【あおり運転に屈しないドラレコ選び01】前後両方のカメラでフルHD撮影できる!――コムテック ZDR-015の場合

「あおり運転」とは、前方の車両に対して車間を極端に詰めたり、並走しながら幅寄せしたりする迷惑行為のこと。これによる事故やトラブルが多発し、社会問題となっています。もし被害者となったときに証拠として利用できる可能性があるのが、ドライブレコーダーの映像です。万一の事態に備えて、ドラレコの導入を検討してみましょう。

 

コムテック
ZDR-015
実売価格2万7800円

前後カメラを同梱し、いずれもフルHD解像度の映像を撮影できます。HDR/WDRに対応したことで、白トビや黒つぶれ、逆光にも強いのが特徴。6つの安全運転支援機能を備えるほか、カーナビのGPS受信や地デジ受信への影響を抑えるノイズ対策も万全です。

【録画:約200万画素/画面:2.8インチ液晶/レンズ画角:水平115°/GPS:搭載】

 

 

2.8インチのモニターに撮影映像を2画面表示可能

フルHD撮影に対応する2つのカメラで前方と後方の映像を同時に記録できる本機は、あおり運転対策として心強い一台。前後カメラの映像はスイッチひとつで切り替えられ、後方映像をワイプとして2画面表示することも可能です。モニターのサイズは2・8インチと大きめで、視認性も上々。

専用のビューワソフトを使えば、撮影した映像をPCで確認できます。Gセンサーの作動状況や、走行軌跡も合わせて表示されるのが面白いです。駐車監視では最大12時間の録画に対応。ただし別売のキットが必要で、配線には手間がかかります。

 

【設置イメージ】

■フロント

■リア

↑フロントカメラは大きめだがケーブルの収まりは良好。前後カメラの切り替えなど操作しやすい
↑今回試したなかでは解像度は高くないが、対向車のナンバーも十分読み取れる。記録用としては十分のクオリティだ

 

■夜間

↑映像が甘くなったり、色が浅くなったりはせず、雰囲気を忠実に伝える。ライト照射による白トビもなかった

 

↑リアカメラもフロント用と同じ200万画素センサー内蔵で高画質。小型で設置の自由度が高い

 

↑先行車の発進や車線逸脱などを知らせる6つの運転支援機能を搭載。安全運転をサポートする

 

 

 

【AV&自動車評論家・会田 肇さんの評価】

自動車雑誌編集者を経てフリーに。カーエレクトロニクス全般に精通し、ドラレコも数多く試用する

画質:4
機能性:4
操作性:4
コスパ:3

【総合評価:B】2カメラでも扱いやすく昼夜を問わず画質が安定

「前後シーンを確実に捉え、扱いやすさも上々。昼夜を問わず安定した画質も及第点だ。価格は少し高くなったのがネックかも」(会田さん)

 

「古い車」に乗る人は要注意!自動車税、車両保険、中古車査定の落とし穴

筆者の車(98年式アルファスパイダー)は間もなく初度登録から20年、総走行距離は25万キロに達する。新車で買ったときにはこんなに長く乗るとは思わなかった。また、中古で2年前に買った息子の車(トヨタ・カレン)も車齢19年、距離は20万キロを超えている。古い車に乗る人が知っておくべきことをまとめてみた。

1.古い車は車両保険を付けられない?

このことに気づいたのは、息子が知人から8万円で譲ってもらった車の自動車保険を考えた時だった。大手一括見積サイトで見積もりを取っている途中で、「お客様の車は年式が古いため車両保険の見積もりを出すことができません。個々の保険会社に問い合わせてください」といった内容が表示された。それで、通販型の某保険会社に電話で聞いてみたら「その年式のお車に車両保険は当社ではお取り扱いができません」と。

 

車齢20年のアルファの方は車両保険を付けているが、こちらは10年近く同じ保険会社で継続扱いとなるので車両保険も付けられる模様。新規契約の古い車への車両保険はつけられないケースが多くなるらしい。そこで、今回、実際に一括見積を取ってみたところ……やはり車両保険を引き受けてくれるのは一社だけ。しかし、その金額は15万円である。そして免責は10万円。たった5万円分しか車両保険から出ないのだ。車両保険を使えば、等級は3等級ダウンし、翌年から保険料も上がる。

 

実質、こんなバカげた条件で車両保険を付ける人はいないだろう(保険料はかなり高くなるが、代理店型損保会社の中には古い車の新規契約でも車両保険がつけられるケースもあり)。それにしても、「一括見積30社」というサイトなのに、返事が来たのはわずか5社…。自動車保険業界も古い車には厳しい。

2.自動車税は車齢13年以上で15%増

自動車税も古い車には厳しい。平成28年度よりガソリン車は車齢13年以上、ディーゼル車は同11年以上で毎年5月31日までに支払う自動車税が15%増になった。車齢13年以上であっても、プリウスやインサイトなどのハイブリッド車は対象外だ。ちなみに、筆者の車は車齢20年の2Lガソリン車だが、燃費は市街地で8-9km/h、高速で11-12km/hである。一方、最新のハイブリッド車もミニバンやワンボックスタイプなら筆者の車の燃費とあまり変わらない。ガソリンを使う量は同じでも、「古い=環境負荷が大きい」とされて税金をたくさん支払わないといけないのだ。

 

3.自動車重量税も高い

さらに、車検時に納める重量税も13年経過、18年経過でそれぞれ増税となる。乗用自家用車の場合、13年未満の車は車両重量0.5トン毎に4100円/年だが、13年超過車では5700円/年、18年超過車で6300円/年となる。つまり、1.0~1.5トン未満の車の場合、車齢13年未満なら2年間で24600円、18年以上なら37800円と13200円もの差となる。重量税は車検時に諸費用として納めるためあまり話題にならないが、実際はここにも古い車いじめがある。

 

4.下取り、買取り時にも注意!10~20万キロ走行の中古車も海外では大変な人気

日本では総走行距離10万キロを超えたら査定額はほぼゼロ…値段がつかないばかりか引き取りのため手数料を請求されることさえある。しかし、近年は古い日本車が海外で人気ということもあり、お金を出して引き取ってもらった愛車が、裏では予想外の高値で取引されていることも珍しくない。

 

とくに、人気はランドクルーザー、ハイエース、プリウス(この3車は盗難車でも人気高)、パジェロ、ハイラックスサーフなどのSUV、また90年代~の国産スポーツカー(GT-R、トヨタスープラ、マツダRX-7など)も北米を中心に非常に人気が高い。アメリカやカナダでは本来、左ハンドル車しか走れないが、アメリカでは製造から25年以上、カナダでは15年以上経過していれば右ハンドル車の輸入・販売・走行も可能となるからだ。

 

海外では距離が10万キロを超えていても関係なし。世界屈指の性能を誇る日本車が10万キロ程度で「価値ナシ」と判断されるのは、海外の業者やユーザーから見たらとんでもないことなのだ。最近では10万キロ以上の多走行車の買取を専門とする業者も出始めており、他では値が付かなかった車が20-30万円という意外な高値で買い取ってもらえるケースも増えている。

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト・加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

【1分でわかる】フォルクスワーゲンの新しい旗艦車「アルテオン」ってどんなクルマ?

本記事では、業界最注目のモデル、フォルクスワーゲンのフラッグシップ・アルテオンの魅力をコンパクトに紹介していきます。

 

VWの魅力を凝縮した旗艦モデル

 

フォルクスワーゲン・アルテオン

SPEC【Rライン4モーション】●全長×全幅×全高:4865×1875×1435㎜●車両重量:1700㎏●パワーユニット:1984㏄直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:280PS/5600〜6500rpm●最大トルク:35.7㎏-m/1700〜5600rpm●カタログ燃費:13.3㎞/リットル

 

【グレード&価格】

<Rライン4モーション>

エンジン:2.0リットル+ターボ/駆動方式:4WD/ミッション:7速DCT/価格:549万円

<Rライン4モーション・アドバンス>

エンジン:2.0リットル+ターボ/駆動方式:4WD/ミッション:7速DCT/価格:599万円

 

広くて快適な室内空間でプチ贅沢な気分を味わえる

フォルクスワーゲンの新フラッグシップ・アルテオンは、ボディ形態こそ5ドアハッチでしましたが、クーペ風4ドアとして位置づけられるモデル。パッと見ではそのスタイリングの良さが目を引くものの、実車に接してみると、むしろ実用性の高さが強く感じられました。

 

室内、特に後席はリムジンを彷彿させるほど広くて快適。プチラグジュアリーな気分を堪能できます。さらに、ワゴン級の広い荷室空間を備えるうえ、4WD駆動でスポーティな動力性能を実現するため、SUV的な乗り方も楽しめます。安全装備についても、最新モデルらしい充実ぶりで不足はありません。

 

「フォルクスワーゲンのいいところ、ぜんぶ。」とは本車のキャッチコピーですが、その謳い文句に偽りのない完成度です。

 

【注目ポイント01】荷室の容量はワゴンに匹敵

荷室容量は通常時でも563L。リアシートをたためば最大で1557Lに達する(数値はISO測定値)。この容量は、ミドル級のワゴンと比較しても遜色がないレベルです。

【注目ポイント02】クーペ風のスポーティな装い

フォルクスワーゲンでは、以前導入されていたパサートCCの後継に相当。リアにハッチゲートを持つ5ドアボディですが、外観はクーペ的なスポーティ仕立てとなりました。

 

【注目ポイント03】運転支援装備も最先端レベル

室内はスポーティなテイストでまとめられていますが、デジタルディスプレイなどのハイテク装備も充実。自動運転時代を予感させる運転支援システムも漏れなく装備します。

 

【1分でわかる】X1のクーペ的位置づけ、BMW「X2」ってどんなクルマ?

本記事では、初夏に予定されている日本発売に先駆けて行われた、BMWの新型SUV・X2の試乗レポートをお届けします。

 

目指したのはBMW史上一番ポップなSUV

BMW

X2

SPEC【sDrive 20i】●全長×全幅×全高:4360×1824×1526㎜ ●車両重量:1460㎏ ●パワーユニット:1998cc直列4気筒DOHC+ターボ ●最高出力:192PS/5000〜6000rpm ●カタログ燃費:14.6㎞/リットル

 

いい意味でSUVらしくない快適さを堪能できる一台

BMWから、新型コンパクトSUVのX2が初夏に日本で発売されます(価格は未定)。SUVといえば、いま世界的に最もホットなジャンル。なかでもコンパクトなクーペスタイルがトレンドとなっていますが、新型X2はそのど真ん中を行きます。BMWのラインナップにおいては、最小サイズSUV・X1のクーペ版という位置づけ。ちなみに同社では、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)としています。走りに妥協しない同社らしいこだわりと言えるでしょう。

 

日本発売に先駆けて、ポルトガルでX2の試乗会が開催されました。メカニズムはX1を踏襲していますが、きびきびしたスポーティさは同車を凌駕します。目線が高いためストレスを感じにくく、乗り味も良好。いい意味でSUVらしくない快適さを堪能できました。BMWのイメージを覆すポップでファンキーなデザインのなかに、“ザ・BMW”な性能を感じられる快作です。

 

フローズングレーカラーがアクセント

流行のクーペスタイル。イエローゴールドをベースに、フローズンシルバーのアクセントが特徴的です。

 

グリルはX1よりも大きめ

BMWの象徴であるキドニーグリルは、X1よりも少し大きくなりました。ちなみに、X2とX1とで共通しているパーツはドアノブのみだといいます。

 

Cピラーにエンブレ

Cピラーに備えるエンブレムは、50年前に発売されたBMWクーペの名車・3.0CSへのオマージュ。X2に特別な価値を与える意匠です。

 

コネクト機能も進化

Amazon Alexaと連動するなど、BMWコネクテッドドライブが進化。インテリアはX1より上質で、よりコントラストの効いたデザインに。

 

荷室はコンパクトに

X1よりも全長と全高が短くなっているため、荷室容量は少しコンパクトに。シートを倒さない状態で−35L、倒すと−195Lとなります。

【大特集】家族旅行にもぴったり!! GWの鉄道イベント&臨時列車情報まとめ【東日本編】

あと1週間で、2018年のゴールデンウイーク(GW)が始まる。子どもたちをどこへ連れて行ったら良いのだろうか、また楽しめるだろうかと、頭を悩まされている方も多いのではないだろうか。

 

そこで、GWに行われる東日本の鉄道イベントや、運転される臨時列車のなかから、これは乗りたいという臨時列車と、また遊びに行きたいイベント情報をお届け。筆者が自分も行きたい、また乗りたい臨時列車を、やや独断気味ながら選んでみた。

 

【北海道】

GWから運転される「くしろ湿原ノロッコ」

GWごろになるとめっきり春めく北海道。釧路湿原の春の訪れが楽しめるのが「くしろ湿原ノロッコ号」。今年は4月28日から運転が開始される。トロッコ列車の車内から広がる釧路湿原の春の訪れを楽しみたい。

↑JR北海道の観光列車は本数が減り気味で寂しいところ。GWから「くしろ湿原ノロッコ」が運転開始。さらに6月9日から「富良野・美瑛ノロッコ」が運転される予定

 

◆「くしろ湿原ノロッコ」
●運転日:4月28日〜5月6日、時刻11:06釧路発→11:54塘路着、12:17塘路発→13:05釧路着。
※以降6月2日〜4日・8日〜30日の間は13:35釧路発→14:17塘路着、14:48塘路発→15:36釧路着も増便される
※3両は指定席、1両は自由席で運行

 

【東北地方】

盛岡駅で「SL銀河」車両展示会が開かれる(4月30日のみ)

2014年4月に運行を開始、今年で5年目を迎える「SL銀河」。列車を牽引するC58形蒸気機関車と、客車として使われるキハ141系車両の展示会が盛岡駅で開かれる。客車内の見学ができるほか、機関車と客車の連結、解放作業を公開。さらに入場記念証などのプレゼントも用意されている。

↑花巻〜釜石間を走る「SL銀河」。C58とキハ141系4両の編成で運行される

 

◆「SL銀河」展示会
●開催日:4月30日11:00〜14:00
●場所:JR盛岡駅7番線ホーム(入場券大人140円、子ども70円が必要、有効期限は2時間)

◆「SL銀河」運行
GW期間運転日:4月28日・5月2日・5日が花巻10:37発→釜石15:07着、4月29日・5月3日・6日が10:55釜石発→15:20花巻着
※全車指定席で運行

 

ジョイフルトレイン「Kenji」が盛岡〜宮古間を往復

国鉄時代の1960年代から大量に作られた急行用ディーゼルカーキハ58形とキハ28形。いまではほとんどが消え、JRグループのなかで現役として走るのは、ジョイフルトレイン「Kenji」に改造された車両のみとなった。「Kenji」は盛岡地区を走る観光列車として使われているが、GW期間は盛岡〜宮古間を快速「さんりくトレイン宮古」として走る。重厚なディーゼルエンジンの音が楽しみ。

↑ジョイフルトレイン「Kenji」。水色の車体に金の帯、さらに車体には盛岡の名物・わんこそばなどのイラストが描かれている。先頭車には展望室が設けられている

 

◆「さんりくトレイン宮古」運行(ジョイフルトレイン「Kenji」使用)
●運転日:4月28〜30日、5月3〜6日、時刻8:55盛岡発→11:16宮古着、14:07宮古発→16:33盛岡着。
※1両のみ指定席で運行。以降6月23日〜24日・30日も運行。

 

ストーブ列車の雰囲気が楽しめる津軽鉄道の客車列車

津軽半島の田園風景のなかをのんびり走る津軽鉄道。走る列車のなかでも客車でストーブを焚き、身体を暖めることができる冬のストーブ列車が名物となっている。冬以外にも、GW期間中、金木さくらまつりが開かれることに合わせて、臨時のストーブ列車が走っている。さすがにこの時期ともなるとストーブを焚く日は珍しくなるが、趣ある客車列車で、のんびり旅するのも楽しそうだ。

↑貴重なロッド駆動式のディーゼル機関車DD350形が国鉄形の旧型客車を牽引する。GWには、客車列車が津軽五所川原〜津軽中里間を2往復する予定

 

◆旧型客車(ストーブ車両)運行
●運転日:4月29日〜5月6日、時刻12:25津軽五所川原発→13:12津軽中里着、13:35津軽中里発→14:20津軽五所川原着、15:50津軽五所川原→16:37津軽中里着、17:05津軽中里発→17:50津軽五所川原着。
※全車自由席で運行。津軽五所川原駅はJR五能線・五所川原駅に隣接。寒い日のみストーブを焚くことがある(焚く日以外はストーブ料金は不要)

 

人気の町・弘前〜角館間を結ぶ臨時列車「さくら号」が運行

秋田県の内陸部を走る秋田内陸縦貫鉄道。この鉄道の車両AN8900形が4月末のみJRの路線を乗り入れ、青森県の弘前〜秋田県の角館間を結ぶ。弘前発、角館行きが「角館武家屋敷とさくら号」。角館発、弘前行きが「弘前お城とさくら号」と、それぞれの町の名所とさくらが入る列車名となるのが面白い。乗車時間は4時間近くと長いが、時にはこうした時間がかかる鉄道旅も楽しい。

↑秋田県北部の鷹巣駅と南部の角館駅を結ぶ秋田内陸縦貫鉄道。「さくら号」には非貫通形AN8900形(写真)が2両編成で運行される

 

◆「さくら号」運行
●運転日:4月28日〜30日、時刻「角館武家屋敷とさくら号」8:22弘前発→12:17角館着、「弘前お城とさくら号」14:41角館発→18:28弘前着。※2両全車自由席で運行。4月21日、22日も運行。途中、主要駅に停車して走る

 

かわいらしい旧南部縦貫鉄道のレールバスに乗れるイベント

かつて青森県内を南部縦貫鉄道という鉄道が走っていた。野辺地駅と七戸駅20.9kmを結んだローカル私鉄だった。1997年に休止、2002年に廃止された。この鉄道では、かわいらしいレールバスが使われていた。バスのように小さい車両がのんびりと線路上を走る姿が愛らしかった。

 

いまも七戸駅構内で、この車両が愛好家たちによって整備、保存され、GWのみ、車庫から出されて公開されている。公開期間中には、レールバスに乗るイベントも開催されている。

↑旧南部縦貫鉄道の七戸駅のホームに停まるレールバス・キハ102。約800mの構内を往復する。この車両独特のクラッチペダルとシフトレバーの操作で動く様子も見学できる

 

◆「レールバスとあそぼう2018」
●開催日:5月4日〜5日、時刻9:00〜16:00、体験乗車は10:00〜15:00に開催(12:00〜13:00昼休み)。体験乗車は大人500円、中学生以下は無料。イベントは旧七戸駅構内で行われる。
●交通:旧七戸駅へは東北新幹線・七戸十和田駅からタクシーで5分、徒歩約40分。※GW以外の土・日曜日は旧七戸駅構内の車庫に停まるレールバスの見学のみが可能(10:00〜16:00)

 

只見の美しい風景の中を「びゅうコースター風っこ」が走る

キハ48形を改造して生まれたジョイフルトレイン「びゅうコースター風っこ」。トロッコ列車のように、暖くなる季節からは窓を開放。入り込む風を満喫できる。GW期間中は只見線を「風っこ只見線新緑号」として走る。只見川を望む渓谷の新緑風景が堪能できる。

↑2両編成で走る「びゅうコースター風っこ」。冬期はガラス戸をはめこんで運転されるが、暖くなると、窓が開放され、自然の風を存分に楽しむことができる

 

◆「風っこ只見線新緑号」運行
●運転日:5月4日〜6日、時刻10:15会津若松発→12:31会津川口着、13:56会津川口発→16:05会津若松着。
※2両全車指定席で運行

【関東地方】

全車グリーン・お座敷席の「華」で成田山や小江戸・佐原へ

ジョイフルトレインの「華(はな)」。元になったのは特急形電車の485系で、ジョイフルトレインに改造、全車グリーン席、さらにお座敷形式(掘りごたつスタイルで足は延ばせる)の「華」となった。GWは新宿(両国)〜佐原間を「お座敷成田・佐原号」として走る。沿線では開基1080年の記念大開帳が行われる成田山、さらに小江戸の風情が残る町・佐原の観光がおすすめ。

↑485系を改造したジョイフルトレイン「華」。多くの485系電車がジョイフルトレインに改造されたが、徐々に減りつつある。乗るならいまのうちかもしれない

 

◆「お座敷成田・佐原号」運行
●運転日:4月28日〜30日、5月2日〜4日(2日のみ両国駅着発)。時刻8:54新宿発(9:08両国発)→10:41佐原着、15:36佐原発→17:31新宿着(17:12両国着)。
※全車指定席で運行

 

ちょっと早起きして小田急の新型ロマンスカーGSEに乗ろう!

2018年の3月に登場以来、大人気の小田急電鉄の新型ロマンスカーGSE(70000形)。GW後半の5月3日〜5日にかけては、新宿駅出発が朝6時20分発の臨時列車「あしがら61号」として運転される。箱根湯本着が7時48分と、箱根・小田原で1日たっぷり遊ぶのにぴったりの列車だ。

↑3月17日から走り始めた新型ロマンスカーGSE(70000形)。前後展望席は16席のみで、チケットはなかなか取りにくいが、他の席でもスマホを使えば前面展望が楽しめる

 

◆「あしがら61」運行
●運転日:5月3日〜5日。時刻6:20新宿発→7:48箱根湯本着。3日〜5日のGSEの運行予定はほかに、新宿10:00、13:20、17:00、20:20発の箱根湯本行き、箱根湯本8:12、11:25、15:08、18:39、22:07発の新宿行きと多くの列車に使われる予定だ。
※全車指定席で運行

 

【甲信越地方】

貴重な上田電鉄7200系を撮影する最後のチャンス!

上田から別所温泉まで走る上田電鉄。主力の1000系に混じって7200系が走っていた。この7200系、上田電鉄で古くに走っていた丸い窓を再現した電車で、「まるまどどりーむ号」という愛称が付けられていた。7200系の最後の編成がこの5月に消えることになった。GW期間中の4月28日(土曜日)には下之郷車庫で「さよなら7200系撮影会」が開かれる。7200系をじっくり撮影したい、という人におすすめのイベントとなりそうだ。

↑元東急電鉄の7200系が上田電鉄に譲渡されて以降も7200系を名乗った。側面の窓が丸い窓に改造されている。最後の運行は5月12日(土曜日)になる予定

 

◆「さよなら7200系撮影会」
●開催日:4月28日、時刻10:00〜14:00、入場無料。当日はふだん立ち入ることができない構内の撮影スペースで自由に撮影可能。撮影会記念入場券も発売。場所:下之郷車庫(上田電鉄別所線・下之郷駅下車すぐ・駐車場無し)。
※5月12日(土曜日)に定期列車としてラストランを行う予定

【2018春版】スポーツタイプの「電動アシスト自転車」はどれがベスト? プロがe-Bikeを代表5モデルを辛口格付け

“e-Bike”と呼ばれる電動アシスト車が、欧州におけるスポーツバイク市場を席巻。そのブームの波がいよいよ日本にも押し寄せてきました。ここでは、続々と発表されるニューモデルの実力をチェックしました。

 

【解説する人】

フリーライター TRIJETさん

街乗りタイプからスポーツタイプまであらゆるジャンルの自転車を所有。e-Bike購入を検討しています。

 

国内規制に準拠した最新ユニット投入で新型続々

ヤマハがPASを世に送り出して早25年。日本のお家芸であったはずの電動アシスト車は、道路交通法に記載されたその独自規制(アシスト比率及び速度制限)の影響もあり、ことスポーツバイクに関して欧米からは周回遅れといえる状態にありました。

 

しかし、昨秋にパナソニックがXM1を発売すると、これまで海外向けにアシストユニットを供給していたボッシュとシマノが立て続けに国内向けの新ユニットを発表。YPJシリーズで独自路線を切り拓いてきたヤマハも、新型車を発表するなど、その差を一気に詰める展開となりました。

 

海外でe-BikeといえばMTBが主流ですが、日本ではトレックやターンのようにクロスバイクやミニベロなど街乗り用途の新作が続々登場する見込み。各社の本格的なデリバリーはGW明けですが、ここではそれら新型車をいち早くチェック。いずれも一長一短あるが、長らく海外勢に差をつけられていた国内e-Bikeの完成度、その成長ぶりは特筆に値します!!

 

【モデル紹介の前に:e-Bike選びの3つのキモ】

その1:取り回しの重さは購入前に要チェック

車両自体の質量や取り回しの重さは、購入前に要確認。室内持ち込みまたは駐車スペースへの移動は保管方法に合わせて無理のないものを選びましょう。

 

その2:利用シーンや使用頻度を考慮

走行シーンや目的に合致したモデルを選ぶのが基本。市内移動ならミニベロ、10㎞未満の街乗りならクロスバイク。林道ならMTBを選択しましょう。

 

その3:大容量バッテリーは長期的に見てコスパ◎

リチウムイオンバッテリーは充電回数が増えるにつれて劣化も早くなります。バッテリー容量が大きければ航続距離が延びるだけでなく、コスト面にもメリットあり。

 

【街乗りバイク編】

通勤・通学や週末のサイクリングなどに対応するマルチな走行性能を備えた万能スポーツ車から、性質の異なる2台をセレクトしました。

 

【その1】スポーツ性能と街乗り用途で一挙両得の選択

トレック

ヴァーヴ+

23万40円

本格派クロスバイクとしてバランスに優れた一台。航続距離は最大100㎞以上、アシストモードは計5段階から設定できます。ディスクブレーキやリア9段変速、一体型ライトなどアシストなしでも充実した装備が魅力。【タイヤサイズ:700x42c】【質量:非公開】【航続距離:最大100㎞以上】【充電時間:約2.5時間】SPEC●バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー●バッテリー容量:36V-8.2Ah●シフト段数:外装9段●全長×全幅:非公開●カラー:ディープダークブルー

 

ボッシュが国内向けに新開発した“心臓部”。走る&止まるが多い街中では自然な加速を、上り坂では脚力をカバーします。

 

【5点満点評価】デザイン:3/走行性能:3.5/実用性:5/趣味性:2/コスパ:5

最大手ブランドだから可能な低価格設定を実現

魅力的な装備内容でありながらこの価格を実現。最大出力の「ターボモード」で感じた強力アシストは好みが分かれますが、日常使い派は買って損ナシ!

 

 

【その2】アシスト機能を使わなくても快適走行できる折りたたみ式

ターン

ヴェクトロン S10

32万1840円(5月発売予定)

ボッシュ製電動ユニットを搭載した折りたたみ自転車。2段階式シートポストにより、幅広い身長に対応します。規制上e-Bikeは時速24㎞までの介入となりますが、10段変速採用でアシストがなくても高い走行性能を発揮。【タイヤサイズ:20インチ(406)】【質量:19.8㎏】【航続距離:最大100㎞】【充電時間:約2.5時間】SPEC●バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー●バッテリー容量:36V-8.4Ah●シフト段数:外装10段●全長×全幅:非公開●カラー:マットブラック/ブラック(写真)

 

独自のフォールディングシステムを採用。安全性・耐久性・固定力を考えて設計されたロック機構を搭載。

 

【5点満点評価】デザイン:5/走行性能:3/実用性:4.5/趣味性:4.5/コスパ:4

様々なライフスタイルに対応する万能モデル

長時間の高速巡航には向きませんが、クルマに積んで遠出するなど使い方は自在。質量が増加しがちな折りたたみ車にして、20㎏を切る軽さもポイントが高いです。

 

 

【こちらも注目】

最古の自転車メーカー、伊ビアンキも小径e-Bike「Lecco-E」を今春発売

ビアンキからはボッシュのモーターユニットを搭載したミニベロタイプのe-Bikeが登場。日本人の体型に合わせた設計で売れ筋の「Minivelo」がベースとなっています。5月発売(30万240円)の予定です。

街に出かけたくなるデザイン性に優れたチェレステ色が魅力

「ビアンキを象徴するミントグリーン系のフレームがファッショナブル。汗をかかずに買い物に出かけたい伊達者に最適です!」(TRIJETさん)

 

 

【MTB編】

MTBはペダリングの負荷が大きい未舗装路の走行を前提とします。購入前は電動アシスト量やペダリングロス、取り回しの重さを確認しましょう。

 

【その3】オンロードからオフロードまで楽しめるスポーティモデル

パナソニック

XM1

35万6400

シティモデルとは一線を画す自社開発の電動ユニットを搭載。高速域でもストレスなく、スポーツバイクらしい人馬一体な走りを満喫できます。フレーム一体型バッテリー搭載のスマートな意匠も特徴的。【タイヤサイズ:27.5×2.2 HE】【質量:21.8㎏】【航続距離:最大78㎞】【充電時間:約3時間】SPEC●バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー●バッテリー容量:36V-8Ah●シフト段数:外装10段●全長×全幅:1835×590㎜●カラー:マットバーニングリーブス(写真)/マットチャコールブラック

 

ダウンチューブとバッテリーは一体感を持たせたスタイリッシュデザインで統一。電動アシストモデルであることを感じさせない体躯に。

 

【5点満点評価】デザイン:3/走行性能:3.5/実用性2.5/趣味性:4/コスパ:3

オフロードデビューに最適なフレンドリーさが魅力

小ぶりな車体はスポーツバイク初心者にも安心感を与えるはず。自社製パワーユニットは十分パワフルですが、見た目的にはもっとトガってほしいかも。

【その4】「エクストラパワーモード」が鋭い加速を実現する!

ヤマハ

YPJ-XC

37万8000円(7月18日発売)

欧州で人気のe-MTBに搭載される高性能ユニット「PW-X」を国内基準に適合させ実装。走行モードは計6段階、アシスト最強位の「エクストラパワー」ではほとんど力をかけずに“ロケットスタート”が堪能できます。【タイヤサイズ:27.5×2.25】【質量:21.3㎏】【航続距離:最大225㎞】【充電時間:約3.5時間】SPEC●バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー●バッテリー容量:36V-13.3Ah●シフト段数:外装11段●全長×全幅:1865×740㎜[Lサイズ]●カラー:マットピュアシルバー

 

小型マルチファンクション計器を搭載。速度やペダリングパワー、消費カロリーなど多彩な情報を表示します。

 

【5点満点評価】デザイン:2.5/走行性能:5/実用性:2/趣味性:4.5/コスパ3.5

オフロード走行を前提とした本格指向を求める人に

3つのサイズ展開によりフィッティングの高さは秀逸。専用設計ユニットは悪路での操作性が高く、スポーツ性を求める人も満足できる仕上がりとなっています。

 

【その5】往年の名車MTBが電アシモデルとして復活

ミヤタ

リッジランナー

38万8520円

90年代初頭にMTBブームを牽引した名車の名が与えられたミヤタの意欲作。シマノが日本仕様として新開発したユニット「STEPS E8080」を搭載。ミッドファットタイヤほか、MTBの最新トレンドも押さえています。【タイヤサイズ:27.5×2.8】【質量:21.3㎏】【航続距離:最大140㎞】【充電時間:約4時間】SPEC●バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー●バッテリー容量:36V-14Ah●シフト段数:外装10段●全長×全幅:1860×750㎜●カラー:クリアブラック

 

36V-14Ahの大容量リチウムバッテリーを搭載。トレイルを介したロングライドにも対応する航続距離を実現しました

 

【5点満点評価】デザイン:2/走行性能:4.5/実用性:1/趣味性:5/コスパ:4

MTB のトレンドを押さえたおトク感のあるスペック

滑りやすい未舗装路における電動アシストとグリップ力の高いミッドファットタイヤとの相性は◎。MTBの最新規格を盛り込んだ分、常用面での利便性は欠けます。

【2018年春版】激戦区「国産コンパクトSUV」で最も評価が高い一台は? 4大モデルを評論家がシビアに判定

SUVは世界のクルマ市場で大きなトレンドとなっていますが、日本での主流は使い勝手の良いコンパクトSUVです。トヨタ C-HRから王座奪回を狙うホンダ ヴェゼルは改良され、三菱はエクリプス クロスでスズキはクロスビーで参入。覇権を握るのはどれでしょうか? プロがシビアな目でチェックしました。

※採点はすべてガソリンエンジンの4WDモデルで行いました。グレードは、エクリプス クロスがG、ヴェゼルがG Honda SENSING、クロスビーがHYBRID MZ、C-HRがG-T

 

【解説する人】

モータージャーナリスト 岡本幸一郎さん

動画メディア出身の自動車評論家。今年2人目の子どもが誕生し、家族のためのクルマ選びを検討中です。

 

小型SUVのトレンドは個性的な“攻め”のデザイン

かつては大柄なモデルが主流だったSUVですが、ここ数年はダウンサイジング化が顕著。デザインも多様化しており、個性的なモデルが目立つようになりました。オーソドックスなスタイルのヴェゼルに代わって、スポーティなC-HRが2017年のSUV販売台数1位となったのは、その象徴です。

 

三菱自動車が満を持して送り出したエクリプス クロスは、シャープかつダイナミックな佇まい。スズキのクロスビーは、同社の軽自動車ハスラーを踏襲したポップな仕様。好き嫌いが分かれそうな“攻め”のデザインですが、いずれも高い人気を博しています。

 

【その1】三菱4年ぶりとなる新型車は大胆なデザインが特徴

三菱自動車

エクリプス クロス

253万2600円~309万5280円

同社では4年ぶりとなる新型車で、発売前から約5000台もの受注を集めた注目モデル。斬新なリアデザインが特徴です。●全長×全幅×全高/車両重量:4405×1805×1685㎜/1550㎏(4WD・G)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1498㏄】【カタログ燃費:14.0㎞/ℓ(4WD)】

 

クーペのようなルーフ形状や大胆なサイドラインが特徴。上下2分割されたリアウインドウも印象的です。

 

運転席横にはタッチパッドコントローラーを搭載。運転姿勢のままでオーディオシステムなどの操作が可能です。

 

エンジンは1.5ℓ直列4気筒直噴ターボ。独自の四輪制御技術を採用し、安定感のある走りを実現します。

 

本車は世界約80か国で展開されるグローバルモデル。そのため、インパネデザインはコンサバ仕様です。

 

乗員まわりのスペースには十分な余裕を確保しています。リアシートはスライド&リクライニングが可能。

 

【JUDGEMENT】

独自技術で充実の走りと高い安全性能を実現する

衝突被害ブレーキシステム[FCM]など「Mitsubishi e-Assist」が高い安全性能を実現。デザインは好みが分かれそう。

 

【その2】走りと安全性を高めて王者への返り咲きを狙う

ホンダ

ヴェゼル

207万5000円~247万5000円

2013年登場のベストセラー車がマイナーチェンジ。安全運転支援システム「ホンダセンシング」が全車標準搭載となりました。●全長×全幅×全高/車両重量:4330×1770×1605㎜/1180㎏(4WD・G)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1496㏄、1496㏄+モーター】【カタログ燃費:19.6㎞/ℓ(4WD・G)】

 

力強いSUVスタイルを磨いたデザイン。インラインLEDライトを採用するなど先進性も高められています。

 

ミニバンのヒットメーカーらしく使い勝手の良さが光る荷室空間。小型ボディながら容量を確保しています。

 

ハイブリッドシステムが改良され、加速フィーリングがスムーズに。ガソリンエンジン車も燃費が向上しました。

 

Apple CarPlayやAndroid Autoに対応。運転中のオーディオ再生や通話操作を容易にします。

 

形状が改良されたフロントシートはホールド性や快適性を向上。ステッチが変更され、質感も高められました。

 

【JUDGEMENT】

走りの課題を改善しつつリーズナブルな価格をキープ

足回りを改善し、乗り心地の硬さを解消。デザインには少し野暮ったさもありますが、200万円台で買えるのはおトクです。

 

 

【その3】大人の遊び心をくすぐるポップなデザイン

スズキ

クロスビー

176万5800円~214万5960円

同社の人気軽自動車ハスラーのデザインを生かしつつボディサイズを拡大。エンジンは1ℓターボのみで、4WDも用意します。●全長×全幅×全高/車両重量:3760×1670×1705㎜/960㎏(HYBRID MZ)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:996㏄】【カタログ燃費:20.6㎞/ℓ(4WD)】

 

ハスラー同様の丸いヘッドライトと横長グリルが特徴。ぶ厚いフェンダーモールがSUVらしさを強調します。

 

荷室の表面には撥水素材を採用し、濡れたものでも気にせず積み込めます。リアシートは5:5の分割可倒式。

 

1ℓ直3ターボエンジンは6速ATとの組み合わせ。最低地上高の高さも相まって、悪路走破性はまずまずです。

 

コンパクトですが全高を高くして乗員の居住性を確保。シートにはボディカラーとマッチしたパイピングが施されます。

 

 

ポップなデザインのインパネ。自動ブレーキや誤発進抑制機能など安全装備は十分。

 

【JUDGEMENT】

縦方向に広がりを感じる室内スペースは独自の魅力

荷室の奥行きが短く、装備の充実度で劣ります。ウインドウが立っていることで広さを感じさせる独特の居住空間が面白いですね。

 

 

【その4】プリウスと共通の車体構造で高い運動性能を実現

トヨタ

C-HR

251万6400円~292万9200円

現行型プリウスと共通の車体構造を採用し、ハイブリッドとターボエンジンを選べる。2017年の販売台数はSUVで1位に輝きました。●全長×全幅×全高/車両重量:4360×1795×1565㎜/1470㎏(G-T)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1196㏄、1797㏄+モーター】【カタログ燃費:15.4㎞/ℓ(4WD・G-T)】

 

絞り込まれたスタイリングはダイヤモンドがモチーフ。ツートンカラー仕様(メイン写真)は昨夏に追加。

 

プリウスでも採用する同社の新型プラットフォーム(車体骨組)「TNGA」を採用。運動性能を高める効果があります。

 

1.8ℓエンジン+モーターのハイブリッド(写真)と、1.2ℓターボエンジンを用意します。

 

オーソドックスながらスポーティな雰囲気。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を備えます。

 

上級モデルでは、ファブリックと本革を組み合わせた上質なシートを採用。室内空間はさほど広くはありません。

 

【JUDGEMENT】

視界や居住性を犠牲にしてスポーティなデザインを実現

ハンドリング性能の高さが好印象。後方の視界や後席の乗降性は、デザインのために割り切って犠牲にしています。

 

【中年名車図鑑】若者向け上級ハッチバックとして登場した“2BOXカローラ”

FRの駆動方式にこだわっていたトヨタ自動車工業は、80年代に入ると大衆車を次々とFFに変更していく。1983年5月には屋台骨を支えるカローラが、シリーズ史上で初めてFF方式を採用。その約1年5カ月後には、FFの特性を活かした2BOXのカローラが市場デビューを果たした――。今回はニューヨーク国際自動車ショー2018で新型のカローラハッチバックが発表されたのを記念して、“2BOX上級生”を謳って登場した初代「カローラFX」の話題で一席。

【Vol.62 初代トヨタ・カローラFX】

今でこそあらゆる面で臨機応変なクルマ造りを実践するトヨタ自動車だが、80年代初頭まではメカに関してかなり頑固な主張を持ったメーカーだった。その代表例がフロントエンジン・リアドライブ(FR)に対するこだわりだ。優れた走りを実現するためには操舵輪と駆動輪を同一にするべきではない、変速フィールが自然で自動変速機の組み込みも容易、メンテナンスがしやすい――そんなFRのメリットを最大限に重視していたのである。一方、FRには大きなデメリットがあった。フロントエンジン・フロントドライブ(FF)のレイアウトに比べて縦方向に長いエンジンルームを要し、さらにトランスミッションユニットと駆動シャフトがキャビン内に大きく侵入したのである。限られたボディ寸法のなかでキャビン空間をできるだけ広くするには、FFのほうが有利だった。

 

ライバルメーカーがパッケージ効率に優れるFF方式を続々と採用するなか、ついにトヨタも大衆車のカテゴリーにこの方式を導入する方針を打ち出す。まず1978年8月には同社初のFFモデルとなるAL10型系ターセル/コルサを発売。ただし、エンジンの搭載方式はメンテナンスや自動変速機の採用などを鑑みて縦置きとした。80年代に入ると、横置きエンジンのFF車の開発を急ピッチで進めるようになる。そして1983年5月、同社の屋台骨を支えるカローラ、さらに兄弟車のスプリンターがFFに一新された。ちなみにFF方式を採用したのはセダン系や5ドアハッチバック系などの実用モデルで、スポーツ系のカローラ・レビン/スプリンター・トレノはFR方式を継続した。

 

■ターセル/コルサの上を目指した2BOXカローラ

1984年10月に登場した「カローラFX」。Fは未来のフューチャー、Xは未知数の意。ボディサイズは全長3970×全幅1635×全高1385mm/ホイールベース2430mm

 

FF方式に移行して広い室内空間を確保した第5世代のカローラ。しかし開発陣は、これだけでは満足しなかった。せっかく横置きFF方式を新規に開発したのだから、その特性を存分に活かしたモデルも設定したい――。そこで注目したのが、BD型マツダ・ファミリア(1980年6月デビュー)やホンダ“ワンダー”シビック(1983年9月デビュー)などによって当時シェアを高めていた “2BOX車”カテゴリーだった。販売戦略上でも、スターレットやターセル/コルサの上をいく若者向けの上級ハッチバック車が望まれていた。

 

FFカローラのデビューから約1年5カ月後の1984年10月、3/5ドアハッチバックボディの2BOXカローラが市場デビューを果たす。車名は「カローラFX」。Fは未来のフューチャー、Xは未知数を意味していた。ボディサイズは全長3970×全幅1635×全高1385mm/ホイールベース2430mmに設定。プラットフォームはセダンなどと基本的に共通で、リアボディを切り詰めたディメンションとする。搭載エンジンは1.5Lと1.6Lを用意。4輪ストラットの足回りは、ボディのコンパクト化に合わせて専用セッティングを施した。

 

数あるグレードのなかでユーザーが最も注目したのは、3ドアハッチバックに設定された「GT」(AE82)だった。外観はエアロパーツ類で武装。内装も本革巻きステアリングや7ウェイバケットシートなどでスポーティに仕立てる。さらにエンジンは、AE86型カローラ・レビン/スプリター・トレノに採用する4A-GEUユニットを横置きFF用に設計し直した4A-GELU型1587cc直列4気筒DOHC16Vユニット(130ps/15.2kg・m)を搭載していた。

 

■日本での販売は苦戦したものの欧州市場では大好評

3ドアハッチバックに設定された「GT」。本革巻きステアリングや7ウェイバケットシートなどでスポーティな雰囲気を演出

 

FF車らしい2BOXスタイルで、しかもスポーツ仕様のホットハッチもラインアップする――万全の車種展開で勝負したカローラFXだったが、販売成績はデビュー当初を除いて今一歩だった。ライバルが多かった、カローラの名前が若者から敬遠された、スタイリングがやや地味だった、スポーツ仕様のGTのスペックがシビックSiに劣っていた……要因は色々と挙げられた。

 

テコ入れ策として、トヨタはGTのモータースポーツへの参戦や特別仕様車の設定などを実施してユーザーにアピールする。なかでも1986年開催の全日本ツーリングカー選手権Hi-land TOURING CAR 300km CHAMPIONSHIP RACE(仙台ハイランドスポーツウェイ)では、関谷正徳/鈴木利男選手組のミノルタα7000トムスFXが雨中の激戦を制して総合優勝を飾り、走り好きから喝采を浴びた。しかしそれでも販売自体は伸びず、結局同社の2BOXユーザーはスターレットやターセル/コルサ/カローラⅡ兄弟に流れたままだった。

 

一方、2BOXのカローラを大歓迎して受け入れた市場もあった。ハッチバック車の人気が高い欧州マーケットだ。トヨタとしても2BOXカローラは欧州がメイン市場になると予想し、その志向を捉えてクルマを開発していた。

 

結果的にカローラFXは、セダンなどの実用モデルの全面改良に合わせて1987年5月に2代目に移行する。日本での人気はいまひとつだったが、欧州では好評――上級ハッチバック車におけるこの市場動向は、その後のカローラの企画に大きく影響していく。そしてセダンやワゴンは日本メイン、ハッチバックは欧州メインという体制が整えられていったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

自動運転中の事故の責任はメーカーか、所有者か、それとも…?

