を実現します。シルバー、ホワイト×グレーの2色展開。

 

予算追加で買える! 2万円以上のゴルフシューズ

【その1】マンシングウェア/ゴルフシューズダイヤル式スパイク

2万900円(税込)

サイドに配置されたダイヤルによるワイヤーロック式のアジャストシステムによって、スムーズな着脱を実現したソフトスパイク。履き口にストレッチ素材を配置し、履きやすさと足首のホールド感を両立しています。ホワイト×ネイビー、ホワイト×レッドの2色展開。

 

【その2】デサントゴルフ/ゴルフシューズコウノエベルト

2万5300円(税込)

「コウノエベルト」とはベルトを締めることで指先が開き、指全体で地面を捉え、アドレス時に左右のブレを軽減し、効果的に力を伝える構造のこと。新たなコンセプトで開発されたひも靴タイプのソフトスパイクです。ホワイト、ブラックの2色展開。

 

ゴルフシューズのお手入れ方法

ゴルフシューズを履いて18ホールをラウンドすると、シューズ内には汗がしみ込んでいます。そのまま放置するとカビや悪臭の原因に。最も簡単なお手入れ方法は、ゴルフ場のロッカールームや浴室にある新聞紙の束を利用すること。新聞紙を丸めてシューズの中に詰め込むと、シューズ内の水分を吸い取ってくれます。帰宅したら水分を吸い込んだ新聞紙を取り出し、ベランダなどの風通しの良い場所で乾燥させると次回のラウンドでも快適に着用することができます。

 

ゴルフシューズの外側の汚れは、気の利いたゴルフ場であればシューズクリーナー(靴底に付いた芝草をエアーガンで吹き飛ばす場所)の横にぬれタオルが置いてあります。それを使って汚れを拭き落とします。ただし、シューズの外側の汚れは、芝生を踏んだときに芝が千切れて飛び散る汁、土、砂によって付着しますから、ぬれタオルで拭いたからといって汚れが完全に落ちるわけではありません。ラウンドを重ねるごとに汚れが増えるのは仕方がないことです。

 

シューズの汚れが気になるタイプの人は、汚れが目立たない色のシューズを購入することをおすすめします。黒いシューズは汚れが比較的目立ちません。白いシューズは最初のうちはきれいですが、汚れが目立ちやすいことは承知しておいたほうが良いでしょう。

 

ソフトスパイクについてはラウンドごとに鋲を外し、中の汚れやゴミを取り除いてください。特に土埃などは固まってしまい、鋲を交換する際に動かなくなることもあります。こまめなお手入れをおすすめします。

 

おすすめのゴルフシューズケース

ゴルフシューズはむき出しで持ち歩くわけにはいきませんから、シューズケースに入れて持ち歩きます。最初のうちは安価な巾着袋タイプのシューズケースでも構いませんが、シューズに付いた細かい砂が開口部からこぼれ落ちるのでストレスになります。ファスナーですき間なく収納できるシューズケースのほうが、長い目で見たら使い勝手が良いでしょう。

 

【その1】デサントゴルフ/サイドエアメッシュシューズケース

8690円(税込)

サイドがエアメッシュ素材の通気性の良いシューズケース。正面にはボディ同色でデサントロゴが入っており、そんなにブランドを主張しないさりげないデザインです。マットな質感もポイント。ブラック、ホワイトの2色展開。サイズ:W21×H34.5×D10cm。

 

【その2】ルコックスポルティフ ゴルフ/【ECO】RENUシューズケース(ミニポケット付)

4290円(税込)

開口部が広めの設計でシューズの出し入れがしやすいシューズケース。外装にはファスナー付きのミニポケットが装着され小物入れとしても便利です。再生ポリエステルのRENU(レニュー)を素材に採用したサステナブルな商品です。ブラック、レッド、イエローの3色展開。サイズ:W22.5×H32×D13.5cm。

 

【その3】マンシングウェア/『Goods』RENUベーシックロゴデザイン巾着シューズケース

5390円(税込)

両サイドで絞り込むコンパクトな巾着型で、再生ポリエステルのRENUを使用したサステナブルなシューズケース。ハンドル付きで持ちやすく、内装にはファスナーポケットが装着されており収納に便利です。ブラック、ネイビー、レッドの3色展開。サイズ:W22×H37×D11cm。

 

撮影/松川 忍、文/保井友秀

 

 

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100ブランド1万点以上の品揃え! 「Alpen TOKYO」内の8階フロアにて、ウインター用品の取扱いをスタート

スポーツ用品販売のアルペンは、2022年7月8日に創業50年を迎え、創業50年目の新たな挑戦として、2022年4月1日に新宿東口のユニカビルに、アルペングループ史上最大の旗艦店舗「Alpen TOKYO」がオープンしました。その「Alpen TOKYO」内の8階フロアにて、ウインター用品の取扱いをスタートします。

 

スキー・スノーボードを始めるための全てのアイテムを取り揃える

これからスキー・スノーボードを始めてみたい入門者から、中・上級者にも満足できるよう、スキー板、スノーボード板を各500点以上を取り揃え、「サロモン」「アトミック」「K2」などの大人気ブランドの上質なアイテムを総勢100ブランド1万点以上用意。これからスキー・スノーボードをスタートさせたい入門者に最適なスキー・スノーボード板とビンディングがセットになった特別なセットアイテムも用意しています。

 

豊富な知識と経験を持った心強い専任スタッフと専用機材!

スキー・スノーボードに精通したスタッフがユーザーに最適な商品を選び、的確なアドバイスをします。また、ユーザーの足の形状を専門スタッフが診断し、シダスジャパンが開催するハイレベルのセミナーを受講し、専門的な成形テクニックを習得したエキスパートがシダス社のプレミアム・カスタムインソールを提供。

↑SIDASインソール成形機。ユーザー一人ひとりの足型に合わせた成形を行い、ブーツの悩み解消のサポートもしてくれます

 

80℃以下の温度で滑走面に赤外線を照射し、板の内部から加熱させることで、滑走面を傷めることなくワックスをより浸透させる最新鋭のワックスマシン「WAXフューチャー」を使用したWAXサービスも提供。急ぎのユーザーには当日お渡しのクイック加工(最短90分)もします。

↑WAXフューチャー。専門技術をもったスタッフが専用機材を使用してニーズに合わせた加工を行ってくれます。

 

「Alpen TOKYO」8階でのウインター用品取り扱いに合わせてお得なセールも実施しています。12月4日までの期間中、スキー・スノーボードの板、ブーツ、ビンディング、ウェアを2点3万円以上購入で10%OFFとなります。この機会をお見逃しなく!