3月18日、米国アリゾナ州でウーバー・テクノロジーズ社が公道で実験走行中の自動運転車が死亡事故を起こしたことは、日本でも多くのメディアが報じたが、筆者にとっては別の意味で衝撃的だった。同じ3月上旬、ペンシルバニア州ピッツバーグの公道で同社の自動運転車についてプレゼンテーションを受けたあと、2人のオペレーターが乗る車両の後席で体験したばかりだったからだ。

すでにウーバーは遺族との間で和解したというニュースも入ってきており、今後は本格的な事故原因の究明に興味が移る。そんな中、日本政府が自動運転中の事故について、原則として車両の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めたという報道を目にした。

 

この文面を見て、これでは自動運転車は売れないのではないかと思った人がいるかもしれない。昨年、新型A8を市販車初の自動運転車という触れ込みで発表したアウディは、自動運転システムが正常に作動しているときに万一事故が起きたら、責任はアウディが負うと明言しているからだ。

 

どちらが正しいのか。多くのクルマ好きはドイツのアウディの主張が正論だと思うかもしれない。しかしじっくり考えると、この2つのメッセージは基本的に同じ内容であることが分かる。

 

記事を読み進めると、今回の内容は運転席に人間が乗った状態で、基本はシステムに運転を任せつつ、システムが要求した際には人間が運転を肩代わりする自動運転レベル3が対象とある。アウディA8と同じだ。運転席に人間が座らないレベル4以上は今後検討するとしている。

 

筆者は昨年「これから始まる自動運転 社会はどうなる!?」という書籍を執筆するにあたり、多くの自動運転関連情報を集め調べた結果、システムが正常でありながら事故を起こした際はメーカー(製造者)、システムが人間に運転を代わるよう要請したのに人間がそれに応えず事故を起こした場合はオーナー(所有者)に責任があると考えている。

 

つまりアウディの主張は前者だけ、今回の報道は後者だけを取り上げているのである。報道では後半に、メーカーの責任は車両のシステムに明確な欠陥がある場合のみとするという文言もあるけれど、ジャーナリストの立場から言えば、両方を並立して書くべきだろう。

 

記事のほうは「自動運転であっても責任はオーナー」という点だけを最初に取り上げることで、センセーショナルな話題作りを狙った感がある。一方アウディの場合は記事ではないが、オーナーのメリットをアピールするために、あえて片方しか言及しなかった可能性がある。

 

人間のミスかシステムのミスかを判別するには、飛行機のフライトレコーダーのような記録装置が必要となるはずで、レベル3以上の自動運転車には搭載が義務付けられるだろう。また記録装置の解析には時間が掛かるので、事故のもろもろが決着するには、現在よりもむしろ時間を要するかもしれない。

 

解析の結果、メーカーにもオーナーにも責任がない場合も出てくる。外部からのハッカーの侵入だ。筆者は今後の自動運転社会で、これをもっとも危惧している。今年1月の仮想通貨流出事件では、セキュリティ対策が十分でなかったことが原因に挙げられたが、自動運転車では最悪の場合、命を落とす危険性があるだけに、この部分はメーカー側に万全な対策を義務付け、違反した場合には責任を負わせることが必要だろう。

 

ちなみに先月のウーバーの死亡事故の場合は、同じレベル3ではあるが、アウディを含めた一般的な自家用車とは状況が少し異なる。運転席に座るのはオーナーではなく、ウーバーが用意したオペレーターであり、車両の所有者はウーバー自身だからだ。これに限らずシェアリングで自動運転を提供する場合は、運転席に座るオペレーターがオーナーではなく、運行管理者がオーナーとなる。当然ながら運行管理者に責任が及ぶ場合も出てくるだろう。

 

つまり事故当時の状況によって責任問題はいかようにも変わる。ウケ狙いの断定型記事に左右されず、冷静な判断が求められていると言えそうだ。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト・森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

セット系きっぷは実際おトク? 京急電鉄「よこすか満喫きっぷ」でどれくらい“満喫”できるかやってみた

赤い電車でお馴染の京浜急行電鉄(以下、京急と略)。駅で見かけた「よこすか満喫きっぷ」というリーフレットに目が引かれた。品川駅・横浜駅などの駅からスタートし、横須賀地区の駅との間の電車のフリーきっぷ(一部バスも含む)とともに、グルメ1品、そして観光施設など1か所の利用料金が含まれている。料金は品川駅から大人3050円だ。

 

まずは簡単に計算してみる。品川駅〜横須賀中央駅間の往復料金が1276円(ICカード利用時)。グルメに加えて遊び要素が2000円ぐらいかかったとして、それが3050円で楽しめるとなれば、かなりおトクになるのではないのだろうか。

 

さらにフリーきっぷが利用可能な、横須賀、浦賀、観音崎地区を京浜急行バスに乗って回れば……というような皮算用を胸に、さっそく横須賀へ向かった。

↑「よこすか満喫きっぷ」のリーフレット。券が使える店と施設、さらに地図も掲載。同きっぷは、京急の駅の自販機で購入できる(写真左下のように3枚の券に分けて販売される)

 

【満喫きっぷ行程①】

品川から快特に乗って45分で横須賀中央へ

品川駅からまず横須賀中央駅へ向かう。快特を使えば約45分の距離だ。ちなみに品川駅〜横須賀駅間をJR横須賀線に乗ると1時間10分以上かかる。やはり京急は断然に速い。

 

個人的には窓を横にして座るクロスシートの2100形が好きなのだが、この日はロングシート主体の新1000形に乗車。とはいえ、速さにはかわりない。あっという間に川崎、横浜を過ぎて横須賀中央駅に着いたのだった。

↑横須賀市の中心駅・横須賀中央駅。あちこちにオブジェが飾られる横須賀の街。駅前広場にもサックスを吹く像が立つ

 

【満喫きっぷ行程②】

日露戦争で旗艦として活躍した戦艦「三笠」へ

横須賀中央駅から、世界三大記念艦「三笠」を見学しようと三笠公園を目指す。繁華街を抜け、そして国道16号を渡り、約0.9km。10分の道のりだ。横須賀新港に面して、記念艦「三笠」が設置されている。全長122mのグレーの船体。高い2本の煙突に、上空に延びる2本のマストが目立つ。

 

世界三大記念艦「三笠」。1904(明治37)年に起こった日露戦争で連合艦隊の旗艦として活躍。日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破する功績をあげている。

↑三笠公園で保存される記念艦「三笠」。イギリスの「ヴィクトリー」、アメリカの「コンスティチューション」とともに世界の三大記念艦とされている

 

記念艦「三笠」の入口を上り、「満喫きっぷ 遊ぶ券C」を窓口に出すと、引き換えに「入艦券」と「お土産引換券」が渡される(通常の入艦料は600円)。そして見学。艦内をほぼくまなく見ることができるのだが、日露戦争当時の歴史的な資料が展示されているほか、なんとVRやシミュレーターで日本海海戦を体感することができる。それも無料だ。そして実際にバルチック艦隊との降伏文章を調印した部屋なども見学できる。東郷平八郎連合艦隊司令長官が実際に戦闘の指揮をとった場所とされる最上艦橋からは、港の風景が楽しめる。

↑艦橋および上甲板だけでなく、艦内の見学が可能だ。写真は中甲板にある長官公室。連合艦隊の作戦会議や、バルチック艦隊の降伏文章調印などもここで行われた

 

帰り際、入口で渡された「お土産引換券」を手に売店へ立ち寄る。すると、「三笠しおり」か、「三笠砲弾豆&ボールペンセット」のお土産がもらえる。見学だけでなく、お土産付きとは、すごく得した気分になる。

 

◆世界三大記念艦「三笠」

●「遊ぶ券」利用可能時間:[4〜9月]9〜17時最終入艦、[3月・10月]9時〜16時30分最終入艦、[11〜2月]9時〜16時最終入艦/12月28〜31日休み

●場所:横須賀市稲岡町82-19

●TEL:046-822-5225

 

【満喫きっぷ行程③】

国道16号を歩き横須賀本港を目指す

世界三大記念艦「三笠」から西へ向かい、横須賀本港を目指す。約1.2km、15分の距離だ。三笠公園の前からまっすぐ延びる三笠公園通り。遊歩道沿いにはオブジェなどもあり、それらを鑑賞しながらの散策が楽しめる。

 

さらに米軍施設の目の前を通り過ぎる。軍関係者が多く行き交い、やはり米軍の基地がある街であることを強く印象づけられる。国道16号沿いに建ち並ぶ店などを見ながら歩けば、間もなく横須賀本港へ出る。

↑三笠公園通りには港町・横須賀らしく帆船日本丸のスケールモデルが設けられている

 

横須賀本港へ出ると、軍港らしく海上に海上自衛隊の護衛艦や、アメリカの軍艦が対岸に繋留される姿がよく見える。「よこすか満喫きっぷ」には含まれていないが、この港からは「YOKOSUKA軍港めぐり」のクルーズ船が出航している。料金は1400円。護衛艦や軍艦が間近に海上から見ることができるとあって人気も高い。

↑横須賀本港には海上自衛隊の護衛艦やアメリカ海軍のイージス艦などが繋留されていた

【満喫きっぷ行程④】

横須賀名物のカレーやハンバーガーを堪能

そろそろおなかも空いてきたということで、満喫きっぷのお楽しみの1つ、「食べる券」が使えるグルメどころを目指す。横須賀本港に近いのは、国道16号から1本、裏手に入った「ドブ板通り」だ。ここには「食べる券」が使えるお店も多い。

 

ところで横須賀といえば、カレーが有名だ。かつて横須賀には大日本帝国海軍の横須賀鎮守府が置かれていた。現在も海上自衛隊の基地がある。海軍では兵士の栄養の偏りを防ぐためにカレーライスを採用したとされる。そんな昔ながらの海軍のレシピを生かした「よこすか海軍カレー」を多くのお店で楽しむことができる。

↑ドブ板通にある「レストランTSUNAMI」の海軍カレー(「満喫きっぷ」食べる券で食事できるメニュー)、牛肉たっぷりのカレーライスに野菜サラダとミルク、福神漬付き

 

海軍カレーとともに横須賀の名物となっているのが「ヨコスカネイビーバーガー」。米海軍の軍隊食で、艦船の見張り要員の食事だった「NAVY BURGER」。そのレシピが、米横須賀基地から横須賀市に提供され、2009年1月から基地周辺のお店で販売されたのが始まりとされる。実際に横須賀のドブ板通りは、軍関係者と思われる人たちの姿も多く、そんな彼らが愛好してきた味がごく気軽に食べられるのだ。

 

今回海軍カレーを食べた「レストランTSUNAMI」では、このヨコスカネイビーバーガーも提供している。もちろん、こちらも「食べる券」が利用可能。手持ちの「食べる券」は海軍カレーに使用してしまったが、せっかくなのでこちらも実食。直火焼きのグリラーで焼き上げた牛肉、さらに三浦の海洋酵母で発酵させ、溶岩窯で焼いたバンズはふんわりした食べ心地で、美味だった。

※「満喫きっぷ食べる券」は、1店1品のみ有効です

↑「レストランTSUNAMI」の横須賀ネイビーバーガー(「食べる券」で食事できるメニュー)。ドリンク付きでボリュームも満点。パテには赤身の多い100%牛肉と牛脂を使用する

 

◆レストランTSUNAMI

●「食べる券」利用可能時間:11〜21時LO/1月1日休み

●場所:横須賀市本町2-1-9飯田ビル

●TEL:046-827-1949

 

【満喫きっぷ行程⑤】

さらにフリーきっぷを駆使して観音崎を目指す

食事をしたドブ板通りは、京急の汐入駅のすぐ近く。満腹になったとはいえ、フリーきっぷがあるだけに、そのまま帰るのはもったいない。そこで横須賀の東南端に位置する観音崎を目指した。

 

観音崎へは2つのアクセス方法がある。例えば汐入駅からは、京急本線に乗り浦賀駅へ。そこからバスで観音崎を目指す方法。あるいは、横須賀市街の国道16号沿いにある汐留、または本町一丁目バス停、横須賀中央バス停からも直接、観音崎行きのバス(JR横須賀駅〜観音崎駅間を運行)が出ている。いずれのアクセス方法も、満喫きっぷのフリー乗車券が利用できる。

↑観音崎バス停からすぐそばの海岸から浦賀水道を望む。東京湾の出口ということで大型貨物船がひっきりなしに出入りしていて、その行き交う様子を見ているだけでも楽しい

 

↑観音崎の丘陵上に設けられた観音埼灯台。灯台内の見学も可能(有料)。観音崎のバス停からは徒歩約15分。急坂を登り下りする必要がある

 

観音崎周辺は夏ともなると海水浴客で混雑するが、そのほかの季節は比較的、訪れる人も少なめで穴場といっていい海岸だ。目の前の浦賀水道をひっきりなしに大型の外航船が行き交う。船や乗り物好きには結構、楽しめるポイントだ。日産自動車の工場が神奈川県内にあることから、自動車運搬船の往来も多い。

↑観音崎の海沿いに作られたボードウォーク。板張りのきれいな遊歩道で足にもやさしい造りで癒される。景色を楽しみつつ、のんびり歩きたい

 

【満喫きっぷ行程⑥】

観音崎でも「遊ぶ券」が使える

「よこすか満喫きっぷ」の「遊ぶ券」は、横須賀市街だけでなく観音崎地区でも使える。例えば、「横須賀美術館」。観音崎から歩いてほど近い、海を望むポイントにある。今回は世界三大記念艦「三笠」で「遊ぶ券」を使ったが、観音崎までとっておくというのも1つの方法だろう。

↑観音崎の自然と一体化した造りの「横須賀美術館」。建物自体も一見の価値がある

 

↑海を目の前に望む絶景美術館として知られ、屋上から眺める東京湾も素晴らしい

 

「横須賀美術館」は国内の近現代美術を中心に収蔵、展示を行う。また多彩な企画展も開催している。別館では横須賀ゆかり、そして週刊新潮の表紙絵を描いた谷内六郎の作品を見ることができる。

 

◆横須賀美術館

●「遊ぶ券」利用可能時間:10〜18時/毎月第一月曜休(祝日の場合は開館)・12月29日〜1月3日休

●場所:横須賀市鴨居4-1

●TEL:046-845-1211

※企画展が展示替え中で所蔵品展のみ開催の場合は、所蔵品展の観覧に加え、お土産を進呈

 

観音崎で「遊ぶ券」が使えるほかの施設としては、温浴施設「SPASSO(スパッソ)」もおすすめだ。こちらは観音崎京急ホテルのビューティー&リラクゼーションスパ。観音崎を散策したあとに、東京湾を望みつつゆったり温浴、さらにリフレッシュして帰るというプランも楽しいだろう。

↑東京湾を望む「SPASSO」の眺望露天風呂。地元、走水の湧水を使用

 

↑眺望露天風呂以外にサウナや眺望内風呂などを用意する。写真は女性用のホワイトシルキーイオンバス。シルクのようにやさしいミクロの泡が身体を包み込む

 

◆SPASSO

●「遊ぶ券」利用可能時間:10〜23時(最終入館は22時30分まで)/無休(メンテナンス休あり)

●場所:横須賀市走水2

●TEL:046-844-4848

※バスタオル、フェイスタオルのレンタル付き

 

【1日の振り返り】

この日の「行程」と「利用金額」を整理――実際どれくらいお得?

今回の行程をまとめると、

 

品川駅 → 横須賀中央駅 → 三笠公園 → 横須賀本港 → ドブ板通りで昼食 →(本町一丁目からバスで移動)→ 観音崎 →(バスで移動)→ 横須賀中央駅 → 品川駅

 

よこすか満喫きっぷを使わなかった場合の経費は、

 

交通費合計2056円 + 食事代(横須賀海軍カレー1200円※) + 遊ぶ(世界記念艦「三笠」入場券600円+お土産代) = 3856円+α

 

となる。満喫きっぷは、品川駅からで大人3050円なので、使い方によっては、かなりお得になることがわかった。「よこすか満喫きっぷ」の公式サイトには、「食べる券」「遊ぶ券」が使える場所やおすすめスポットなどの情報も掲載されているので、それらを参考に思いっきり横須賀の待ちを“満喫”してみてはいかがだろう。

※食事は通常時メニューと異なる場合あり

 

◆京浜急行電鉄「よこすか満喫きっぷ」

●主要駅からの発売額(大人の場合):品川から・京急蒲田から・京急川崎からそれぞれ3050円、横浜から2950円、上大岡から・金沢文庫から2800円。フリー区間内の駅からの発売額:2670円。

●有効期間:1日

●その他:食べる券が使える店舗は17軒、遊ぶ券は9軒(「食べる券」「遊ぶ券」ともに、それぞれ1軒でのみ利用可能)

*京急電鉄ではほかに「みさきまぐろきっぷ」と「葉山女子旅きっぷ」も用意している。

 

※記事内の情報は2018年4月執筆時点のものです

【中年名車図鑑】スポーティ性は上々だがファッション性はちょっと…若干地味だった“白い稲妻”

小型スペシャルティカー市場におけるユーザー志向の多様化がより顕著になった1980年代の中盤、日産自動車は4代目となるシルビアを発売する。目指したのは“スポーティ性”と“ファッション性”が高次元で両立した次世代の本格的スペシャルティだった。今回は“白い稲妻”のキャッチを冠して登場したS12型シルビア(1983~1988年)の話題で一席。

【Vol.63 4代目・日産シルビア】

厳しい排出ガス規制と2度の石油危機を克服し、クルマの高性能化に力を入れるようになった1980年代初頭の日本の自動車業界。その最中で日産自動車は、小型スペシャルティカーのシルビア(と兄弟車のガゼール)の全面改良を鋭意、推し進めていた。

 

80年代中盤に向けたスペシャルティカーを企画するに当たり、開発陣は市場のユーザー志向を入念に調査する。そして、「スペシャルティカーを欲するユーザーは流行に敏感で、ライフスタイルもますます多様化している。新型は、そんなユーザー層にアピールできるスペシャルティカーに仕立てなければならない」という結論に達した。これを踏まえて開発陣は、“スポーティ性”のさらなる追求と“ファッション性”に磨きをかけることを目標に掲げる。具体的には、高性能エンジンや先進の足回りを組み込んだハイメカニズムによる“俊敏でスポーティな走り”と機能美を徹底追求した“精悍で斬新なスタイルとインテリア”を高度に調和させるという方針を打ち出した。

 

■ボディラインとともに装備でもスペシャルティ感を演出

2ドアクーペと3ドアハッチバックの2ボディを用意。どちらも走りの性能を重視したディメンションを採用した

 

スペシャルティカーの最大の特徴となるスタイルに関しては、強いウエッジと低いノーズライン、大胆に傾斜したフロントウィンドウ、さらにハイデッキによるシャープなシルエットでスポーティ感を演出する。ボディタイプは2ドアクーペと3ドアハッチバックを設定。2ボディともにフルリトラクタブルヘッドランプの採用と車体全般のフラッシュサーフェス化を実施し、空気抵抗係数はクラストップレベル(ハッチバックでCd値0.34)を実現した。一方、ボディサイズは全長と全幅を従来のS110型系より短縮したうえで、ホイールベースを25mm、トレッドを前35~45mm/後20~60mmほど拡大し、走りの性能を引き上げるディメンションに仕立てた。

 

キャビンスペースについては、上質感を創出したインパネやエキサイティングなイメージを醸し出すメータークラスター(メーターはデジタル表示とアナログ表示の2種類を設定)、ストレートアームを使いやすい高さに設定したステアリング配置、高弾性ウレタンを内蔵したシートなどでスペシャルティ性を強調する。また、上級グレードの前席には8つの部位を自由に調整できるマルチアジャスタブルタイプのバケットシートを装着した。

 

開発陣は内外装の装備面についてもこだわる。先進アイテムとしてはマイコン制御のオートエアコンやダイバシティFM受信システムを組み込んだオーディオ、再生効果を高めたスピーカーシステム、国産車初採用のキーレスエントリーシステム、目的地の方向を指示するドライブガイドシステムなどを装備。さらに、世界初採用となるリアパーセルボード共用タイプのパワーウーハーやワイパー付フルリトラクタブルヘッドランプクリーナー、国産車初のチルトアップ&スライド機能付き電動ガラスサンルーフを設定した。

 

パワートレインについては、旗艦エンジンのFJ20E型1990cc直列4気筒DOHC16V(150ps)と同エンジンのターボチャージャー付き(FJ20E-T型。190ps)を筆頭に、従来のZ型系ユニットに代わる小型・軽量・低燃費のCA18型系1809cc直列4気筒OHCエンジンの3機種(CA18S型100ps、CA18E型115ps、CA18E-T型135ps)を設定する。また、FJ20E型系エンジン搭載車にはギア径200mmのファイナルドライブとリミテッドスリップデフを、CA18E-T型エンジン搭載車には5速MTのほかにOD付き4速ロックアップオートマチックトランスミッションを採用した。

 

走行面の機構では新たにラック・アンド・ピニオン式ステアリングを装備したほか、リアサスペンションに新開発のセミトレーリングアーム式独立懸架(FJ20E型系/CA18E-T型エンジン搭載車。それ以外は4リンク式)を組み込む。さらに、FJ20E型系エンジン搭載車には偏平率60%の195/60R15 86Hのラジアルタイヤを標準装着(CA18E-T型エンジン搭載車にはオプション)した。

 

■キャッチフレーズは“白い稲妻”

スペシャルティカーとして装備にもこだわった。マイコン制御オートエアコン、キーレスエントリーなど先進アイテムを採用した

 

第4世代となるシルビアは、S12の型式と“白い稲妻”のキャッチフレーズを冠して1983年8月に発売される。車種展開はクーペとハッチバックを合わせて計22タイプのワイドバリエーションを誇った。

 

市場に放たれたS12型シルビアのなかで、ユーザーから最も注目を集めたのはFJ20E型系エンジンを搭載するRS-X系グレードだった。カムシャフトの駆動に2ステージのローラーチェーンを採用した赤ヘッドの4バルブエンジンは、1.2トンクラスのボディを力強く加速させる。とくにターボ付きのFJ20E-T型を積むRS-Xのパフォーマンスは強烈で、4000rpm付近を境にしたパワーの急激な盛り上がりや荒い鼓動などが、走り好きを大いに惹きつけた。一方、コーナリングの楽しさや走りのバランス性を重視するユーザーには、新開発のCA18E-T型エンジンを搭載したターボR-X系グレードが支持される。FJ20E型系エンジンよりも前輪荷重が軽く、しかも前軸後方に収まるレイアウトが、コーナリング性能を高める要因だった。

 

ファッション性を重視したマイナーチェンジ

スポーティ性とファッション性を高次元で融合させた本格的小型スペシャルティカーのS12型シルビア。しかし、ユーザーが興味を示したのはスポーティ性がメインで、スペシャルティカーならではの特徴であるファッション性に関しては、2代目ホンダ・プレリュードなどと比較されてあまり高い評価が得られなかった。さらに1985年8月に最大のライバルである4代目トヨタ“流面形”セリカが登場して以降は、ルックスの地味さが目立つようになった。

 

この状況を打破しようと、日産は1986年2月にシルビアのマイナーチェンジを実施する。キャッチフレーズは“きもちまでスペシャルティ”。内外装の細部はより洗練されたイメージに変更され、ボディ長やボディ幅も拡大される。エンジンは高コストのFJ20E型系を廃止すると同時に、CA18DE-T型のツインカムターボ仕様(145ps)をラインアップに加えた。またCA18DE-T型エンジン搭載車には、パワーエコノミー自動切替式の電子制御OD付き4速ロックアップオートマチックの新トランスミッションを設定する。ちなみにこの時、兄弟車のガゼールは車種整理のためにカタログから外された。シルビアにおけるファッション性の追求は、さらに続く。1987年2月にはクーペの「ツインカムターボ フルホワイトRS-X」をリリース。同年7月になると、やはりクーペの「R-Xホワイトセレクト」と「ターボ フルホワイトR-X」を発売した。

 

日本市場での人気ボディカラーの“白”戦略は一部ユーザーには受けたものの、シルビア全体の販売台数の底上げにはつながらなかった。そして1988年5月には、シルビアの全面改良が行われる。5代目となるS13型シルビアは、4代目での反省を生かし、ファッション性を最大限に重視するモデルに仕立てられたのである。

 

■2世代に渡って製作されたシルビアのスーパーシルエットフォーミュラ

最後にトピックをひとつ。シルビアはS110型とS12型の2世代に渡って、当時のモータースポーツの人気カテゴリーであるスーパーシルエットフォーミュラ(FIAのグループ5)の素材車として活用された。1981~1983年には日産のレース部隊が手がけたエアロパーツを纏うS110型風シルビア・ターボ(1981年仕様は市販車の大幅改造版。1982年以降の仕様はパイプフレームシャシーで、異例のサイドラジエター方式)が、星野一義選手のドライブによって大活躍。1981年と1982年開催の富士300キロスピードレースや1983年開催の富士グラン250kmレースなどで優勝する。広告展開でも“烈火の炎”というキャッチコピーとともに、S110型系シルビアと黄色い稲妻ストライプのスーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボ、そして“日本一速い男”星野選手が共演した。

 

スーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボは、1983年後半になるとS12型風のボディシェルに変更し、9月開催の富士インター200マイルでは2位に、10月開催のスーパーカップレースではSSクラス優勝を果たす。ちなみに、現在日産自動車が保管するゼッケン23のスーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボは、このS12型風のボディシェルで演出した1台である。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

ホンダNボックスシリーズが販売で2冠!

ホンダは4月5日、軽自動車「N-BOX」シリーズが2017年度(2017年4月〜2018年3月)における販売台数が22万3449台を記録し、軽四輪車新車販売台数において3年連続となる第1位を、さらに登録車を含む新車販売台数においても第1位を獲得したと発表した。ホンダが新車販売台数において、同年の暦年・年度ともに首位を獲得したのは2002年度に「フィット」が達成して以来、15年ぶりになる。

 

 

 

 

N-BOX/N-BOXカスタム(2017年9月フルモデルチェンジ)

 

N-BOXシリーズは「N-BOX」、「N-BOX +(エヌボックス プラス)」、「N-BOX SLASH(エヌボックス スラッシュ)」をラインアップし、幅広い層から支持を獲得。2017年9月にフルモデルチェンジされた新型N-BOXは、軽乗用車最大級の室内空間や存在感あるデザインに加えて、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の採用や、優れた走行性能・燃費性能の面でも好評を得ている。なお、4月19日には、新たにスロープ仕様の追加が発表される予定だ。

 

 

 

N-BOX+(2017年8月終了)

 

 

 

N-BOX SLASH(2018年1月マイナーチェンジ)

 

●N-BOXシリーズ発売以来の歩み
2011年12月 N-BOX発売
2012年 6月 累計販売台数10万台達成
2012年 7月 N-BOX+発売
2012年11月 累計販売台数20万台達成
2013年 3月 年度軽四輪車販売台数第1位獲得
2013年 5月 累計販売台数30万台達成
2013年10月 累計販売台数40万台達成
2013年12月 年間軽四輪車販売台数第1位獲得
2014年 3月 年度軽四輪車販売台数第1位獲得
累計販売台数50万台達成
2014年10月 累計販売台数60万台達成
2014年12月 N-BOX SLASH発売
2015年 3月 最高月間販売台数3万633台を記録
2015年 4月 累計販売台数70万台達成
2015年11月 累計販売台数80万台達成
2015年12月 年間軽四輪車販売台数第1位獲得
2016年 3月 年度軽四輪車販売台数第1位獲得
2016年 6月 累計販売台数90万台達成
2016年12月 年間軽四輪車販売台数第1位獲得
累計販売台数100万台達成
2017年 3月 年度軽四輪車販売台数第1位獲得
2017年 6月 累計販売台数110万台達成
2017年11月 累計販売台数120万台達成
2017年12月 年間四輪車販売台数第1位獲得
2018年 3月 年度四輪車販売台数第1位獲得

 

 

 

かつての「シティ」や「シビック」を彷彿とさせる、ホンダの電気自動車「アーバンEVコンセプト」市販型は2019年に発売か!?

2017年フランクフルトモーターショーで初公開された、ホンダの電気自動車「アーバンEVコンセプト」が2019年にも発売とウワサされている。

 

 

このほど公開された予想CGでは、コンセプトモデルで採用されていた、かつて大人気を博した初代「シティ(1981年発売)」のようなレトロな丸眼ヘッドライトを含め、初代「シビック」をも思い出させるようなフロントマスクが印象的だ。

 

 

 

しかし新開発のEVプラットフォームを採用するスタイルは、「シティ」のような背高ではなくクーペの雰囲気を醸し出すCピラーに特徴をもたせ、フェンダーに切れ込みが入れられたワイド感が強調されている。

 

パワーユニットについての情報はまだないが、国産EVのトップを走る日産「リーフ」同等のパフォーマンスを持ち、航続距離は1回の充電で400km程度になるという。

 

 

 

室内には大型のディスプレイが装備され、人工知能(AI)を用いた「ホンダ・オートメーテッド・ネットワーク・アシスタント」の搭載が予想されている。

 

2030年までには市販車の3分の2以上を電動化する計画をもつホンダにとって、この「アーバンEVコンセプト」はその第一弾となるはずだ。

 

 

 

メルセデス・ベンツCクラス最新の限定車はこだわり派向け?

4月2日、メルセデス・ベンツ日本はCクラス・セダンの特別仕様車「メルセデス・ベンツC200エクスクルーシブ・ベージュ・リミテッド」を発表。「メルセデス・ベンツ オンラインストア」限定で注文受付を開始した。販売台数は10台で、税込車両価格は682万円。納車は6月頃からの予定となっている。

 

 

 

 

 

この限定車は、184ps/300Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するC200アバンギャルドがベース。通常販売されていない左ハンドルを採用しているほか、ボンネットにスリーポインテッドスターを配した伝統的なスタイリングが特徴のエクスクルーシブラインエクステリアや、特別仕様の18インチ5ツインスポークアルミホイールを装備している。

 

 

 

内装には専用のシルクベージュ/エスプレッソブラウンの本革シートと、ブラウンアッシュウッドインテリアトリムを採用し、上質な雰囲気に仕上げられている。そして、パノラミックスライディングルーフやブルメスター製サラウンドサウンドシステム、暑い日でも快適な前席シートベンチレーターといった豪華装備が盛り込まれ、高級感が一層高められている点も注目だ。 さらに、安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」やヘッドアップディスプレイ、ドライブレコーダーも搭載され、高い安全性も実現している。

 

 

 

ボディカラーはダイヤモンドホワイトとセレナイトグレーの2色で、それぞれ5台ずつ販売される。

 

●メルセデス・ベンツ オンラインストア
http://www.mercedes-benz.jp/onlinestore/

 

 

 

ズバリ、ポルシェ「ミッションE」市販型のデザインとパワートレインはこれで決まり!?

2019年秋のフランクフルトショーでのワールドプレミアが予想されている、ポルシェ初となるEVサルーン「ミッションE」のレンダリングCGが公開された。

 

 

「911」から継承したというスポーティなルーフラインはそのままに、ヘッドライトやフロントバンパーのデザインを大幅に軌道修正。EV専用「J1」プラットフォームの採用で居住空間にゆとりを持たせたほか、コンセプトモデルでは観音開きであったドアがノーマルタイプの4ドアとなるなど実用性の高さが期待できそうだ。

 

注目のパワートレインは、ベースモデルで最高出力402ps、ミドルレンジは536ps、そしてトップレンジには650psを発揮する3タイプが準備されるという。

 

1回の充電での航続可能距離は500km程度で、充電は15分で80%を完了するようだ。

 

発売開始は2020年で、シュトットガルト・本社キャンパスの新工場において年間2万台が生産される予定だ。

 

 

寺岡呼人×DJ OSSHYが語る「クルマと音楽」――ドライブにMIXテープが欠かせなかった青春時代

CDが売れない時代とは言われますが、音楽配信サービスの利用者は増えつづけていますし、レコードブームも再燃中。リスニングという趣味はメインカルチャーのなかでもど真ん中にあり続けています。

 

では、その音楽の担い手たるアーティストやDJといった立場の方は、プライベートでどのように音楽と接しているのでしょうか。シンガーソングライター兼音楽プロデューサーの寺岡呼人さんがゲストを向かえて「クルマと音楽」について語り合う同シリーズ、第2回は36年も最前線で音楽とかかわり続けてきたDJ OSSHYさんにお話をうかがいました。

 

【DJ OSSHY

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ディスコ・クラブDJおよびラジオDJ。1982年、渋谷のCandy Candyでデビューして以来、代官山PARADISE PARTY、横浜サーカス、六本木ヴェルファーレなど、各時代のディスコ・クラブブームを牽引するスペースで音を紡いできたレジェンド。現在はINTER FM「RADIO DISCO」、TOKYO FM「FAMILY DISCO」に出演するほか、東京スカイツリー展望フロアや、グランドハイアット東京、羽田空港などで開催されたディスコイベントにも参加。安全・安心な大人のディスコブームの仕掛け人としても活動。

 

【寺岡呼人】

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シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。筋金入りのオーディオマニアであり、カーマニアでもある。http://www.yohito.com/

 

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↑2月にリリースした最新アルバム「LOVE=UNLIMITED」 (ラヴアンリミテッド)。デビュー30周年、50歳の節目を迎えて紡ぐ等身大の音楽がここに

 

テクニックだけではない、DJには選曲の幅や知識が要求される

寺岡 ディスコ全盛のころって、僕はまだ中高生だったんですよ。だからディスコって憧れでしたね。DJ OSSHYさんは高校時代にDJとしてデビューしたそうですが、当時のお話からお聞きしたいなと。

 

DJ OSSHY 1981年の高校1年のとき、初めてディスコにいって衝撃を受けたんですよ。ノンストップで音楽が流れている環境にびっくりしまして。それから通うようになって、1982年から見習いをはじめました。当時はお店の専属DJというか、従業員がやってましたね。みんなの共有財産としてレコードがあって、それをみんながつかっていました。各店舗2~3人くらいしかいなくて、狭き門ですよね。

 

寺岡 DJを目指している人はたくさんいたんですか。

 

DJ OSSHY DJは花形的な見方はされていたかもしれませんが、本気でやろうという人はいなかったですね。人気があるのは黒服側でしたね。あとバーテンさん。

 

学校帰り、週4日はディスコに通うようになったDJ OSSHYさん。友達は女の子に夢中だったそうですが、DJ OSSHYさんはDJブースにかじりつきの日々を送っていたそうです。そして1か月ほど経ったとき、お店のDJに声をかけられました。そして、DJとしての人生がはじまりました。

 

寺岡 見習いのときって、どんなことをやっていたのでしょう。

 

DJ OSSHY 先輩のかけている曲の、プレイリストをノートに書いていましたね。あとは照明のコントロールとブース内の掃除。それを1年やっていました。もちろんギャラはないです。

 

寺岡 練習みたいなことはやっていたのですか。

 

DJ OSSHY ないです。

 

寺岡 DJ機材には触らせてもらえなかったと!

 

DJ OSSHY 先輩の仕草を見ていただけでしたね。そして週休1日で半年くらいたったころ。「そろそろ回してみろ」と言われて、お客さんのいない17時から18時までやらせてもらえるようになったのですが、ぜんぜんやり方わからないんですよ。ボロボロです。そこから少しずつ教えてもらえる感じでしたね。

 

怒られながらもDJのイロハを教えてもらいながら次第にスキルアップ。そして高校3年のとき、急遽お客さんの前で回すことになったそうです。

 

DJ OSSHY 1時間でしたがメインの時間帯に、代打としてやったんですね。とにかく盛り上がるメジャー曲をかけまくっていたら、あとからきた先輩にめちゃくちゃ怒られたんですよ。「お前、もうかける曲ないじゃないかよ!」と。DJはテクニックだけではなく、選曲の幅や知識が要求されるんだと思い知りましたね。

 

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↑バブル時代のディスコ話をぜひ聞きたい、と今回の対談を楽しみにしていた寺岡さん。当時の面白秘話連発に大いに盛り上がりました

 

合理主義なDJ OSSHYさんは仕事道具として軽ワンボックスに乗り続けていた

寺岡 DJ OSSHYさんにとって、クルマはどんな存在ですか。

 

DJ OSSHY ツール、ですね。軽自動車に16年乗っていました。

 

意外にも! スポーツカーをドライブしているイメージがありました。詳しくお聞きすると、本当にレコードを運ぶための働くクルマとしてワンボックス型の軽自動車を何台も乗り継いで使ってきたとか。

 

DJ OSSHY 路地裏の店も多かったので、コンパクトなモデルがいいだろうと。3年前に普通乗用車に乗り換えたんですが、燃費重視でハイブリット車を。合理主義なところがあるんですよね。

 

寺岡 ではクルマのなかで音楽を聴くというのは、あまりないのですか。

 

DJ OSSHY 一人で乗るときは音楽聴く派なのですが、誰か乗せているときはまったく音楽をかけないんですよ。会話重視ですね。かけたとしても、ボリュームはすごく小さくしていますね。

 

寺岡 お一人のときはどんな聴き方をしていますか。

 

DJ OSSHY CD製作中はラフミックスを車のなかでチェックしていますね。私はラジオDJもやっていますが、ラジオも私が作るCDも、主なターゲットはドライバーなんですよ。

 

寺岡 DJ OSSHYさんが昨年リリースされた「SHONAN AOR」、聴きました。あー、これを流しながら湘南をドライブしたいなー、と思いましたね。

 

AORは都会的なイメージ印象があるというDJ OSSHYさん。AORで湘南をあらわすために、サーファーや船乗り、地元のレストランの方とかに、「AORで好きな曲はなんですか」とリサーチ。その結果、ボズ・スキャッグス「Lowdown」とか、70’s寄りの曲が多かったとのこと。なお前作の「TOKYO AOR」はボズ・スキャッグス「Jojo」など、キラキラした音が入る80’sトラックが中心となったそうです。

 

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↑なんとなくクルマに凝りまくっているというイメージを勝手に抱いていましたが、実は合理的なクルマ選びをしてきたDJ OSSHYさん。若かりしころは硬派かつ体育会系なDJ生活だったとか

 

ドライブデートのためにMIXテープを作るのは万国共通

 DJとは違うのかもしれませんが、昔はドライブ用にMIXテープを作るムーブメントがありました。カセットテープは時間が決まっているので、どの曲をどんな順番で入れていくとピッタリおさまるかを考えつづけていた青春時代。DJ OSSHYさんも僕たちと同じようにMIXテープを作っていたそうです。

 

DJ OSSHY 当時好きだった子と海に行くときはこのテープ、みたいにシチュエーション別の選曲をやって仕込んでいましたね。

 

寺岡 ジャック・ニコルソンが出演している「恋愛小説家」という映画の1シーンで、「ドライブ用」と書かれたカセットテープが出てくるんですよ。ああ、こういうのって万国共通なんだなと。

 

DJ OSSHY 自分の愛情表現をカセットテープに託すみたいな。

 

寺岡 年代もあるのかもしれないですけど、カセットテープに曲を入れていたときはワクワク感がありましたよね。

 

 音楽ストリーミングサービスも積極的に

寺岡 ところで最近の音楽シーンの動向をどう見ていますか。海外だとダフト・パンクが盛り上がっていたりしますが。

 

DJ OSSHY 典型的なのはブルーノ・マーズの作風だと思っていまして。「Finesse (Remix)」という曲が出たばかりですが、あれ、ニュージャックスウィングですからね。びっくりしますよ。ニュージャックスウィングは1988年に誕生したと言われていて今年で30周年になるのですが、ブルーノ・マーズの世代があの時代の音楽に、相当影響されて、作ってきているなと思うんですよね。そういう部分に注目していますね。

 

寺岡 音楽ってリサイクルの文化だと思うのですが、数年前だったらダサいなと思われることが、いまだと「イケてんじゃん!」とかありますよね。

 

DJ OSSHY ありますね。ちょっと前にEDMが流行っていましたが、ヴァン・ヘイレン「Jump」とか80’sなニューウェイブ系の音作りを取り入れられてきていたんですよね。

 

寺岡 音源としてはいかがでしょうか。

 

DJ OSSHY 購入する音源はCDが多いですね。それをパソコンに取り込んでいます。以前はレコードをデジタル化していたのですが、3万5000枚もあるのでさすがに無理だなと。

 

寺岡 僕はApple Musicで聴くことが増えました。Today’s Hitsとか、毎日更新されるプレイリストを聴いてたりしますね。

 

DJ OSSHY 私は「AWA」のオフィシャルプレイリスターなんですよ。ドライブ向きとか、シチュエーション別にプレイリストを作って提供していますね!

 

 昔はカセットテープ、CD-RやMD。いまはスマホの音楽再生アプリのプレイリストや音楽配信サービス。時代は変わり、音源も変わっても、それぞれのシーンで積極的に音楽を楽しむスタイルはみんなが求めているってことですよね!

 

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↑音楽ストリーミングサービスも積極的に活用しているという寺岡さん。愛車ではパイオニア・サイバーナビの「ミュージッククルーズチャンネル」をよく聴いている

 

 

 

 

 

 

ルノーの新作SUV、カジャーが正式発売

ルノー・ジャポンは4月5日、新型SUVの「ルノー・ カジャー」を4月12日より発売すると発表した。「インテンス」の1グレード展開で、税込車両価格は347万円である。

 

 

カジャーは欧州Cセグメントに属するコンパクトSUV。街を離れ、自然の中でさまざまなアクティビティを楽しむフランス人のライフスタイルから生まれた、アクティブにバカンスを満喫するためのSUVとして誕生した。ボディサイズは全長4455×全幅1835×全高1610mm。ホイールベースは1645mm、最低地上高は200mmだ。

 

 

パワートレインは131ps/205Nmを発揮する1.2リッター直列4気筒ターボエンジンとデュアルクラッチの7速EDCの組み合わせで、前輪を駆動する。

 

 

スタイリングは、ダイナミックさや力強さに加え、情熱と洗練を感じさせるフレンチスタイルのデザインが大きな特徴。フロントにはデイタイムランプを組み合わせるCシェイプLEDヘッドライトや、フルLEDのリアランプが個性を際立たせている。タイヤサイズは225/45R19が標準だ。ボディカラーはルージュフラム・メタリックやブルーコスモス・メタリックを含む全4色が設定された。

 

 

上質で快適な空間が広がるインテリアでは、ナパレザーを用いたステアリングホイールやシフトノブ、前席にシートヒーターが備わるレザーシート、ダブルステッチのインナーハンドルが上質感を高めている。センターパネルには、マルチメディアや運転支援システム(ADAS)の設定を直感的に操作できる7インチマルチファンクションタッチスクリーンが備わる。

 

 

ラゲッジスペースの使い勝手の良さもカジャーの美点。後席は60:40の分割可倒式で、レバー操作によって荷室側からシートバックを簡単に倒すことができる。容量は通常時で527L確保され、最大時は1478Lに広がる。

 

 

ラゲッジには前後2枚のラゲッジボードが開口部と同じ高さに設置され、通常時はラゲッジが上下2分割されている(イージーフォールディング機能)。この状態でリアシートを倒すと、フルフラットのラゲッジスペースとなる(フラットモード)。

 

 

また、フルフラットの状態から、2枚のラゲッジボードをラゲッジ床面に設置すると、ラゲッジ容量はさらに拡大できる(最大積載モード)。さらにリアシートを起こした状態で、2枚のラゲッジボードのうち奥側1枚をラゲッジ床面に設置し、 手前の1枚をラゲッジ中央に垂直に設置すると、ラゲッジが前後に2分割され、スーパーマーケットの買い物袋などの転がりやすいものを収納するのに便利なスペースを作り出すことができる(垂直モード・2分割)。

 

 

シトロエンのブランド広告キャンペーンは気合十分!

シトロエンは4月3日より、新しいブランド広告キャンペーンの展開を開始、動画を公開した。このキャンペーンでは、「シトロエンのモビリティに対するビジョンは、人々の自由への欲求から生まれる」というメッセージを訴求するものだ。

 

 

シトロエンの広告は、旧くからユニークなものが多かった。代表例としては、創業90周年のとき、パリのエッフェル塔に「CITROEN」のネオンサインを点灯させたビジュアルを展開していたことが挙げられる。

 

今回のキャンペーンで公開された動画は、シトロエンのブランドシグネチャーである「CITROEN INSPIRED BY YOU」のコンセプトのもと、同ブランドが長年にわたって人々の生活に根ざしたクルマづくりをし、それぞれの世代のモビリティのニーズをインスピレーションの源としてきたことが表現されている。

 

 

動画ではさまざまな時代、それぞれの異なるシトロエンモデルが登場。自由を求めるヒッチハイカーの物語が描かれている。動画のモデルは2CV(1949-1990)をはじめ、タイプH(1947-1981)、メアリ(1968-1988)、CX(1974-1991)、ヴィザGTi(1978-1988)、C3エアクロス(2017-)、そして最新型のC4カクタスと続き、最後にはシトロエンが体現する未来像として、2017年のパリ・モーターショーで披露されたコンセプトカーのCエクスペリエンスが登場する。

 

 

1919年の創業から現在に至るまでの99年、一貫して人々の生活に寄り添ってきたシトロエンブランド。今回のキャンペーンでは、それが改めて強調された。

 

 

寺岡呼人×KANが語る「クルマと音楽」――カーオーディオで聴く現地の音楽が最高!

ドライブに必要なものってなんでしょうか。きれいな景色、盛り上がる会話も大事ですが、音楽も欠かせないですよね。デートドライブ中の雰囲気を盛り上げてくれるアシストとして必須ですし、ソロドライブなら好きな曲だけを大ボリュームで流し続けての1人カラオケ状態も楽しいものです。昔なつかしの曲で青春時代に思いを馳せながらのドライブもいいですよね。

 

では、その音楽の担い手たるアーティストやプロデューサーは、プライベートではどのように音や音楽と接しているのでしょうか。また、クルマと音楽の相性についてどのように捉えているのでしょうか。オーディオマニアでもあるシンガーソングライター兼音楽プロデューサーの寺岡呼人さんがゲストを向かえて「クルマと音楽」について語り合う同シリーズ、初回は最前線で音を紡ぎ続けているKANさんをゲストにお届けします!

 

【KAN】

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1962年9月24日生。1987年にレコードデビュー。2002年春からフランス・パリに移住し、【Ecole Normale de Musique de Paris】に留学。2004年夏の帰国後は、バンド・弾き語り・弦楽四重奏やオーケストラとの共演など、様々なスタイルでの活動を展開中。好きな食べものは生牡蠣。www.kimuraKAN.com

<LIVE>

【弾き語りばったり #23 三歩進んで何故戻る?】

ピアノ1台だけの単身弾き語りツアー。2018年3月より全国23都道府県で30公演開催中。

 

<CD+DVD>

YAMA-KAN

【Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ】

KAN×山崎まさよしによる書き下ろし3曲入りのCD+DVD。とっくにやってそうで実は一度もやってなかった初の共同制作楽曲。すべての楽器を二人でレコーディングしています。

2018年3月発売/2000円+税/TRJC-1080/発売元:TOWER RECORDS LABEL

<CD> Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ

<DVD> YAMA-KAN Recording Documentary

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<LIVE DVD>

BAND LIVE TOUR 2016【ロックご自由に

東京・豊洲PITでの最終公演を全曲収録したものの、【芸能生活29周年記念 特別感謝活動年】で多忙を極めたため放置状態にあったライブ映像を、新たな気持で丁寧にEdit & Mixして、忘れたころに新発売! Audio Commentaryでは、副音声家・根本要氏とKANによる爆笑ライブ解説【KANと要のDame-Dashiナイト】をお楽しみいただけます。

DVD 2枚組、全21曲、約154分/2018年2月発売/6000円+税/製品番号:EPBE-5563~4/発売元:UP-FRONT WORKS inc. / zetima

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【寺岡呼人】

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シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。筋金入りのオーディオマニアであり、カーマニアでもある。http://www.yohito.com/

 

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↑2月にリリースした最新アルバム「LOVE=UNLIMITED」 (ラヴアンリミテッド)。デビュー30周年、50歳の節目を迎えて紡ぐ等身大の音楽がここに

 

カーオーディオで鳴らす音がひとつの基準に

寺岡 KANさんは1台のクルマ(ボルボ240)にずっと乗り続けているんですよね。今現在の走行距離ってどれくらいですか?

 

KAN 30万5000km台ですね。年数としては25年になります。

 

寺岡 すごいですよねぇ。僕も昔同じクルマに乗っていたのですが、17万kmまではいったけどガタがきちゃいまして。

 

KAN しょっちゅう修理に出しているし、すごくお金かかってますよ。去年なんてドアのヒンジが折れちゃったので、ドアごと交換したから。部品はもうないし中古で探すしかなくて。で、見つかったのはいいけど色が違った。僕としては問題なかったんだけど、ディーラーさんが「それはいくらなんでも!」てことで、塗られました。

 

寺岡 ずっと乗り続けているというのは、やはり愛着があるからですか?