■Alpen TOKYO

住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目23-7

「ユニカビル」地下2階から8階まで全10フロア

 

 

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“バスケの偏見”選手はスイカを片手でつかむ!? Bリーグの「偏見」調査動画が話題に

「バスケ選手は、大きくて丸いものを見ると、片手でつかめるか試しそう」。

 

こんな“偏見”を持っていないだろうか? そんな「あるある」の“偏見”をBリーグが真面目に調査。人気選手の出演する動画が、再生回数8万回で話題となっている。

 

ニセのインタビュー企画で登場する選手たち。入室前にスイカを持たせて検証するという、テレビのバラエティ企画でもよく見るドッキリを仕掛けている。

 

サンロッカーズ渋谷PGのベンドラメ礼生は「メロンあたりだったらいっちゃうんじゃないですか」。名古屋ダイヤモンドドルフィンズSG/SFの須田侑太郎は、両手で空気圧を確かめるような仕草でスイカをつかみ「丸いものは無意識に空気圧を確認してしまう」。大阪エヴェッサPF/Cの竹内譲次は「(メロンなら)スーパーでカゴに入れるとなった片手で入れるかもしれない。主婦の方はどうしているのか分からないですけど」……それぞれのユニークなやりとりが動画に収められている。

 

今回は第一弾。Bリーグは“偏見”の例として、「タンクトップばかり着てそう」「靴箱は一番上の段を使いそう」などを挙げているが、あなたならどのような“偏見”を持っているだろうか。

 

「プレイする姿を目にすることはあっても、プライベートは謎に包まれていることが多いため、世間の人々がバスケ選手へ抱いている勝手なイメージは数多く存在します。そんなバスケ選手への『偏見』をB.LEAGUEの選手に直接聞いて調査」していくという同企画。次はどのような“偏見”を検証してくれるのか楽しみである。様々な“偏見”の今後にも注目したい。

ニューバランス「FuelCell Rebel v3」。期待のアイドル誕生⁉/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022「ニューバランス」秋の陣③「FuelCell Revel v3」の巻

 

日進月歩のランニングシューズ開発。昨今の“厚底ブーム”は、衝撃緩衝性と反発性を持つミッドソールの開発競争によって生まれた。ランニングシューズ界の名門ニューバランスは、2つのミッドソールの素材で臨む。前回は、クッション性に優れ、走る楽しさを引き出す「フレッシュフォーム」のシリーズから、「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」を紹介した。

 

そして、今回は「フューエルセル」シリーズから、大幅リニューアルとなった「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」に注目。聞いて、履いて、試して走って、このシューズのレビューをお届けしよう!

↑「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」は1万4800円(税込)。メンズはグリーン、グレー/レッド、ブラック、ネービー/イエローの4カラー、靴の幅(ウイズ)は、D(やや細い)と2E(標準)の2展開(2Eはグリーンのみ)。ウイメンズは、グレー/レッド、パープル、ネービー/ピンク、ブラックの4カラー、ウイズはB(やや細い)。その他メンズ、ウイメンズともに直営店限定カラーホワイト/ゴールド(1万5950円(税込))もあり

 

【関連記事】
名門ニューバランス、新たなランニング文化への本物の“厚底”戦略/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

↑3回に亘ってお話を聞いた、ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん

 

期待の“万能モデル”、真価やいかに!?

「FuelCell Rebel v3」は軽量にして高反発、クッション性、安定性を高めた「FuelCell Rebel v2」の後継機種である。

 

2021年に登場し、“万能モデル”として高評価を得、話題となったv2。そのv2から、ソッコーの大幅なモデルチェンジが加えられたこともあり、FuelCell Rebel v3のパフォーマンスには大きな注目が集まっている。そんな期待のアイドルに、直に触れる大チャンス到来なのである! シューズ名の由来は、レベルアップなどで使われる「Rebel」だ。

 

「FuelCell Rebel v3は、楽しく走る“フィットネスランシューズ”とカーボンプレート入りの“レースシューズ”の中間に位置付けられます」と、驚きの話を語るのは、ニューバランスジャパンのランニングシューズ企画の間宮葵さん。

 

“モチっと跳ねる”って、何⁉

ターゲットセグメントの細分化が進む現在のランニングシューズ界では、FuelCell Rebel v3が位置付けられる、間口の広さ、そして大胆さは、極めてユニークな存在と言えよう。

 

「フューエルセルシリーズは、いわゆるシリアスランナーと言われるトップ選手たちがトレーニングで履くのと同時に、フルマラソンを4時間以内で走り切る市民ランナーにも履いていただけています」(間宮さん)

 

手に持って、ミッドソールを指で押すと、「あらっ、ソフト!」。“こんなんで、マジで大丈夫?”という感想を得たのだが……。前回の「Fresh Foam X More v4」のインプレの際にも触れたが、ニューバランスの「フレッシュフォーム」も「フューエルセル」も素材特性を示す総称である。

 

材料の配合や発泡の程度などは、全て使用するシューズごとに変えて用いている。当然、FuelCellRebel v3の「フューエルセル」も、このシューズオリジナルの仕様だ。

↑つま先と踵がせり上がったロッカー構造。これによって着地から蹴り出しまでの前へのスムーズな重心移動、ゆりかごのように前に進む感覚が味わえる

 

「良く跳ねるのですが、ポンポンやパンパンというのではなく、モチっと跳ねます(笑)。スローペースのジョグでも楽しめるのですが、テンポアップしてのインターバル走などですと、体感よりも、ずっと速く走れていることに気づくはずです」(間宮さん)

 

ミッドソールのソフト感が、実際に走ると“モチっと跳ねる”⁉ ぜひとも、体感してみたい!

 

日本のプレス向け取材対応は、GetNavi webが初!

「v3への変更として、まず、ソールの着地面を広く取ることで、着地時の足のブレを減らし、安定感を高めています。さらに、アッパーのタン(甲に当たる部分)も、包み込むような形状のガセットタンに変えたので、フィット感も増しています」(間宮さん)

↑前作のv2よりも幅を増したアウトソール。耐久性と着地のグリップ力、横ブレを抑える力が高くなっている

 

↑ガセットタンを採用し、中足部を一体化

 

ミッドソールの厚みも増やしたが、フューエルセルの軽量が寄与したため、驚くことにシューズ全体として軽量化できているという。

 

「フューエルセルシリーズはカーボンプレートが入っていなのによく跳ねるので、レベルの高いランナーのトレーニング用にも起用されたことで、さらに人気になっています」(間宮さん)

↑日本のプレス向けFuelCell Rebel v3の取材対応は、今回が初! 発売前の貴重なサンプル品を預かった

 

聞くほどに、FuelCell Rebel v3への、ニューバランスの期待値がひしひし伝わってくる。

 

「フューエルセルのシューズは、開発コンセプトにもあるように、まずは走力がある方々を中心に広がって欲しいと考えています。生産数も拡大させる予定ですが、爆発的なヒットを期待するのではなく、きちんと育てていくべきシューズと考えています」(間宮さん)

 

いよいよ、FuelCell Rebel v3で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、FuelCell Rebel v3の試走スタート!まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。FuelCell Rebel v3の実力、試してみたぞ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ちょっとズルいくらいの、足馴染みの良さ。ヒールカウンターも薄い割に堅牢で、踵をしっかり固定してくれている。何と言っても、ガセットタンである! 足の甲をシッカリ包み込んだ上で、私好みの薄手の平紐のシューレース(靴ひも)によって、シューズと足が心地よく一体になる。

 

立ち上がって歩くと、なるほど“モチっと”な気がしてくる。ミッドソールを手の指で押すと、心細いほど軟らかいのに……。正直に書くと、前回紹介した、いちばん軟らかい「フレッシュフォーム」よりも、Rebel v3の「フューエルセル」の方が軟らかく感じていたのだ……。これって、ありなの?