 

KAN ですね。それまでクルマを持つという考えがなかったんだけど、92年頃に会社の勧めでクルマを買うことになって、どんなのがいいか街を走るクルマを見ていたんですが、いいなぁと思うものはどれも古いクルマだったんですよ。維持が大変だよと言われていまのクルマにしたんだけど、うちのクルマはいま、やっとクラシックカーになり始めましたね。だから、ここからです(笑)。本当にどうやっても乗れなくなるまで乗りますよ。

 

寺岡 クルマを買ってからドライブが好きになったとか、変化はありましたか?

 

KAN 基本的には生活の足なんです。ただ、音楽を聴くにはいい場所だよね。遠慮なく大きなボリュームで音楽を聴けるじゃない。

 

寺岡 われわれミュージシャンあるあるというか、レコーディング中はデモテープやミックスダウンのチェックをクルマの中で聴くことってありませんか?

 

KAN ありますね。ずっと25年、聴く環境が変わってない。ここを基準にしていますね。

 

つまり、KANさんにとってのリファレンスがカーオーディオというわけです。クルマではボリュームのレベルを一定にしてどう聴こえるかをチェックするそう特に大好きな中田ヤスタカさんの作品はダイナミックレンジが広く、大きな音に聴こえるトラックも多いとか。寺岡さんもクルマ内で聴くとバランスが確かめられるから、各楽器のボリュームの調整がしやすいといいます。

 

KAN 同じ曲でも、パソコンで聴くときとヘッドホンやイヤホンで聴くときは音のバランスって変わる。スタジオの大きなスピーカーで聴くときも変わっちゃう。だから製作中の曲がどう聴こえるかのチェックには、カーオーディオを使ってますね。信頼しています。

 

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↑対談は寺岡さんのプライベートスタジオで。旧知のお二人だけに終始なごやかな雰囲気

 

土地が育むグルーヴ

寺岡 プライベートではどんな曲を聴いていますか?

 

KAN

群馬県のライブ会場までひとりでクルマで行ったんですけど、道中何を聴こうかなと、ドナルド・フェイゲンとかのCDを持っていったんです。けど、結局きゃりーちゃん(きゃりーぱみゅぱみゅ)の「ピカピカふぁんたじん」ばっか聴いていました(笑)

 

寺岡 KANさんはよく海外にも行かれていますが、海外でのドライブ時に何か感じることってありますか?

 

KAN 例えばロサンゼルスに行ったとき――ラジオからウエストコースト・ロックが流れてくると「うおおおお!」って感じになるんですよね。それも昔から聴いていた曲だと。

 

寺岡 わかりますそれ! 音圧も違って聴こえますよね。

 

KAN なんかものすごくカッコイイな! と思いますね。知っている曲が、こんなにもカッコよく聴こえるというのはビックリしました。あれは現地の気候とか関係しているんだろうなぁ。

 

寺岡 その土地が育んだグルーヴってありますよね。ハワイでレンタカーを借りて乗っていたとき、ラジオからハワイアンがかかったときも、「あぁ~、やっぱり合う!」っていうことがありましたね。

 

 あの曲が作られた土地にいまいるんだ! という感動。KANさんいわく、「フランスのワインをフランスで飲んでも、普通に美味しいねと感じるだけなんだけど、音楽は違うんだよね」とのことです。そう考えると、思い出の曲を辿るドライブ旅も楽しそうですね!

 

音源は基本的にCD、それもお店で購入しますね(KAN)

寺岡 KANさんのなかで聴いていてベストなアルバムってありますか。リファレンスにしている1枚とか。

 

KAN それはいろいろありますよねー。ビートルズの初期のやつは無条件で楽しいし。でもいわゆるリファレンス的なものはないですね。例えばコンサートのとき、PAの方がセッティング時に必ず同じ曲をかける、ってあるじゃないですか。この曲、この歌が会場でどう聴こえるのかというチェックのためなんだけど、そういうのは僕にはないですね。

 

子どものころはレコードをカセットに落として、自分の部屋で聴いていたというKANさん。音質やオーディオに関してはあまり気にせず育ってきたそうです。好きな曲を、好きなように聴くという自由さがKANさん流なのでしょう。

 

寺岡 いまはCDもあれば、ハイレゾ音源、ストリーミングなどもありますが、よく聴く音源としてはCDが多いんですか?

 

KAN CDを、パッケージのやつを、お店で買います。どうしてもお店で手に入らないものはネットで買うこともあるけど。

 

寺岡 ハイレゾとかアナログとかに興味はありますか?

 

KAN 黙っていても時代は変わっていくだろうと考えているけど……。例えばビートルズのハイレゾリマスターが出たとして。いくら音質が良くなって、いままで聴き取れなかった音がわかるようになって、それはそれで面白いとは思うんだけど、ぼくは、当時彼らが作ったものが正しいと思いますね。まあファンとしてハイレゾも買うんだけれども。そういう考え方ですね。

 

寺岡 僕はハイレゾってけっこう好きで。わりとアナログに近い聴こえ方なんですよね。だからすごく受け入れてます。ところでストリーミングのサービスは使ったことないんですか?

 

KAN ラジオで、かけたい曲のCDがどうしても手に入らない時には使います、仕方なくね。

 

寺岡 僕はストリーミングの便利さに毒されているというか(笑)。新譜も含めてだいたい聴けちゃうんですよね。で、AmazonとかでCDを見ると「3000円って結構高いな」と感じちゃってきてるんです。近ごろはそういう価値観の人が増えてきているんでしょうけど、音楽を提供する側でありながらも、そう考えちゃうんですよね。

 

KAN 音楽に限らずだよね。それは時代の流れとして仕方ないよね。

 

寺岡 そのぶん、いままで聴いてこなかったジャンルの曲に接したりとか、誰かがオススメするプレイリストを流したらいいセンスだったりとか、驚きや発見もあるし、ライブラリー的な側面もあるし、そこは一長一短だなと思ってます。

 

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↑寺岡さんは愛車にパイオニア・サイバーナビのフラッグシップモデルを装着し、ハイレゾ音源を聴いたり、音楽ストリーミング機能「ミュージッククルーズチャンネル」を楽しんだり。クルマは音楽活動になくてはならない環境なのだとか

 

オーケストラを本格的にやりたい!(KAN)

寺岡 これからのKANさんのビジョンってありますか。

 

KAN 僕はいま55歳だけど、音楽家として、あと何年やれるかというのがありますね。肉体的に、あと10年やれているかどうかとか考えると……。ある日突然、大きい病気だと宣告されたらアウトじゃない。いまコンサートを3タイプやっていて。10年前だったら期間を空けてじっくり面白いものを作ろうという考え方だったけど、いまはただただ楽しいんだよね。だからコンサートを面白いを思っているうちにどんどんやっていかないと。それでやったことがないことにもどんどんチャレンジしていこうと。あとはフルオーケストラをちゃんとやりたいですよね。

 

寺岡 山本直純かKANさんか(笑)

 

KAN 過去に何度か、自分の曲をアレンジしてやらせてもらったこともあるんだけど、あの数の楽器で演奏しないとわからないものってあるんですよね。あとは……指揮者にもなりたい。あとはそうだな、オーケストラコントもやりたい(笑)

 

音楽ありコントありで楽しさいっぱいのKANさんのライブ。もしオーケストラの規模でKANさんが目指す“面白さ”を追求したとしたらどうなるのでしょうか。ぜひ見てみたいですね!

 

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↑55歳を迎え「あと何年音楽ができるだろうか」と考えることはあるものの、KANさんの音楽的探究心はまったく尽きることがありません!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイヤ整備不良率、2017年は増加傾向に

タイヤメーカーの団体である日本自動車タイヤ協会(JATMA)が2017年に行った路上タイヤ点検の結果をまとめた。高速道路会社や警察、運輸支局などの協力を得て12カ月間で36回の点検調査を行い、1600台の車両からデータを得ている。内訳は乗用車が1399台、貨物車が184台、特種車が17台で、点検場所別では高速道路405台、一般道1195台となっている。

その結果、1600台のうちタイヤ整備不良と判断されたのは314台となり、不良率は19.6%と2割に迫っている。’16年の調査では1669台のうち264台で不良率は15.4パーセントだったので、4パーセント以上も増えてしまったわけだ。

 

不良項目別では空気圧不足が233台(14.6パーセント)と最も多く、次いで偏摩耗が36台、溝不足が19台の順で、偏摩耗と溝不足は減少しているものの、空気圧不足が4パーセントほど増加しており、これが不良率悪化の要因となっている。空気圧チェックさえマメにやっていれば防げる空気圧不足だが、高速道路でも76台と少なくない。バーストや事故にもつながる空気圧不足だけに、その危険性をもっと知らせていく必要がありそうだ。

景気が悪いと溝不足が増えると言われるが、空気圧チェックも忙しかったりすると後回しになりがちだ。わずかな時間で済むことなので、危険な状況となる前にマメにチェックするように心がけたい。

【中年名車図鑑】リトラクタブル&Hマークで「ホンダの顔」を打ち出した3ドアハッチバック

1980年代は本田技研工業からスポーツスピリットあふれるモデルが数多くリリースされた時代だった。4輪車進出時の原点回帰、F1イメージの拡大展開――自動車マスコミは様々な賛辞をおくる。そんな最中の1985年、クイントが「インテグラ」のサブネームを付けて第2世代に移行した。今回は“DOHCロマン”のキャッチフレーズを冠して市場に放たれた小型スペシャルティの「クイント・インテグラ」で一席。

【Vol.61 ホンダ・クイント・インテグラ】

1982年は本田技研工業にとって記念すべき年となった。アメリカのオハイオ州に建設していた乗用車工場がついに稼動したのだ。米国でのホンダ車の人気はいっそう高まり、それと合わせて連結ベースの純利益は上昇の一途をたどる。この流れはクルマの開発体制にも波及し、やがて首脳陣は海外ユーザーの志向を踏まえた新型車の企画を推し進める方針を打ち出した。

 

■日米共同で進められた車両デザイン

1985年2月、シビックとアコードの間を埋めるファミリーカーのクイントがフルモデルチェンジを遂げる。車名はサブネームにインテグラ(INTEGRA)を付けて「クイント・インテグラ」と名乗った。インテグラの語源は英語のIntegrateで、「統合する」「完全にする」という意味。ホンダが持つハイテクノロジーをひとつに統合したクルマということで命名していた。このモデルはアメリカの上級ディーラーであるアキュラ(ACURA)ブランドからも販売する予定だったため、デザインの企画は日米共同で進められる。最も大きな特徴はフロントマスクで、スポーティなリトラクタブルヘッドライトにホンダの頭文字である“H”マークを中央にあしらっていた。この顔は1982年11月にデビューした2代目プレリュード、そしてインテグラ登場の約3ヵ月後に日本デビューを果たす3代目アコードにも採用される。80年代前半は「日本車はメーカーごとの顔がない」といわれていた時代。その打開策としてホンダの開発陣が企画したのが、リトラクタブルヘッドライト&Hマークだったのだ。

 

■スポーティな3ドアモデルから販売を開始

スペシャルティカーのテイストを盛り込んだクーペ風3ドアハッチバック。デビュー当初、全車1.6L直列4気筒DOHC16Vユニットを採用。“DOHCロマン”のキャッチフレーズを冠した

 

クイント・インテグラは、最初に3ドアハッチバックが市販に移される。ハッチバックとはいっても、ラップラウンドウィンドウ+ノッチデッキハイテールで構成したリアの処理はクーペのように流麗で、初代クイントのファミリーカー的なスタイルとは一線を画していた。当時の開発スタッフによると、「スペシャルティカーが好きなアメリカ人の志向を重視した結果で生まれたデザイン」だったという。

 

メカニズムはインテグラの車名の通り、当時のホンダの技術を結集=インテグレーテッドしたものだった。エンジンは全車にZC型1590cc直列4気筒DOHC16Vユニットを搭載し、上級グレードにはPGM-FIを名乗る最新の電子制御式燃料噴射装置を装着する。パワー&トルクはPGM-FI仕様で135ps/15.5kg・m、キャブレター仕様で115ps/13.8kg・mを発生した。組み合わせるトランスミッションには5速MTとロックアップ機構付3速ATを設定。フロアパンは新設計で、そこに3代目“ワンダー”シビックで定評のある前トーションバー・ストラット/後トレーリングリンク・ビーム式の“スポルテック(SPORTEC)サスペンション”をチューニングし直して組み込んだ。

 

インテリアについては、2450mmのロングホイールベースを活かした前後に長いキャビンスペースや可倒式リアシートを備えた利便性の高いラゲッジスペース(VDA方式で最大431L)などが訴求点となる。また、ラップラウンドスラント形状のインパネと低位置に配したメーターバイザーによって、広く明るい前方視界を確保していた。

 

 

■国内外で人気モデルに昇華

前後に長いキャビンスペース、可倒式リアシートを備えたラゲッジスペースが相まって、日常での使い勝手は良好。計器類を低い位置に配しており、前方視界は広かった

 

“DOHCロマン”のキャッチフレーズを冠して市場に放たれたクイント・インテグラは、とくに走りの面で高い評価を得た。シビックよりも落ち着いた挙動で、プレリュードと比べると軽快に走る。しかも、ZC型エンジン+PGM-FIのパワーユニットが爽快な加速を味わわせてくれたのだ。

 

この好評に呼応するように、クイント・インテグラは車種バリエーションを鋭意増やしていく。1985年10月にはロックアップ付き4速ATを用意。その1カ月後には実用性の高い5ドアハッチバックがラインアップに加わる。1986年10月には“セダン深呼吸”のキャッチを謳った4ドアセダンがデビューし、同時に1.5Lエンジン仕様(EW型1488cc直列4気筒OHC12V)の廉価版も設定された。1987年10月にはマイナーチェンジを実施。内外装の一部デザイン変更やZCエンジンの出力アップなどを行う。「最初はアメリカで人気のある3ドアのクーペスタイルを、その後で日本や欧州市場に向けた実用ボディを設定した」と、当時のホンダ・スタッフはその戦略を振り返った。

 

結果的にクイント・インテグラは世界の市場で受け入れられ、人気の定番モデルに発展する。そして、開発陣にとっては「ホンダ車はスポーティなイメージを内包すべき」という事実を再認識させる一台となり、それに倣って1989年4月にはよりスポーティに仕立てたうえで単独ネームとなった“カッコ インテグラ”こと次世代の「インテグラ」を市場に放ったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

最強のマセラティ・レヴァンテがデビュー!

マセラティは4月9日まで開催しているニューヨーク・ショーにおいて、レヴァンテのトップパフォーマンスモデルとなる「レヴァンテ・トロフェオ」を初公開した。

レヴァンテ・トロフェオには、590ps/730Nmを発揮するフェラーリ製の3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載。インテリジェント4WDシステム「Q4」によって全輪を駆動し、0-100km/h加速を3.9秒でこなす性能が与えられた。最高速は300km/hを超えるという。

走行モードは、標準のレヴァンテにも備わる「ノーマル」、「アイス」、「スポーツ」、「オフロード」に加えて、ローンチコントロール機能が備わる「コルサ」モードを設定。サーキットトラックなどにおいて、このハイスペックエンジンの魅力を引き出すことが可能となっている。

外観では前後バンパーやサイドスカートなどにカーボンを用いているほか、ボンネットにはエアアウトレットが設けられた。ホイールはマセラティ車で最大サイズとなる22インチの鍛造アルミを採用。マトリクスLEDライトの装備も特徴だ。

インテリアでもインパネを中心にカーボントリムを採用。メータークラスターやセンターパネルの時計、フロアマットなどはトロフェオ専用のアイテムとなる。

極上の鉄道旅に出かけよう!! JR九州「D&S列車」全11列車の魅力を完全解説!

風光明媚な球磨川を横に見ながら走るのはJR九州のD&S列車「かわせみ やませみ」。グリーンとブルーのメタリックボディがおしゃれで、車窓から川の景色を眺めつつ、のんびりと鉄道の旅が楽しめる。

D&Sとは「デザイン&ストーリー」という意味。デザインと物語がある列車で九州を楽しんでもらいたい、というJR九州の願いが込められている。現在、D&S列車は全部で11列車が運行されている。この全列車の紹介と、それぞれの魅力をチェックした。

↑九州を走るD&S列車は全部で11本。2018年4月現在、熊本地震や災害の影響で、経由路線などが変更されている列車があるので注意したい

 

①元祖D&S列車の特急「ゆふいんの森」

まずはJR九州を代表するD&S列車・特急「ゆふいんの森」から。

 

「ゆふいんの森」は国鉄が分割民営化されて間もない1989(平成元)年3月に運行が開始された。現在は博多駅〜由布院駅間を2往復(日によって異なる)が運行されている。JR九州が生まれ、専用車両を用意して走らせた最初の観光特急でもあり、D&S列車の元祖と言っていい。この「ゆふいんの森」の成功が、その後、九州各地を走る多くのD&S列車を生み出すきっかけとなった。

↑特急「ゆふいんの森」に使われるキハ71形気道車(JR九州では「形」としている。ただし形の読み方は「けい」)。沿線の風景がより楽しめるハイデッカー構造となっている

 

↑特急「ゆふいんの森」用に1999年に新造されたキハ72形気道車。当初は4両編成だったが、利用者が多いことから1両増結、5両編成で運転されている

 

車両は床が高いハイデッカー構造で、沿線の景色を高い座り位置から楽しめる。さらに、木が多用された車内、シートもクラシカルな造りとなっている。サロンスペースなど、自由に使えるスペースがあってより楽しめる。

 

もちろん、九州の代表的な温泉観光地、湯布院や別府と九州の表玄関、博多駅を直接結ぶという運転区間の魅力も見逃せない。

 

■特急「ゆふいんの森」

●運転区間:博多駅〜由布院駅(2018年夏頃までは小倉経由で運行、後に久留米経由に戻る予定)

●運転日:ゆふいんの森91号・92号はほぼ毎日、93号・94号は週末を中心に運行

●車両:キハ71形4両編成・キハ72形5両編成

 

②2017年春に誕生した特急「かわせみ やませみ」

D&S列車は毎日走る列車と、週末などを中心に走る列車の2つの運行パターンに分かれる。ここでは先に、毎日運行されている列車から見ていこう。

 

D&S列車のなかでも最も新しいのが、2017年3月に登場した特急「かわせみ やませみ」だ。運転区間は熊本駅〜人吉駅間で、八代駅〜人吉駅間は、ほぼ球磨川沿いを走る。

 

列車名は球磨川に生息する鳥の名前から名付けられた。2両編成中、1号車は「翡翠(かわせみ)」、2号車は「山翡翠(やませみ)」とネーミングも凝っている。

↑2両編成で走る特急「かわせみ やませみ」。人吉側が1号車でブルーの「翡翠(かわせみ)」。熊本側が2号車でグリーンの「山翡翠(やませみ)」とそれぞれ名付けられる

 

車両はキハ47形の改造車で、JR九州のほぼ全列車をデザインしている水戸岡鋭治氏が内外装を手がけた。魅力はこの車両の造りと、車窓に広がるダイナミックな球磨川の景色だ。車内には軽食などを販売するサービスコーナー(ビュッフェ)も設けられている。

 

■特急「かわせみ やませみ」

●運転区間:熊本駅〜人吉駅

●運転日・運転本数:毎日3往復

●車両:キハ47形2両編成

 

③肥薩線の山線を走る特急「いさぶろう・しんぺい」

肥薩線には「川線」区間と、「山線」区間がある。八代駅〜人吉駅間は球磨川沿いを走るので「川線」、人吉駅〜吉松駅間は山に分け入り、山を越える区間なので「山線」と呼ばれる。川線、山線の両区間を走るのが「いさぶろう・しんぺい」だ。

↑古代漆色に塗られた「いさぶろう・しんぺい」。車窓からは球磨川沿いを通る川線とともに山線の魅力が満喫できる

 

↑上空から見た肥薩線大畑駅(おこばえき)。吉松駅行きの場合、手前の線路から右側の駅ホームへ入線。出発後に、左側へ入り、さらにスイッチバックして上の線路を登って行く

 

「いさぶろう・しんぺい」とは、ユニークな特急名だが、肥薩線の開通当時(1909年)の逓信大臣の山縣伊三郎と、鉄道院総裁の後藤新平の名から付けられたものだ。吉松駅行き下りが「いさぶろう号」で、熊本駅行き(または人吉駅行き)上りが「しんぺい号」として運転される。

 

凝った特急名のほか、面白いのが沿線風景の移り変わりだろう。八代駅〜人吉駅間は球磨川を、人吉駅〜吉松駅間は山越えの楽しみが味わえる。山越えの区間には、貴重なスイッチバック駅が大畑駅と真幸駅(まさきえき)と2つにある。また大畑駅はぐるっと回って標高を稼ぐ、ループ線の途中にある駅でもある。さらに日本三大車窓に上げられる矢岳越えなど見どころが満載だ。

 

■特急「いさぶろう・しんぺい」

●運転区間:熊本駅(人吉駅)〜吉松駅

●運転日・運転本数:熊本駅〜吉松駅間、人吉駅〜吉松駅間をそれぞれ毎日1往復

●車両:キハ140形+キハ47形2両編成 *人吉駅〜吉松駅間は普通列車として運転

 

④鹿児島湾を眺めて走る特急「指宿のたまて箱」

鹿児島中央駅と温泉で知られる指宿(いぶすき)駅を結ぶのが、特急「指宿のたまて箱」だ。

 

浦島太郎の伝説が残るこの地方にちなんだ特急名で、駅に到着すると、たまて箱の煙のようにミストが車体から立ちのぼる。そんな凝った演出が楽しい。鹿児島湾の海景色が十分に楽しめるように、海側の座席は、海に向いて設置される。

↑鹿児島湾に沿って走る「指宿のたまて箱」。車体は海側が白、山側が黒という塗り分け。通常は2両で運行、写真のように増結される場合もある

 

■特急「指宿のたまて箱」

●運転区間:鹿児島中央駅〜指宿駅

●運転日・運転本数:毎日3往復

●車両:キハ47形2両編成

 

⑤前面展望が楽しめる特急「あそぼーい!」

熊本地震の影響で豊肥本線の一部区間が運休となり、別の路線で不定期運行されていた特急「あそぼーい!」。2018年3月のダイヤ改正以降、熊本県の阿蘇駅と大分県の別府駅を結ぶD&S列車として復活した。

 

この車両の特徴は前面展望が楽しめるパノラマシートが付くこと。加えて親子用の座席「白いくろちゃんシート」、子どもたちの遊び場に「木のプール」があるなど、親子連れでの利用を考えた造りとなっている。

↑前後にパノラマシートがあるキハ183系「あそぼーい!」。写真は熊本地震前に熊本駅〜宮地駅間を走っていたときのもの。現在は阿蘇駅〜別府駅間と運行区間が変更されている

 

↑横3列に並ぶパノラマシート。ゆったりした座席で、移り変わる前面展望が満喫できる。座席の背の部分や肘掛けなどに木が多用されている

 

■特急「あそぼーい!」

●運転区間:別府駅〜阿蘇駅

●運転日・運転本数:金・土・休日を中心に運行。1日1往復

●車両:キハ183系4両編成

 


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⑥広がる阿蘇の風景が楽しみな特急「九州横断特急」

「九州横断特急」は熊本地震が起こる前までは、名前の通り、九州を東西に横断した特急列車だった。現在は特急「あそぼーい!」と同じく別府駅〜阿蘇駅を結ぶ特急列車として運行されている。

 

運行日は「あそぼーい!」が運転されない日のみ。要は別府駅〜阿蘇駅間は、「あそぼーい!」、もしくは「九州横断特急」のどちらかが運行される形になっている。阿蘇駅近くの豊肥本線の車窓から見る阿蘇五岳の景色が素晴らしい。

↑国鉄が四国用に開発したキハ185系がJR九州に移り、活用されている。真っ赤な車体が特徴。車内も改造され、木が多用され落ち着いた造りになっている

 

■特急「九州横断特急」

●運転区間:別府駅〜阿蘇駅

●運転日・運転本数:平日を中心に運行(特急「あそぼーい!」の運行がない日)

●1日1往復/車両:キハ185系2両編成

 

⑦天草観光に便利な特急「A列車で行こう」

ジャズのスタンダード・ナンバーの名が付くD&S列車。“16世紀の天草に伝わった南蛮文化”をテーマにした内外装で、天井の造り、座席の模様、ステンドグラスなど細かい箇所の造りが凝っている。

 

A-TRAIN BARと名付けられたカウンターでは、熊本名物のデコポンをアレンジしたハイボールを販売、こちらも名物となっている。終着の三角(みすみ)駅の目の前にある港から、天草・本渡(ほんど)港行きの船「天草宝島ライン」が接続。天草観光にも最適なD&S列車だ。

↑三角線の沿線からは島原湾越しに雲仙を望むことができる。車両はキハ185系を改造したもの。2両で運転される

 

■特急「A列車で行こう」

●運転区間:熊本駅〜三角駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日3往復

●車両:キハ185系2両編成

 

⑧古い駅舎が残る肥薩線の名物特急「はやとの風」

鹿児島中央駅と肥薩線の吉松駅間を走る特急「はやとの風」。肥薩線の隼人駅〜吉松駅間は1903(明治36)年に造られた路線で、いまでも開業当時の駅舎が途中、嘉例川(かれいがわ)駅と大隅横川駅に残り、必見の価値がある。

 

登録有形文化財でもある両駅に同特急も停車。停車時間も4〜8分と余裕を持たせているので、写真撮影も可能だ。鹿児島湾越しに見る桜島の風景もまた美しい。

↑漆黒のボディが特徴の「はやとの風」。写真の嘉例川駅の駅舎は115年前に建てられたもの。各列車とも5分前後の停車時間があるので記念撮影も可能だ

 

■特急「はやとの風」

●運転区間:鹿児島中央駅〜隼人駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日2往復

●車両:キハ147形+キハ47形2両編成

 

⑨日南海岸の絶景が楽しめる特急「海幸山幸」

日豊本線の宮崎駅と日南線の南郷駅を結ぶD&S列車が「海幸山幸(うみさちやまさち)」だ。地元の神話に登場する海幸彦と山幸彦を元にした特急名で、沿線にはその名前の通り、海の幸、山の幸の宝庫でもある。

 

とくに車内から望む日南海岸の海景色が素晴らしい。沿線には城下町・飫肥(おび)や、景勝地・青島など観光地も多い。途中下車して南国、宮崎の観光も満喫するのも楽しい。

↑日南線を走る「海幸山幸」。沿線の油津港はクルーズ船の寄港地でもある。撮影時、ちょうど油津港には「飛鳥Ⅱ」が寄港していた。「飛鳥Ⅱ」は日本を代表する外航クルーズ船だ

 

↑車両は高千穂鉄道の元TR-400形気道車を使用。全面改造されて運行されている。写真は1号車「山幸」の車内。座席は3列シートで広々している

 

■特急「海幸山幸」

●運転区間:宮崎駅〜南郷駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日1往復

●車両:キハ125形2両編成

 

⑩現役最古の蒸気機関車8620形がひく「SL人吉」

最近は、各地でSL列車が増えているが、現役で最も古い蒸気機関車がJR九州の8620形58654号機。誕生したのは1922(大正11)年で、1975(昭和50)年まで活躍、その後、肥薩線の矢岳駅前の人吉鉄道記念館に保存されていた。この車両をJR九州が修復し、「SL人吉」の牽引機として活躍している。

 

「SL人吉」は、機関車だけでなく、客車も魅力満載。クラシカルな内装、前後1号車と3号車に展望ラウンジがあり、球磨川や移り行く景色が楽しめる。2号車にはビュッフェがあり、軽い食事やドリンク、グッズ類が販売されている。

↑1988(昭和63)年に復活された8620形58654号機。長い間、「SLあそBOY」の牽引機として走ったあと、再整備され2009年から「SL人吉」の牽引機として走り続けている

 

↑前後部とも全面ガラス窓の展望ラウンジに改造した50系客車を利用。広々した車窓風景が楽しめるとあって人気だ

 

■「SL人吉」

●運転区間:熊本駅〜人吉駅

●運転日・運転本数:金・土・休日を中心に運行(冬期は運行休止)。1日1往復

●車両:8620形58654号機+50系客車3両

 

⑪極上スイーツが車内で味わえる「或る列車」

鹿児島本線や長崎本線の一部は、1889(明治22)年に私設鉄道会社として生まれた九州鉄道の手により開業された。この九州鉄道が1906(明治39)年にアメリカのブリル社に豪華客車を発注した。九州鉄道は、その後、国有化されたため、ほとんど利用されず消えていった客車だが、豪華な客車は「或る列車」として後世に伝えられた。

 

この豪華な客車を再現したのが「或る列車」だ。金色と黒に塗られ、一部に唐草模様をあしらったユニークな外観が目立つ。車内では東京南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ、成澤由浩氏監修の軽食とスイーツが楽しめる。

↑外観は金色と黒、加えて唐草模様をあしらった「或る列車」。走るコースは固定されておらず、2018年6月末までは佐世保駅〜長崎駅間の予定

 

運行される路線は2018年6月末までは佐世保駅〜長崎駅間の「長崎コース」の予定。車窓に広がる大村湾の眺めも楽しみだ。

 

■「或る列車」

●運転区間:佐世保駅〜長崎駅(2018年6月末まで)

●運転日・運転本数:金・土・休日を中心に運行。1日1往復

●車両:キロシ47形2両編成

 

これまで見てきたようにJR九州のD&S列車は多種多彩。ただ車両と走る区間の楽しみだけに留まらない。各列車では客室乗務員が乗車し、各種サービスを行っている。記念撮影のお手伝いなど、細かい気配りが各列車で行われていることも、D&S列車の魅力をアップする大きなポイントとなっている。

スバルの新型フォレスターが発表

スバルはニューヨーク・ショー2018で新型「フォレスター」を初公開した。米国仕様は2018年秋に販売がスタート、グローバル最量産車種として今後、各国に順次導入されていく予定だ。

スバルの新世代プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用した新型のボディサイズは、全長4625×全幅1815×全高1730(ルーフレール込み)mmで、ホイールベースは2670mm。従来型の2リッターモデルと比べると15mm長く、20mm幅広くなった。ホイールベースは30mm拡大されたが、最小回転半径は従来型比+0.1mの5.4mにとどめている。

エクステリアはスバル共通のデザインフィロソフィーである「ダイナミック×ソリッド」に基づき、SUVらしい存在感や力強、機能性が表現された。インテリアは機能的かつ操作性に優れたレイアウトを実現し、インパネとコンソールを連続させることにより、SUVらしい力強さに加えてゆとりと開放感が表現された。

エンジンは182ps/239Nmを発揮する2.5リッター水平対向4気筒。従来の2.5リッターエンジンに対して約90%の部品を刷新するとともに直噴化を実施。力強く軽快なドライビングフィールを実現している。トランスミッションはリニアトロニックと呼ぶCVTで、駆動方式はスバル独自の4輪駆動システム「シンメトリカルAWD」だ。

滑りやすい路面などでエンジンやトランスミッション、ブレーキなどを最適に制御する「X-MODE」の搭載や、220mm確保された最低地上高、十分に確保されたアプローチ/ディパーチャーアングルなど、高い走破性が与えられている。

スバルで初採用されたのが「ドライバーモニタリングシステム」。これは乗員認識技術で、ドライバーの居眠りやわき見運転を検知する機能に加え、シートポジションやドアミラー角度、空調設定をドライバーごとに自動調整してくれる。全車に標準装備される運転支援システム「アイサイト」と合わせて、安全運転をサポートする。

ジャガーFペイスに最強バージョンが追加!

ジャガー・ランドローバーは3月27日、ジャガーFペイスのトップパフォーマンスモデルとなる「ジャガーFペイスSVR」を発表した。2018年夏に英国を皮切りに注文受付を開始する予定で、英国市場での価格は7万4835ポンド(約1118万円)となっている。

 

FタイプSVRクーペや同コンバーチブルなどと同様に、このモデルも同社のSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)によって開発。エンジンは550ps/680Nmを引き出す5リッターV8スーパーチャージャーで、8速ATを介して4輪を駆動。リアには電子制御式のディファレンシャルを搭載している。0-100km/h加速は4.3秒、最高速は283km/hを実現した。

エクステリアはSVRエアロダイナミックパッケージが採用され、優れた走りのパフォーマンスが表現されている。ホイールサイズは21インチが標準で、22インチをオプション設定する。

インテリアではサイドサポートを強化したパフォーマンスフロントシートや、スポーツステリアングホイールなどが特別なモデルであることを主張。10インチタッチスクリーンと12.3インチのメーターを組み合わせるインフォテイメントシステム「Touch Pro」は標準装備される。

日本初「911だらけのラリーイベント」開催。70年の節目に歴代ポルシェ911が70台エントリー!

1948年6月8日、はじめてポルシェの名を冠したスポーツモデル「356 “No.1” ロードスター」が誕生した。今年、2018年の6月8日はポルシェブランド誕生70年、人間でいえば古希にあたる記念すべき年だ。

この70周年を祝って、日本初の“911限定”ラリーイベント、「The Rally -Amazing Moment-」が開催される。日程は、6月2日(土曜日)~3日(日曜日)の2日間。東京~軽井沢間、往復約400kmをバラエティに富んだ新旧911が走り抜けるイベントだ。

6月2日は、クルマ好きの聖地として名高い「代官山T-SITE」からスタート。参加する911は、70周年にちなんで70台。軽井沢では、雄大な浅間山を背景にゆったりクルージングが楽しめる「鬼押ハイウェイ」、184か所のコーナーを擁する高速ワインディングの碓氷峠と、911のポテンシャルを存分に味わいつくせる様々なコースが用意されている。

初日の夜は「軽井沢マリオットホテル」でのディナーパーティだ。特別ゲストによるトークショーなど、昼と夜の両面から911の世界観をたっぷりと堪能できる仕掛け。そして、2日間にわたる400kmの旅のフィナーレは、東京・丸の内の「パレスホテル東京」で迎える。スタートからゴールまで一貫して、華やかな大人のラリーといった演出が施されている。

「The Rally -Amazing Moment-」へのエントリーは911ならば、空冷、水冷は問わない。1963年のデビュー以来100万台以上が生産されている911、どのモデルがエントリーしてくるのか気になるところだ。長年、ポルシェのオフィシャルフォトグラファーとして歴代911を撮影してきた、写真家・小川義文氏も参戦する。もしかすると、愛車との雄姿を写真に収めてもらえるかもしれない。911オーナーならば、エントリーを検討してみてはいかがだろうか。

 

写真:小川義文

 

【DATA】

大会名称:The Rally-Amazing Moment-
開催日程:平成30年6月2日(土)~6月3日(日)
募集台数:70台
参加規程:参加者はドライバー、コドライバーの2名1組
参加資格車両:ポルシェ911(水冷、空冷問わず)
参加料:1台(2名)23万円(税込み)
http://www.porsche.co.jp/dealers/aoyama/therally_2018/

 

【著者プロフィール】

citrus 編集部

citrus(シトラス)は各界の専門家が監修する「SNS配信型ウェブメディア」。「カジュアルに知性をアップデート」をコンセプトに、単なる一次ニュースではない、専門家ならでは視点・解釈をプラスした有益で信頼感のある情報をお届けします

ついにアウディA5のスポーツバックにもRSが

アウディは4月9日まで開催中のニューヨーク・ショーにおいて、新型「アウディRS5スポーツバック」を初公開。2018年後半より、米国とカナダを皮切りに発売される予定だ。

 

 

 

 

A5スポーツバック・シリーズにRS仕様が設定されるのは初となるが、この最新のRSモデルには、444ps/600Nmを発揮する2.9リッターV6ツインターボエンジンが搭載。0-60マイル(約97km/h)を3.9秒でこなす加速性能が与えられた。最高速は174マイル(約280km/h)だ。

 

 

トランスミッションは8速AT(ティプトロニック)で、クワトロシステムを介して4輪を駆動。前後駆動力配分は40:60が基本で、最大時はフロントに85%、リアに70%まで配分される。

 

 

サスペンションはS5スポーツバック用より0.3インチ(約7.6mm)ローダウン。RSモデルならではのダイナミックステアリングを組み合わせたRSスポーツサスペンションが搭載され、高水準のパフォーマンスに寄与している。ちなみにブレーキはセラミック製が標準だ。

 

 

内外装はすでに日本でも発売されている新型RS5クーぺに準じており、トップパフォーマンスモデルを実感させるスポーティで洗練された仕立てが特徴。エクステリアでは前後のバンパーや拡幅されたフェンダー、インテリアではナッパレザーのシートやRSステアリングホイールなどが目を引く。RS5クーペと同様に、アウディバーチャルコックピットが標準のメーターには、タイヤの空気圧やトルク、重力加速度なども表示可能となっている。

 

 

A5スポーツバックと変わらない実用性を備えているのもこのモデルの美点だ。3名乗車が可能な後席に加え、トランク容量は通常時で480Lを確保。40:20:40の分割

 

 

ベントレー・ベンテイガが「戦場」に?

米国コロラド州で開催される「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」レースに参戦するベントレーは、このほど出場するベンテイガとそのドライバーを明らかにした。

 

 

 

6月24日に開催される今年のパイクスピーク。ベントレーがヒルクライムレースに参戦するのはこれが初めてだ。ベンテイガのステアリングを握るのは、2012年と2015年に同レースで2度の栄冠に輝き、「キング・オブ・ザ・マウンテン」の異名を持つリース・ミレン選手(45)だ。

 

 

ミレン選手は英国の本社クルー工場を訪れ、参戦するベンテイガと対面。ベントレーの車両製作技術のレベルの高さに驚きながら「ベンテイガでのレースを本当に楽しみにしています。(ベンテイガなら)うまくいけばSUVの新記録が出せるかもしれない」とコメントしている。

 

 

パイクスピークに持ち込まれるベンテイガは、ラジウム・サテンと呼ぶ独特のボディカラーをまとう。600ps/900Nmを発揮するW型12気筒ツインターボエンジンやサスペンション、そしてピレリ製のタイヤは、レース規定により手を加えていないが、キャビンはフルロールケージやレーシングシート、消火器といったレース用エクイップメントで武装されている。さらにエキゾーストシステムは「コンチネンタルGT3-R」のそれを手がけた実績を持つアクラボビッチによって専用にカスタマイズされている。

 

 

 

日産の新型アルティマがNYデビュー

日産は3月28日に開幕したニューヨーク・ショーにおいて新型「アルティマ」を初公開した。新型アルティマは2019年モデルとして2018年秋より北米で販売が始まり、今後数年間で世界の多くの市場で発売する予定だ。

 

 

新型アルティマには、世界初の量産型2リッター直列4気筒可変圧縮比ターボエンジン「VCターボ」を搭載。V6ガソリンエンジンと並ぶ動力性能を発揮しながら、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現する。

 

 

このエンジンは、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることが可能となり、圧縮比は8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で自在に変えることができる。運転状況に応じてエンジンの制御ロジックは、自動的に最適な圧縮比を選択する。またこの技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減。騒音や振動レベルの低減など多くのメリットがあるうえ、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクト。ちなみに最高出力は248ps、最大トルクは321Nmだ。なおこの「VCターボ」エンジンは日本で生産されるという。

 

 

新型アルティマには、そのほかに188ps/244Nmを発揮する2.5リッター直列4気筒直噴エンジン搭載車も設定される。

 

米国北部のユーザーニーズに応えるため、4輪駆動システム「インテリジェント4×4」を同車で初めて採用した点も新型の特色だ。2.5リッターエンジンと組み合わされるインテリジェント4×4は、最先端のトルクスプリット制御システムを用いて、道路や走行条件に合わせて自動的にトルクを前後輪へ分配(100:0~50:50)。また、リミテッドスリップデフやヒルスタートアシストと連携して制御することで、坂道発進や悪路走行を含む幅広いシーンでドライバーに自信と運転する楽しさを提供する。

 

 

ボディサイズは先代に比べて全長と全幅が若干拡大された一方、全高は下げられた。スタイリングは2017年の北米国際自動車ショー(通称デトロイト・ショー)で初公開され、数々の賞を受賞したコンセプトカー「Vmotion 2.0」からインスピレーションを得ており、低重心でワイドなスタンスと、ダイナミックなプロポーションに仕上げられている。

 

そのほか、日本でもセレナやエクストレイルなどでおなじみの高速道路同一車線での自動運転技術「プロパイロット」や、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応し8インチマルチタッチカラーディスプレイを組み合わせる「NissanConnect」を全車に採用している。

 

 

 

アバルト595/595Cに限定のMTモデルが登場!

FCAジャパンは、「アバルト595/595Cツーリズモ」に、マニュアルトランスミッション(MT)を組み合わせた限定車「595/595CツーリズモMTリミテッド」を設定。2018年4月7日(土)より全国の正規ディーラーで販売を開始する。販売台数はトータルで150台限定となる。

 

 

 

595シリーズは、1リッターあたりの出力が100psを超える高出力エンジンやアバルトのエンジニアリング力を結集したボディおよびシャシーチューニングによりスポーティな走りを実現したモデル。その中で「595/595Cツーリズモ」は、長距離ツーリングからタウンユースに至るドライビングを快適に楽しめるツアラー的役割を担っている。今回の限定車は、そうしたベースモデルの魅力はそのままに、同モデルでは日本初となるMTの組み合わせを実現。同時にオープンボディ(595C)とMTの組み合わせを設定した点でも希少な存在となっている。

 

 

「595/595CツーリズモMTリミテッド」の見どころはトランスミッションだけではない。外装回りでは専用デザインの17インチ20スポークアルミホイールや、イエロー塗装を施したブレーキキャリパーにより足元をスタイリッシュに演出。さらに通常はリアのみに装着されるKONI製ショックアブソーバーをフロントにも採用。MT仕様に相応しいスポーティなハンドリングと快適な乗り心地を高次元で両立している。

 

 

また、ボディカラーには日本仕様の595で初導入となるトロフェオグレーを、595Cには洗練された雰囲気のガーラホワイトを採用。それぞれのモデルが持つ世界観を演出している。

 

 

 

595/595CツーリズモMTリミテッド 車両概要

 

販売台数:限定150台
ボディカラー及びハンドル位置別台数
・トロフェオグレー(595:右ハンドル:60台/左ハンドル:40台)
・ガーラホワイト(595C:右ハンドル:50台)
特別装備
・専用17インチ20スポークアルミホイール
・イエロー仕上げフロントブレーキキャリパー
・KONI製フロントショックアブソーバー
メーカー希望小売価格:
・595ツーリズモMTリミテッド:3,450,000円(税込)
・595CツーリズモMTリミテッド:3,760,000円(税込)

 

 

ポルシェが品質管理にARを活用

ポルシェがAR(拡張現実)を活用した品質管理を始めている。VR(バーチャルリアリティ=仮想現実)に対し、実在する空間や物体にバーチャル情報を重ねて表示できるARは、自動車の設計や品質管理にも活用できる面があり、ポルシェはこれを積極的に活用。テストを経て’18年中には生産工程にも組み込んでいく考えだ。

 

 

 

 

ライプツィヒ工場に設けられたAR設備「Inno-Space」では、部品などのCADデータをアプリで読み込み、タブレット端末などを用いて画像を重ね合わせることで傷や偏差、接合部の不具合などを素早く発見できるという。データベースとして世界中の拠点でその情報を共有することもでき、高精度かつ効率のいい品質管理が可能となる。また、こうした工程をネットワークでつなぐことで、サプライヤーの品質管理にも活用できるとしている。

 

 

ポルシェはARグラスを使ったサービス工場でのトラブル判定や、EVスポーツカー「ミッションE」の内部を透視するかのように視認できるARアプリを開発して実用化している。それをより進化させ、精度を高めたARの活用により品質管理の手法も変わってくることを示したInno-Spaceだが、こうしたAR活用が他メーカーに拡がっていく可能性は高い。品質確保に役立つのに加え、手間を省くことでコスト削減効果も期待できるだけに、さまざまな分野から注目されることになりそうだ。

 

 

 

キャデラックの新作SUV、XT4が発表

ゼネラルモーターズは3月27日、ニューヨークで新型車「キャデラックXT4」を初公開した。米国市場では2018年3月末から予約注文を受け付ける予定で、価格は3万5790ドル(約378万円)からと発表された。

 

 

 

XT4はXT5(日本名:XT5クロスオーバー)よりコンパクトなボディを持つSUVで、キャデラック・ブランドとしては初参入となるカテゴリーである。ボディサイズは全長4599×全幅1881×全高1627mmで、ホイールベースは2779mm。XT5と比べると全長で214mm、全幅で24mm、全高で49mm小さく、ホイールベースは79mm短い。

 

 

パワートレインは、237ps/350Nmを発揮する2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンに9速ATを組み合わせる。駆動方式はFFと4WDが設定される。このエンジンは気筒休止機構やアイドリングストップ機構が備わり、燃費は米国の複合モードで約9.6km/Lと発表された。

 

 

デザインはキャデラックの新しいY字型モチーフが採り入れられ、ヘッドライトのデザインなどでそれを確認することができる。ホイールサイズは18インチが標準で、20インチをオプション設定している。

 

 

インパネに8インチの高解像度スクリーンを備え、新デザインの3本スポークステアリングを装備するインテリアは居住性が追求されており、後席のレッグスペースは1004mm確保されたという。またコンパクトSUVとしては高水準といえる荷室容量は、後席シートバックを倒した最大時で1385Lが確保。そのほか、先進のインフォテイメントシステムや運転支援機能が採用された。

 

 

トリムレベルは「XT4ラグジュアリー」と上級版の「XT4プレミアム・ラグジュアリー」に加えてスポーティなルックスを追求した「XT4スポーツ」の3タイプがラインナップされる。

 

 

 

欧州メーカーの業績好調

欧州メーカーの業績が好調だ。別表でも分かる通り、’17年はドイツ、フランスの主要メーカーに加えてボルボも売上高、営業利益、純利益ともに増加。純利益は6社がすべて2ケタ増以上、世界販売も全社プラスとなり、マイナスの数字が全く見当たらない年となった。 販売台数世界一の座を守ったフォルクスワーゲングループ(VW)は売上高が約2307億ユーロまで伸び、1ユーロ=130円で換算すると30兆円に迫る。トヨタ自動車は’17年3月期の予想売上高を29兆円に上方修正しているが、それを上回った形だ。為替レートの影響もあるので単純に比べられないが、アメリカでのディーゼル排ガス不正で大きなマイナスを背負ったことを考えると、この増収は大きい。営業利益もほぼ倍増、純利益も2.2倍と絵に描いたようなV字回復を見せており、VWの底力を感じさせるに十分な数字だ。

 

 

 

 

ダイムラーグループも世界販売の増加にともなって増収増益となり、’16年はトラック部門の不振でマイナスとなっていたEBIT(利払い・税引き前利益)も回復。売上高および大きく伸びた純利益ともに過去最高を更新しており、SUVを始め、メルセデス・ベンツブランドの高価格車が好調だったことを物語る。

 

BMWグループは世界販売、売上高、利益ともに8年連続で過去最高を更新。ロールス・ロイスの販売は減少したものの、BMWブランド車とミニがそれをカバー。モデル末期の3シリーズは台数減となったものの、X3、5シリーズ、7シリーズに加えて1シリーズも好調で、グループ全体の底上げに貢献している。

 

フランスメーカーにも注目したい。PSAグループはオペル/ボクソールを傘下に収めたことで販売台数が大幅増。プジョー/シトロエン/DSの販売台数の伸びは2.6パーセント程度だったが、2ブランドが加わったことで15.1パーセント増の大幅増となり、当然のことながら売上高も2割増。営業利益、純利益ともに2ケタ増となり、欧州で台数を稼げる2ブランド買収が功を奏した形だ。

 

ルノーグループも世界販売台数が過去最高を更新し、売上高も2ケタ増。欧州での販売好調に加え、ロシアやウクライナなどユーラシア地域でセールスを伸ばしている。日本でもこのところ存在感を強めているルノーだが、新興国でもジワジワとシェアを広げている。小型車主体ゆえに売上高や利益の金額はドイツメーカーにおよばないものの、ブランド力を着実に強めている。

 

そして日本でも人気の高いボルボカーズは、販売台数はひとケタ少ないが、売上高は1SEK(スウェーデンクローナ)=13円で換算して約2兆7400億円と稼ぎは大きい。世界販売は年々伸びており、営業利益は3割増、純利益は4割増と、その勢いはドイツメーカー以上。’18年はXC40と新型V60シリーズの追加などでさらに伸びることが予想され、一段と存在感が増すはずだ。

 

こうして我が世の春を謳歌しているように見える欧州メーカーだが、ドイツメーカーおよびボルボはメインマーケットの中国経済の伸びの鈍化、フランスメーカーは主力としてきたディーゼル車の規制強化など、厳しい局面に立ち向かわざるを得ない面もある。’18年も中国や新興国を中心に新車販売の伸びは続くと思われるが、電動化に向けての開発投資、工場への投資など出ていくお金が増えるなかで、利益の確保は簡単ではない。興味深いニューモデルの登場も期待される’18年ではあるが、欧州メーカーはどう知恵を絞って時代の波に立ち向かっていくのか、今後も目が離せない状況が続くことは間違いないだろう。

 

 

 

新型トヨタRAV4がワールドデビュー!