 

しかしながら、立って歩いている限りでは、深く沈み込み過ぎたりはしない。「履き心地バツグン!」とは書かれているものの、ランニング厳禁のチャチな街履きシューズにあるような悪い感じは、さすがにゼロである。「どう?」と聞かれたら、「いい感じだよ」と、素のまま返したくなる違和感のなさだ。ますます、これってありなの?

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

「1㎞を7分で走る」スピード調整に手間取る。普段は、目をつぶって(あくまで比喩)も、感覚的に思い描いたスピードを出せるのだが、このシューズでは上手くいかない。7分で走っているつもりが、6分35秒……。困ったことに(笑)、速く走れちゃうのだ。

 

なるほど間宮さんが言っていた通り。体感より早いペースで、軽く走れ、面白いほど進む。“万能シューズ”として期待されるのは、すぐに理解できる。これって、ありなのかもしれない……。と、思った矢先に感じたのは、土踏まずへの、わずかな心もとなさ。このペースでは心配ないので、もう少しペースを上げてみよう!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

「1kmを6分のペース」で走っているつもりが、GPSランニングウォッチでチェックすると、5分45秒……。ほくそ笑みながら、ペースを落とす。ペースが落ち着いたところで、先ほどのアーチ問題。

 

筆者は普段、走力的にもアーチサポートが効いたシューズに履き慣れている。そのため、わずかな心もとなさを感じた。それもそのはず、FuelCell Rebel v3は、アーチサポートを必要としない走力の高いランナー向けの厚底カーボンプレート入りシューズ「FuelCell RC Elite」と同じ製法を採っているから。なるほど、それなら納得(FuelCell Rebel v3には、カーボンプレートは入っていない)。

 

日常的なトレーニングも含め、厚底カーボンプレートシューズでの走りに慣れたエリートランナーにとって、FuelCell Rebel v3がゴキゲンな一足であることは想像に難くない。加えて、普段から意識せずに、足の前部(ミッドフット)や中部(フォアフット)で着地している人は、ほとんど違和感はないはずだ。

 

問題は、“昭和のヒールストライカー”の我らである。踵での着地から、今さら走り方を替えするつもりもなく……。という頑迷な私たちは、どうすべきか? 昭和のヒールストライカーのひとつの答えを、ペースアップしつつ考えてみよう。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

いつの間にか、1kmを4分15秒で走っている。スカッと爽快だが、喜んでいる場合ではない。ペースを調整し、さっそく昭和のヒールストライカー問題である。

 

頑迷ながら執着が薄い筆者の場合、実は、思い切ってペースを上げるのはひとつの答えだ。“ダッシュに近くなったり、上り坂では踵着地をしなくなる”とは、ランニングの教科書の請け売りだ。となると、履くシーンを変えれば良い!

 

まさに「スカッと走」用として、5kmや1okmのミニレースや記録会でならば、FuelCell Rebel v3を履きながら、地脚(走力)作りに繋げられる。速く走れるシューズだけに、速く走らせてあげよう。(もちろん、フォアフットやミドルフット着地の方々なら、複雑に考える理由は何もない)

 

さらに、ここからは勝手な妄想だが、次の2つのいずれかなら、私たち昭和のヒールストライカーも、FuelCell Rebel v3で暴れられるのではなかろうか? ひとつは、ミッドソール内側のアーチ部分の「フューエルセル」を、もう少し硬度の高い仕様にする。もうひとつは、「Data to Design」に基づいたハニカム構造(詳しくは、前回を参照)の採用で、内側のアーチ部分に凸のパターンを刻み込む。

 

「まずは、YOUのレベルの方こそ、バージョンアップをしなよ~♪」と、赤トンボが囁いたように聞こえたのは空耳だろうか……。それを言っちゃあ、おしまいなのに……。

 

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撮影/中田 悟

 

 

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ニューバランス「Fresh Foam X More v4」。名門の反逆児!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異常ナシ

2022「ニューバランス」秋の陣②「Fresh Foam X More v4」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、ランニングシューズ界の名門ニューバランスへ押しかけました! 「“いちばん厚くて、いちばん快適!”な初心者向けのシューズを、履きたい!」というリクエストに、「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」が登場。

 

なるほどのマシマシ感、妖艶ですらあるシルエット、みごとな貫禄。ということで、ニューバランスの担当者に、根掘り葉掘り聞き、実際に履いて走ったレビューをお届けしよう!

↑「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア)v4」。1万9800円(税込)。メンズはホワイト/グリーン、ブルー、ダークグレイ、ブラックの4カラーで、靴の幅(ウイズ)は、D(やや細い)と2E(標準)の2展開(青はD、グレーは2Eのみ)。ウイメンズはホワイト/グリーン、ブラックの2カラーで、ウイズはB(やや細い)とD(標準)の2展開。ちなみにv4とはバージョン4を意味し、Fresh Foam X Moreの4代目ということである

 

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我ら、“ライフスタイルランナー”のためのシューズ!

「従来のランニングシューズは、走る目的や機能を重視してきました。しかし、このシューズは、ランニングだけではなく、いわゆる“普段履き”もできるデザイン性のニーズにも応えました」(間宮さん)

 

このシューズとは、ニューバランスの「フレッシュフォーム」シリーズで、いちばん厚底、いちばん軟らかいという触れ込みの「Fresh Foam X MORE v4」だ。それを語るのは、ニューバランスのランニングシューズ企画の間宮 葵さんである。

 

間宮さんによると、ニューバランスでは、こうしたファッション性も重視するランナーたちを、“ライフスタイルランナー”と呼ぶ。おー、“ライフスタイルランナー”とは、我が意を得たり! ガチのランナーではない筆者にとっては、“ライフスタイルランナーこそメジャーでしょ”と、遅かろうが、辛かろうが、ギョーカイ最強(⁉)を目指し、胸を張って走ってきた。

↑ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん

 

走力を含め、陸上選手のようなランパン×ランシャツの次元ではなく、あくまで体型維持、ポジティブに生きるためのランニング。だからこそ、カッコ悪く走りたくない、ならば、ファッションにもお金はかける。“ライフスタイルランナー”は、まさに私たちのことだ(ニューバランスにとっての本来のターゲットは、もちっと若い♪)。

 

「いちばん厚くて、いちばん軟らか!」に弱いのです……。

「そうした、他の人と違うシューズを履きたい、新しいモノを試したい、”もっと楽しく、心地よく”という意味も込めて、英語のmoreが、ネーミングの由来です。Fresh Foam X Moreはフレッシュフォームを冠にしたシューズたちの中で、ミッドソールのフォーム材がいちばん厚くて、いちばん軟らかいシューズ。足入れの良さも、ズバ抜けています!」(間宮さん)

 

いちばん厚くて、いちばん軟らかい! と、ココで素朴な疑問が湧いてくる。厚い=軟らかい、と言い切って良いのだろうか? それって、同じフレッシュフォームシリーズのシューズによって、フォームの軟らかさに違いがある、ってこと?