トヨタは3月30日に開幕したニューヨーク・ショーにおいて新型「トヨタRAV4」の北米仕様を初公開。米国での発売は、2018年末頃(ハイブリッドは2019年初)が予定され、日本では2019年春頃を予定している。

 

 

 

初代RAV4は1994年に誕生。コンパクトクロスオーバーSUVのパイオニアとして、米国市場を中心にグローバルモデルとして展開。2017年末までに、米国では累計約318万台、グローバルでは累計約812万台のセールスを記録した実績を持つ。


5代目となる新型RAV4は、「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive」(SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD)を開発コンセプトに設定し、カスタマーの好奇心を刺激し、新たなライフスタイルを切り拓くきっかけとなるクルマを目指したという。

 

 

ボディサイズは全長4595×全幅1855×全高1700mmで、ホイールベースは2690mm。先代型との比較では、5mm短く、10mm幅広く、5mm低い。一方でホイールベースは30mm拡大された。

 

 

トヨタのクルマづくりの構造改革である「Toyota New Global Architecture(TNGA)」に基づく新プラットフォームの採用を通じて、ボディの高剛性化・低重心化を実現。パワートレインは2.5リッター直列4気筒直噴エンジンや8速AT、そして2.5リッターハイブリッドを設定。ガソリン車の上級グレードには新開発の4WDシステム「ダイナミックトルクベクトリング4WD」をトヨタで初めて採用。また、ハイブリッド車には「新型E-Four」を、こちらもトヨタで初めて採用している。

 

 

真の「SUVらしさ」を追求し、タフで力強いアクティブさを充実させるだけではなく、都会にもマッチする洗練されたデザインも重視されているのが新型の特徴だ。

 

トヨタの予防安全パッケージは新世代版の「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備している。

 

 

 

スマホで探して、QRで解錠!? 話題のシェアサイクル「メルチャリ」に乗ってきた【ナックルの挑戦状】

モノ系ライターのナックル末吉です。皆さん、「シェアサイクル」ってご存じでしょうか? 指定の駐輪場に置いてある自転車をレンタルして、走行後は系列の駐輪場であればどこに返却してもいいというアレです。

 

都内でもNTTドコモが同様のサービスを展開しているのでご存じの方も多いと思います。このシェアサイクルで、いま話題になっているサービスが福岡で開始。新しいモノ好きとしては、欲望を抑えることができず、早速乗ってきました。……というのは建前で、ホントは別の取材で福岡に行ったついでというのはショナイです。

↑全国に先駆けて福岡県でサービスが開始された「メルチャリ」

 

話題のシェアサイクルとは、あのフリマアプリで大人気を得ている「メルカリ」が運営する「メルチャリ」のこと。メルチャリは2018年2月27日に福岡県の博多、天神、ウォーターフロントエリアにて、全国に先駆けてサービスが開始されました。つまり、現在メルチャリに乗れるのは福岡だけ! ってことで福岡までやってきました。

↑やってきました博多駅! 果てしない夢を追い続ける人があとを絶たない福岡県の大都会

 

まずはメルチャリに乗るまでの道のり

道のり、といってもさほど難しいものではありません。フリマアプリ「メルカリ」を使ったことがある人ならわかると思いますが、メルカリはあの簡単さがヒットの理由。メルチャリもそれを踏襲していて、メルカリアカウントさえ持っていれば、専用アプリをインストールして即ジョイナス! 正直、「え、こんなに簡単なの?」というレベルです。

 

メルチャリアプリをインストールしたら、まずは肝心のメルチャリを探します。メルチャリは「ポート」と呼ばれる専用の駐輪場に置いてあり、ポートがどこにあるかはメルチャリアプリで確認可能です。

↑メルチャリアプリは、現時点ではiOSのみ対応。ポートの位置はマップ上に表示されます

 

↑黒いフチの丸の中に数字がありますが、この位置にポートがあり、数字は利用できるメルチャリの台数を表しています

 

↑数字が書かれたポートの位置まで来ると、ありました。会いたかったぜメルチャリ!

 

↑メルチャリの現物を確認したら、アプリの「鍵をあける」をタップすると……

 

↑QRコード読み取り画面が表示されるので、メルチャリのシート下にあるコードをスキャン!

 

↑QRコードの位置はココ

 

この解錠セレモニーを動画でご覧頂きましょう!

なんでも、メルチャリにはSIMが挿入されていて、スマホから送信されたQRコードを運営側が受信すると、データ通信を通じてメルチャリの解錠を自動で行うという機構とのこと。

 

「これがメルチャリだ!」ディテールをザックリとチェック

さて、無事にメルチャリをゲットできたということで、まずはメルチャリのディティールをチェックしてみます。

 

メルチャリは20インチの小径車で、スチール製のフレームを採用しています。電動アシストや折り畳み機能は非搭載。3段変速と幅広なサドルのおかげで乗り手の性別や体格問わず、ラクに乗れるのが特徴となっています。

↑これがメルチャリ。まだ新車の匂いが残っています

 

↑フレームには「merchari」のロゴ

 

↑シマノ製の3段変速グリップシフターを搭載。親指と人差し指でグリップ部をグリグリやると変速できます

 

↑ギアが内部に格納された内装変速機を採用。チェーンが外れる心配が少なく、停車時でもギアを変えられるナイスなヤツ

 

↑ヘッドライトはLEDのオートライトを採用。無灯火走行を防止するためにも合理的と言えます

 

↑これがメルチャリの心臓部。SIMが入ってるんだと!

 

↑返却時はこのレバーを下にさげるだけで施錠と返却処理が行われます

 

↑ゆがんだカゴ。まぁシェアサイクルなので、こういうこともありますね。むしろ健気さすら感じます

桜満開の博多の街をメルチャリで爆走してみた!

さて、メルチャリのディティールはチェックできたので、さっそく初ライドと洒落込みたいと思います。

↑メルチャリに初乗車。誰ですか「サーカスのクマ」とか言っている人は

 

初めて来た博多の街。博多駅から少し離れるだけで、そこら中に桜が咲いています。正直、この小径車では超高速で走れるわけもなく、街並みを眺めながら、ゆっくり走るにはメルチャリはジャストな自転車でしょう。筆者は弱虫なので、ゆっくりペダルをこぐのが好みです。決して筋肉に話しかけたり、超絶前傾姿勢などはしません!

↑オフィス街にある公園にて

 

↑すぐ近くにある別の公園にて

 

↑もちろんガジェクラの聖地も巡礼

 

↑大人の繁華街「中州」も桜が満開でした

 

春風が吹く街をゆるゆるサイクリングしましたが、もうサイコーでした。博多は坂道が少なく、飲食店やショッピングモールなどの都市機能が狭い範囲に凝縮されているため、自転車で走るに適している街だと改めて感じました。メルチャリがこの地区で最初に開始されたのも頷けます。

 

さて、博多サイクリングを満喫したところで、メルチャリを返却してみます。返却は、メルチャリ専用のポートであれば、どこでもOK。つまり、最初に借りたポートに返さなくてもいいのです。ただし、ポートが満車だと返却できないので、ポートの位置と返却可能かをアプリで確認します。

↑青い丸が表示されているポートは返却可能。レンタル開始からの経過時間も表示されます

 

↑ポートにメルチャリを停めて、鍵のレバーをおろせば返却完了。スマホに返却通知が届きます

 

↑利用履歴や料金はアプリにて確認できます

 

利用料金は1分間4円。支払いは、クレジットカード、コンビニ、ATMに対応しており、1か月ごとに請求される仕組みです。

 

まだまだ発展途上のサービス?

今回、初めてメルチャリを利用しましたが、料金は安いし便利だなと思う反面、いくつか疑問も残ります。

 

まず、最初にメルチャリを借りた際には、近くのポートに在庫がなく、在庫があるポートまで1kmぐらい歩かされました。メルチャリを移動手段として使いたいのに、借りるまでに歩かされては本末転倒かと。

↑博多駅周辺は軒並み在庫がゼロ。もしかしたら団体が借りていた可能性も否定できませんが……

 

今回の現象は極端な例かもしれませんが、乗りたいときに近くにないと、移動手段としてはアテにできないのがツラいところ。今後、台数やポート数を増やすとのことなので期待したいところです。

 

また、メルチャリには鍵が1つしかついていません。前述したとおり、シート下の鍵を掛けてしまうと、自動的に返却したことになってしまいます。例えば、メルチャリで爆走している最中に、お腹が減って博多ラーメンのバリカタが食べたくなり、ラーメン屋さんに立ち寄るとします。当然、シート下の鍵をかけるワケですが、ここで一旦、返却されたことになってしまいます。返却したということはほかの人に借りられちゃう可能性もあるのです。そうすると、見知らぬ土地で途方に暮れて、諦めたくなくてもそこで試合終了となってしまうワケです。

 

そもそも、ポート以外のところで施錠してしまうと、放置自転車として運営側に認識されるらしく、ほかのメルチャリユーザーに救出を求められます(ただし、運営側のトラックが回収に来ることもあります)。

↑ポート以外の場所で施錠(返却処理)をするとこのように表示されます

 

かといって、無施錠で駐輪するわけにもいかず、この状態を防ぐには自前でチェーンロックを持っていくなどの策を講じる必要がありそう。ただし、この手法は規約に違反する可能性もあるので、オススメできません。

 

メルチャリはレンタルサイクルというよりも、シェアサイクルなので、あくまでもポート間を移動するためのもの。しかし、それならば、ポートの数も自転車の数ももっと増やして、乗っては返してを繰り返して、食の街「博多」を堪能したいものだと思った食いしん坊の筆者なのでした。

日本仕様とは別モノな新型カローラハッチバックがNYデビュー

トヨタは3月30日に開幕するニューヨーク・ショーにおいて、新型「カローラハッチバック」(米国車名・米国仕様、日欧名オーリス)を初披露すると発表した。米国では「カローラiM」の後継モデルとして2018年夏に「カローラハッチバック」として発売する。また日本では2018年初夏から、トヨタカローラ店を通じて販売がスタートする予定だ。

カローラは1966年の日本での発売以降、50年以上にわたり進化を続け、世界で累計4500万台以上を販売した「グローバルベストセラーカー」。現在もトヨタの世界戦略車として、セダン、ハッチバック、ワゴンの各車型あわせて、グローバルで年間120万台以上を販売している。

新型カローラハッチバックのエクステリアは、スポーティさに磨きをかけるとともに、たくましさや力強さを付与。インテリアでは、シンプルかつ上質なデザインを実現。走行性能については、トヨタが進めるクルマづくりの構造改革「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」(TNGA)のもとで開発したプラットフォームや新型パワートレイン(2.0L Dynamic Force Engine、Direct Shift-CVT、6速MT)により、走りの基本性能や環境性能を大幅に向上させている。

新型カローラハッチバックのボディサイズは、全長4370×全幅1790×全高1435mm、ホイールベースは2640mm。現行型と比べて全長およびホイールベースは40mm、全幅は30mm拡大する一方で、全高は25mm低くなり、踏ん張り感のある低重心でワイドなシルエットを実現している。インテリアはすっきりとした上質さで感性に響く空間が追求された。デザインは従来のカローラのイメージを一新さるほどスポーティなものだ。

プラットフォームはTNGAのGA-C。上質な走りや乗り心地、静粛性、安全性能などの基本性能が大きく向上させている。そのほか、第2世代版へと進化した予防安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」や、8インチタッチスクリーンを組み合わせるマルチメディア&コネクティッド機能が採用されている。

このクルマは何でしょう? 時代に合わせて変わる「働くクルマ」のニューウェーブたち

こちらのトラック風の造りのオシャレなクルマ。果たしてその正体は?

正解は「バキュームカー」。本当? と思われた方も多いのではないだろうか。このように、いま、「働くクルマ」と呼ばれる各種の作業用車両が時代に合わせて徐々に変わり始めている。今回は、そんな変貌しつつある働くクルマの世界を見ていこう。

 

彩り鮮やか! 20種類からデザインが選べる新バキュームカー

冒頭のオシャレな造りのバキュームカーは、モリタエコノスが製造する「エコパネル式バキュームカーEP-2」だ。従来のバキュームカーのイメージを払拭したデザインが目を引く。3トン車をベースに利用し、タンクなどが積まれる荷台の後ろには「作業中」などの案内が表示される。

↑「エコパネル式バキュームカーEP-2」は約20種類以上の基本デザインを用意。鮮やかな色のバキュームカーが生み出されている

 

下水道の整備で減っているとはいえ、バキュームカーが活躍する地域はまだまだ多い。業界のイメージアップというポイントでも、オシャレなバキュームカーの登場は歓迎されている。

↑モリタエコノスでは、従来の姿をしたバキュームカーも製造販売している。脱臭装置が装着され、昔ほど臭いはきつくない

 

子どもたちにも大人気! カッコいいゴミ収集車

続いて、街中で出会う機会の多いゴミ収集車も、最新式のものはとてもカッコよくなっている。こちらもモリタエコノスが製造販売するゴミ収集車(回転式塵芥収集車)で、ニックネームは「パックマスター」。何ともオシャレな名前である。このゴミ収集車、2014年のグッドデザイン賞にも輝いた。

↑「パックマスター」と名付けられた最新式のゴミ収集車。後部の視認性を高めるためにブレーキランプや方向指示器を上部に、さらに「作業中」の案内が表示される

 

さらにモリタエコノスでは、家具や家電などの粗大ゴミの回収にも対応した「プレスマスターPA7型」(プレス式塵芥収集車)を登場させた。

↑モリタエコノスの「プレスマスター」。ボディはリブ形状を採用し、ランプ部分などのデザインを際立たせた外観で、ここまでオシャレになったかと感心させられる

 

このプレスマスターは2017年度、世界三大デザイン賞とされるドイツの「iFデザイン賞」を受賞した。また、デザインだけでなく、ゴミの投入口の扉も片手で操作できるなど、使い勝手も改良され、安全への配慮も怠りない。

 

環境にやさしい!オシャレな配達用EVカー

関東地方ではあまり見かけないが、西日本での普及が目立つ個性的な配達用EVカーがある。トヨタ車体が製造販売する1人乗り超小型EV「コムス」だ。4輪ではあるが、第一種原動機付自転車にあたる車両で、車検・車庫証明は不要(ナンバー取得は必要)。原付だが、バイクとは異なりヘルメットは必要ない。それでいて最高時速は60kmとなかなかのものだ。

↑愛媛県松山市内を走る「コムス」。カラーバリエーションは7色。普通運転免許で運転可能で、ドアは付いていないが、覆い(キャンバスドア)を付ければ冬も走ることができる

 

価格は60万円〜80万円とちょっとお高めな印象はあるが、補助金制度(申請が必要、3〜4年間所有することが必要などの制約はある)があり、購入の際には幾分かは手助けとなる。

 

このコムス、実は2012年から販売開始とそれなりに発売から時間がたっている。販売開始当時はなかなか浸透しなかったが、大手コンビニチェーンや各地の自治体、工場の作業用、またカーシェアリング用になど、導入例が増えつつある。

発売5か月で急速に普及! 22年ぶりのタクシー専用車「ジャパンタクシー」

街中で見かけるだけでなく、もうすでに実際に乗った方も多いかもしれないが、タクシー業界では「トヨタ・ジャパンタクシー」が旋風を巻き起こしている。2017年10月から発売されたこちらのジャパンタクシーは、22年ぶりのタクシー専用車として開発された。販売開始して半年たたないうちに、街中でかなり多く見かけるようになっている。

 

22年間、業界がタクシー専用車両を造ってこなかった理由は“商売にならない”ということだった。だが、タクシーとしてしっかり使えるクルマであれば、販売ベースにのることができることを、このジャパンタクシーの成功例は物語っていると言えるだろう。

↑東京都内を走る「トヨタ・ジャパンタクシー」。販売されてまだ半年とたっていないのにも関わらず、その普及ぶりには目を見張るものがある

 

ジャパンタクシーの特徴は、見てのとおりロンドンタクシーを思わせる車高の高いボディにある。左後部のドアはスライドドア。ドライバーは、従来のセダンタイプのタクシーに比べて、ガードレールなどの道路わきの障害物に気をつかうことなくドアの開け閉めができる。さらに乗客は、乗用車のように乗車時に身体をかがめることなく、ラクに乗車できる。車内も広く快適だ。

 

ジャパンタクシーのグレードは「匠(上級グレード)」と「和(標準グレード)」の2種類。両車両とも350万円以内と、営業車両としては取得しやすい金額ではないだろうか。19.4km/ℓと燃費もなかなかのもの。このように利点が多く、今後、2020年のオリンピック開催に向けて、さらに普及の度合いが高まるものと思われる。

↑「ジャパンタクシー」とともに最近は燃費の良い小型タクシーが増えている。写真は「トヨタ・シエンタ」のタクシー。この車両もスライドドアでラクに乗り降りできる

 

消防車にも見られる新しい動き

消防車の艤装では国内最大手のモリタ。同社が造る消防車にも新たな傾向が見られる。これまでの消防車はトラックベースの車両が多かった。モリタの新型はしご車には、MHシャシーという低床のバスベースのシャシーが使われている。

 

↑モリタの「MLL30m級はしご車」。4WS装置を搭載、前輪だけでなく、1番後ろのタイヤもハンドルにあわせて左右に動く。最小回転半径7.2mを実現している

 

このはしご車は低床タイプで、フロアと地面の距離をより近くしている。乗り降りしやすい構造となっているわけだ。バスベースということもあり、室内はこれまでのはしご車に比べて広く、開放的な造り。消防隊員は出動する際に消防服を身につけ、重い装備品などを持って活動するため、乗り降りしやすく、キャビンが少しでも広ければ、それだけ隊員の負担減につながる。

 

次にご紹介するのは、モリタの「MVF(MORITA VARIOUS FIGHTER)」。13mのブームが付く多目的消防ポンプ車で、消防活動の中心になって働くポンプ車として、また、高所作業車および高所放水車として使える構造となっている。さらにCAFSといわれる泡を放出することも可能で、少ない水で効率的な消火活動を行うことができる便利な消防車だ。

↑モリタの「MVF」(13mブーム付多目的消防ポンプ自動車)。ポンプ車と高所作業車、高所放水車の機能を兼ね備えた消防車で、道路が狭い住宅密集地などで活躍する

 

消防車は小型のポンプ車でも1台およそ3000万円と高価な買い物だ。消防車を用意しなければいけない自治体にとっても負担が大きく、そう頻繁に買い替えられるものではない。MVFのように何役にも使える便利な消防車は、高額な出費を余儀なくされる自治体にとって、まさに“ありがたい車両”と言えそうだ。

 

農業機械の世界も大きく変わろうとしている

農業機械の中心になり活躍するトラクター。このトラクターがファッショナブルに変わりつつある。端緒となったのが、2015年に発表されたヤンマーのトラクターYTシリーズだ。デザインを担当したのは、工業デザイナーとして著名な奥山清行氏。赤い車体に、オシャレなフロントデザイン。これまでにない斬新なデザインをトラクターに施した。 運転席のあるキャビンは広々としており、フロントガラス、サイドガラスは継ぎ目がなく、360度の視界が確保されている。

↑ヤンマーYTシリーズのYT5101/2113(DELTA CRAWLWER)。同車両は後輪がクローラーになっていて、湿田や雨上がりの軟弱な農耕地の作業で威力を発揮する

 

農業機械の変化はトラクターにとどまらない。ヤンマーの田植機は次の写真のように変貌している。こうした働くクルマの分野も、オシャレが当たり前という時代がすでにやってきているようだ。

↑ヤンマーの田植機YRシリーズ。最新の田植機はこの車両のように、スポーツカーのようなおしゃれなフロントグリルが装着される。こちらの田植機も奥山清行氏によるデザインだ

 

↑進化する働くクルマは、子どもたちにも大人気のようだ。こちらは筆者が最近、制作に携わったもの。「DVDつき最強はたらくクルマパーフェクトずかん」(学研プラス/本体価格1300円・税別/2018年2月発売)

 

ダイムラーと中国BYDによる「DENZA」の最新作、その実力は?

3月26日、ダイムラーと中国BYDの合弁会社「シンセンデンザニューエナジーオートモーティブ(DENZAオート)」は、中国市場向けに新しい電気自動車「DENZA 500」を発売した。

DENZAブランドはダイムラーの車両アーキテクチャーとBYDの最先端バッテリーテクノロジーを融合させ、地元シンセンで生産される。

DENZA500は、従来型となるDENZA400の後継にあたる5ドアハッチバックモデル。新しいバッテリーを採用したほか、ボディの軽量化によって約500kmの航続距離を誇る。車両の開発にあたっては、マイナス40度の厳しい環境を含むテストも含まれたとのことで、高い信頼性が期待できる。

また、インテリアには9インチのタッチスクリーンを組み合わせ、スマートフォンのアプリケーションや接続サービスが提供されることによって中国国内11万2000カ所の充電スポットを簡単に探し出せるという。

 

車両の詳細スペックは未発表だが、中国においてもEV市場が活発化していることがうかがえる。

無賃乗車が減らないから? 治安も公共マナーもいい日本で「信用乗車」が普及しない理由

日本で鉄道を利用するとき、都市部のJRや大手私鉄、地下鉄では乗車券を改札口で確認し、地方のローカル線や路面電車ではバスのように運転士などの乗務員が確認する方法が一般的だ。

ところが欧米の大都市を走る鉄道には改札口がなく、車内で乗務員がチェックもしないパターンがある。でもほとんどの利用者は正規の料金を支払って乗っているという、日本の鉄道に慣れた人が見れば不思議な光景を目にする。

 

この方式、「信用乗車」と呼ばれることが多い。利用者が運賃を支払って乗車していると鉄道会社が信用することから、この名がついたようだ。他にも呼び名があるようだが、ここではもっともよく使われている信用乗車で統一する。

 

信用乗車のメリットは何か。もっとも大きいのは都市部の電車がそうであるように、複数のドアで乗り降りできることだ。乗車時あるいは降車時に乗務員が乗車券を確認する方式では、乗り降りするドアが限定されるので混雑時に時間が掛かり、遅れの原因になる。

福井鉄道の降車扉は運転士脇の1か所だけに限られている

 

そういえば近年、長くてドアの数が多いLRT(日本では次世代型路面電車システムと訳される)の車両を、欧米などで見ることが多くなった。日本でも広島電鉄や福井鉄道で、全長30m前後という長い車両が走っている。いずれも信用乗車前提で設計されたのだろう。ところが日本では、どちらも片側に4か所のドアを持つのに、福井鉄道では降車扉は運転士脇の1か所だけ。広島電鉄は国内外の多くのLRT車両がワンマン運転となる中、車掌が乗務することで複数のドアから降りることを可能としているが、それでも4か所中2か所だ。

広島電鉄は車掌を乗務させることで複数扉降車を実現している

 

■なぜ富山ライトレールは全扉降車を認めているのか?

これでは本来の機能を使い切ってない。そう考える鉄道事業者が日本にもあった。先週のダイヤ改正のコラムでも紹介した富山ライトレールだ。開業した2006年から平日朝のラッシュ時に限り、ICカードのみ全扉での降車を認めていて(同社では信用降車と呼んでいる)、昨年10月からはこれを全日全時間帯に拡大したのだ。

富山ライトレールは2017年10月から、すべての時間帯でICカード利用の全扉降車を認めている

 

1月に富山でセミナーの仕事があったので、約1年ぶりに富山ライトレールに乗りに行った。週末の昼間という、さほど混雑していない時間帯ではあったが、多くの乗客が当然のように後ろ側のドアから降りていく。日頃からLRTに親しんでいる富山市民だけあって定着率は高そうだった。乗務員の目の届かない場所で乗り降りできるので、理論上は無賃乗車も可能だ。しかし他の乗客の目があるし、顔見知りの人も多く利用しているだろうから、実際には難しいだろう。実際大きな問題にはなっていないようだ。

 

では欧州ではどうなのか。前述のように多くのLRTで全扉での乗降が可能。扉付近に端末を取り付けてあり、切符の場合は乗車時に挿入、ICカードの場合はタッチすることで運賃を支払うパターンが多いが、ドイツのベルリンやフランクフルトは地下鉄も信用乗車方式で、改札はおろか車内の端末もない。

 

もちろん彼らは無賃乗車がないとは考えてはいない。そのために欧米では罰金を厳しくすることで対応している。不定期で乗車券の確認を行う係員が乗車し乗車券をチェック。カードの場合も係員が持つ端末で瞬時に分かるとのことだ。以前利用したフランクフルトのLRT車内には60ユーロと、最大で通常の乗車券の約20倍にも相当する罰金を徴収すると明記してあった。

 

実はここに日本での信用乗車導入が進まない理由のひとつがある。日本の法律では無賃乗車に対する罰金は乗車券の2倍以内と定められているからだ。つまり富山ライトレールの場合は340円(カード利用時)となる。自動車で交通違反をした際に支払う反則金と比べると、驚くほど少額だ。

 

日本ではローカル線のワンマン車両も同様の乗降方式を用いているけれど、長い車両に2〜3駅だけ乗る場合など、走行中に後方から前方に移動しなければならず不便だし、運転士が多くの業務を担当する様子は大変に思える。早急に信用乗車を前提とした法整備をすべきではないだろうか。

 

【著者プロフィール】

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

フォルクスワーゲン・ゴルフにマイクロハイブリッド仕様が登場

フォルクスワーゲンはこのほど、1.5リッター直4ターボエンジンにモーターを組み合わせたマイクロハイブリッドパワートレイン「1.5 TSI ACT BlueMotion」を現行型のゴルフに搭載したと発表した。

1.5リッター直4ターボエンジンは、高性能スポーツカーに搭載するターボチャージャー「VTG(ヴァリアブル・タービン・ジオメトリー)」を採用、130psを発揮する。トランスミッションは7速デュアルクラッチのDSGを組み合わせる。

その一方で、130km/hまでの車速、1400〜4000rpmまでの回転域で作動する気筒休止機構(2気筒モード)や、12V電装システムを組み合わせることにより、複合モードで20.8km/L、高速モードで24.3km/Lの欧州モード燃費を実現している。

12V電装システムは48Vシステムより小規模なシステムで、コンパクトなリチウムイオンバッテリーと組み合わされる。アイドリングストップ時など、エンジンが停止しているときに電装パーツの電力を供給する役割も担う。

今後、この新しいパワートレインは、フォルクスワーゲンの他のモデルにも搭載されていく見通しだ。

盗難台数ワースト1は「プリウス」、盗難率では断トツ「ランクル」。愛車を盗難から守る方法は意外にアナログかもしれない…

イモビライザーをはじめとする各種盗難防止装置の普及や、警察の啓発活動などにより、ひところに比べると自動車盗難は大幅に減少している。警察庁による自動車盗難件数(認知件数)を見ても、2008年の27668件から2017年の10213件まで、この10年間で1/3近くにまで減っている。(ちなみに2004年には6万件超もの車両盗難が発生していた) とはいえ、いまだに1日約30台の車が盗難に遭っている計算になる。また、自動車盗難が起こりやすい地域もかなり特定されているというから興味深い。

■全国ワースト10都道府県で、全体の8割

以下は、警察庁発表の都道府県別の盗難件数である。2016年も2017年も上位7位までの順位は変わっていない。驚くのは、ワースト10までの合計盗難件数で全体の約8割を占めているということだ。自動車窃盗団は盗んだ車を秘密のヤードで解体し、海外に「輸出」するそうだから、見つかりにくいヤードが確保でき、港が近いエリアが車両窃盗に好都合なのかもしれない。

■盗難車で多いのは?

かつて盗難されやすい車種と言えば、ハイエースやランドクルーザーが常連だった。筆者の知人も、車3台をタテに停めている自宅駐車場で、一番奥にもちろん施錠した状態で停めていたランドクルーザー「だけ」が盗まれた経験を持つ者もいる。現在はどうだろうか?以下は一般社団法人日本損害保険協会が2000年から毎年11月に調査をしている自動車盗難事故実態調査の結果である。(なお、こちらの数字は自動車盗難件数ではなく、損保会社が盗難に対して保険金を支払ったケースのみが対象)

 

こちらの調査ではプリウスが4年連続でワースト1となっている。ランドクルーザー、ハイエースも相変わらず上位だ。

そして以下は、警察庁発表の車種別盗難台数及び盗難率である。2016年および2017年中における自動車盗難データを関連資料から抽出し、盗難台数が多い5車種について算出したものだ。

 

【車種別の盗難台数及び盗難率】

カッコ内は盗難率(千台比)

2016年     2017年

トヨタ プリウス:1,058(0.6)  986(0.5)

トヨタ ハイエース(レジアス含む) 1,391(1.7)  878(1.1)

トヨタ ランドクルーザー:510(2.3) 478(2.2)

いすゞ エルフ:377(0.5)     289(0.4)

スズキ キャリィ:269(0.1)

 

※損保と警察庁で1位が異なるのは、損保は保険金を支払った事案でカウント、警察庁は盗難の認知台数でカウントしているため。

 

2016年の盗難台数としてはハイエースが1位、プリウスが2位となっているが2017年では逆転してプリウスが1位となっている。しかし、驚くのは3位のランドクルーザーで、盗難率が群を抜いている。1000台当たり2台以上が盗難に遭っている計算でこれはなかなか高比率。プリウスはそもそも保有台数が多いので数字は多いが、盗難台数の比率は1000台あたり0.5-0.6台。ランドクルーザーはその4倍となる。

■盗難に遭わないようにするにはどうしたらいいのか?

まず、「キーを付けたままで車から離れない」ということがまずは重要だ。当たり前と言われればそれまでだが、いまだに自動車盗難件数の4分の1は「キーあり」盗難である。コンビニの駐車場など、エンジンをかけたままで車から離れるドライバーも後を絶たない。スペアキーをバンパーの裏や車体下に貼り付けるのも絶対NG。家の中でも安心できない。夜中に玄関のカギを開け、玄関の上に置いてあるキーを使って盗んでいく手口も少なくない。車のガラスを割ってトランクのシリンダーを抜いてその場でキーを複製という方法も健在だ。

 

盗難防止装置で武装すれば対策は万全か?というと実は最近はそうでもないらしい。車と鍵のIDを一致させてエンジンをかける防犯システム「イモビライザー」の普及で車両盗難は大幅に減ったものの、近年は新しい手口が広まりつつある。「キープログラマー」と言われるネット通販でも簡単に入手できる手のひらサイズの機器を使う手口だ。本来は車の整備や合鍵を作る際に使うものだが、これを悪用してイモビライザーを解除し、IDを書き換えたりして盗んでいくとのこと。イモビライザーの解除に特化した「車両窃盗仕様」も闇ルートでは流通しているとか。

 

さらに、スマートキーを「電波ジャック」する手口も報告されている。これは、車から発せられる微弱な電波を増幅させて離れた場所のキーと車を照合させてロック解除をする方法である。

 

最新の防犯システムをもってしても盗まれてしまう…。窃盗団のターゲットになりそうな車は、防犯シャッター付きの車庫にいれ車両保険はもちろんつける。屋外駐車場に置いている場合はワイパーに挟まれたチラシをマメに排除する。このチラシ(車の高価買取をうたうような内容が多いらしい)は、窃盗団が挟んでいくケースも多い。チラシが長期間挟まれたままだと、オーナーが車にあまり乗らない「盗みやすい車」として狙われるので、チラシはマメに排除し、あまり乗らない時期も週に1度は車を動かし、洗車をすることも有効かもしれない。

 

なお、車両保険に入っていても鍵がついていたり、ドアロックをしていなかったりユーザー側に少しでも過失があると保険金が支払われない場合もあるので要注意だ。

 

【著者プロフィール】

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

新型フォルクスワーゲン・トゥアレグがデビュー

フォルクスワーゲンは3月23日、中国・北京でフルモデルチェンジを受けた新型「トゥアレグ」を発表した。

3代目となったトゥアレグのボディサイズは全長4878×全幅1984×全高1702mm、ホイールベースは2894mm。従来型と比べて全長は約60mm、全幅が約40mm拡大されたことに伴い、キャビン空間が広くなった。一方でホイールベースは約10mm縮小し、全高は約40mm低くなっている。拡大されたボディは荷室スペースの拡大にも充てられた。荷室容量は後席使用時で従来型の697Lから810Lとなった。

ボディはアルミとスチールのハイブリッドで、従来型より最大で106kgの軽量化を実施。アルミはボディ全体の48%を占めるという。

エンジンは231ps仕様と286ps仕様の2種類のV6ディーゼルを皮切りに、追って340psのV6ガソリンと、421psのV8ディーゼルが搭載される。さらにシステム出力367psのプラグインハイブリッドも搭載される見通しだ。後輪操舵システムの採用もニュースのひとつだ。

ワイド&ローフォルムとなった新型のエクステリアは、大型化されたフロントグリルを装着するマスクが特徴的。前後のLEDライトはシャープな造形で、先進的なイメージを強調。イノベーション・コックピットと呼ぶデジタル化の進んだインパネは上質感が高く、高い快適性を予感させるデザインでまとめられている。

ナイトビジョンアシスタンスシステムや、半自動でステアリング操作をサポートするロードワークレーンアシストといった運転支援システムや、インフォテイメントシステムはVW最新の機能や技術が用いられた。

ボルボ初のプレミアムコンパクトSUV、「XC40」が日本上陸!

ボルボ・カー・ジャパンは3月28日(水)、同ブランドのコンセプトストアである東京港区のボルボスタジオ青山において、同ブランド初のプレミアムコンパクトSUVとなる「新型XC40」を国内初披露。そのアンベールとともに登壇したボルボ・カー・ジャパンの木村隆之代表取締役社長は、ここ数年でのSUV市場の伸長ぶりやカジュアルな都市型コンパクトSUVモデルの優位性について述べるとともに、新型XC40のモデルラインナップおよび価格、同日からの発売を発表した。

 

 

また、このプレスカンファレンスのためにチーフデザイナーのマクシミリアン・ミッソーニ氏も来日。刺激に満ちた都市の生活を反映したというデザインや力強いプロポーションがもたらすSUVらしい存在感、細部にまでこだわったスポーティーでカジュアルなスタイリングを強調。特にフロントでは、新世代ボルボのアイコンである北欧神話の「トールハンマー」をモチーフとしたT字形LEDヘッドライトや、力強く張り出したフロントグリル、立体的な造形のフロントバンパーを採用することでタフなイメージを表現。一方、リアセクションには、ボディサイドに回り込むL字型のLEDテールライトでワイドさを強調すると同時に、大きく張り出したルーフエンドスポイラーでスポーティーさを演出。インテリアはスマートフォンやタブレット、バッグ、ティッシュボックス等が置けるよう、インテリアデザインを最適化。スマートフォンを置くだけで充電できる「ワイヤレス・スマートフォン・チャージ」の採用や、グローブボックスにバッグなどが掛けられるリトラクタブルフックを追加。低音用スピーカーをダッシュボード側に移動することで、大型のペットボトルとノートPCも収納できる大容量ドアポケットを創出するなど、日常生活での使いやすさを追求している。

 

 

新開発プラットフォーム「CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)」に搭載されるパワートレインは、2.0リッター直列4気筒直噴ターボと8速ATの組み合わせで、上位モデルの「T5」が最高出力252psと最大トルク350Nmを発揮する高出力版のフルタイム4WD仕様で、190ps/300Nmのスタンダード版エンジンを積む「T4」にはFF仕様も用意される。加えて、90シリーズやXC60とほぼ同等となる16種類以上の先進安全・運転支援技術「インテリセーフ」を標準装備するほか、新機能として「オートブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)」も採用。これは、駐車スペースから後退して出庫する際、リアバンパーに内蔵されたミリ波レーダーによって接近する車両を検知し、警告音でドライバーに知らせるとともに、必要に応じてオートブレーキを作動させ、衝突の回避または衝突被害の軽減を図る。

 

 

 

車両本体価格は、XC40 T4の3,890,000円からXC40 T5 AWD Inscriptionの5,490,000円までとなり、デリバリーは2018年第2四半期以降の予定とのこと。なお、1月下旬から先行予約を受け付けた限定300台のXC40 T5 R-Design 1st Edition(5,590,000円)はすでに完売とのこと。

ボルボ・カー・ジャパン https://www.volvocars.com/jp

 

最新の北欧デザインはこうして作られる――ボルボ・チーフデザイナーが考える「XC40」と新しい小型車のカタチ

新型XC90/60シリーズに引き続き、待望のコンパクトSUVとして日本での発売が開始されたXC40シリーズ。小型専用のモジュールアーキテクチャーである「CMA」を採用し、同社のコンパクトセグメントの先駆けとして、大きな期待が寄せられています。そのタイミングに合わせてエクステリアデザイン部門のチーフであり、バイスプレジデントでもあるマクシミリアン・ミッソーニ氏が来日。このチャンスを生かすべく、XC40のデザインについて直撃インタビューを慣行。Q&A形式で紹介していきます。

PROFILE

マクシミリアン・ミッソーニ(Maximilian Missoni)

1979年生まれ、オーストリア出身。フォルクスワーゲン・エクステリアデザイナーを経て、2012年にボルボ・カーズ入社。エクステリアデザイン部門のチーフに就任し、2014年よりボルボ・カー・グループのエクステリアデザイン部門バイスプレジデントを務める。現在、開発中のすべてのボルボ、およびポールスターのエクステリアデザインにおける統括業務を担当。

 

 

世界に通用するグローバルデザインを具現化

 

Q:XC40は日本の道路事情にマッチしたサイズですが、アジア市場を狙っているのでしょうか?

 

A:アジア圏での販売は重要な条件ですが、XC40はグローバルな視点で作られています。ボルボはスウェーデン、アメリカ、中国の3か国にデザインスタジオを設立し、どの地域にもマッチするデザインを追求しています。その新提案がXC40であり、どの国でも認められるデザインこそがグローバルデザインの魅力であり、同車の存在意義を高めるファクターになっているのです。オキサイトレッドなどの大胆なボディカラーをラインナップしているので、日本の街並みにもマッチすると思います。

 

 

イメージした動物は生意気なブルドッグ

 

 

Q:なぜ、大成功を収めたXC90シリーズのデザインを踏襲せず、新たなデザインに挑戦したのでしょうか?

 

A:先に発売されたXC90シリーズは優雅で精悍なデザインが大きな魅力ですが、XC40はXC90/60とは違ったキャラクターを持っているのが特徴です。世界中で100を越えるアワードを獲得しているXC90のデザインを踏襲し、新たなデザインに挑戦しないという選択肢もありましたが、それでは意味がありません。ボルボの考え方はとてもシンプルです。ブランドとしてのアイデンティティは必要ですが、コンパクトなセグメントならではの「若さ」と「挑戦的なイメージ」で勝負することに意味がある。

XC90/60のスケールダウンではダメ。XC40ならではの個性を表現することにこだわりました。XC90の場合、フロントフェイスのモチーフにライオンを選びましたが、そのまま小さくしてしまうと猫になってしまう。そこで、XC40にはブルドッグをセレクトし、ちょっぴり生意気な造形を表現しています。

 

 

ボルボらしい2つのデザインを大切にしている

Q:日本人が持つボルボのイメージはスクエアな四角いイメージですが、エクステリアデザインにボルボらしい伝統は残されているのでしょうか?

 

A:ボルボらしいデザインとして2つの時代からインスピレーションを得ています。1960~1970年代に登場したP1800やP1800SEの優雅なデザインは素晴らしいですね。エレガントで流れるようなラインは現在の新型モデルにも生かされ、流れるようなルーフラインを見てもらえれば理解してもらえると思います。また、1980~1990年代のボクシーなデザインはボルボのアイコンとも呼べる大切なもの。現在のボルボは両時代の良い部分をブレンドしているといっても良いと思います。ただし、レトロな懐古主義に頼り過ぎるのではなく、常に新しいデザインを生み出すことが重要なのです。

 

 

インテリアデザインにも新たなる挑戦を!

Q:XC40はエクステリアも革新的です。ボルボの新しい提案は何を基本に行っているのでしょうか?

 

A:XC40のインテリアではスペースを最大限に生かすことをコンセプトに、クルマを使い人がどのようなアイテムを持ち込むのかを徹底的にリサーチすることから始めました。基礎からスペースを考え直し、日常的に使うアイテムをベストな状況で整理できるようにデザインしたのです。例えば、ドアのスピーカーを廃することで生まれたスペースにラップトップパソコンを収納できるようにしています。また、収納するだけでなく使用する素材にもこだわり、ライニングにフェルトを使用するなど新たな素材への挑戦も。ベーシックなモデルでは「高級な素材が使えないから」と諦めず、デザインでインテリアの質を上げる努力も行っています。それがスカンジナビアデザインであり、ボルボが北欧のイメージを大切にしている所以なのです。

 

 

スタイリングに躍動感を表現

Q:エクステリアデザインを統括するミッソーニさんですが、XC40のスタイルで一番魅力的に見える部分は?

 

A:XC40はエキサイティングなデザインが特徴的で、他のモデルとは違ったアグレッシブさを表現するためにフロントグリルを逆スラントさせ、止まっている状態でも走り出しそうな躍動感を表現しました。個人的にはフロントからボディを斜めに見たポジションがお気に入りです(笑)。実はフロントよりもリヤのトレッド幅を大きくしているので、この位置から眺めると迫力を感じていただけると思います。

 

 

未来のクルマはボルボが牽引して行く

Q:最後に今後のボルボが進むべきデザインの方向性、ミッソーニさんが考える未来のビジョンを教えてください。

 

A:現在、エクステリアデザインという仕事はとても幸せな環境にあると思っています。それは、ボルボを含めて自動車というものが新たな世界へと進み始めているからです。自動運転や電気自動車への過渡期にデザインに携わるということは、新たな世界を作ることになる。それにはメカニカルな進化に対してデザインも新たなる挑戦をして行かなければなりません。クルマの未来は私たちボルボが牽引して行きます。

ジャガー Iペイスが深夜のモナコGPコースを“静かに”激走

ジャガー・ランドローバーはこのほど、ジャガー初のEV「Iペイス」でフォーミュラ1モナコGPのコースを走るというユニークな動画を公開した。

 

 

 

ジャガーIペイスは、2018年3月上旬に開催されたジュネーブ・ショーで初公開。パナソニック・ジャガー・レーシングとして参戦するフォーミュラEで培ったEV技術が生かされており、400ps/696Nmを発揮するモーターで4輪を駆動。0-100km/hを4.8秒でこなす性能とともに、480kmの航続距離を実現している。

 

 

今回の動画は、このIペイスを深夜のモナコGPコースでこっそり走らせるというもの。ステアリングを握るのは、パナソニック・ジャガー・レーシングのミッチ・エヴァンス選手だ。

 

この動画でジャガーが表現したかったのは、卓越した走りのパフォーマンスをEVならではの静かさで実現できているということ。テクニカルなモナコGPコースを駆け抜けるIペイスは、付近の人たちに気付かれることなくコースを走り切ってしまう。

 

 

英国では3月から販売がスタートしており、車両価格は6万3495ポンド(約954万円)からと発表されている。ちなみに、日本市場では未発売ながらジャガーの公式サイトではモデルラインナップとして掲載されていることから、近い将来、発売される可能性が高そうだ。

 

アウトランダーPHEVとiミーブがコスタリカ政府向けに納車

三菱自動車は、「アウトランダーPHEV」20台と「i-MiEV(アイ・ミーブ)」29台が日本政府からコスタリカ政府に納入。同国首都のサンホセにある大統領官邸で記念式典が開催されたことを発表した。

 

 

今回の車両供給は、日本政府とコスタリカ政府間での次世代自動車の供給に関するODA(政府開発援助)供与合意に基づくもの。この車両供給は、コスタリカ政府の環境の持続可能性の促進並びに低炭素社会の実現に向けた取り組みの一助となる。

 

中央アメリカに位置するコスタリカ共和国は、クリーンエネルギーの使用、及びカーボン・ニュートラルを国家的課題として掲げており2030年までに温室効果ガスの排出量を2012年比で25%低減することを表明している。また、今後5年間に電気自動車を10万台導入する計画やEV用の充電インフラの大規模な拡充を検討している。

 

納入された車両は、15の政府機関や大学でコスタリカ政府の環境対応モビリティの取り組みに使用。コスタリカ経済・社会の開発支援に加え、次世代自動車の認知度向上と継続的な需要創出、さらに日本の優れた環境技術の普及促進が期待される。

 

なお、今回の車両納入について三菱自動車の益子修CEOは「コスタリカにおける自動車の環境対応技術の普及に貢献できることを非常に嬉しく思っています。今回の車両供給が、コスタリカの環境負荷の低減に少しでも寄与するのであれば幸いです」と述べた。

 

 

日産の次期「フェアレディZ」はメルセデスとの共同開発でスープラを追撃!

2019年、生誕50周年を迎える「フェアレディZ」。この記念すべき年にお披露目されると見られる次期型「フェアレディZ」の最新情報をキャッチ。このほどその予想CGが公開された。

 

 

期待も多分に込められたCGではあるが、歴代の「Z」の特徴であるロングノーズはそのままに、よりエレガントさが強調されたエクステリアデザインが採用されるようで、フロントマスクの両サイドには迫力ある大型エアインテークが与えられ、特徴的なV型のLEDヘッドライトへとつながる部分にスリットを入れた2面構成に仕上げられている。サイドは日産らしいスタイリッシュなCピラーと大胆な切れ込みで立体感を持たせた前後フェンダーまわりが目を引く。

 

ライバルの「スープラ」はBMWとの共同開発で話題となったが、次期型「フェアレディZ」もダイムラー社の協力を得て開発され、プラットフォームはメルセデス・ベンツからの流用も噂されている。パワートレインはメルセデス製2.0リッター直4ターボエンジン、またトップモデルにはインフィニティ「Q60(スカイライン)」に搭載の3.0リッターV6ツインターボエンジンが採用されるようで、さらにハイブリッドモデルも想定されている。

 

2008年のZ34型の登場から既に10年が経過しており、新型への期待が高まっている「フェアレディZ」だが、50年の節目となる2019年のロサンゼルス・モーターショーでワールドプレミアとなりそうだ。

 

 

 

憧れの大型ボートに交じってなぜかヘリまで!? 「ボートショー」には休日を楽しむヒントがいっぱい!

3月8日~11日、パシフィコ横浜および横浜ベイサイドマリーナの2拠点を会場とした「ジャパンインターナショナルボートショー2018」(以下、ボートショー)が開催された。マリンレジャーにはまだ少し早いものの、3月も後半になってようやく気温が上がりはじめたところ。本稿ではボートショーがどのようなイベントなのかをレポートしつつ、休日を楽しむヒントを探っていきたい。

↑2017年開催時には、出展社数210、来場者数5万2200人だったが、2018年では出展社数222と過去最大。来場者数も5万3420人と前年を上回った

 

↑ボートショーの楽しみの1つが、ウェアなどアパレルや、マリンアイテムのウィンドウショッピング。いくつもの企業が出展しているためお気に入りを探すのが容易だし、何より市価より安く買えることが多い

 

テーマは「海・心満たされる時間…」。マリンレジャーに関心のある人もそうでない人も、いつもと違うお祭り気分、ドキドキした高揚した気分を味わってほしい、ということで、エントランスや休憩所にはリゾート気分を味わえる装飾が施されていた。

 

憧れの大型ボートが大人気! 展示総額はなんと100億円!?

横浜ベイサイドマリーナ会場には、全長23m、7億円の「Riva PERSEO 76」をはじめ、全52隻の大型ボートやヨットを係留展示。パシフィコ横浜でも、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキ、トヨタ自動車、ヤンマー船用システムなどがモーターボートを展示しており、展示ボートだけでも、総額はなんと100億円。

 

会場で特に人気を博していたのは、まるで宇宙船を思わせるトヨタ自動車「LEXUS Sport Yacht Concept」や、高い居住性を持つヤマハ発動機「SR330」、揺れを抑えて船酔いの軽減を図るというヤンマー船用システムのサスペンションシステム付き未来型コンセプトボート(業務用途を想定中)などだ。それぞれ写真で見ていこう。

トヨタ自動車「LEXUS Sport Yacht Concept」。8人乗りで、舳先から見ると宇宙船感が増す。販売時期未定のため、価格も決まっていないとのこと。

 

こちらは今夏発売予定のヤマハ発動機「SR330」。ゆったりくつろげる高い居住性が何よりの特徴。解放感のあるバウデッキ(写真2枚目・左上)では船上パーティーが楽しめる。キャビン内(右上)や寝室(左下)も広々。トイレ(右下)も十分な広さを確保しているため、船酔いのため入ったのにさらに具合が悪くなる、ということがなさそうだ。

 

ヤンマー船用システムが参考出展していたコンセプト技術「サスペンションボート」。水面の動きに合わせて、船底に取り付けられたふたつのサスペンションで揺れを軽減。乗り心地の良さを追求している。

 

これらは会場で大きな存在感を発揮しており、注目を集めたのも納得だ。とはいえ、ボートを「買う」となると、庶民にとっては高嶺の花。「こんな世界もあるのか」と参考程度に眺めに行くだけではなかろうかと考える向きもあるかもしれないが、実はボート購入を考えていない人も楽しめる展示がふんだんに用意されていた。

 

上質なライフスタイルを提案するアイテムや“エクスペリエンス”も展示

展示場内では、ボートや水上オートバイ、マリン製品などのほかに、水辺のライフスタイルをより豊かなものにするアイテムの展示も行われていた。

 

たとえば、「三越伊勢丹」ブースではVifa(ヴィーファ)のスピーカー「HELSINKI」(ヘルシンキ)と「OSLO」(オスロ)、「REYKJAVIK」(レイキャビク)を展示。特にHELSINKIは手提げポーチのようにしか見えないかわいらしい見た目なのだから驚きだ。

↑オリジナルテキスタイルが洗練された雰囲気をかもし出すポータブルBluetoothスピーカー。奥から「OSLO」「HELSINKI」「REYKJAVIK」。このサイズなのに、ボリュームを上げてもこもったり割れたりすることはなく、クリアで広がりのある音を楽しめる

 

シリーズのなかで最も大きいOSLOでも、サイズは268(H)×181(W)×90(D)mm、重さは2.4kgで、マリンレジャーやアウトドアレジャーに持っていくのに苦労しないサイズ感。このスピーカーのために織られたというオリジナルテキスタイルが、スピーカーらしからぬ外観を与えている。

 

肝心の音は? というと、ガヤガヤとした展示場内でもはっきりとわかるクリアでふくよかな音質。「このボディーでこれだけの音が出るのか!」と驚いてしまった。

 

ヴィーファが手がけるスピーカーを普段見られるのは、伊勢丹新宿メンズ館のみとのことなので、このような展示場で実際に音を鳴らしている実物を見たり手に取ったりできるのはありがたい。ちょっと人とは違う上質なアイテムを見つけたいと考えている人にも、ジャパンインターナショナルボートショーはうってつけの展示会なのだ。

 

マリンからさらに距離が離れた、空を思わせる展示物もあった。ヘリコプターだ。

↑DHC ヘリコプター事業部が展示していた4人乗り「ロビンソン式 R44II型」ヘリ

 

しかも、出店している企業は、化粧品やサプリメントメーカーとして知られるDHC。なぜヘリコプターなのか。DHCヘリコプター事業部の小杉隆浩さんによれば、もともと空撮などのサービスを提供していたが、「幅広くヘリコプターを活用してもらいたい」とのことでオーナー会員またはチャーター会員制度「DHOP」を開設。現在、3機のヘリコプターと8人のパイロットを自前で持っているという。

 

遊覧飛行利用料は、10分間で3万円。最大3人まで搭乗できるので、1人あたり1万円で東京の空からの眺めを楽しめる計算だ。

 

陸路の4分の1から3分の1程度の時間で移動できるため、ヘリポートから「箱根に行きたい」と移動のために使う人もいるのだとか。とはいえ、最も多いのは、プロポーズのための利用だという。「ヘリコプターでの遊覧飛行は特別な体験。ほぼ100%成功しているようですよ。プロポーズする側からすれば、景色を楽しむどころではないでしょうけれど」と小杉さん。

 

また、「身近にヘリコプターを感じていただきたいということ、新たに『Sky&Sea Project』を立ち上げたので海を愛する人に空の楽しみ方もご提案できればとの思いから、ジャパンインターナショナルボートショーへの展示に至りました」と出展の狙いを説明してくれました。

↑ロビンソン式 R44II型ヘリのコックピット。写真を撮ったり許可を得て乗り込んだりする人が多くいた

 

いまのところ、週に1~2回の利用があるだけ、とのことで比較手的空いている模様。大切な日に大切な人と、非日常を体験してみるのはいかがだろうか。

 

海と陸の交差点? 「海の駅」の紹介展示も

ボートショーということで、道の駅ならぬ「海の駅」の展示もあった。海の駅とは、プレジャーボートやヨットの一時係留、給油、飲食、入浴、宿泊、ショッピングのできる施設(施設によって対応するものは異なる)。北は北海道「わっかない海の駅」から南は沖縄「いとまん海の駅」まで全国に161か所(4月1日、さらに神奈川「よこはま・つるみ海の駅」がオープンの予定)あり、一時係留が無料の海の駅も。

↑海の駅は、全国161カ所。一時係留(ビジターバース利用)の際は、事前に予約したい

 

ブース内の人に聞いたところ、海の駅は陸路からの利用も可能とのこと。「併設のレストランで海の幸を味わったり、お土産を買ったり、トイレ休憩に使ったりと、ドライブの途中に立ち寄るのにも便利。ボートやヨットのクルージング体験を実施していることもあるので、気軽にご利用ください」と話していた。

↑海の駅は、海水浴場とは違った楽しみ方ができるのもポイント。自動車でもふらっと立ち寄れるのがうれしい

 

海の駅は全国にあるため、ヨットで日本一周にチャレンジしている人たちには特に重宝されているという。外国人としてはじめてヨットで単独日本一周を達成し、その後日本が気に入って山口県周防大島に住むようになったというカナダ人のカーク・パターソンさんも海の駅を活用していたとのこと。海沿いをドライブする際には海の駅にも立ち寄って、壮大な海の旅に挑戦してきたヨット乗りたちへと思いを馳せてみるのはどうだろうか。

 

そのほか、手持ちのクルマを簡単にキャンピングカー仕様にするオートプロズの「YAKIMA スカイライズ ルーフトップテント」やアストマーティン東京とランボルギーニ横浜による、ランボルギーニ「アヴェンタドール S クーペ」、マクラーレン「720S クーペ」といった高級車も出展。海辺でのアウトドアを楽しんだり、海へと出かける道のりからリッチにしたりするための提案がされていた。年に一度のマリンレジャーの祭典、ジャパンインターナショナルボートショーは、休日をいかに“ハレ気分”で楽しめるかのヒントが満載なのだ。

↑オートプロズ「YAKIMA スカイライズ ルーフトップテント」。ルーフに取り付ければ、自分のクルマがキャンピングカーに変身するというアイテム。普段は折り畳んでおけ、使いたいときに展開する。お値段13万8000円前後

 

↑マクラーレン『720S クーペ』(左)とランボルギーニ『アヴェンタドール S クーペ』(右)。見るだけでもテンションが上がる

 

ランボルギーニ・ウラカンが4年で1万台に!

ランボルギーニはこのほど、2014年の発売開始から4年でウラカンの累計生産台数が1万台に達したことを発表した。

 

 

 

シャシーナンバー10000を刻む個体は、高性能版のウラカン・ペルフォルマンテで、カナダのカスタマーの元へと出荷されたもの。1 月にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで 開催された世界に名高い耐久レース、2018 年デイトナ24 時間レースを制したランボルギーニのGT3に敬意を表し、クラスで優勝した#11 ウラカンGT3と同じカラー、Verde Mantisにペイントされた1 台だ。

 

 

2017年は、ランボルギーニの世界納車台数が3815台に達した記録的な年だった。そのうち2642台のウラカンがサンタアガタ・ボロネーゼの工場で生産され、2016年比で12%増を記録している。

 

 

ウラカンは2014年に販売開始されたランボルギーニのV10モデルで、 現在6種が生産されている。世界各地の8つのサーキットでの記録を保持する ウラカン・ペルフォルマンテ、今月のジュネーブ・モーターショーで初披露されたオープンモデルのペルフォルマンテ・スパイダー、そしてクーペとスパイダーそれぞれの4輪駆動と2輪駆動のバージョンだ。

 

 

また、ランボルギーニのワンメイクシリーズ4大会で主役を務めるウラカン・スーパートロフェオ、世界各地のチャンピオンシップで競うウラカンGT3と、 ウラカンはモータースポーツの世界でも活躍している。

 

 

 

販売好調のシトロエンC3が装備を追加

プジョー・シトロエン・ジャポンは、販売好調な「C3」に装備を追加。3月22日より最新バージョンを発売している。価格は「C3 FEEL(フィール)」が2,190,000円で従来より30,000円のアップ、「C3 SHINE(シャイン)」は2,430,000円で、従来より40,000円アップとなっている。

 

 

 

2016年11月にデビューした現行C3は、最新デザインと軽やかな走り、そしてシトロエンらしいコンフォート性を武器に発売から1年半ですでに30万台を超えるトータルセールスを記録している。日本でも2017年7月末に販売を開始、昨年末までに1100台以上が登録され歴代の記録を塗り替える好調な販売を記録している。

 

 

今回、エントリーモデルのフィールにスマートキーを、シャインを含む両グレードに夜間走行中に対向車や先行車を検知してハイ&ロービームを自動で切り替えるインテリジェントハイビームを標準装備化。これらの追加装備はいずれもシトロエン・アドバンスト・コンフォートの考え方に則り、使い勝手や安全性の向上に貢献している。

 

 

なお、C3ついては今後もさまざまなパーソナリゼーションを提案しつつ、より多くのユーザーに個性的なモデルを提供して一層の拡販を図る予定という。

 

 

 

小さな車にこだわり続けた111年ーーダイハツ工業今昔物語

ダイハツ工業は1907年、「発動機製造株式会社」として創業した。そこから111年。同社は「人々の暮らしに寄り添うクルマ作り」を続けている。本記事では、代表モデルと歴史を振り返り、同社の躍進を紹介していこう。

 

 

国民の生活に寄り添うダイハツという強い味方

ダイハツはコンパクトで経済的なクルマ作りが得意だ。その歴史は古く、明治40年へと遡る。創立時の「発動機製造株式会社」は、農業国から工業国へとシフトするために設立されたガス発動機を製造・販売する会社であったが、のちに大阪にある発動機製造の「大」と「発」を取って「ダイハツ」へと変更。その後、小型車を中心に個性的なクルマを世に送り出すメーカーとして成長を遂げたことは周知の事実だ。

 

現在は日本国内にとどまらず、アジア圏を中心に生活を支えるクルマたちを送り出し、人々の生活を支えている。「絶対になくてはならないクルマ」。それこそがダイハツの魅力なのである。

 

 

【DNA1】働く人を支えるクルマ作り

ダイハツ ミゼット(1957年〜1972年)

ミゼットは軽三輪自動車。初代のDKA型は単座のバーハンドルを採用し、8PSを発揮する249㏄単気筒エンジンに3速MTを組み合わせていた。サイズは全長2540㎜×全幅1200㎜×全高1500㎜とコンパクト。

 

↑初代ミゼットはバーハンドル仕様。屋根は幌式となり、ドアも付いていないシンプルな構成だった

 

↑小さな荷台のように見えるが、最大積載量は300㎏。車両重量とほぼ同じ重量を積載できた。燃費は28㎞/ℓ

 

ミゼットが果たした役割——街のヘリコプターが経済成長を支えた

昭和の高度経済成長を支えた立役者。小回りが効き経済的なミゼットは商店や小さな町工場のトランスポーターとして大活躍。「街のヘリコプター」のキャッチコピーが話題となり、同車は大ベストセラーを記録した。

 

【最新モデルはコチラ】ハイゼットトラック

コンパクトなボディと荷台を持ち、高い経済性で人々の暮らしを支える軽トラックの最新作。ミゼットの意志を受け継ぐダイハツの根幹だ。

 

 

【DNA2】人々の生活を豊かにする小型車作り

ダイハツ シャレード(1977年〜2000年)

全長3460㎜×全幅1510㎜×全高1360㎜のコンパクトなボディに、60PSの最高出力を発揮する1ℓの直列3気筒SOHCエンジンをフロントに搭載したFFモデル。ラインナップは3ドアと5ドアがあった。

 

↑シートはカジュアルなチェック柄を採用。現在ではあまり見られなくなったデザイン手法で、新鮮に映る

 

↑FFならではの足元の広さが快適性を演出している。「5平米カー」のキャッチコピーが伊達ではない証拠

 

シャレードが果たした役割——小型FFモデルは3気筒エンジンの先駆け

FFコンパクトモデルへの挑戦として誕生した同車は、第二次オイルショックの影響もあり、ダイハツ始まって以来の大ヒットを記録した。新時代のファミリーカーとして1978年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

 

【最新モデルはコチラ】トール

コンパクトなボディサイズながら、室内空間を最大化したトールワゴン。経済的な1ℓエンジンとクラスを越えた快適性が魅力だ。

 

 

【DNA3】ドライブの愉しさを具現化したクルマ作り

ダイハツ コペン(初代)(2002年〜2012年)

耐候性に優れたルーフを持つオープンモデル。約20秒という短時間でトランクへと収納可能だ。659㏄の排気量を持つ直列4気筒エンジンにツインスクロールのターボチャージャーを搭載し64PSの最高出力を発揮。

 

↑初代のコクピットまわり。シンプルな室内だが、3連メーターが特徴だ。ミッションは5速MTと4速ATを用意していた

 

↑ルーフトップをクローズにすれば、ラゲッジの容量は十分。初代(写真)からゴルフバッグを1個収納できる広さがあった

 

↑1965年、コンパーノ ベルリーナのオープンモデルとして登場したコンパーノ スパイダー。140㎞/hの最高速度を誇った

 

コペンが果たした役割——空との距離を近づけた本格ライトウェイトスポーツモデル

軽自動車という高い経済性を武器に誕生したコペンは、趣味性の高かったオープンカーを身近な存在へと押し上げた立役者だ。走る楽しさはもちろん、爽快感も素晴らしく、中古車市場ではいまもなお高値で取引される。

 

【最新モデルはコチラ】コペン(現行)

↑第二世代へと進化を遂げた現行モデル。樹脂製の外板パーツを交換して着せ替えが可能だ。全3タイプをラインナップ

生産ラインの間近で職人技を取材。コペンファクトリーに潜入!

ダイハツ本社工場内にあるコペンファクトリー。今回は一般公開されている最終工程を間近で取材させてもらった。

 

骨格だけのコペン入場!

エンジンなどの駆動系を装着した状態でコペンが登場。ここからは専門担当によって、最終組み立てと検査が行われる。

 

指示に従い外板パーツ装着

2人の作業者によって、ドア、ボンネット、ルーフ、シート、タイヤなどのパーツが手作業で組み付けられていく。

 

細部まで厳しく確認

ここからは検査工程。まずは車体に傷などがないかをチェック。専用ライティングが施されており、スタジオのような雰囲気。

 

アライメント調整も入念に!

ヘッドライトの光軸、前輪組み付け角を確認。サイドスリップテスターの上を通過させてチェックを行っていく。

 

足まわりも徹底的に確認

リフトで車両を持ち上げ、作業員が車両下に入ってチェック。足まわり部品の締め付け、油漏などを検査、確認していく。

 

最後は雨漏りチェック

台風や豪雨を想定し、毎分450㎖の水を2分間噴射。オープンカーには欠かせない雨漏り耐性検査を経て、完成となる。

 

【訪問した場所】ヒューモビリティワールド

ダイハツの本社内にある同施設は一般にも公開され、その歴史を体験型展示として楽しむことができる。発動機製造株式会社時代のポンプや三輪自動車のダイハツ号、貴重な初代ミゼットから最新モデルまでを展示。

↑全3フロア構成で、一番上のフロアでは同社の最新技術を学べるコーナーもある

 

大阪府池田市ダイハツ町1-1
午前の回 9:30〜12:00 (最終受付 11:00)
午後の回13:00〜17:00 (最終受付 16:00)、
ともに一般見学の場合(土曜日のみ)

コレを読めば111年がわかるダイハツの歴史

明治40年、発動機製造株式会社として産声を上げたダイハツ。大阪を代表する自動車メーカーの111年にわたる歴史を簡単にまとめてみた。

1907

「発動機製造株式会社」として大阪府西成郡中津村(現在の大阪市北区)にて創業し、国産初のガス発動機を完成させた。

 

1930

発動機メーカーから自動車メーカーに移行する一大転機となった、三輪自動車「ダイハツ号」が誕生。

1951

“大”阪にある“発”動機会社の略称で戦前よりユーザーから愛称として親しまれていた「ダイハツ工業株式会社」へ改称。

1957

小回りが利いて扱いやすく経済的な軽三輪「ミゼット」が誕生。「街のヘリコプター」のキャッチフレーズで小口配送などで大活躍。

1977

「広くて小さい快適な経済車」をコンセプトとした五平米カー「シャレード」が誕生。翌年には、海外の過酷なラリーに参戦し優秀な成績を収めた。

1978

海外現地生産を推進するため、現地資本との合弁会社「PTダイハツインドネシア」をジャカルタに設立し、翌年生産開始。

1980

広々空間と優れた居住性・経済性・イージードライブを実現した、軽自動車「ミラ クオーレ」が誕生。

1994

マレーシアの第二国民車プロジェクトの実現に向け、「プロドゥア社」を設立、94年から生産開始。

1995

「広くて楽しいマルチユースワゴン」をコンセプトに、大人4人がゆったり乗れる軽自動車「ムーヴ」が誕生。

2003

子育て女性の意見を反映し、利便性を徹底的に追求した、広々空間の新ジャンル軽自動車「タント」が誕生。

2011

環境意識や低価格志向の高まりを受け、誰もが乗れる「第3のエコカー」として、低燃費・低価格・省資源の軽自動車「ミライース」が誕生。

2017

創立110周年。これを機に、グループスローガンを「Light you up」に刷新。

 

 

問い合わせ:ダイハツお客様コールセンター ☎0800-500-0182

 

撮影/石上 彰(gami写真事務所)

レンジローバー・スポーツSVRがフェラーリを破る!

ジャガー・ランドローバーはこのほど、レンジローバー・スポーツのトップパフォーマンスモデル「SVR」で、ある記録に挑戦した。それは中国・湖南省にある有名な観光地、天門山へのアクセスルートとなる99のコーナーで構成される全長 11.3kmのワインディングロード、通称「天門ロード」を何分で走りきれるかというものだ。

 

 

 

ステアリングを握ったのはパナソニック・ジャガー・レーシングのドライバー、Ho-Pin Tung選手。575psを発揮する5リッターV8スーパーチャージドエンジンを積み、0-100km/h加速を4.5秒でこなし、280km/hの最高速を誇るこのレンジローバー・スポーツSUVを彼は見事に手懐け、天門ロードを9分51秒で走り切った。このタイムは、それまでのトップタイムであったフェラーリ458イタリアの10分31秒を上回るものだ。

 

 

今回のチャレンジによって、レンジローバー・スポーツSVRが大柄なSUVでありながらスーパースポーツに遜色のない、あるいは状況によってはそれを凌ぐパフォーマンスを実現していることが実証された。

 

 

ちなみにタイムアタックに使用された車両には、同社のSVO(スペシャル・ヴィークル・オペレーションズ)が手がけたオプションのカーボンファイバーボンネットが装着されていた。

 

 

 

 

メルセデス・ベンツCクラスクーペ&カブリオレが進化

3月21日、ダイムラーはマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツCクラスのクーペとカブリオレを同時に発表した。

 

 

 

新型では48V電装システム「EQブースト」を新しい直列4気筒ガソリンエンジン「M264」に組み合わせたパワートレインを採用した「C200」を設定した点が話題だ。

 

 

新型Cクラスクーペ&カブリオレには、それぞれ4グレードが設定されている。「C200」および「C200 4MATIC」は、184ps/280Nmを発揮する1.5リッター直列4気筒ターボエンジンに、10kw(14ps)/160Nmを発するモーター、そして48V電装システム「EQブースト」を組み合わせることによって補機類が簡素化でき、軽量化と高効率化が計られている。ディーゼル仕様の「C220d」には194ps/400Nmを発する2リッター直列4気筒ターボディーゼルが搭載された。

 

 

高性能版「メルセデスAMG C43 4MATIC」には、390ps/520Nmを引き出す3リッターV6ツインターボエンジンを搭載。このエンジンスペックは、従来型を23ps上回り0-100km/h加速はクーペで4.7秒、カブリオレでは4.8秒をマークする。

 

内外装のデザインはさらにスポーティなものとなり、LEDハイパフォーマンスヘッドランプが全車に標準装備されるほか、新しい軽合金ホイールや大型ディスプレイによるデジタルコックピット、最新の運転支援システムなどが導入されている。

 

 

 

世界初!フレックス燃料のハイブリッド車とは?

ブラジル・トヨタは、ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるフレックス燃料車(FFV)に、世界で初めてハイブリッドシステムを搭載した試作車(ハイブリッドFFV)を初公開。発表の場となったのはブラジルのサンパウロ市でトヨタが主催したイベントで、同イベントにはサンパウロ州政府やサトウキビ産業協会(UNICA)など産官学の関係者が出席している。

 

 

 

このハイブリッドFFVは、ハイブリッド車の普及やCO2排出量削減を通じた環境貢献を目指してトヨタが日本とブラジルで開発を進める新たなパワートレイン。

 

フレックス燃料のハイブリッド車は、エネルギー効率の高さやCO2排出量が少ないハイブリッド車をベースに、生長過程でCO2を吸収して実質的なCO2排出量を抑えられる植物由来の再生可能エネルギーを組み合わせることで総合的なCO2排出量を大きく低減させるポテンシャルが期待されている。走行実証には、現在ブラジルで販売されているプリウスに同システムを搭載した試作車が用いられた。

 

 

トヨタの調べによると、植物の生長過程からエネルギーとしてクルマで使われるまでのCO2総排出量で比較すると、一般的なFFVに比べてハイブリッドFFVは、特にサトウキビ由来のエタノールのみを燃料とした場合に排出量を大きく削減できるという。

 

ハイブリッドFFVの開発は、2050年までにグローバル新車平均走行時CO2排出量の2010年比「90%削減」や、車両のライフサイクルでのCO2排出量ゼロを目標とする「環境チャレンジ2050」における新たな取り組みのひとつ。2030年にはグローバル販売台数における電動車を「550万台以上」とする、トヨタの電動車普及に向けた取り組みの一環でもある。

 

 

 

トヨタの専務役員および中南米事業の本部長で、ブラジルトヨタの会長を務めるスティーブ・セントアンジェロ氏は、「ブラジルトヨタのエンジニアが日本の技術者と力をあわせ、エタノールを用いた世界で最もクリーンなハイブリッド車をブラジルのお客様のために開発していることを嬉しく思います。今回の試作車は、新たなモビリティ社会を目指して、新たな技術に取り組む象徴となります」と語った。

 

 

 

トヨタでは今後、ブラジルでのテスト走行を通じてデータを収集。ブラジルにおける実用化に向けて、ハイブリッドFFVの耐久性やパワートレイン性能などの検証を進めていくことになる。

 

 

 

フェアレディZに「へリテイジ・エディション」が設定

日産は3月19日、「フェアレディZ」に「フェアレディZ へリテイジ・エディション」を追加。5月11日より全国一斉に発売すると発表した。

 

 

フェアレディZ Heritage edition(へリテイジ・エディション)
メーカー希望小売価格
6MT:4,080,240円
7M-ATx:4,158,000円

 

 

「フェアレディZ」は、1969年の初代S30誕生より、走る喜びや愉しさを満喫できる真のスポーツカーとして、世界中のユーザーから長く親しまれている。日産は、今なお“Z”の進化を加速させるべく、スポーツカーとしてのこだわりを持って技術と情熱を注いでおり、“Z”には、日産のクルマづくりに対するこだわりと誇りが息づいている。

 

 

今回追加する「フェアレディZへリテイジ・エディション」は、北米で愛された1977年の「280Zスペシャルデコレーションパッケージ(ZZZap)」のデザインをリメイク。当時人気を博したレーシングストライプが、現在のスポーツカーとなって蘇った。

 

 

インテリアは、ブラック基調のステアリング、センターコンソール、シフトノブなどに鮮やかなイエローのアクセントが追加。専用シートには、イエローで“370Z”の刺繍も施される。コクピットのブラックとイエローの美しいコントラストが、さらに走りへの衝動を掻き立てている。

 

 

ボディカラーは、プレミアムアルティメイトイエロー(特別塗装色)を含む、全4色を設定している。

 

「フェアレディZ」の詳細情報はこちらより

 

 

 

マツダが2018年のユーザー参加型イベントの協賛概要を発表

マツダは、マツダ車ユーザーが「走る歓び」を体感できるドライビングレッスンイベント、および参加型モータースポーツイベントの2018年における協賛計画を発表した。

マツダは’14年よりドライビングレッスンイベントや参加型モータースポーツイベントへの協賛を強化。より充実したカーライフを過ごせる機会づくりをサポートしているが、今年は昨年から引き続き「Be a driver.マツダ・ドライビング・アカデミー」「マツダファン・サーキット・トライアル」「マツダファン・エンデュランス」「ロードスター・パーティレースⅢ」「グローバル MX-5カップジャパン」の5つのイベントに協賛する。

 

この中で、ドライビングレッスンイベントの「Be a driver.マツダ・ドライビング・アカデミー」、モータースポーツイベントである「マツダファン・サーキットトライアル」と「マツダファン・エンデュランス」、そして「ロードスター・パーティレースⅢ」は、いずれもユーザーが愛車で参加できるイベント。日常運転に役立つ知識の習得から、サーキットでのスポーツ走行体験まで幅広くカバー。各イベントともに若年ドライバーからベテランまで、多くのマツダ車ユーザーが参加している。

 

また、「マツダ ロードスター(輸出名:MX-5)」による世界統一ワンメイクレースの国内シリーズ戦「グローバル MX-5カップジャパン」では、世界一のMX-5レーサーを目指すドライバーたちが、夢の実現に向けて真剣勝負を繰り広げている。

各イベントの紹介サイト、主催団体のURLは下記の通り。

 

■ドライビングレッスンイベント

概要紹介サイト:http://www.mazda.com/ja/innovation/drivingacademy/

Be adriver.マツダ・ドライビング・アカデミー

・主催: 株式会社ビースポーツ(岡山国際サーキット、スポーツランドSUGO、鈴鹿サーキットでの開催時)(公式ホームページ: http://driving-academy.mazda-fan.com/outline.html)

・主催: 富士スピードウェイ株式会社(富士スピードウェイでの開催時)
(公式ホームページ: http://www.fsw.tv/freepage/1513/

 

■参加型モータースポーツイベント
概要紹介サイト:http://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/

 

マツダファン・サーキットトライアル(MFCT)

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: http://circuittrial.mazda-fan.com/

 

マツダファン・エンデュランス(マツ耐)

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: http://endurance.mazda-fan.com/

 

ロードスター・パーティレースⅢ

・主催: 株式会社ビースポーツ

(公式ホームページ: http://www.party-race.com/

 

グローバル MX-5カップジャパン

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: https://mx-5cup.jp/

 

・販売代理店: 株式会社キャロッセ
http://www.cusco.co.jp/products/mazda_global_mx-5_cup.html

設置が進む「ホームドア」最前線――期待の新型と今後の問題

ホームからの転落を防止するために設けられるホームドア。2016年8月に視覚障害のある男性が、東京都内の地下鉄駅のホームから転落して死亡するという痛ましい事件が起きた。このことが契機となり、国土交通省は2020年度までに、1日に10万人以上が利用する駅にホームドアを設置する数値目標を示した。

 

このホームドア、プラットホームの端に設置されていて、停車した電車のトビラと同時に開き、また電車のトビラが閉まればホームドアも一緒に閉まるもの、という程度の認識しか筆者は持ち合わせていなかった。

 

しかし、調べてみるとさまざまな形や、開閉方法が異なるホームドアがあった。設置方法の違いもある。さらに、設置が難しい駅があることもわかった。今回は、そんな奥深いホームドアの世界を見ていくことにしよう。

 

歴史は意外に古い!? 設置費用は数十億円!? ホームドアの豆知識

まずは、ホームドアが生まれてから現在に至るまでの流れについて、簡単に触れておこう。

 

国内のホームドアの歴史は意外に古い。1974(昭和49)年1月1日に東海道新幹線の熱海駅に設置されたのが初めてだった。東海道新幹線の熱海駅はホームの幅が狭い。さらに上り下りの線路のみで、停まらない列車がホームのすぐ目の前を高速で通過していく。通過時の風圧が強く、利用者が巻き込まれる恐れがあった。そのため、日本初の「可動式ホーム柵」が設置されたのだった。

 

その後、1977(昭和52)年に、山陽新幹線の新神戸駅に設置され、これが西日本初のホームドアとなった。1981(昭和56)年には神戸新交通ポートアイランド線の部分開業にあわせてホームドアが導入された。さらに1991(平成3)年の営団地下鉄(現在の東京メトロ)南北線が部分開業し、半密閉式のホームドアが全駅に取り付けられた。

↑地下鉄としては最初のホームドアを導入したのが現・東京メトロ南北線だった。安全に万全を期すため、半密閉式スクリーンタイプというホームドアシステムが導入された

 

現在、多くの駅で見かける通常の開閉式ホームドアは、2000(平成12)年に都営三田線で導入されている。これが新幹線以外で最初に設置されたホームドアでもあった(南北線の方式を除く)。

 

その後、導入が進んでいき、国土交通省の調べでは2006年度末に318駅だった設置駅が、2016年度末には686駅まで増えている。とはいえ、設置費用はかなり高額だ。1駅(上下2線分)あたり数億円から数十億円にも及ぶという。もちろん、設置後の維持費もかかる。国や地方自治体から一部補助金が出されるとはいっても、JR東日本やJR西日本、さらに大手私鉄といった経営に余裕があるところでないと、そう簡単に導入できるものではないというのが現実だろう。

 

ホームドアの開け閉めは誰が行っている?

次にホームドアの通常のスタイルと、開閉方法を見ていこう。

 

通常のホームドアの形だが、ご存知のように2枚の戸が横開きする形が一般的で、ドアが格納される戸袋が左右にある。開いたときの開口部の長さは、電車のドアよりも横幅1mほど大きく開くように造られている。これは電車の停車位置が前後にややずれることがあるためで、そのぶんの余裕を持たせているわけだ。

 

設置位置はプラットホームの端と平行に設置されるのが一般的で、戸袋裏にセンサーが装着されている。もし、センサーが感知したときにはホームドアが再び開くなど、危険を避けるように作動する。

↑最も一般的なホームドア。開け閉めされるドアは金属の戸のみの場合と、写真のようにガラス戸のものがある。海外のホームドアはガラス戸になっている場合が多い

 

ホームドアの開け閉めだが、多くは電車に乗車する車掌が後端部にあるスイッチで操作する。電車の進入と同時に自動的にホームドアが開くもの(閉めるのは車掌が操作)と、開け閉めすべて車掌が操作するホームドアがある。

 

一方で、東京メトロ丸ノ内線や都営三田線などではワンマン運転にも対応。あらかじめ車両に改良を施して、運転士がドアの開閉するボタン操作すれば、連動してホームドアが開閉する路線もある。

 

次に一般的なホームドアの形に改良を加えた“進化タイプ”の例を見てみよう。

 

まずは、東京メトロ丸ノ内線の中野富士見町駅の場合。上り線のホームがややカーブしているため、電車とホームの間にすき間が生まれる。そのため、ホーム内からプレートが出てきてすき間を埋めるように作動している。電車とホームのすき間から物が線路へ落ちないよう配慮しているわけだ。

↑東京メトロ中野富士見町駅の例。上り線ではホームドアが開く際に、ホーム下からプレートが出てきて、電車とホームとの間に生まれる“すき間”を埋めている(矢印部分)

 

より安全に乗り降りしてもらおうという配慮が感じられるのが、相模鉄道横浜駅のホームドアだ。電車が停車位置に近づくと左右のランプが点灯。まずは赤で、乗車可能になったら青いランプが付く。閉まるときは青→赤と色が変わる。車掌が扱うホームドアの開け閉めスイッチも大きく、誤った操作を防ぐための工夫が見られる。

↑乗車可能なときは左右のランプが青く点灯する(矢印部分)。ホームドアの開閉は黄色い小ボタンで開き、緑の大ボタンで閉める。ボタンが大きく操作しやすい造りだ(赤写真内)

 

↑乗車ができないとき、また閉まりかけたときには右左のランプが赤く点灯する(矢印部分)

こんなホームドアもある! 走る車両に合わせて形もいろいろ

ホームドアの基本的な形とは異なる形、または設置方法を用いた駅もある。そんな通常とは異なるのホームドアの例を見ていこう。

 

設置方法が少し異なるのが東急電鉄の宮前平駅の例。写真を見ていただくとわかるように、ホームドアと電車の間に通常より広いスペースがある。

 

↑東急田園都市線の宮前平駅の様子。ホームドアと電車の間に、広いスペースが設けられている。東急の一部電車が6ドア車だったためこの形となった

 

これは以前に走っていた主力車両50000系に対応するための工夫だった。50000系は4ドア車とともに6ドア車を数両連結していた。しかし、50000系以外の電車は4ドアで、そうなると、ドアの位置が異なってしまう。宮前平駅のように電車との間にスペースを作れば、たとえ電車のトビラとホームドアの位置が合っていなくとも、電車への乗降が可能だったわけだ。

↑戸袋の線路側には「ホームの内側にお進みください」の表示が付けられる

 

宮前平駅のホームドアは電車が走りだしたあとに閉まる仕組み。とはいえ一長一短あり、電車のドアが閉まったあとに、ホームドアのなかに取り残されてしまうこともある。そうしたトラブルを防ぐために、現在は係員がホームに常駐している。現在は東急50000系の6ドア車が廃止され、すべて4ドア車と変更された。この大きなスペースは、いまは必要なくなっている。

 

次は、走る電車によってドアの開口部の大きさが異なる東京メトロ東西線の場合だ。

 

東京メトロ東西線の場合、主力車両の05系の一部と15000系は、乗降トビラが1800mmというワイドサイズになっている。一方で東西線には、ドアの幅が1300mmという通常サイズの電車も走っている。500mm差しかないといえばそれまでだが、ホームドアが従来のサイズだと、ワイドドア車の場合に、停車位置がややずれただけでも、乗り降りに支障をきたす可能性が考えられた。

 

そのため東西線の九段下駅に導入されたのは「大開口ホーム柵」と名付けられたホームドア。2重引き戸構造として、開く幅を大きくした。

↑東京メトロ九段下駅に通常の1300mm幅の東西線の電車が停車したときの様子。2重となった中側のドア部分の幅が、一般的なホームドアのドア幅となる

 

↑1800mmというワイドドアの電車が停まったときの様子。開口部が1300mmの通常の電車と500mm差とはいえ、幅が広いことがわかる

 

↑東西線九段下駅のホームドアは、2重で、それぞれ2枚のドアが右左に開く仕組みとした。通常のドア幅を持つ車両が到着したときでも、ドアが全開する仕組みになっている

ドアというよりも「バー」!? 導入に向けてテストが続く新型ホームドアも

走る車両のドアの数、ドアの位置がすべて同じ路線の場合、ホームドアを導入しやすい。困難なのはドアの数、ドアの位置が異なる車両が走る路線だ。こうした駅向けに新型ホームドアの実証実験も行われている。

 

たとえば、JR拝島駅(東京都)の八高線ホームには、3本バーを支柱間にわたして、車両が到着するとバーを上げ下げするホームドアが使われている。「昇降バー式ホーム柵」と名付けられたこのシステム。ドアの位置が、車両ごとに異なっていても対応できるシステムだ。

↑JR拝島駅の八高線、八王子行きホームに設置されたホームドア。「昇降バー式ホーム柵」と名付けられたシステムで、ドアの位置の違いに対応する方式として開発された

 

↑昇降バーが高々とあがる構造。乗客の乗り降りの邪魔にならない造りとなっている

 

バーをロープにしたホームドアも西日本で見ることができる。JR高槻駅(大阪府)で設置されたのは「昇降ロープ式ホーム柵(支柱伸縮型)」と呼ばれる装置。JR西日本はドアの数や位置が異なる車両が多々、走っている。そのため、この形のホームドアが試されているのだ。

↑JR高槻駅の場合、10mにわたる5本のロープが支柱間にわたされている。電車が到着するとこのロープが上に上がって乗降できる仕組み

 

鉄道会社間で異なる導入スピード――「2019年度に全駅設置」を掲げるところも

ホームドアの導入は鉄道各社によってかなり差がある。全国の地下鉄や新都市交通、そしてモノレールの路線では、当初からホームドアの導入が盛んで、導入率も高い。

 

JRでは新幹線の駅の導入率は高いものの、在来線はこれから本格的に、といった状況。大手私鉄では東高西低の印象が強い。また会社間での導入スピードも異なる。

 

そんななか、2019年度に早くも全駅にホームドア設置を目指しているのが東急電鉄だ。宮前平駅の例を前述したが、東急ではさまざまなスタイルを試してきた。そしていま、活発に各駅のホームドア設置を進めている。

 

東急のホームドアには2タイプがある。東横線、田園都市線などには通常のホームドアを導入する。一方で、池上線、東急多摩川線では「センサー付固定式ホーム柵」という形の“柵”を設置している。

 

これは後者の2路線の場合、電車が3両編成と短め、かつ駅間が短く、電車のスピードがほかの路線よりも遅いため有効だと考えられた対応策。ドアは無いものの、電車が発車しようとしたときに柵の内側に人が立つとセンサーが感知して、乗務員に知らせる。

↑東急池上線の駅に設置された「センサー付固定式ホーム柵」。柵と柵の間に乗降トビラがくるように停車する。線路側にはセンサーが設けられている

 

高額な設置費用を、もう少し手軽なものにできないかという試みもJR東日本で始められている。JR横浜線の町田駅の下りホームに付けられたのが「スマートホームドア」という名のホームドア。開口部および戸袋部分が、通常のものにくらべて軽量、簡素化され、本体機器費用、および設置工事費用などの低減を図っている。

↑JR横浜線の町田駅で試験が続けられる「スマートホームドア」。JR東日本の関連会社の手により開発されたホームドアで、軽量、簡素化が図られている

 

↑開口部は広々している。直線的なホームだけでなく、カーブしたホームにも対応できる仕組みとなっている

 

今後は、通常のものよりも簡素化されたスタイルのホームドアも普及していくのかもしれない。

 

あとは2ドア、3ドアなどドア数、およびドアの位置が異なる車両が走る路線。小田急電鉄や京浜急行電鉄などにより、すでに実証実験が行われている。両社では2020年度〜2022年度には主要駅には導入を予定している。果たしてどのようなスタイルのホームドアが導入されるのか興味深い。

 

ホームドア設置による抑止効果と今後の問題

最後に、ホームドア設置によってどの程度、事故が減るのかを見てみよう。

 

ちょっと古い数字だが国土交通省が2005(平成17)年にまとめた鉄道事故の統計によると、プラットホームでの死亡者数が196人。そのうち、「酔客」が10人(5.1%)、足を滑らせてなど「その他」での理由が24人(12.1%)。残りがすべて「自殺」164人(82.8%)という割合だった。プラットホームの死亡事故の原因は圧倒的に「自殺」が多かったわけだ。

 

この数字が、どのぐらいホームドアの設置駅で減っているのだろう。まだ設置駅の事故率を浮き彫りにした公式の統計は、残念ながら出されていない。とはいえ、ホームドア設置駅では誤ってホーム下に転落する事故は、ほぼ皆無となるだろう。時たま起こる、ホームドアを乗り越えて……というような事件がニュースになるものの、設置は確実に自殺をしようとする人たちへの抑止効果を生んでいると思われる。

 

とはいえ、ホームドア設置後の問題も出てきている。たとえば、つくばエクスプレスの例。2016年にホームドアがからむトラブルが22件も起こっている。ホームドアにはセンサーが付いているが、死角になる部分があるためだ。電車のドアに物が挟まったときに、ホームドアが逆に死角になって見えないことがある。ワンマン運転の電車の場合、こうした状況を運転士がすべて確認して電車を運行しなければならない。

 

これは、ホームドアもまだ完璧とは言えない技術であることを物語る話だ。今後、ホームドアの設置率向上を生かしていくため、さらなるハード面とソフト面の技術力のアップ、加えて利用者側もトラブルに出会わないために、ホームドアの仕組みをある程度、理解しておいたほうがいいのかもしれない。

日産、イオンモール座間にインフォメーションセンターを開設

日産は3月16日に開業した「イオンモール座間」に「NISSAN ZAMA INFORMATION CENTER(ニッサン・ザマ・インフォメーションセンター)を開設した。この新しいイオンモールの所在地は、かつて日産の座間工場があった場所。座間工場は1964年に竣工、1995年に閉鎖するまでの約30年間で当時の主要モデルである「サニー」や「ダットサン」など、累計で1000万台以上の車両を送り出した日産を代表する生産拠点だった。そして、工場の閉鎖以降も新型車の試作や電気自動車の主要部品の開発を担うなど、現在も重要なグローバルの生産技術の拠点となっている。

今回開設するインフォメーションセンターでは、座間工場が生産を担っていた名車から、現在日産が推進する「ニッサンインテリジェントモビリティ」を象徴する最新モデルまで、さまざまなクルマの展示を行なう。また、座間事業所の紹介コーナーでは座間工場時代に生産したクルマのミニカー展示や、現在のグローバル生産技術拠点の要としての取り組みを紹介する。今後は、子供と一緒にモノづくりの楽しさを学べる体験学習教室なども開催予定。さらに、隣接する神奈川日産・カレスト座間店と連携したカーライフの提案や試乗体験なども実施していくという。

 

■概要

名称:イオンモール座間「NISSAN ZAMA INFORMATION CENTER」

住所:神奈川県座間市広野台2-10-4 イオンモール座間1F

営業時間:10:00~21:00(年中無休)

今年からF1マシンについている「あれ」の正体とは?