 

「はい。名前は同じ『フレッシュフォーム』ですが、実は、それぞれのシューズのコンセプトに合わせて、混合する原材料や発泡具合を変えています」(間宮さん)

 

なるほど、ミッドソールの「フレッシュフォーム」や「フューエルセル」は、カテゴリーを示す名称でもある。フレッシュフォームの特徴は、反発性もありつつも、より衝撃緩衝性に富んでいる点。しかし、そのままでは単にブワブワな、見てくれだけの厚底シューズになる可能性もある。なので、「フレッシュフォーム」という名称はそのままに、個別に味付けを変えているのだ。

 

さらなる工夫は、さすがランニングシューズ界の名門ニューバランス。さまざまな工夫を施し、長距離を走るにも耐えるランニングシューズに仕上げている。

 

「Data to Design」という考え方

「着地時、足が内側へ倒れ込みすぎる『オーバープロネーション』対策として、ご覧のようにミッドソールにハニカム(6角形)の凹凸をつけています。凹部で衝撃緩衝し、凸部で反発性を高めるためです。同一のフォーム材にもかかわらず、凸凹を配する位置で、発揮する性能を変化させています」(間宮さん)

 

こうした考え方は、ニューバランスお得意の、デザインにも機能を持たせる「Data to Design」という考え方だ。

↑Fresh Foam Xミッドソール。最大限のクッショニングを提供するためのフォーム配合に、アップデートしている

 

「さらに、厚みのあるミッドソールによって生じるグラつきを防ぐため、アウトソールは横に張り出したような形状を採用し、安定感も確保しました。また、靴底に刻まれたガイドラインとなる溝を刻むことで、足運びの軌跡にも無理を生じさせません」(間宮さん)

 

ミッドソールをギガ盛りした“名門の反逆児”のような風貌ながら、ニューバランスのDNAは失われてはいないのだ。

↑ミッドソールの厚みに負けない安定感を発揮するよう設計されたアウトソール

 

いわゆる「ロッカー」と呼ばれるトゥの反り返りも、大きく取っている。着地後、前方への推進力の低下を防ぐため、ロッカーを大きく取るシューズは多々ある。Fresh Foam X More v4は、ミッドソールの沈み込みが大きいので、履いて走った際、見た目よりも気にならない設計を取ったという。

 

実は、ロッカーの大きさは、走る人にとって一長一短となる。推進力が出るので、転がるように前に進むが、足のスネの筋力が追いつかず、疲労や痛みにつながる可能性もある。筆者も何度も痛い目に合ってきたので、ロッカーには慎重に試したいところだ。

↑爪先の巻き上げが大きいロッカーボトム形状

 

ニューバランスは、矯正靴の製造からスタートした

ところで、「Data to Design」を具現化した、先述のミッドソールへの6角形のハニカム構造は、衝撃緩衝性や、内側への倒れ込み(オーバープロネーション)の予防効果の数値として、どのように表されるのだろうか?

 

という質問をぶつけてみたが、間宮さんからは「現時点ではそのデータは非公開」とシビアな答えが返ってきた。ニューバランス独自の構造だけに、根拠となる数字を知りたいと思うランニング好きは、私ひとりではないはずなのだが……。というのも、ニューバランスは、もともと矯正靴の製造からスタートしているからだ。

 

北米はボストン、アーチサポートのインソールや偏平足対策の矯正靴の製造メーカーとして、ニューバランス社が1906年に誕生したことは有名な話である。そのニューバランスが作るシューズのへの信頼感は、100年以上経つ今も色褪せていない。ピンクリボン(乳がん)への啓蒙活動など、社会課題に対するニューバランスの取り組みも、昨日今日に始まった話ではない。

 

だからこそ、目新しいシューズや、ハイスペックなシューズに独自の認証などを与え、カラダへの配慮をもっと積極的に訴えてくれて良いのだと感じてしまった。何より、そうしたコンサバな部分も含めニューバランスのファンは多いのだから。

 

「そうした要望は、何度もいただいていますが、具体化には至っていません……」(間宮さん)

 

今後に、期待していますぜ!

 

いよいよ、Fresh Foam X More v4で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、Fresh Foam X More v4の試走スタート!  まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)スカッとラン。Fresh Foam X More v4の実力、試してみたぞ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ルックスで得するとは、まさにFresh Foam X More v4のための言葉だろう。履いた感じが悪くなる理由は、全く思いつかない(苦笑)。クッションの厚さ、アウトソールに向かってソールが外に張り出す安定感。つま先のロッカーは、今にも笑顔で走り出しそうな快適な角度。踵に重心を持っていくほど、“生”のフレッシュフォームを感じる(ような)こそばゆさ。

 

少し気になったのは、低速で歩き出した際のロードノイズ。立ち止まって、シューズの裏を触ってみると、踵側のライトグリーンのアウトソールの硬さが原因のよう。最近のランニングシューズは、地面と設置するアウトソール部分が、軽量化に寄与する要素だけに、ごく僅かだ。なので、硬めの素材で作られることが多く、雨天時のスリップのリスクをはらむこともある(Fresh Foam X More v4の踵部のアウトソールは、そこまで硬くはなく、フォームが沈み込んでグリップするので、不安な感じはしない)。

 

もう一度履いてシューレース(靴ひも)を締め直し、もう少し速く歩いてみる。今度は、ノイズは気にならない! それにしても、人生初の厚底シューズがこれなら、惚れてしまうだろうな、こりゃぁ。名門ニューバランス、勘どころ冴えきった、さすがの出来栄えだ。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

初心者向けに開発された厚底シューズの特徴は、何と言っても贅沢なクッション性。各メーカーにとって、自慢のフォームの性能を存分に味わって欲しいので、高価な素材を惜しげもなく使い、その魅力にハマってもらうように設計している(なので、価格も上がりがちだ……)。と、最初は評論家ぶって走ってみたのだが、違和感があるのだ。

 

フツーのレビューには、Fresh Foam X More v4は納まらない気がするのだ。キロ7分の低速でも、なるほどしっかり走れる。クッション性も十分だし、初めての厚底でも、このペースで数km~10㎞程度なら、ケガの心配もない。さすが名門の方、そつない走りに感服するところ。なのだけれど、この企画は、往生際がよろしくない(笑)。今日は遅いので、まずは撮影だけ行い、後日、場所を変えて再チャレンジと相成った。

 

で、とある晴れた秋の日曜の朝。ここは、筆者の自宅に近い横浜市内、昔ながらの風景を保全した丘陵地帯の市民公園である。まずはフラットな道路で、キロ7㎞でラン。そのままスタート地点には戻らず横道へ。10%ほどの勾配の、石畳の細い急坂に、いざ突入!