2018年型のF1マシンを見て「あれ何?」と思った人がいることだろう。「あれ」の正体は頭部保護装置のHaloだ。日本では「ハロ」の呼称が一般的になりつつある。英語圏の人は「ヘイロー」のように発音し、イタリアの人は「ハロー」と言っている。ここではハロで通す。

ハロは2018年のレギュレーション変更で装着が義務づけられた。ドライバーの頭部を守るためのデバイスだ。ドライバーはすでに頭部を守る目的でヘルメットを被っているが、ダメージを防ぎきれないケースがある。

 

2009年には当時フェラーリをドライブしていたフェリペ・マッサのヘルメットに、前方の車両から外れたコイルスプリングがぶつかる事故が発生した。ぶつかった場所がヘルメット開口部の縁だったこともあって衝撃を防ぎきれず、マッサは頭蓋骨骨折の重症を負った。この特異なケースに対処するため、11年からはヘルメットのバイザーに強化パネルを接着することが義務づけられた。

 

もっと大きな部品が飛んできたらどうなるだろう。例えばタイヤとか……。2009年のF2選手権ブランズハッチ戦のレース2では、バリアに衝突した弾みで外れたタイヤが後方を走っていたヘンリー・サーティース(F1チャンピオン、ジョン・サーティースの息子)の頭部を直撃。将来ある若手ドライバーの命を奪った。

 

2015年のインディカー・シリーズ第15戦ポコノでは、ウォールにクラッシュしたマシンから飛散した大物パーツが、後ろを走るジャスティン・ウィルソンの頭部にあたった。やはり、ドライバーの生命を絶つ結果になってしまった。

 

■アフリカ象が2頭載っても大丈夫!?

ハロFIA(国際自動車連盟)が指定する3社が製作し供給。重量、空気抵抗増のハンデは、各チーム同じだ

 

時速200キロを超えるスピードで走っているときに、中身がいっぱい詰まったスーツケースが頭にあたった際の衝撃を想像してほしい。いかにヘルメットを被っていようと、致命的なダメージを防ぐことができないことは、容易に想像できるだろう。ハロは、そうした事故からドライバーを守るために考案され、導入が決まった。

 

ハロはF1を統括するFIA(国際自動車連盟)が指定する3社が製作し、チームに供給する。チタン合金製で重さは約7kgだ。ハロの装着を見込んで、車両の最低重量は2017年の728kgから、2018年は733kgに引き上げられた。ん? 計算が合わない。車両の他の領域で軽量化を図らないと、車重を最低重量未満に抑えることはできないのだ。

 

さらに悩ましいのは、ハロは既存の車体骨格にボルトで留めるだけでおしまいではない点だ。例えて言うと、225km/hで走っているときにフルサイズのスーツケースがぶつかっても、びくともしない強度を確保しなければならない。もう少し具体的に説明すると、上方から約12tの荷重を5秒間かけた際に、サバイバルセル(カーボン繊維強化プラスチックでアルミハニカム材を挟んで作った車体骨格)や取り付け部が壊れてはいけない。

 

言い換えれば、アフリカ象を2頭載せても、ハロ本体のみならず、車体骨格やその取り付け部が壊れてはいけないのだ。そのためには、車体骨格を強化する必要がある。強化すれば重くなってしまうが、そうならないように工夫する必要があるというわけだ。

 

悩みはまだある。7kgもの重たい部品が車両の高い位置に搭載されることになるので、重心位置が高くなってしまう。低重心化はF1のみならずレーシングカーの生命線だ。どこか1チームではなく全車が平等に負ったハンデとはいえ、設計者にとっては頭の痛い課題だったに違いない。

 

空力(エアロダイナミクス)にも影響を与えた。ハロはリヤに向かう空気の流れを邪魔することになるので、できるだけ空力的にニュートラルになるよう、開発は行われた。ハロ本体はチタン合金がむき出しになった状態だが、シュラウドで覆ったうえ、ごくわずかな範囲で空力的な処理を施すことが認められている。その細かな処理に、チームの独創性が現れている。

ハロはドライバーの目の前に設置されるが、意外と視界の妨げにはならないそう

 

Yの字をしたハロは3点で車体骨格に締結される。ちょうどドライバーの目の前に柱が立つことになるが、視界の妨げにはならないようで、ドライバーにはおおむね好意的に受け止められている。ただ、雨が降り出したときなどはハロが邪魔をしてバイザーにあたりにくくなるため、「わかりにくい」というコメントもあるよう。外からは、ドライバーのヘルメットは見えづらいという指摘がある。

 

ドライバーの頭部を保護する新しい安全デバイスのハロは、2018年シーズンから、F1に加え、直下のF2にも導入される。日産が参戦することで話題のフォーミュラEは2018年冬から始まるシーズン5から新型マシンにスイッチするが、「Gen2」と呼ぶ新世代マシンもハロを装着することが決まっている。

2018年冬の新型マシンからフォーミュラEでもハロが採用される。写真は日産のマシン

 

見慣れないデバイスなので最初は違和感を覚えるかもしれないが、数年経ってハロの付いていないF1を見たときに、「あぁ、昔はこんな危ない状態でレースしていたんだ」と思うに違いない。ヘルメットを被らないでレースすることが考えられないように。

 

【著者プロフィール】

世良耕太

モータリングライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1世界選手権やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全』『モータースポーツのテクノロジー2016-2017』(ともに三栄書房)、『図解自動車エンジンの技術』(ナツメ社)など

トヨタ、工場内に水素ステーションを開設

トヨタは、愛知県豊田市の元町工場に、豊田自動織機製の燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)を20台導入するとともに、元町工場内にFCフォークリフト専用の水素ステーションを新設した。

これで2017年1月31日に元町工場へトヨタとして初めて導入した2台のFCフォークリフトと合わせ、元町工場のFCフォークリフトは合計22台となる。

トヨタは、「トヨタ環境チャレンジ2050」の「工場CO2ゼロチャレンジ」の達成に向け低CO2生産技術の開発・導入や日常のカイゼン活動だけでなく工場での再生可能エネルギーや水素利用にも取り組んでいる。昨年からのFCフォークリフト導入は、その一環となるものだ。

トヨタでは今後も「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、現在使用しているエンジン式フォークリフトをFCフォークリフトに置き換えていく予定。2020年頃までには、元町工場に170~180台のFCフォークリフトを導入する予定という。また、元町工場以外の工場においてもFCフォークリフトの導入・利用を推進する。

なお、今回追加導入したFCフォークリフト20台は、環境省・経済産業省連携事業である「水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業」を活用して導入したものとなる。

FCフォークリフトとは?

水素を燃料として発電して稼働するFCフォークリフトは、CO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、3分程度で燃料充填が完了する高い利便性を備えている。また、外部給電機能により災害時などの電源としても活用可能だ。

「あのクルマ」が蘇る? マクラーレンの「ハイパーGT」とは

マクラーレンは3月9日、ジュネーブ・ショー2018において2019年に市販する予定の次世代ハイパーカーの一部情報と車両のイラストを公開した。

このモデルはコードネーム「BP23」という名称で開発が進められているもの。マクラーレンでは今のところ「ハイパーGT」と呼んでいるが、市販時のネーミングは今後発表されることになっている。

このハイパーGTはマクラーレンP1やマクラーレン・セナと同様、同社のアルティメットシリーズに属するモデル。鬼才、ゴードン・マレーが開発を手掛け1990年代に生産された3人乗りのスーパースポーツ「マクラーレンF1」にインスピレーションを得て、ドライバーがボディ中央に座る3名乗車のキャビンが与えられる模様だ。

【中年名車図鑑】レガシィへとつながる「水平対向ターボ4WD・ツーリングワゴン」の歴史はここからはじまった

富士重工業(現SUBARU)ならではの高性能なクルマといえば、“ツーリングワゴン”“水平対向ターボエンジン”“4WD”というのが欠かせない要素だろう。これらの特徴を確立したのは、1979年にデビューして進化を遂げていった第2世代のレオーネだった。今回は歌手の岩崎宏美さんや野球選手の原辰徳さんをイメージキャラクターに据えて人気を博した「ザ・ニューレオーネ」の話で一席。

【Vol.60 2代目スバル・レオーネ】

段階的に厳しさを増していく排出ガス規制に対し、低公害技術のSEEC(Subaru Exhaust Emission Control)やSEEC-T(TはThermal&Thermodynamic systemの意)、さらにはEGRなどを組み込んで克服していった富士重工業は、1970年代終盤になると滞っていた新型車の開発を鋭意加速させる。屋台骨を支えるレオーネに関しては、多様化するユーザー志向を満足させるためのワイドバリエーション化を画策。同時に、車両デザインやメカニズムなどの面でもスバルならではの独自性を表現する方策に打って出た。

 

■80年代に向けた新世代レオーネのデビュー

80年代を見据えて登場した2代目レオーネ。デビュー当初は、写真の4ドアと2ドアハードトップの2ボディ構成

 

1979年6月、レオーネが約8年ぶりにフルモデルチェンジを実施し、2代目となる「ザ・ニューレオーネ」(AB型系)に移行する。搭載エンジンには新設定のEA81型1781cc水平対向4気筒OHV(100ps)と改良版のEA71型1595cc水平対向4気筒OHV(87ps)を用意。シャシーにはゼロスクラブ&フルフローティングの4輪独立懸架(前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアーム)を採用する。

 

ボディは従来よりもひと回り大きくなり、そのうえで個性的な6ライトウィンドウを組み込む4ドアセダンとオペラウィンドウを取り入れた2ドアハードトップをラインアップした。注目の4WDシリーズ(FF⇔4WDのパートタイム式)は同年10月に発売。EA81エンジン車には高低2レンジを有したデュアルレンジ機構を内蔵する。また、リアボディを伸ばして広い荷室空間を創出したエステートバンとホイールベースを80mm短縮したうえでリアにハッチゲートを組み込んだスイングバックを追加。

 

さらに、ベーシックエンジンとしてEA65型1298cc水平対向4気筒OHVユニット(72ps)を設定した。ちなみに、スイングバックの北米仕様は1981年公開の『キャノンボール(The Cannonball Run)』に登場。乗員はジャッキー・チェンとマイケル・ホイが務めた。

セダンのインテリア。デビュー当初のセダン、ハードトップの2ボディタイプに加え、エステートバン、スイングバック、そしてツーリングワゴンを追加していく

 

後にスバル車のアイコンとなる“ツーリングワゴン”の登場

1981年6月になると、内外装の一部変更や装備の充実化などをメインメニューとしたマイナーチェンジが実施される。そして同年7月には、その後のスバル車の方向性を決定づける最初の“ツーリングワゴン”、レオーネ4WDツーリングワゴンがデビューした。エステートバンのBピラー付近からルーフを30mmほど高めた2段ルーフ(カタログなどではツーリングルーフと呼称)にフルトリムのカーゴスペース、2分割スプリットタイプのピロー付リアシート、専用セッティングの4輪独立懸架サス、カナリーイエローと称する鮮やかな黄色のボディカラーなどを採用してバンとの差異化を図ったツーリングワゴンは、アウトドア派ユーザーを中心に高い人気を獲得した。

81年のマイナーチェンジでツーリングワゴンが登場する。Bピラー付近から30ミリほど盛り上がる2段ルーフが特徴

 

同年11月には、国産車初の4WD+ATモデルがレオーネに設定される。パートタイム式4WD機構には新たに油圧多板クラッチが組み込まれ、走行中に、しかもボタン操作ひとつでFFと4WDの切り替えができる仕組みだった。

 

■4WDモデルで“TURBO”ブームに対応

矢継ぎ早に車種ラインアップの増強や中身の進化を果たしていったザ・ニューレオーネ。一方で1980年代初頭の自動車マーケットでは、ひとつの先進技術が脚光を浴びる。排気エネルギーを活用する“TURBO(ターボ)”機構だ。日本で先陣を切ったのは日産自動車で、1979年12月に430型系セドリック/グロリアのターボモデルを発売する。既存のエンジン排気量で、約1.5倍の排気量に匹敵するパワーが得られる――。こうしたターボの特性に、ユーザーは大いに惹かれる。メーカー側もターボ車を積極的にリリースし、やがて市場ではTURBOブームが巻き起こった。この流れに乗り遅れまいと、富士重工業の開発現場ではターボエンジンの企画を鋭意推し進める。そして、ターボ車の第1弾をレオーネに設定する旨を決定した。

 

1982年10月、スバル初のターボ車となるレオーネ4WDセダン/ツーリングワゴン ターボATが市場デビューを果たす。キャッチフレーズに“劇的な回答”を謳ったレオーネのターボモデルは、他社とはひと味違う凝ったメカニズムを採用していた。水平対向ターボエンジン+AT+4WDという独自の機構を組み込んでいたのだ。

 

まずエンジンについては、既存のEA81をベースに直径約50mmの小径タービンを組み込んだ小型軽量ターボチャージャーユニットをセット。同時に、燃料供給装置には同社初のEGI(電子制御燃料噴射装置)を採用する。

 

さらに、コンピュータが点火時期を自動的に制御するノックコントロールシステムやセルフコントロール機能のオンボード・ダイアグノーシスシステム、動弁系統のメンテナンスフリー化を図るハイドロリックバルブリフターといった先進機構を装備した。

 

圧縮比は自然吸気仕様より1.0低い7.7に設定。最高出力は120psを発生した。ターボエンジンに組み合わせるトランスミッションには、新開発のオールポジションロックアップ3速ATを導入する。最終減速比を自然吸気版用のATよりもハイギアードに設定し、燃費と高速性能を一段と向上させるとともに、低速域からロックアップの効いたレスポンスのいい走りが楽しめるようにセッティングした。

 

駆動機構は油圧多板クラッチを組み込んだ改良版のパートタイム式4WDを採用する。独自のパワートレインを支えるシャシーには、専用チューニングの4輪独立懸架サスをセット。フロントのマクファーソンストラットはスプリングレートの強化やスタビライザー径の拡大などを実施し、リアのセミトレーリングアームではダンパー減衰力のアップやスプリングの非線形化などを行った。また、制動機構には7インチの大径マスターバック付フロントディスクブレーキを採用。装備面では、過給圧が+50mmHg以上になると点灯するターボチャージインジケーターランプや全面ファブリック地のシート、ゴールド色のバンパー&サイドプロテクトモール、幅広ブラックのウィンドウモール、専用のボディストライプなどを盛り込んでいた。

ボディ後端に穿たれたオペラウィンドウが特徴的な2ドアハードトップ

 

一方、ターボATには未設定だったハードトップモデルでは、RXというスポーツバージョンが用意される。ツインキャブレターと組み合わせたEA81型エンジン(110ps)に専用セッティングの4速MTと副変速機付きの4WD、強化タイプのサスペンション、HRレンジのタイヤなどを装備したRXは、とくに走り好きからの熱い支持を集めた。

 

1983年10月になると、ターボATに油圧式車高調整機能を持たせたハイトコントロール車を設定する。これにより、ターボATの高速オールラウンドツアラーとしての実力がいっそう高まった。

 

“ツーリングワゴン”“水平対向ターボエンジン”“4WD”というオリジナリティあふれる機構を満載し、市場で独自のポジションを築いた2代目レオーネ。そのアイデンティティは、以後のレオーネ→レガシィにもしっかりと受け継がれていったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

ランボルギーニとサーヴェロがトライアスロンバイクでコラボ

ランボルギーニと自転車の名門、サーヴェロ・サイクルズがコラボ。トライアスロンバイクの「サーヴェロP5Xランボルギーニ・エディション」が誕生した。

 

 

 

この限定版「P5X」には、ランボルギーニの「チェントロ・スティーレ」(デザインセンター)によるアートワークが施されている。フレームとフォーク部のアイコニックな黄色のトップコーティングとY字模様は、ランボルギーニファンには馴染み深いもので、シートポストの数字は希少な25台限定モデルの通し番号を示している。

 

 

両社の共通した研究・開発に対する並々ならぬ情熱、新しい製品を作るたびにレベルを引き上げることに対する揺るぎない姿勢が「サーヴェロP5Xランボルギーニ・エディション」に見て取ることができる。そして、この比類なきトライアスロンバイクは大胆なアートワーク、フラッシュサーフェスなボディ、前例を見ないミクロレベルの調節機能、180時間超の風洞テストによって鍛えられた空気力学パフォーマンスの集大成となっている。

 

 

ランボルギーニのチーフマーケティングオフィサーであるカティア・バッシは、「ランボルギーニ・アカデミアのドライバーたちは、すでにサーヴェロでトレーニングを行なっていますので、私たちはこのバイクがいかに特別で、いかに速いものかが分かっています」と語った。

 

 

さらに、サーヴェロ・サイクルズのロバート・デ・ヨング社長は、「一流のパフォーマンス、卓越したデザイン、イノベーションを扱ったこのコラボレーションは、両ブランドにとって必然的なものでした」とコメント。また、「この限定マシンが、ワールドクラスの製品とパフォーマンスに情熱を燃やす、両ブランドを結び付けました。レースでは、当社の製品を使用するトライアスリートが先頭を切ることでしょう。しかも彼らは群衆の中で、より一段と脚光を浴びと信じています」 と付け加えている。

 

 

 

市販型トヨタ「スープラ」最新プロトタイプの走りを動画でチェック!

ジュネーブショーで世界初公開となった「GRスープラ レーシングコンセプト」が話題をさらう中、市販型トヨタ「スープラ」の最新プロトタイプが動画でキャッチされた。

 

 

 

 

 

動画では豪雪のスカンジナビアの草原でスノードリフトを楽しみ、縦横無尽に走る姿に加え、心地よいエキゾーストノートまで確認できる。

 

 

 

パワートレインは最高出力200ps版と250ps版の2.0リッター直4ターボエンジン、そして最高出力340psの3.0リッター直6オーバーブースト付きターボエンジンと予想されており、トランスミッションには8速オートマチックが組み合わされることになりそうだ。

 

 

 

現地から最新レポートによれば、ボディサイズは全長4380mm×全幅1860mm×全高1290mm、ホイールベースは2485mmで車重は1496kg。ホイールは、フロントが225/50の17インチ、リアが255/45の17インチが装着されるという。

 

 

 

 

次期型BMW3シリーズの走りを動画でチェック! ニュルブルクリンク高速テストをキャッチ

ドイツ・ニュルブルクリンクで高速テストを実施する、次期型BMW3シリーズが映像で捉えられた。

 

 

 

次期3シリーズは1.5リッター直3ターボと2.0リッター直4ターボエンジンがラインナップされる予定で、高性能バージョンの「M340i」には最高出力360psをマークする3.0リッター直6ターボも搭載されるとのことだが、注目はハイブリッド(HV)モデルとEV仕様モデルだろう。HVは、2.0リッター直4ターボにモーターを組み合わせた48VマイルドHVモデルで、EVは90kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離は500kmとも言われる。

 

 

今回、ニュルブルクリンクでキャッチされたのは1.5リッターのモデルらしいとレポートされているが、このストレートでの加速はまさに”駆けぬける歓び”を具現化したものといえるだろう。

 

 

 

 

ポルシェが2017会計年度で売上高と営業利益の記録を更新

ドイツのポルシェAGは、2017会計年度において、販売台数、売上高、営業利益の新記録を打ち立てたことを発表した。

 

 

 

Eモビリティと成長ビジネスへの投資も示唆

 

販売台数は24万6375台(4%増)、売上高は235億ユーロ(5%増)、営業利益は7%増加の41億ユーロ(2016年:39億ユーロ)で、その結果、営業利益率が前年の17.4%から17.6%に増加。ちなみに2017年末の従業員数は前年比8%増の29,777人に達している。

 

ポルシェAG取締役会会長:オリバー・ブルーメ

 

年次記者会見においてポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏は、「このような好結果の財務諸表は、わが社の戦略を裏付けます。私達は、先例のない未来の開発計画をサポートするため、高い利益水準が必要です」とコメント。ポルシェは、中核となるスポーツカービジネスへの多額の投資に加え、2022年までにEモビリティに対して60億ユーロ超の投資をコミットするなど、未来のトレンドへの支出も倍増。EVスポーツカーの派生モデルや、現行モデルのハイブリッド化と電化および充電インフラとスマートモビリティ開発への投資を行うとのこと。

 

財務/IT担当取締役会副会長:ルッツ・メシュケ

 

また、財務/IT担当の取締役会副会長であるルッツ・メシュケ氏は、「過去3年間の営業利益は50%を超える増加を示している」と述べ、「ポルシェは17.6%の営業利益率によって世界で最も収益性の高い自動車メーカーの地位を維持しています。これは、生産性への継続的な改善、厳格なコストマネジメント戦略、そして優れた製品レンジによるもの」と続けた。デジタル化および電化、コネクティビティといった多額の投資を必要とする大きな課題に対しては、「弊社は15%以上の営業利益率にこだわります。そのため、現在の自動車ビジネスと並行して成長のポテンシャルを生み出す必要があります。中期的にはデジタルサービスで、ふた桁%の売上高を望んでいます」とのこと。

 

 

ポルシェ初のピュアEVである「ミッションE」が発売された暁には、大幅な売り上げ増を見込んでいるようで、早くもその派生クロスオーバーモデルである「ミッションEクロスツーリスモ」を新型911 GT3 RSとともに先のジュネーブ・ショーでワールドプレミア。ブルーメ会長によれば、ポルシェは、次の10年間で最適化されたエンジン、プラグインハイブリッドおよびピュアEVスポーツカーの3つの柱を継続し、「世界各地域は、異なる速度で発展しています。そのため、移行期間についてはできる限り柔軟に対応します」と述べている。

 

 

“帰りにちょっと一杯どう?”はもう古い! アフタービジネスの「スポーツイベント」が流行の予感

昨今、増え続ける医療費の抑制を目的として、日常生活のなかで歩く時間を増やそうという官民連携プロジェクト「FUN+WALK」などのスポーツを通じた健康増進政策が注目を集めています。また、政府が主導する「働き方改革」により余暇の増加が見込まれ、増えたプライベートな時間をスポーツに費やす人も増えると予測されています。

 

このような時流を転機とし、スポーツ市場の拡大を目指してイベントなどを企画する企業が増加。今回は、ビジネスマンをターゲットにスポーツバイクの試乗体験会を開催した自転車専門店あさひのイベントのレポートをお届けします。

 

夜景を楽しめるNIGHT RIDE

「サイクルベースあさひ」を展開するあさひは、都市型サイクリングイベント「NIGHT RIDE」の第1弾として、ビジネスマンを対象としたビギナー向けサイクリング体験会「TOKYO NIGHT RIDE」を3月7日に開催しました。

 

ロードバイクに乗って夜の街を駆け抜け、ライトアップされた東京タワーをまわるなど、都心の“夜景”を楽しむことができるという今回のイベントは、日ごろの運動不足やストレスを抱えるビジネスマンを対象に、スポーツサイクルを楽しんでもらいたいという思いから企画されたもの。会場となったのは、東京・五反田のサイクルベースあさひ五反田TOC店。参加費は無料で、事前に抽選で選ばれた10名が参加しました。

 

 

当日は3月の肌寒い日でしたが、参加者には無料でサイクリングウェアや防寒着、ヘルメットなどが貸し出され、持参するのはシューズと飲み物だけでOK。仕事帰りでも手軽に立ち寄ることができます。

 

出発前のオリエンテーションでは、今回の試乗会を先導してくれる同社のインストラクターから、グループサイクリングに必要な手信号(ハンドサイン)のレクチャーが行われました。走行中、片手を水平に伸ばすと「左折します」または「右折します」の意味。地面を指差すと「障害物や落下物などがあるので注意」。また、今回はビギナーが多いことから、停止をわかりやすくするため、片手を上に挙げて「止まります」と声に出すことに。これを走行中に、前の人から後ろを走る人に伝えていきます。集団でのサイクリングが初めての人でも安心して走ることができるよう考えられていますね。

 

レクチャーが終わると、自転車のセッティングを開始。今回用意されたのは、2月に発売されたばかりのあさひのオリジナルロードバイク「PRECISION R」と、その上位モデル「PRECISION RS」の2モデル。

 

↑PRECISION R(マットブラック)

 

この「PRECISION R/RS」は本格的なスポーツバイクの設計を採用しながら、10万円を切る価格を実現したハイコストパフォーマンスがウリ。販売価格は「PRECISION R」が6万9980円、「PRECISION RS」が8万9980円となっています。

 

身体を動かして気分転換

店舗の外に用意された自転車を、参加者1人1人の身体に合わせて調整します。そのあいだに、今回のイベントに参加された方にお話しを伺うことができました。

 

赤いウェアがお似合いの田中 敦さんは、自転車情報を扱うインターネットサイトを見て、今回のイベントに応募されたとのこと。すでにロードバイクを所有されており、週末には50~60kmほど走ることもあるそうですが、平日の夜に街中を試乗できるいい機会と考えて応募を決められたそうです。

 

このほか、ロードバイク未経験で購入前に試乗してみたかったという方や、職場が近かったのでという方など、参加の理由は様々。しかし、共通していたのは「仕事の帰りに寄れそうだったので」ということでした。自宅から自転車で通勤するのはハードルが高そうですが、このような形なら平日でも気軽にサイクリングを楽しめますね。

 

各自の自転車のセッティングが終われば、準備運動で身体を温めていざ出発。今回は、五反田から芝公園に向かい、東京タワー下をまわって再び五反田に戻ってくる全長約9kmのコースを、途中休憩をはさみながら1時間20分程度で走ります。

 

19時にスタートして、終了は21時前後なので、自宅が都心から離れている方でも安心して帰ることができます。都会の夜景を見ながら気持ちいい汗をかけば、帰宅途中でお酒を飲むよりも仕事のストレスも発散できるかもしれませんね。

 

平日にもっとスポーツに触れる機会を

イベントを企画された株式会社あさひ営業企画チームの佐藤千夏さんに、今回のNIGHT RIDEの狙いを伺いました。

 

――今回のイベントはどういった意図で企画されたのでしょうか?

「弊社では、これまで主に週末にサイクリングイベントを実施してきましたが、忙しい働き盛り世代の男性にはなかなか参加して頂けませんでした。そこで平日の仕事のあとにスポーツを楽しんで頂きたい、という思いから今回のイベントを考えました」

 

――これまでもこのような夜間のイベントを開催されたことはあるのでしょうか?

「いえ、今回が初めての試みです。夜に都心を走るのは怖い、という声もありましたが、インストラクターを含めたグループでサイクリングすることで、安心して夜間の走行を楽しめるようにしています」

 

――今後、イベントではなく通常のサービスとして、例えば皇居ランナーに着替えスペースやシャワー施設を提供するランニングベースのようなサービスを展開していく予定はありますか?

「今後もこうしたイベントは定期的に行っていきたいと考えてはいますが、ランニングベースのような施設運営はいまのところ検討しておりません。まずはロードバイクに実際に乗って頂いて、スポーツサイクリングの楽しさを体験して頂く機会を提供したいと考えております。また、弊社は全国に493店舗を構えておりますが、そのうち4割程度の店舗でスポーツサイクルの取り扱いを強化しています。そのなかでもスポーツスペシャリティストアというスポーツサイクル専門の店舗も28店舗あり、そちらではサイクリングイベントやスポーツサイクルのレンタルサービスなども実施しています」

 

――こちらの五反田TOC店もスポーツスペシャリティストアなのですか?

「いえ、スポーツスペシャリティストアは郊外の店舗がほとんどで、都心部では展開しておりません。ただし、この五反田TOC店も従来はファミリー向けがメインでしたが、最近ではスポーツサイクルやアクセサリーの取り扱いを増やして、スポーツサイクルの需要の増加に対応しています」

 

「仕事帰りにスポーツなんて、とても無理」、「道具や着替えを用意するのが大変」とお考えの人は、手始めにこうした企業が開催するスポーツイベントに参加してみてはいかがでしょうか? ストレスを発散できるだけでなく、仕事以外の人脈や趣味の友人を作るいい機会にもなりそうです。

 

ロジャー・ムーアが所有した、ボルボP1800がドイツのイベントに登場!

ボルボ・カーズは、007シリーズのボンド役でも知られ昨年亡くなった俳優のサー・ロジャー・ムーアが所有し、英国のテレビ・ドラマ「セイント」にも登場した1967年製の「ボルボ1800S」をドイツのエッセンで開催される「テクノ・クラシカ・エッセン」に展示する。期間は3月21日~25日の5日間。

 

 

 

この1800Sは、1966年にスウェーデンのトースランダ工場で生産されたもの。ボディカラーはパールホワイトで、希少なオリジナル「トランケイテッド」スポーク・デザインのミニライト・ホイール、ヘラー製フォグランプ、ボルボ製ウッドステアリングが装備されていた。

 

そして、車内は「セイント」撮影時の状態のまま。ダッシュボードの温度計、スタジオ撮影の際に乗車する出演者に冷風を送るための独立したインテリアファンが取り付けられている。

 

 

ムーアは、この1800Sの最初の所有者として登録され、ロンドンの車両登録番号である「NUV648E」は1967年1月20日に発行。以来、しばらく愛用することになる。

 

そして「セイント」で有名な「ST1」のナンバープレートを付けて、1967年2月に撮影されたエピソード「ダブルダイヤモンド」でデビュー。1969年のシリーズ終了まで、主人公サイモン・テンプラーの愛車として使われた。その後、俳優マーティン・ベンソンに売却された後、何人かの所有者の手を経て2000年代初めにほぼオリジナルの状態にレストアされた。

 

 

ちなみに「セイント」は、作家レスリー・チャータリスの1920年代の作品に登場する主人公サイモン・テンプラーの別名で、小説セイント・シリーズは一連の映画作品を生み出し、後に人気を博す英国ITCテレビ制作のテレビ・ドラマの原作にもなった。このテレビ・ドラマは1962年10月から1969年2月までに118のエピソードを放映、英国とアメリカで大きな成功を収めた。後に80か国以上で配給され、ロジャー・ムーアが演じたセイントはいつも白いボルボP1800クーペを運転していた。

 

 

【1分でわかる】三菱自動車「エクリプスクロス」ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今春に発売されたクーペ風SUV三菱自動車「エクリプスクロス」を紹介します。出来映えは上々で、作り手独自のキャラクターも実感できる仕上がりです。

 

三菱が満を持して送り出すクーペ風SUV

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三菱自動車
エクリプス クロス

 

クーペ風の仕上がりながら荷室は実用的な広さを確保

三菱としては久々の新作となるエクリプス クロスは、SUVとクーペの魅力を融合させたクロスオーバーモデル。そのボディは、同門のRVRより若干大きい程度で、日本の道路でも扱いやすいボリュームとなっています。

 

最大の特徴はリアピラーを傾斜させたスタイリッシュな外観にありますが、かつてパジェロで一世を風靡したSUVの老舗の作とあって、実用性の高さも見逃せません。後席は大人でも余裕のあるスペースを確保。クーペ風とはいいつつ、荷室も実用的な広さを実現します。

 

今回はプロトタイプに試乗しましたが、その走りは手堅い仕上がりでした。エンジンは1.5リットルのターボで、動力性能は必要にして十分という水準をキープしながら、実用域では充実したトルクを発揮して扱いやすいです。サスペンションもしなやかさを感じさせる設定とあって、ライド感は快適。個性的なSUVをファーストカーとして探している人なら、ぜひとも注目すべき一台といえそうです。

 

発売時のエンジンは1.5Lターボ

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正式デビュー時の搭載エンジンは、1.5ℓのガソリンターボのみとなる予定。SUVで人気のディーゼルがその後追加される予定があるそうです。

 

インテリアもスポーティ仕立て

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その外観同様、インテリアもスポーティな造形が特徴的。接続したスマホを操作できるタッチパッドコントローラーも装備します。

SUVとしての実用性も高レベル

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後席にスライド機構を採用したことで、荷室をフレキシブルに使えます。9インチのゴルフバッグが4個積載できる広さも魅力です。

 

クーペ風味はコンセプトカーから継承

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2013年と15年に発表されたショーモデル、コンセプトXRを源流とするスタイリングはクーペ的なテイストを醸します。RVR比で全長が40mm、全幅は35mmの拡大となります。

【1分でわかる】フォルクスワーゲン「eゴルフ」ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今回は、定番インポートハッチバックのEVモデルをピックアップ。出来映えは上々で、作り手独自のキャラクターも実感できる仕上がりです。

 

ゴルフ初のピュアEVが上陸

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フォルクスワーゲン
eゴルフ

SPEC【eゴルフ】 ●全長×全幅×全高:4265×1800×1480mm ●車両重量:1590㎏ ●モーター種類:交流同期電動機 ●最高出力:136PS/3300〜11750rpm ●最大トルク:29.5kg-m/0〜3300rpm ●バッテリー総電力量:35.8kWh ●最大航続距離:301km

 

EVモデルでもゴルフらしい良質な走りを実現する

コンパクトカーの「お手本」として長年君臨してきたゴルフに、ピュアEVモデルが追加されました。

 

すでにプラグインHVはGETの名前で導入済みでしたが、こちらは完全なゼロエミッションを実現。その航続距離は、最大で301kmとなっており、ほぼ同じタイミングで発売された新型日産リーフと比較すれば控えめな数値ですが、EVとしてはこちらも十分に実用的です。日本仕様は「CHA de MO」の急速充電にも対応するので、長距離のドライブ時でも不安は少ないです。

 

その走りは、EVというよりクルマとしての高い完成度を強く意識させるものです。低速から力強く、スムーズで静粛な点はいかにもEVらしいが、常に良質なツール感を醸す点は、さすがゴルフという出来映えです。

 

【注目ポイント01】使い勝手はガソリン仕様と同じ

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メーター回りを中心にEVモデル専用の装備が与えられていますが、基本的な仕立てはノーマルなガソリン仕様のゴルフと変わりません。それだけに新鮮味は薄いものの、使い勝手は秀逸です。

 

【注目ポイント02】バッテリーは前後シート下に搭載

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Der neue Volkswagen e-Golf

総電力量35.8kWhのリチウムイオン電池は、前後のシート下に搭載。ガソリンエンジンがあった場所には電気モーターが収まります。充電は、200V&急速充電に対応。

【1分でわかる】プジョー 5008ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今回は実用性の高さが光る7人乗りフランス産SUVの新作をピックアップしました。

 

ミニバンから7人乗りSUVに転身

 

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プジョー
5008

SPEC【GTブルーHDi】 ●全長×全幅×全高:4640×1860×1650mm ●車両重量:1690kg ●パワーユニット:1997cc直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ ●最高出力:180PS/3750rpm ●最大トルク:40.8㎏-m/2000rpm ●カタログ燃費:17.3km/リットル

【LINE-UP】

<アリュール>
エンジン:1.6ℓ+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:404万円

<GTブルーHDi>
エンジン:2.0ℓディーゼル+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:454万円

 

見た目は個性的でも「使える」 プジョーらしい仕上がり

5008は実直なコンパクトミニバンから一転、3列シートを備えたSUVへとクラスチェンジを遂げました。その外観は3008譲りの精悍な顔つきが印象的ですが、プジョーらしさを感じるのは実用性の高さ。2人掛けとなる3列目シートは狭そうに見えるものの、大人でも快適な広さを確保。加えて、荷室の使い勝手はこの種のSUVでは間違いなくトップレベルの水準に仕上げられていて、アクティブに乗りたい人にも自信を持ってオススメできます。

 

日本仕様のエンジンは1.6リットルのガソリンターボと2リットルディーゼルターボの2種ですが、動力性能は前者でも十分に実用的。後者ならより力強い走りを堪能できます。トレンドになりつつある「3列シート SUV」のなかで、デザインにも実用性にもキャラクターを感じられるモデルです。

 

【注目ポイント01】3008のボディ後部を大幅に延長

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フロントドアより前は3008と共通ながら、そこから後ろはオリジナルの形状を採用。全長は3008比で190㎜の延長となります。

 

【注目ポイント02】個性的な仕立てはプジョーならでは

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極端に小径のステアリングは、最新プジョーでは定番。インパネ回りはデザイン性の高さも魅力です。

 

【注目ポイント03】荷室の使い勝手はトップレベル!

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荷室は3列目を格納した状態で702ℓ。最大では1862ℓに達するという大容量を実現しています。

 

アウディ x イタルデザイン x エアバスの提案とは?

2018年3月6日、アウディ、イタルデザイン、エアバスの3社は、ジュネーブ・ショーにおいて、道路および空中を移動する完全自動運転の電気自動車コンセプトモデル、「Pop.Up Next(ポップ・アップ・ネクスト)」を展示した。

 

 

 

まだ先の話になるが、このポップ・アップ・ネクストは、人々を乗せて都市の道路と空中をすばやく便利に移動。さまざまな交通問題を解決する可能性を秘めている。

 

インテリアの最大の特徴は49インチのスクリーンで、人と機械のやりとりは、音声および顔認識システム、視線追跡操作システム(アイトラッキング)、タッチ機能によって行なわれる。

 

 

超軽量な2人乗りキャビンは、車両モジュールまたは飛行モジュールのどちらにも取り付けることが可能。アウディは、バッテリーおよび自動運転技術のノウハウで、このプロジェクトを支援している。イタルデザイン社長のDr.ベルント・マルテンスは、次のように述べた。

 

「都市および人々の多様なニーズを考慮した新しいコンセプトを策定する場合には、創造性が必要になります。イタルデザインは、革新的なテクノロジーと先進的なプロトタイプを作成する拠点となっています。ポップ・アップ・ネクストは、将来的に都市における生活を根本的に変える可能性を秘めた野心的なビジョンです」

 

 

イタルデザインは、アウディおよび世界中のユーザーのために未来志向の車両コンセプトを開発している。イタルデザインCEOのヨルグ・アスタロッシュは、次のように述べている。

 

「未来におけるアーバンモビリティのルールは、さまざまなプレーヤーによって定義されていくでしょう。私たちは、航空宇宙産業において世界有数の企業であるエアバスと協力して、未来のモビリティへ向けたソリューションを研究できることを誇りに思っています」

 

 

さらに、アスタロッシュは、ポップ・アップ・ネクストを都市に住む人々に3次元のモビリティへの道を拓く、柔軟性の高いオンデマンド コンセプトであると見なしている。イタルデザインは、都市におけるモビリティの未来をより良く予測するために、都市、大学、様々な関係者のネットワークを活用している。

 

なお、ポップ・アップの最初のバージョンは1年前のジュネーブ・ショーで発表されているが、今回のポップ・アップ・ネクストは、それよりも大幅に軽量化。インテリアのデザインも見直されている。

 

“Pop.Up Next”ウェブサイト
https://www.italdesign.it/geneva2018

 

 

 

フォルクスワーゲンの未来モビリティが1年を経て進化!

フォルクスワーゲングループは、「フォルクスワーゲングループ・ナイト・ジュネーブ-未来を形作るアーバンモビリティ」と題されたジュネーブ・ショーの前夜イベントにおいて、完全な自動運転のためのモビリティコンセプトの最新バージョン、「SEDRIC・School・Bus(セドリック・スクールバス)」を発表した。

 

 

 

 

フォルクスワーゲンは、持続可能、安全で便利なモビリティを実現するために、ブランドの垣根を越えたアイデアプラットフォームとして、自動運転車両の重要性を強調。セドリック・モビリティ・コンセプトの最新バージョンを発表することによって、フォルクスワーゲングループが自動運転の分野において世界的なリーダーの役割を果たすという目標の実現に向かって進んでいることを示唆している。そして、セルフ ドライビングシステム(SDS)の開発は、いつでも、どこでも、誰もがボタンを押すだけで利用できるモビリティのビジョンを具現化するものであり、未来のパーソナル モビリティの技術的な基盤を形成している。

 

 

 

セドリックは、昨年のジュネーブ・ショーでの初公開以来、完全自動運転の世界を見据えブランドの垣根を越えてアイデアを生み出すプラットフォームとして機能してきた。そして、1年の間で自動運転システムの開発、周囲の環境や交通データ分析を認識するためのシステムが大きな進化を遂げ、最新のセドリック・スクールバスは、スマートなモビリティソリューションを代表するシンボルとなった。フォルクスワーゲン グループは、渋滞や大気汚染、そして安全性に関係する都市の問題を克服するために、このモデルを活用することを考えてる。

 

また、自動走行システムの技術的進化と平行する形で、デザイン、ユーザー体験および快適性の領域におけるソリューションの開発も進められており、「フォルクスワーゲングループナイト」で発表されたセドリックの最新版は、どのような場所にも採用でき、万人が利用できるパーソナルモビリティを完成させる願望を明確に示すものとなった。

 

 

 

この「セドリック・スクールバス」は、イエローとブラックの基本色にグラフィティ(落書きのようなデザイン)を配し、内外装ともスクールバスのデザインを採用した。そして、ひとつの大きな塊のようなプロポーション、頑丈なボディピラー、そして広々とした室内スペースによって、このクルマの親しみやすいキャラクターが強調されたものになった。一方、インテリアはステッカーで飾られたアルミ製のボックスが、4座のうちの2座のベースとなり、大型OLEDディスプレイとして設計されたフロントウインドーは、オンボードエンターテインメントを上映できる。

 

また、“OneButton”と呼ばれる操作エレメントを使用。ボタンを押すだけで自動運転の電気自動車を呼び出し、ドアツードアで便利な移動を可能にし、子供たちを移動させるための理想的な自動運転車両となっている。

 

関連情報は、ウェブサイト(http://www.discover-sedric.com)に掲載されている。

 

 

 

ボルボXC40が欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞

ボルボ・カーズはこのほど、新型コンパクトSUVの「XC40」が、2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことを発表した。この権威ある賞は、ボルボにとって初の栄冠となる。

今回の受賞を受けて、ボルボ・カー・グループのホーカン・サムエルソンCEOは次のようにコメントしている。

 

「新型XC40がこの栄誉を授かったのは、タイミングとしても理想的です。ボルボは、初めて世界市場に向けて3種類のSUVを発売しました。XC40は、急速に成長するコンパクトSUVセグメントにおいて、当社のさらなる成長に大きく貢献してくれることでしょう」

XC40はボルボ・カーズの新しいコンパクト・モジュラー・ビークル・アーキテクチャー(CMA)を採用した最初のモデル。このプラットフォームは、今後発売される予定の電気自動車を含む40シリーズの量産車種のすべてに採用される予定となっている。

今回のXC40の受賞は、グローバルに展開する新しいボルボSUVラインナップが完成し、欧州と北米の両大陸でカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことを意味している。大型SUVのXC90、ミッドサイズSUVのXC60のいずれもが、過去2年間で北米トラック/ユーティリティ・オブ・ザ・イヤーを受賞。日本でも昨年、新型XC60が日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を受賞したことはご存知のとおりだ。

また、XC40は、英国の代表的な自動車雑誌「What Car ?」によるカー・オブ・ザ・イヤー受賞など、このところ多くの注目を浴びており、2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤーの受賞はこれらに続く快挙となった。

ちなみにこのXC40、日本では3月に正式発表・発売を予定していることが1月26日にアナウンスされているので、まもなく発売されるものと見られる。また、正式発表に先駆けて、全国300台限定の「XC40 T5 AWD Rデザイン 1stエディション(559万円)」の予約注文を、現在受け付けている。

赤字体質から6年連続増益へ――躍進する「JR貨物」に鉄道貨物輸送の現状を見る

相模灘を眼下に望む東海道本線の早川駅〜根府川駅間のカーブを、うねるようにして貨物列車が進む。ブルートレイン牽引機として活躍したEF66 “マンモス”、その血を受け継いだJR貨物のEF66形式直流電気機関車が、長い貨物列車の先頭に立つ。24両編成、総重量1000トン以上にも及ぶコンテナ貨車。力強く牽引する姿は豪快そのものだ。

この貨物列車の姿のように、JR貨物がいま、力強く元気だ。長年、赤字体質だった会社が、6年前から黒字経営に、さらにここ数年は好業績を上げ続けている。どのようにして体質改善が図られていったのか、変わるJR貨物の現状を見ていきたい。

 

6年連続増益!ついに最高益をあげるまでに

まずは、JR貨物の好調ぶりを数字で見ていこう。

 

平成29年10月30日に、平成30年3月期の中間決算が発表された。営業収益は935億円。対前年比23億円プラスで、2.6%の増収となった。営業利益にいたっては前年比12.2%増、経常利益は対前年比20.5%増となった。

 

中間期の純利益を見るとなんと78.2%の増加となる。これで6年連続増益となり、中間期決算の公表を開始した平成9年度以来の最高益をあげた。

↑JR田端駅近くビル上にある案内看板。夜になると機関車のヘッドライトが光り、面白い。赤い電気機関車がJR貨物を力強く牽引するといった構図にも見える

 

いまでこそ好調のJR貨物だが、10年ほど前まで、この状態はとても予想できなかった。純利益を見ると、平成20年度(△15億円)、21年度(△27億円)とマイナスの数字が並ぶ。22年度(10億円)は持ち直したものの、東日本大震災があった平成23年度はマイナス5億円の損失を計上した。

 

ところが、翌平成24年度からプラスに転じ、それ以降、ほぼ右肩上がりで業績を延ばしている。

 

こうした背景には、トラック輸送から鉄道輸送や船輸送への転換。CO2の排出を減らそうとする取り組み「モーダルシフト」が、国により強く推進されたこともあるだろう。また昨今の、ドライバー不足から鉄道貨物輸送への転換を余儀なくされた荷主が増えている背景もありそうだ。

 

一方で、時間をかけつつも、より効率の良い鉄道貨物輸送を目指してきた、その成果が実を結んだようにも思える。どのような改善を施し、また成果を生み出したのか、いくつかの事例を見ていきたい。

 

【事例①】

企業とのつながりを強めた「専用列車」の運行

鉄道貨物の輸送は大きく2つにタイプに分けられる。「車扱(しゃあつかい)輸送」と「コンテナ輸送」の2つだ。石油や鉱石などを専用の貨車に載せ、走らせることを車扱輸送と呼ぶ。一方、一定の大きさのコンテナを貨車に載せて運ぶ列車をコンテナ輸送と呼ぶ。

 

古くは車扱輸送が主流だったが、現在は、コンテナ輸送が鉄道貨物全体の約70%を占めている。主流となるコンテナ輸送だが、その姿を大きく変えたのが次の列車だった。

↑一企業の専用列車として走り続ける「スーパーレールカーゴ」。東京貨物ターミナル駅を23時14分に発車、大阪の安治川口駅に早朝5時26分に到着する

 

2004(平成16)年に走り始めた「スーパーレールカーゴ」。東京貨物ターミナル駅と大阪市内の安治川口駅を結ぶ貨物列車で、佐川急便の荷物を積んだコンテナのみを載せて走る。

 

M250系という動力分散方式の車両を利用、専用のコンテナを積んだいわば“貨物電車”のスタイルで走る。深夜の東海道本線を最高時速130kmで走り、上り下りとも約6時間10分で結ぶ。深夜に出発して、翌早朝には東京、大阪に到着するダイヤで運行されている。

 

「スーパーレールカーゴ」での輸送が実績を上げたこともあり、2013年からは福山通運の専用列車「福山レールエクスプレス号」が東京貨物ターミナル駅〜吹田貨物ターミナル駅(大阪府)間を一往復しはじめた。さらに「福山レールエクスプレス号」は、2015年から、東京貨物ターミナル駅〜東福山駅(広島県)間、2017年には名古屋貨物ターミナル駅〜北九州貨物ターミナル駅間の運行も開始された。こうした専用のコンテナ列車は、1往復で、大型トラック60台分のCO2削減につながることもあり、効果が大きい。

↑東海道貨物線を走る「福山レールエクスプレス号」。同列車は東京〜大阪間だけでなく、東京〜福山間、2017年5月からは名古屋〜北九州間の運転も始まっている

 

この動きは、宅配業種との協力体制のみに留まらない。2006年11月から運行を始めたのが「トヨタ・ロングパス・エクスプレス」。列車名でわかるように、トヨタ自動車関連の部品類を運ぶ専用列車だ。愛知県の笠寺駅(名古屋臨海鉄道・名古屋南貨物駅着発)〜盛岡貨物ターミナル駅、約900km間を約15時間かけて走る。1日に2往復(土・日曜日は運休)するこの専用列車。愛知県内にあるトヨタ自動車の本社工場と岩手工場間の部品輸送に欠かせない列車となっている。

↑相模灘を背に走る「トヨタ・ロングパス・エクスプレス」。青い色の31フィートサイズの専用コンテナを積んで走る

 

2018年3月のダイヤ改正からは、こうしたクルマの部品輸送用の専用列車が相模貨物駅(神奈川県)〜北九州貨物ターミナル駅間を走る予定で、専用列車の需要はますます高まっていくと言えそうだ。

 

【事例②】

スムーズな輸送に欠かせなかった拠点駅の整備

専用列車の登場とともに、JR貨物のスムーズな輸送に大きく貢献したのが2013年3月の吹田貨物ターミナル駅の開業だ。国鉄時代には、東洋一の規模を誇った吹田操車場の跡地の一部を利用した貨物駅で、東海道本線の千里丘駅〜吹田駅間の約7kmにわたる広大な敷地に貨物ターミナル駅が広がる。

↑東海道本線に沿って設けられる吹田貨物ターミナル駅。同駅の整備にあわせて福山通運の「福山レールエクスプレス号」の運行が始められた

 

同駅の整備により、先にあげた「福山レールエクスプレス号」などの列車の着発と、荷役が可能になった。また貨物列車の上り下り線ホームを整えたことで、東海道本線や山陽本線という物流の大動脈を走る列車の荷役作業を、よりスピーディに行えるように改善された(作業は着発線荷役と呼ばれる)。

 

吹田貨物ターミナル駅からは、大阪市内の別の貨物駅、大阪貨物ターミナル駅や百済貨物ターミナル駅を向かう列車も多い。構内を整備したことで、これらの列車の発着もよりスムーズになった。1つの駅の整備が大阪圏内だけでなく、西日本の鉄道貨物の流れをよりスムーズにしたと言っても良いだろう。

↑東海道本線を走る多くの貨物列車の起終点となるのが東京貨物ターミナル駅。駅構内に新たに設けられる大型物流施設の工事も始まっている

【事例③】

引っ越し需要にこたえて臨時列車を走らせる

3月、4月は1年で、最も引っ越し需要が高まる季節。さらに今年はドライバー不足、働き手不足の影響もあって、引っ越し料金が高騰し、予約が取れない状況だとされる。

 

そんな引っ越し需要に合わせて、JR貨物では3月上旬〜4月上旬にのべ30本の臨時列車を運転、68本の貨物列車の曜日運休を解除して、12フィートコンテナ換算で9800個(49,350トン)の輸送力の増強を図っている。

 

臨時列車が走るのは大阪貨物ターミナル駅〜鳥栖貨物ターミナル駅(佐賀県)・北九州貨物ターミナル駅間や、隅田川駅(東京都)〜札幌貨物ターミナル駅間。こうした柔軟性に富んだ対応も、JR貨物の新しい一面と言えるだろう。

 

【事例④】

国鉄時代に生まれたコンテナ貨車が消えていく

コンテナを積む貨車の更新も改善されてきたポイントの1つだ。

 

コンテナ用の貨車は1970年代にコキ50000形式が大量に造られた。その後、1980年代の終わりに、コキ100系というコンテナ貨車が生まれた。

 

40年にわたり使われてきたコキ50000形式だったが、時速100〜110kmのコキ100系に対して、最高時速が95kmと見劣りした。しかも床面の高さがコキ100系の1000mmに比べ1100mmと10mmほど高い。コンテナ貨車はコンテナを積んだときに、上限となる限界値があり、コキ50000形式には背の高いコンテナを載せることができない。

↑1970年代に大量に造られたコキ50000形式。高床構造で、12フィート汎用コンテナの利用の場合、高さ2500mm未満の限定サイズを使わざるを得なかった

 

いままで使われ続けてきたコキ50000形式だったが、2018年3月のダイヤ改正で残っていた車両が消えることになった。

 

今後、コンテナ貨車は、ほぼコキ100系に統一される。これまで12フィートサイズの汎用コンテナは、コキ50000形式に合わせてつくられていた。しかし、コキ100系が主流となることで、高さを2500mmから2600mmへと、100mmほどサイズが大きい汎用コンテナが一般化することになる。わずか100mmの違いながら、それだけ多くの荷物の積み込みが可能になるわけで、荷主にとってありがたい改善点となる。

↑31フィートコンテナを載せたコキ100系。高さが2500mmを越えるコンテナには、誤った積載を防ぐため「コキ50000積載禁止」の文字が書かれていた。

 

 

【事例⑤】

鉄道ファン受けしそうな貨物用機関車の塗り替え

最後に鉄道ファンとしては気になる貨物用機関車の話題に触れておこう。この貨物用機関車の運用に関しても、現在のJR貨物らしさを見ることができる。

 

EF200形式直流電気機関車という強力な貨物用機関車が使われている。東海道・山陽本線で使われる機関車で、日本の機関車史上、最強の6000kWの出力で、1600トンの貨車の牽引が可能な車両だった。

 

この機関車はJR貨物発足後の1990(平成2)年、景気が良かった時代に誕生した。ところが、生まれたあとの輸送需要が伸びなかったこと、フルパワーで走ろうとすると、地上の変電設備などに負荷をかけることから、出力を抑えての運転が余儀なくされていた。問題をかかえていたために21両と製造数も少なかった。

 

生まれてまだ30年も経っていないが、すでに稼働しているのが4両のみとなっている。このままでは、あと数年で消えていきそうな気配だ。

↑日本の電気機関車史上、最大のパワーを誇ったEF200形式電気機関車。オーバースペックがたたり、国鉄形機関車よりも先に消えていきそうな気配だ

 

消えていきそうな機関車がある一方で、国鉄形電気機関車に面白い動きが見られる。

 

国鉄がJRに分社化されすでに30年あまり。JR貨物に残る国鉄時代生まれの機関車も減りつつある。そんな動きのなか、国鉄形機関車のなかに、全般検査を受け、今後、3年、5年と走り続けそうな車両も出てきた。EF64形式やEF65形式が昨年から数両、全般検査を終えて工場から出庫してきているが、塗り替えた姿は、両形式ともすべてが国鉄原色と呼ばれる塗装だった。

↑EF65形式直流電気機関車の2065号機。定期的に行われる全般検査の際に国鉄原色に戻され、鉄道ファンの心をくすぐった

 

まさか、鉄道ファンに人気だから、ということでの国鉄原色への回帰というわけではないだろう。とはいえ、貨物ターミナル駅や機関区などの公開イベントなどでは、親子連れを含め多くの人が集まり、JR貨物の人気は高い。塗装変更という1つの現象ではあるものの、こうしたJR貨物へ興味を持つ鉄道ファンに受けるがための塗りかえであったら歓迎したい。

↑EF64形式の国鉄原色機は一時期、消えてしまった(JR貨物の場合)。ところが1028号機が全般検査後に国鉄原色に戻された。この復活劇を喜んだ鉄道ファンも多い

 

↑JR貨物のEF64形式といえばブルーに白のラインの色分けが多い。鉄道ファンからは“牛乳パック”と呼ばれたカラーだが、今後、この塗り分けはどうなっていくのだろうか

 

イタルデザイン・ゼロウーノの2018年版はオープン仕様

イタルデザインは、ジュネーブ・ショー2018において、ゼロウーノのオープントップバージョンである「ゼロウーノ・ドゥエルタ」を初公開した。

現在のイタルデザインは、元ランボルギーニのデザイナー、フィリッポ・ペリーニ氏が率いるブランド。フォルクスワーゲン・グループに属しており、新プロジェクト「イタルデザイン・アウトモビリ・スペチアリ」の第1弾として2017年のジュネーブ・ショーで「ゼロウーノ」を発表。5台限定で発売され、即座に完売している。今回発表された「ゼロウーノ・ドゥエルタ」もクーペと同様に5台のみが生産され、2018年の終わりに生産が始まる予定だ。

車名の添えられたドゥエルタとは、同社の本拠地であるイタリアはピエモンテの方言で「オープン」を意味する。ボディはクーペと同様100%カーボンファイバー製で、手動で着脱できるタルガトップもカーボンでできている。

 

パワートレインはクーペと同様で、ランボルギーニ・ウラカン由来の5.2リッターV型10気筒自然吸気エンジン(610ps/560Nm)と7速デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせ。駆動方式は4WDで、トップスピードは320km/h以上を実現しているとのこと。

これからのライトは情報源?メルセデス・ベンツのデジタルライトが登場

ダイムラーAGは3月18日まで開催中のジュネーブ・ショー2018において、ヘッドライトに新しい技術を導入した「デジタルライト」を世界初公開。2018年の前半までに市販型に装備すると発表した。

同ショーでは、新型メルセデス・マイバッハSクラスに搭載されたデジタルライトが披露された。このライトは、片側に100万画素を超える解像度を持つデジタル光線を発する能力を持たせ、車両前方にドライバーの運転を支援するさまざまな情報を前方路面に照射する。すでに導入されている各種運転支援技術やナビゲーションシステムとの連携により、安全で快適なドライブをさらに高めるものだ。

路面には走行路面の状態や進行方向のガイド、歩行者の存在が表示され、ドライバーに注意を促す。例えば前方で道路工事が行われている場合は、そこまでの距離や自車の走行可能場所をガイドする。

トヨタ・スープラがレーシングコンセプトで蘇る!

トヨタは、ジュネーブ・ショーで「GR Supra Racing Concept(GRスープラ・レーシング・コンセプト)」をワールドプレミアした。

「スープラ」の名は、「2000GT」などと並びトヨタの歴史において長らくフラッグシップスポーツとして親しまれてきたがロードカーは2002年に生産を中止している。今回初公開した「GRスープラ・レーシング・コンセプト」は、その「スープラ」を16年ぶりにレーシングカーとして蘇らせたコンセプトモデルだ。

欧州のモータースポーツ活動拠点である「トヨタモータースポーツ(Toyota Motorsport GmbH)」が開発を担当したこのモデルは、ロングノーズ&ショートデッキの伝統的スポーツカーのフォルムとなるフロントエンジン・リアドライブの2ドアクーペというボディ形態を採用。

そのコンパクトなボディには、レースの最前線で使われる軽量かつ高剛性なカーボン・コンポジット材などを採用し、左右に大きく張り出したフェンダーや大型リヤウィング、リアディフューザーなどは、優れた空力性能と走行性能とを狙って開発されている。

サスペンション、ホイール、タイヤ、ブレーキなどは、レース専用部品を装備し、インテリアも、後方確認モニターがついたダッシュボードやレーシングシートに加え、パドルシフト付きステアリングホイール、コラム、ペダル、ロールケージなど、各種レース用装備を組み込んでいる。

「ザ・スポーツ・オブ・トヨタ」として、四半世紀にわたり世界中のファンから愛され続けた「スープラ」は、モータースポーツの世界でも確かな足跡を残している。特に、1993年に発売された第4世代のスープラは、全日本GT選手権(現在のSUPER GT)のGT500クラスで4回の年間チャンピオンを獲得。また、1980年代にはアメリカのIMSA、1990年代にはル・マン24時間レースに参戦するなど、多くのファンを魅了した。

なお、「GRスープラレーシングコンセプト」は、ゲームソフト「グランツーリスモSPORT」に、2018年4月のアップデートで追加される予定となっている。

 

参考主要諸元(社内測定値)

全長/全幅/全高:4,575/2,048/1,230(mm)
駆動形式:FR
ホイールベース:2,470mm
タイヤサイズ:フロント30/68-18、リヤ 31/71-18
FIA LM-GTE規定に対応

「スープラ」年表

1978-1981年:初代(A40/A50型)「Supra」北米で発売。日本国内では「セリカXX」として販売
1981-1986年:第2世代(A60型)北米で発売。日本国内では「セリカXX」として販売
1986-1993年:第3世代(A70型)世界各国で発売
1993-2002年:第4世代(A80型)発売
2002年:生産中止

【中年名車図鑑】“海外ブランド”を巧みに活用したSUVの先駆け

1980年代初頭、厳しい排出ガス規制やオイルショックを乗り越えた日本の自動車メーカーは、新しいクルマのカテゴリーを模索していた。そんな状況下、いすゞ自動車はひとつの方針を打ち出す。アメリカ市場で人気を獲得していたスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の設定だ。今回は日本におけるSUVの先駆的なモデルである初代ビッグホーン(1981~1991年)の話で一席。

【Vol.59 初代いすゞビッグホーン】

アメリカで生まれ、発展したレクリエーショナルビークル(RV)の1ジャンルであるスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)――今でこそクルマのカテゴリーとして日本でも浸透しているが、1980年代初頭はまだ一般に認知されていなかった。そこに白羽の矢を立てて、いち早く国産SUVをデビューさせたのがいすゞ自動車だった。

 

いすゞは1979年に4WDピックアップのファスター・ロデオをリリースする。凝ったカラーリングの内外装に乗用車的な装備群、そして駆動方式は4×4。純粋に荷物を運ぶピックアップではなく、遊び心満点のレジャーカーに仕立てていた。日本ではそれほど注目されなかったが、アメリカ市場では提携関係にあったGMのシボレー部門からも販売されて成功を収める。アメリカではこの種のクルマが売れる。それにアメリカ流のクルマの使い方は、やがて日本でも流行するはず――いすゞの首脳陣はそう読み、新たな4WDモデル、具体的には当時のアメリカで人気を高めていたSUVの企画を推し進めることとした。そして、オフロードでも街中でも新鮮な印象を与える内外装を持つ、手ごろなボディサイズとする、道を選ばぬ快適な乗り心地と操作性により長距離ドライブが楽しめるキャビンを創出する、マルチパーパスにふさわしい広いユーティリティスペースを持つカーゴルームを備える、従来の4WDを凌ぐ悪路走破力と高い信頼耐久性を持つ4WD機構を開発し装備する、日本国内はもちろん海外にも通用する国際感覚を持たせる、という商品コンセプトを掲げた。

 

■“大角鹿”の車名を冠して市場デビュー

1981年に登場した「ロデオ・ビッグホーン」。“プアマンズ・ローバー”という不本意なニックネームも

 

開発陣は試行錯誤を繰り返しながら、1981年9月にはついに新ジャンルのSUVのリリースにこぎつける。車名は「ロデオ・ビッグホーン」を名乗った。ビッグホーンはロッキー山脈に生息する大角鹿の名前。ワイルドで力強いルックスと高い走破性にちなんで、このネーミングを採用した。未知の分野のクルマで、しかもピックアップをベースとしたことから、デビュー当初のロデオ・ビッグホーンは車種ラインアップを2ドアのバン(ホイールベース2300mmのショートと同2650mmのロング)およびソフトトップ(同2300mm)の3タイプに絞る。搭載エンジンはC223型2238cc直列4気筒渦流室式ディーゼル(73ps/14.2kg・m)を採用。駆動システムにはFRと4WDの切り替えが可能なパートタイム式を導入した。

ロデオ・ビッグホーンのインテリア。車種は2ドア2タイプとソフトトップの計3タイプ

 

意気揚々と市場に放たれたロデオ・ビッグホーン。しかし、当時の市場での注目度はいまひとつだった。1980年代初頭は各メーカーから高性能スペシャルティカーが続々とデビューし、流麗なスタイリングやハイパワーのスペック、ハイテク機構などがモノをいう時代で、ロデオ・ビッグホーンのキャラクターはやや地味に映ったのだ。また、ピックアップ譲りの走りも非力な印象。ルックスについても、英国のレンジローバーに似ていたために“プアマンズ・ローバー”という不本意なニックネームがついてしまった。悪いことは重なるもので、さらにロデオ・ビッグホーンには強敵が出現する。三菱自動車工業が開発したパジェロ(1982年4月デビュー)だ。ルックスはロデオ・ビッグホーンよりも強面で目立ち、車種ラインアップも豊富。結果的に販売成績は、パジェロの後塵を拝することになった。

 

■“新生ビッグホーン”の登場

1984年に「ロデオ」を省いた“新生ビッグホーン”が誕生。写真は2ドアロングモデル

 

市場でのシェアを拡大しようと、いすゞの開発陣は工夫を凝らしたロデオ・ビッグホーンの改良を画策する。まず車種ラインアップでは、SUVとしての特性を強調するために乗用モデルのワゴンの設定を決断。内外装は既存のバンよりも大幅にグレードアップさせ、とくにシートの座り心地の引き上げや装備類の充実にこだわった。搭載エンジンについては、主力ユニットのC223型ディーゼルにターボチャージャーを装着。加えて過給圧が高まると排気を逃がしてタービンの回転を調整するウエストゲートを採用し、低回転域から高回転域までのフラットなトルク特性を実現した。パワー&トルクの数値は87ps/18.7kg・mにまでアップする。高出力化に合わせて制動性能も見直し、マスターバックの拡大(7インチ→8インチ)やプロポーショニングバルブの採用などを敢行した。一方、シャシーについても徹底したリファインが図られる。前・ダブルウィッシュボーン/後・縦置半楕円リーフのサスペンションはチューニングを見直し、ピッチングを最小限に抑えた設定に変更。スタビライザーバーのサイズアップも実施する。タイヤは既存の6.00-16-6PRLT/H78-15-4PRに代わって215SR15を装備した。

 

1984年1月、ロデオが省かれて単独ネームとなった“新生ビッグホーン”が満を持して市場デビューを果たす。“ザ・リアル・ステーションワゴン”と称する2ドアのワゴンモデルはショートとロングの2タイプがラインアップされ、ともにエンジンはターボチャージャー付きC223型ディーゼル(C223-T型)が積み込まれた。さらに1985年6月になると、燃料タンクの増量(50L→83L)や5速MTの搭載、4ZC1型1994cc直列4気筒OHCガソリンエンジン(105ps/16.6kg・m)仕様の設定などを実施。翌7月にはロングボディの4ドア化を図った。

 

■「イルムシャー」と「ロータス」の登場

イルムシャー社の足回り、レカロ製シートとモモ製ステアリングをおごるビッグホーン・イルムシャー

 

乗用モデルの追加によって、商品力がアップしたビッグホーン。しかし、販売成績は伸び悩み続けた。市場でのSUVの注目度は“ヨンク”と称されて急上昇したものの、その人気はビッグホーンよりも三菱パジェロやトヨタ・ハイラックス・サーフといったドレスアップ映えする後輩たちに集中してしまったのである。

1990年1月にはロータス社が足回りを仕立てたスペシャルエディション・バイ・ロータスをリリース

 

いすゞはテコ入れ策として、海外ブランドの活用を選択する。まず第1弾として、ドイツのチューンアップメーカーであるイルムシャー社と提携。1987年10月にはイルムシャー社が足回りをセットし、レカロ製シートとモモ製ステアリングを装着したビッグホーン・イルムシャーを発売する。また、搭載エンジンに4JB1-T型2771cc直列4気筒OHC直噴ディーゼルターボ(110ps/23.0kg・m。後にインタークーラーが付いて115ps/24.0kg・mにアップ)を設定。さらに、ラグジュアリー仕様のエクスポートをラインアップした。1988年6月になるとオーバーフェンダーを備えたイルムシャーRを追加。

 

1988年11月にはイルムシャーGとSを設定し、Gにはガソリンエンジンの4ZE1型2559cc直列4気筒OHC(120ps/20.0kg・m)を搭載する。1990年1月には、オンロード性能を高めた最上級バージョンとしてロータス社が足回りを仕立てたスペシャルエディション・バイ・ロータスをリリースした。

 

車種設定の積極的な拡充を図り、SUVとしての評価も高まったビッグホーンは、1991年12月になると全面改良が実施され、より高性能で高品質な第2世代に移行する。そして、いすゞならではの堅実なSUV造りと息の長いモデルライフは、2代目にもしっかりと受け継がれることとなったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

追越し車線をノロノロ走る車を左側から追越したらダメ?「右ウィンカー」は効果ある?

追越し車線は本来、「追越しのための車線」なので、追越しが終わったら速やかに走行車線に戻らなければならない。追越し車線を走り続けて良い距離は「おおむね2キロ」と確か教習所で習った記憶があるが、実際には1.5キロ程度で捕まることもある(かつて、当コラムでも書いた筆者の経験でもある)。

追越し車線に移って追越しを行った後に追越し車線を走ってもよいとされる距離は、「十分な車間距離(前後100m)が取れる状態で、走行車線へ安全に戻るために必要な距離」となる。走行車線に車が詰まっているなどの状態では、「安全に戻れる」とは言い難いので、安全が確認できるまで追越し車線を走り続けても問題はない。

 

しかし、このような意識を微塵も持たず、追越し車線と走行車線の違いも判らず、罪の意識ナシに追越し車線を走り続ける車もたまにいる。最近は外国人観光客が日本の交通ルールをほとんど理解せずにレンタカーで高速道路を走っているケースも増えているし、大型トラックはリミッターが90km/hなので、それ以上出そうと思っても物理的に無理ということもある。

 

追越し車線を走り続けると車両通行帯違反(違反点数は1点で、反則金6,000円)となり、時速90km程度で追越し車線をふさぐようにして走られると、後続車にとってもかなり迷惑だ。とくに大型トラックが前をノロノロ走っていると、視界もさえぎられ、いつ退いてくれるかもわからないストレスフルな状態で走り続けなければならない。左車線も車が詰まっているなら、まさに八方ふさがりの状態だ。そしてこの状態が渋滞の原因を作ってしまうことにもなる。

 

■追越し車線を塞ぐ車にどいてもらうにはどうしたらいい?

八方ふさがりの状態であれば、もろもろの状況が改善するのをひたすら待つしかないわけだが、左側の車線が空いているにもかかわらず追越し車線をずっと走り続ける車に遭遇した場合、どうやって、道を開けてもらうのがいいだろうか? パッシングで「道を譲って!」アピールをするのも、あおり運転になりそうな気がしてなんとなく憚られる。

 

ちなみに、神奈川県警のサイトによると、あおり運転等は道路交通法上の定義ではない、と断りを入れながらも、「一般的に前方を走行する車に対して進路を譲るよう強要する行為であり、車間距離を詰めて異常接近したり、追い回す、幅寄せ、パッシング、警音器使用等によって相手を威嚇したり、嫌がらせをする等の行為」と定義づけている。そして、前車との車間距離を必要以上に詰める行為は、「車間距離不保持」(道路交通法第26条)となり、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金(高速自動車国道等)が科せられる。

 

■「右ウィンカー」は、効果ある?

前方の車にどいてもらうための方法としてパッシングのほかに、右ウィンカーがある。大型トラックなど、パッシングでは気づきにくい車に対するアピールとして有効とされる方法だ。由来は「大型トラック同士のコミュニケーションから始まった」と書いているメディアもあるが、筆者の感覚だと、右ウィンカーは「ドイツ・アウトバーンでの追越し方法」で、パッシングよりもスマートな方法という認識だ。

 

で、この右ウィンカー、確かにパッシングより控えめだし、煽り運転の定義には入っていない……。(とはいえ、サンキューハザードと同様、本来の目的以外でウィンカーを出す行為は禁じられている。念のため)

 

ちなみに右ウィンカーを出して退いてもらう場合、アウトバーンでは、かなり後方から右ウィンカーを出しながら接近というスタイルが一般的だが、日本ではどうだろうか?

 

そもそも、後ろなんて見ない、という意識の低いドライバーもいるだろうから、そうなればパッシングでも右ウィンカーでも効果はできないだろう。ヘタすれば「後ろの車が煽ってきます!!」なんて通報される危険性もある。実際は、追越し車線をノロノロ走る車が悪いのに、あおり運転で通報されたらたまったもんじゃない。

 

■左側から追越したらどうなる?

左の走行車線がガラガラなら、追越し車線を遅く走る車を左側から追越せばいいのでは?と思う人もいるだろう。実際、高速道路でよく見かける光景だ。わざわざ前の車を退かせる必要もないし、あおり運転だと騒がれることもない。しかし実はこれ、「追越し違反」になる場合がある。左側から追い抜いて、しばらく走行車線を走っていれば問題ないが(これがいわゆる「追い抜き」)、左側から遅い車を抜いて、すぐにまた追越し車線に戻ると「追越し違反」で取り締まりの対象になる場合があるので、ご注意を。左側に移って、しばらく走行して、また遅い車に追いついたら追越し車線に移って追越しをすればOK。

 

【著者プロフィール】

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

電動アシスト自転車は“楽”をする道具から“走りを楽しむ”ギアへ。MTBモデルも登場したヤマハ「YPJ」新ラインナップ

2018年は「eバイク元年」と呼ばれるほど、電動アシスト自転車業界の動きが活発になっています。先日、このGetNavi webでもお伝えしたBOSCH(ボッシュ)のシステムを搭載した海外メーカーの国内進出などもありますが、国内メーカーだって負けてはいません。新たな市場を開拓すべく、これまでにない電動アシスト自転車の新製品を発表しています。

 

今回は、ヤマハのスポーツ電動アシスト自転車「YPJ」シリーズの新製品発表会に潜入。試乗レポートをお届けします。

 

本格派スポーツタイプ電動アシスト自転車「YPJ」

ヤマハの電動アシスト自転車は、通勤や通学、買い物、子どもの送迎など日常生活での使用を想定した「PAS」シリーズと、長距離サイクリングなどに適したスポーティーな「YPJ」シリーズの2シリーズをラインナップしています。

 

今回ヤマハが発表した新製品は「YPJ」シリーズ4機種。街乗りに適したオンロードモデルから、長距離のツーリングに適したモデル、そして本格的なマウンテンバイクという充実したラインナップです。

 

これまでの電動アシスト自転車は、「重い荷物を載せても軽く走れる」「坂道をスイスイ登れる」というように、「楽をするため」の道具という側面が強くありました。一方、長距離サイクリングを楽しんだり、オフロードを駆け巡るスポーツタイプの自転車を愛好する人たちは、「自分の脚がエンジン」というように、自分の体力だけで自転車を乗りこなすことに喜びを感じる人が多数です。そのため、スポーツタイプの電動アシスト自転車は邪道と考えられ、なかなか市場で認知されることはありませんでした。

しかし、若いころにサイクリングを楽しんでいた層を中心に、「体力的に辛いけれど昔のようにサイクリングを楽しみたい」という需要が増えてきています。

 

そこでヤマハは、新しい選択肢としてスポーツ電動自転車を開発。2015年にスポーツタイプの電動アシスト自転車「YPJ-C」「YPJ-R」を発売。この2台は、通常はペダルによる走行、坂道や加速時などにピンポイントで電動アシストが発動するというモデルです。

 

そして今回発売された「YPJ-YC」「YPJ-ER」「YPJ-EC」「YPJ-TC」は、フルタイムの電動アシストを実現。ドライブユニットを新開発し、YPJ-C/Rの約5.5倍となる13.3Ahクラスの大容量バッテリーを搭載。1回のフル充電で220〜240kmの走行が行えるようになっています。

 

また、全モデルにスルーアスクル仕様のディスクブレーキを搭載。制動力が高く、大きく安定したブレーキ力が得られます。

 

ハンドル部には「コンパクトマルチファンクションメーター」を搭載。液晶ディスプレイに、バッテリー残量や速度、消費カロリー、ペダリングパワーなどを表示。コントロールスイッチは、手袋をしたままでも操作できるよう大きめとなっています。

 

走行モードは、「ハイ」「スタンダード」「エコ」「プラエコ」「エコ」の5モードを搭載。状況に合わせて、ギアとともにモードを選択すれば、より運転を楽しむことができます。

 

それでは、4機種それぞれの特徴を実車した感想とともにお届けします。

 

通勤からツーリングまで使えるオールマイティな「YPJ-TC」

YPC-TCはフル装備のトレッキングバイクです。スポーティなボディに、700×35C相当のタイヤを採用。通勤通学といった街乗りから、ツーリングまで幅広い用途に使えるオンロード仕様となっています。

 

特徴的なのが、リヤキャリア。ここに別途キャリーバッグを取り付けることが可能。また、前後フェンダーも装備されているのも特徴的です。

 

オプションを取り付けることで、長時間のツーリングにも使えるようになります。YPC-TCと相棒に、日本一周なんていうのも楽しそう。

 

乗り心地は、非常に安定したもの。いわゆる「ママチャリ」やシティタイプの自転車から乗り換えても違和感はあまりないでしょう。電動アシストに関しては、快適そのもの。加速性能がいいことはもちろん、ある程度スピードが出てからもペダルが軽く、スイスイ走ります。フル充電で最長237kmまで走行できます。

 

乗りやすさ、扱いやすさに優れているので、初めての電動アシスト自転車としてもいいのではないでしょうか。価格は32万4000円(税込)。2018年6月11日発売予定です。

 

よりシンプルに自転車の走りを楽しめる「YPJ-EC」

先ほど紹介したYPJ-TCの前後フェンダーやリヤキャリアを省略した、より走りに特化したモデルです。基本性能はほぼYPC-TCと変わりませんが、シンプルかつスポーティな雰囲気を楽しみたいのならば、こちらのモデルのほうが適しています。

ハンドルはバータイプ。なお、オンロードモデル3機種は、街乗りすることを想定しておりヘッドライトも標準装備されています。

 

乗り心地は、YPC-TCよりも本体重量が軽い分、軽快に感じます。ペダルを踏むこむと同時に、グンと前に出る感覚が癖になりそうです。外装がシンプルなゆえ、YPC-TCよりも男性的な雰囲気を感じます。ある意味、YPJシリーズのスタンダードモデルと言えるでしょう。フル充電で最長222kmまで走行できます。

 

価格は28万800円(税込)。2018年6月11日発売予定です。

 

ドロップハンドルで走りに特化した「YPJ-ER」

オンロードタイプの上位機種に位置づけられるYPJ-ER。最大の特徴はドロップハンドルの採用です。これにより、運転姿勢が前傾姿勢になり、よりスポーティーな走りが行えます。

 

 

ユニットなどはYPC-TC、YPC-ECと同じですが、さすがに乗った感覚は別物。前傾姿勢になることで、加速時の感覚がダイレクトに伝わります。通勤通学でも使えるタイプですが、長距離ツーリングに出かけてみたくなる自転車です。

 

フル充電では、最長242kmの走行が可能となっています。価格は34万5600円。2018年6月11日発売予定です。

 

本格的なオフロード走行が楽しめる「YPJ-XC」

ヨーロッパ市場ではすでに高い人気となっている電動アシスト付きマウンテンバイク「E-MTB」。そのE-MTBに特化したドライブユニット「PW-X」を搭載したモデルが「YPJ-XC」です。

 

本体フレームも本格的なマウンテンバイク仕様で、フロントサスペンションにはROCKSHOX社性のMTB用サスペンション「RECON GOLD」(120mmトラベル)を採用。タイヤは27.5×2.25サイズのMTB用タイヤ(MAXXISブランド)となっています。

 

マウンテンバイクにあまり乗ったことがない筆者は、まずその大きさに少々びびり気味。そして、いざ運転してみるとアシスト力が強く、ウイリーしそうになることも。アシスト力はバツグンで、舗装されていない道もグイグイ進むことができます。

 

「これは初心者には厳しいな……」と思っていたのですが、なぜか2つある試乗コースのうち、上級者向けのエキスパートコースを走ることに。本格的なオフロードは初体験でしたが、YPJ-XCのパワフルな走りに助けられ、なんとか完走できました。

 

パワフルな走りなのですが、大柄のハンドルで操作性がよく、自分の思い通りに自転車が動いてくれるという印象。普段からマウンテンバイクに乗っている人ならば、さらにそのよさがわかるのではないでしょうか。

 

価格は37万8000円(税込)。2018年7月18日発売予定です。

 

なお、全機種ともにサイズがS/M/Lの3種類用意されているので、体のサイズに合った自転車を選ぶことが可能。さらに、水洗いもできる防水仕様となっています。

 

「楽しく乗る」のがこれからの電動アシスト自転車

今回新しいYPJシリーズを試乗して、電動アシスト自転車の印象が大きく変わりました。これまでは、主婦やお年寄りの「自転車の運転を楽にしたい」という需要を満たすものが多かった印象でした。しかし、今回のYPJシリーズは、「自転車で遠くに行きたい」「軽快な走りをしたい」という、よりスポーティに自転車を楽しみたいという層の欲求に応えてくれるものです。

 

たとえば、自動車がマニュアル車からオートマティック車にメインがシフトしたように、これからは自分の脚で漕ぐ自転車が趣味性の高いものになり、日常的には電動アシスト自転車が使われていくようになるかもしれません。

 

筆者は普段、あまり自転車を使わないのですが、それはひとえに「面倒くさい」と思っているから。しかし、電動アシスト自転車ならば、どこまでもどこまでも走って行けそうな気分にさせてくれます。疲れ方も明らかに違いますしね。

 

もしかしたら、今年は電動アシスト自転車、買っちゃうかもしれないな……。そう感じた試乗会でした。

 

トゥインゴGTの正式ラインナップ入り記念に、あらためてフツーのトゥインゴに乗ってみた

限定車として昨年販売されて200台が即完売となったルノー・トゥインゴGTが、カタログモデルに昇格しました。イマドキはちょうどあちこちのメディアで試乗記が展開されているタイミングですよね。だけどヘソマガリな僕は、あえて通常のトゥインゴ・キャンバストップをひさびさに走らせてみました。それも総走行距離1200kmほどという長距離で。

 

 

 

東京から大阪、そしてその周辺。高速道路あり、ゴチャついた街中あり、郊外の道あり、ワインディングロードあり。いろんなシチュエーションで走ることができたのですが、あらためて感じたのは、「コレいいなー」ということ。もちろんスピードのあるクルマでは全くないのですが、高速道路の右車線を突き進んでいけるくらいの巡航性能はあるし、長時間&長距離の一気ドライブも、見た目から想像するより遙かに疲れが少ないのです。ウネウネが続くような道も、RRならではの特性を頭に浮かべながら荷重移動を利用して走ると意外や素早くクルリと曲がれて望外に楽しい。ちょっとばかり気になったのは、背高だから高速での横風にチョイ弱めなことと、フットレストがないから左足を持て余しちゃうことぐらい。あとは全く不満なし。めちゃめちゃいい感じだったのです。

 

 

しかもそれほど意識することなく走って街中〜郊外の燃費が20km/リッター超。さらにはこれって大前提なんですけど、トップを開けて走るとめちゃめちゃ気持ちいい。この4月2日月から価格が5万円ほど値上がりしちゃうのですが、それでも204万円(つまりそれまでは199万円)っていう値段は、絶対お買い得だと思うのです。小さいクルマを狙ってる人、ぜひぜひディーラーに行って試乗してみてください。なごみ系のキャラクターに、思わずニンマリさせられちゃうはずですから。

 

 

 

ランボのスーパーEV、実車(?)をお披露目

ランボルギーニが考える近未来型EVスーパーカー“テルツォ・ミッレニオ”。それって実はなかなか興味深いのです。何せボディを蓄電機能のあるカーボンファーバー素材(おそらくカーボンナノチューブ)で作りあげ、車体全体を充電可能なスーパーキャパシタとして利用することでバッテリーを排除し、強力な電気エネルギーを一気に充放電できるスーパーキャパシタのパワーで4つのインホイールモーターを駆動させる、というコンセプトなのです。

 

 

 

どういうことかっていうと、バッテリーというめちゃめちゃ重いモノを搭載しない=電動のスポーツカーにとっての最大のネックになる車重を軽くできる、そのうえパワーとトルクを一気に解き放てる。何だかものすごーく加速が鋭いスーパーカーができあがるんじゃないか? という期待が持てる。そういうワケなのです。

 

 

ただし、スーパーキャパシタは蓄電容量がかなり少ないという問題があって、現時点ではこの仕組みは実用的とはとてもいえませんが、ランボルギーニ、そして共同開発を担うマサチューセッツ工科大学はかなり前向きな様子。研究と開発にたっぷり時間をかけてでも実用化を目指す、という方向性なのだそうです。

 

 

それが証に、イラストとかフォトショの加工画像じゃなく、ちゃんと立体になって、コンセプトカーが第33回国際自動車フェスティバルに展示されたのです。……ほら、本気でしょ? そう、ランボはもはや昔の“ザ・チカラ技”なメーカーとは一線を画しているのですね。

 

 

 

スバルがジュネーブで最新コンセプトカーを初披露!

スバルは、ジュネーブ・ショーにおいて、「スバルVIZIVツアラーコンセプト」をワールドプレミアした。

 

 

 

スバルは2013年の「スバルVIZIVコンセプト」を皮切りに、安心で愉しいクルマづくりの将来ビジョンを、毎回異なるテーマのもとコンセプトカーの形で具現化している。今回は水平対向エンジンを核としたシンメトリカルAWDと、これまでスバルが培ってきた走り・使い勝手・安全の価値を融合させ、クルマで出かける愉しさが存分に味わえる、ツアラーとしての新たな価値を「スバルVIZIVツアラーコンセプト」で表現している。

 

 

また、今後の自動運転普及期を見据え、進化型アイサイトと各種デバイスを組み合わせた高度運転支援技術を搭載。長距離ドライビングにおけるドライバーの疲労を軽減し、アクティブライフを安心して愉しむことのできる、スバルらしさの詰まったクルマに仕上げている。

 

 

デザインは、スバルが受け継いできた、高い実用性と走りを両立したワゴンモデルを念頭に置き、現在のスバルに共通するデザインフィロソフィ“DYNAMICxSOLID”に基づき、ツアラーらしさを表現。

 

 

また、ヘキサゴングリルから始まる前傾姿勢の硬質なボディに、内側から強い圧力で張り出した躍動感あふれる4つのフェンダーを組み合わせ、走りの愉しさを強調しつつ、安心感を表現した。

 

 

一方、リアには大きなカーゴスペースを設け、道具としての高い実用性も兼ね備えるなど、複数の異なる価値をクロスオーバーさせたツアラースタイルとなっている。

 

 

そして、スバルが2020年頃に実現を見込む、「高度運転支援技術」を水平対向エンジンやシンメトリカルAWDがもたらすパフォーマンスと融合し、スバルならではの安心で愉しいツアラー像を表現している。性能を一層向上させた次世代アイサイト、レーダー、高精度GPS・地図等の採用により、「自動車事故ゼロ」の実現を追求する。

 

 

 

スバルVIZIVツアラーコンセプトの主な仕様

ボディサイズ(全長/全幅/全高):4,775/1,930/1,435mm
ホイールベース:2,730mm
タイヤサイズ:245/40 R20
乗車定員:4名

 

 

いきなりですが、このクルマ、知ってます?

いきなりですが、シトロエン・ベルランゴっていうクルマ、御存知ですか? いやいや、日本には正規輸入されていないので、御存知なくても仕方ありませんね。実はこのクルマ、フランス本国ではルノー・カングーのライバルにあたるレジャー・アクティヴィティ・ヴィークルなのです。シトロエンのラインナップの中では、C3に次いで2番目に売れてるモデルなのだそうです。このベルランゴ、ここへ来て3代目へと生まれ変わりました。

 

ベルランゴ、打倒カングーなるか!?

 

 

 

大きなトピックとして挙げられるのは、まずフェイスが現在のシトロエン顔になったこと。意外やミニバンにも似合ってません? そしてC4カクタスのように空気のカプセルで車体を守るエアバンプが採用されたこと。カングーより120mm長く20mm幅広な標準ボディのほか、それより350mm長いロング版が用意されたこと。3列目のシートを持つ仕様も用意されたこと。シートを倒すと標準版で775リットル、ロング版で1050リットル、倒せるシートを全て倒すと4000リットルの荷室空間が生まれ、標準版では2.7m、ロング版では3.05mの長物を積めること。収納スペースが28個も用意されていること……と、使い勝手は大幅アップ、なのです

 

 

プラットフォームはプジョー3008やC4ピカソと同じ“EMP2”をベースに開発されていて、エンジンは110〜130psの1.2リッター・ガソリンと75〜130psの1.5リッター・ディーゼルがラインナップされています。走りももちろんですけど、シトロエンですから乗り心地も期待できそうです。

 

 

このベルランゴ、日本へ導入されるかどうかは何ともいえないのですけど、でもこれ、実用性は高そうだし、何より独特だけど行き過ぎてないスタイリングが結構魅力的で、意外や日本でもウケるんじゃないかな? なんて思うのです。プジョー・シトロエン・ジャポンの皆さん、どうかこのクルマの導入、検討してみてくださいねー。

 

 

アルピーヌA110が、最も美しいクルマに選ばれた!!