 

歩くほどにゆっくりのスピードでも、名門の仮面の奥の顔が出してきましたよ。さすが反逆児! お散歩&ランのペースながら、公園の階段や、砂利道、アップダウンのある土の道を進むほどに、フレッシュフォームの“鮮度”が増してくる。反発性の楽しさが、足の裏から立ち上り、心を突き抜け、笑顔となってこみ上がってきた。こりゃ、たまらん! ペースアップさせてくれ~!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

さてもさてもの悶絶の朝、の続きである。運動不足解消の「散歩&ラン」のペースで走り始めたのだが、あまりの快適さに、ペースアップしたまでが、前章。確実にペースアップし、公園内の梅林の丸太の階段を走り始めたのだが、もう止まらない。ピョコピョコ、善い歳のおっさんが、子どものように跳ね登っている。

 

下りも、もちろんゴキゲン。超人の必殺技のように「フレッシュフォーム!」と(心の中で)叫びながら、下っていた。ふと、我に返って考える。この快適感、なるほど、自転車のグラベルロードの開放感に似ている。

 

グラベルロードとは、基本的にロードバイクの仕様なのだが、未舗装の林道などのオフロードを走れるよう、太~いタイヤを履いたタイプの自転車で、世界的な人気を博している。乗る環境も含め、日本ではMTBとともに今ひとつなのが残念だが、繊細なレーシングカーであるロードバイクにはない、タフさと、路面を選ばない自由さが魅力だ。

 

Fresh Foam X More v4は、最強の「グラベル(砂利道)シューズ」だ。そう勝手に呼ばせていただくが、近所に自然公園がない都会ならば、お城や神社仏閣を探して走ろう! 石畳や階段、急な坂など、今までのランニングでは避けていた(はずの)道が、これからの定番コースになる。Fresh Foam X More v4は、従来のロードシューズでもなく、はたまたトレランシューズでもない、新たな走りに出会える可能性も秘めている

 

イベントで履くとしたら、全角各地で行われている「マラニック(マラソン+ピクニック)」や「フォトロゲイニング(スマホ連動のオリエンテーリング)」、そして毎年夏前後に長野県にて行われる「OSJ王滝ダートマラソン(100㎞)」といったあたりだろう。走り出したら、止まらないぜよ!

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

今度こそ、気を取り直し、丘陵を抜けてフラットな道を走る。ペースを上げても、さすがは名門。フォームの分厚さをものともせず、きれいに加速に応じてくる

 

もちろん、スパーンと反応が速いワケではない。抜きつ抜かれつのデッドヒートには向いてはいないが、ちゃんと加速に応じてくれる。このあたりは、よく履き込んで、自分の走りと靴の相性をよくよく擦り合わせておく必要があるだろう。

 

特に初心者や、(私を含め)しばらくランニングを控え気味にしていた方の場合、足の筋力が長い距離や、速いスピードに慣れていないと、無理は必ずカラダのどこかに影響して表出する。いわゆる「ロッカー(トゥの反り)」が大きいシューズの場合、スネに影響が出ることが多く、痛みが長引くと、取り除くのが厄介この上ない。

 

まずは、フレッシュフォームのコンセプトである「楽しく走る」を堪能しよう。砂利道よりも、速さや、距離が恋しいなら、次回に紹介する「FuelCell REBEL v3」を履いてみるのが、おススメですぜ(笑)。

↑せっかくなので、最後にジャンプ! この気持ち良さの100倍を、グラベル(砂利道)で味わえます(筆者比)

 

いよいよ次回3回目は、前モデルから大幅な仕様変更となった期待の万能シューズ、「FuelCell Rebel v3」の登場。こちらも、私の実走レポート付きでのご紹介です!

 

撮影/中田 悟

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

名門ニューバランス、新たなランニング文化への本物の“厚底”戦略/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異常ナシ

2022「ニューバランス」秋の陣①商品企画担当インタビューの巻

 

スポーツの秋、ド真ん中! ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回から3回連続でお届けするのは、クラシックラインでも有名な名門「ニューバランス」! スポーツの街、東京・神保町にあるニューバランスジャパンのオフィスにお邪魔し、会議室2つ&エントランスなどを贅沢に撮影に使わせてもらって取材を敢行した。

↑左からニューバランス「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」、「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」

 

1回目は、昨今のランニングシューズ事情を背景にした、ニューバランスの戦略を取材。2回目と3回目では、最新のニューバランスのランニングシューズについて、根掘り葉掘り聞いた上で、実際に履いて走るレビューをお届けしよう!

↑ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん(写真右)。今シーズン、“旅×ラン”というランニングの掛け算として、すでに2つのフルマラソンイベントへの出場を決めているとのこと! 私(写真左)は、ローカルの10㎞やハーフマラソンのイベントにまずは4つエントリー完了!

 

ニューバランスジャパンからお届けしています!

ランニングシューズ界は、今、大きな変革期を迎えている。言わずと知れた“厚底”ブームである。その傾向が、新型コロナ禍以前から始まっていたのだが、まずはその辺りの情報を、ニューバランスジャパンの間宮 葵さんに整理してもらおう!

 

「厚底+カーボンプレート入りのシューズが、国内外の大きなレースを席巻したことで、一気にトレンドになりました」(間宮さん)

 

確かに、その波はエリートランナーと呼ばれる職業ランナーから、アマチュアのトップ層に浸透、数年前からは厚底シューズがファッションの文脈でも語られるようになった。

 

いったんは、厚底=速い人というイメージが出来上がりました。エリート選手や、市民ランナーでもタイムを追い求めるシリアスランナーのためのシューズというイメージですね」(間宮さん)

 

【商品企画に聞く①】“厚底ブーム”の本質とは?

そもそもの話になるが、厚底シューズは、いったい何を変えたのだろうか?

 

「それまでのランニングシューズの常識は、“薄くて軽い=速さ”でした。厚底シューズは、その真逆の“厚底=速い”という発想です。トレンドとして、興味を持った一般の方も出てきたことで、その名前は一気に拡がりました」(間宮さん)

 

すでに5年以上たつ厚底シューズのブームだが、改めてその理由をおさらいしておこう。トラック競技のスパイクよろしく、鍛え上げられた肉体と走力を持つランナーのシューズは、総じて薄い。走りに特化した体型なので、着地の衝撃をサポートする役割をシューズに求める必要がない。一方、過体重の初心者ランナー向けのシューズのソールは、総じて厚い。着地衝撃はもとより、走る機能そのものが脆弱な分、シューズの果たす役割が格段と重いからだ。

 

この常識をひっくり返したのが、まさに厚底シューズブーム。それまでの“厚底=遅い”を覆した。一度気に入ったランニングシューズは、なかなか変えないコンサバなランナーたちでさえも、結果、“厚底=速い”というシューズを履いてみたい! と思うに至ったのだ。

 

「私も、正直、(この現象には)ビックリしました」(間宮さん)

 

しかし、新型コロナ禍により、状況は複雑化する。

 

「より健康に配慮する時流で、ランニング人口は増えました。一方で、マラソン大会などのランニングイベントは壊滅的になり、それまで走っていた人たちはモチベーションを保てなくなってしまいました。今、やっと回復の途上についた感じです」(間宮さん)

 

そんなこんなの状況で、ランニングシューズ各社も混戦状態になっている。さらには、ヨーロッパ発の新たなプレーヤーたちも、日本のみならず世界を賑わせており、名門ニューバランスを含めたランニングシューズメーカーたちも、新たな戦略や戦術の練り直しが迫られていた。そして今、2022年秋には、“厚底=速い”というイメージも薄れてきたという。

 

「各社がさまざまなタイプの厚底シューズを開発したことで、一度厚底を履いてみたかった方々が、自分に合ったシューズを選べるようになりました」(間宮さん)

 

たしかに、選択肢は拡がったと言える。厚底でカーボンプレート入り、厚底だけどカーボンプレートなし、薄底シューズへの原点回帰など、さまざまなシューズがショップの店頭を賑わせている。

 

【商品企画に聞く②】SNSが変えた、リアルに走るひとたち

ランニングをする人たちは、新型コロナ禍に突入してどのように変わったのだろう? 間宮さんに、さらに深堀りして聞いてみた。

 