自動車専門誌でも試乗記が展開され、日本においてもますます注目度が高まってる感のある新生アルピーヌA110。日本への導入はおそらくこの2018年の後半、おそらく秋が深まるか冬かといったあたりという予想。待ち遠しいですね。

 

 

そのA110なのですが、生産がようやく立ち上がったばかりでまだ街をそれほど走り回ってるわけでもないのに、フランスで開催されたオンライン投票で“最も美しいクルマ”に選ばれました。先ごろパリ開催された第33回国際自動車フェスティバルにおいて、“Most Beautiful Car of 2017”を受賞したのです。一般からのオンライン投票の結果ですから、“民意”みたいなもの。まぁ実車はホントに美しいので当然っちゃ当然の結果ですけどね。

 

だけど、これにはルノー・グループを司るカルロス・ゴーン会長兼CEOも喜ばれたようで、「この賞の受賞は、過去5年間にわたって誠意と熱意を込めてこのクルマに関わってきた全てのメンバーにとっての素晴らしい御褒美です。フレンチ・スタイルのエレガンスをカタチにすることができて誇らしいです」とコメントしたほど。

 

 

そんなA110のスタートを記念した1955台の特別仕様“プルミエール・エディシオン”は完売し、今、ディエップの工場で次々と生産が進められています。正式なグレードとなる“ピュア”と“レジャンド”がスタートするのは、その後です。A110はしばらくの間は好調な受注が続くことでしょう。けれど、スポーツカーはそんなに販売台数が稼げる類のクルマじゃないし、基本、そう儲かるものでもありません。だからって簡単にはヤメたりしないでくださいね、ゴーンさん! とお願いしたい気分です。

 

 

 

アウディe-tronプロトタイプがジュネーブ市内を走る

アウディはジュネーブ・ショー2018において、電気自動車「e-tron」のプロトタイプを公開した。

 

 

 

5人乗りのキャビンを持つSUVスタイルとなるe-tronは、量産が開始されるまでに約250台の試作車が作られ、世界中の過酷な環境でテストが重ねられる予定で、欧州では2018年末に発売される見通しだ。

 

 

公開されたプロトタイプのボディには一般的なカムフラージュではなく、特別に開発したデザインフィルムが張られた。サイドボディにはe-tronの文字が大きく引き伸ばされてプリントされているのがわかる。

 

 

今回ジュネーブ・ショーでのワールドプレミアに先立ち、このe-tronプロトタイプがジュネーブ市内の公道を走行した。ちなみにアウディでは現在、市内の観光名所を巡るこのプロトタイプの写真を募集している。ハッシュタグ「#etron」を使用してソーシャルメディアに投稿すれば、ベストショットがウェブサイト(www.e-tron.audi)で公開されるというもの。ショーに出品されるプロトタイプのクルマが街を走るというユニークな試みだ。

 

 

アウディではこのSUVに加え、4ドアGTとコンパクトモデルの計3モデルの電気自動車を2020年に市場導入する計画を発表。さらに2025年までには、あらゆるセグメントにおいて20以上の電気自動車およびプラグインハイブリッド車を発売する見通しだという。

 

 

 

 

え、予防接種やリサイクルショップも!? ファストフード店だけじゃないアメリカの「ドライブスルー」

アメリカでは、どこへ行くにもクルマはマスト。そんなクルマ社会で、ドライブスルーのサービスがレストラン以外にもさまざまな場所に広がっています。アメリカならではのユニークなドライブスルーを紹介します。

 

子どもがいる場合、ちょっとした用事を済ませるのも大仕事になりがち。ちょっと銀行や薬局に行くだけなのにまるで旅行に行くような大荷物と意気込みが必要です。しかもアメリカでは、少しの間でも子どもを1人にしておくことは親の責任問題に直結します。そのため、日本にいるとき以上に気を遣わなくてはいけませんが、アメリカではドライブスルーで利用できるサービスが進化しているので、意外に困らなかったりもします。

 

一番便利だと思うのは銀行のドライブスルーで、営業時間はもちろん、週末でもドライブスルーでATMを利用可能。ほとんどの支払いをクレジットカードやデビットカードで済ませるアメリカでは日本ほど現金を持ち歩きません。ただ、フェスティバルやファーマーズマーケットなどのローカルなお祭りでは現金のみという場合があるので、お出かけ前にドライブスルーで現金をおろしておきます。(日本の銀行でも数年前からドライブスルー窓口を設ける動きがありますが、普及には程遠い状態です)

 

次に便利なのは、薬局のドライブスルー。アメリカでは病院で治療を受けた場合、その処方箋は自宅近くのドラッグストアに自動的にデータが送られ、薬の準備ができたら個人に連絡が来る仕組み。ドライブスルーで自分の名前と生年月日を伝えれば、薬を受け取れることができます。

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驚きなのは、家族の薬を代わりに受け取れるということ。もちろん名前と生年月日は伝えますが、タッチパネルで本人と受け取り者との関係を選んでタッチするだけで済み、身分証明書の提示は不要です。インフルエンザのシーズンになると、ワクチンの予防接種をドライブスルーで受けられる所まであります。

 

リサイクルショップのドライブスルーもあります。これは「Goodwill」というアメリカの慈善事業を目的としたリサイクルショップで、品物はすべて寄付されたものでまかなわれています。そのため、価格もかなり安く、ハンディキャップを持つ人々を多く雇用しているのが特徴。このお店に寄付したいものがあれば、ドライブスルーで受け渡しができます。サイズアウトした子ども服やおもちゃをよく買い物ついでに寄付しに行きますが、小さなものでも、家電製品のような大きなものでも使えるものであればなんでも寄付することができます。

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スーパーもドライブスルーを取り入れています。「Walmart」では、オンラインで食料品を注文し、受け取り時間を指定すれば、生鮮食品をドライブスルーのように受け取れます。しかも実際にお店のなかで買い物する値段と同じで、手数料もかかりません。

 

受け取りはピックアップ専用駐車場についたら電話をするだけ。店員がカートで持ってきてくれて、クルマに乗せるのも手伝ってくれるうえ、初回は10ドルの割引サービスもあります。私はよく仕事の休憩中に注文し、帰りに受け取ります。子連れの買い物はストレスがかかりますし、余分なものを買わずに済むので、ちょっとは節約になるのではないかと思います。

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子どものお迎えもドライブスルーと言えるかもしれません。アメリカでの通学は安全のため、スクールバスか、親が車で送迎するかのどちらかです。私の息子はまだ小さいので、デイケアの室内までお迎えに行かなければなりませんが、キンダーガーデン(4歳〜)や小学校の送迎では、学校の入り口で子どもを先生に引き渡し。帰りは先生が子供たちを学校の入り口まで引率し、クルマで迎えにきている親に引き渡しをします。駐車場はまるで回転寿司。校門前に綺麗に車が並んで、ドライブスルーのように次々に子どもだけ降ろされて行きます。この間も親が車を降りることはありません。

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時短術や安全策としてのドライブスルー

ニューヨークなどの大都市を除けば、アメリカはどこへ行くにもクルマで出掛けます。Lazy(楽したい、怠け者)な人がたくさんいるように見える一方、仕事や子育てで忙しい共働き家庭も多いので、ドライブスルーはまさに需要と供給がマッチしています。ドライブスルーを通勤途中に利用して時間を節約しているビジネスパーソンもよく見かけます。

 

私の住むフロリダは一年中暖かいので、リタイヤ後の憧れの土地の1つ。そのため、年齢層がとにかく高いのですが、この点でもドライブスルーは(車を運転できる)高齢者に優しいサービスだと思います。さらにアメリカは日本のように治安が良くないので、真っ暗な夜でもクルマを降りずにお金をおろせるのは安全面でも理にかなっているといえます。アメリカの進化するドライブスルーから目が離せません。

 

 

 

2016年の「バットモービル」はいかにして作られたか? その模様がわかるスケッチ、CADデータ、制作パーツ

ハリウッドきってのヒット映画バットマンシリーズでひと際目を引くのはバットモービルです。しかし、あのバットモービル、誰がどのように作っているのでしょうか。

 

バットモービルはシリーズによってデザインが異なるようですが、2016年公開の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のバットモービルのコンセプトを固めたのはフランス人のプロダクションデザイナーPatrick Tatopoulos氏。バットモービルは実際に走ることができる仕様になっています。

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車両の設計は日系アメリカ人のセットデザイナーJoseph Hiura氏が担当。Hiura氏はロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS World 2018」にもゲストスピーカーとして登壇し、設計の工程を説明。誰もが見たことのあるバットモービルですので、観衆は食い入るようにHiura氏の説明を聞いていました。

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バットモービルのタイヤでは、巨大で理想のタイヤがなかなか見つからかったそうですが、最終的にイスラエルの農業用トラクターのタイヤを見つけたとのこと。タイヤは削ることで車両にフィットするようにしたそうです。

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バットモービルの実際の車両のフレームを製作しながら並行して、3D-CADツールSOLIDWORKSを活用しました。

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フレームを製作するメリットは、バットモービルが実際にどれくらいの高さ、幅になるのかを見れる点にありました。

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また、車両フレームができると実際の走行テストも可能となります。撮影にあたりバットモービルの乗り心地も重要となるため、走行テストは必須です。

 

SOLIDWORKSを利用するメリットは、車両のパーツを設計し製造するまでの期間を短縮できる点にあります。また、組み合わせたパーツがどのように機能し、可動するのかをシミュレーションできる点も利点。複雑なパーツをスムーズに組み合わせることができます。

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車両フレームとSOLIDWORKSで設計し製作したパーツを組み合わせるとバットモービルが完成。この状態で走行テストを実施します。

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上の写真は完成したバットモービルです。奥のジープと比べてもその巨大さがわかります。リアルなバットモービルだからこそハリウッドの迫力あるバットマンシリーズの映画が撮影できるのでしょうね。

 

作るのに時間をかけられる本物の自動車と異なり、バットモービルは映画のセットの1つであり、制作に長い時間をかけられません。バットモービルの完成には5か月を要したそうです。

 

これからバットマンの映画を観る際には舞台裏のことを想像してみると、また違った映画の楽しみ方ができるかもしれません。

 

(写真出典:ダッソーシステムズ)

 

時速321kmで街を突っ切る! 米デンバーで進む高速輸送システム「Arrivo」

米国ロサンゼルスで開催されたSOLIDWORKS WORLD 2018に目を引くユニークなスタートアップが登壇しました。高速輸送システムを開発する「Arrivo」です。

 

高速輸送システムといえば、起業家イーロン・マスク氏が構想した輸送システム「ハイパーループ」が有名でしょう。ハイパーループは真空のチューブに車両を浮かばせて高速で走らせる超高速輸送システム。構想では時速1000㎞超が想定されています。

 

現在、複数のスタートアップがハイパーループの実現に向けて動いている段階です。その筆頭であるヴァージン・ハイパーループ・ワンはネバダ州に全長536メートルのハイパーループを建設し、走行テストを行っています。

 

しかしながら、ハイパーループはチューブを真空状態に保つことが難しいこと、多大な建設コストが発生すること、車両制御の難易度が高いこと、建設地の確保が難しいことなど多くの課題が山積みで、実現まで時間がかかりそうなのが現状です。

 

また、実際に利用者に「選ばれる」サービスになり得るかどうか疑問符も付いています。現に前述のヴァージン・ハイパーループ・ワンの共同創業者ブローガン・バンブローガン氏は独立して「現実的」な高速輸送システム実現のためにArrivoを立ち上げています。

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ブローガン氏はWiredに対してこう語っています。「2つの都市の間を、金属製のチューブに入って低圧下で速く移動したいと思えば、私は飛行機を使います。飛行はスムーズだし、オレンジジュースは無料だし、とても効率的な乗り物ですよ」

 

ブローガン氏の見解は、人々は都市間を跨ぐくらい遠い距離であれば飛行機を利用するだろうし、都市圏内の短い距離ではハイパーループほど速い輸送システムを必要としないというものです。

 

Ariivoは都市圏内の輸送システムを想定しており、チューブで真空状態を作る輸送システム構築は目指していません。その実現にはコスト面、エンジニアリング面でクリアすべき課題が多すぎるためです。

 

Arrivoの構想は一般道に沿ってレールを引き、そのレールに高速で車両を走らせるリニアカーのような高速輸送システムです。ハイパーループ並みの超高速での移動にはなりませんが、それでも最高時速は200マイル(321キロ)ほど。

Arrivoの高速輸送システムでは自動車を乗せることができる車両、貨物を乗せる車両、人を乗せる車両など目的に合わせた車両が用意される予定。

 

Arrivoの車両はレールのみならず一般道も走ることができるように設計されています。なお、この高速輸送システムの設計には3D-CADツールのSOLIDWORKSが活用されているそうです。

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ArrivoのエンジニアであるRyan Kraft氏がSOLIDWORKS WORLD 2018で登壇しました。Solidoworksを使うことで設計、製造、テストのプロセスを早めることができ、コストを削減できたなと語っていました。迅速にサービスを展開する必要があるスタートアップにとってこのようなツールは欠かせないでしょう。

 

Arrivoの動きは非常に早く、既に昨年11月にコロラド州交通局との提携が発表されています。2019年にシステムの建設に着工し、2021年には営業開始を目指すとのことです。コロラド州のデンバー空港からデンバー市内までのラッシュ時には車で55分かかる32マイル(51㎞)の道のりがArrivoの高速輸送システムだと9分に短縮される想定とのこと。

 

今後Arrivoは様々な自治体や利用者に受け入れられるのか、また、現実的な高速輸送システムとして機能するのか。その動向から目が離せません。

 

 

 

 

トヨタ「オーリス」後継モデルのテスト車両を動画で初キャッチ!

トヨタのCセグメントハッチバック「オーリス」の後継モデルが摂氏マイナス20度のスカンジナビアで捉えられた。

 

 

 

アイスバーンをしっかりと走る様子がビデオに納められたが、リアウィンドーを寝かせたスポーティなスタイリングが確認できるほか、夕暮れ時の撮影とあって、3眼フルLEDヘッドライトやテールライトの新グラフィックの一部を確認することもできる。

 

 

次期型では、トヨタの次世代プラットフォーム「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)採用で、軽量化と居住空間の向上が図られたとのこと。また、パワートレインは、「C-HR」と共有する1.2リッター直4ターボエンジン、1.8リッター直4+モーターのハイブリッドが予想されている。

 

 

そして気になる高性能バージョンが、「GT」モデルなのか、「GR」ブランドとなるのかは不明だが、最高出力260psを発揮するモデルが登場するという噂も出ている。

 

 

 

まもなく実施されるJR各社の「ダイヤ改正」、今年は何がどう変わる?

3月17日(土曜日)にJR各社のダイヤ改正が行われる。この春は新路線の開通といった華々しい話題はないものの、各社の変更点を見ていくと、時代の変化を感じざるをえない。旅客各社のダイヤ改正で目立った変更ポイントをチェックした。

 

【JR北海道】国鉄型キハ183系が走る路線がわずかに

まずはJR北海道のダイヤ改正で目立つポイントから。

 

長年、函館駅と札幌駅を結んできた特急「北斗」が消え、すべての列車が特急「スーパー北斗」となる。車両がキハ183系から、すべてキハ281系とキハ261系に変更されるのだ。この車両変更によって、若干の所要時間の短縮(既存列車から0〜9分の短縮)と乗り心地の改善が図られる。

 

この改正以降、キハ183系は道南から撤退、定期運用される列車は、石北本線を走る特急「オホーツク」と特急「大雪」のみとなる。特急「北斗」にはキハ183系のなかでも唯一のハイデッカー仕様のグリーン車が連結されていたが、この車両も消えることになりそうだ。長年、北海道の特急運用を支えてきたキハ183系の撤退だけに、一抹の寂しさを覚える。

↑増備が続くキハ261系が内浦湾沿いを走る。キハ261系は「スーパー北斗」だけでなく、「スーパーとかち」や「宗谷」「サロベツ」にも使われている

 

↑キハ183系「北斗」。中間にハイデッカータイプのグリーン車を連結する。同車両の製造技術はその後の特急トワイライトエクスプレス用の客車改造にも生かされた

 

さらにこの3月には、スラントノーズの名で親しまれてきたキハ183系の初期型車両が消えていく。車体に動物のイラスト、車内に動物をテーマにした遊び場が設けられていたキハ183系「旭山動物園号」。3月25日にラストランを迎える。

↑キハ183系「旭川動物園号」。写真は特急「フラノラベンダーエクスプレス」として運転されたときのもの。貴重なスラントノーズを持つキハ183系の初期形車両だった

 

【JR東日本】中央本線の特急と臨時列車に大きな変化が

JR東日本の管内で、より変化が大きいのが中央本線だ。

 

特急「スーパーあずさ」に使われるすべての車両が新型のE353系に変更される。これまで使われてきたE351系は、廃車となる予定。JR東日本の車両形式として「E」を初めて付けたE351系だが、登場して25年という期間での消滅となる。E351系はJR東日本で唯一の制御付き自然振子装置を備えた車両だった。整備の手間がかかるということで嫌われたのかもしれない。

↑すでに2017年12月から走り始めているE353系「スーパーあずさ」。今後は、増備され257系の特急「あずさ」や「かいじ」もE353系に置き換わるとされる

 

↑E351系は制御付き自然振り子装置を活かし、カーブを高速で走り抜けた。3月17日以降は、この姿を見ることができなくなる

 

昨年の暮れ、JR東日本がダイヤ改正を発表した際には明らかにされなかったが、長年、中央本線の臨時列車として使われてきた国鉄形特急電車189系の2編成(M51・M52編成)も4月末までに引退することになった。

 

残る189系は長野支社に配属されるN102編成のみで、こちらもあと数年で引退となりそうだ。国鉄形特急電車の姿を色濃く残した車両だけに、鉄道ファンから引退を惜しむ声があがっている。

↑「グレードアップあずさ色」と呼ばれる塗装で親しまれた189系M52編成。主に中央本線の臨時列車として活躍した。今後、中央本線の臨時列車の多くはE257系となる予定だ

【JR東海】「あさぎり」という特急名が「ふじさん」に

小田急電鉄の車両が当時の国鉄御殿場線に乗り入れることで始まった列車名の「あさぎり」。愛称は富士山麓の朝霧高原にちなんで名付けられた。

 

60年近くにわたり走り続けてきた小田急本線から御殿場線への乗り入れ列車だったが、この春から「ふじさん」という特急名に変更される。世界文化遺産に登録された富士山は、海外の人たちへもその名が知れ渡る。この名称変更も、やはり時代の波なのかもしれない。

↑JR東海と小田急電鉄が共同運行してきた特急「あさぎり」。車両には小田急のMSE(60000形)が使われる。3月17日からは特急「ふじさん」に改められる

 

JR東海では、ほかに注目されるのが特急「(ワイドビュー)ひだ」の名古屋駅の発車時間。午後の名古屋駅発の下り列車は、ほぼ2時間間隔となり、最終は20時18分と遅い発車となる。東京駅発18時30分の「のぞみ」に乗車すれば、乗り継げる時間に設定。このあたり、飛騨高山の人気と、海外からの利用者が多いことへの調整と思われる。

 

【JR西日本】国鉄形通勤電車の運用を最新タイプに変更

JR西日本では上り特急「こうのとり」を1時間間隔で運行、また18時台に新大阪駅発の和歌山駅行き、下り特急「くろしお」を増発させるといったビジネス利用を考慮したダイヤ変更を行っている。

 

一方で、鉄道好きには気になる車両の動きも。阪和線では、ごく一部に通勤形電車205系が使われてきたが、こちらが消える予定。さらに阪和線の支線、羽衣線の103系も車両変更される予定だ。

 

国鉄形車両の宝庫であったJR西日本も、徐々にJRになってから生まれた車両が多くなりつつある。阪和線を走っていた205系は奈良線などに移る見込みで、103系は残念ながら廃車ということになりそうだ。

↑JR西日本の225系。阪和線では今後、この新製車両の割合が増えていく

 

↑JR西日本では貴重な存在だった阪和線の205系。ダイヤ改正後は吹田総合車両所奈良支所などに転属する見込み

 

↑阪和線の支線・羽衣線を走る103系。国鉄当時の面影を色濃く残す車両として鉄道ファンに人気がある

 

JR西日本の路線のうち話題を呼んだのが三江線(さんこうせん)。ダイヤ改正後の3月31日に廃線となり、43年にわたる歴史を閉じる。利用者の減少という地方のローカル線が抱える問題が如実に現れた三江線の廃止。第2、第3の三江線が出ないことを祈りたい。

 

ちなみに現在、発売中の「時刻表」誌3月号には、三江線の時刻が掲載されている。三江線のダイヤが掲載された最後の「時刻表」誌となるのかもしれない。

↑天空の駅として人気の三江線・宇都井駅(うづいえき)。廃線が決まったあとは、その姿を一目見ようと多くの人たちが沿線へ訪れている

【JR四国】新型車両を利用した特急が増える一方で――

新型車両の導入が順調に進められているJR四国。ダイヤ改正で、特急用の電車8600系で運転される特急「しおかぜ」「いしづち」と、特急用の気道車2600系で運転される特急「うずしお」が増えることとなった。2車両ともJR四国の社内デザイナーがデザインした新造車両で、評判もなかなか。人気デザイナーに頼らず、独自の新型車を生み出す姿勢が目を引く。

↑新型8600系で運転の特急「しおかぜ」と「いしづち」。従来の8000系に換わり8600系で運転の列車が、「しおかぜ」「いしづち」とも1往復ずつ増える予定だ

 

↑2017年12月から運転が始まった2600系の特急「うずしお」。増車され、3月のダイヤ改正からは2600系で運転される列車が1日に3往復から4往復になる予定だ

 

新造車が増える一方で消えていく車両も。JR四国の2000系は、気道車としては世界初の制御付き振り子式車両として開発された。1989(平成元)年に製造されたTSE2000形が、鉄道史に名を残す2000系最初の車両となった。この試作車両の編成3両がダイヤ改正とともに姿を消すことになった。

↑TSEという愛称を持つ2000系の試作編成。その後の2000系量産型と異なり正面に特急名の表示が無い。最後は3月17日の特急「宇和海」2号として走る予定だ

 

【JR九州】減便が多く見られる厳しい現状

JR九州は、JR東日本やJR西日本に次ぐJRグループの“優等生”となりつつあった。鉄道事業以外に、多角経営に乗り出し、新規事業それぞれが順調に推移していた。

 

しかし、ベースとなる鉄道事業が、度重なる大規模災害や、利用者減少の荒波を受け、厳しさを増しているように見える。熊本地震による豊肥本線の寸断、さらに昨年の大水害による久大本線や日田彦山線の長期不通など、鉄道事業を揺るがす大きな負担となっている。そのため、一部の優等列車の減便や、閑散路線の運行本数を減らすなど、今回のダイヤ改正でもマイナス要素が目立ってしまっている。

↑上り特急「有明」。これまでは早朝発の上りが2本、夜に下り3本という列車が運行されていた。3月17日以降は、朝の上り1本のみの特急になってしまう

 

在来線の特急列車の本数や、運転区間の見直しが多くなっている。なかでも減便の割合が大きいのが特急「有明」。ダイヤ改正時までは博多駅〜長洲駅(ながすえき)間に上り2本、下り3本の運行で、長洲駅着が深夜1時20分と帰宅する利用者に重宝がられる列車も運行されていた。

 

それがダイヤ改正以降は、大牟田駅発の博多駅行きとなり、上り大牟田駅発6時43分のみになってしまう。区間短縮、さらに上り片道1本のみとは、なんとも思い切ったものだ。

 

ほかにもこうした例が見られる。

↑1903(明治36)年築の駅舎が残る嘉例川駅(かれいがわ)に停まる特急「はやとの風」。これまでは毎日運転の特急だが、ダイヤ改正後は週末などの限定日の運行に変わる

 

鹿児島中央駅と肥薩線の吉松駅を結ぶ特急「はやとの風」。錦江湾越しの桜島を眺めや、嘉例川駅や、大隅横川駅(おおすみよこがわえき)といった、明治生まれの駅舎が残る駅に停車するなど鉄道好きに親しまれてきた観光特急だ。

 

この「はやとの風」の運行日が毎日から、週末や長期休みの期間のみに限定されることになった。

 

同列車の終着駅・吉松駅からの北側区間は、さらに状況が厳しい。肥薩線では「山線」と呼ばれる吉松駅〜人吉駅間。スイッチバック駅の大畑駅(おこばえき)や真幸駅(まさきえき)がある険しい線区だが、この区間は走る列車がこれまでの5往復から、1日わずか3往復に減る。珍しいスイッチバックがあり、また日本三大車窓が楽しめた風光明媚な路線の旅が、かなり不便になりそうだ。

 

厳しい現実を見せつけられたJR九州のダイヤ改正の内容。一筋の光明を見いだすとしたら特急「あそぼーい!」の復活だろうか。

↑阿蘇カルデラを走ったころの特急「あそぼーい!」。熊本地震の影響で、写真の豊肥本線・立野駅付近の被害が大きく、長い間、運転休止となっていた

 

「あそぼーい!」は熊本地震が起こる前までは、豊肥本線の熊本駅〜宮地駅(みやじえき)を結ぶ人気のD&S(デザイン&ストーリー)列車だった。熊本地震以降には、臨時列車として、各地で運行されていたが、3月17日以降は、大分県の別府駅と肥薩線の阿蘇駅間を走ることになる。

 

週末や長期休み期間のみの運行となるが、パノラマシートから見る前面展望の楽しみが復活するわけだ。期待したい。

次期型スズキ・ジムニーに設定される「シエラ」を完全公開!

20年振りのフルモデルチェンジを経て発表が間近とウワサされるスズキの軽自動車「ジムニー」次期型モデルに、トレッドをワイド化した「シエラ」も設定されるという。今回、これまでの情報を盛り込んだ予想CGが制作された。

 

 

ワイドフェンダーやスキッドプレートを装着し、ボンネットにはパワーバルジが与えられたもので、ほぼこのデザインで発売されると思われる。ベースモデルの「ジムニー」同様、強度や耐久性に特化した最新版ラダーフレームの採用で、これまで以上にオフロードの色合いが濃くなったボクシーなスタイルが印象的だ。

 

次期型「シエラ」には「スイフト」をはじめ、「ソリオ」や「イグニス」にも搭載されている1.3リッター直4 NAデュアルジェットエンジンの採用が予想されている。

ワールドプレミアは「ジムニー」が2018年夏、「シエラ」は2019年春が有力視されている。

 

 

 

トヨタ「アルファード」に近づいた!? メルセデス・ベンツ新型「Vクラス」に「MBUX」を初搭載

未だ欧州では商用車的な扱いのミニバンだが、近頃はその意識も変わりつつあるようだ。

今回捉えられたメルセデス・ベンツの新型「Vクラス」では、ヘッドライトのグラフィック、バンパーのエアインテーク形状、そしてこの初期プロトタイプではまだ着手されていないが、テールライトやリアバンパーもリフレッシュされるなど、大きな修正が施されるようだ。さらにフロントの偽装ネット越しには、存在感を増したスリーポインテッド・スターが透けて見える。

しかし今回のハイライトはインテリアだ。先だって初公開された「Aクラス」も採用するインターフェイス、「MBUX」スマートマルチメディアシステムの搭載が濃厚だという。ダッシュボードにマウントされた2つのタッチスクリーン式ディスプレイは、iPhoneのように滑らかな反応を見せ、主画面からはドライバーの好みを記憶した多数のコマンドを呼び出すことが可能だ。この「MBUX」を初採用する新型「Vクラス」では、トリム類も見直されたようで、一気に日本の高級ミニバンと同レベルの豪華装備とはならないまでも、今後徐々に近づいてくるはずだ。

パワートレインは、160psを発揮する「220d」、187psを発揮する「250d」がキャリオーバーされる見込みで、燃費向上がなされる可能性もあるという。

 

ワールドプレミアは、2018年秋が有力だ。

 

Courtesy of Apollo News Service

トヨタ新型「スープラ」の最終デザインはこれだ!

トヨタの新型「スープラ」のプロトタイプが、これまでで最もカモフラージュがそぎ落とされた状態で豪雪のスカンジナビアで目撃された。その姿から量産型デザインがほぼ見えたといっていいだろう。

新型「スープラ」の車名にはこれまで様々な憶測が流れていたが、最終的にはこれまでの「スープラ」のままとなるようだ。また、キャッチされたテスト車両からはブーメラン状の細いエアインテークに囲まれた3連LEDヘッドライトや、ボンネット中心に伸びるデイタイムランニングライトが初めて確認されるなど、コンセプトモデル「FT-1」のデザインが大きく反映されている。

新たに大口エアダクトの形状や、リアフェンダーのブレーキ冷却用エアスクープも確認できたほか、高い空力性能を発揮する「ダブルバブルルーフ」や、筋肉質なフェンダーも加えられ、グラマラスなボディとなることが予想される。

しかしながら、ここに来て「スープラベースのレーシングカーバージョン」についての噂が飛び込んできた。しかし、3月のジュネーブモーターショーではベースモデルは見当たらず、レーシングカーのみの公開となる可能性が高い。そうなるとベース車両の披露は9月のフランクフルト・モーターショーへ持ち越しとなりそうだ。

 

Courtesy of Apollo News Service

【中年名車図鑑】バンではなく“ワゴン”。RVブームを追い風に大ヒットしたスバルの救世主

2017年4月より社名を富士重工業株式会社から変更する株式会社SUBARU。今でこそ利益率が上がり、プレミアムブランドとしての道を歩んでいる同社だが、バブル景気真っ盛りの1980年代終盤は好調なライバルメーカーを傍目に深刻な業績不振に陥っていた。その状況を打開したのが、4WDワゴン・ブームを創出した新型車のレガシィだった。今回はスバル・ブランドの中興の祖、初代レガシィ(1989~1993年)で一席。

バブル期の業績不振を払拭すべく誕生したレガシィ。ワールドワイドの展開を前提に開発された

 

【Vol.7 初代スバル・レガシィ】

バブル景気が最高潮に達していた1980年代終盤の日本の自動車業界。ほとんどの自動車メーカーが大幅増益を記録するなか、富士重工業だけは業績が振るわなかった。高コストの生産体質やヒット作の欠如、そして北米市場への出遅れ……要因は色々とあげられた。打開策として首脳陣は、世界的に量販が見込める2リットルクラスの新型車を開発する方針を打ち出す。そして開発陣には、「造るのは世界に通用する国際戦略車。白紙状態から、すべて自由に設計せよ」という命題が与えられた。この“すべて”とはエンジンや駆動方式といったハード面も含まれており、すなわち伝統の水平対向エンジンや4WDを採用しなくてもいいという意味を持っていた。

 

■起死回生の新型車に“あえて”の水平対向4WD

すべてを自由に――。開発コード“44B”と名づけられたこのプランに対し、開発陣はあえて伝統の水平対向エンジンと4WDを使う決断を下す。完成度が高く、しかも他社とは違う世界戦略車に仕上げるためには、未知の機能やハードを追うのは得策ではない。開発でも生産技術でも多くのノウハウを持ち、しかも他社とは異なる個性を有する水平対向エンジンと4WDを受け継ぐのが最良の方法、と判断したわけだ。もちろん、既存の機構をちょっと手直ししただけで採用するわけではない。新型車には世界をリードする完全新設計の水平対向エンジンと4WD機構を搭載する旨を決定した。

サッシュレスの4ドアセダン。6ライトウィンドウが特徴的だった

 

1989年1月、富士重工業の新しい中核車が満を持してデビューする。車名は“伝承、遺産”の意味を込めて「レガシィ」と名づけられた。ボディタイプはサッシュレスの4ドアセダンと5ドアワゴン=ツーリングワゴンをラインアップ。2ボディともに基本フォルムをくさび形で仕立て、同時にセダンには6ライトウィンドウを、ワゴンには2段式ルーフを採用して個性を主張する。また、ブリスタータイプのフェンダーやブラックアウト化したピラー処理などで見た目のスポーティ感を盛り上げた。内包するインテリアに関しては、“安全・快適にクルマを操る歓び”の創出をテーマに造形を手がける。具体的には、ドライバーを囲むようにアレンジしたメーターおよびセンター部や空気流路の通気抵抗を低減させたベンチレーションシステム、触感がよくサポート性にも優れたシートなどを採用した。

 

注目の水平対向4気筒エンジンはEJ18型1820cc・OHC(110ps)、EJ20型1994cc・DOHC(150ps)、EJ20-T型1994cc・DOHCターボ(220ps)の3機種で、いずれも16バルブヘッドや各気筒独立点火コイル、センタープラグ配置などを導入する。駆動方式はツーリングワゴンが4WDのみで、セダンは4WDと2WD(FF)を用意。また4WD機構は5速MTがビスカスLSD付きのセンターデフ式、4速ATが電子制御多板クラッチを備えたトルクスプリット式をセットした。シャシーに関しては、フロントサスペンションにL型ロワアームのストラット、リアにパラレルリンクのストラットを採用する。また、加減速時の姿勢変化を抑える目的でアンチダイブおよびアンチリフトジオメトリーを取り入れた。最強グレードに据えられたのはEJ20-T型エンジンを搭載するセダンの「RS」で、キャッチフレーズは“ハンドリングセダン”を呼称。専用チューニングの足回りに4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、シックなデザインながら確実に効果を発揮するエアロパーツ群、MOMO製本革巻きステアリング、フロントスポーツシートなどを身にまとったRSは、大人の走り好きを中心に熱い支持を集めた。

 

■ブルース・ウィリスのCMで大ヒットした“ツーリング・ブルース”

富士重工業の新しい中核車は、RVブームの後押しもあって、とくにツーリングワゴンの人気が徐々に高まり始める。そして、1989年10月にターボチャージャーの変更などを実施して扱いやすさを増したEJ20-T型エンジン(200ps)を積むGTグレードが設定されると、その人気は爆発的なものとなった。

“MOMOステ”、スポーツシートをおごるRSはレガシィのイメージリーダーとして人気を博す

 

この勢いを維持しようと、富士重工業はレガシィのバリエーションを積極的に拡大していく。1991年6月のマイナーチェンジでは内外装の意匠変更を図るとともに、上級グレードの「ブライトン」を設定。1992年6月のマイナーチェンジでは、レガシィ初の3ナンバー車であるツーリングワゴン「ブライトン220」を追加する。また、モータースポーツ向けのモデルとして、1989年10月に「RS typeR」を、同年12月にSTIがエンジンチューニングを手がけた「RS typeRA」を発売した。

 

一方、初代レガシィの販売台数を伸ばすうえで大きな役割を果たしたのが、米国の俳優で、当時『ダイ・ハード』シリーズの主演などで高い人気を獲得していたブルース・ウィリスをイメージキャラクターに起用した広告戦略だった。ウィリスがレガシィの広告に登場したのは1991年6月のマイナーチェンジモデルから。テレビCMではケニー・ランキンの『ア・ハウス・オブ・ゴールド』(1992年6月以降はリッチー・サンボラの『ジ・アンサー』)のBGMとともにレガシィを楽しむ姿が、新聞・雑誌広告では“ツーリング・ブルース”というキャッチコピーを背景に渋くきめるカットが、クルマ好きのみならず映画ファンなどからも大注目を浴びた。ブルース・ウィリスを使った広告戦略は1993年まで続き、そのうちの1992年には毎日広告デザイン賞を授賞している。

 

レガシィのデビューを契機に、富士重工業の業績は急速に回復していく。1990年3月期決算では営業損益で200億円以上の赤字だったものが、1991年以降は大幅な黒字を計上した。この数字は、バブル景気の崩壊で苦しむ日本メーカーたちの羨望を集めた。もちろんレガシィ、とくにツーリングワゴンの大ヒットをライバルメーカーが黙って見過ごすはずがない。競合する新しいワゴンが、相次いで市場に投入される。しかし、レガシィの牙城は崩せなかった。レオーネから続くステーションワゴン造りのノウハウが商用車のバンの域を超えられないライバル車を凌駕し、さらに低重心で独特のフィーリングが味わえる水平対向エンジンや卓越した路面追従性を示す先進の4WD機構がクルマ好きのハートをがっちりと掴んでいたからだ。

レオーネから培ったステーションワゴン造りのノウハウを余すことなく注ぎ込んだ

 

首脳陣の英断と開発陣のこだわり、さらにRVブームの追い風にも乗った初代レガシィは、結果的に富士重工業の業績回復を担う牽引車となった。その意味で初代レガシィは、車名の通りに6連星の大いなる遺産=レガシィとなったのである。

 

【中年名車図鑑】

Vol.1 6代目 日産ブルーバード

Vol.2 初代ダイハツ・シャレード・デ・トマソ

Vol.3 4代目トヨタ・セリカ

Vol.4 初代トヨタ・ソアラ

Vol.5 2代目ホンダ・プレリュード

Vol.6 5代目マツダ・ファミリア

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

ワールドプレミアが待ち遠しい! これがBMW「Z4」の新型だ!

BMWがトヨタと共同開発するライトウェイトスポーツの新型「Z4」に関して、このほど最終デザイン・レンダリングCGを入手。コンセプトモデルと異なるハニカムメッシュのエアインテークが見られるなど、エアロダイナミクスを高めるスポーティなバンパーデザインとなっていることがわかった。

ヘッドライトはコンセプトモデルから継承した精悍なイメージだが、ノーズのキドニーグリルは直立したシルエットとなりそうだ。リアビューのCGはないが、L字型テールライトやスポイラー一体型トランクリッドを装備するはずだ。

パワートレインは、最高出力190ps及び250psを発揮する2リッター直4ターボエンジンと、最高出力385psとも噂される3.0リッター直6ツインターボエンジン搭載の「M40i」、パワーモードで最大204psを発揮するハイブリッドが予想される。

CGは直列4気筒モデルで、直6モデルのグリルはメッシュデザインが予想されており、今回初公開となる2台連なった画像は、先頭が「M40i」で、後ろが4気筒と思われる。

Courtesy of Apollo News Service

プジョーが電動マウンテンバイクを発表!

プジョーはこのほど、新型電動マウンテンバイク「プジョーeM02 FS パワーチューブ」を発表した。

この電動マウンテンバイクは、フレームに500Whのコンパクトなバッテリーを搭載し、合理化された電動バイクのスタイルを提案するもの。バッテリーは最大で125kmの航続距離を実現しているという。ちなみに車名はe=電気、M=マウンテン、02=ミッドレンジ、FS=フルサスペンションの意味が込められている。

バッテリーをフレームに内蔵して低重心化が図られたことにより、バランスのいい走りを実現。また、オフロードなどでの走行中には、バッテリーをフレームが保護する効果もある。

この新型電動バイクは、プジョー・ラフター4×4コンセプト(SUVのテイストをもつスライドドア付きMPVのコンセプトモデル)とともに、3月6日に開幕するジュネーブショーに出品される。

【中年名車図鑑】失敗作と評される「セブンス」だが、R32よりも売れたことはあまり知られていない…

日産自動車は1985年8月にスカイラインの全面改良を実施して7代目に切り替える。デビュー当初のボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップの2種類で、いずれも“高級感”を全身で主張。9カ月ほどが経過した1986年5月にはスポーツモデルとなる2ドアスポーツクーペGTSシリーズを市場に放った――。今回は“都市工学”というキャッチを冠してスポーティとラグジュアリーを共存させた7thスカイラインで一席。

【Vol.58 7代目 日産スカイライン】

イメージキャラクターにポール・ニューマンを起用し、またS20型以来の4バルブDOHCエンジン(FJ20)を復活させてスポーツイメージを全面に押し出した6代目のR30スカイライン。しかし、販売成績の面で見ると5代目のC210 “ジャパン”ほどの台数は獲得できなかった。市場調査によると、最大の敗因は高級感とファッショナブル性の欠如。ライバルであるトヨタのマークⅡシリーズに比べて、ミドルクラスらしい車格と優雅さが希薄だったという結論が導き出されたのである。この結果に対して開発陣は、次期型スカイラインが目指すキャラクターを「ソフィスティケートされた高級スポーティサルーン=ソフトマシーン」に定義。同時に、先進技術の導入も精力的に推し進めた。

 

■高級スポーティサルーンに変身した7代目

当時はハイソカー・ブーム真っ只中。4ドアハードトップが人気を集めた

 

車両デザインに関しては、従来のR30型系のシャープなボディラインを踏襲しつつ、各部の質感を大幅に高める。ボディ形状は従来の4ドアセダンのほかに、スカイライン初の4ドアハードトップを新設定。また、全長や全幅も伸ばし、室内空間の拡大とともに見た目の高級感の創出を図った。フロントがマクファーソンストラット式、リアがセミトレーリングアーム式という足回りは基本的に従来モデルと同形式だが、ボディの大型化や高級サルーンへの路線変更により、セッティングを大幅に見直す。さらに、新機構としてHICAS(High Capacity Actively Controlled Suspension)と呼ぶ電子制御4輪操舵システムを設定した。リアのセミトレーリングアームが取り付けられたクロスメンバーの左右支点(ラバーマウント部)に小型の油圧アクチュエータを設け、電子制御により後輪を同位相に微小角度変位させるこの新システムは、30km/h以上で車速および車両横Gに応じて後輪を最大0.5度までアクティブにステアさせることによりスタビリティを向上させる仕組みで、とくに高速コーナリングでのセーフティマージン向上に大きく貢献する機構だった。

 

搭載エンジンは、従来のL型系に代わる新世代6気筒ユニットのRB型系をメインに採用する。新設計の4バルブDOHCヘッドを備えたRB20DE型1998cc直列6気筒DOHC24V(165ps)とそのターボ版のRB20DET型(210ps)を筆頭に、RB20ET型1998cc直列6気筒OHCターボ(170ps)、RB20E型1998cc直列6気筒OHC(130ps)、CA18S型1809cc直列4気筒OHC(100ps)、そしてディーゼルユニットのRD28型2825cc直列6気筒OHC(100ps)という計6機種を設定した。また、RB20DE型系には世界初採用となる電子制御可変吸気コントロールシステム(NICS)やハイテンションコードを省いて常に安定した2次電圧を供給するダイレクトイグニッションシステム(NDIS)などの新機構を組み込んだ。

 

■4ドアハードトップと4ドアセダンの2本立てで販売をスタート

4ドアハードトップの室内空間。高級サルーンのコンセプトに則り、インテリアの高級化とともに、居住スペースの拡充がはかられた

 

高級路線へとシフトした7代目スカイラインは、R31の型式を付けて1985年8月に市場デビューを果たす。キャッチフレーズは“都市工学です。7th Skyline”。ボディタイプはイメージリーダーとなる4ドアハードトップと4ドアセダンのみの設定で、歴代スカイラインのスポーツモデルの象徴である2ドアモデルはラインアップから外れた。

 

高級スポーティサルーン、当時の表現でいうと“ハイソカー”にキャラクターを一新した7代目スカイラインは、市場での評価が大きく分かれた。販売成績の面では、とくにハイソカー・ブームに乗った4ドアハードトップ車が好成績を獲得。一方、昔からのスカイライン・ファンには不評で、往年のキャッチフレーズをもじって“牙を抜かれた狼”などと揶揄された。しかし、このような評判になることは日産スタッフもある程度は予想していた。そして、スカイライン伝統の“走り”を極めたスポーツモデルの2ドアハードトップの開発を、鋭意進めたのである。

 

■待望の2ドアスポーツクーペの追加

1986年5月「2ドアスポーツクーペGTS」シリーズが追加された。特徴的な3次曲面エアロカーブドガラスやラップラウンドリアウィンドウなどを組み込んだ“スーパーエアロフォルム”を採用

 

市場デビューから5カ月ほどか経過した1986年1月には5ドアワゴンが登場。そして、4カ月後の1986年5月、7thスカイラインに待望のスポーツモデルとなる「2ドアスポーツクーペGTS」シリーズが追加された。商品テーマは「時代にジャストフィットするテイストを備えたうえで、快適にスポーツ走行を体感できる高性能GTスポーツ」。キャッチフレーズには“そのとき、精悍”と謳った。搭載エンジンは3機種。タービンローターにファインセラミックを、ローター軸のオイルシールに滑りのよいシーリングタイプを採用したRB20DET型1998cc直列6気筒DOHC24Vインタークーラーターボユニット(ネット値180ps)を筆頭に、自然吸気のRB20DE型1998cc直列6気筒DOHC24Vユニット(グロス値165ps)とRB20E型1998cc直列6気筒OHCユニット(グロス値130ps)を設定する。シャシーには専用チューニングを施し、ツインカム系にはHICASを標準で装備。また、確実な制動性能を発揮する4WASをオプションで用意した。

 

エクステリアについては、しなやかなラインと滑らかな面で構成するウエッジシェイプを基調に、特徴的な3次曲面エアロカーブドガラスやラップラウンドリアウィンドウなどを組み込んだ“スーパーエアロフォルム”を採用する。また、車速70km/h以上で突出、50km/h以下になると格納するフロントの“GTオートスポイラー”をセットして走行時の空力特性を引き上げた。

 

1987年8月には内外装の一部変更やエンジンの改良(RB20DETは190psに出力アップ)などをメニューとするマイナーチェンジを実施。それと同時期、2ドアスポーツクーペ「GTS-R」と称するグループA参戦用のホモロゲーションモデルを限定800台でリリースした。肝心のパワーユニットには、RB20DET型をベースに大型のギャレットエアリサーチ社製T04E型ハイフローターボチャージャーや表面積をベース比で約5.5倍に拡大した空冷式インタークーラー、専用セッティングの電子制御燃料噴射装置(ECCS)、排気効率を高めたステンレス材等長エグゾーストマニホールド、ベース比で約10%軽量化したフライホイールなどを組み込んだ専用のRB20DETR型エンジンを搭載する。最高出力はネット値で210psを絞り出した。内外装に関しては、専用ボディカラーのブルーブラック、固定式のフロントスポイラー、プロジェクターヘッドランプ、FRP製大型リアスポイラー、ストラットタワーバー、イタルボランテ製3本スポーク本革巻きステアリング、モノフォルムバケットシ-トなどを採用した。ちなみにレースの舞台でのGTS-Rは、熟成が進んだ1989年シーズンの全日本ツーリングカー選手権(JTC)で長谷見昌弘選手がドライバーズタイトルを獲得している。

1987年、800台限定の「GTS-R」をリリース。専用ボディカラーのブルーブラック、固定式のフロントスポイラー、プロジェクターヘッドランプ、FRP製大型リアスポイラーなどを装備

 

1988年8月になると、関連会社のオーテックジャパンが手がけた2ドアスポーツクーペ「GTSオーテックバージョン」が発売される。限定200台の販売となる特別仕様車は、RB20DET型ユニットのターボチャージャーをギャレットエアリサーチ社製T25/T3のハイブリッドタービンに変更するなどして、ネット値210psの最高出力と俊敏なレスポンスを実現。足回りをグレードアップするとともに、内外装にも専用パーツを豊富に盛り込み、“走りを楽しむ大人のスポーツクーペ”に仕立てていた。

 

市場の志向に合わせて高級路線へと舵を切ったことにより、賛否両論を巻き起こした7代目スカイラインは、1989年5月になると全面改良が行われ、スポーツ路線に回帰した8代目のR32に移行する。スカイライン史で見ると、概して失敗作と評されるR31。しかし、トータルでの販売台数は30万9716台に達し、先代のR30の40万6432台にはかなわなかったものの、後継のR32の29万6087台を上回る数字を残した。また、ウエッジがきいた直線基調の精悍なスタイリングは後に再評価され、とくに2ドアスポーツクーペGTSが中古車市場で高い人気を獲得する。櫻井眞一郎氏が開発の基本を手がけ、同氏が大病を患ってリタイアした後は伊藤修令氏が仕上げを担当するという、旧プリンス自動車工業の名エンジニア2人が開発主担に就いた7thスカイラインは、現役を退いてから改めてファンの称賛を受けたのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

ブランパンGTアジア参戦のBMW M4 GT4が国内でシェイクダウン!

昨シーズンまでBMWの包括的なバックアップを受け、国内SUPER GT300クラスにM6 GT3で参戦してきた、BMW Team Studie(ビー・エム・ダブリュー・チーム・スタディ/監督:鈴木康昭)が、この2018年シーズンから欧州で人気の高いブランパンGTシリーズのアジア戦にエントリーを表明。昨年より世界各国に投入され始めたFIA GT4規定のマシンにスイッチして2台体制で新たなチャンピオンシップに挑戦する。

 

 

 

その参戦マシンとなるBMW M4 GT4は、BMWモータースポーツがカスタマーチーム/プライベーターに向けて開発したレース専用マシン。ご覧の通り、BMW M4クーペをベースにレース専用装備と軽量化技術が投入されているものの、ボディは全長4671×全幅1877×全高1369(可変)mmでホイールベースは2812mm、フロントに搭載する2979㏄の直列6気筒ターボエンジンは、レース規定によって制限されるが最高出力は431psと、ほぼ市販モデル相当のスペックが踏襲されているようだ。

 

 

去る2月28日に静岡県の富士スピードウェイに現れた2台のM4 GT4は上陸したばかりの模様。カラーリングも含めてほぼベーシックな状態のまま、SUPER GT300クラスのマシンらとともにシェイクダウン走行に臨んでいた。今回のテスト走行にはブランパンGTシリーズ・アジアの経験者であり、昨季まで同チームでM6 GT3を駆っていた荒 聖治選手をはじめ、ニュル24時間レースやツーリングカー等で経験豊富な木下隆之選手、全日本GT選手権で活躍した「塾長」こと砂子智彦選手ほか計6名のドライバーがステアリングを握り、タイヤセットやブレーキなどを慎重にチェックしつつ、時に大胆にマシンを操っていたようだ。

 

 

いま注目を集めるブランパンGTシリーズのGT4カテゴリー。すでにエントリーが発表されているヨーロピアン・シリーズでは、このBMW M4をはじめ、メルセデスAMG GTやアウディR8、ポルシェ・ケイマン、マクラーレン570S、マセラティ・グラントゥーリズモMC、アストン・マーティン・ヴァンテージといった魅力溢れるマシンたちが繰り広げる激しいバトルに期待が高まる。

 

 

 

そして、今シーズン全12戦となるブランパンGTシリーズ・アジアは、マレーシアのセパン(4/14-15)で開幕。タイのチャン国際サーキット(5/12-13)から鈴鹿サーキット(6/30-7/1)、富士スピードウェイ(7/21-22)、上海国際サーキット(9/22-23)をラウンドして中国の寧波国際サーキット(10/13-14)で最終戦となる。

 

 

 

この新たなチャンピオンシップに挑戦するBMW Team Studieの参戦体制は、来る3月12日(月)に発表予定とのこと。2台のBMW M4 GT4を駆るドライバーラインナップにも注目したい。BMW Team Studie公式サイト:http://teamstudie.jp/