「従来の『シリアスランナー』と呼ばれる、タイムを追及する市民ランナーにも変化が出てきています。これに加え、新型コロナ禍で、運動不足の方々が“健康”という目的のためにランニングを始めています。この両者をひも解くキーワードは、ファッション、そしてコミュニティです」(間宮さん)

 

間宮さんによると、新型コロナ禍で大会などのイベントが姿を消したため、この傾向がさらに助長されたという。タイムを追及して走る場所(大会などのイベント)を失い、走るモチベーションが薄れたシリアスランナーたち。運動不足解消で走り始めたけれど、ただ単にいつものコースをいつものように走ることに退屈した初心者たち。コロナ禍という事態に、両者ともにアプローチの違いはありながらも、今までとは違うランニングの違う楽しみ方を模索し始めたのだ。

 

「今まで機能を重視してきた方々も、ファッション性に目が向いてきています」(間宮さん)

 

速く走るモチベーションが上がらない分、ファッションや、もっとカジュアルなランニングの楽しみ方に関心が寄せられるようになる……。このファッション文脈こそ、ヨーロッパの新興ランニングシューズメーカーが、一気にギョーカイ地図を塗り替える勢いの査証と言える。

 

「新型コロナ禍でランニングを始めた方は、それまでのランニングの垣根の高さを、自身のSNSなどを通じて下げてくれています。どういうことかというと速く走るのではなく、“街ラン”のように街を発見しながら走る楽しみ方を発信しているのです。こうしたコミュニティも、近年のトレンドです。私たちニューバランスも、“ラン×サウナ”など、ランニングに何かを掛け合わせるイベントなど、現在さまざまな掛け算を提案しています」(間宮さん)

 

なるほど、本来は、いつでも、どこでも、(シューズさえあれば)ひとりで気楽にできるフィットネスであるランニングが、SNSなどを通じて新たな結びつきや楽しみ方を生み出しているのだ。

 

「日本のランニング文化を育ててきた私たちは、今まで42.195㎞のフルマラソンに特化し過ぎたと気づかされました。マラソン大会というお祭りは、ビジネスにも直結しました。それが結果的にランニングのハードルを上げてしまい、それゆえに走ることを止めてしまう人たちを生んだと思います。マラソン大会へのエントリーの伸び悩みを、まさに目の当たりにしている状況です」(間宮さん)

 

一度に数千人から何万人も走るマラソン大会は、プロモーション効率が良いイベントと言える。しかし同時に42.195㎞は、トレーニングをしたことがない人にとって、途方もない距離でもある。それこそフルマラソンの魅力なのだが、敷居を高くしてしまった側面は否めない……。

↑インソールを外してシューズの内側をチェック。シュータン(足の甲に当たる部材)の形状、ラスト(足型)、縫い方などの製法も確認できるため、大田原は怪しまれつつも、お店でも必ずやります!

 

【商品企画に聞く③】ニューヨークのランカルチャーとは?

では、海外ではどうなのだろう? 北米のボストンに本社機能を持つニューバランスは、ランニングカルチャーの先進エリアのひとつでもあるニューヨークとの結びつきが深い。

 

「ニューバランスは、ニューヨークロードランナーズという組織と複数年の契約を結んでいます。この組織は、世界最大規模の『ニューヨークシティマラソン』の運営をしていますが、同時にエリアのさまざまなランニングコンテンツにも協賛しています。そうした草の根的な情報もこまめに得て、日本での応用を検討しています」(間宮さん)

 

そうしたランニングカルチャーの先進的な事例、日本のランニングカルチャーへの翻訳をニューバランスは近年積極的に続けてきた。先ほどのランニングに何かを掛け合わせるイベントだけでなく、「マイルレース」と呼ばれる1600m走への取り組みもそのひとつだという。

 

「ニューヨークのイベントでも、先頭を走っている方たちは確かにガチなランナーたちですが、後ろの方々は、楽しく走るパレードのノリです。日本でも、自治体と一緒に“新しい走る環境作り”にも取り組んでいるところです」(間宮さん)

 

1600mという中距離を走る、大都市型のショートなイベント。従来の中距離のレースが持つコンペティティブな面を残しつつ、エンタメ要素も付加していく……。こうした新たなランニングカルチャーを育てていく動きは、ランニングシューズ界の名門ニューバランスならではの発想だ。

 

【商品企画に聞く④】シューズ開発、2つの軸

では、こうしたランニングカルチャーに応えるシューズとして、ニューバランスは何を重視しているのだろうか?

 

「他社にはないオリジナリティやユニークさは、シューズの開発で重要視しています。さらに、走られる方が、より競技志向なのか、より健康志向なのか。大きくこの2軸のカテゴリーで、ニューバランスはシューズをご用意しています」(間宮さん)

 

続く間宮さんの話を、簡単にまとめると以下となる。

 

【ニューバランスのランニングシューズ開発、2つの軸】

▶ 速く走りたい競技志向の方に向け、反発性をより重視=「フューエルセル」シリーズ

▶ 楽しく走りたい健康志向の方に向け、クッション性を重視=「フレッシュフォーム」シリーズ

 

ランニング向けのシューズを2つに大別し、商品名の冠に「フューエルセル」もしくは「フレッシュフォーム」を打ち出し、分かりやすく提示している。例えば、次回紹介する「Fresh Foam X More v4」、3回目に紹介する「FuelCell Rebel v3」(11月5日発売予定)といった具合で、商品名自体に込めているのだ。

 

「シューズ開発で大切なのは、走るひとのニーズに応えることです。その機能を司るのが、ミッドソールという部材です」(間宮さん)

↑次回紹介する「Fresh Foam X More v4」。早く履いて走りたくてムズムズしている私

 

【商品企画に聞く⑤】“厚底ブーム”の正体は、ミッドソール!

ミッドソールは、足を包むアッパーと、地面に接するアウトソールの中間にある、着地時の衝撃緩衝のためのクッション性、推進力を生みだす反発性のあるフォーム。上記の「フューエルセル」も「フレッシュフォーム」も、まさにニューバランスご自慢のミッドソールのカテゴリーを示す総称なのだ。

 

「大きく言えば、『フューエルセル』も『フレッシュフォーム』も、いずれも素材はEVA(イーブイエー)です」(間宮さん)

 

EVAは、発泡ゴムとも言われる、ミッドソールに使用される一般的な素材名である。しかしEVAは、混ぜ合わせる原料の配合や成型時の発泡の密度を変えることで、さまざまな特性を持たせられるため、各社とも研究開発を一瞬も止めるワケにはいかない素材でもある。

 

ミッドソールをクルマに例えると、エンジンとシャシーを一体にしたモノと言っても過言ではない。まさに、ランニングシューズの心臓部なのだ。ニューバランスが、商品名の冠に打ち出す理由も、まさにココに在る。さらには厚底ブーム”の正体も、ミッドソール開発競争の申し子として生まれたと言える。

↑“Head to Toe”をスローガンに、ニューバランスはランニングアパレルを強化。全てのランナーのニーズに応える高機能の「Impact」シリーズ。いよいよスタートを開始したファッション性重視の「Q Speed」シリーズ。そして、汎用性の高いアパレルを提供する「Accelerate」シリーズ。急ピッチで、各陣容を整えている

 

次回は、厚底ブームへの挑戦状「Fresh Foam X More v4」レビュー

「現在のところ、ランニングシューズに求められるニーズを満たそうとすると、EVAの特性をフルに生かした方が近道だと考えています。もちろん近い将来、全く違った素材が登場するかもしれません」(間宮さん)

 

ミッドソールの素材開発は、ランニングメーカーたちの開発競争の主戦場だ。EVA以外にも、プラスチック系のエラストマーもメジャーになりつつあり、モデルチェンジのたびに、その素材からは目を離すことができない。

 

いよいよ次回からは、クラシックな風貌も持つパフォーマンスライン「Fresh Foam X 860 v13」の大ヒットしているニューバランスが投入する期待の2足を、2回にわたってご紹介しよう!

 

2回目は、ニューバランスとしての“厚底ブーム”への回答となる、「Fresh Foam X More v4」。そして3回目は、大幅な仕様変更となった期待の万能シューズ、「FuelCell Rebel v3」。いずれも、私の実走レポート付きです!

 

撮影/中田 悟

 

 

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5ヤードも飛距離が伸びて真っ直ぐ飛んだよ! 芹澤信雄プロデュース「ゴルフ練習キット」は新品クラブ買うより身になる力になる

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、「ゴルフは屋外で密集せずに楽しめるスポーツ」として、今改めて世界的なブームになっています。一方で、ゴルフを楽しむために真面目に練習しても、なかなか上達しないという悩ましい声もよく耳にします。今回は、そんな悩みを解消してくれる、練習器具なのに実際に打てるという画期的なゴルフ練習器具「LAGトレーナー by SERIZAWA」をご紹介します!

 

そもそもの話、“手打ち”スイングになりがちなワケ

ゴルフクラブはグリップ(手で握る場所)とフェース(ボールが当たる場所)が延長線上に位置してないため、ボールを真っすぐ打つのがとても難しいものです。また、ゴルフクラブと自分の体の接点がグリップと手のひらのみなので、どうしても手の動きと腕の動きだけでクラブを振ろうとしてしまいます。これは俗に言う “手打ち” という現象で、ボールを真っすぐ遠くに飛ばすのが難しくなります。

 

本来は、下半身の大きな筋肉の力を使ってボディターンで打つのが正しいスイングなのですが、実際にその動きを習得できないゴルファーが大半だといえます。そんなゴルファーに向けて開発されたのが、「LAGトレーナー by SERIZAWA」。さっそくその画期的な練習器具を試してみました。

 

ボディターンスイングを4種類のアイテムで習得

「LAGトレーナー by SERIZAWA」が名称に冠している「LAG」とは、上半身と下半身のねじれのこと。このねじれを作ることによって手打ちスイングになることを防ぎ、理想的なボディターンスイングを身につけられます。

 

「by SERIZAWA」は、その名の通りプロゴルファーの芹澤信雄がプロデュースしている証です。芹澤氏は、これまでに男子ツアーで5勝を挙げているトッププロであり、また教え上手なことでも知られています。

そんな芹澤氏が率いる「TEAM SERIZAWA」のスイングポリシーをアマチュアゴルファーに伝授するため、ゴルフ練習器具の製作に定評があるTabata(株式会社タバタ)とコンビを組んで開発された最新ゴルフ練習器具が、この「LAGトレーナー by SERIZAWA」なのです。

 

中身を開けてみると、シャフトが短い(約65センチ)素振り用のクラブ(以下、ポジションチェッカー)、ピッチングウェッジと同じくらいの長さ(約91センチ)の練習用クラブ(以下、マスターアイアン#10)、水色のプラスチック器具(以下、ベンディングアーム)、黒色のゴム状の器具(以下、エクステンドコード)という4つのアイテムが入っていました。ポジションチェッカーとマスターアイアン#10はいずれも、グリップエンドに器具が装着できるようにねじ穴がついています。

↑「LAGトレーナー by SERIZAWA」一式  ※ボールは別売り

 

ポジションチェッカーは室内でもフルスイングできる素振り用クラブ

ポジションチェッカーは、室内でもフルスイングできるコンパクトな設計。シャフトにリング状のサウンドマグネットがついており、このリングがスイング中に上下動します。その際にカチッと音が鳴るタイミングで、スイングの良し悪しを判断することができるのだそう。

 

マスターアイアン#10は、なんと実際に練習場などでボールを打つことができる設計です。これらに、ベンディングアームやエクステンドコードを装着した状態でボールを打つことで、スイングの悪いクセを実感することができ、理想的なスイングが体にしみこみ、その会得につながりやすくなるという機能を備えているのです。

↑ポジションチェッカーのシャフトに付いているリング状のサウンドマグネット

 

ベンディングアームで方向性のよいスイングが身につく

今回は室内での撮影でしたが、マスターアイアン#10も十分に振れるスペースだったので、さっそくベンディングアームから装着して体験してみることにしました。

 

ベンディングアームは、アドレスの際にアームが左手の内側に当たるようにグリップエンドに装着し、正しく手首を動かすとクラブを振り上げたときにアームの先端が左手の外側に移動する仕組みです。逆に、フォームが正しくないとアームの先端は左手の内側に残ってしまうので、すぐに気づくことができます。

↑ベンディングアーム装着の流れ。アドレスの際には、アームが左手の内側に当たるようにグリップエンドに装着する

 

その性能を確かめるために、クラブをインサイドに上げる、オンプレーン(正しい軌道)に上げる、そしてアウトサイドに上げるの3パターンを試してみました。すると、確かにクラブをオンプレーンに上げたときのみ、アームの先端が左腕の外側に移動しないようになっていたことには感心しました。

↑クラブをオンプレーンに上げると、アームの先端が左腕の外側(手前側)に移動する

↑クラブをインサイドやアウトサイドへ上げると、アームの先端は左腕の内側(奥側)に残る

 

エクステンドコードで飛距離アップが実現できる

次に試したのは、エクステンドコード。こちらも、グリップエンドに装着してから使用します。装着後は、コードを右肩に引っかけ、背中側から左脇に回してアドレスします。

↑エクステンドコードもグリップエンドにねじで装着できる
↑エクステンドコードを右肩にかけ背中側から左脇に回したら準備完了だ

 

左脇から背中にコードの張りを感じながら深いねじれを作ることで、コードが伸縮する勢いを利用し、フィニッシュまで一気に振り抜くことができる仕組みです。

要するに、ゴムの伸び縮みを利用することでボディターンスイングが自然発生する器具だということです。エクステンドコードを使用することで、普段のスイングでは出せない加速感を楽しめる上に、手打ちスイングも矯正されるのが嬉しいですね。

 

ベンディングアームとエクステンドコードの同時装着も可能

さらに、ベンディングアームとエクステンドコードは同時に装着することも可能。ベンディングアームのねじを外し、エクステンドコードのねじを差し込んでグリップエンドに同時に装着すれば、方向性と飛距離を同時に強化することができるのです。

↑ベンディングアームとエクステンドコード装着の流れ。方向性と飛距離をあわせて矯正したいときには、この使用方法がおすすめだ

 

器具を装着したまま、実際にボールを打てる画期的アイテム

↑画像はナナ福神公式サイトのドリル動画から。ポジションチェッカーとエクステンドコードを合わせて使うことで方向性と飛距離が改善される

 

器具の使い方が分かれば、器具を装着した状態で実際にボールを打ってみたくなるのがゴルファーの性です。とはいえ、屋外の開放的なゴルフ練習場で、いきなりこの器具を装着した状態でボールがちゃんと打てるかどうかも、まずやってみなければ分かりません。ということで、今回は個室に区切られているインドアゴルフスタジオに、マスターアイアン#10を持ち込んで試打してみることにしました!

 

さて、まずはベンディングアームを装着して試し打ち。クラブを振り上げたときにアームの先端が左手の外側に移動するかどうかに意識が向くので、クラブを振り抜く動きが少しおろそかになってしまい、ボールがやや右方向に飛び出しました。慣れてくればフォロースルー側の動きもスムーズになるのですが、テークバックの方向性を整えるだけではボールは真っすぐに飛んでくれないことを実感する結果となりました。

 

次に、エクステンドコードを装着して打ってみました。すると、ダウンスイングからフォロースルーにかけてヘッドが普段よりも加速するので、ボールがやや左方向に飛び出してしまいました。こちらもコツをつかむと、スイング軸を安定させて真っすぐ打つことができるようになるのですが、軸がブレてしまうと左に引っかかります。ただし、さすがというべきか、ヘッドスピードは器具装着前よりもアップし、飛距離も5ヤード程伸びる効果を実感することができました。

 

最後にベンディングアームとエクステンドコードを同時に装着して打つと、テークバックとフォロースルーのバランスがよくなったことで、前述の通り方向性と飛距離の改善が両立していることが実感として得られました。これらの練習のコツは、ナナ福神の公式サイト内で、ドリル1~7として紹介されており、動画でも確認することができるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

器具なしの状態でボールを打ったとき、個人的により効果を感じられたのはヘッドの加速感。体が覚えていたようで、飛距離が5ヤード程伸びた状態をキープすることが出来たのです。例えば、陸上競技の短距離走のトレーニングで、チューブの力で体を前方に牽引してもらうことで走者が自力で走る以上の速さを出すという練習方法があると思います。エクステンドコードは、それのゴルフスイングバージョンのようなイメージだと思いました。

 

このように、ゴルフレベルの向上に「LAGトレーナー by SERIZAWA」は実に効果的ですが、実際にボールを打ってみた印象として、初心者がいきなり当該商品を使ってボールを打つのは難しいとも感じました。ボールを打つ練習をするのであれば、普通のクラブで10球のうち8~9球はそれなりに当たる人が使うとより効果的でしょう。初心者の場合は、素振り練習であれば十分に「LAGトレーナー by SERIZAWA」の良さを体感することができると思います。

 

LAGトレーナー by SERIZAWA」は、テレビ東京が運営する公式クラウドファウンディングサイト「ナナ福神」でプロジェクト支援の募集が始まったばかりのアイテム。価格は、先着50セット限定特別先行割引が1万5800円、先行割引がこちらも50セット限りで1万7800円、通常販売が1万9800円です。正直、この価格を見た人のなかには、「新品のクラブが1本買えるじゃん」と感じた人もいると思います。しかし、ゴルフクラブは新品であろうが、性能が優れていようが、フェースにボールがしっかり当たらなければ真っすぐ飛びません。それらを左右するのはゴルファー自身がどのように体を動かし、またどのようにゴルフクラブが動くのかを知ることが重要なのです。

 

そのために、「LAGトレーナー by SERIZAWA」は効果的かつ効率的な練習器具であるといえるでしょう。「独学で練習してもなかなか上達しない」「レッスンに通っているけどスイングのコツが今イチつかめない」という人は、正しいスイングを身につけるための投資としてぜひ「LAGトレーナー by SERIZAWA」を活用してみてはいかがでしょうか。

 

【関連リンク】

芹澤信雄プロデュース「LAGトレーナー by SERIZAWA」

大谷翔平はMVPを取れないというが……ジャッジ不振でヤ軍終戦。MVP論争が再燃!?

ニューヨーク・ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジとロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平の一騎打ちとなっているアメリカン・リーグのMVP争い。

 

ア・リーグの本塁打記録を61年ぶりに更新し、打率はトップとわずか5厘差の2位で三冠王は惜しくも逃したジャッジ。そして、メジャーリーグ(MLB)史上初の同一シーズンで規定投球回と規定打席に到達した大谷。

 

 

その功績は甲乙つけがたく、MVP獲得のポイントはジャッジがヤンキースのポストシーズン進出に貢献したことが挙げられていたのだが……。

 

クリーブランド・ガーディアンズと対戦した地区シリーズは、3勝2敗で辛くも勝利したヤンキース。ジャッジもシリーズで2本塁打を放った。

 

しかし、次に迎えたヒューストン・アストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)でヤンキースは4連敗。ジャッジはシリーズ16打数でわずか1安打、第4戦の9回裏、2死走者なしからの投ゴロで最終打者となり、ヤンキースとジャッジのシーズンがそこで終了した。

 

この結果に対して、現地メディア「ファンタジー・プロス」スタッフのライアン・ウォメル氏が自身のツイッターでコメントを投稿。

 

「オオタニがMVPではないと言うけれど、彼のチームは、ALCSでアーロン・ジャッジと同じ数の勝利を収めた」と、エンゼルスはポストシーズンに進出できなかったが、ALCSではヤンキースも同じ0勝と皮肉ったことでMVP論争が再び熱を帯びた。

 

注目のMVP結果は、まず現地11月7日(日本時間8日)に最終候補が発表され、17日(同18日)に受賞者が発表される。MVPは歴史的な活躍を見せた2人のどちらに輝くのか、論争はまだ終わりそうにない。

アップルのクックCEO、F1グランプリのチェッカーフラッグを振る! でも、あまり気乗りしていない様子

アップルのティム・クックCEOとサービス担当副社長エディ・キュー氏が、10月23日(米現地時間)に開催されたF1アメリカグランプリ(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)に参加。そしてクック氏があまり気乗りしない感じでチェッカーフラッグを振ったことが話題を呼んでいます。

↑Image:ESPN

 

米テキサス州オースティンにある同社のキャンパスを視察。そこで次世代のAppleシリコン(独自開発チップ)の設計に関する作業に賞賛を送ってから、招かれたF1グランプリに出席したかっこうです。

 

米スポーツ専門チャンネルESPNが公式アカウントで、まさにクック氏がチェッカーフラッグを振る瞬間の動画をツイートしています。しかし、本人は無表情のままで、特に感動した様子もなく、いかにも重たそうにフラッグを振っているようです。

 

この動画に対して「F1史上、もっとも惨めな瞬間」「新型スマートフォン(iPhone 14)が最小限のアップグレードしかしてないときも熱狂を偽っていたのに、壮大なレースでチェッカーフラッグを振るときに笑顔を浮かべることができないの?」とツッコミが相次いでいます。

 

おそらくクック氏がF1グランプリに出席したのは、動画ストリーミングApple TV+でF1関連番組を制作する契約を結んでいるためと思われます。今年3月、同社は数々の実績あるF1ドライバー、ルイス・ハミルトンの長編ドキュメンタリー製作を発表。ほか、ブラッド・ピット主演で『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督によるF1レース映画の権利を獲得したとも報じられていました

 

しかし、クック氏ご本人がチェッカーフラッグを振るときは、もう少し演技力が求められるかもしれません。

 

Source:ESPN F1(Twitter)
via:9to5Mac